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JP3786907B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、青色光から紫外光を出力可能なIII-V族窒化物半導体からなる半導体発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般式がBxAlyGa1-x-y-zInzN(但し、x,y,zは、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1である)で表わされるIII-V族窒化物半導体を用いた半導体発光素子、すなわち発光ダイオード素子及び半導体レーザ素子が、青色から紫外に及ぶ波長領域を有する光源として盛んに開発されている。
【0003】
以下、従来のIII-V族窒化物半導体からなる半導体発光素子について図面を参照しながら説明する。
【0004】
図13に示すように、例えばサファイアからなる基板101の上に、n型GaNからなるn型コンタクト層102、n型AlGaNからなるn型クラッド層103、GaInNからなる活性層104、p型AlGaNからなるp型クラッド層105、p型GaNからなるp型コンタクト層106が順次エピタキシャル成長により形成されている。
【0005】
p型コンタクト層106の上には、酸化シリコン又は窒化シリコンからなり、電流狭窄用の開口部107aを有する電流ブロック層107が形成されており、p型コンタクト層106における電流ブロック層107の開口部107aからの露出部分上には、p側電極108が形成されている。
【0006】
また、電流狭窄構造を設ける他の方法として、レーザ素子構造の少なくともp型クラッド層105の両側部をエッチングにより除去して電流経路を狭窄する方法が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−160658号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の半導体発光素子は、電流ブロック層107を構成する酸化シリコン又は窒化シリコンは、化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition)法等により、p型コンタクト層106の上に堆積して形成している。酸化シリコン及び窒化シリコンは、III-V族窒化物半導体との密着性が低く、その上、細孔の密度、すなわちピンホール密度が高くなる等の問題がある。
【0009】
また、クラッド層の両側部をエッチングにより除去して電流狭窄構造を形成する場合には、エッチング工程により形成されたリッジ領域(メサ領域)の上に電極を形成しなければならず、電極の面積がより小さくなるため、電流経路における直列抵抗成分を大きくしてしまうという問題がある。
【0010】
さらに、半導体レーザ素子の場合には、誘電体からなる電流ブロック層107によって、活性層104で生成される再結合光は、III-V族窒化物半導体との屈折率差により該半導体の内部に閉じこめられる。この屈折率差は比較的に大きく、不連続(ステップ状)に変化するため、再結合光を例えば単一横モードで閉じ込めようとすると、電流ブロック層107の開口部107aの開口幅(ストライプ幅)が小さくなり過ぎるので、レーザ構造を最適化することが困難となる。また、ストライプ幅が小さくなり過ぎると、前述したように直列抵抗成分が大きくなる。
【0011】
さらに、図示はしていないが、従来の半導体レーザ素子は、共振器にリッジ構造を用いる場合が多い。リッジ構造の場合には、再結合光の閉じ込め効率は、リッジ構造の内部における第1屈折率と、リッジ構造の外部における第2屈折率との差によって決定される。より詳細には、第1屈折率とは、活性層を構成する半導体層とクラッド層を構成する半導体層との各屈折率及び各半導体層の厚さにより決定される第1実効屈折率であり、第2屈折率とは、活性層を構成する半導体層と、クラッド層を構成する半導体層と、リッジ構造の側部を構成する、例えば酸化シリコン層又は窒化シリコン層との各屈折率及び各層の厚さにより決定される第2実効屈折率である。従来のリッジ構造は、第1屈折率と第2屈折率との差がステップ状に変化し且つその差が極めて大きい。この状態で再結合光が共振器に閉じ込められると、閉じ込め効率が大き過ぎることにより、高出力時にレーザ光の発光点位置が移動したり、そのスポット形状が変化しやすい。このため、例えば光ディスク装置のように精密な発光点位置及びスポット形状の制御が必要な機器に対しては、レーザ構造の最適設計が極めて困難となる。
【0012】
本発明は、前記従来の問題を解決し、III-V族窒化物半導体からなる半導体発光素子に設ける電流ブロック層の密着性を向上し且つピンホール密度を小さくできるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体発光素子は、基板の上に形成された活性層と、活性層の上に形成され、III-V族窒化物からなる半導体層と、半導体層に、該半導体層を露出する開口部を有するように形成され、半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換された誘電体からなる電流ブロック層とを備えている。
【0014】
本発明の半導体発光素子によると、電流ブロック層にIII-V族窒化物からなる半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換されてなる誘電体を用いているため、電流ブロック層は半導体層と一体化されて形成されている。このため、電流ブロック層は半導体層との間の密着性に関する問題が生じなくなり、さらには、ピンホール密度が格段に低減する。
