Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP3795326B2 - Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法 - Google Patents

Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3795326B2
JP3795326B2 JP2000402151A JP2000402151A JP3795326B2 JP 3795326 B2 JP3795326 B2 JP 3795326B2 JP 2000402151 A JP2000402151 A JP 2000402151A JP 2000402151 A JP2000402151 A JP 2000402151A JP 3795326 B2 JP3795326 B2 JP 3795326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
data
output
delay profile
matched filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000402151A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002204184A (ja
Inventor
雅彦 引田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2000402151A priority Critical patent/JP3795326B2/ja
Publication of JP2002204184A publication Critical patent/JP2002204184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3795326B2 publication Critical patent/JP3795326B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCDMA方式を用いた移動体通信システムの基地局における受信装置に関し、特に、符号多重された無線信号を復調するための同期補足及び同期保持用のマッチドフィルタに用いて好適な、CDMA方式の受信装置及びCDMA方式の受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話の加入者数は激増し、移動体通信の事業者は、より多くの加入者を収容するために、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式を採用している。よく知られているように、送信装置(送信機)は、送信すべきデータに、例えばPseudo Noiseコード(PNコード)のような拡散コード(Spread Code)を乗じて拡散データを生成しアップコンバートして、符号多重された無線信号(RF信号:Radio Frequency信号)を送信する。そして、受信装置(受信機)は、そのRF信号を受信してダウンコンバートし、さらに、そのダウンコンバートした信号に、その拡散コードと同一のレプリカコード(逆拡散コード)を乗じて逆拡散(Despread)して復調するようになっている。
【0003】
図19はCDMA方式の受信装置の要部を示す図である。この図19に示す受信装置50は、移動体通信における基地局に設けられたものである。受信装置50は、アンテナ50aにて、符号多重されたRF信号を受信する。この受信信号は、バンドパスフィルタ(帯域制限)50bにて帯域制限され、ローノイズアンプ(LNA:Low Noise Amplifier)50cにて増幅され、周波数変換器50dに入力される。この周波数変換器50dは、局部発振器(図示省略)を有し、この局部発振器から出力されるローカル信号を用いて、LNA50cから出力される信号をダウンコンバートし、ベースバンド信号を出力する。
【0004】
さらに、そのベースバンド信号は、アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)50eにてディジタルデータに変換される。そして、そのディジタルデータは、遅延プロファイル測定部50hと逆拡散処理部50fとのそれぞれに入力されるのである。
また、図19に示す遅延プロファイル測定部50hは、パスタイミングを得るために、遅延プロファイルを測定するものである。この遅延プロファイル測定部50hは、マッチドフィルタ(ディジタルマッチドフィルタ)51aと、平均化処理部(Σ)51bとをそなえて構成されている。
【0005】
よく知られているように、受信装置は、距離の異なる複数の伝搬路(マルチパス)を通って到来する遅延波を受信するため、その距離差に相当する時間間隔を有する複数の信号を生じる。このマルチパスの特性は、伝送実験やシミュレーションにおいて、種々のパラメータとして定義されている。ここで、遅延量が時間方向にどの程度広がるかを表すパラメータは、遅延プロファイルと呼ばれ、この遅延時間に対する電力分布の広がりの形状を表している。なお、遅延プロファイルの分散値は遅延スプレッドと呼ばれている。
【0006】
図20(a)は遅延プロファイル測定部50hの一例を示す図である。この図20(a)に示す遅延プロファイル測定部50hは、4タップのシフトレジスタ(以下、レジスタと略称することがある。)60a,60bと、4個のEXOR回路60cとを有する。ここで、受信装置は送信装置が用いた拡散コードを知っており、レプリカコードを、コード発生部50jからレジスタ60bにロードするようになっている。そして、マッチドフィルタ51aは、A/D変換器50eから入力されたディジタルデータをレジスタ60aにロードし、EXOR回路60cによりレジスタ60aにロードされたレプリカコードとそのディジタルデータとをEXORする。その結果は平均化処理部51bにて加算され、その加算された値は、データとコードとが一致した数(相関値)として出力される。
【0007】
図20(b)は遅延プロファイル測定方法を説明するための図であり、時刻と一致個数との関係の一例が示されている。遅延プロファイル測定部50hにおいて、最初に、マッチドフィルタ51aは、レプリカコード「1001」をレジスタ60bに格納し、次に、受信データ「1001」をレジスタ60aに1ビットずつ入力する。そして、受信データの先頭“1”がレジスタ60aに入力したときに、対応するレプリカコードは“1”であるから、一致個数は1となる。さらに、1チップ時間後に、シフトされた受信データは“01”となり、このとき、対応するレプリカコードは“10”であるから一致個数は0となる。また、1チップ時間後、シフトされた受信データは、“001”となり、対応するレプリカコードは“100”であるから一致個数は1となる。そして、シフトされた受信データが“1001”であり、また、対応するレプリカコードも“1001”であるから、各ビットはすべて一致し、一致個数が4と出力されるのである。
【0008】
これにより、図19に示す遅延プロファイル測定部50hは遅延プロファイルを測定し、遅延プロファイルの相関値を出力し、受信レベルとして、遅延量・パス検出部50iに出力するのである。この相関値は、時刻に対応して出力され、その相関値出力は受信レベルに対応して値が変化する。
次に、上記遅延量・パス検出部50iについて、図21(a)〜(c)を用いて説明する。
【0009】
図21(a)〜(c)はいずれも遅延量・パス検出部50iの動作を説明するための図である。この図21(a)に示す▲1▼は直接到来波(直接波)を表し、▲2▼,▲3▼はいずれも遅延到来波(遅延波)を表す。受信装置は、全ての波が重なって見える状態でRF信号を受信する。
また、図21(b)に示すデータ▲1▼〜▲3▼は、それぞれ、図21(a)に示す波に対応し遅延時間を伴う。そして、遅延量・パス検出部50iは、予め入力した遅延プロファイルデータを用いることによって、到来波の数と遅延時間とを検出する。さらに、遅延量・パス検出部50iは、直接波と遅延波とが到来するパスタイミングを計算し、このパスタイミングを図21(c)に示すパルス▲1▼〜▲3▼によりコード発生部50gに通知するようになっている。
【0010】
ここで、受信装置がパスタイミングを得る理由は、受信装置はこれら複数の到来波を合成し、例えば最大比合成を用いることにより、受信信号の品質を向上させるためである。
次に、図19に示す逆拡散処理部50fは、ディジタルデータに、レプリカコードを乗じることによって、そのディジタルデータを逆拡散するものであって、例えばスライディング相関器によりその機能が実現される。そして、このレプリカコードを得るために、コード発生部50gが設けられている。
【0011】
また、逆拡散処理部50fは、レプリカコードの先頭と、そのディジタルデータの先頭とを一致させるタイミングを遅延量・パス検出部50iから入力されるようになっている。このタイミングは、パスタイミングと称され、受信装置にて観測される直接波と遅延波との時間遅延間隔に相当する。
そして、逆拡散処理部50fは、ディジタルデータをレプリカコードに同期させることによって相関検出する。この相関検出機能は、スライディング相関器により実現される。
【0012】
図22(a)は逆拡散処理を説明するための図である。この図22(a)に示す逆拡散処理部50fは、マルチパスにおける直接波と遅延波とのそれぞれに対応して処理をしており、コード発生部50gには予めレプリカコードが格納されている。そして、逆拡散処理部50fは、遅延プロファイル測定部50hにて測定されたパスタイミングを、遅延量・パス検出部50iを介して入力され、そのパスタイミングに基づいて、ディジタルデータとレプリカコードとの相関を計算するのである。
【0013】
さらに、この相関計算によって、ディジタルデータが復調され、元のデータが復調されるのである。図22(b)はレプリカコードと受信データとの逆拡散演算を示すタイムチャートの一例を示す図であり、ディジタルデータは、レプリカコードとEXORされて、処理後の受信データが生成される。
上述したとおり、CDMA方式の受信に際しては、受信装置は、受信データに乗算されている拡散コードと、逆拡散復調に用いる逆拡散コードとを同期させて相関検出する。この相関検出は、マッチドフィルタを用いて行なわれる。
【0014】
図23はマッチドフィルタ51aの構成の一例を示す図であり、この図23に示すマッチドフィルタ51aは、A/D変換されたディジタルデータが、m段(mは自然数を表す。図23では256段)のフリップフロップ(FF:Flip Flop 以下、タップの意味で使用することがある。)からなるシフトレジスタに入力される。一方、レプリカコードもm段からなるFFからなるシフトレジスタ(図23では256段)にロードされ、256チップのデータがロードされると、レプリカコードは、ラッチ部(ラッチ回路、ラッチ1〜256と表されたもの)に保持される。そして、シフトレジスタに順次ロードされる受信データは、1個おきにタップ出力から取り出されて加算器に入力されるのである。すなわち、マッチドフィルタ51aは、多数のタップやラッチを有する。
【0015】
図24は受信データとタップ出力との関係を表すタイムチャートを示す図である。この図24に示す256タップ出力(256tap出力)〜254タップ出力(254tap出力)は、それぞれ、1クロック(1CLK)づつずれている。なお、この1クロック周期は、A/D変換器のサンプリングレートの逆数であって、1/15.36MHz(メガヘルツ)である。
【0016】
なお、マッチドフィルタに関する技術は、種々提案されている。
特開2000−101473号公報(以下、公知文献1と称する)には、消費電力を大幅に低減することのできるマッチドフィルタ装置が開示されている。
また、特開平11−127134号公報(以下、公知文献2と称する)には、より高速にセルサーチを行なうことができ、また、マルチメディア伝送に対応することのでき、さらに、マルチパスフェージングが発生する環境においても、良好な受信品質で信号を受信することができる、DS−CDMAセルラ方式における信号受信装置が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基地局において1個のマッチドフィルタを用いて処理できるのは、1個の呼(チャネル)によって生じる受信データのみである。そのうえ、基地局が、ダイバーシティを用いているので、基地局が複数の受信波についての遅延プロファイルを同時に取得するために、基地局はマッチドフィルタを複数個設ける必要がある。
