JP3776707B2 - Control device for variable capacity turbocharger - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量型ターボチャージャの制御装置に関し、特に機関運転状態に応じて可変ノズルの開度を目標スモーク濃度以下になるように制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関においては、吸入空気を圧縮するターボチャージャを設け、燃焼室の充填効率を向上させて機関出力を向上させる技術が知られている。このようなターボチャージャとしては、内燃機関から排出される排気のエネルギを利用して駆動される遠心ターボチャージャが知られている。
【0003】
遠心ターボチャージャは、排気通路の途中に設けられたタービンハウジングと吸気通路の途中に設けられたコンプレッサハウジングとをセンタハウジングを介して連結するとともに、タービンハウジング内に回転自在に支持されたタービンホイールとコンプレッサハウジング内に回転自在に支持されたコンプレッサホイールとをセンタハウジング内に回転自在に支持されたロータシャフトを介して同軸上に連結して構成されている。
【0004】
上記した遠心ターボチャージャでは、内燃機関から排出された排気が排気取入口からタービンハウジング内に流れ込む。タービンハウジング内に流れ込んだ排気は、スクロール通路に沿って渦巻き状に流れ、次いでスクロール通路からノズル通路を経てタービンホイールに吹き付けられ、タービンホイールを回転させる。タービンホイールに吹き付けられた排気は、タービンホイールの表面に形成されたタービンインペラに沿って流れ、排気排出口へ導かれる。
【0005】
このようにタービンホイールが排気エネルギによって回転されると、タービンホイールの回転力がロータシャフトを介してコンプレッサホイールに伝達され、コンプレッサホイールがタービンホイールと同期して回転する。すると吸気取入口近傍の吸気は、コンプレッサホイールの回転によって発生する吸引力によってコンプレッサハウジング内に吸い込まれ、送出通路及びスクロール通路を経て吸気排出口へ圧送される。
【0006】
このような遠心ターボチャージャによれば、コンプレッサハウジング内で圧縮された吸気が強制的に燃焼室に供給されるため、吸入空気の充填効率が向上する。その際、吸入空気量の増加に応じて燃料噴射量を増加させることにより、より大きな燃焼力及び爆発力を得ることができ、機関出力を高めることが可能となる。内燃機関がディーゼルエンジンである場合は、ターボチャージャの作用によって混合気中の吸入空気濃度が高められるので、混合気の空燃比が過剰なリッチ状態になることが防止され、スモーク等の発生を抑制することもできる。
【0007】
ところで、遠心ターボチャージャは、排気エネルギを利用して吸気を圧縮するため、内燃機関が高回転運転状態にあるときのように排気量が多く且つ排気圧力が高いときは、タービンホイールの回転速度及び回転力を増加させることができ、十分な過給効果を得ることができるが、内燃機関が低回転運転状態にあるときのように排気量が少なく且つ排気圧力が低いときは、タービンホイールの回転速度及び回転力を増加させることができず、所望の過給効果を得ることができないという欠点がある。
【0008】
このような問題に対し、可変ジオメトリターボチャージャ、あるいは可変ノズル型ターボチャージャと呼ばれる遠心ターボチャージャの開発が進められている。可変ノズル型ターボチャージャは、タービンハウジング内のノズル通路に、タービンホイールの軸線を中心として等角度毎に設けられた複数のノズルベーンを備えている。これらのノズルベーンは、タービンハウジングに回動自在に支持されたリング状のリングプレートとリンク機構等を介して接続され、リングプレートの回動によって全てのノズルベーンが同期して回動するようになっている。
【0009】
可変ノズル型ターボチャージャは、例えば、内燃機関の低回転運転領域のように排気量が少ないときに、ノズルベーンにおいてリングプレートの円心側に位置する端部をその円心から離脱する方向に回動させるべくリングプレートを回転させる。このとき、隣接するノズルベーン間の隙間が狭められ、ノズルベーン間を通過する排気の流速が高まるとともに、ノズルベーン間を経てタービンホイールのインペラに衝突する排気の衝突角度が垂直に近づくため、少ない排気量でタービンホイールの回転速度及び回転力を増加させることが可能となる。これにより、コンプレッサホイールの回転速度及び回転力が増加し、コンプレッサハウジングにおける吸気の圧縮率が向上する。
【0010】
リングプレートの回転駆動は、可変ノズル型ターボチャージャに併設されるVNTアクチュエータによって行われ、VNTアクチュエータの制御は、機関制御用の電子制御ユニット(ECU)によって行われる。
【0011】
具体的には、ECUは、内燃機関の運転状態(機関回転数と機関負荷等)を判別し、判別された運転状態に応じた目標過給圧を算出する。次いで、ECUは、インテーク・マニホールド等に取り付けられた圧力センサの出力信号値(実際の過給圧)を参照しつつ、実際の過給圧が目標過給圧となるようにVNTアクチュエータをフィードバック制御する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、過渡運転時(加速時等)には、前記可変ノズル型ターボチャージャのノズルベーンの開度を閉じすぎる傾向になる。これはノズルベーンの開度と過給圧との関係が、内燃機関が高回転及び高負荷になることで変化するためである。すなわち高回転及び高負荷時には排ガス量が増加するので、ノズルベーンの開度を小さくしてもそれが排気抵抗の増大となり、タービンホイールを回転させる排ガスの流速を高めることにならない。したがって回転数や負荷が高いときにはノズルベーンの開度を開き側に移行させて排ガスの抵抗を低減させ、回転数や負荷が低くなったときにはノズルベーンの開度を閉じ側に移行させてタービンホイールを回転させる排ガスの流速を高める必要がある。
【0013】
ところがノズルベーンの開度が全閉から半開の間の位置にあるとき、急激に内燃機関の回転数が上昇すると、実際の過給圧が目標過給圧よりも小さくなるので過給圧を上昇させるようにノズルベーンは閉じ側に制御され、ノズルベーンが閉じすぎになる。
【0014】
このような場合は、排圧が上昇し内燃機関の気筒内からの排ガスが排出されにくくなり、吸入空気量が減少するので、スモークの発生及び燃費が悪化する虞がある。
【0015】
また排気再循環装置(EGR装置)を稼働させている場合に前記ノズルベーンの開度が小さすぎると、 排圧が上昇して内燃機関の吸入側に送られて再循環する排ガス量が増大し、結果として吸入空気量が減りスモークが発生し易くなる。
【0016】
したがって機関過渡状態においても適切なノズルベーンの開度が得られるように制御することが望まれる。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、可変容量型ターボチャージャを備えた内燃機関において、特に機関過渡状態でも適切にノズルベーンの開度を制御して、スモーク発生等の排気エミッションの悪化を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。
【0018】
すなわち、吸気の過給圧を所望の圧力とすべく、タービンホイールに吹き付けられる排気の流速を可変とする可変容量型ターボチャージャを制御する装置において、内燃機関の運転状態における推定スモーク濃度を検出する推定スモーク濃度検出手段と、内燃機関の運転状態に応じた目標スモーク濃度の記憶手段と、前記可変容量型ターボチャージャのノズルベーン開度を制御するノズルベーン開度制御手段と、を備え、前記ノズルベーン開度制御手段は、前記推定スモーク濃度検出手段によって検出された推定スモーク濃度が目標スモーク濃度より大きい場合、ノズルベーン開度を大きくすることを特徴とする。
【0019】
このように構成された可変容量型ターボチャージャの制御装置では、内燃機関の現在の運転状態における空燃比を求め、この空燃比に基づいて推定スモーク濃度を検出し、この推定スモーク濃度が目標スモーク濃度以下になるように実際のノズルベーンの開度を制御する。よってノズルベーンを、機関回転数と機関負荷のみをパラメータとして予め求めた開度に制御する場合に比べ、実際のスモーク濃度が目標スモーク濃度以下になるように制御されるので、過渡運転時等のスモークの発生が抑制できる。
【0020】
前記推定スモーク濃度検出手段は、指令燃料噴射量及び測定空気量を検出し、前記指令燃料噴射量及び測定空気量から空燃比を求め、この空燃比に基づいて推定スモーク濃度を検出するように制御することができる。このとき測定空気量の変化に基づいてノズルベーンの開度のフィードバック制御を実施して、推定スモーク濃度が目標スモーク濃度以下になるようにノズルベーンの開度を調整することができる。
【0021】
また、この場合はノズルベーンの開度が、機関回転数と機関負荷に基づいて決定される基本開度よりも小さい場合にのみ、開度を大きくする制御が実施される。
このような制御によればスモークの発生を抑制しつつ、過給圧の上昇度を最大にすることができる。
【0022】
本発明における第2の発明は、吸気の過給圧を所望の圧力とすべく、タービンホイールに吹き付けられる排気の流速を可変とする可変容量型ターボチャージャを制御する装置において、空燃比を算出する空燃比算出手段と、限界スモーク濃度に対応する限界空燃比の記憶手段と、前記可変容量型ターボチャージャのノズルベーン開度を制御するノズルベーン開度制御手段と、を備え、前記空燃比算出手段によって算出された空燃比が限界空燃比よりも小さい場合、ノズルベーン開度を大きくすることを特徴とする。
【0023】
内燃機関の現在の運転状態における空燃比は、指令燃料噴射量及び測定空気量を検出し、前記指令燃料噴射量及び測定空気量から求めることができる。この空燃比に基づいてノズルベーンの開度を調整することで所定の範囲に保持し、目標スモーク濃度を超えるような空燃比の領域に達しないように、実際のノズルベーンの開度を制御する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる可変容量型ターボチャージャの制御装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、可変ノズル型ターボチャージャが併設された直噴式ディーゼルエンジンである。
【0026】
内燃機関1は、1番気筒(#1)から4番気筒(#4)までの4つの気筒1a、1b、1c、1dを備えている。内燃機関1は、その噴孔が各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室に臨むように取り付けられた燃料噴射弁13a、13b、13c、13dを備えている。
【0027】
