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JP3792830B2 - タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびタイヤ Download PDF

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tire
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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤの性能を向上させて自動車の低燃費化を実現するために、タイヤのヒステリシスロスのうちの50〜60%を占めているトレッドゴム部分についての検討が数多くなされ、近年のポリマーやカーボンブラックの開発またはこれらを含む配合技術などの改良により、トレッドゴム部分のヒステリシスロスは30〜40%まで低下してきており、タイヤの転がり抵抗も大きく低減されつつある。
【0003】
しかし、タイヤの転がり抵抗をさらに小さくするために、トレッドゴム部分のみでヒステリシスロスを低下させようとしても、耐摩耗性や操縦安定性、とくに湿潤路面でのグリップ性能(以下、「WET性能」という)が低下するという点から、限界があることが判明してきている。
【0004】
一方、前記転がり抵抗の低下などを目的として、トレッドゴム部分の補強材としてシリカを用いる多くの提案があるが、シリカの量が増加するにつれてタイヤの電気抵抗が大きくなるなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記のような問題に鑑み鋭意研究の結果、タイヤのサイドウォール部分に着目し、その部分に用いられている補強材としてのカーボンブラックとして特定のカーボンブラックを用い、かつその一部を特定のシリカに代え、とくに特定量のシランカップリング剤を併用することにより、トレッド部の耐摩耗性やWET性能を悪化させることなく、またタイヤ全体の電気抵抗を大きくすることなしに、タイヤの転がり抵抗を小さくすることができることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、転がり抵抗が小さく、耐摩耗性、WET性能に優れ、電気抵抗が小さいタイヤを与えうるタイヤサイドウォール用ゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびイソプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム100部(重量部、以下同様)に対し、
一次粒子の平均粒子径が20nm以上、圧縮DBP吸油量が120ml/100g以下およびCTAB表面積が130m2/g以下であるカーボンブラックを5〜50部と、
DBP吸油量が200ml/100g以上、BETチッ素吸着比表面積が180m2/g以下である沈降性シリカを10〜60部と
シランカップリング剤を式(1):
【0008】
【数2】
Figure 0003792830
【0009】
〔式中、Xは沈降性シリカ100部に対するシランカップリング剤の配合量(単位は重量部)、Aは沈降性シリカの表面積1nm2あたりに存在しているシラノール基数(単位は個/nm2)、Bは沈降性シリカのBETチッ素吸着比表面積(単位はm2/g)、Cは沈降性シリカに対するシランカップリング剤の反応性を示すファクタ、Dはシランカップリング剤の分子量、Eはアボガドロ数(6.022×1023)である〕においてC=2.6〜5.1で示される範囲の量を混練りしてえられるタイヤサイドウォール用ゴム組成物に関する。
【0010】
本発明はまた、タイヤサイドウォール部を前記タイヤサイドウォール用ゴム組成物で作製してなるタイヤに関する。
【0011】
なお、ジエン系ゴム100部のうち天然ゴムが30部以上を占めるのが好ましく、また、ジエン系ゴムが天然ゴムと高シス含量のブタジエンゴムを含んでいるのが好ましい。
【0012】
さらに、シランカップリング剤としては、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイドが好ましく用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
タイヤ用に用いられているシリカとしては、たとえば沈降性シリカ(いわゆる含水ケイ酸)、アエロジル(無水ケイ酸)およびクレーやタルクなどのケイ酸塩などがあるが、ゴム中への分散性やゴム組成物への補強性の高さの点から本発明においては沈降性シリカ、それも前記特定の物性をもつ沈降性シリカを用いる。
【0014】