【0018】
さらに、マッチドフィルタ自体の回路規模が大きいため、基地局の受信装置にマッチドフィルタを複数個設けることは、回路規模の増大や消費電力の浪費を招く。
そのうえ、移動局が、隣接するセクタ(1セルを6分割して得られるエリア)を横断するときには、基地局の受信処理の負担が多くなる。すなわち、基地局は、移動局の横断元のセクタに設けられた2本のアンテナと、横断先のセクタに設けられた2本のアンテナとの4本のアンテナからの受信信号を処理しなければならない。従って、基地局が各アンテナからの受信信号をそれぞれ逆拡散するためには、きわめて大きな回路を要する。
【0019】
また、マッチドフィルタから出力される相関値は、複数の相関値のうち一致個数が最大となるものが選択される。従って、相関演算のために、回路規模が大きいものとなっているため、呼ごとにマッチドフィルタを設けることが困難である。
そのため、複数の呼を処理するために、受信装置は、マッチドフィルタを使い回して、各呼ごとにマッチドフィルタを占有して遅延プロファイルを測定しなければならない。
【0020】
図25はチャネルの時間分割を説明するための図である。この図25に示すch1(チャネル1)〜ch16(チャネル16)は、それぞれ、基地局が受信した呼を表している。そして、基地局の受信装置は、1個のマッチドフィルタをチャネル1〜16の16呼に時分割して割り当てるようになっている。ここで、呼数が多くなればなるほど、1個のマッチドフィルタが占有される時間が長くなる。従って、各呼に割り当てられる時間の間隔Tが長くなる。マッチドフィルタの割り当て間隔Tが長くなることは、遅延プロファイルを測定する周期が長くなることを意味する。
【0021】
図26(a),(b)はそれぞれ遅延プロファイルの測定周期を説明するための図である。この図26(a),(b)に示す受信レベルは、それぞれ、1回目,2回目の測定によるものである。ここで、基地局は1回目に使用したレプリカコードを用いて、同一チャネルについて2回目の逆拡散をするようになっている。
【0022】
従って、通信中の移動局が高速でセル(又はセクタ)を移動して、基地局から遠ざかる場合、基地局は受信データを正確に逆拡散できず、誤りが多くなり、また、その移動局の遅延プロファイルの変化に追従できなくなる。このため、基地局は、受信波について、復調後データの品質低下を招く。
また、公知文献1に記載された技術は、省電力を目的としており、回路規模に関しては、言及していない。
【0023】
さらに、公知文献2に記載された技術は、複数個のマッチドフィルタを用い、動作状態に応じてそれらのマッチドフィルタにおいて実行する相関処理を適応的に制御しているものであり、やはり、回路規模に関しては言及していない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、CDMA方式を用いた基地局の受信装置において、複数のマッチドフィルタを実装せずに、マッチドフィルタの使い回しを不要とし、且つ、回路規模を増大させないで、複数の呼処理ができ、また、高速移動する移動局に追従できる、CDMA方式の受信装置及びCDMA方式の受信方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のCDMA方式の受信装置は、符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するとともに、選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力する複数の単位マッチドフィルタを有し、前記無線周波数信号のそれぞれの受信レベルを出力する遅延プロファイル測定部と、遅延プロファイル測定部から出力される受信レベルに基づいて、前記無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力するとともに、遅延プロファイル測定部での前記選択動作を制御して複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0025】
また、上記遅延量出力部は、複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを、複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックの数を表すブロック数を考慮して切り替え制御するように構成されてもよい。
そして、上記遅延量出力部は、新規呼が発生した場合,受信状態が安定している場合及び遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合のうちの少なくとも1種類の場合に、前記動作モードを切り替えるように構成することもできる。
【0026】
また、本発明のCDMA方式の受信装置は、符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するセレクタと、前記セレクタから出力される選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力するとともに、選択データを遅延させて出力する単位マッチドフィルタとを有する複数のブロックを設け、且つ、前段のブロックにて遅延された選択データが、次段のブロックにおけるセレクタに入力されるように、上記複数のブロックが多段に接続され、前記複数のブロックにおけるセレクタが、複数の受信データのうち前段までの複数のブロックに入力されたもの以外の複数の受信データのうちの一つと、前段のブロックにて遅延された選択データとの一方を選択して出力し、無線信号のそれぞれの受信レベルを出力するように構成された遅延プロファイル測定部をそなえるとともに、遅延プロファイル測定部から出力される受信レベルに基づいて無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力し、前記複数のブロックにおけるセレクタの選択動作を制御して複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部をそなえて構成されたことを特徴としている。
【0027】
さらに、CDMA方式の受信方法は、符号多重された複数の無線周波数信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し複数の無線周波数信号のうちの一つの特定無線周波数信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定無線周波数信号の受信レベルを出力する受信レベル出力ステップと、受信レベルに基づいて複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を切り替える切り替えステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係る移動体通信システムの構成図である。この図1に示す移動体通信システム(以下、システムと略称することがある。)20は、CDMA方式を用いた電話サービス,データ伝送サービス及び情報提供サービスを行なうものであって、基地局22と複数の移動局21とを有する。
【0029】
ここで、基地局22は、例えば固定局であって、電話網やインターネット網と接続され、網側からの複数の呼データ(チャネルデータ)を数10〜100種類の拡散コードを用いて符号多重しその符号多重したRF信号を移動局21に対して送信し、また、移動局21から送信されたRF信号を受信するものである。さらに、移動局21は、基地局22と無線通信するものであって、例えば携帯電話や携帯情報端末である。
【0030】
そして、移動局21と基地局22との間において送受信されたRF信号は、いずれも、距離の異なる複数のマルチパスを通って、移動局21及び基地局22のアンテナに到達する。従って、移動局21及び基地局22は、直接波と、ビル23aや山(自然物)23bにて反射されて届く遅延波(反射波)との双方が受信される。このため、遅延波は、直接波が到来してから、距離差に相当する時間後に、移動局21及び基地局22の受信装置に到達する。
【0031】
そして、基地局22の受信装置は、その遅延波を復調し、受信パルスが発生する。その受信パルスのうち遅延波によって発生したものは、遅延パルスと呼ばれている。この遅延パルスは、時間方向へ広がりを有し、この広がりは、遅延プロファイルとして定義されている。
また、図1に示すセル61は、基地局22を中心にして、6個のセクタ62に分割されている。
【0032】
以下、主に、移動局21から基地局22に対する信号の流れについて説明する。なお、図1に示す基地局22は、送信装置をも有し、また、移動局21は、受信装置を有するが、基地局22から移動局21に対して送信する流れの詳細については省略する。
図2は本発明の第1実施形態に係る基地局22の受信装置の要部を示す図である。この図2に示すCDMA用移動体受信装置(CDMA方式の受信装置、以下受信装置と称することがある。)25は、基地局22に設けられ符号多重されたRF信号を受信するものであって、8個のRF部50−1,50−2,…,50−8と、逆拡散処理部50fと、レプリカコード発生部(コード発生部)50g,50jと、遅延プロファイル測定部1(以下、測定部1と称することがある。)と、遅延量・パス検出部(遅延量出力部)8とをそなえて構成されている。
【0033】
ここで、RF部50−1〜50−8は、それぞれ、複数の移動局21のそれぞれが送信した符号多重されたRF信号を受信するものであって、アンテナ50aと、バンドパスフィルタ50bと、ローノイズアンプ50cと、周波数変換器50dと、A/D変換器50eとをそなえて構成されている。
ここで、アンテナ50aは符号多重されたRF信号を受信するものであり、バンドパスフィルタ50bは、アンテナ50aから出力されたRF信号のうち、システム20の仕様によって決定される周波数成分を帯域制限しSN(Signal Noise)比を向上させるためのである。なお、アンテナ50aは、RF信号を送信できるようにもなっている。
【0034】
そして、ローノイズアンプ50cは、バンドパスフィルタ50bから出力されたRF信号を低雑音で増幅して出力するものであり、例えばアンプ用のIC(Integrated Circuit)が用いられている。さらに、周波数変換器50dは、ローノイズアンプ50cから出力された増幅信号を周波数変換するものであって、図示を省略するが、無線周波数帯域を有するローカル信号を出力しうる局部発振器とミキサとを有する。また、この局部発振器の周波数は、変更できるようにもなっている。
【0035】
加えて、A/D変換器50eは周波数変換器50dから出力された増幅信号について、アナログ・ディジタル変換するものである。このA/D変換器50eは、例えばICが用いられ、そのディジタル出力のビット数は複数の種類がある。このため、A/D変換器50eは、ディジタル変換値の精度を向上させるべく、全部で16ビットのデータを出力するものが使用されている。ここで、16ビットのうちの8ビットはIチャネルを表し、8ビットはQチャネルを表すようになっている。
【0036】
これにより、RF部50−1〜50−8のそれぞれのアンテナ50aにて、符号多重されたRF信号が受信され、バンドパスフィルタ50bにてそのRF信号は帯域制限され、ローノイズアンプ50cにて増幅され、その増幅信号は周波数変換器50dに入力される。さらに、周波数変換器50dにて局部発振器からのローカル信号を用いてRF信号が周波数変換されたベースバンド信号が得られ、このベースバンド信号はA/D変換器50eにて16ビットのディジタルデータに変換されるのである。
【0037】
また、上記のアナログ/ディジタル変換により、1個のRF部50−1を用いて1個の呼が処理される。この1個の呼とは、1チャネルを表し、後述する受信データ#1に相当する。同様に、RF部50−2〜50−8は、それぞれ、RF部50−1とは異なる呼について処理するものであって、後述する受信データ#2〜#8のそれぞれに対応する。
【0038】
なお、RF部50−1〜50−8は、図示を省略するが、それぞれ、送信部を有する。すなわち、各送信部は、それぞれ、送信すべきデータを、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用いて一次変調してから符号拡散し、その拡散データをアップコンバートしてRF信号を生成して、そのRF信号をアンテナ50aから送信するようになっている。