各燃料噴射弁13a、13b、13c、13dは、蓄圧室(コモンレール)14と連通し、コモンレール14は、燃料通路15を介して燃料ポンプ16と連通している。そして、コモンレール14は、燃料ポンプ16から圧送されてくる燃料を一旦貯留して所定の圧力まで蓄圧し、蓄圧された所定圧の燃料を各燃料噴射弁13a、13b、13c、13dに分配する。コモンレール14には、コモンレール14内の燃料圧力に対応した電気信号を出力するコモンレール圧センサ17が取り付けられている。
【0028】
また、内燃機関1には、吸気枝管2が接続され、吸気枝管2の各枝管がそれぞれ各気筒13a、13b、13c、13dの燃焼室に連通している。吸気枝管2は、吸気管3を介してエアクリーナボックス4に接続されている。エアクリーナボックス4には、新気をエアクリーナボックス4内に取り込むための吸気ダクト5が接続されている。
【0029】
エアクリーナボックス4より下流の吸気管3には、吸気管3内を流れる新気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ6が設けられている。エアフローメータ6より下流の吸気管3には、可変ノズル型ターボチャージャ7のコンプレッサハウジング7aが設けられている。さらに、コンプレッサハウジング7aより下流の吸気管3にはインタークーラ8が配置され、インタークーラ8下流の吸気管3には吸気絞り弁(スロットル弁)9が設けられている。
【0030】
一方、内燃機関1には、排気枝管10が接続され、排気枝管10の各枝管がそれぞれ各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室に連通している。排気枝管10は、可変ノズル型ターボチャージャ7のタービンハウジング7bを介して排気管11と連通し、排気管11は、図示しないマフラーへ接続されている。排気管11の途中には、排気中の有害ガス成分を浄化するための排気浄化触媒12が設けられている。
【0031】
このように構成された内燃機関1では、吸気ダクト5から吸入された新気がエアクリーナボックス4で埃や塵等を取り除かれてコンプレッサハウジング7aに導入され、コンプレッサハウジング7aで圧縮された後にインタークーラ8で冷却され、次いで吸気枝管2を介して各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室に供給される。
【0032】
各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室に供給された新気は、圧縮行程において圧縮され、圧縮行程後半に燃料噴射弁13a、13b、13c、13dから噴射された燃料を着火源として燃焼及び爆発し、その燃焼力及び爆発力によって図示しないピストンを下降させ、機関出力軸(クランクシャフト)を回転させる。
【0033】
各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室で燃焼及び爆発した既燃ガスは、排気行程において燃焼室から排気枝管10へ排出される。排気枝管10に排出された既燃ガス(排気)は、排気枝管10からタービンハウジング7bに流れ込み、タービンハウジング7b内のタービンホイールを回転させた後に排気管11へ排出され、次いで排気浄化触媒12にて排気中の有害ガス成分を浄化された後に大気中に放出される。
【0034】
続いて、内燃機関1には、排気再循環(EGR)機構が併設されている。このEGR機構は、4番気筒(#4)1dの図示しない排気ポートと吸気枝管2とを連通させる排気再循環通路18、及び排気再循環通路18内の排気流量を調節する流量制御弁(EGR弁)19から構成されている。EGR弁19は、ステップモータ等の電気式アクチュエータ、あるいは負圧の度合いによって可動するダイヤフラムを備えた負圧式のアクチュエータ等によって駆動される。
【0035】
このように構成されたEGR機構では、EGR弁19が開弁されると、4番気筒(#4)1dから排出された排気の一部が排気再循環通路18を経て吸気枝管2へ流れ、吸気系の上流から流れてきた新気とともに各気筒1a、1b、1c、1dの燃焼室に供給される。このとき、燃焼室内の新気の量は、吸気系に再循環された排気(EGRガス)の分だけ減少する。そして、EGR弁19の開度量を制御してEGRガス量を調節することにより、燃焼室内に供給される新気の量を調節することができる。また、上記した排気の再循環を実行することにより、燃焼室内に排気中の不活性ガス成分が供給されることになるため、混合気の燃焼温度を低下させ、NOX等の排出量を低減させることも可能となる。
【0036】
次に、可変ノズル型ターボチャージャ7の具体的な構成について図2及び図3に基づいて説明する。
可変ノズル型ターボチャージャ7は、図2に示すように、コンプレッサハウジング7aとタービンハウジング7bとをセンタハウジング7cを介して連結して構成されている。
【0037】
センタハウジング7cには、ロータシャフト38がその軸線Lを中心に回転自在に支持されている。ロータシャフト38の一端は、コンプレッサハウジング7a内に突出し、その突出部分には、複数のコンプレッサインペラ36aを備えたコンプレッサホイール36が取り付けられている。
【0038】
ロータシャフト38の他端は、タービンハウジング7b内に突出し、その突出部分には、複数のタービンインペラ37aを備えたタービンホイール37が取り付けられている。
【0039】
コンプレッサハウジング7aにおいてセンタハウジング7cと反対側に位置する部分には、コンプレッサハウジング7a内に吸気を取り入れるための吸気取入口62aが形成されている。コンプレッサハウジング7a内には、コンプレッサホイール36の外周を包囲する渦巻き状のコンプレッサ通路64が形成されるとともに、コンプレッサホイール36の内装部分とコンプレッサ通路64とを連通する環状の送出通路65が形成されている。コンプレッサ通路64の終端部には、コンプレッサハウジング7a内で圧縮された吸気を排出するための吸気排出口(図示せず)が形成されている。
【0040】
一方、タービンハウジング7b内には、タービンホイール37の外周を包囲する渦巻き状のスクロール通路66が形成されるとともに、タービンホイール37の内装部分とスクロール通路66とを連通する環状のノズル通路67が形成されている。スクロール通路66の基端部には、タービンハウジング7b内に排気を取り入れるための排気取入口(図示せず)が形成されている。タービンハウジング7bにおいてセンタハウジング7cと反対側に位置する部分には、タービンハウジング7b内の排気を排出するための排気排出口63aが設けられている。
【0041】
さらに、タービンハウジング7bのセンタハウジング7c側には、可変ノズル機構71が内装されている。この可変ノズル機構71は、図3(a)、(b)に示すように、リング状に形成されたノズルバックプレート72を備えている。このノズルバックプレート72は、図示しないボルトによってタービンハウジング7bに固定されている。続いて、ノズルバックプレート72には、複数の軸73が同プレート72の円心を中心として等角度毎に設けられている。
【0042】
各軸73は、ノズルバックプレート72をその厚さ方向に貫通して回動可能に支持されている。各軸73の一端部(図3(a)中の左端部)には、ノズルベーン74が固定されている。一方、軸73の他端部(図3(a)中の右端部)には、軸73と直交してノズルバックプレート72の外縁部へ延びる開閉レバー75が固定され、軸73と開閉レバー75とが一体で回動可能になっている。開閉レバー75の先端には、二股に分岐した一対の挟持部75aが設けられている。
【0043】
各開閉レバー75とノズルバックプレート72との間には、ノズルバックプレート72と重なり合うように環状のリングプレート76が設けられている。このリングプレート76は、その円心を中心に周方向へ回動可能となっている。また、リングプレート76にはその円心を中心として等角度毎に複数のピン77が設けられており、それらピン77が各開閉レバー75の挟持部75a間に回動可能な状態で挟持されている。
【0044】
このように構成された可変ノズル機構71では、上記したリングプレート76がその円心を中心に回動されると、各ピン77が各開閉レバー75の挟持部75aをリングプレート76の回動方向と同方向に押すことになる。その結果、開閉レバー75が軸73を回動させ、軸73の回動に同期してノズルベーン74が軸73を中心に回動することになる。
【0045】
例えば、ノズルベーン74においてリングプレート76の円心側に位置する端部をその円心から離脱させる方向に回動させるべくリングプレート76が回動すると、隣接するノズルベーン74間の隙間が狭くなり、ノズルベーン74間の流路が閉じられることになる。
【0046】
一方、ノズルベーン74においてリングプレート76の円心側に位置する端部をその円心に接近させる方向に回動させるべくリングプレート76が回動すると、隣接するノズルベーン74間の隙間が広くなり、ノズルベーン74間の流路が開かれることになる。
【0047】
続いて、可変ノズル機構71の駆動、即ちリングプレート76の回動駆動を行う機構について述べる。図2及び図3に示すように、リングプレート76の外縁の一部には、軸線Lと同方向に延びるピン86が取り付けられ、そのピン86に駆動機構82が連結されている。
【0048】
駆動機構82は、センタハウジング7cにピン86と平行にコンプレッサハウジング7a側に延びた状態で回動自在に支持された支軸83を備えている。この支軸83のタービンハウジング7b側の端部(図2中の左側端部)には、ピン86に対して回動可能に連結された駆動レバー84が固定されている。支軸83のコンプレッサハウジング7a側の端部(図2中の右側端部)には、支軸83を中心にして回動可能な操作片85が取り付けられている。操作片85は、負圧式のVNTアクチュエータ87に連結されている。
【0049】
VNTアクチュエータ87は、図4に示すように、ダイヤフラム88によって負圧室87aと大気室87bとに区画されている。負圧室87aには、ダイヤフラム88と直交する方向に伸縮動作するコイルスプリング88aが内装されている。さらに、負圧室87aには、負圧通路89が接続されており、負圧通路89は、内燃機関1のクランクシャフトに駆動連結されたバキュームポンプ91に接続されている。負圧通路89の途中には、エレクトリック・バキューム・レギュレーティング・バルブ(EVRV)90が設けられている
EVRV90は、大気中に開口された大気導入口(図示せず)を備えており、EVRV90よりVNTアクチュエータ87側に位置する負圧通路89aと大気導入口の導通と、EVRV90よりバキュームポンプ91側に位置する負圧通路89bとVNTアクチュエータ87側の負圧通路89aの導通と、を切り換える。
【0050】
