JP3792285B2 - スピーカ用ホーン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーンスピーカに用いられるホーンの形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種のスピーカ用ホーンでは、広い周波数範囲で均一な指向性制御を行う定指向性ホーンが提供されている。この定指向性ホーンは、水平方向および垂直方向の指向性を制御し、指向角の内側では均一な音場が得られ、指向角の外側には音圧が漏れにくい特徴がある。したがって、複数個のホーンを使って拡声するときの相互干渉や建造物の壁面等からの反射波を軽減し、受聴点で平坦な周波数特性が得られる効果がある。このようなスピーカ用ホーンは、互いに向かい合う二対の壁面で構成される四角錐状の音孔を持ち、その壁面は広い周波数範囲で音波の指向性を一定にするような関数で規定された曲面になっている。この関数は、水平方向と垂直方向とで独立した設計となっており、これにより水平方向と垂直方向の指向性を別々に制御している。
【0003】
以下、この定指向性ホーンについて図面を参照しながら詳細に説明する。図7は従来の定指向性ホーンの斜視図、図8はその正面図、図9(a)はその水平断面21での断面図、同図(b)はその斜め方向の断面26での断面図、同図(c)はその垂直断面20での断面図である。図7に示すように、この定指向性ホーンは、曲面22と23、曲面24と25の対向する2組の異なる曲面より構成され四角錐型の音孔を持っている。これはホーンの水平方向の指向性は水平断面の曲線関数に依存し、垂直方向の指向性は垂直断面の曲線関数に依存する性質があり、この性質を利用して水平方向および垂直方向の指向性制御を別々に行うためである。この曲面は、例えば特公昭50−20238号公報では、水平方向の目標指向角が2θh 、垂直方向の目標指向角が2θv であり、θh >θv であるとき、垂直断面は式(5)で表され、nの値が図9(c)の30、30′より開口側ではn3 (n3 ≧2)、スロート側ではn4 (n4 >n3 )であり、ホーン開口での接線角度は1.5θv 〜2θv である。図9(a)の水平断面では、開口から距離12 の点と開口の間では式(5)で表され、27、27′より開口側ではn1 (n1 ≧2)、スロート側ではn2 (n2 ≧n1 )であり、ホーン開口での接線角度は1.5θv 〜2θv であり、スロートと開口からの距離12 の間ではホーンの断面積変化がエクスポネンシャルになるような曲線である。
y=a0 (1+γx)n ・・・(5)
a0 :スロートの半径
γ :広がり係数
x :スロートからの距離
n :係数
【0004】
このように、上記した従来のホーンでは、図7に示すように、水平断面21および垂直断面20では、中心軸と側壁の距離関係がスロートから開口へ向かって開口率が滑らかに漸増する曲線であり、水平指向性および垂直指向性が広い周波数範囲で一定であるという長所があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスピーカ用ホーンでは、ホール、競技場等の音場設計をする上では、図6に示すように、ホーン開口面に平行な面19での音圧分布は長方形状の音圧分布が理想的である。しかしながら、角型の音孔をもつホーンでは、図8の26のような斜め方向での断面は考慮されておらず指向性を制御していない。図9(b)は図8に示すホーンの26の方向での断面図で、28、29のように随所に変曲点をもっている。このため図6に示す開口面に平行な面19での音圧分布を調べると、図10(a)、(b)、(c)に示すように斜め方向の音圧が低く、また、音圧分布が周波数によって異なるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来のスピーカ用ホーンにおける問題を解決するものであり、ホーンの斜め方向での音圧低下を防いで長方形に近い音圧分布を実現すること、および音圧分布の周波数による変化を少なくすることのできるスピーカ用ホーンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のスピーカ用ホーンは、スロートに平行な断面が水平、垂直、斜め方向の断面の8点で規定されており、水平方向の目標指向角と垂直方向の目標指向角から水平断面と斜め断面との間の角度αおよび斜め方向の目標指向角が規定され、水平方向の断面と垂直方向の断面と斜め方向の断面は、各々の方向の目標指向角2θに対し2つの異なる平均開く角をもつ曲線の結合形であって、スロート側では平均開く角が当該方向の目標指向角2θに対して0.8〜1.2θであり、開口側では1.1θ〜2θであり、スロートから開口までの長さが異なる場合には、開口部分が一致するように長さの短い曲線を開口側に平行移動したものである。