【0039】
そして、逆拡散処理部50fは、RF部50−1〜50−8のそれぞれから出力されたディジタルデータについて、逆拡散するものであって、この機能は例えばスライディング相関器により実現される。すなわち、逆拡散処理部50fは、レプリカコード(逆拡散コード)の先頭と受信データの先頭とを一致させるパスタイミングを、遅延量・パス検出部50iから入力されることによって、受信データをレプリカコードに同期させて相関検出するようになっている。このパスタイミングは、受信装置25にて観測される直接波と遅延波との時間遅延間隔に相当する。
【0040】
また、レプリカコード発生部50g,50jは、いずれも、レプリカコードを発生するものであって、この機能は、例えば巡回型のシフトレジスタによって実現される。そして、逆拡散処理部50fは、コード発生部50gから入力されたレプリカコードを、ディジタルデータに乗じることによって、そのディジタルデータを逆拡散し、その逆拡散されたデータを、受信データとして出力し、後段の回路にて復調するのである。
【0041】
また、測定部1は、符号多重された例えば8個のRF信号のそれぞれに起因する受信データ#1〜#8のうちの一つと複数の受信データ#1〜#8のうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データ(受信データ#1〜#8又は受信データ#0)を保持出力するとともに、その選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力する8個の単位マッチドフィルタ2a〜2hを有し、RF信号のそれぞれの受信レベルを出力するものである。
【0042】
すなわち、測定部1は、受信波の遅延プロファイルを測定し、その測定結果に基づいて、受信波のパスタイミングを推定して逆拡散処理部50fに通知するのである。
なお、ここで、受信データ#0は、それらの8種類の受信データ#1〜#8のうちの一つと同一のコピーデータを表す。
【0043】
図3は本発明の第1実施形態に係る測定部1のブロック図であり、測定部1には、遅延量・パス検出部8が接続されている。この図3に示す測定部1は、逆拡散する分割型マッチドフィルタ13と、分割型マッチドフィルタ13からの出力を平均化する平均計算部11とを設けている。
この分割型マッチドフィルタ13について図4及び図5を用いて説明し、平均計算部11について、図6を用いて説明する。
【0044】
図4は本発明の第1実施形態に係る分割型マッチドフィルタ13のブロック図であるが、この図4に示す分割型マッチドフィルタ13は、8個のセレクタ(SEL)3a〜3hと、8個の単位マッチドフィルタ(以下、マッチドフィルタと略称することがある。)2a〜2hと、全加算器12とをそなえて構成されている。また、各セレクタ3a〜3hは、それぞれ、マッチドフィルタ2a〜2hの入力側に設けられており、セレクタ3aとマッチドフィルタ2aとが1ブロックを形成し、このブロックが8段接続されるようになっている。なお、以下の説明において、セレクタ3a〜3hを含まないマッチドフィルタ2a(又はマッチドフィルタ2b〜2h)だけを、ブロックと称することがある。
【0045】
そして、分割型マッチドフィルタ13は、RF部50−1〜50−8のそれぞれから出力された8個の呼に対応するデータ(受信データ#1〜#8)が入力されるようになっている。ここで、受信データ#0は、それらの8種類の受信データ#1〜#8のうちの一つと同一のコピーデータである。例えば受信データ#0は、256タップのマッチドフィルタ構成において、遅延プロファイルを取得する場合の直列の受信データであり、入力側のセレクタ3aに入力されるようになっている。
【0046】
このセレクタ3aは、受信データ#0と受信データ#1とを入力され、これらの一方を選択して選択データ(受信データ#0又は#1)を出力するものである。また、セレクタ3aは、結合制御部7(図3参照)から結合制御信号を入力され、その結合制御信号の論理が1のときは受信データ#1を選択し、0のときは受信データ#0を選択して出力するようになっている。このセレクタ3aと後述するセレクタ3b〜3hとは、いずれもロジック回路によりその機能が実現される。なお、結合制御信号の論理は逆にすることもできる。この結合制御信号については、図9(a)〜図9(c)を用いて後述する。
【0047】
そして、出力された選択データは、マッチドフィルタ2aに入力されるようになっている。
図5(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るセレクタ3a〜3hの接続関係の一例を示す図である。この図5(a)に示すセレクタ3a〜3hは、いずれも、受信データ#1〜#8と結合制御信号とを入力されるようになっており、また、セレクタ3aは受信データ#0をも入力されている。
【0048】
さらに、セレクタ3a〜3hは、それぞれ、図5(b)に示すようにも接続できる。すなわち、セレクタ3aが、受信データ#0,#1及び結合制御信号が入力されるほか、セレクタ3bは受信データ#0,#2及び結合制御信号が入力されるのである。
そして、図4において、例えば8個の移動局21が各チャネルにて送信した符号多重されたRF信号は、基地局22にて8本のRF部50−1〜50−8(図3参照)によって、それぞれ復調される。すなわち、測定部1は、受信データ#1〜#8の8本のチャネルのそれぞれが、入力され、処理されるので、呼ごとに選択的に処理できるようになっている。
【0049】
また、マッチドフィルタ2a(図4参照)は、ディジタルデータとレプリカコードとの相関を演算するものであって、32個の第1タップ1〜32(tap1〜32と表示されたもの)と、32個のEXOR回路と、32個のラッチ部1〜32(ラッチ1〜32と表示されたもの)と、32個の第2タップ(逆拡散コードが入力されるもの)と、1個の加算器とを有する。
【0050】
ここで、32個の第1タップ1〜32は、いずれも、受信データを保持するタップ数32に等しいものであって、0又は1の2値を表す有限状態保持部として機能している。これらの機能はフリップフロップ(FF)によって実現されている。また、これら32個の第1タップ1〜32は、カスケード(直列)に接続されて、1本の受信データ用のシフトレジスタ(後述する図6参照)として機能するようにもなっている。すなわち、受信データ#1のビット列は、タップ32,タップ31,…,タップ1とシフトされるのである。
【0051】
これにより、単位マッチドフィルタ2aは、32個のタップを基本単位として、他の単位マッチドフィルタ2b〜2hと結合/分割を適応的に行ない、効率的に受信データを処理できるようになる。
また、32個の第2タップも、それぞれ、0又は1の2値を保持するものであり、フリップフロップによって実現されている。そして、これら32個の第2タップがカスケードに接続されて、1本の逆拡散用のシフトレジスタとして機能しており、レプリカコードのビット列は、32個の第2タップを順番にシフトするようになっている。
【0052】
さらに、32個のラッチ1〜32は、それぞれ、レプリカコードを出力しうるものである。これらのラッチ1〜32は、それぞれ、32個の第2タップの0又は1の値をラッチ(取り込む)する。ここで、その値をラッチするか否かは、外部より入力されるコードラッチイネーブル信号(イネーブル信号)によって制御されるようになっている。このイネーブル信号の論理が例えば1のときに、ラッチ部1〜32は、それぞれ、32個の第2タップの各値をラッチし、イネーブル信号の論理が例えば0のときは、32個の第2タップの各値のラッチを停止するのである。なお、この論理は逆にするようにもできる。
【0053】
次に、32個のEXOR回路は、それぞれ、32個の第1タップ1〜32からの出力と、32個のラッチ1〜32からの出力とをEXORし、そのEXOR結果を加算器に入力するものである。また、加算器は、32個のEXOR回路からのEXOR結果を加算して出力するものである。従って、32個のEXOR回路と加算器とが協働することによって演算部として機能している。なお、これらのEXOR回路と加算器とは、ロジック回路により実現される。
【0054】
さらに、測定部1内のマッチドフィルタ2b〜2hは、いずれも、マッチドフィルタ2aと同一のもの又は同様の機能を有するものなので、重複した説明を省略する。
加えて、分割型マッチドフィルタ13は、全加算器12を有する。この全加算器12は、マッチドフィルタ2a〜2hのそれぞれから出力された演算結果をすべて全加算しその全加算結果を出力するものである。なお、全加算器12は、ロジック回路により実現される。
【0055】
これにより、受信データ#1が、マッチドフィルタ2aに入力され、逆拡散され、相関値が、全加算器12に入力される。また、マッチドフィルタ2aに入力された受信データ#1のビット列は、第1タップ1〜32からなるシフトレジスタを順番にシフトする。
続いて、セレクタ3bは、受信データ#2とマッチドフィルタ2aからの出力とを入力され、これらの一方を選択して選択データ(受信データ#2又はマッチドフィルタ2aからの出力)を出力するものである。また、例えば図5(a)又は図5(b)に示すように、セレクタ3bも、結合制御信号を入力され、その結合制御信号の論理が1のときは受信データ#2を出力し、0のときはマッチドフィルタ2aのタップ1を出力するようになっている。その出力された選択データは、マッチドフィルタ2bに入力される。
【0056】
これにより、結合制御信号の論理が1のときは、セレクタ3a,3bは、それぞれ、受信データ#1,#2が選択されて、マッチドフィルタ2a,2bに入力され、異なる呼について独立に逆拡散される。すなわち、マッチドフィルタ2a,2bが、それぞれ、パラレルに、チャネル1,2について逆拡散をし、演算結果は、全加算器12に入力される。
【0057】
また、結合制御信号の論理が0のときは、セレクタ3a,3bは、それぞれ、受信データ#0と、マッチドフィルタ2aの出力とを選択する。すなわち、マッチドフィルタ2a,2bが、64タップの相関器として機能する。このときも、逆拡散した演算結果は、全加算器12に入力されるのである。
なお、以下の説明において、分割型マッチドフィルタ13が分割/結合されたときの、タップ段数の形態を区別するために、例えば、32タップ×8パラレルを、32タップ構成と呼び、256タップ×1本を256タップ構成と呼ぶことがある。
【0058】
このように、結合制御信号によって、マッチドフィルタ2a,2bは、分離又は結合するのである。
同様に、セレクタ3c〜3hは、いずれも、受信データ#3〜#8とマッチドフィルタ2b〜2gからの出力とを入力され、これらの一方を選択して選択データ(受信データ#3〜#8又はマッチドフィルタ2b〜2gからの出力)を出力するものである。これらのセレクタ3c〜3hも、例えば図5(a)又は図5(b)に示すように、結合制御信号を入力され、その結合制御信号の論理が1のときは受信データ#3〜#8を出力し、0のときはマッチドフィルタ2bの第1タップ31〜マッチドフィルタ2gの第1タップ31を出力する。その出力された選択データは、後述する平均化処理部4に入力されるのである。
【0059】
これにより、結合制御信号の論理が1のときは、セレクタ3a〜3hは、それぞれ、受信データ#1〜#8を選択し、これらの受信データ#1〜#8は、それぞれ、マッチドフィルタ2a〜2hに入力され、異なる8個の呼について、パラレルに、逆拡散されるのである。
また、結合制御信号の論理が0のときは、セレクタ3a〜3hは、それぞれ、受信データ#0及びマッチドフィルタ2a〜2gの出力を選択する。従って、分割型マッチドフィルタ13は、256タップ構成になる。すなわち、32個のタップ1〜32と1個の加算器とによって、マッチドフィルタ2aの1ブロックが形成され、8個のブロックがカスケードに接続されることによって、分割型マッチドフィルタ13は、256タップ構成になるのである。
【0060】
