JP3700879B2 - 有機金属気相成長装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機金属気相成長装置の改良に関し、特に、化合物半導体薄膜の有機金属気相成長の生産性を向上させることができる有機金属気相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機金属気相成長(MOCVD)法により、GaAs基板あるいはInP基板上に薄膜をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウェハは、FET、HEMTなどのデバイスの製造に使用される。これらのデバイスは、高周波特性が優れ、消費電力が少ないため、需要が急速に拡大している。有機金属気相成長(MOCVD)法による化合物半導体薄膜の成長の原理は、以下の通りである。即ち、例えば、反応容器内に、ガリウム(Ga)やアルミニウム(Al)の原料としてトリメチルガリウム(TMG)やトリメチルアルミニウム(TMA)の有機金属を水素ガスなどのキャリアガスと共に供給し、砒素(As)や燐(P)の原料としてアルシン(AsH3)やホスフィン(PH3)の水素化物のガスを供給し、さらに、不純物としてシリコン(Si)、亜鉛(Zn)をシラン(SiH4)やトリメチルジンク(TMZn)を用いて供給する。そうして、これらのガスを流量制御しながら反応容器内に供給し、反応容器内で加熱分解反応させることにより、加熱した化合物半導体基板(GaAs、InPなど)上に所望の組成(GaAs、InP、InGaAs、AlGaAsなど)、膜厚、キャリア密度(n型、p型)の薄膜を形成するものである。
【0003】
ここで、従来の有機金属気相成長装置を図3を用いて説明する。この装置は、原料ガスを供給するMライン(メインライン)と、反応容器内のガスを水素ガスに置換するPライン(パージライン)からなっている。図3において、符号1a〜dはガス流量制御器である。本装置では、反応容器4内の基板上に多層膜を形成する場合には、各層間の組成変化の急峻性をよくするために、以下のようにして各層を成長させる。例えば、原料ガスAを供給して成膜後に、原料ガスAの供給を止め、Pラインからパージガスを流して、反応容器4の原料ガスAを排除する。次いで、原料ガスBを反応容器4内に供給して次の層を積層する。2m、2pは上述のガス切り換え用のバルブである。なお、符号7は真空ポンプ、符号10は廃ガス処理装置である。
【0004】
従来の他の有機金属気相成長装置を図4を用いて説明する。この装置は、原料ガスを供給するMライン(メインライン)と、ガスを排出するVライン(ベントライン)と、原料をガス化するB(バブルライン)ラインからなっている。図4において、符号1a〜1eはガス流量制御器であり、2a〜2jはバルブである。この装置では、高純度の水素ガスがガス流量制御器1aを通ってMラインに供給される。原料ガスのAsH3はガス流量制御器1cを通ってMラインに流される。この際、バルブ2aを閉じ、バルブ2bを開く。また、水素ガスはBラインからガス流量制御器1dを通ってバブラー3aに入り、TMGaを気化させ、TMGaがMラインに供給される。この際、バルブ2cを閉じ、バルブ2dを開く。同様に、TMAlがバブラー3bからMラインに供給される。これらの原料ガスは、Mラインから反応容器4に供給される。これらの原料ガスは、必要に応じてバルブ2a、c、eを開き、Vラインに流される。なお、Vライン内を流れる水素ガスはガス流量制御器1bで制御されている。さらに、VラインとMラインの内圧を同一にする必要があるが、この操作は調圧バルブ5で行われる。このVラインは反応容器4の排気部8および前室9からの廃ガス管6と結合されて、真空ポンプ7に接続され、真空ポンプ7は廃ガス処理装置10に接続されている。本装置では、Mラインから水素ガスのみを反応容器4に供給して、反応容器4内を水素ガスに置換する間、原料ガスをVラインに流しておく。従って、あらかじめVラインで原料ガスの流量調節をしておくことができるから、反応容器4に流すガスを水素ガスから原料ガスに切り替える際に流量制御がしやすい。
【0005】