【0008】
したがって、本発明によれば、スピーカ用ホーンを上記した構成とすることにより、斜め方向での音圧低下を防いで長方形に近い音圧分布を得ることができ、また、音圧分布の周波数による変化を少なくすることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、スロートに平行な断面が8点を通過する閉スプライン形状をしており、8点のうち2点はホーンの垂直断面上の点であり、別の2点はホーンの水平断面上の点であって、残りの4点は水平断面をホーン中心軸に関して時計廻りおよび反時計廻りに角度αだけ回転させたホーンの斜め方向の断面上の点であり、水平目標指向角が2θh であり、垂直目標指向角が2θv であって、
α=tan-1(q×tanθv )/(p×tanθh ) ・・・(6)
α :斜め方向の断面と水平断面の角度
θv :垂直目標指向角の半分
θh :水平目標指向角の半分
p :係数 1≦p≦1.3
q :係数 1≦q≦1.3
なる関係式で表され、かつ、上記斜め方向での目標指向角が、
θd :斜め目標指向角の半分
r :係数 1≦r≦1.5
であり、水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる平均開き角をもつ曲線の結合形であって、スロート側では平均開き角が当該方向の目標指向角2θに対して0.8〜1.2θであり、開口側では1.1〜2θであり、水平方向、垂直方向、斜め方向でスロートから開口までの長さが異なる場合には開口部分が一致するように長さの短い曲線を開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とするものであり、水平方向、垂直方向の断面が上記曲線の結合で表されることから、水平指向角および垂直指向角が広い周波数埴で目標指向角に近い値をとり、また、水平断面と斜め方向の断面の間の角度αおよび目標指向角を水平目標指向角と垂直目標指向角から計算し、その断面形状は上記曲線を結合した形状であることから、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布が得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる広がり率をもつ曲線の結合形であって、結合部での半径y1 は開口半径am の0.3〜0.8倍であり、スロート側の曲線は、
y=√(at 2 +tan2 θ・x2 ) ・・・(8)
x :スロートからの距離
y :スロートから距離xの断面の半径
at :スロートの半径
θ :当該方向の目標指向角の半分
で表され、開口側では、
am :開口での断面半径
x1 :スロートから2つの曲線の結合部までの距離
y1 :2つの曲線の結合部半径(0.3am ≦y1 ≦0.8am )
k :式(8)における結合部の微分係数
θ2 :開口側の曲線の平均開き角(θ≦θ2 ≦2θ)
n :係数(2<n<5)
で表され、水平方向、垂直方向、斜め方向で上記式によって計算されるスロートから開口までの長さが異なる場合には、ホーン長の短い断面の曲線は式(8)でのat をスロート半径の0.6〜2.5倍の値にして、さらに開口部分が一致するように開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とする請求項1記載のスピーカ用ホーンであり、請求項1のみを満たす場合に比べ、水平断面、垂直断面、斜め断面を数式で表すことによって、ホーンの各方向の断面設計を定式化して設計を容易ならしめ、水平指向角および垂直指向角が広い周波数範囲で目標指向角との偏差を狭め、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布を得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。本実施の形態では、θh >θv の場合について記述する。図1は本発明の実施の形態におけるホーンの斜視等高線図であり、図2はその正面等高線図である。図1において、1は水平断面、2は垂直断面、3、4は斜め断面である。水平指向角は2θh であり、垂直指向角は2θv であり、斜め断面3および4が水平断面1となす角度は式(6)のαで表される。
【0012】
図2において、5はスロートに平行な断面の一例であり、垂直断面2の上の2点8、12および水平断面1の上の2点6、10および斜め断面3、4上の4点7、9、11、13の計8点を通過する閉スプライン形状をしている。斜め断面3、4の方向の目標指向角は式(7)におけるθd の2倍であり、この式を見ればθd >θh >θv であることは自明である。