従って、この測定部1は、符号多重された例えば8種類のRF信号のそれぞれに起因する受信データ#1〜#8のうちの一つと8種類の受信データ#1〜#8のうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データ(受信データ#1〜#8又は受信データ#0)を保持出力するセレクタ3a(又は3b〜3h)と、セレクタ3aから出力される選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力するとともに、選択データを遅延させて出力する単位マッチドフィルタ2a(又は2b〜2h)とを有する8段のブロックを設け、且つ、前段のブロックにて遅延された選択データが、セレクタ3b(又はセレクタ3c〜3h)に入力されるように、上記8段のブロックが多段に接続されている。
【0061】
また、測定部1は、8段のブロックのセレクタ3a〜3hが、8種類の受信データ#1〜#8のうち前段までの複数のブロックに入力されたもの以外の8種類の受信データ#1〜#8のうちの一つと、前段のブロックにて遅延された選択データとの一方を選択して出力し、RF信号のそれぞれの受信レベルを出力するようになっている。
【0062】
そして、遅延量・パス検出部8は、測定部1から出力される受信レベルに基づいてRF信号の到着するパスタイミングを出力し、測定部1に対して8種類の単位マッチドフィルタ2a〜2hの分割/結合に関する結合制御信号を出力するようになっている。
例えばマッチドフィルタ2cとセレクタ3cとに着目すると、セレクタ3cは、受信データ#1〜#8のうち、前段までの2個のブロック(セレクタ3a,マッチドフィルタ2aからなるブロックと、セレクタ3b,マッチドフィルタ2bからなるブロック)に入力された受信データ#1,#2以外の受信データ#3と、前段のブロック(セレクタ3b,マッチドフィルタ2bからなるブロック)にて遅延された選択データ(マッチドフィルタ2bの出力)との一方を選択して出力するようになっている。
【0063】
このように、測定部1は、結合制御信号に基づいて、呼の受信状態により、256タップ構成又は32タップ構成のいずれかに切り替わり、遅延プロファイルを取得する。
また、これにより、呼数が増加しても、基地局22は、パスタイミング通知の周期を短縮することが可能となる。
【0064】
さらに、図3において、マッチドフィルタ2a〜2hの出力は、それぞれ、平均計算部11に入力されるようになっている。この出力は、具体的には、振幅データに相当する。そして、平均計算部11は、8個の単位マッチドフィルタ2a〜2hのうちの1,2,4,8個の単位マッチドフィルタ2a〜2hが結合したブロックのそれぞれから出力される遅延プロファイルの値を平均して平均値を出力するものであって、8個のセレクタ9と、これら8個のセレクタ9のそれぞれに接続された、8個の平均化処理部4とを有する。そして、マッチドフィルタ2a〜2hからの出力は、すべて、平均計算部11に入力される。また、平均計算部11は、受信データとレプリカコードとが一致したものについてのみ、相関値として平均し、その平均値を出力するようになっている。
【0065】
図6は本発明の第1実施形態に係る平均化処理を説明するための図である。この図6に示す平均計算部11は、セレクタ9と、平均化処理部4とをそなえて構成されている。ここで、セレクタ9は、マッチドフィルタ2aの出力(振幅データ)と、全加算器12の出力(振幅データ)との一方を選択して出力するものであり、この機能は例えばロジック回路により実現される。
【0066】
また、平均化処理部4は、巡回加算により平均化処理するものであって、振幅データを2乗して2乗データを出力する電力変換部4aと、電力変換部4aから出力される2乗データを累積的に加算する加算器4bと、加算器4bにおける加算値を記憶するデュアルポートメモリ(以下、メモリと略称することがある。)4cとをそなえて構成されている。ここで、電力変換部4a,加算器4b及びメモリ4cは、それぞれ、例えば2乗回路,ロジック回路及びRAM(Random Access Memory)により実現される。
【0067】
なお、この図6に示すもので、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
これにより、全加算器12(図3参照)からの振幅データは、平均化処理部4にて2乗されて出力される。すなわち、最初に、セレクタ9から入力された振幅データは、電力変換部4aにて2乗され、その2乗された2乗データは、加算器4bを介して直接、メモリ4cに書き込まれる。次に電力変換部4aにて2乗された2乗データは、メモリ4cに記憶された最初の2乗データと、加算器4bにて加算されて、その加算値がメモリ4cに書き込まれる。同様に、セレクタ9に入力される振幅データは2乗されて、その2乗データが、メモリ4cに書き込まれたデータに、累積的に加算されるようになっている。従って、2乗データの平均値が計算される。
【0068】
次に、図7,図8を用いて、この平均化処理について、さらに詳述する。
図7は本発明の第1実施形態に係る受信データのフォーマット例を示す図である。この図7に示すスロット列14は、複数のスロット1〜n(nは予め設定された2以上の自然数を示す)を有し、各スロット1〜nは、それぞれ、パイロットシンボルを有する。そして、基地局22における平均化処理部4は、スロット1〜nのそれぞれについての遅延プロファイルを累積的に加算し、最終的に一つの遅延プロファイルを計算し、そして、その加算により得られた遅延プロファイルに基づいて、パスが検出されるのである。
【0069】
図8(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る平均化処理における受信レベルを示す図であって、横軸は加算したスロットの番号が表示され縦軸は相関値レベルが表示されている。ここで、相関値レベルは、遅延プロファイルに相当する。
図8(a)に示す相関値レベルはスロット1のみを用いて平均化したものであり、そのピーク値は、マッチドフィルタ2a〜2hによって、例えば16進数で”3FF”と得られる。この値は、2進数で”11 1111 1111”と表示できるので10ビットのピーク値として出力される。
【0070】
ところで、スロット1だけを用いた遅延プロファイルは、瞬時変動等の誤差を有する。このため、基地局22は、より正確な値が得られるようにするため、複数のスロットについて、累積的に加算するようになっている。
図8(b)に示す相関値レベルはスロット1及びスロット2について加算して得られたものである。ここで、平均化処理部4は、例えばスロット1についてピーク値”3FF”を得て、スロット2についてピーク値”3FF”を得て、且つ、スロット1のピーク値とスロット2のピーク値とを全加算すると、その全加算結果にはキャリーが発生して、ピーク値を表示するビット数は11ビットになる。
【0071】
さらに、図8(c)に示す相関値レベルはスロット1〜nまでのすべてについて全加算して得られたものであり、加算結果は(10+n)ビットで表される。これにより、複数のスロット1〜nまでの遅延プロファイルについて平均され、また、大きいピーク値はより大きく表われ、誤差変動は打ち消される。
従って、測定部1は、ピーク値が生じるところにおいて、パルスを検出でき、遅延プロファイルを測定できるのである。
【0072】
このように、基地局22は、複数の移動局21からのRF信号を受信し、それらのRF信号についての遅延プロファイルを精度よく得ることができ、移動局21を分離できる。
次に、図3に示す遅延量・パス検出部8は、測定部1から出力される受信レベルに基づいてRF信号の到着するパスタイミングを出力するとともに、測定部1に対して8個のマッチドフィルタ2a〜2hの分割/結合に関する結合制御信号を出力するものであって、8個のパスレベル判定部(パスレベル判定回路)5からなるパスレベル判定部群5aと、8個のパス検出部(パス検出)6と、結合制御部(MF結合制御)7とをそなえて構成されている。
【0073】
ここで、パスレベル判定部5は、平均計算部11から出力される平均値と、予め設定された閾値とに基づいて結合制御信号を出力するものである。なお、この機能はハードウェア及びソフトウェアにより実現される。この閾値は、例えば実験やシミュレーションにおいて、システム20における種々のパラメータ等を考慮して決定されたものであって、予め設定されるようになっている。
【0074】
これにより、基地局22は、システム20の仕様に基づいて、遅延プロファイルを測定するようになっている。
図9(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るパスタイミングを説明するための図である。図9(a)に示す波形は、基地局22における時間と受信レベルとの関係を模式的に示したものである。この図9(a)に示す1と付された受信レベルのピークは、1台の移動局21が送信したRF信号の直接波によるものを表し、また、2,3と付されたピークは、それぞれ、その移動局21からの遅延波を表す。
【0075】
そして、パスレベル判定部5(図3参照)は、その閾値に基づいて、受信したパスレベルが低下した場合に、測定部1に対して256タップ構成に移行する信号を出力するようになっている。これにより、回路規模を増大させずに、システム20のトラフィック状況や物理的状況に応じて、最適な閾値が設定されうる。また、複数のパスレベル判定部5は、いずれも、同一のものであり、分割型マッチドフィルタ13が、256タップ構成の場合は、マッチドフィルタ2hからの信号について、判定するようになっている。さらに、分割型マッチドフィルタ13が、32タップ構成の場合は、マッチドフィルタ2a〜2hのそれぞれからの信号について、別個に判定するようになっている。
【0076】
そして、パス検出部6は、少なくとも各チャネルについてのパスタイミングを検出して出力するものである。この機能はハードウェア及びソフトウェアにより実現される。すなわち、パス検出部6は、受信データ#1〜#8のそれぞれについてパスタイミングを検出する。
図9(b)に示すパルスは、それぞれ、遅延量・パス検出部8が出力するパスタイミング信号の一例を表す。すなわち、直接波(ピーク1)の到来と、遅延波(ピーク2,3)の到来とが、それぞれ、遅延量・パス検出部8からコード発生部50gに対して入力されるようになっている。
【0077】
さらに、結合制御部7は、遅延量・パス検出部8から出力される結合制御信号に基づいて8個のマッチドフィルタ2a〜2hの結合/分割を切り替え制御するものである。この結合制御部7の機能は、ハードウェア及びソフトウェアにより実現される。
図9(c)はコード発生部50gのコード発生タイミング例である。そして、遅延量・パス検出部8からのパスタイミング信号の入力によって、コード発生部50gは、直接波(ピーク1)のパスの先頭を知ることができるのである。換言すれば、パスタイミング信号は、レプリカコードの先頭ビットを表し、コード発生部50gは、パスタイミング信号が入力されたときから、レプリカコードの先頭ビットの発生を開始するようになっている。
【0078】
従って、測定部1が、レプリカコードを発生するコード発生部50g,50jを設け、遅延量・パス検出部8が、結合制御信号をコード発生部50g,50jに対して入力するように構成されたことになる。これにより、基地局22は、高速な移動局21の動きに追随でき、また、分割型マッチドフィルタ13がパラレルになっているときであっても、パスタイミングを正確に検出できる。
【0079】
さらに詳述すると、遅延量・パス検出部8が有する結合制御部7は、8個のマッチドフィルタ2a〜2hが接続されるタップ段数に基づいて規定される例えば3種類の動作モードを切り替えることにより、切り替え制御するようになっている。この3種類の動作モードとは、新規呼が発生した場合,受信状態が安定している場合及び遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合を意味する。
【0080】
すなわち、結合制御部7は、これら3種類のいずれかの場合に、動作モードを切り替えるようになっている。従って、1個の分割型マッチドフィルタ13を設けることによって、受信装置25は、複数のチャネルについて、分割型マッチドフィルタ13を使い回しせずに遅延プロファイルを測定できる。
具体的には、結合制御部7は、3種類の動作モードを、例えば8個の単位マッチドフィルタ2a〜2hのうちの1,2,4,8個のマッチドフィルタ2a〜2hが結合したブロックの数を表すブロック数を考慮して切り替え制御するようになっている。
【0081】
すなわち、結合制御部7は、32タップ構成(32タップ×8パラレル)と、256タップ構成(256タップ×1パラレル)と、128タップ構成(128タップ×2パラレル)との少なくとも3種類の動作モードを切り替えうるようになっている。これにより、受信データの品質を低下させずに、1個のマッチドフィルタを用いて複数の呼の遅延プロファイルを測定できる。