このような有機金属気相成長装置の中で、一回の処理で多数枚の半導体基板(ウェハ)を処理する装置として、それら基板を装着するサセプタを多角形錐体状に作り(一般にバレル型サセプタと称される)、その各面に基板を装着する装置が量産装置として多く用いられている。このバレル型サセプタを用いた場合、基板数が6〜10枚のバッチ処理で化合物半導体薄膜を成長させる。バッチ処理に要する時間は、原料ガスの供給による薄膜の成長時間自体は1〜2時間/1バッチであるが、その他にサセプタの温度上昇および下降、反応容器内のガス置換、基板の着脱に時間を要する。そのため、バッチ処理の生産性は4〜5バッチ/日程度になっている。
【0006】
上記バッチ処理の工程を具体的に記すと、以下の通りである。即ち、
1)パージ工程(α)は、Mラインから水素ガスのみを反応容器に供給する。この工程では、毒性の強い原料ガスを排出して反応容器内を水素ガスに置換するとともに、基板取り出し作業時に基板の酸化による品質の低下を防ぐために、基板の温度を低下させる。このため、ガス流量も多く、1時間程度の時間を要する。また、この工程では、水素ガスをMラインから前室にも送り、前室も同時にガス置換する。この間、原料ガスはVラインに流す。
2)基板をサセプタに脱着するローダー・アンローダー工程(β)は、20分〜1時間程度かかる。
3)成長準備工程(γ)は、反応容器内の水素ガスを原料ガスに置換し、基板温度を上昇させる。30分〜1時間程度かかる。
4)有機金属気相成長工程(δ)は、1.5〜2時間程度かかる。
5)再び、パージ工程(α)を行う。
このように、工程(α)→(β)→(γ)→(δ)→(α)を繰り返す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、エピタキシャルウェハの生産量を上げるためには、設備を増加することが考えられるが、ガス制御系の設備が高価であるため、単に生産設備を増加することは、設備費の点で困難であるという問題があった。
【0008】
ところで、Si用ではあるが、単一のガス制御系に複数の反応容器を設けて、設備費を節減する技術が開示されている(特開平4−139088号公報参照)。この技術を化合物半導体のエピタキシャルウェハの成長に利用すると、例えば、以下のような工程になる。即ち、2個の反応容器(AとB)を単一のガス制御系に接続して、稼働させると、これらの反応容器の工程間の関係は図5に示すようになる。反応容器(A)にガス系統を接続して工程(γ、δ、α)を進めている間に、反応容器(B)では工程(β)の基板のローダー・アンローダーを行う。その後、ガス系統を反応容器(A)から反応容器(B)に接続を切替え、反応容器(A)では工程(β)を行い、反応容器(B)で工程(γ、δ、α)を進める。各工程に要する時間をT(α)〜T(γ)とすると、この装置の平均的な製造の1サイクル時間はT(α)+T(γ)+T(δ)となる。従って、一反応容器に単一のガス制御系を固定して接続した場合(製造の1サイクル時間は、T(α)+T(β)+T(γ)+T(δ))に比較して、製造の1サイクル時間はT(β)だけ短縮するに過ぎず、生産性の向上には限界がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、請求項1記載の発明は、バッチ処理が可能な複数の反応容器と、前記反応容器に接続されたガス供給・制御系を備え、前記反応容器内で有機金属気相成長を行う有機金属気相成長装置であって、前記ガス供給・制御系は単一の原料ガス供給・制御系統と、複数のパージガス供給・制御系統、および単一のガス排出・制御系統を有し、前記単一の原料ガス供給・制御系統は前記複数の反応容器に切替え接続可能であり、原料ガスが前記単一のガス排出・制御系統と前記単一の原料ガス供給・制御系統との間で切替え可能であり、また、前記複数のパージガス供給・制御系統は前記複数の反応容器にそれぞれ接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の反応容器の排気側に、前記複数の反応容器に切替え接続可能に異なる処理容量の2基の廃ガス処理装置を設け、有機金属気相成長工程にある反応容器には処理容量の大きい方の廃ガス処理装置を接続し、他の工程にある反応容器には処理容量の小さい方の廃ガス処理装置を接続することを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の有機金属気相成長装置によれば、単一の原料ガス供給・制御系統を複数の反応容器のうちの一つの反応容器に接続して、有機金属気相成長を行っている間に、パージガス供給・制御系統で他の反応容器のパージ工程を同時に進めることができる。従って、単一の原料ガス供給・制御系統を、一つの反応容器で有機金属気相成長が終わり次第、他のパージ済みの反応容器に接続を切替え、直ちに有機金属気相成長を続行することができるので、複数の反応容器による製造のサイクル時間を短縮することができ、生産性が向上する。また、本装置では、複数の反応容器に対して、高価な原料ガス供給・制御系統を一系統とし、比較的安価なパージガス供給・制御系統を複数化しているので、設備費に対する生産性の効果が向上する。