【0013】
図3(a)は本発明によるホーンの水平断面1での断面線図であり、図3(b)は斜め断面3および4での断面線図であり、図3(c)は垂直断面2での断面線図である。図3(a)、(b)、(c)において、14、14′および16、16′および18、18′より開口側では、各断面は式(9)で表され、スロート側では式(8)で表される。θd >θh >θv であるから、ホーン長は垂直断面が一番長く13 であり、水平断面では式(8)においてat の値は垂直断面の式におけるat の値の1.5倍の値をとり、垂直断面とのホーン長の差11 だけ平均開き角2°の直線をスロート側に結合している。また、斜め断面でもat の値は垂直断面の式におけるat の値の1.5倍の値をとるものであり、ホーン長の差12 だけ平均開き角5°の直線をスロート側に結合している。
【0014】
図4は本実施の形態におけるホーンの垂直方向の指向角周波数特性を示す。広い周波数範囲で目標指向角に近い値をとることが分かる。
【0015】
図5は本実施の形態におけるホーン開口面に平行な面での音圧分布を示す。図10に示した従来のホーンの音圧分布に比べ、斜め方向での音圧低下を防ぎ、長方形形状に近い音圧分布が得られ、また、音圧分布の周波数による変化が少なくなっていることが分かる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、上記実施の形態から明らかなように、水平指向角および垂直指向角が広い周波数範囲で目標指向角に近い値をとり、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布を得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスピーカ用ホーンの斜視等高線図
【図2】図1に示したスピーカ用ホーンの正面等高線図
【図3】(a)は図1に示したホーンの水平断面線図
(b)は図1に示したホーンの水平断面線図と角度αで交わる斜め方向の断面線図
(c)は図1に示したホーンの垂直断面線図
【図4】本発明の一実施の形態におけるホーンの垂直指向性図
【図5】本発明の一実施の形態におけるホーンの音圧分布図
【図6】音圧分布の測定法を説明するための模式図
【図7】従来例におけるスピーカ用ホーンの斜視図
【図8】従来例におけるスピーカ用ホーンの正面図
【図9】(a)は図7に示した従来のホーンの水平断面線図
(b)は図7に示した従来のホーンの斜め方向の断面線図
(c)は図7に示した従来のホーンの垂直断面線図
【図10】図7に示した従来のホーンの音圧分布図
【符号の説明】
1 水平断面
2 垂直断面
3、4 斜め断面
5 スロートに平行な断面
6、7、8、9、10、11、12、13 断面5が通過する8点
14、15 水平関数の結合点
16、17 斜め関数の結合点
18 垂直関数の結合点
19 音圧分布を測定する面
20 水平断面
21 垂直断面
22、23、24、25 ホーン側壁
26 斜め断面
27 水平関数の結合点
28、29 斜め関数の変曲点
30 垂直関数の結合点
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーンスピーカに用いられるホーンの形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種のスピーカ用ホーンでは、広い周波数範囲で均一な指向性制御を行う定指向性ホーンが提供されている。この定指向性ホーンは、水平方向および垂直方向の指向性を制御し、指向角の内側では均一な音場が得られ、指向角の外側には音圧が漏れにくい特徴がある。したがって、複数個のホーンを使って拡声するときの相互干渉や建造物の壁面等からの反射波を軽減し、受聴点で平坦な周波数特性が得られる効果がある。このようなスピーカ用ホーンは、互いに向かい合う二対の壁面で構成される四角錐状の音孔を持ち、その壁面は広い周波数範囲で音波の指向性を一定にするような関数で規定された曲面になっている。この関数は、水平方向と垂直方向とで独立した設計となっており、これにより水平方向と垂直方向の指向性を別々に制御している。
【0003】