尚、EVRV90は、電磁ソレノイドを備えており、電磁ソレノイドが非励磁状態にあるときは負圧通路89aと大気導入口を導通状態に保持し、電磁ソレノイドが励磁状態にあるときは負圧通路87aと負圧通路89bを導通状態に保持する。一方、VNTアクチュエータ87の大気室87bは、VNTアクチュエータ87の外部(大気中)と連通し、大気室87a内の圧力が常に大気圧となるようになっている。
【0051】
ダイヤフラム88の大気室87b側には、コイルスプリング88aの伸長方向に延出したロッド88bが突設されている。このロッド88bは、大気室87bを貫通してVNTアクチュエータ87の外部まで突出しており、その先端部が前記操作片85に連結されている。
【0052】
このように構成されたVNTアクチュエータ87では、EVRV90の電磁ソレノイドが非励磁状態にあるときは、負圧通路89aと大気導入口とが導通状態となり、負圧室87a内が大気圧となる。この場合、VNTアクチュエータ87のロッド88bは、コイルスプリング88aの付勢力によって最も進出した状態に保持される。
【0053】
また、EVRV90の電磁ソレノイドが励磁状態にあるときは、負圧通路89aと負圧通路89bとが導通状態になり、VNTアクチュエータ87の負圧室87a内が負圧となる。この場合、ダイヤフラム88がコイルスプリング88aの付勢力に抗して変位し、それに伴ってロッド88bが最も退行した状態に保持される。
【0054】
さらに、EVRV90の電磁ソレノイドの励磁と非励磁とをデューティ制御することにより、ロッド88bの進退量を調節することが可能となる。
上記したようなVNTアクチュエータ87のロッド88bの進退動作により、前記操作片85が回動される。操作片85が回動されると、それに同期して支軸83が回転し、支軸83の回転に伴って駆動レバー84が支軸83を中心に回動する。その結果、駆動レバー84がピン86を介してリングプレート76を周方向に押し、軸線Lを中心にリングプレート76を回動させることになる。
【0055】
以上述べた可変ノズル型ターボチャージャ7では、駆動機構82によってノズルベーン74の回動方向と回動量とを調節することにより、ノズルベーン74間の流路の向き、及びノズルベーン74間の隙間を変更することが可能となる。すなわち、ノズルベーン74の回動方向と回動量とを制御することにより、スクロール通路66からタービンホイール37に吹き付けられる排気の方向と流速が調節されることになる。
【0056】
例えば、内燃機関1からの排気の量が少ない場合は、可変ノズル機構71のノズルベーン74を閉じるべく駆動機構82を動作させることにより、タービンホイール37に吹き付けられる排気の流速が高まるとともに、排気とタービンインペラ37aとの衝突角度がより垂直に近づくため、少ない排気量でもタービンホイール37の回転速度及び回転力を高めることが可能となる。
【0057】
逆に、内燃機関1からの排気の量が十分に多い場合は、可変ノズル機構71のノズルベーン74を開くべく駆動機構82を動作させることにより、タービンホイール37に吹き付けられる排気の流速の過剰な上昇が抑制され、タービンホイール37の回転速度及び回転力の過剰な上昇を抑えることが可能となる。
【0058】
尚、本実施の形態では、EVRV90の電磁ソレノイドが非励磁状態にあって、VNTアクチュエータ87のロッド88bが最も進出した状態のときに、ノズルベーン74が最も開いた状態に保持され、EVRV90の電磁ソレノイドが励磁状態にあって、VNTアクチュエータ87のロッド88bが最も退行した状態のときに、ノズルベーン74が最も閉じた状態に保持されるものとする。
【0059】
ここで図1に戻り、内燃機関1には、クランクシャフトの回転位置に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ22と、機関冷却水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ21とが取り付けられている。また、吸気枝管2には、吸気枝管2内の圧力(過給圧)に対応した電気信号を出力する吸気圧力センサ20が取り付けられている。さらに、内燃機関1を搭載する車両には、図示しないアクセルペダルの踏み込み量に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ23が取り付けられている。これらクランクポジションセンサ22、水温センサ21、吸気圧力センサ20、アクセル開度センサ23、及び、前述したエアフローメータ6やコモンレール圧センサ17等の各種センサ類は、それぞれ電気配線を介して機関制御用の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control
Unit)100に接続されている。
【0060】
ECU100は、CPU、ROM、RAM等を双方向性バスで相互に接続して構成され、前記各種センサの出力信号をパラメータとして内燃機関1の運転状態等を判定し、判定された機関運転状態に応じて燃料噴射弁13a、13b、13c、13d、燃料ポンプ16、EGR弁19、VNTアクチュエータ87等を制御する。すなわちECU100は、クランクポジションセンサ22からの検出信号に基づいて機関回転数Neを演算する。またアクセル開度センサ23からの検出信号と機関回転数Neに対応する噴射量指令値を算出し、所定の時期に噴射量指令値に対応した燃料量を噴射する。
【0061】
次いで、ECU100は前記機関回転数Neと、アクセル開度eaccpとをパラメータとして目標吸気管圧力、すなわち目標過給圧を算出する。
またECU100は、吸気圧力センサ20の出力信号(実際の過給圧)を入力する。そして、ECU100は、実際の過給圧と目標過給圧とを比較して、目標過給圧よりも実際の過給圧が大きければ、実際の過給圧が目標過給圧となるように、すなわちノズルベーンの開度を大きくするように可変ノズル型ターボチャージャ7のVNTアクチュエータ87をフィードバック制御する。ここで、ノズルベーン74の開度と過給圧PIMとの関係を図6に示す。図6(a)は、定常走行時におけるノズルベーン74の開度変化に対する過給圧PIMの変化を示している。過給圧PIMは、ノズルベーン74の全閉付近で最大になり、ノズルベーン74の開度が大きくなる程、低下することがわかる。
【0062】
したがって実際の過給圧を目標過給圧PIMTRGに近づけるためには次のような制御が実行される。すなわち、実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも小さい場合には、ノズルベーン74の開度を小さくすることで実際の過給圧PIMを上昇させ、反対に、実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも大きい場合は、ノズルベーン74の開度を大きくすることで実際の過給圧PIMを低下させる。このようなノズルベーン74の開度制御に基づく過給圧調整を行うことができるのは、ノズルベーン74の開度範囲のほぼ全域でこの開度の増大に伴い過給圧PIMが低下するためである。
【0063】
上記目標過給圧は、例えば内燃機関の負荷及び回転数に基づいて、内燃機関の低回転高負荷時には高く設定され、高回転低負荷時には低く設定される。これは低回転時高負荷時には内燃機関の過給圧を高めて出力向上を図り、高回転低負荷時には内燃機関の過給圧を低くすべくノズルベーン74の開度を大きくするこで排ガスの排出抵抗を低減するためである。
【0064】
以上のように、実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも大きい場合は、ECU100 は、ノズル用のVNTアクチュエータ87を駆動するためのデューティ比指令値DNFINを例えば大きくして、実際の過給圧PIMを低下させる。
【0065】
一方、実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも小さい場合は、ECU100は、ノズル用のVNTアクチュエータ87を駆動するためのデューティ比指令値DNFINを例えば小さくする。しかし、ここでは直ちに実際の過給圧PIMを上昇させ、これを目標過給圧PIMTRGに一致させるような制御を実行するのではなく、限界スモーク濃度を超えない範囲において、実際の過給圧PIMを上昇させる。ここで限界スモーク濃度とは、機関運転時において許容され得る最大のスモーク濃度である。
【0066】
このような実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも小さい場合には機関過渡状態が含まれるが、このような場合は、後述するようにノズルベーンが閉じ過ぎになる傾向があり、スモークの発生が特に問題となるため、以下のような制御を実行する。
【0067】
ECU100は、クランクポジションセンサ22の出力信号とエアフローメータ6の出力信号とをパラメータとして、1回転当たりの吸入空気量を算出する。そして燃料の前記指令噴射量及び実際の吸入空気量から空燃比を演算する。
【0068】
この空燃比と排ガス中のスモーク濃度(黒煙濃度)の関係は、図5に示すようになり、これをマップとして予め実験により求めて、ECU100のROMに記憶しておく。ECU100は、このマップに基づいて空燃比から推定スモーク濃度SCを求める。
【0069】
または空燃比とスモーク濃度の関係は次式によって求めることができる。
空気過剰率(1ストロークあたりの噴射量/1回転あたりの吸入空気量)-エンジン係数×1回転あたりの吸入空気量=スモーク濃度
ここで「エンジン係数」とは、エンジンの排気量、緒元、仕向地等によって決まる係数である。
【0070】
一方、ECU100は、所定の空燃比における限界スモーク濃度である目標スモーク濃度SCTRGを予め実験により求め、これをROMに記憶しておく。
ECU100は、前記推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGを比較し、推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも小さければノズルベーン74の開度を小さくして、過給圧を上昇させて実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGに近づくようにする。
【0071】
一方、前記推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGを比較し、推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも大きければ、現状のノズルベーン74の開度とノズルベーンの基本開度を比較する。基本開度とは、目標過給圧におけるノズルベーンの開度である。そして現状のノズルベーン74の開度が基本開度よりも小さいか、もしくはこれらが等しい場合はノズルの開度を大きくする。ここではEVRV90を駆動するためのデューティ比指令値DNFINi−1を、今回のEVRV90を駆動するためのデューティ比指令値DNFINとして設定し直す。