【0015】
本発明の半導体発光素子において、電流ブロック層における酸素の組成が、活性層に近づくにつれて減少していることが好ましい。
【0016】
このようにすると、半導体層の内部から外部に向けて、半導体層における酸素の組成が増大するため、半導体層と電流ブロック層との屈折率差が連続的に変化する。その結果、例えばレーザ素子の場合に、単一横モードの閉じ込めを行なうための電流ブロック層における開口部の開口幅を大きくすることができるので、レーザ構造を最適化することが容易となる。
【0017】
本発明の半導体発光素子において、電流ブロック層の開口部の平面形状がストライプ状であることが好ましい。
【0018】
この場合に、半導体層が共振器を構成するリッジ部を有し、電流ブロック層が半導体層の側部にも形成されていることが好ましい。
【0019】
また、本発明の半導体発光素子において、電流ブロック層の開口部の平面形状がドット状であることが好ましい。
【0020】
本発明の半導体発光素子の製造方法は、基板の上に活性層を形成する第1の工程と、活性層の上に、III-V族窒化物からなる半導体層を形成する第2の工程と、半導体層の上にその一部をマスクするマスク膜を選択的に形成する第3の工程と、マスク膜が形成された半導体層を酸化性雰囲気で酸化することにより、半導体層に、半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換された誘電体からなる電流ブロック層を形成する第4の工程と、マスク膜を除去する第5の工程とを備えている。
【0021】
本発明の半導体発光素子の製造方法によると、活性層の上にIII-V族窒化物からなる半導体層を形成し、その上にマスク膜を選択的に形成する。その後、形成したマスク膜を用いて半導体層を酸化することにより、半導体層に該半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換された誘電体からなる電流ブロック層を形成するため、電流ブロック層の半導体層との間の密着性に関する問題が生じなくなる。その上、半導体層を構成する窒素原子の一部が、窒素よりも原子半径が大きい酸素原子に置換することにより、半導体層の体積が膨張するため、電流ブロック層のピンホール密度を格段に低減することができる。
【0022】
本発明の半導体発光素子の製造方法は、第3の工程と第4の工程との間に、マスク膜を用いて、半導体層をリッジ状にパターニングする第6の工程をさらに備えていることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の断面構成を示している。
【0025】
図1に示す半導体レーザ素子は、バンドギャップが比較的に大きい窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)をクラッド層とし、該クラッド層よりもバンドギャップが小さい窒化ガリウム(GaN)若しくは窒化ガリウムインジウム(GaInN)又はこれらを組み合わせてなる量子井戸層等を挟んでなるダブルヘテロ構造を有している。ここでは、単一量子井戸分離光閉じ込め構造(Single Quantum Well Separate Confinement Heterostructure,SQW-SCHという)を用いる場合を説明する。
【0026】
図1に示すように、サファイア(単結晶Al23)からなる基板10の上に、厚さが約2μmのn型GaNからなるn型バッファ層11と、厚さが約1μmのn型のAl0.15Ga0.85Nからなるn型クラッド層12と、厚さが約0.1μmのn型のGaNからなるn型光ガイド層13と、厚さが約5nmのアンドープのGa0.8In0.2Nからなる単一量子井戸型活性層14と、厚さが約0.1μmのp型のGaNからなるp型光ガイド層15と、厚さが約1μmのp型のAl0.15Ga0.85Nからなるp型クラッド層16と、厚さが約0.5μmのp型のGaNからなるp型コンタクト層17とが結晶成長により順次形成されている。
【0027】
ここで、n型バッファ層11は、基板10を構成するサファイアと、基板10上にエピタキシャル成長する各半導体層12〜17との格子不整合を緩和すると共に、n側電極20のコンタクト層として機能する。
【0028】
n型クラッド層12及びp型クラッド層16は、n側電極20及びp側電極19からそれぞれ注入されるキャリアを閉じ込めると共に、該キャリアの再結合光を閉じ込める。また、n型光ガイド層13及びp型光ガイド層15は、再結合光の閉じ込め効率を向上するように設けられている。
【0029】
第1の実施形態の特徴として、p型クラッド層16の上部に互いに間隔をおくと共に、p型コンタクト層17の両側部には、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17を構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された誘電体からなる電流ブロック層18が形成されている。該電流ブロック層18は、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17が、メサ状で且つ平面ストライプ状のリッジ構造となるように形成されている。ここで、メサ幅は上部が約2μmで、下部が約3μmである。
【0030】
p型コンタクト層17の上には、ニッケル(Ni)、白金(Pt)及び金(Au)の積層体からなり、p型コンタクト層17とオーミック接触するp側電極19が形成されている。また、n型バッファ層11が露出された領域の上には、チタン(Ti)、白金(Pt)及び金(Au)の積層体からなり、n型バッファ層11とオーミック接触するn側電極20が形成されている。
【0031】