以下、この定指向性ホーンについて図面を参照しながら詳細に説明する。図7は従来の定指向性ホーンの斜視図、図8はその正面図、図9(a)はその水平断面21での断面図、同図(b)はその斜め方向の断面26での断面図、同図(c)はその垂直断面20での断面図である。図7に示すように、この定指向性ホーンは、曲面22と23、曲面24と25の対向する2組の異なる曲面より構成され四角錐型の音孔を持っている。これはホーンの水平方向の指向性は水平断面の曲線関数に依存し、垂直方向の指向性は垂直断面の曲線関数に依存する性質があり、この性質を利用して水平方向および垂直方向の指向性制御を別々に行うためである。この曲面は、例えば特公昭50−20238号公報では、水平方向の目標指向角が2θh 、垂直方向の目標指向角が2θv であり、θh >θv であるとき、垂直断面は式(5)で表され、nの値が図9(c)の30、30′より開口側ではn3 (n3 ≧2)、スロート側ではn4 (n4 >n3 )であり、ホーン開口での接線角度は1.5θv 〜2θv である。図9(a)の水平断面では、開口から距離12 の点と開口の間では式(5)で表され、27、27′より開口側ではn1 (n1 ≧2)、スロート側ではn2 (n2 ≧n1 )であり、ホーン開口での接線角度は1.5θv 〜2θv であり、スロートと開口からの距離12 の間ではホーンの断面積変化がエクスポネンシャルになるような曲線である。
y=a0 (1+γx)n ・・・(5)
a0 :スロートの半径
γ :広がり係数
x :スロートからの距離
n :係数
【0004】
このように、上記した従来のホーンでは、図7に示すように、水平断面21および垂直断面20では、中心軸と側壁の距離関係がスロートから開口へ向かって開口率が滑らかに漸増する曲線であり、水平指向性および垂直指向性が広い周波数範囲で一定であるという長所があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスピーカ用ホーンでは、ホール、競技場等の音場設計をする上では、図6に示すように、ホーン開口面に平行な面19での音圧分布は長方形状の音圧分布が理想的である。しかしながら、角型の音孔をもつホーンでは、図8の26のような斜め方向での断面は考慮されておらず指向性を制御していない。図9(b)は図8に示すホーンの26の方向での断面図で、28、29のように随所に変曲点をもっている。このため図6に示す開口面に平行な面19での音圧分布を調べると、図10(a)、(b)、(c)に示すように斜め方向の音圧が低く、また、音圧分布が周波数によって異なるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来のスピーカ用ホーンにおける問題を解決するものであり、ホーンの斜め方向での音圧低下を防いで長方形に近い音圧分布を実現すること、および音圧分布の周波数による変化を少なくすることのできるスピーカ用ホーンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のスピーカ用ホーンは、スロートに平行な断面が水平、垂直、斜め方向の断面の8点で規定されており、水平方向の目標指向角と垂直方向の目標指向角から水平断面と斜め断面との間の角度αおよび斜め方向の目標指向角が規定され、水平方向の断面と垂直方向の断面と斜め方向の断面は、各々の方向の目標指向角2θに対し2つの異なる平均開く角をもつ曲線の結合形であって、スロート側では平均開く角が当該方向の目標指向角2θに対して0.8〜1.2θであり、開口側では1.1θ〜2θであり、スロートから開口までの長さが異なる場合には、開口部分が一致するように長さの短い曲線を開口側に平行移動したものである。
【0008】
したがって、本発明によれば、スピーカ用ホーンを上記した構成とすることにより、斜め方向での音圧低下を防いで長方形に近い音圧分布を得ることができ、また、音圧分布の周波数による変化を少なくすることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、スロートに平行な断面が8点を通過する閉スプライン形状をしており、8点のうち2点はホーンの垂直断面上の点であり、別の2点はホーンの水平断面上の点であって、残りの4点は水平断面をホーン中心軸に関して時計廻りおよび反時計廻りに角度αだけ回転させたホーンの斜め方向の断面上の点であり、水平目標指向角が2θh であり、垂直目標指向角が2θv であって、
α=tan-1(q×tanθv )/(p×tanθh ) ・・・(6)
α :斜め方向の断面と水平断面の角度
θv :垂直目標指向角の半分
θh :水平目標指向角の半分
p :係数 1≦p≦1.3
q :係数 1≦q≦1.3
なる関係式で表され、かつ、上記斜め方向での目標指向角が、
θd :斜め目標指向角の半分
r :係数 1≦r≦1.5