【0082】
さらに、結合制御部7は、8種類の呼のそれぞれについて、優先順位を付与するようにもなっている。具体的には、新規に追加された呼が発生した場合,いずれかの呼の遅延プロファイルピーク値が所定の閾値を下回った場合及び通常動作の場合との少なくとも3種類の場合に基づいて、優先順位が決定されるようになっている。これにより、適切な動作変更が可能となる。
【0083】
そして、この結合制御部7により、図3に示す分割型マッチドフィルタ13は、動作モードが変更する。セレクタ3a,マッチドフィルタ2aからなるブロックが、パラレル数に対応して個別に動作したり、あるいは、256タップ構成として動作するのである。具体的に、動作モードは、次に説明するように切り替わる。
【0084】
本発明のCDMA方式の受信方法は、まず、分割型マッチドフィルタ13が、符号多重された例えば8種類のRF信号のうちの少なくとも一つを逆拡散しそれら8種類のRF信号のうちの一つの特定RF信号(8種類のうちのいずれか)についての処理データを出力する(逆拡散ステップ)。
次に、測定部1は、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを例えば256×(1/N)秒の間測定する(測定ステップ)。
【0085】
続いて、パスレベル判定部5は、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定RF信号の受信レベルと予め設定された閾値とを比較する(比較ステップ)。
そして、結合制御部7は、比較ステップにおける比較に基づいて256×(1/N)秒の時間の間隔を変更するのである(動作モード変更ステップ)。
【0086】
このように、受信状況が良好のときは、32タップ構成にし8個の呼のそれぞれについて、遅延プロファイルを測定することができる。また、このように、受信状況が悪化したときは、256タップ構成によって、1個の呼について、遅延プロファイルを測定するので、より精度の高い測定が可能となる。
さらに、本発明のCDMA方式の受信方法は、まず、分割型マッチドフィルタ13が、符号多重された例えば8種類のRF信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し8種類のRF信号のうちの一つの特定RF信号についての処理データを出力する(逆拡散ステップ)。
【0087】
次に、測定部1が、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを256×(1/N)秒の間測定する(測定ステップ)。
続いて、パスレベル判定部5は、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定RF信号の受信レベルを出力する(受信レベル出力ステップ)。
そして、結合制御部7は、受信レベルに基づいて8個の単位マッチドフィルタ2a〜2hの分割/結合を切り替えるのである(切り替えステップ)。
【0088】
このように、1個の分割型マッチドフィルタ13を設けることによって、8個の呼について、使い回しをせずに遅延プロファイルを測定できる。また、このように、受信データの品質を低下させずに、1個の分割型マッチドフィルタ13を用いて8本のチャネルの遅延プロファイルを個別に測定できる。
上述のごとく構成された本発明のCDMA方式の受信方法について、図10〜図17を参照して詳述する。
【0089】
まず、移動局21は、基地局22に対してデータを送信し、基地局22内の受信装置25は、受信したRF信号を処理する。ここで、結合制御部7は、受信した動作モードにおいて、256タップ構成又は32タップ構成を切り替える。具体的には、結合制御部7は、次の動作モード(1−1)〜(1−3)に示す場合において、それぞれ、タップ構成を切り替える。
【0090】
(1−1)新規に追加された呼が発生した場合
(1−2)受信状態が安定している場合
(1−3)通話途中に遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合
ここで、動作モード(1−3)になる場合は、パスレベル判定部5によって切り替えられる。予め設定された閾値に基づいて、分割型マッチドフィルタ13は、パスレベルが低下した場合に、256タップ構成に移行する。
【0091】
以下、これらの動作モードのそれぞれについて、詳述する。
(1−1)新規に追加された呼が発生した場合について
測定部1は、256タップ構成により遅延プロファイルを測定する。
図10は本発明の第1実施形態に係る新規呼の発生時のマッチドフィルタの構成図である。また、この図10に示すもので、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0092】
ここで、測定部1が、チャネル1について新規に受信を開始する場合、結合制御部7は、32タップの分割型マッチドフィルタ13が、8段カスケードに連結するように、遅延プロファイルデータを取得する。
図11は本発明の第1実施形態に係る新規呼の発生時の遅延プロファイルの時間幅を示す図である。ここで、受信データのA/D変換のサンプリングレートがN[MHz]であると、測定される遅延プロファイルの時間幅は、256×(1/N)秒と設定される。
【0093】
(1−2)通信状態が安定している場合について
1回目のパスタイミング通知が終了すると、測定部1は、32タップ構成のうちの1個を使用して遅延プロファイルを測定する。
図12は本発明の第1実施形態に係る安定通信時のマッチドフィルタの構成図であり、32タップ構成になっている。また、この図12に示すもので、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
【0094】
図13は本発明の第1実施形態に係る安定通信時の遅延プロファイルの時間幅を示す図である。測定される遅延プロファイルの時間幅は、256×(1/N)秒である。この図13に示す色が濃い部分は、使用されていない時間であり、使用されている時間は、32×(1/N)秒だけである。従って、測定部1が遅延プロファイルを測定する時間幅は短くなる。
【0095】
(1−3)通話途中に遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合について結合制御部7は、32タップ構成の分割型マッチドフィルタ13を再度、256タップ構成にする。
この理由は、パスレベルが、常時、変動するからである。すなわち、伝搬路は、干渉が大きくなったり、あるいは、車両の速度が大きくなって、フェージングが大きくなることがある。このため、パスレベル判定において、測定される遅延プロファイルのデータ値が、予め設定された閾値よりも小さくなった場合、結合制御部7は、32タップ構成の分割型マッチドフィルタ13を再度、256タップに結合し、また、測定のための遅延プロファイルの時間幅を拡大する。
【0096】
図14は本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルの相関値が低下したときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。測定される遅延プロファイルの時間幅は、256×(1/N)秒である。この図14に示す色が濃い部分以外の部分が、使用されている時間であり、32×(1/N)秒だけである。従って、測定された遅延プロファイルのピーク値が閾値レベルを下回った場合、時間幅が拡大される。
【0097】
図15は本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルのピーク値が閾値を下回ったときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。そして、測定部1は、再度、閾値を上回るまで、この状態のまま遅延プロファイルを測定し続ける。
図16は本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルのピーク値が閾値を超えたときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。この図16に示す色が濃い部分以外の部分が、使用されている時間であり、32×(1/N)秒だけである。この図16に示す所定の閾値を超える遅延プロファイルの値が検出されると、分割型マッチドフィルタ13は、再度、32タップ構成に戻す。
【0098】
このように、結合制御部7は、遅延プロファイルによって、分割型マッチドフィルタ13の接続形態を変化させるので、効率的な受信が可能となる。
また、結合制御部7は、複数の呼を受信処理する場合、それら複数の呼の優先順位を、以下の(2−1)〜(2−3)に示す場合に応じて決定している。
(2−1)新規に追加された呼が発生した場合
分割型マッチドフィルタ13は256タップ構成に変更する。
【0099】
(2−2)いずれかのチャネルの遅延プロファイルピーク値が所定の閾値を下回った場合
分割型マッチドフィルタ13は256タップ構成に変更する。
(2−3)通常動作
分割型マッチドフィルタ13は32タップ構成に変更する。
【0100】
例えば、測定部1が、8チャネル分を並行して受信処理している場合、各チャネルに、それぞれ、32タップのマッチドフィルタ2a〜2hのうちのいずれかを一つづつ割り当てる。
従って、測定部1は、遅延プロファイルの取得を待たされず、パスタイミング通知の周期も一定となる。これにより、回路規模の増大を伴わずに、複数のチャネルの受信処理が可能となる。
【0101】
さらに、いずれかの呼の遅延プロファイルのピーク値が所定の閾値を下回った場合は、結合制御部7は、各チャネルに割り当てられていた、8個の32タップを再度結合し、また、測定部1は、そのピーク値が下回った呼のみを、重点的に測定する。この場合は、他の呼については、マッチドフィルタ2a〜2hの使用が制限されるため、パスタイミング通知の周期が長くなる。このため、新規に追加された呼については、最優先でマッチドフィルタ2a〜2hの使用を割り当てて、なるべく早く、パスタイミングを通知する。
【0102】
図17(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るマッチドフィルタの結合/分離を説明するための図である。この図17(a)に示すように、各呼のピーク値が予め設定された閾値を超えている場合は、結合制御部7は、各呼にそれぞれ、32タップのマッチドフィルタ2a〜2hを割り当てる。この場合、各呼のパスタイミング通知の周期は、他の呼の受信状態に影響されず、常時一定の周期となる。
【0103】
また、図17(b)に示すように、例えばチャネル3のピーク値が予め設定された閾値を下回った場合は、結合制御部7は、各呼に割り当てている、32タップ構成の分割型マッチドフィルタ13を解除し、256タップ構成に変更し、これにより、測定部1は、チャネル3の遅延プロファイルを重点的に判定する。
このように、分割型マッチドフィルタ13は複数の部分に分割でき、遅延プロファイルのピーク値が閾値を超えたレベルのように呼の状態が安定している状態のとき、各呼の遅延プロファイル測定の周期は、常時、一定の周期となる。
【0104】
また、パスタイミング通知の周期も一定となることから、移動局の移動速度にも追従可能となる。さらに、マッチドフィルタを分割型とすることにより、呼数が増加してもパスタイミング通知の周期を短縮することが可能となる。
さらに、このように、呼の新規追加や、遅延プロファイルのピーク値レベルの低下がある場合には、イレギュラーの処理として、32タップ×8パラレルの形態をカスケードに接続し、256タップ構成にして遅延プロファイルを測定できるので、受信状況に応じた処理ができ、回路規模を増大させずに処理が行なえる。
【0105】
(A1)本発明の第1実施形態の変形例の説明
図18は本発明の第1実施形態の変形例に係る移動局21の受信装置の要部を示す図である。この図18に示すCDMA用移動体受信装置(CDMA方式の受信装置、以下、受信装置と略称することがある。)25aは、移動局21に設けられ符号多重されたRF信号を受信するものであって、RF部50−1と、逆拡散処理部50fと、コード発生部50g,50jと、遅延プロファイル測定部(測定部)1と、遅延量・パス検出部(遅延量出力部)8とをそなえて構成されている。