このように、第1の実施形態に係る半導体レーザ素子は、リッジ構造の両端面を劈開されたミラー面とする共振器を有する、いわゆる端面発光型レーザである。なお、共振器のストライプ方向は、図1における半導体層の断面に対して垂直な方向(手前から後方)である。
【0032】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0033】
図2(a)〜図2(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の断面構成を示している。ここで、図2において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付す。
【0034】
まず、図2(a)に示すように、例えば有機金属気相エピタキシャル成長(MOVPE)法により、サファイアからなる基板10の上に、n型バッファ層11、n型クラッド層12、n型光ガイド層13、単一量子井戸型活性層14(以下、活性層14と呼ぶ。)、p型光ガイド層15、p型クラッド層16、及びp型コンタクト層17を順次成長してエピタキシャル層を形成する。ここでは、n型ドーパントにシリコン(Si)を用い、p型ドーパントにマグネシウムを用いる。
【0035】
次に、図2(b)に示すように、例えばCVD法により、p型コンタクト層17の上に、厚さが約500nmのポリシリコン膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法により、p型コンタクト層17の上に共振器形成領域を覆うように、幅が約3μmのストライプ状のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成したレジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜に対してテトラフルオロカーボン(CF4 )をエッチングガスとするドライエッチングを行なうことにより、ポリシリコン膜から酸化防止膜90を形成する。続いて、形成した酸化防止膜90をマスクとして、温度が約900℃で圧力が約1atmの酸素雰囲気中にエピタキシャル層を24時間程度さらすことにより、p型クラッド層16の上部及びp型コンタクト17における酸化防止膜90の両側方部分を酸化する。これにより、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17をそれぞれ構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された電流ブロック層18が、p型クラッド層16の上部及びp型コンタクト17における酸化防止膜90の両側方部分に形成される。
【0036】
第1の実施形態の特徴として、電流ブロック層18における酸素の濃度分布は、該電流ブロック層18の表面から内部に向けて徐々に低下するプロファイルを有している。
【0037】
次に、図2(c)に示すように、エピタキシャル層をフッ化水素酸(HF)とフッ化アンモニウム(NH4F)との混合溶液であるバッファードフッ酸に浸して酸化防止膜90を除去し、さらに、残存した酸化防止膜90はテトラフルオロカーボンを用いたドライエッチングにより除去する。このとき、形成された電流ブロック層18はバッファードフッ酸によってはエッチングされない。その後、リソグラフィ法により、エピタキシャル層における共振器形成領域を含む部分をマスクするレジストパターン(図示せず)を形成し、形成したレジストパターンをマスクとして、エピタキシャル層に対して塩素(Cl2 )を用いたドライエッチングを行なって、n型バッファ層11を露出する。
【0038】
次に、図2(d)に示すように、例えば蒸着法により、p型コンタクト層17の上に、ニッケル、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるp側電極19を選択的に形成する。続いて、n型バッファ層11の露出部分の上に、チタン、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるn側電極20を選択的に形成する。ここで、p側電極19とn側電極20との形成順序は問われない。
【0039】
その後、図示はしていないが、基板10を共振器長が約500μmとなるように劈開し、共振器の出射端面には、反射率が約10%となるように低反射コーティングを施し、反射端面には反射率が約80%となるように高反射コーティングを施す。
【0040】
第1の実施形態に係る製造方法によると、電流ブロック層18を、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17を構成する窒素原子の一部を酸素原子で置換した誘電体により形成する。このため、従来のような酸化シリコン又は窒化シリコンからなる別体の電流ブロック層とは異なり、電流ブロック層18のp型クラッド層16及びp型コンタクト層17に対する密着性が格段に向上する。その上、酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(Si34)を用いないため、電流ブロック層18に発生するピンホールの密度も大幅に低減する。
【0041】
また、電流ブロック層18の酸素含有量(酸素組成)は、活性層14に近づくにつれて徐々に減少しており、電流ブロック層18の屈折率を連続的に変化させることができ、例えば単一横モード閉じ込めを実現するためのストライプ幅(メサ幅)を広くできる等の、レーザ構造を容易に最適化を図ることができる。
【0042】
また、第1の実施形態に係る製造方法によると、電流ブロック層18に、光閉じ込め機能と電流狭窄機能とを自己整合的に持たせることができる。
【0043】