【0072】
このようにデューティ比指令値DNFINが設定されると、ECU100はノズルベーン74の開度調節を実施すべく、前記デューティ比指令値DNFINに対応した駆動信号に基づいてEVRV90の電磁ソレノイドへの印加電圧をデューティ制御する。今回のデューティ制御指令値DNFINは、前回のデューティ比指令値DNFINi−1よりも大きいために、ノズルベーン74は開き側に制御される。これにより排ガスの排出抵抗が低減され吸入空気量が増えるので、スモーク量が減少する。
【0073】
またECU100は、冷却水温、機関回転数Ne、及び吸入空気圧等の機関運転状態に応じてEGRを実行する。EGRは内燃機関1の運転状態によってこれを行うか否かが決定され、内燃機関1の運転が不安定になる虞があるときはEGRは実行されない。
【0074】
ECU100は、内燃機関1の運転状態に基づきEGR用EVRV(図示せず)を駆動するためのデューティー比指令値を算出し、同指令値に基づきEGR用EVRVの電磁ソレノイドに対する印加電圧のデューティー制御を行う。この
制御によってEGRバブルの開閉度が調整されて、EGR量が非アイドル状態である内燃機関1の運転状態に応じた値となり、内燃機関1から排出される排ガスのエミッション悪化が抑制される。
【0075】
前記のEGR制御が実行されているときは、ECU100はターボチャージャ7のノズルベーン74の開度を固定すべく、ノズル用のEVRV90の電磁ソレノイドに対する印加電圧をデューティー制御する。これによりノズルベーン74の開度が固定され、排気管11内の圧力変動によってEGR量が頻繁に変化することが防止される。
【0076】
ところで、通常はノズルベーン74の開度変化と過給圧PIMとの関係は、図6(a)に示されるようにノズルベーン74が全閉の付近の過給圧PIMが最も高くなり、ノズルベーン74の開度が大きくなるにしたがって徐々に過給圧PIMは低くなり、またノズルベーン74の開度が小さくなるにしたがって徐々に過給圧PIMは高くなる。しかし、内燃機関1の回転数が高くなると、ノズルベーン74の開度変化と過給圧PIMとの関係が図6(b)に示すようなものに変化する。ここではノズルベーン74の半開付近で過給圧が最大になり、またノズルベーン74が全閉から半開に至る領域Aでは、ノズルベーン74の開度の増大に伴って過給圧PIMが徐々に高くなり、またノズルベーン74が半開から全開に至る領域Bではその開度増大に伴って過給圧PIMが徐々に低下する。
【0077】
したがってノズルベーン74の開度が図6(a)において全閉から半開の間に位置するとき、過渡時(加速時)等で機関回転Neが急上昇した場合は、ノズルベーン74の開度が図6(a)の領域内に位置する。この状態では実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGよりも小さくなるが、ノズルベーン74の開度を閉じ側に制御すると、ノズルベーン74の閉じすぎとなって排ガスの排出抵抗が増大し、スモークの発生や燃費の低下が起こり得る。
【0078】
本実施の形態ではこのようなノズルベーン74の閉じ過ぎに対応するために、スモーク濃度SCを目標スモーク濃度SCTRG以下とするようなノズルベーン74の開度を設定するようにした。ここでは前述したように推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGを比較し、推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも大きければ、現状のノズルベーンの開度とノズルベーンの基本開度を比較する。ノズルベーンの開度が基本開度以下のときはノズルベーン74の開度を大きくする制御が実行される。
【0079】
次に、前記ECU100によって実行される制御の流れを、図7を参照して説明する。
ECU100は、内燃機関1の運転状態に応じて、図7に示すようなスモーク濃度に応じたノズル開度制御ルーチンを実行する。このノズル開度制御ルーチンは、所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ22がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0080】
(ステップ101)
クランクポジションセンサ22の出力信号に基づいて機関回転数Neを算出するとともに、アクセル開度センサ23の出力信号(アクセル開度eaccp)を入力する。次いで、ECU100は、機関回転数Neとアクセル開度eaccpとをパラメータとして目標吸気管圧力、すなわち目標過給圧を算出する。
【0081】
続いてECU100は、吸気圧力センサ20の出力信号(実際の過給圧)を入力する。そして、ECU100は、実際の過給圧と目標過給圧とを比較し、目標過給圧よりも実際の過給圧(実過給圧)が大きければ、ステップ106に進む。
【0082】
一方、実際の過給圧(実過給圧)が目標過給圧よりも小さければ、ステップ102に進む。
(ステップ102)
ECU100は、クランクポジションセンサ22の出力信号とエアフローメータ6の出力信号とをパラメータとして、1回転当たりの吸入空気量を算出する。そして燃料の前記指令噴射量及び実際の吸入空気量から空燃比を演算する。
(ステップ103)
ECU100は、ステップ102で求めた空燃比と、所定空燃比における排ガス中のスモーク濃度(黒煙濃度)の関係から推定スモーク濃度SCを求める。
(ステップ104)
ECU100は、ステップ103で求めた推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGを比較する。これらの推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGの値が互いに等しければ、ノズルベーン74の開度を変化させることなく、このルーチンを一旦終了する。これらが等しくなければ、ステップ105に進む。
(ステップ105)
ECU100は、前記推定スモーク濃度SCと目標スモーク濃度SCTRGを比較する。推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも大きければ、ステップ106に進み、反対に、推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも小さければ、ステップ108に進み、ノズルベーン74を閉じる方向にこれを制御する。
(ステップ106)
ECU100は、現状のノズルベーン74の開度とノズルベーンの基本開度を比較する。現状のノズルベーン74の開度が基本開度よりも小さいか、もしくはこれらが等しい場合は、ステップ107に進む。
【0083】
一方、現状のノズルベーン74の開度がノズルベーンの基本開度よりも大きいと判定した場合は、ECU100は、可変ノズル型ターボチャージャ7のノズルベーン74の開度を補正することは不可能であるとみなし、ノズルベーンに異常があると判断して警告灯を点灯させ、運転者に注意を促す。
(ステップ107)
前記ステップ106において現状のノズルベーンの開度がノズルベーンの基本開度よりも小さいか、これらが互いに等しいと判定した場合は、ECU100は、可変ノズル型ターボチャージャ7のノズルベーン74を開方向に制御する。
【0084】
ステップ107の処理を実行し終えたECU100は、ステップ107においてノズルベーンの開度を大きくするように補正した後、本ルーチンの実行を一旦終了する。
(ステップ108)
ステップ105で、推定スモーク濃度SCが目標スモーク濃度SCTRGよりも小さいときは、ECU100は、ノズルベーン74の開度を閉じる方向に制御する。
【0085】
ステップ108の処理を実行し終えたECU100は、ステップ108においてノズルベーン74の開度を変化させる処理を実行した後に、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0086】
以上述べたように本実施の形態によれば、可変ノズル型ターボチャージャとを備える内燃機関において、特に機関が加速等の過渡状態にあるときの空燃比を指令噴射量及び測定空気量により求め、その値によりスモーク濃度を推定し、排気エミッション悪化防止と過給圧上昇の双方に対して最も有利なノズル開度に制御してスモーク濃度の上昇を抑制することができる。したがってNOx、スモークの排出量を低レベルに抑えつつ、過給圧の上昇度を最大に設定することが可能となり、機関性能の向上を図ることができる。
【0087】
また、この制御は実空気質量に基づくものであるので、気圧、気温等の気象条件の影響を受けにくい利点がある。さらにこの制御は、基本的に指令噴射量と測定空気量の二つを基礎として実行するので、ばらつきが少なく正確なものとなる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態では、第1の実施の形態のように推定スモーク濃度と目標スモーク濃度を比較するのではなく、これらのスモーク濃度を決定する空燃比自体に着目して、空燃比の変化によりノズルベーンの開度を制御するものである。その他、第1の実施の形態と同様の部分は説明を省略する。
【0088】
ECU100は、クランクポジションセンサ22の出力信号とエアフローメータ6の出力信号とをパラメータとして、1回転当たりの吸入空気量を算出する。そして燃料の前記指令噴射量及び実際の吸入空気量から空燃比を演算する。
【0089】
この空燃比とノズルベーンの開度との関係は、図8に示すようになる。図中、aはノズルベーン74の最適な開度を示し、空燃比が高ければノズルベーン74の開度は閉じ側に制御でき、空燃比が低ければこれを開き側に制御可能となる。これをマップとして予め実験により求めて、ECU100のROMに記憶しておく。ECU100は、このマップに基づいて空燃比から最適なノズル開度を求める。
【0090】
一方、ECU100は、限界スモーク濃度に対応する所定の空燃比を予め実験により求め、これをROMに記憶しておく。すなわち、限界スモーク濃度に達するこれに対応する空燃比(以下、限界空燃比AFL)を求めておき、他方、実空燃比AFと限界空燃比AFLとを比較し、この実空燃比AFが限界空燃比AFLよりも大きければ、ノズルベーン74の開度を小さくして(閉じ側に制御して)、過給圧を上昇させて実際の過給圧PIMが目標過給圧PIMTRGに近づくようにする。
【0091】
また前記実空燃比AFと限界空燃比AFLとを比較したとき、実空燃比AFが限界空燃比AFLよりも小さければ、現状のノズルベーンの開度とノズルベーンの基本開度を比較する。そして現状のノズルベーンの開度が基本開度よりも小さいか、もしくはこれらが等しい場合はノズルの開度を大きくする。
これにより排ガスの排出抵抗が低減され吸入空気量が増えるので、空燃比が高くなりスモーク量が減少する。
【0092】
次に、前記ECU100によって実行されるこの実施の形態における制御の流れを、図9を参照して説明する。
ECU100は、内燃機関1の運転状態に応じて、図9に示すようなスモーク濃度に応じたノズル開度制御ルーチンを実行する。このノズル開度制御ルーチンは、所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ22がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
(ステップ201)
クランクポジションセンサ22の出力信号に基づいて機関回転数Neを算出するとともに、アクセル開度センサ23の出力信号(アクセル開度eaccp)を入力する。次いで、ECU100は、機関回転数Neとアクセル開度eaccpとをパラメータとして目標吸気管圧力、すなわち目標過給圧を算出する。
【0093】
続いてECU100は、吸気圧力センサ20の出力信号(実際の過給圧)を入力する。そして、ECU100は、実際の過給圧と目標過給圧とを比較し、目標過給圧よりも実際の過給圧(実過給圧)が大きければ、ステップ206に進む。
【0094】
一方、実際の過給圧(実過給圧)が目標過給圧よりも小さければ、ステップ202に進む。
(ステップ202)ECU100は、クランクポジションセンサ22の出力信号とエアフローメータ6の出力信号とをパラメータとして、1回転当たりの吸入空気量を算出する。そして燃料の前記指令噴射量及び実際の吸入空気量から実空燃比を演算する。
(ステップ203)ECU100は、排ガス中のスモーク濃度(黒煙濃度)が限界に達するときの限界空燃比AFLを求める。
(ステップ204)ECU100は、ステップ202で求めた実空燃比AFと、ステップ203で求めた限界空燃比AFLとを比較する。これらの実空燃比AFと限界空燃比AFLの値が互いに等しければ、ノズルベーン74の現在の開度を保持して、このルーチンを一旦終了する。これらが等しくなければ、ステップ205に進む。
(ステップ205)ECU100は、実空燃比AFと限界空燃比AFLとを比較する。実空燃比AFが限界空燃比AFLよりも小さければ、ステップ206に進み、反対に、実空燃比AFが限界空燃比AFLよりも大きければ、ステップ208に進み、ノズルベーンを閉じる方向にこれを制御する。
(ステップ206)ECU100は、現状のノズルベーンの開度とノズルベーンの基本開度(目標過給圧におけるノズルベーンの開度)を比較する。現状のノズルベーンの開度が基本開度よりも小さいか、もしくはこれらが等しい場合は、ステップ207に進む。
【0095】
一方、現状のノズルベーンの開度がノズルベーンの基本開度よりも大きいと判定した場合は、ECU100は、可変ノズル型ターボチャージャ7のノズルベーン74の開度を補正することは不可能であるとみなし、ノズルベーンに異常があると判断して警告灯を点灯させ、運転者に注意を促す。
(ステップ207)
前記ステップ206において現状のノズルベーンの開度がノズルベーンの基本開度よりも小さいか、これらが互いに等しいと判定した場合は、ECU100は、可変ノズル型ターボチャージャ7のノズルベーン74を開方向に制御する。
【0096】
ステップ207の処理を実行し終えたECU100は、ステップ207においてノズルベーンの開度を大きくするように補正した後、本ルーチンの実行を一旦終了する。
(ステップ208)ステップ205で、実空燃比AFが限界空燃比AFLよりも大きいときは、ECU100は、ノズルベーン74の開度を閉じる方向に制御する。
【0097】
ステップ208の処理を実行し終えたECU100は、ステップ208においてノズルベーン74の開度を変化させる処理を実行した後に、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0098】
以上述べたように本実施の形態によれば、可変ノズル型ターボチャージャとを備える内燃機関において、特に機関が加速等の過渡状態にあるときの空燃比を指令噴射量及び測定空気量に基づいて求め、その空燃比が限界空燃比以下になるようにノズルベーンの開度を調整してスモーク濃度が所定値以上にならないようにこれを抑制する。よって排気エミッション悪化防止と過給圧上昇の双方に対して最も有利なノズル開度に制御されるので、NOx、スモークの排出量を低レベルに抑えつつ、過給圧の上昇度を最大に設定することが可能となり、機関性能の向上を図ることができる。
(他の実施の形態)
前記の実施の形態では、可変容量機構として多数のノズルベーン74を設けた可変容量型ターボチャージャ7の制御について述べたが、これをタービンホイールにより上流にて排ガスの通路を複数に分割し、これらの通路に開閉弁を設けて排ガスの流通面積を可変とするもの、または排ガスの入口にフラップを設けて排ガスの流通面積を可変とするものであってもよい。
【0099】
また前記の実施の形態では、EGR装置を設けた内燃機関について述べたが、これを設けていない内燃機関に対しても本発明を適用することができる。
さらに内燃機関はディーゼルエンジンの他、ガソリンエンジンであってもよい。
【0100】
【発明の効果】
本発明にかかる可変容量型ターボチャージャの制御装置では、特に機関過渡状態においてもノズルベーンの開度を適切に制御することで、スモークの発生の抑制と燃費悪化を低減させつつ、過給圧を上昇させることができるので、機関の性能向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】 可変ノズル型ターボチャージャの構成を示す断面図
【図3】 可変ノズル型ターボチャージャの可変ノズル機構の構成を示す図
【図4】 可変ノズル型ターボチャージャのVNTアクチュエータの構成を示す図
【図5】 スモーク濃度と空燃比との関係を示すマップの一例を示す図
【図6】 ノズルベーンの開度と過給圧との関係を示す図
【図7】 本発明のノズルベーン制御ルーチンを示すフローチャート図
【図8】 ノズルベーンの開度と空燃比との関係を示す図
【図9】 本発明の他のノズルベーン制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関
2・・・・吸気枝管
6・・・・エアフローメータ
7・・・・可変ノズル型ターボチャージャ
10・・・排気枝管
18・・・排気再循環通路
19・・・EGR弁
20・・・吸気圧力センサ
22・・・クランクポジションセンサ
23・・・アクセル開度センサ
100・・ECU[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a control device for a variable displacement turbocharger, and more particularly to an apparatus for controlling the opening of a variable nozzle to be equal to or less than a target smoke concentration in accordance with an engine operating state.
[0002]
[Prior art]
In an internal combustion engine, a technique is known in which a turbocharger that compresses intake air is provided to improve the charging efficiency of the combustion chamber and improve the engine output. As such a turbocharger, a centrifugal turbocharger that is driven using the energy of exhaust gas discharged from an internal combustion engine is known.
[0003]
A centrifugal turbocharger connects a turbine housing provided in the middle of an exhaust passage and a compressor housing provided in the middle of an intake passage via a center housing, and a turbine wheel rotatably supported in the turbine housing; A compressor wheel rotatably supported in the compressor housing is coaxially connected via a rotor shaft rotatably supported in the center housing.
[0004]
In the centrifugal turbocharger described above, the exhaust discharged from the internal combustion engine flows into the turbine housing from the exhaust intake. The exhaust gas flowing into the turbine housing flows spirally along the scroll passage, and is then blown from the scroll passage through the nozzle passage to the turbine wheel to rotate the turbine wheel. Exhaust gas blown to the turbine wheel flows along a turbine impeller formed on the surface of the turbine wheel, and is guided to an exhaust outlet.
[0005]
When the turbine wheel is thus rotated by the exhaust energy, the rotational force of the turbine wheel is transmitted to the compressor wheel via the rotor shaft, and the compressor wheel rotates in synchronization with the turbine wheel. Then, the intake air in the vicinity of the intake air intake is sucked into the compressor housing by the suction force generated by the rotation of the compressor wheel, and is pumped to the intake discharge port through the delivery passage and the scroll passage.
[0006]
According to such a centrifugal turbocharger, the intake air compressed in the compressor housing is forcibly supplied to the combustion chamber, so that the charging efficiency of the intake air is improved. At that time, by increasing the fuel injection amount in accordance with the increase in the intake air amount, it is possible to obtain a larger combustion force and explosive force and to increase the engine output. When the internal combustion engine is a diesel engine, the intake air concentration in the air-fuel mixture is increased by the action of the turbocharger, preventing the air-fuel ratio of the air-fuel mixture from becoming an excessively rich state and suppressing the occurrence of smoke and the like. You can also
[0007]
By the way, since the centrifugal turbocharger compresses the intake air by using the exhaust energy, when the exhaust amount is large and the exhaust pressure is high, such as when the internal combustion engine is in a high rotation operation state, the rotational speed of the turbine wheel and The rotational force can be increased, and a sufficient supercharging effect can be obtained. However, when the displacement is low and the exhaust pressure is low, such as when the internal combustion engine is in a low rotation operation state, the rotation of the turbine wheel There is a drawback that the speed and rotational force cannot be increased, and a desired supercharging effect cannot be obtained.
[0008]
In response to such problems, development of a centrifugal turbocharger called a variable geometry turbocharger or a variable nozzle type turbocharger is underway. The variable nozzle turbocharger includes a plurality of nozzle vanes provided at equal angles around the axis of the turbine wheel in the nozzle passage in the turbine housing. These nozzle vanes are connected to a ring-shaped ring plate rotatably supported by the turbine housing via a link mechanism or the like, and all the nozzle vanes are rotated synchronously by the rotation of the ring plate. Yes.
[0009]
The variable nozzle type turbocharger rotates, for example, an end portion of the nozzle vane that is located on the center side of the ring plate in a direction away from the center of the ring when the exhaust amount is small, such as in a low rotation operation region of an internal combustion engine. Rotate the ring plate as much as possible. At this time, the gap between the adjacent nozzle vanes is narrowed, the flow velocity of the exhaust gas passing between the nozzle vanes is increased, and the collision angle of the exhaust gas that collides with the impeller of the turbine wheel through the nozzle vanes approaches perpendicularly. It becomes possible to increase the rotational speed and rotational force of the turbine wheel. Thereby, the rotational speed and rotational force of the compressor wheel are increased, and the compression rate of the intake air in the compressor housing is improved.
[0010]
The rotation drive of the ring plate is performed by a VNT actuator provided in the variable nozzle type turbocharger, and the control of the VNT actuator is performed by an electronic control unit (ECU) for engine control.
[0011]
Specifically, the ECU determines the operating state (engine speed, engine load, etc.) of the internal combustion engine, and calculates a target boost pressure corresponding to the determined operating state. Next, the ECU feedback-controls the VNT actuator so that the actual boost pressure becomes the target boost pressure while referring to the output signal value (actual boost pressure) of the pressure sensor attached to the intake manifold, etc. To do.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, during transient operation (acceleration, etc.), the nozzle vane opening of the variable nozzle turbocharger tends to be closed too much. This is because the relationship between the opening degree of the nozzle vane and the supercharging pressure changes when the internal combustion engine becomes a high speed and a high load. That is, since the amount of exhaust gas increases at high rotation and high load, even if the opening of the nozzle vane is reduced, this increases exhaust resistance, and does not increase the flow rate of exhaust gas that rotates the turbine wheel. Therefore, when the rotational speed and load are high, the nozzle vane opening is shifted to the open side to reduce exhaust gas resistance, and when the rotational speed and load are low, the nozzle vane opening is shifted to the closed side and the turbine wheel is rotated. It is necessary to increase the flow rate of the exhaust gas.
[0013]
However, when the opening degree of the nozzle vane is in a position between fully closed and half open, if the rotational speed of the internal combustion engine suddenly increases, the actual boost pressure becomes smaller than the target boost pressure, so the boost pressure is increased. Thus, the nozzle vane is controlled to the closed side, and the nozzle vane becomes too closed.
[0014]
In such a case, the exhaust pressure rises and exhaust gas from the cylinders of the internal combustion engine becomes difficult to be discharged, and the amount of intake air is reduced.
[0015]
Also, when the exhaust gas recirculation device (EGR device) is operating and the nozzle vane opening is too small, the exhaust pressure rises and the amount of exhaust gas that is sent to the intake side of the internal combustion engine and recirculated increases. As a result, the amount of intake air is reduced and smoke is likely to be generated.
[0016]
Therefore, it is desirable to control so that an appropriate opening degree of the nozzle vane can be obtained even in an engine transient state.
The present invention has been made in view of the above-described problems, and in an internal combustion engine equipped with a variable displacement turbocharger, particularly by controlling the opening degree of the nozzle vane even in an engine transient state, the occurrence of smoke, etc. An object of the present invention is to provide a technology capable of suppressing the deterioration of exhaust emission.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
The first aspect of the present invention employs the following means in order to solve the above-described problems.
[0018]
That is, an estimated smoke concentration in an operating state of an internal combustion engine is detected in an apparatus for controlling a variable displacement turbocharger that varies a flow rate of exhaust gas blown to a turbine wheel in order to set a supercharging pressure of intake air to a desired pressure. Estimated smoke concentration detection means; storage means for target smoke concentration according to the operating state of the internal combustion engine; Nozzle vane opening degree control means for controlling the nozzle vane opening degree of the variable capacity turbocharger, wherein the nozzle vane opening degree control means has an estimated smoke concentration detected by the estimated smoke concentration detecting means larger than a target smoke concentration. Increase the nozzle vane opening It is characterized by that.
[0019]
In the variable displacement turbocharger control apparatus configured as described above, the air-fuel ratio in the current operating state of the internal combustion engine is obtained, the estimated smoke concentration is detected based on this air-fuel ratio, and this estimated smoke concentration is the target smoke concentration. The actual nozzle vane opening is controlled to be as follows. Therefore, compared with the case where the nozzle vane is controlled to the opening degree obtained in advance using only the engine speed and engine load as parameters, the actual smoke concentration is controlled to be equal to or less than the target smoke concentration. Can be suppressed.
[0020]
The estimated smoke concentration detection means detects the command fuel injection amount and the measured air amount, obtains an air-fuel ratio from the command fuel injection amount and the measured air amount, and controls to detect the estimated smoke concentration based on the air-fuel ratio. can do. At this time, the feedback control of the opening degree of the nozzle vane is performed based on the change in the measured air amount, and the opening degree of the nozzle vane can be adjusted so that the estimated smoke concentration is equal to or lower than the target smoke concentration.
[0021]
Further, in this case, control for increasing the opening degree is performed only when the opening degree of the nozzle vane is smaller than the basic opening degree determined based on the engine speed and the engine load.
According to such control, it is possible to maximize the degree of increase in supercharging pressure while suppressing the generation of smoke.
[0022]
According to a second aspect of the present invention, there is provided an apparatus for controlling a variable displacement turbocharger that varies a flow rate of exhaust gas blown to a turbine wheel so that a supercharging pressure of intake air is set to a desired pressure. Air-fuel ratio calculating means for calculating the air-fuel ratio, limit air-fuel ratio storage means corresponding to the limit smoke concentration, and nozzle vane opening degree control means for controlling the nozzle vane opening degree of the variable capacity turbocharger. Increase the nozzle vane opening when the air-fuel ratio calculated by the fuel-fuel ratio calculating means is smaller than the critical air-fuel ratio It is characterized by that.
[0023]
The air-fuel ratio in the current operating state of the internal combustion engine can be obtained from the command fuel injection amount and the measured air amount by detecting the command fuel injection amount and the measured air amount. By adjusting the opening degree of the nozzle vane based on this air-fuel ratio, the nozzle vane opening degree is maintained within a predetermined range, and the actual nozzle vane opening degree is controlled so as not to reach the air-fuel ratio region exceeding the target smoke concentration.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of a control apparatus for a variable capacity turbocharger according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0025]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of an internal combustion engine to which a control device of the present invention is applied. An internal combustion engine 1 shown in FIG. 1 is a direct injection diesel engine provided with a variable nozzle type turbocharger.
[0026]
The internal combustion engine 1 includes four cylinders 1a, 1b, 1c, and 1d from the first cylinder (# 1) to the fourth cylinder (# 4). The internal combustion engine 1 includes
[0027]
Each
[0028]
An intake branch pipe 2 is connected to the internal combustion engine 1, and each branch pipe of the intake branch pipe 2 communicates with the combustion chamber of each
[0029]
An air flow meter 6 that outputs an electric signal corresponding to the mass of fresh air flowing in the
[0030]
On the other hand, an
[0031]
In the internal combustion engine 1 configured as described above, fresh air sucked from the intake duct 5 is removed by dust and dust from the air cleaner box 4 and introduced into the
[0032]
The fresh air supplied to the combustion chambers of the cylinders 1a, 1b, 1c and 1d is compressed in the compression stroke, and fuel injected from the
[0033]
The burned gas burned and exploded in the combustion chamber of each cylinder 1a, 1b, 1c, 1d is discharged from the combustion chamber to the
[0034]
Subsequently, the internal combustion engine 1 is provided with an exhaust gas recirculation (EGR) mechanism. This EGR mechanism includes an
[0035]
In the EGR mechanism configured as described above, when the
[0036]
Next, a specific configuration of the
As shown in FIG. 2, the variable
[0037]
A
[0038]
The other end of the
[0039]
An
[0040]
On the other hand, a
[0041]
Furthermore, a
[0042]
Each
[0043]
An
[0044]
In the
[0045]
For example, when the
[0046]
On the other hand, when the
[0047]
Next, a mechanism for driving the
[0048]
The
[0049]
As shown in FIG. 4, the
The
[0050]
The
[0051]
A
[0052]
In the
[0053]
Further, when the electromagnetic solenoid of the
[0054]
Further, the amount of advance / retreat of the
The
[0055]
In the
[0056]
For example, when the amount of exhaust from the internal combustion engine 1 is small, operating the
[0057]
Conversely, when the amount of exhaust from the internal combustion engine 1 is sufficiently large, the
[0058]
In the present embodiment, when the electromagnetic solenoid of the
[0059]
Returning to FIG. 1, the internal combustion engine 1 includes a crank
Unit) 100.
[0060]
The
[0061]
Next, the
The
[0062]
Therefore, in order to bring the actual supercharging pressure closer to the target supercharging pressure PIMTRG, the following control is executed. That is, when the actual supercharging pressure PIM is smaller than the target supercharging pressure PIMTRG, the actual supercharging pressure PIM is increased by decreasing the opening of the
[0063]
The target boost pressure is set to be high when the internal combustion engine is at a low rotation and high load, and is set to be low at a high rotation and a low load, for example, based on the load and the rotational speed of the internal combustion engine. This is to improve the output by increasing the boost pressure of the internal combustion engine when the load is low and high, and by increasing the opening of the
[0064]
As described above, when the actual boost pressure PIM is larger than the target boost pressure PIMTRG, the
[0065]
On the other hand, when the actual supercharging pressure PIM is smaller than the target supercharging pressure PIMTRG, the
[0066]
When the actual supercharging pressure PIM is smaller than the target supercharging pressure PIMTRG, an engine transient state is included. In such a case, the nozzle vane tends to close too much as will be described later, and the smoke The following control is executed because occurrence of this is particularly problematic.
[0067]
The
[0068]
The relationship between the air-fuel ratio and the smoke concentration (black smoke concentration) in the exhaust gas is as shown in FIG. 5, which is obtained beforehand by experiment as a map and stored in the ROM of the
[0069]
Alternatively, the relationship between the air-fuel ratio and the smoke concentration can be obtained by the following equation.
Excess air ratio (injection amount per stroke / intake air amount per revolution)-engine coefficient x intake air amount per revolution = smoke concentration
Here, the “engine coefficient” is a coefficient determined by the engine displacement, specifications, destination, and the like.
[0070]
On the other hand,
The
[0071]
On the other hand, the estimated smoke concentration SC and the target smoke concentration SCTRL are compared. If the estimated smoke concentration SC is larger than the target smoke concentration SCTRL, the current opening degree of the
[0072]
When the duty ratio command value DNFIN is set in this way, the
[0073]
Further, the
[0074]
The
The degree of opening and closing of the EGR bubble is adjusted by the control, and the EGR amount becomes a value corresponding to the operating state of the internal combustion engine 1 that is in the non-idle state, and the emission deterioration of the exhaust gas discharged from the internal combustion engine 1 is suppressed.
[0075]
When the EGR control is being executed, the
[0076]
By the way, normally, the relationship between the change in the opening degree of the
[0077]
Therefore, when the opening degree of the
[0078]
In the present embodiment, in order to cope with such excessive closing of the
[0079]
Next, the flow of control executed by the
The
[0080]
(Step 101)
The engine speed Ne is calculated based on the output signal of the
[0081]
Subsequently, the
[0082]
On the other hand, if the actual supercharging pressure (actual supercharging pressure) is smaller than the target supercharging pressure, the routine proceeds to step 102.
(Step 102)
The
(Step 103)
(Step 104)
(Step 105)
The
(Step 106)
The
[0083]
On the other hand, when it is determined that the current opening degree of the
(Step 107)
If it is determined in
[0084]
After completing the processing of
(Step 108)
In
[0085]
The
[0086]
As described above, according to the present embodiment, in the internal combustion engine provided with the variable nozzle type turbocharger, the air-fuel ratio is obtained from the command injection amount and the measured air amount, particularly when the engine is in a transient state such as acceleration, The smoke concentration is estimated based on the value, and the increase in the smoke concentration can be suppressed by controlling the nozzle opening to the most advantageous for both prevention of exhaust emission deterioration and boosting of the supercharging pressure. Therefore, it is possible to set the degree of increase in the supercharging pressure to the maximum while suppressing the NOx and smoke emission amounts to a low level, and to improve the engine performance.
[0087]
Further, since this control is based on the actual air mass, there is an advantage that it is not easily affected by weather conditions such as atmospheric pressure and temperature. Furthermore, this control is basically performed on the basis of the command injection amount and the measured air amount, so that there is little variation and it is accurate.
(Second Embodiment)
In this embodiment, instead of comparing the estimated smoke concentration with the target smoke concentration as in the first embodiment, focusing on the air-fuel ratio itself that determines these smoke concentrations, the nozzle vane is changed by changing the air-fuel ratio. Is controlled. Other parts similar to those of the first embodiment will not be described.
[0088]
The
[0089]
The relationship between the air-fuel ratio and the nozzle vane opening is 8 As shown. In the figure, a indicates the optimum opening degree of the
[0090]
On the other hand, the
[0091]
When the actual air-fuel ratio AF is compared with the limit air-fuel ratio AFL, if the actual air-fuel ratio AF is smaller than the limit air-fuel ratio AFL, the current nozzle vane opening and the basic nozzle vane opening are compared. If the current nozzle vane opening is smaller than or equal to the basic opening, the nozzle opening is increased.
As a result, the exhaust gas discharge resistance is reduced and the intake air amount is increased, so that the air-fuel ratio is increased and the smoke amount is reduced.
[0092]
Next, the flow of control in this embodiment executed by the
The
(Step 201)
The engine speed Ne is calculated based on the output signal of the
[0093]
Subsequently, the
[0094]
On the other hand, if the actual supercharging pressure (actual supercharging pressure) is smaller than the target supercharging pressure, the routine proceeds to step 202.
(Step 202) The
(Step 203) The
(Step 204) The
(Step 205) The
(Step 206) The
[0095]
On the other hand, when it is determined that the current opening degree of the nozzle vane is larger than the basic opening degree of the nozzle vane, the
(Step 207)
If it is determined in
[0096]
After completing the process of
(Step 208) In
[0097]
The
[0098]
As described above, according to the present embodiment, in an internal combustion engine equipped with a variable nozzle type turbocharger, the air-fuel ratio when the engine is in a transient state such as acceleration is determined based on the command injection amount and the measured air amount. Then, the opening degree of the nozzle vane is adjusted so that the air-fuel ratio becomes equal to or lower than the limit air-fuel ratio, and this is suppressed so that the smoke concentration does not exceed a predetermined value. Therefore, the nozzle opening is controlled to the most advantageous for both prevention of exhaust emission deterioration and boost pressure rise, so the degree of boost pressure rise is set to the maximum while keeping NOx and smoke emissions low. Engine performance can be improved.
(Other embodiments)
In the above embodiment, the control of the
[0099]
In the above-described embodiment, the internal combustion engine provided with the EGR device has been described. However, the present invention can also be applied to an internal combustion engine provided with no EGR device.
Further, the internal combustion engine may be a gasoline engine in addition to a diesel engine.
[0100]
【The invention's effect】
In the control apparatus for a variable displacement turbocharger according to the present invention, the supercharging pressure is increased while suppressing the occurrence of smoke and reducing the deterioration of fuel consumption by appropriately controlling the opening degree of the nozzle vane even in an engine transient state. The engine performance can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of an internal combustion engine to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a sectional view showing a configuration of a variable nozzle type turbocharger.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a variable nozzle mechanism of a variable nozzle type turbocharger.
FIG. 4 is a diagram showing a configuration of a VNT actuator of a variable nozzle type turbocharger.
FIG. 5 is a diagram showing an example of a map showing the relationship between smoke concentration and air-fuel ratio.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between nozzle vane opening and supercharging pressure.
FIG. 7 is a flowchart showing a nozzle vane control routine of the present invention.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between the nozzle vane opening and the air-fuel ratio.
FIG. 9 is a flowchart showing another nozzle vane control routine of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 ... Internal combustion engine
2 ... Intake branch pipe
6. Air flow meter
7 .... Variable nozzle type turbocharger
10 ... Exhaust branch pipe
18 ... Exhaust recirculation passage
19 ... EGR valve
20 ... Intake pressure sensor
22 ... Crank position sensor
23 Accelerator opening sensor
100 ・ ・ ECU
Claims (5)
内燃機関の運転状態における推定スモーク濃度を検出する推定スモーク濃度検出手段と、内燃機関の運転状態に応じた目標スモーク濃度の記憶手段と、
前記可変容量型ターボチャージャのノズルベーン開度を制御するノズルベーン開度制御手段と、を備え、
前記ノズルベーン開度制御手段は、前記推定スモーク濃度検出手段によって検出された推定スモーク濃度が目標スモーク濃度より大きい場合、ノズルベーン開度を大きくすることを特徴とする可変容量型ターボチャージャの制御装置。In an apparatus for controlling a variable displacement turbocharger that varies the flow rate of exhaust gas blown to a turbine wheel in order to make the supercharging pressure of intake air a desired pressure,
An estimated smoke concentration detecting means for detecting an estimated smoke concentration in an operating state of the internal combustion engine; a storage means for storing a target smoke concentration according to the operating state of the internal combustion engine;
Nozzle vane opening control means for controlling the nozzle vane opening of the variable displacement turbocharger, and
The nozzle vane opening control means increases the nozzle vane opening when the estimated smoke concentration detected by the estimated smoke concentration detection means is larger than a target smoke concentration .
空燃比を算出する空燃比算出手段と、
限界スモーク濃度に対応する限界空燃比の記憶手段と、
前記可変容量型ターボチャージャのノズルベーン開度を制御するノズルベーン開度制御手段と、を備え、
前記空燃比算出手段によって算出された空燃比が限界空燃比よりも小さい場合、ノズルベ
ーン開度を大きくすることを特徴とする可変容量型ターボチャージャの制御装置。In an apparatus for controlling a variable displacement turbocharger that varies the flow rate of exhaust gas blown to a turbine wheel in order to make the supercharging pressure of intake air a desired pressure,
Air-fuel ratio calculating means for calculating the air-fuel ratio;
Means for storing the limit air-fuel ratio corresponding to the limit smoke concentration;
Nozzle vane opening control means for controlling the nozzle vane opening of the variable displacement turbocharger, and
When the air-fuel ratio calculated by the air-fuel ratio calculating means is smaller than the limit air-fuel ratio, the nozzle base
A variable capacity turbocharger control device characterized by increasing the engine opening .
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