前記沈降性シリカのDBP吸油量は、タイヤサイドウォール用ゴム組成物中での分散性が向上し、えられるタイヤのヒステリシスロスが低下するという点から、200ml/100g以上であり、200〜350ml/100gであることが好ましく、200〜280ml/100gであることがさらに好ましい。
【0015】
また前記沈降性シリカのBETチッ素吸着比表面積は、後記するシランカップリング剤の配合量を少なくでき、またえられるタイヤのヒステリシスロスが低下するという点から、180m2/g以下であり、50〜180m2/gであることが好ましく、50〜100m2/gであることがさらに好ましい。
【0016】
これらの物性をもつ沈降性シリカとしては、たとえば市販品としてはデクサ(Degussa)社製のウルトラシルVN3、ウルトラシルFK160、DUROSILなどがある。
【0017】
本発明において用いるカーボンブラックの一次粒子の平均粒子径は、タイヤのエネルギーロスが小さくなり、転がり抵抗が低下するという点および補強性の点から、20nm以上であり、25〜60nmであることが好ましく、30〜50nmであることがさらに好ましい。
【0018】
また前記カーボンブラックの圧縮DBP吸油量は、ストラクチャーが大きくなり、tanδが低下するという点から、120ml/100g以下であり、80〜120ml/100gであることが好ましく、80〜100ml/100gであることがさらに好ましい。
【0019】
前記カーボンブラックのCTAB表面積は、タイヤのエネルギーロスが小さくなるという点から、130m2/g以下であり、40〜125m2/gであることが好ましく、40〜80m2/gであることがさらに好ましい。
【0020】
これらの物性をもつカーボンブラックとしては、たとえばFEF、HAF、ISAF、N339、N351などがあげられる。
【0021】
本発明においては、前記沈降性シリカを前記ゴム組成物中へより均一に分散させ、えられるタイヤの耐摩耗性を確保するために、シランカップリング剤を特定量用いる。
【0022】
前記シランカップリング剤としては、たとえばビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)−プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N′−ビニルベンジル−N−トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン塩などがあげられるが、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましく、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイドがさらに好ましい。
【0023】
本発明において用いるジエン系ゴムは、たとえば天然ゴム(以下、「NR」ともいう)、ブタジエンゴム(以下、「BR」ともいう)、スチレン−ブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう)、イソプレンゴム(以下、「IR」ともいう)などがあげられ、これらは単独で用いてもよく、また2種以上を組み合せて用いてもよい。
【0024】
前記SBRは、たとえば乳化重合法によりえられるSBR(以下、「E−SBR」ともいう)、溶液重合法によりえられるSBR(以下、「S−SBR」ともいう)などがあげられる。
【0025】
これらのジエン系ゴムのうちでも、NR、BR、S−SBR、NRとBRとの組合せ、NRとBRとS−SBRとの組合せが好ましい。
【0026】
前記BRのシス含量は、タイヤの屈曲亀裂抵抗性がえられるという点から高含量、たとえば20重量%以上、好ましくは30重量%以上であることが好ましい。
【0027】
本発明においては、前記沈降性シリカと前記カーボンブラックとがゴム補強材としてのはたらきを有しており、さらに前記シランカップリング剤を用いることで沈降性シリカの分散性が向上する。
【0028】
本発明のゴム組成物は、前記ゴム補強材と前記ジエン系ゴムとを混練りしてえられるものである。
【0029】
沈降性シリカの配合割合としては、ジエン系ゴム100部に対して、10〜60部であり、10〜40部であることが好ましく、20〜40部であることがさらに好ましい。またカーボンブラックの配合量としてはジエン系ゴム100部に対して5〜50部であり、5〜30部であることが好ましく、10〜20部であることがさらに好ましい。
【0030】
沈降性シリカの配合割合を前記範囲内の割合とすることにより、ヒステリシスロス(tanδ)が小さくエネルギーロスが小さくなる傾向がある。
【0031】
カーボンブラックの配合割合を前記範囲内の割合とすることにより、ヒステリシスロス(tanδ)が小さくなる傾向がある。