電流ブロック層18は、以下に示す2つの機能を有している。
【0044】
第1は電流狭窄機能である。誘電体層は絶縁性を有するため電流をほとんど流さない。このため、半導体レーザ素子に注入された電流はメサ部(リッジ部)を流れるので、活性層14の発光部分にのみ流れこむ。その結果、無効電流が少なくなり、レーザ発振のしきい値電流の値を小さくすることができる。
【0045】
第2は光の閉じ込めである。p型クラッド層16と電流ブロック層18には屈折率差が存在する。この屈折率差によって、半導体レーザ素子内の再結合光はメサ部に閉じ込められるため、活性層14における誘導放出と効率的に結合することができる。
【0046】
ところで、前述したように、従来の電流ブロック層は、窒化シリコン又は酸化シリコンにより形成されていため、エピタキシャル層との屈折率差が0.5〜1程度と大きく且つ不連続に変化する。このため、半導体レーザ素子の横モード制御に用いるにはエピタキシャル層との屈折率差が大き過ぎ、例えば、わずかなメサ形状のばらつきにより遠視野像が高次横モードとなってしまうので、光装置の光源としての利用が困難となる。
【0047】
これに対し、第1の実施形態に係る電流ブロック層(誘電体層)18は、エピタキシャル層の表面から酸素を熱拡散させ、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17を構成する窒素原子を酸素原子に置き換えることにより形成されている。このようにして形成された電流ブロック層18は、p型クラッド層16と電流ブロック層18との間の屈折率差が小さく且つ緩やかに変化するため、半導体レーザ素子の横モード制御が容易となる。
【0048】
本願発明者らは、電流ブロック層18に含まれる酸素の組成を二次イオン質量分析法(SIMS)法により測定し、酸素の組成が2次曲線的に変化することを確認している。具体的には、電流ブロック層18の表面の酸素濃度は、約1×1020cm-3であり、表面から深さが約1μmの領域の酸素濃度は、約1×1018cm-3である。このように、電流ブロック層18の酸素の組成が2次曲線的に変化することにより、その屈折率もメサ部の約2.1から電流ブロック層18の表面近傍の約1.6と、その差は約0.5と小さく、且つ外側に向かって2次曲線的に緩やかに減少することを確認している。これにより、再結合光のメサ部への閉じ込めが緩やかとなるため、安定した横モード発振が可能となる。
【0049】
図3は第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の注入電流と光出力との関係を示している。発振波長は410nmで、しきい値電流は40mA、しきい値電圧は4.2Vである。また、最大光出力は60mWである。このように、p型クラッド層16及びp型コンタクト層17を構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された誘電体からなる電流ブロック層18によって、電流閉じ込め効率及び光閉じ込め効率が向上するため、しきい値電流値の低減と高出力動作とを実現している。
【0050】
また、図4に示すように、出力が20mWの場合における遠視野像の半値幅は、接合面(基板面)に対して平行な方向が8°であり、接合面に対して垂直な方向が25°である。
【0051】
図5は第1の実施形態に係る電流ブロック層18を有する半導体レーザ素子の接合面に対して平行な方向における遠視野像の光出力依存性を示している。図6は比較用であって、従来例に係る窒化シリコンからなる電流ブロック層を有する半導体レーザ素子の接合面に対して平行な方向における遠視野像の光出力特性を示している。光出力は共に20mWと50mWとの場合を示す。
【0052】
従来例に係るレーザ素子の場合は、メサ部と電流ブロック層との界面における屈折率差が約0.9であり、さらに、屈折率自体が界面において不連続に変化している。従って、接合面に対して垂直な方向で基本横モード発振を得るように、メサ部下部と活性層との距離を離すことにより実効的な屈折率差を小さくしている。しかしながら、このような構造では、活性層の近傍で注入電流が広がってしまい、しきい値電流の値が上昇するだけでなく、再結合光の閉じ込めが不安定となるので、図6に示すように光出力値を50mWに増大すると、相対強度のピークが2つとなって、いわゆる双峰性の遠視野像を示すようになる。
【0053】
これに対し、図5に示す第1の実施形態に係るレーザ素子の場合は、出力値が20mW及び50mWのいずれの場合でも、相対強度のピークは1つであり、単峰性の遠視野像を示すことが分かる。
【0054】
図7は第1の実施形態に係る半導体レーザ素子に対する高温高湿寿命試験の結果を示す。寿命試験の各条件は、出力を30mWとし、温度を60℃とし、湿度を85%としている。図7において、横軸は動作時間を表わし、縦軸は動作開始直後の動作電流を1として規格化して表わしている。また、曲線群Aは本発明の場合を示し、曲線群Bは従来例の場合を示している。図7に示すように、従来例の場合は、窒化シリコンからなる電流ブロック層のメサ部との密着性が弱いため、電流ブロック層に膜剥がれが進行する。その結果、屈折率分布が変化して高次横モード発振となるため、レーザ光は活性層内の誘導放出との結合が弱まり、しきい値電流の値が増加して急激な劣化が発生する。
【0055】
これに対し、本発明の場合は、従来例のように、電流ブロック層にメサ部と別体の誘電体を用いる代わりに、メサ部を構成するp型クラッド層16及びp型コンタクト層17の一部を酸化して形成しており、メサ部との密着性が極めて強いため、膜剥がれはほとんど生じることがなく、長期間にわたって安定した動作を行なうことができる。
【0056】