【0012】
また、請求項2記載の有機金属気相成長装置によれば、複数の反応容器に対して、大容量の廃ガス処理装置と小容量の廃ガス処理装置をそれぞれ1基づつ設け、原料ガスの排出量の多い有機金属気相成長工程にある反応容器には、大容量の廃ガス処理装置を接続し、他の工程にある反応容器には、小容量の廃ガス処理装置を接続するため、複数の反応容器に対して高価な大容量の廃ガス処理装置を1基で済ますため、設備費に対する生産性の効果が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる有機金属気相成長装置の一実施形態の説明図である。この有機金属気相成長装置は、2個の反応容器14a、14bと、単一の原料ガス供給・制御系統であるMラインと、高純度水素からなる2系統のパージガス供給・制御系統であるPa およびPb ラインと、原料ガスおよびパージガスを抜く単一のガス排出・制御系統であるVラインと、原料をガス化するBラインと、高純度窒素からなる置換ガス用のNラインを備えている。図中、11a〜11gはガス流量制御器、12a〜12y、および22a〜22hはバルブである。
【0014】
Mラインは、反応容器14a、14bと切替え接続可能になっており、ガス流量制御器11aを通った高純度の水素ガス、ガス流量制御器11eを通った原料ガスのAsH3、気化したTMGおよびTMAを反応容器14a、14bに供給する。なお、TMGおよびTMAは、Bライン(バブルライン)からガス流量制御器11f、11gを通ってバブラー13a、13bに入った水素ガスによって気化され、Mラインに供給される。なお、バルブ12n、12o、12p間の配管内容積は、できるだけ小さくすることが望ましい。この容積が大きいと、この部分がデッドスペースとなり、成長層の積層界面の急峻性が悪くなるとともに、反応容器14a、14bの切替え時には、切替えに要する時間が長くなる。
【0015】
また、Pa およびPb ラインはそれぞれ、反応容器14a、14bに接続されており、ガス流量制御器11c、11dを通った高純度の水素ガスをパージガスとして反応容器14a、14bに供給する。なお、バルブ12p、12q、12l間の配管内容積、およびバルブ12o、12r、12s間の配管内容積は、できるだけ小さくすることが望ましい。こうすることにより、原料ガスとパージガスの切替えをよくすることができる。
【0016】
また、Vラインは、真空ポンプ17を介して大容量の廃ガス処理装置20aに接続している。
【0017】
さらに、Bラインは分岐して、バルブ12v、12wを介して反応容器14a、14bの前室19a、19bに接続している。そうして、前室19a、19b内に水素をカウンターフローとして流し、反応容器14aまたは14bで有機金属気相成長中に、それらの下側に設けられた前室19a、19b内に原料ガスが過剰に入らないようにする。こうすることにより、前室19a、19b内の原料ガス濃度が低くなるため、前室19a、19b内のガス置換に要する時間を短縮することができる。このカウンターフローは、反応容器14aまたは14bに供給される原料の流れと同期して断続し、原料流量の変動を防ぐ。そのために、予めBラインが分岐したFラインを介してVラインに水素を流し、所定の流れを作った後、水素の流れを前室19a、19bの方向に変える。
【0018】
反応容器14a、14bからの排気系には、圧力調整弁21a、21b、真空ポンプ17を介した大処理容量の廃ガス処理装置20aと、圧力調整弁21a、21bを介した小処理容量の廃ガス処理装置20bが設けられている。圧力調整弁21a、21bは、有機金属気相成長中の反応容器14a、14b内の圧力制御を精度よく行うために設置されている。反応容器14a、14bの排気部18a、18bからの排気ガスは、有機金属気相成長中については、原料ガスの濃度が高いので、圧力調整弁21a、21bおよび真空ポンプ17を介して大処理容量の廃ガス処理装置20aで処理される。また、原料ガスをパージ中の排気部18a、18bからの排気ガスは、原料ガスの濃度が低いので、小処理容量の廃ガス処理装置20bで処理される。
【0019】
本実施形態の装置による有機金属気相成長工程は、次のとおりである。即ち、反応容器14aについては、
1)パージ工程(α):前段の成長終了後、圧力調整弁21aを制御して、Pa ラインにより反応容器14a内の原料ガスをパージし、基板を冷却し、大気圧にする。この際、廃ガスは小容量の廃ガス処理装置20bで処理する。この間、Mラインの原料ガスはVラインに流し、大容量の廃ガス処理装置20aで処理する。
2)ローダー・アンローダー工程(β):次いで、サセプタ(図示されず)を反応容器14a内から前室19aに下げ、排気部18aの下流側にあるゲートバルブ(図示せず)を閉めて、反応容器14aを密閉する。その後、Nラインにより前室19a内を窒素ガスに置換する。その際の廃ガスは廃ガス処理装置20bで処理する。その後、前室19aを開いて、サセプタ上の基板を着脱、交換する。
3)成長準備工程(γ):次いで、サセプタを反応容器14a内に移す。その後、Mラインを反応容器14aに接続する。そうして、高純度水素をガス流量制御器11a、11bを通してMライン、Vラインに流し、また、Bライン(バブルライン)にも流して、原料ガス(TMG、TMA)を反応容器14aに供給し、さらに、ガス流量制御器11eを通して原料ガスAsH3を反応容器14aに供給し、基板温度を成長温度まで上昇させる。
4)成長工程(δ):次いで、有機金属気相成長を行う。なお、工程(γ)および(δ)においては、圧力調整弁21aを制御して真空ポンプ17で排気し、反応容器14a内を減圧して所定圧に保つとともに、大容量の廃ガス処理装置20aで廃ガスを処理する。また、この間、前室19aにはBラインの分岐から水素のカウンターフローを流す。成長工程(δ)が終了後、再びパージ工程(α)が始まり、工程(α)→(β)→(γ)→(δ)→(α)を繰り返す。
【0020】
反応容器14bについては、反応容器14aと同様であって、
1)パージ工程(α):前段の成長終了後、Pb ラインにより反応容器14b内の原料ガスをパージし、大気圧にする。この際、Mラインの原料ガスはVラインに流し、大容量の廃ガス処理装置20aで処理する。
2)ローダー・アンローダー工程(β):次いで、サセプタ(図示されず)を反応容器14b内から前室19bに下げ、排気部18bの下流側にあるゲートバルブ(図示せず)を閉めて、反応容器14bを密閉する。その後、Nラインにより前室19b内を窒素ガスに置換する。その際の廃ガスは廃ガス処理装置20bで処理する。その後、前室19bを開いて、サセプタ上の基板を着脱、交換する。
3)成長準備工程(γ):次いで、サセプタを反応容器14b内に移す。その後、Mラインを反応容器14bに接続する。そうして、高純度水素をガス流量制御器11a、11bを通してMライン、Vラインに流し、また、Bラインに流して、原料ガス(TMG、TMA)を反応容器14bに供給し、さらに、ガス流量制御器11eを通して原料ガスAsH3を反応容器14bに供給し、基板温度を成長温度まで上昇させる。
4)成長工程(δ):次いで、有機金属気相成長を行う。なお、工程(γ)および(δ)においては、圧力調整弁21bを制御して真空ポンプ17で排気し、反応容器14b内を減圧して所定圧に保つとともに、大容量の廃ガス処理装置20aで廃ガスを処理する。また、この間、前室19bにはBラインの分岐から水素のカウンターフローを流す。成長工程(δ)が終了後、再びパージ工程(α)が始まり、工程(α)→(β)→(γ)→(δ)→(α)を繰り返す。
【0021】
上述の反応容器14aの工程と反応容器14bの工程の関係は、Mラインを間断なく反応容器14aまたは反応容器14bに接続するようにする。図2は、反応容器14aの工程と反応容器14bの工程との関係を示す図である。即ち、反応容器14aがMラインに接続されて、成長準備工程(γ)と成長工程(δ)に入っている間、反応容器14bはPb ラインに接続されてパージ工程(α)に入り、また、Nラインに接続されてローダー・アンローダー工程(β)に入るようにする。さらに、反応容器14bがMラインに接続されて、成長準備工程(γ)と成長工程(δ)に入っている間、反応容器14aはPa ラインに接続されてパージ工程(α)に入り、また、Nラインに接続されてローダー・アンローダー工程(β)に入るようにする。このようにすると、通常は、成長準備工程(γ)と成長工程(δ)に要する時間、T(γ)+T(δ)がパージ工程(α)とローダー・アンローダー工程(β)に要する時間、T(α)+T(β)よりも長いため、一方の反応容器が工程(γ)と工程(δ)に入っている間に、他方の反応容器は工程(α)と工程(β)を余裕をもって済ますことができる。従って、二つの反応容器14aと反応容器14bからは化合物半導体薄膜を、T(γ)+T(δ)のサイクルで産出することができる。即ち、上記実施の形態によれば、二つの反応容器14a、14bを備え、パージガス供給・制御系統を2系統(Pa およびPb ライン)にするだけで、化合物半導体薄膜の産出サイクルを、反応容器が一個の場合のT(α)+T(β)+T(γ)+T(δ)からT(γ)+T(δ)に短縮することができる。