であり、水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる平均開き角をもつ曲線の結合形であって、スロート側では平均開き角が当該方向の目標指向角2θに対して0.8〜1.2θであり、開口側では1.1〜2θであり、水平方向、垂直方向、斜め方向でスロートから開口までの長さが異なる場合には開口部分が一致するように長さの短い曲線を開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とするものであり、水平方向、垂直方向の断面が上記曲線の結合で表されることから、水平指向角および垂直指向角が広い周波数埴で目標指向角に近い値をとり、また、水平断面と斜め方向の断面の間の角度αおよび目標指向角を水平目標指向角と垂直目標指向角から計算し、その断面形状は上記曲線を結合した形状であることから、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布が得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる広がり率をもつ曲線の結合形であって、結合部での半径y1 は開口半径am の0.3〜0.8倍であり、スロート側の曲線は、
y=√(at 2 +tan2 θ・x2 ) ・・・(8)
x :スロートからの距離
y :スロートから距離xの断面の半径
at :スロートの半径
θ :当該方向の目標指向角の半分
で表され、開口側では、
am :開口での断面半径
x1 :スロートから2つの曲線の結合部までの距離
y1 :2つの曲線の結合部半径(0.3am ≦y1 ≦0.8am )
k :式(8)における結合部の微分係数
θ2 :開口側の曲線の平均開き角(θ≦θ2 ≦2θ)
n :係数(2<n<5)
で表され、水平方向、垂直方向、斜め方向で上記式によって計算されるスロートから開口までの長さが異なる場合には、ホーン長の短い断面の曲線は式(8)でのat をスロート半径の0.6〜2.5倍の値にして、さらに開口部分が一致するように開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とする請求項1記載のスピーカ用ホーンであり、請求項1のみを満たす場合に比べ、水平断面、垂直断面、斜め断面を数式で表すことによって、ホーンの各方向の断面設計を定式化して設計を容易ならしめ、水平指向角および垂直指向角が広い周波数範囲で目標指向角との偏差を狭め、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布を得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。本実施の形態では、θh >θv の場合について記述する。図1は本発明の実施の形態におけるホーンの斜視等高線図であり、図2はその正面等高線図である。図1において、1は水平断面、2は垂直断面、3、4は斜め断面である。水平指向角は2θh であり、垂直指向角は2θv であり、斜め断面3および4が水平断面1となす角度は式(6)のαで表される。
【0012】
図2において、5はスロートに平行な断面の一例であり、垂直断面2の上の2点8、12および水平断面1の上の2点6、10および斜め断面3、4上の4点7、9、11、13の計8点を通過する閉スプライン形状をしている。斜め断面3、4の方向の目標指向角は式(7)におけるθd の2倍であり、この式を見ればθd >θh >θv であることは自明である。
【0013】
図3(a)は本発明によるホーンの水平断面1での断面線図であり、図3(b)は斜め断面3および4での断面線図であり、図3(c)は垂直断面2での断面線図である。図3(a)、(b)、(c)において、14、14′および16、16′および18、18′より開口側では、各断面は式(9)で表され、スロート側では式(8)で表される。θd >θh >θv であるから、ホーン長は垂直断面が一番長く13 であり、水平断面では式(8)においてat の値は垂直断面の式におけるat の値の1.5倍の値をとり、垂直断面とのホーン長の差11 だけ平均開き角2°の直線をスロート側に結合している。また、斜め断面でもat の値は垂直断面の式におけるat の値の1.5倍の値をとるものであり、ホーン長の差12 だけ平均開き角5°の直線をスロート側に結合している。
【0014】
図4は本実施の形態におけるホーンの垂直方向の指向角周波数特性を示す。広い周波数範囲で目標指向角に近い値をとることが分かる。
【0015】