なお、半導体発光素子として半導体レーザ素子の場合を説明したが、発光ダイオード素子であっても半導体レーザ素子と同様に、電流狭窄機能及び光閉じ込め機能の観点から本発明の電流ブロック層を適用することができる。
【0057】
また、半導体レーザ素子として端面発光型レーザ素子を例に挙げたが、本発明は面発光型レーザ素子にも適用可能である。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0059】
図8は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の断面構成を示している。
【0060】
第1の実施形態においては、エピタキシャル層を成長する基板10に絶縁性のサファイアを用いたが、第2の実施形態においては、図8に示すように、基板30として、導電性を有し且つIII 族窒化物半導体と格子定数が近い、n型の窒化ガリウム(GaN)、n型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)又はn型のシリコンカーバイド(SiC)を用いている。
【0061】
図8に示すように、例えばn型の窒化ガリウム(GaN)からなる基板30の上には、厚さが約2μmのn型GaNからなるn型バッファ層31と、厚さが約1μmのn型のAl0.15Ga0.85Nからなるn型クラッド層32と、厚さが約0.1μmのn型のGaNからなるn型光ガイド層33と、厚さが約5nmのアンドープのGa0.8In0.2Nからなる単一量子井戸型活性層34と、厚さが約0.1μmのp型のGaNからなるp型光ガイド層35と、厚さが約1μmのp型のAl0.15Ga0.85Nからなるp型クラッド層36と、厚さが約0.5μmのp型のGaNからなるp型コンタクト層37とが結晶成長により順次形成されている。
【0062】
第2の実施形態においても、p型クラッド層36の上部に互いに間隔をおくと共に、p型コンタクト層37の両側部に、p型クラッド層36及びp型コンタクト層37を構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された誘電体からなる電流ブロック層38が形成されている。該電流ブロック層38は、p型クラッド層36及びp型コンタクト層37が、メサ状で且つ平面ストライプ状のリッジ構造となるように形成されている。ここで、メサ幅は上部が約2μmで、下部が約3μmである。
【0063】
p型コンタクト層37の上には、ニッケル、白金及び金の積層体からなり、p型コンタクト層37とオーミック接触するp側電極39が形成されている。また、基板30におけるn型バッファ層31の反対側の面上には、チタン、白金及び金の積層体からなるn側電極40が形成されている。
【0064】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0065】
図9(a)〜図9(e)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の断面構成を示している。ここで、図9において、図8に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付す。
【0066】
まず、図9(a)に示すように、例えばMOVPE法により、窒化ガリウムからなる基板30の上に、n型バッファ層31、n型クラッド層32、n型光ガイド層33、単一量子井戸型活性層34(以下、活性層34と呼ぶ。)、p型光ガイド層35、p型クラッド層36、及びp型コンタクト層37を順次成長してエピタキシャル層を形成する。
【0067】
次に、図9(b)に示すように、例えばCVD法により、p型コンタクト層37の上に、厚さが約500nmのポリシリコン膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法により、p型コンタクト層37の上に共振器形成領域を覆うように、幅が約3μmのストライプ状のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成したレジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜に対してテトラフルオロカーボンをエッチングガスとするドライエッチングを行なうことにより、ポリシリコン膜から酸化防止膜90を形成する。
【0068】
次に、図9(c)に示すように、酸化防止膜90をマスクとして、温度が約900℃で圧力が約1atmの酸素雰囲気中にエピタキシャル層を24時間程度さらすことにより、p型クラッド層36の上部及びp型コンタクト37における酸化防止膜90の両側方部分を酸化する。これにより、p型クラッド層36及びp型コンタクト層37をそれぞれ構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された電流ブロック層38が、p型クラッド層36の上部及びp型コンタクト37における酸化防止膜90の両側方部分に形成される。ここでも、電流ブロック層38における酸素の濃度分布は、該電流ブロック層38の表面から内部に向けて徐々に低下するプロファイルを有している。
【0069】
次に、図9(d)に示すように、エピタキシャル層をバッファードフッ酸に浸して酸化防止膜90を除去し、さらに、残存した酸化防止膜90はテトラフルオロカーボンを用いたドライエッチングにより除去する。このとき、形成された電流ブロック層38はバッファードフッ酸によってはエッチングされない。
【0070】
次に、図9(e)に示すように、例えば蒸着法によりp型コンタクト層37を覆うように、ニッケル、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるp側電極39を選択的に形成する。続いて、基板30におけるn型バッファ層31の反対側の面上に、チタン、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるn側電極40を選択的に形成する。ここでも、p側電極39とn側電極40との形成順序は問われない。