【0106】
ここで、受信装置25aが図2に示す受信装置25と異なる点は、RF部50−1が、1個だけであることである。そして、1本のアンテナ50aを介して、例えば8種類の符号多重されたRF信号が入力され、その8種類のRF信号が、逆拡散処理部50fと測定部1とのそれぞれに入力され、異なる符号を乗算されて、処理されるようになっている。
【0107】
換言すれば、アンテナ50aにて得られた複数のチャネルが、異なる符号を用いて逆拡散されて、分離されるようになっている。
なお、この図18に示すもので、上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明を省略する。
この第1実施形態の変形例においても、RF部50−1のアンテナ50aにて、符号多重されたRF信号が受信され、8種類の呼が一括して受信され、バンドパスフィルタ50b,ローノイズアンプ50c,周波数変換器50d及びA/D変換器50eをそれぞれ介してディジタルデータに変換される。さらに、逆拡散処理部50f及び測定部1のそれぞれにおいて、呼ごとに個別に受信処理されるのである。
【0108】
そして、このような構成によって、受信装置25aの測定部1は、受信波の遅延プロファイルを測定し、測定結果に基づいて、到来する受信波のパスタイミングを推定する。ここで、分割型マッチドフィルタ13とパスレベル判定部5とにおいて、それぞれ、予め設定されたパスレベルの閾値と検出された相関値のピークとを比較し、遅延量・パス検出部8にその値を入力する。そして、遅延量・パス検出部8は、そのパスタイミングに基づいて遅延量を逆拡散処理部50fに通知し、結合制御部7は、32タップ×8ブロック又は256タップ×1本の動作モードを切り替え処理するのである。
【0109】
さらに、結合制御部7は、分割型マッチドフィルタ13の結合/分割を制御し、また、呼の新規追加や、遅延プロファイルのピーク値レベルの低下がある場合には、32タップ×8パラレルをカスケードに接続し、256タップ構成に変更して遅延プロファイルを測定する。
このように、受信装置25aは、移動局21の移動速度に追従可能となる。また、呼数が増加してもパスタイミング通知の周期を短縮することが可能となる。
【0110】
このようにして、受信状況に応じた処理ができ、回路規模を増大させずに処理が行なえる。
(B)その他
本発明は上述した実施態様及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0111】
本発明の受信装置25(25a)は、CDMA方式に限定されるものではなく、別の方式を用いた場合にも、適用可能である。
上記の拡散コードは、PNコードの代わりに別のコードを用いることができる。
RF部は、説明の簡単のために、8チャネルとしたが、この数は16にしたり、それ以上にしたり、加入者の数に応じて変更可能である。
【0112】
結合制御部7は、遅延量・パス検出部8の中に設けられているが、遅延量・パス検出部8の外部に独立して設けることもでき、あるいは、遅延プロファイル測定部1の内部に設けることもできる。このような変形態様を用いても、本発明の優位性は何ら損なわれるものではない。
結合制御信号は1ビットの例を示したが、さらに、付加的な情報を送信するように複数のビットで構成することもできる。イネーブル信号も、複数のビットで表示することもできる。
【0113】
上記の閾値は、予め設定されていたが、受信装置25(25a)は、この閾値を、受信中に適応的に変更したり、受信状況に応じて計算して得るようにもできる。
図1に示す▲1▼,▲2▼は、通信中の移動局21が高速でセル61(又はセクタ62)を移動して、基地局22から遠ざかることを意味している。この場合においても、基地局22は、移動局21の高速移動に追従できる。
【0114】
図4において、マッチドフィルタ2b〜2hは、図4に示すマッチドフィルタ2aの構成と同一又は同様である。
図9(a)において、t1,t2,t3は、それぞれ、ピーク1,2,3が現れる時間を示している。
図10に示す測定部1において、動作中の信号線は実線で示され、動作していない信号線(仮想線)は2点鎖線で示され、また、結合制御部7とセレクタ3a〜3hとの間の点線は、制御線を示す。ここで、セレクタ3aにて、受信データ#0と受信データ#1とが選択され、そのデータは、マッチドフィルタ2a〜2hをシフトされる。また、マッチドフィルタ2a〜2hのそれぞれから出力される演算結果は、全加算器12にて全加算され、その全加算結果は、セレクタ9に入力される。さらに、信号は、平均化処理部4,パスレベル判定部5を介し、パス検出部6からチャネル1パスタイミング通知が出力される。また、パスレベル判定部5から結合制御部7に結合制御信号が出力され、結合制御部7は、セレクタ3a〜3hの制御をする。
【0115】
図11,図13,図14,図15,図16に示すsecは、秒を表す。
図12に示す測定部1において、動作中の信号線は実線で示され、動作していない信号線(仮想線)は2点鎖線で示され、また、結合制御部7とセレクタ3a〜3hとの間の点線は、制御線を示す。ここで、受信データ#8は、マッチドフィルタ2hに入力され、マッチドフィルタ2h,セレクタ9,平均化処理部4及びパスレベル判定部5をそれぞれ介し、そして、パス検出部6からチャネル1パスタイミング通知が出力される。また、パスレベル判定部5から結合制御部7に結合制御信号が出力され、結合制御部7は、セレクタ3a〜3hの制御をする。
【0116】
図17に示すchは、チャネルを意味する。
(C)付記
(付記1) 符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するとともに、該選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力する複数の単位マッチドフィルタを有し、該無線信号のそれぞれの受信レベルを出力する遅延プロファイル測定部と、該遅延プロファイル測定部から出力される該受信レベルに基づいて該無線信号の到着するパスタイミングを出力するとともに、該遅延プロファイル測定部に対して該複数の単位マッチドフィルタの分割/結合に関する結合制御信号を出力する遅延量出力部とをそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信装置。
【0117】
(付記2) 該遅延量出力部が、
該複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを切り替えることにより、該切り替え制御するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
(付記3) 該遅延プロファイル測定部の該複数の単位マッチドフィルタが、それぞれ、
受信データを保持するタップ数に等しい有限状態保持部と、
レプリカコードを出力しうる該タップ数に等しい個数のラッチ部と、
該有限状態保持部からの出力と該ラッチ部からの出力とを乗算してその乗算結果を加算して出力する演算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0118】
(付記4) 該遅延量出力部が、
該複数の動作モードを、該複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックの数を表すブロック数を考慮して切り替え制御するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0119】
(付記5) 該遅延量出力部が、
32タップ構成が8ブロックと、256タップ構成が1ブロックと、128タップ構成が2ブロックとの少なくとも3種類の動作モードを切り替えうるように構成されたことを特徴とする、付記4記載のCDMA方式の受信装置。
(付記6) 該遅延プロファイル測定部が、該レプリカコードを発生するレプリカコード発生部を設け、
該遅延量出力部が、該結合制御信号を該レプリカコード発生部に対して入力するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0120】
(付記7) 該遅延量出力部が、
新規呼が発生した場合,受信状態が安定している場合及び遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合のうちの少なくとも1種類の場合に、該動作モードを切り替えるように構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0121】
(付記8) 該遅延プロファイル測定部が、
該複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックのそれぞれから出力される遅延プロファイルの値を平均して平均値を出力する平均計算部をそなえるとともに、
該遅延量出力部が、
該平均計算部から出力される該平均値と、所定の閾値とに基づいて該結合制御信号を出力するパスレベル判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0122】
(付記9) 該遅延量出力部が、さらに、
該少なくとも各チャネルについてのパスタイミングを検出して出力するパス検出部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記8記載のCDMA方式の受信装置。
(付記10) 符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するセレクタと、該セレクタから出力される該選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力するとともに、該選択データを遅延させて出力する単位マッチドフィルタとを有する複数のブロックを設け、且つ、前段のブロックにて遅延された該選択データが、セレクタに入力されるように、上記複数のブロックが多段に接続され、
該複数のブロックのセレクタが、該複数の受信データのうち前段までの複数のブロックに入力されたもの以外の複数の受信データのうちの一つと、該前段のブロックにて遅延された該選択データとの一方を選択して出力し、該無線信号のそれぞれの受信レベルを出力するように構成された遅延プロファイル測定部をそなえるとともに、
該遅延プロファイル測定部から出力される該受信レベルに基づいて該無線信号の到着するパスタイミングを出力し、該遅延プロファイル測定部に対して該複数の単位マッチドフィルタの分割/結合に関する結合制御信号を出力する遅延量出力部をそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信装置。
【0123】
(付記11) 該遅延量出力部が、
複数の呼の優先順位を、新規に追加された呼が発生した場合,いずれかのチャネルの遅延プロファイルピーク値が所定の閾値を下回った場合及び通常動作の場合との少なくとも3種類の場合に基づいて付与するように構成されたことを特徴とする、付記1記載のCDMA方式の受信装置。
【0124】
(付記12) 符号多重された複数の無線信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し該複数の無線信号のうちの一つの特定無線信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、
該逆拡散ステップにて出力された該処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、
該測定により得られた該遅延プロファイルに基づいて該特定無線信号の受信レベルと所定の閾値とを比較する比較ステップと、
該比較ステップにおける比較に基づいて該所定時間の間隔を変更する動作モード変更ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信方法。
【0125】
(付記13) 符号多重された複数の無線信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し該複数の無線信号のうちの一つの特定無線信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、
該逆拡散ステップにて出力された該処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、