図5は本実施の形態におけるホーン開口面に平行な面での音圧分布を示す。図10に示した従来のホーンの音圧分布に比べ、斜め方向での音圧低下を防ぎ、長方形形状に近い音圧分布が得られ、また、音圧分布の周波数による変化が少なくなっていることが分かる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、上記実施の形態から明らかなように、水平指向角および垂直指向角が広い周波数範囲で目標指向角に近い値をとり、斜め方向での音圧低下を防いで長方形形状に近い音圧分布を得ることができ、また音圧分布の周波数による変化を少なくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスピーカ用ホーンの斜視等高線図
【図2】図1に示したスピーカ用ホーンの正面等高線図
【図3】(a)は図1に示したホーンの水平断面線図
(b)は図1に示したホーンの水平断面線図と角度αで交わる斜め方向の断面線図
(c)は図1に示したホーンの垂直断面線図
【図4】本発明の一実施の形態におけるホーンの垂直指向性図
【図5】本発明の一実施の形態におけるホーンの音圧分布図
【図6】音圧分布の測定法を説明するための模式図
【図7】従来例におけるスピーカ用ホーンの斜視図
【図8】従来例におけるスピーカ用ホーンの正面図
【図9】(a)は図7に示した従来のホーンの水平断面線図
(b)は図7に示した従来のホーンの斜め方向の断面線図
(c)は図7に示した従来のホーンの垂直断面線図
【図10】図7に示した従来のホーンの音圧分布図
【符号の説明】
1 水平断面
2 垂直断面
3、4 斜め断面
5 スロートに平行な断面
6、7、8、9、10、11、12、13 断面5が通過する8点
14、15 水平関数の結合点
16、17 斜め関数の結合点
18 垂直関数の結合点
19 音圧分布を測定する面
20 水平断面
21 垂直断面
22、23、24、25 ホーン側壁
26 斜め断面
27 水平関数の結合点
28、29 斜め関数の変曲点
30 垂直関数の結合点
Claims (2)
- スロートに平行な断面が8点を通過する閉スプライン形状をしており、8点のうち2点はホーンの垂直断面上の点であり、別の2点はホーンの水平断面上の点であって、残りの4点は水平断面をホーン中心軸に関して時計廻りおよび反時計廻りに角度αだけ回転させたホーンの斜め方向の断面上の点であり、水平目標指向角が2θh であり、垂直目標指向角が2θv であって、
α=tan-1(q×tanθv )/(p×tanθh ) ・・・(1)
α :斜め方向の断面と水平断面の角度
θv :垂直目標指向角の半分
θh :水平目標指向角の半分
p :係数 1≦p≦1.3
q :係数 1≦q≦1.3
なる関係式で表され、かつ、上記斜め方向での目標指向角が、
θd :斜め目標指向角の半分
r :係数 1≦r≦1.5
であり、水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる平均開き角をもつ曲線の結合形であって、スロート側では平均開き角が当該方向の目標指向角2θに対して0.8〜1.2θであり、開口側では1.1〜2θであり、水平方向、垂直方向、斜め方向でスロートから開口までの長さが異なる場合には開口部分が一致するように長さの短い曲線を開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とするスピーカ用ホーン。 - 水平方向、垂直方向、斜め方向の断面が、それぞれ2つの異なる広がり率をもつ曲線の結合形であって、結合部での半径y1 は開口半径am の0.3〜0.8倍であり、スロート側の曲線は、
y=√(at 2 +tan2 θ・x2 ) ・・・(3)
x :スロートからの距離
y :スロートから距離xの断面の半径
at :スロートの半径
θ :当該方向の目標指向角の半分
で表され、開口側では、
am :開口での断面半径
x1 :スロートから2つの曲線の結合部までの距離
y1 :2つの曲線の結合部半径(0.3am ≦y1 ≦0.8am )
k :式(3)における結合部の微分係数
θ2 :開口側の曲線の平均開き角(θ≦θ2 ≦2θ)
n :係数(2<n<5)
で表され、水平方向、垂直方向、斜め方向で上記式によって計算されるスロートから開口までの長さが異なる場合には、ホーン長の短い断面の曲線は式(3)でのat をスロート半径の0.6〜2.5倍の値にして、さらに開口部分が一致するように開口側に平行移動し、スロート側に平均開き角が±20°以下である直線または曲線を結合した形状であることを特徴とする請求項1記載のスピーカ用ホーン。
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---|---|---|---|
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