【0071】
その後、図示はしていないが、基板30を共振器長が約500μmとなるように劈開し、共振器の出射端面には、反射率が約10%となるように低反射コーティングを施し、反射端面には反射率が約80%となるように高反射コーティングを施す。
【0072】
このように、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子及びその製造方法によると、第1の実施形態と同様に、電流ブロック層38は、p型クラッド層36及びp型コンタクト層37を構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換した誘電体により形成されるため、該電流ブロック層38のp型クラッド層36及びp型コンタクト層39に対する密着性が格段に向上する。
【0073】
また、電流ブロック層38の酸素含有量(酸素組成)は、活性層34に近づくにつれて徐々に減少しており、電流ブロック層38の屈折率差を連続的に変化させることができるので、レーザ構造を容易に最適化することができる。
【0074】
その上、基板30におけるn型バッファ層31の反対側の面上にn側電極40をp側電極39と対向するように設けるため、第1の実施形態のように、エピタキシャル層に対してn型バッファ層31を露出するエッチング工程が不要となるので、第1の実施形態と比べて、歩留まりがさらに向上する。
【0075】
なお、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子は、端面発光型レーザ素子に限らず、面発光型レーザ素子にも適用可能である。
【0076】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0077】
図10は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の断面構成を示している。
【0078】
第3の実施形態においては、第2の実施形態に示した半導体レーザ素子におけるメサ構造を光の閉じ込め率がさらに向上する構成とする。
【0079】
図10に示すように、例えばn型の窒化ガリウム(GaN)からなる基板50の上には、厚さが約2μmのn型GaNからなるn型バッファ層51と、厚さが約1μmのn型のAl0.15Ga0.85Nからなるn型クラッド層52と、厚さが約0.1μmのn型のGaNからなるn型光ガイド層53と、厚さが約5nmのアンドープのGa0.8In0.2Nからなる単一量子井戸型活性層54と、厚さが約0.1μmのp型のGaNからなるp型光ガイド層55と、厚さが約1μmのp型のAl0.15Ga0.85Nからなるp型クラッド層56と、厚さが約0.5μmのp型のGaNからなるp型コンタクト層57とが結晶成長により順次形成されている。ここで、基板50は、窒化ガリウムに限らず、n型のAlGaN又はSiCであっても良い。
【0080】
第3の実施形態の特徴として、p型コンタクト層57からn型クラッド層52の上部には、それらの両側部が約2μmの幅となるようにエッチングされてメサ部(リッジ部)が形成され、該メサ部の両側部には、p型コンタクト層57からn型クラッド層52をそれぞれ構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された誘電体からなる電流ブロック層58が形成されている。
【0081】
p型コンタクト層57の上には、ニッケル、白金及び金の積層体からなり、p型コンタクト層57とオーミック接触するp側電極59が形成されている。また、基板50におけるn型バッファ層51の反対側の面上には、チタン、白金及び金の積層体からなるn側電極60が形成されている。
【0082】
ここで、p側電極59は、p型コンタクト層57の上面にのみ形成されているが、電流ブロック層58の上部を覆うように設けることも可能である。
【0083】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0084】
図11(a)〜図11(e)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の断面構成を示している。ここで、図11において、図10に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付す。
【0085】
まず、図11(a)に示すように、例えばMOVPE法により、窒化ガリウムからなる基板50の上に、n型バッファ層51、n型クラッド層52、n型光ガイド層53、単一量子井戸型活性層54(以下、活性層54と呼ぶ。)、p型光ガイド層55、p型クラッド層56、及びp型コンタクト下部層57aを順次成長してエピタキシャル層を形成する。ここでは、p型コンタクト下部層57aは、後工程で再成長するため、その厚さを0.3μm程度に留めておく。
【0086】
次に、図11(b)に示すように、例えばCVD法により、p型コンタクト下部層57aの上に、厚さが約500nmのポリシリコン膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法により、p型コンタクト下部層57aの上に共振器形成領域を覆うように、幅が約3μmのストライプ状のレジストパターン(図示せず)を形成し、形成したレジストパターンをマスクとして、ポリシリコン膜に対してテトラフルオロカーボンをエッチングガスとするドライエッチングを行なうことにより、ポリシリコン膜から酸化防止膜90を形成する。続いて、レジストパターン及び酸化防止膜90をマスクとして、エピタキシャル層に対してn型クラッド層52を露出するまで、塩素(Cl2 )を用いたドライエッチングを行なって、メサ部を形成する。
【0087】
次に、図11(c)に示すように、酸化防止膜90をマスクとして、温度が約900℃で圧力が約1atmの酸素雰囲気中にエピタキシャル層を24時間程度さらすことにより、n型クラッド層52の上部、n型光ガイド層53、活性層54、p型光ガイド層55、p型クラッド層56及びp型コンタクト下部層57aにおけるメサ部の両側方部分を酸化する。これにより、n型クラッド層52の上部からp型コンタクト下部層57aをそれぞれ構成する窒素原子の一部を酸素原子で置換した電流ブロック層58が、n型クラッド層52の上部からp型コンタクト下部層57aにわたる両側方部分に形成される。
【0088】
次に、図11(d)に示すように、エピタキシャル層をバッファードフッ酸に浸して酸化防止膜90を除去し、さらに、残存した酸化防止膜90はテトラフルオロカーボンを用いたドライエッチングにより除去する。このとき、形成された電流ブロック層58はバッファードフッ酸によってはエッチングされない。続いて、MOVPE法により、p型コンタクト下部層57aを再成長して、厚さが0.5μm程度のp型コンタクト層57を形成する。このとき、p型コンタクト層57は、電流ブロック層58の上端面を覆うように成長する。
【0089】
次に、図11(e)に示すように、例えば蒸着法によりp型コンタクト層57を覆うように、ニッケル、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるp側電極59を選択的に形成する。続いて、基板50におけるn型バッファ層51の反対側の面上に、チタン、白金及び金を順次堆積して、これらの積層体からなるn側電極60を選択的に形成する。ここでも、p側電極59とn側電極60との形成順序は問われない。
【0090】
その後、図示はしていないが、基板50を共振器長が約500μmとなるように劈開し、共振器の出射端面には、反射率が約10%となるように低反射コーティングを施し、反射端面には反射率が約80%となるように高反射コーティングを施す。
【0091】
このように、第3の実施形態に係る半導体レーザ素子及びその製造方法によると、第1及び第2の実施形態と同様に、電流ブロック層58は、n型クラッド層52からp型コンタクト層57をそれぞれ構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換した誘電体により形成されるため、該電流ブロック層58のメサ部に対する密着性が格段に向上する。
【0092】
また、電流ブロック層58の酸素含有量(酸素組成)は、活性層54に近づくにつれて徐々に減少しており、電流ブロック層58の屈折率差を連続的に変化させることができるので、レーザ構造を容易に最適化することができる。
【0093】
その上、基板50におけるn型バッファ層51の反対側の面上にn側電極60をp側電極59と対向するように設けるため、直列抵抗成分が減少する。
【0094】
また、p側電極59を電流ブロック層58の上側に設けることができるため、電極形成時の位置合わせ工程を不要にできる。
【0095】
なお、第1及び第2の実施の形態と同様に、本発明は端面発光型レーザ素子に限らず、面発光型レーザ素子にも適用可能である。
【0096】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0097】
図12は本発明の第4の実施形態に係る青色発光ダイオード素子アレイを模式的に示している。
【0098】
図12に示すように、n型の導電性を有する窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)又はシリコンカーバイド(SiC)からなる基板70の上には、第2の実施形態と同等の構成を持つダブルヘテロ構造からなるエピタキシャル層71が形成されている。
【0099】
エピタキシャル層71の上面には、行列状に配置された4つのドット状の開口部72aからそれぞれp型コンタクト層71aを露出するように電流ブロック層72が形成されている。
【0100】
第4の実施形態の特徴として、電流ブロック層72は、少なくともp型コンタクト層71aを構成する窒素原子の一部が酸素原子で置換された誘電体により形成されている。
【0101】
電流ブロック層72の上には、各開口部72aから露出するp型コンタクト層71aとオーミック接触し、例えばITO(Indium Tin Oxide)のように再結合光を透過して、エピタキシャル層の上方に出力光を取り出すことができる透明電極73が形成されている。また、基板70におけるエピタキシャル層71の反対側の面上には、チタン、白金及び金の積層体からなるn側電極74が形成されている。
【0102】
ここで、各ダイオード素子同士の電気的な素子分離は電流ブロック層72によりなされている。
【0103】
第4の実施形態によると、電流ブロック層72はエピタキシャル層71と比べて屈折率が小さいため、再結合光をエピタキシャル層71の内部に光学的に閉じ込めることができる。
【0104】
なお、透明電極73の上に発光波長を透過する多層の誘電体膜を設けてもよい。この場合、エピタキシャル層71におけるダブルヘテロ構造の下層に、発光波長に対して反射性を有する周期構造を設けることによりレーザ発振させる、いわゆる面発光レーザ構造としてもよい。
【0105】
第4の実施形態によると、第1の実施形態と同様に、、III-V族窒化物半導体における窒素原子の一部を酸素原子で置換した電流ブロック層72を有しているため、従来の窒化シリコン用いた電流ブロック層と比較して、素子分離領域の信頼性が極めて高くなる。