該測定により得られた該遅延プロファイルに基づいて該特定無線信号の受信レベルを出力する受信レベル出力ステップと、
該受信レベルに基づいて複数の単位マッチドフィルタの分割/結合を切り替える切り替えステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信方法。
【0126】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のCDMA方式の受信装置及びCDMA方式の受信方法によれば、以下に述べるような効果ないしは利点が得られる。
(1)本発明のCDMA方式の受信装置によれば、選択データを保持出力するとともに、選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力する複数の単位マッチドフィルタを有し、無線周波数信号のそれぞれの受信レベルを出力する遅延プロファイル測定部と、遅延プロファイル測定部から出力される受信レベルに基づいて無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力するとともに、遅延プロファイル測定部での前記選択動作を制御して複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部とをそなえているので、呼の状態が安定している状態のとき、各呼の遅延プロファイル測定の周期は、常時、一定の周期となる。また、パスタイミング通知の周期も一定となることから、移動局の移動速度にも追従可能となる。さらに、チャネル数が増加してもパスタイミング通知の周期を短縮することが可能となる。
【0127】
(2)遅延量出力部が、複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを、複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックの数を表すブロック数を考慮して切り替え制御するように構成されてもよく、このようにすれば、呼の新規追加や、遅延プロファイルのピーク値レベルの低下がある場合には、イレギュラーの処理として、例えば単位マッチドフィルタを32タップ×8パラレルでカスケードに接続したり、あるいは、256タップ構成により遅延プロファイルを測定できるので、受信状況に応じた処理ができ、回路規模を増大させずに処理が行なえる。
【0128】
(3)遅延量出力部が、新規呼が発生した場合,受信状態が安定している場合及び遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合のうちの少なくとも1種類の場合に、前記動作モードを切り替えるように構成されてもよく、このようにすれば、回路規模の増大を伴わずに、複数のチャネルの受信処理が可能となる。
【0129】
(4)本発明のCDMA方式の受信装置によれば、セレクタと、セレクタから出力される選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力するとともに、選択データを遅延させて出力する単位マッチドフィルタとを有する複数のブロックを設け、且つ、前段のブロックにて遅延された選択データが、次段のブロックにおけるセレクタに入力されるように、上記複数のブロックが多段に接続され、複数のブロックにおけるセレクタが、複数の受信データのうち前段までの複数のブロックに入力されたもの以外の複数の受信データのうちの一つと、前段のブロックにて遅延された選択データとの一方を選択して出力し、無線周波数信号のそれぞれの受信レベルを出力するように構成された遅延プロファイル測定部をそなえるとともに、遅延プロファイル測定部から出力される受信レベルに基づいて無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力し、前記複数のブロックにおけるセレクタの選択動作を制御して複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部をそなえて構成されているので、チャネル数が増加してもパスタイミング通知の周期を短縮することが可能となる。
【0130】
(5)本発明のCDMA方式の受信方法によれば、符号多重された複数の無線周波数信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し複数の無線周波数信号のうちの一つの特定無線周波数信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定無線周波数信号の受信レベルを出力する受信レベル出力ステップと、受信レベルに基づいて複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を切り替える切り替えステップとをそなえて構成されているので、受信状況が良好のときと悪化したときとのそれぞれにおいて、別個のタップ構成により遅延プロファイルを測定するので、より精度の高い測定が可能となる。
【0131】
(6)遅延量出力部が、複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを切り替えることにより、切り替え制御するように構成されてもよく、このようにすれば、1個の分割型マッチドフィルタを設けることによって、複数のチャネルについて、使い回しをせずに遅延プロファイルを測定できる。
【0132】
(7)遅延プロファイル測定部の複数の単位マッチドフィルタが、それぞれ、受信データを保持するタップ数に等しい有限状態保持部と、レプリカコードを出力しうるタップ数に等しい個数のラッチ部と、有限状態保持部からの出力とラッチ部からの出力とを乗算してその乗算結果を加算して出力する演算部とをそなえて構成されてもよく、このようにすれば、所定数のタップを基本単位として、他の単位マッチドフィルタと結合/分割を適応的に行ない、効率的に受信データを処理できるようになる。
【0133】
(8)遅延量出力部が、32タップ構成、256タップ構成、128タップ構成の少なくとも3種類の動作モードを切り替えうるように構成されてもよく、このようにすれば、受信データの品質を低下させずに、1個のマッチドフィルタを用いて複数のチャネルの遅延プロファイルを測定できる。
(9)遅延プロファイル測定部が、レプリカコードを発生するレプリカコード発生部を設け、遅延量出力部が、結合制御信号をレプリカコード発生部に対して入力するように構成されてもよく、このようにすれば、基地局は、高速な移動局の動きに追随できる。
【0134】
(10)遅延プロファイル測定部が、複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックのそれぞれから出力される遅延プロファイルの値を平均して平均値を出力する平均計算部をそなえるとともに、遅延量出力部が、平均計算部から出力される平均値と、所定の閾値とに基づいて結合制御信号を出力するパスレベル判定部とをそなえて構成されてもよく、このようにすれば、回路規模を増大させずに、システムのトラフィック状況や物理的状況に応じて、最適な閾値が設定できる。
【0135】
(11)遅延量出力部が、さらに、少なくとも各チャネルについてのパスタイミングを検出して出力するパス検出部とをそなえて構成されてもよく、このようにすれば、単位マッチドフィルタを個別にパラレル状態で処理するときであっても、パスタイミングを検出できる。
(12)遅延量出力部が、複数の呼の優先順位を、新規に追加された呼が発生した場合,いずれかのチャネルの遅延プロファイルピーク値が所定の閾値を下回った場合及び通常動作の場合との少なくとも3種類の場合に基づいて付与するように構成されてもよく、このようにすれば、適切な動作変更が可能となる。
【0136】
(13)符号多重された複数の無線信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し複数の無線信号のうちの一つの特定無線信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定無線信号の受信レベルと所定の閾値とを比較する比較ステップと、比較ステップにおける比較に基づいて所定時間の間隔を変更する動作モード変更ステップとをそなえて構成されているので、受信状況が良好のときは、例えば32タップの単位マッチドフィルタを8パラレルにし、8チャネルのそれぞれについて、遅延プロファイルを測定することができる。
【0137】
(14)符号多重された複数の無線信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し複数の無線信号のうちの一つの特定無線信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、逆拡散ステップにて出力された処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、測定により得られた遅延プロファイルに基づいて特定無線信号の受信レベルを出力する受信レベル出力ステップと、受信レベルに基づいて複数の単位マッチドフィルタの分割/結合を切り替える切り替えステップとをそなえて構成されているので、受信状況が悪化したときは、例えば256タップ構成にして、1チャネルについて、遅延プロファイルを測定でき、より精度の高い測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動体通信システムの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る基地局の受信装置の要部を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る測定部のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る分割型マッチドフィルタ部のブロック図である。
【図5】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るセレクタの接続関係の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る平均化処理を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る受信データのフォーマット例を示す図である。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る平均化処理における受信レベルを示す図である。
【図9】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るパスタイミングを説明するための図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る新規呼の発生時のマッチドフィルタの構成図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る新規呼の発生時の遅延プロファイルの時間幅を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る安定通信時のマッチドフィルタの構成図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る安定通信時の遅延プロファイルの時間幅を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルの相関値が低下したときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルのピーク値が閾値を下回ったときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る遅延プロファイルのピーク値が閾値を超えたときの遅延プロファイルの時間幅を示す図である。
【図17】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るマッチドフィルタの結合/分離を説明するための図である。
【図18】本発明の第1実施形態の変形例に係る移動局の受信装置の要部を示す図である。
【図19】CDMA方式の受信装置の要部を示す図である。
【図20】(a)は遅延プロファイル測定部の一例を示す図であり、(b)は遅延プロファイル測定方法を説明するための図である。
【図21】(a)〜(c)はいずれも遅延量・パス検出部の動作を説明するための図である。