【0032】
本発明において用いるシランカップリング剤の配合量は、前記のとおり式(1):
【0033】
【数3】
Figure 0003792830
【0034】
においてC=2.6〜5.1で示される範囲の量である。
【0035】
式(1)において、Cは沈降性シリカに対するシランカップリング剤の反応性(カップリング作用)を示すファクタ(以下、「反応性ファクタ」という)であり、2.6〜5.1の範囲とするときに、えられるゴム組成物(タイヤ)に優れた補強効果、耐摩耗性を与える。
【0036】
反応性ファクタCは、各種のゴム組成物において沈降性シリカに対するシランカップリング剤の配合割合を変化させ、えられるゴム組成物(タイヤ)の各種特性を調べ、最適範囲の結果を与える配合割合の範囲を検討した結果、本発明者により初めて見出されたファクタである。
【0037】
反応性ファクタCの利点を、後述の実験例1に基づいて説明する。まず使用する沈降性シリカとシランカップリング剤を決めると式(1)においてA(=2.6個/nm2)、B(175m2/g)、D(538.94)が決まる(Eはアボガドロ数=6.022×1023)。これらの値を式(1)に代入し、Cの範囲である2.6〜5.1を代入すると、沈降性シラン100部に対するシランカップリング剤の適正量Xの範囲がえられる(7.98〜15.66部)。実験例1では沈降性シリカを10部配合するので、この量の沈降性シリカに対するシランカップリング剤の量は前記Xの10分の1の量、すなわち約0.8〜1.6部の範囲が適正量であることがわかる(実験例1では1.0部を使用)。
【0038】
シランカップリング剤の配合量をかかる範囲に限定したのは、シランカップリング剤の反応性末端をシリカ表面のシラノール基と有効に反応させて、ジエン系ゴムとのカップリング効果を高めて補強性の向上、すなわち耐摩耗性を確保するためである。なお、シリカとジエン系ゴムとのカップリング効果を高めることはジエン系ゴム中のシリカの分散性の向上にもつながる。
【0039】
本発明においては、ジエン系ゴム100部のうち、転がり抵抗が小さく押し出し物のゴム肌がよいという点から、前記NRが30部以上であり、30〜80部であることが好ましく、40〜70部であることがさらに好ましい。
【0040】
また本発明においては、ジエン系ゴムとしてNRと他のジエン系ゴムとを組み合せるばあい、他のジエン系ゴムとしては、屈曲亀裂抵抗性がえられるという点から高シス含量の前記BRが好ましく、そのようなBRの配合量としてはジエン系ゴム100部のうち、20〜70部が好ましく、30〜60部がさらに好ましい。
【0041】
本発明において、沈降性シリカとシランカップリング剤を優先的に反応させると、特に転がり抵抗および耐候性に優れたタイヤをうることができる。
【0042】
そのための方法としては、まず、たとえばバンバリーミキサーにそれぞれ所定量のジエン系ゴム、沈降性シリカおよびシランカップリング剤および所定量のカーボンブラックの一部、オイルの一部を入れ130〜160℃の温度で1〜5分間混合する。つぎに残りのカーボンブラック、オイルおよび各種加工助剤などを添加して、140℃以下の温度で1〜5分間混練りする。最後に100℃以下の温度で加硫剤や加硫促進剤などを添加して1〜5分間混練りすることにより、本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物がえられる。
【0043】
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、えられたゴム組成物を140〜190℃、好ましくは145〜185℃で、5〜60分間、好ましくは8〜50分間、通常の方法により加硫してえられる加硫ゴムのトルエン膨潤度が、200以上450未満であり、250以上400未満であることがさらに好ましい。
【0044】
前記トルエン膨潤度を前記範囲内に設定することにより屈曲亀裂抵抗性、転がり抵抗性のよいタイヤがえられる。
【0045】
トルエン膨潤度は、10gの試料ゴム片をトルエン中に完全に沈めて24時間放置したのち取り出し、よく拭いてその重量Ygを測定し、式:(Y/10)×100(%)に代入してえられる値である。
【0046】
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物には、たとえばイオウなどの加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、ワックス、老化防止剤、酸化防止剤、軟化剤、ステアリン酸などの加硫助剤、加工助剤などを本発明の効果を損わない範囲で適宜配合することができる。
【0047】
本発明はまた、本発明のサイドウォール用ゴム組成物でサイドウォール部を作製してなるタイヤに関する。
【0048】
一般に、路面との摩擦により生じた静電気の伝達物質であるカーボンブラックの代りにシリカをトレッド用ゴム組成物に配合すると静電気の伝達が生じずタイヤトレッド部に静電気が蓄積されるが、本発明のタイヤにおいてはトレッド部ではなくサイドウォール部にシリカを配合しており、トレッド部からスチールベルトゴム層およびケースゴム層を介して静電気をタイヤの外部に逃がすことができる。
【0049】
電気抵抗の小さいゴム配合としては、たとえばゴム成分100部に対してカーボンブラックを30部以上と多目に配合したものが採用できる。そのほかポリピロールやポリアニリンを担持させたナイロンやポリエステル細繊維を0.5〜4mmに裁断したものを混合するか、またはポリピロールやポリアニリンをシリカなどの充填材に担持させたものを用いてもよい。
【0050】
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物としては、たとえばつぎのようなものが好ましくあげられる。
【0051】
Figure 0003792830
この組成物は、転がり抵抗が小さく、耐カット性、操縦安定性の点で有利である。
【0052】
より好ましくは、
Figure 0003792830
この組成物は、転がり抵抗が小さく、耐カット性、操縦安定性、乗心地の点で優れている。
【0053】
【実施例】
つぎに、本発明を実験例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0054】
実験例1
(ゴム組成物の製造)
表1に示す成分および配合量に基づいて、バンバリーミキサーに、ジエン系ゴム、沈降性シリカおよびシランカップリング剤ならびに所定量のカーボンブラックの一部を入れ、130〜160℃で1〜5分間混練したのち、一旦排出し、ゴムを冷却する。
【0055】
つぎに、同様にバンバリーミキサーにこのゴムを入れ、残りのカーボンブラック、オイルを順次添加していき、140℃以下で1〜5分間混練し、再度ゴムを排出し冷却する。最後に、バンバリーミキサーあるいはオープンロールなどで100℃以下にて加硫剤などを添加して1〜5分間混練りし本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物をえた。
【0056】
(タイヤの製造)
えられたゴム組成物を用いて通常の方法によりタイヤを製造し、つぎの試験を行った。結果を表1に示す。
【0057】
なお、トレッド部のゴム組成は、つぎの低電気抵抗ゴム配合とした。
【0058】
NR/SBR(40/60):100部(SBRは日本合成ゴム工業製のSL574)
カーボンブラック:55部
アロマオイル:12部
(試験方法)
ゴム硬さ(ハードネス)(以下、「Hs」という):JIS K 6253のタイプAに準じて行った。
【0059】
複素モジュラス(以下、「E*」という)および損失正接(以下、「tanδ」という):岩本製作所製ビスコエラスティック スペクトロメータを用いて、70℃で2%の動歪みで測定した。
【0060】
屈曲亀裂抵抗性:JIS K 6260に準じて、上島製作所製デマッチャ屈曲亀裂試験機を用いて亀裂成長性を測定し、亀裂成長が100万回/min以上のときをA、50万〜100万回/minのときをB、50万回/min以下のときをCとして評価した。
【0061】
タイヤの転がり抵抗:JISに準じて神戸機械製転がり抵抗試験機を用いて、軸力を測定し、次式
【0062】
【数4】
Figure 0003792830
【0063】
により求められ、実験例7(沈降性シリカおよびシランカップリング剤を配合しない例)でえられた転がり抵抗を基準として指数で示す。
【0064】
実験例2〜6
表1に示す配合成分、配合量を採用したこと以外は、実験例1と同様の方法により本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびタイヤをえ、実験例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003792830
【0066】
実験例7
沈降性シリカおよびシランカップリング剤を配合せず、表2に示す配合成分および配合量を採用したこと以外は、実験例1と同様の方法によりゴム組成物をえ、実験例1と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0067】
実験例8〜13
表2に示す配合成分および配合量を採用したこと以外は、実験例1と同様の方法によりゴム組成物をえ、実験例1と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
Figure 0003792830
【0069】
表1および表2に記載されている配合成分の略号などはつぎのものを示す。
【0070】
1):宇部興産製BR150L(ハイシスBR、シス含量98重量%)
2):日本合成ゴム工業製SL574(ビニル結合量57重量%、結合スチレン量15重量%、分子量分布1.7〜1.9)
3):住友化学製ESPRENE 586(プロピレン比率20重量%、ヨウ素価36ENB)
4):昭和キャボット製(一次粒子の平均粒子径28nm、CTAB表面積82m2/g、圧縮DBP97〜105ml/100g)
5):三菱化学製(一次粒子の平均粒子径22nm、CTAB表面積105m2/g、圧縮DBP96ml/100g)
6):東海カーボン製(一次粒子の平均粒子径40〜48nm、CTAB表面積45m2/g、圧縮DBP85ml/100g)
7):東海カーボン製(一次粒子の平均粒子径18nm、CTAB表面積132m2/g、圧縮DBP97ml/100g。CTAB表面積が範囲外)
8):Degussa製(ウルトラシルVN3、BETチッ素吸着比表面積175m2/g、DBP吸油量210ml/100g、シラノール基数2.6個/nm2表面積)
9):Degussa製(BETチッ素吸着比表面積160m2/g、DBP吸油量250ml/100g、シラノール基数2.6個/nm2表面積)
10):Degussa製(BETチッ素吸着比表面積60m2/g、DBP吸油量220ml/100g、シラノール基数2.6個/nm2表面積)
11):Degussa製(BETチッ素吸着比表面積700m2/g、DBP吸油量190ml/100g、シラノール基数2.6個/nm2表面積)
12):ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド
表1および表2の結果から明らかなように、特定のシリカと特定のカーボンブラックとにシランカップリング剤を反応性ファクタCを指標として特定量組み合せてえられるゴム組成物(実験例1〜6)のばあい、タイヤの転がり抵抗が小さく、屈曲亀裂抵抗性、耐カット性に優れている。
【0071】
【発明の効果】
本発明のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、耐摩耗性、WET性能に優れ、転がり抵抗が小さく、屈曲亀裂抵抗性、耐カット性に優れたタイヤを与えうる。

Claims (4)

  1. 天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムおよびイソプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム100重量部に対し、
    一次粒子の平均粒子径が20nm以上、圧縮DBP吸油量が120ml/100g以下およびCTAB表面積が130m2/g以下であるカーボンブラックを5〜50重量部と、
    DBP吸油量が200ml/100g以上、BETチッ素吸着比表面積が180m2/g以下である沈降性シリカを10〜60重量部と、
    シランカップリング剤を式(1):
    Figure 0003792830
    〔式中、Xは沈降性シリカ100重量部に対するシランカップリング剤の配合量(単位は重量部)、Aは沈降性シリカの表面積1nm2あたりに存在しているシラノール基数(単位は個/nm2)、Bは沈降性シリカのBETチッ素吸着比表面積(単位はm2/g)、Cは沈降性シリカに対するシランカップリング剤の反応性を示すファクタ、Dはシランカップリング剤の分子量、Eはアボガドロ数(6.022×1023)である〕においてC=2.6〜5.1で示される範囲の量
    とを混練りしてえられるタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  2. ジエン系ゴムおよび沈降性シリカとシランカップリング剤とを混合し、沈降性シリカとシランカップリング剤を反応させたのち、該ジエン系ゴムおよび該反応生成物とカーボンブラックおよびオイルを混練りしてえられる請求項1記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  3. ゴム組成物を170℃で15分間加硫してえられる加硫ゴムのトルエン膨潤度が250以上400未満である請求項1〜2のいずれかに記載のタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
  4. タイヤサイドウォール部を請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物で作製してなるタイヤ。
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