【0106】
従って、第4の実施形態に係る青色発光ダイオード素子アレイは、屋外の厳しい環境下で使用される際にも高い信頼性を得ることができる。
【0107】
なお、第1〜第4の各実施形態において、III-V族窒化物半導体の窒素原子の一部を酸素原子で置き換えてなる電流ブロック層は、蛍光材を励起して得られる白色光源、又は光集積素子等に適用しても同様な効果を得ることができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明の半導体発光素子及びその製造方法によると、電流ブロック層が半導体層と一体に形成されているため、電流ブロック層は半導体層との間の密着性に関する問題がなくなり、さらには、ピンホール密度が格段に低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子を示す構成断面図である。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子における注入電流と光出力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子における遠視野像を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の接合面に対して平行な方向における遠視野像の光出力依存性を示すグラフである。
【図6】従来の半導体レーザ素子の接合面に対して平行な方向における遠視野像の光出力依存性を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子と従来の半導体レーザ素子との高温高湿寿命試験の結果を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子を示す構成断面図である。
【図9】(a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子を示す構成断面図である。
【図11】(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法を示す工程順の構成断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る青色発光ダイオード素子アレイを示す斜視図である。
【図13】従来の半導体レーザ素子を示す構成断面図である。
【符号の説明】
10 基板
11 n型バッファ層
12 n型クラッド層
13 n型光ガイド層
14 単一量子井戸型活性層
15 p型光ガイド層
16 p型クラッド層
17 p型コンタクト層
18 電流ブロック層
19 p側電極
20 n側電極
30 基板
31 n型バッファ層
32 n型クラッド層
33 n型光ガイド層
34 単一量子井戸型活性層
35 p型光ガイド層
36 p型クラッド層
37 p型コンタクト層
38 電流ブロック層
39 p側電極
40 n側電極
50 基板
51 n型バッファ層
52 n型クラッド層
53 n型光ガイド層
54 単一量子井戸型活性層
55 p型光ガイド層
56 p型クラッド層
57 p型コンタクト層
57a p型コンタクト下部層
58 電流ブロック層
59 p側電極
60 n側電極
70 基板
71 エピタキシャル層
71a p型コンタクト層
72 電流ブロック層
72a 開口部
90 酸化防止膜

Claims (6)

  1. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成され、III-V族窒化物からなる半導体層と、
    前記半導体層に、該半導体層を露出する開口部を有するように形成され、前記半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換された誘電体からなる電流ブロック層とを備え、
    前記電流ブロック層における酸素の組成は、前記活性層に近づくにつれて減少していることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記電流ブロック層の開口部の平面形状はストライプ状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記半導体層は、共振器を構成するリッジ部を有し、前記電流ブロック層は、前記半導体層の側部にも形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記電流ブロック層の開口部の平面形状はドット状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  5. 基板の上に活性層を形成する第1の工程と、
    前記活性層の上に、III-V族窒化物からなる半導体層を形成する第2の工程と、
    前記半導体層の上にその一部をマスクするマスク膜を選択的に形成する第3の工程と、
    前記マスク膜が形成された前記半導体層を酸化性雰囲気で酸化することにより、前記半導体層に、前記半導体層を構成する窒素原子の一部が酸素原子に置換された誘電体からなる電流ブロック層を形成する第4の工程と、
    前記マスク膜を除去する第5の工程とを備えていることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記第3の工程と前記第4の工程との間に、
    前記マスク膜を用いて、前記半導体層をリッジ状にパターニングする第6の工程をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法。
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