【図22】(a)は逆拡散処理を説明するための図であり、(b)はレプリカコードと受信データとの逆拡散演算を示すタイムチャートの一例を示す図である。
【図23】マッチドフィルタの構成の一例を示す図である。
【図24】受信データとタップ出力との関係を示すタイムチャートを示す図である。
【図25】チャネルの時間分割を説明するための図である。
【図26】(a),(b)はそれぞれ遅延プロファイルの測定周期を説明するための図である。
【符号の説明】
1 遅延プロファイル測定部
2a〜2h 単位マッチドフィルタ
3a〜3h,9 セレクタ
4 平均化処理部
4a 電力変換部
4b 加算器
4c デュアルポートメモリ
5 パスレベル判定部
5a パスレベル判定部群
6 パス検出部
7 結合制御部
8,50i 遅延量・パス検出部(遅延量出力部)
11 平均計算部
12 全加算器
13 分割型マッチドフィルタ
14 スロット列
20 移動体通信システム
21 移動局
22 基地局
23a ビル
23b 自然物
25,25a CDMA方式の受信装置
50a アンテナ
50b バンドパスフィルタ
50c ローノイズアンプ
50d 周波数変換器
50e A/D変換器
50−1〜50−8 RF部
50f 逆拡散処理部
50g,50j レプリカコード発生部
52 制御信号出力部
60a,60b シフトレジスタ
61 セル
62 セクタ

Claims (5)

  1. 符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するとともに、該選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力する複数の単位マッチドフィルタを有し、該無線周波数信号のそれぞれの受信レベルを出力する遅延プロファイル測定部と、
    該遅延プロファイル測定部から出力される該受信レベルに基づいて該無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力するとともに、該遅延プロファイル測定部での前記選択動作を制御して該複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部とをそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信装置。
  2. 該遅延量出力部が、
    複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを、該複数の単位マッチドフィルタのうちの所定数の単位マッチドフィルタが結合したブロックの数を表すブロック数を考慮して切り替え制御するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載のCDMA方式の受信装置。
  3. 該遅延量出力部が、
    新規呼が発生した場合,受信状態が安定している場合及び遅延プロファイルの相関レベルが低下した場合のうちの少なくとも1種類の場合に、該複数の単位マッチドフィルタが接続されるタップ段数に基づいて規定される複数の動作モードを切り替えるように構成されたことを特徴とする、請求項1記載のCDMA方式の受信装置。
  4. 符号多重された複数の無線周波数信号のそれぞれに起因する受信データのうちの一つと複数の受信データのうちの一つと同一のコピーデータとの一方を選択して選択データを保持出力するセレクタと、該セレクタから出力される該選択データとレプリカコードとを乗算してその乗算結果を加算出力するとともに、該選択データを遅延させて出力する単位マッチドフィルタとを有する複数のブロックを設け、且つ、前段のブロックにて遅延された該選択データが、次段のブロックにおけるセレクタに入力されるように、上記複数のブロックが多段に接続され、
    該複数のブロックにおけるセレクタが、該複数の受信データのうち前段までの複数のブロックに入力されたもの以外の複数の受信データのうちの一つと、該前段のブロックにて遅延された該選択データとの一方を選択して出力し、該無線周波数信号のそれぞれの受信レベルを出力するように構成された遅延プロファイル測定部をそなえるとともに、
    該遅延プロファイル測定部から出力される該受信レベルに基づいて該無線周波数信号の到着するパスタイミングを出力し、前記複数のブロックにおけるセレクタの選択動作を制御して該複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を制御する遅延量出力部をそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信装置。
  5. 符号多重された複数の無線周波数信号のうちの少なくとも一つを逆拡散し該複数の無線周波数信号のうちの一つの特定無線周波数信号についての処理データを出力する逆拡散ステップと、
    該逆拡散ステップにて出力された該処理データの遅延プロファイルを所定時間測定する測定ステップと、
    該測定により得られた該遅延プロファイルに基づいて該特定無線周波数信号の受信レベルを出力する受信レベル出力ステップと、
    該受信レベルに基づいて複数の単位マッチドフィルタ接続の状態を切り替える切り替えステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、CDMA方式の受信方法。
JP2000402151A 2000-12-28 2000-12-28 Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法 Expired - Fee Related JP3795326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402151A JP3795326B2 (ja) 2000-12-28 2000-12-28 Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402151A JP3795326B2 (ja) 2000-12-28 2000-12-28 Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002204184A JP2002204184A (ja) 2002-07-19
JP3795326B2 true JP3795326B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=18866491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000402151A Expired - Fee Related JP3795326B2 (ja) 2000-12-28 2000-12-28 Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3795326B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011015159A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Fujitsu Ltd 相関演算装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002204184A (ja) 2002-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2937994B1 (ja) セルラーシステムと移動携帯機、基地局装置、及び最適パス検出方法とその装置
KR100669248B1 (ko) 병렬 처리 구조의 ds-cdma uwb 시스템에서의초기 동기 획득 장치 및 방법과 이를 이용한ds-cdma uwb 시스템에서의 수신기
KR100552076B1 (ko) Cdma통신시스템에있어서의신호수신장치
US6310856B1 (en) CDMA communications system having a searcher receiver and method therefor
US20070224996A1 (en) Wireless base station device and path search method
EP1748571A2 (en) WCDMA terminal baseband processing module having a cell searcher module
EP1381169B1 (en) Method of and apparatus for path search
US7376095B2 (en) Apparatus and method for measuring a received signal to interference ratio in a mobile communication system
US7003022B2 (en) Matched filter and receiver for mobile radio communication system
US6934553B2 (en) Receiving unit, receiving method and semiconductor device
US6895038B2 (en) Communication system
JP3795326B2 (ja) Cdma方式の受信装置及びcdma方式の受信方法
EP1334565B1 (en) Ensuring maximum rake output whilst avoiding fat fingers
US6724808B1 (en) Transmission power control method of measuring Eb/N0 after weighted signals are combined
US6647056B1 (en) Correlation circuit for spread spectrum communication, demodulation circuit and reception apparatus
US7995640B2 (en) Dynamic interpolation location
US7940835B2 (en) Method of eliminating false echoes of a signal and corresponding rake receiver
US7876809B2 (en) Code division multiple access (CDMA) receiving device, and path searching method
US8116355B2 (en) Method of selecting echoes of a signal for assignment to fingers of a Rake receiver and corresponding Rake receiver
JP4829155B2 (ja) Cdma方式の基地局の受信装置及び受信方法
KR980012981A (ko) 파일럿(Pilot) 신호를 갖는 DS/CDMA 방식에서의 잡음전력밀도에 대한 비트당 에너지(Eb/No)를 구하는 방법 및 그 장치
JP2000124832A (ja) Cdma受信装置における逆拡散回路及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090421

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100421

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110421

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110421

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120421

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130421

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140421

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees