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JP3797123B2 - 懸架装置 - Google Patents

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JP3797123B2 JP2001071573A JP2001071573A JP3797123B2 JP 3797123 B2 JP3797123 B2 JP 3797123B2 JP 2001071573 A JP2001071573 A JP 2001071573A JP 2001071573 A JP2001071573 A JP 2001071573A JP 3797123 B2 JP3797123 B2 JP 3797123B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体前部に設けられたアウトリガーの伸長により車体を後下方へ傾斜させて、重機類の自走等によりその重機類を荷台上に積み下ろしする車両、いわゆる、セルフローダ車両において、後軸に装備されるエアサスペンション、とくに、その保全機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
後2軸にそれぞれエアサスペンションが装備されたセルフローダ車両においては、図3に示されているように、キャブ1の後方に設置されたアウトリガー(支柱)2の伸長により車体3全体を後下方へ傾斜させて、荷台4の後端に設けられた台板5を接地させ、渡り板6を利用して荷台4上へ重機類7を自走させることにより、その重機類7を荷台4上に積み下ろししている。
この場合、後前軸8及び後後軸9にそれぞれ装備されたエアサスペンションの内圧により車体3の高さが変化することを回避するために、従来は後前軸8及び後後軸9の各エアサスペンションにおける内圧が除去されて、車体3の高さが後記の下限位置にセットされている。
【0003】
ところが、車体3が後下方へ傾斜するに伴い、後後軸9と車体3との上下距離に対して、後前軸8と車体3との上下距離が大きくなるので、従来は図4に実線で例示されているように、後前軸8に装備されたエアサスペンション10のピストン11に上方のバンプストッパ12が突き当たった状態(車体3の高さの下限位置)から、エアサスペンション10のダイヤフラム13が上方へ引き伸ばされるため、ダイヤフラム13内が負圧となって、ダイヤフラム13の中間部分が2点鎖線で示されているように内方へ湾曲することとなり、一旦湾曲すると元の状態に戻りにくいので、車両走行姿勢に戻すための車体3の下降等によりダイヤフラム13がピストン11及びバンプストッパ12間に噛み込まれる可能性が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、後2軸の後前軸にエアサスペンションが装備されたセルフローダ車両において、車体の後下方傾斜時にエアサスペンションのダイヤフラムを保護しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明にかかる懸架装置は、後2軸の後前軸にエアサスペンションが装備されたセルフローダ車両において、車体の後下方への傾斜時に、上記エアサスペンションのダイヤフラム内に設定エア圧を負荷するように構成されている。
【0006】
従って、車体が後下方へ傾斜することにより後前軸のエアサスペンションが伸長させられても、そのエアサスペンションのダイヤフラム内に設定エア圧が負荷されていて、ダイヤフラム内が負圧となることは防止されているので、ダイヤフラムが内方へ湾曲することを確実に抑制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例について説明する。
図1において、後2軸セルフローダ車両の後前軸両端及び後後軸両端にそれぞれ図4と同等のエアサスペンション20、21が装備され、エアサスペンション20、21はそれぞれソレノイドバルブ22と通路23、24とを介して車載のエアタンク25に連結されており、電子制御装置26によりソレノイドバルブ22が制御されて、エアタンク25からエアサスペンション20、21へ圧縮エアが供給され、あるいは、エアサスペンション20、21のダイヤフラム内圧が除去されるようになっている。
【0008】
また、エアタンク25と通路23、24とはソレノイドバルブ22をバイパスする通路27により連結され、通路27に減圧弁28が設置されていると共に、各通路23と通路27との連結部分にそれぞれ3方弁29が設置されている。
【0009】
次に、上記装置の作用を図2のフローチャートにより説明する。
重機類等が積載されていないセルフローダ車両に重機類等を積載する場合には、図2(a)において、先ずステップS1で電子制御装置26によりソレノイドバルブ22が制御されて、エアサスペンション20、21のダイヤフラム内圧が除去され、ステップS2では、図示しない車載のハイトセンサにより車体が下限位置の高さ(エアサスペンション20、21のピストンとバンプストッパとが突き当たった状態)にまで降下しているかどうかがチェックされ、車体が下限位置の高さにまで降下していなければステップS1に戻るが、車体が下限位置の高さにまで降下していればステップS3へ移行する。
【0010】
ステップS3で車体前部のアウトリガーを伸長させるために図示しないレバーが操作されると、次のステップS4では上記レバー操作信号を受けた電子制御装置26により各3方弁29が作動させられて、それまでのエアサスペンション20及び通路23間の連通を遮断すると同時に、それまでのエアサスペンション20及び通路27間の遮断を停止して、エアサスペンション20と通路27とを連通させ、減圧弁28により例えば0.049MPa(1/2気圧)の設定圧に低減されたエアがエアタンク25からエアサスペンション20へ供給されて、エアサスペンション20のダイヤフラム内圧が直ちに上記設定圧に保持される。
【0011】
ステップS5ではアウトリガーの伸長により図3のように車体が後下方へ傾斜して、重機類等の積載が可能となり、電子制御装置26により各3方弁29が適宜旧位置に戻されて、通路23及び通路27間の連通を遮断すると同時に、エアサスペンション20と通路23とを連通させるが、通路23とエアタンク25とはソレノイドバルブ22により遮断されている。
【0012】
ステップS6で重機類等が積載されると、車体前部のアウトリガーを縮小させた後、電子制御装置26によりソレノイドバルブ22を開き、エアタンク25から各エアサスペンション20、21にエアが充填されて、車両が走行可能となる。
【0013】
また、重機類等が積載されたセルフローダ車両からその重機類等を下ろす場合には、図2(b)において、ステップS11で電子制御装置26によりソレノイドバルブ22が制御されて、エアサスペンション20、21のダイヤフラム内圧が除去され、ステップS12では、図示しない車載のハイトセンサにより車体が下限位置の高さにまで降下しているかどうかがチェックされ、車体が下限位置の高さにまで降下していなければステップS12が繰り返されるが、車体が下限位置の高さにまで降下していればステップS13へ移行する。
【0014】
ステップS13で車体前部のアウトリガーを伸長させるために図示しないレバーが操作されると、次のステップS14では上記レバー操作信号を受けた電子制御装置26により各3方弁29が作動させられて、それまでのエアサスペンション20及び通路23間の連通を遮断すると同時に、それまでのエアサスペンション20及び通路27間の遮断を停止して、エアサスペンション20と通路27とを連通させ、減圧弁28により例えば0.049MPa(1/2気圧)の設定圧に低減されたエアがエアタンク25からエアサスペンション20へ供給されて、エアサスペンション20のダイヤフラム内圧が直ちに上記設定圧に保持される。
【0015】
ステップS15ではアウトリガーの伸長により図3のように車体が後下方へ傾斜して、重機類等を下ろすことが容易となり、電子制御装置26により各3方弁29が適宜旧位置に戻されて、通路23及び通路27間の連通を遮断すると同時に、エアサスペンション20と通路23とを連通させるが、通路23とエアタンク25とはソレノイドバルブ22により遮断されていて、次のステップS16で重機類等が下ろされる。
【0016】
すなわち、アウトリガーの伸長により車体が後下方へ傾斜して重機類等の積み下ろしが可能とされたとき、後前軸におけるエアサスペンション20のダイヤフラムが車体の傾斜により上方へ引き伸ばされても、エアサスペンション20のダイヤフラム内が上記設定エア圧に保持されていて、エアサスペンション20のダイヤフラム内が負圧となることはないため、上記ダイヤフラムが意図しない変形をすることは確実に防止されるので、車体の昇降に際し上記ダイヤフラムが噛み込まれて損傷を受けることを未然に防止できるようになる。
【0017】
なお、上記実施形態例では、アウトリガーの伸長により車体を後下方へ傾斜させた際、エアサスペンション20のダイヤフラム内に一定値の設定エア圧が負荷されているが、車両への積載荷重の大小等に応じて適宜変化する正圧が設定エア圧としてエアサスペンション20のダイヤフラム内に負荷されるようにしても、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することができるのはいうまでもない。
【0018】
【発明の効果】
本発明にかかる懸架装置においては、車体が後下方へ傾斜することにより後前軸のエアサスペンションが伸長させられても、そのエアサスペンションのダイヤフラム内が負圧となることは防止されていて、ダイヤフラムが内方へ湾曲することを確実に抑制することができるので、ダイヤフラムが損傷を受けることを防止できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における要部配置図。
【図2】上記実施形態例の作用フローチャート。
【図3】セルフローダ車両の斜視図。
【図4】セルフローダ車両の要部縦断面図。
【符号の説明】
20、21 エアサスペンション
22 ソレノイドバルブ
23、24、27 通路
25 エアタンク
26 電子制御装置
28 減圧弁
29 3方弁

Claims (1)

  1. 後2軸の後前軸にエアサスペンションが装備されたセルフローダ車両において、車体の後下方への傾斜時に、上記エアサスペンションのダイヤフラム内に設定エア圧を負荷するように構成された懸架装置。
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