【0022】
なお、上記実施形態では、各反応容器14a、14bにパージガス供給・制御系統、Pa およびPb ラインを設けたが、このようにすることにより、パージ工程が反応容器14a、14bで重なっても処理することができる。なお、Pa およびPb ラインのVライン部分を真空ポンプ17の後に接続してもよい。また、Pa およびPb ラインは廃ガス処理機を通さなくともよい。さらに、上記実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、バッチ処理が可能な複数の反応容器と、前記反応容器に接続されたガス供給・制御系を備え、前記反応容器内で有機金属気相成長を行う有機金属気相成長装置であって、前記ガス供給・制御系は単一の原料ガス供給・制御系統と、複数のパージガス供給・制御系統、および単一のガス排出・制御系統を有し、前記原料ガス供給・制御系統は前記複数の反応容器に切替え接続可能であり、原料ガスが前記単一のガス排出・制御系統と前記単一の原料ガス供給・制御系統との間で切替え可能であり、また、前記複数のパージガス供給・制御系統は前記複数の反応容器にそれぞれ接続されているため、化合物半導体薄膜の産出サイクル時間を短縮することができ、生産性が向上するという優れた効果がある。また、高価な原料ガス供給・制御系統を一系統とし、比較的安価なパージガス供給・制御系統のみを複数化しているので、設備費に対する生産性の効果が向上するという優れた効果がある。
【0024】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、複数の反応容器の排気側に、前記複数の反応容器に切替え接続可能に異なる処理容量の2基の廃ガス処理装置を設け、有機金属気相成長工程にある反応容器には高価な処理容量の大きい方の廃ガス処理装置を接続し、他の工程にある反応容器には処理容量の小さい方の安価な廃ガス処理装置を接続するため、設備費に対する生産性の効果が向上するという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機金属気相成長装置の一実施形態の説明図である。
【図2】上記実施形態における二つの反応容器の工程間の関係を示す図である。
【図3】従来の有機金属気相成長装置の説明図である。
【図4】従来の他の有機金属気相成長装置の説明図である。
【図5】2個の反応容器単一のガス制御系に接続した場合のこれら反応容器の工程間の関係を示す図である。
【符号の説明】
11a〜11gガス流量制御器
12a〜12y、22a〜22hバルブ
13a、13bバブラー
14a、14b反応容器
17真空ポンプ
18a、18b排気部
19a、19b前室
20a、20b廃ガス処理装置
21a、21b圧力調整弁
Claims (2)
- バッチ処理が可能な複数の反応容器と、前記反応容器に接続されたガス供給・制御系を備え、前記反応容器内で有機金属気相成長を行う有機金属気相成長装置であって、前記ガス供給・制御系は単一の原料ガス供給・制御系統と、複数のパージガス供給・制御系統、および単一のガス排出・制御系統を有し、前記単一の原料ガス供給・制御系統は前記複数の反応容器に切替え接続可能であり、原料ガスが前記単一のガス排出・制御系統と前記単一の原料ガス供給・制御系統との間で切替え可能であり、また、前記複数のパージガス供給・制御系統は前記複数の反応容器にそれぞれ接続されていることを特徴とする有機金属気相成長装置。
- 前記複数の反応容器の排気側に、前記複数の反応容器に切替え接続可能に異なる処理容量の2基の廃ガス処理装置を設け、有機金属気相成長工程にある反応容器には処理容量の大きい方の廃ガス処理装置を接続し、他の工程にある反応容器には処理容量の小さい方の廃ガス処理装置を接続することを特徴とする請求項1に記載の有機金属気相成長装置。
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