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JP3773866B2 - 基板の組立方法およびその装置 - Google Patents

基板の組立方法およびその装置 Download PDF

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JP3773866B2
JP3773866B2 JP2002069448A JP2002069448A JP3773866B2 JP 3773866 B2 JP3773866 B2 JP 3773866B2 JP 2002069448 A JP2002069448 A JP 2002069448A JP 2002069448 A JP2002069448 A JP 2002069448A JP 3773866 B2 JP3773866 B2 JP 3773866B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空チャンバ内で貼り合せる基板同士をそれぞれ保持して対向させ、減圧状態で間隔を狭めて貼り合わせる基板の組立方法とその装置に関する
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルの製造方法には、2つの方法がある。1つは、透明電極や薄膜トランジスタアレイを付けた2枚のガラス基板を数μm程度の極めて接近した間隔をもって接着剤(以下、シール剤ともいう)で貼り合わせ(以後、貼り合せ後の基板をセルと呼ぶ)、それによって形成される空間に液晶を封入する方法である。もう1つの方法は、注入口を設けないようにシール剤をクローズしたパターンに描画した一方の基板上に液晶を滴下しておいて他方の基板を一方の基板上に配置し真空中で上下の基板を接近させて貼り合せる方法がある。ところで、基板同士を貼り合せる装置として、特開2001−133745号公報に記載のように、加圧力を加える前に上側基板を保持する方法として、粘着手段で保持し、基板間の間隔を狭めて貼り合せる装置が開示されている。また、具体的な実施例として、粘着手段は粘着シートを用いる方法と、加圧板内に開口部を設けて、その開口部を粘着部材が上下するよう、加圧板上部に設けたアクチュエータ設けた構成が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、大気中で粘着手段に基板を接触させて保持する構成としてある。このように大気中で粘着手段を用いて基板を保持すると、基板の凹凸や、基板のたわみ等により、基板と粘着手段の間に空気が入り込み、チャンバを減圧していくと、基板と粘着手段間の空気が膨張して、最悪の場合基板を保持できなくなる場合もある。
【0004】
それゆえ本発明の目的は、基板サイズが大型化、薄板化しても、画面不良の発生しない高真空中で高精度に貼り合せるために、基板を確実に加圧板に保持できる基板貼り合わせ装置と基板貼り合わせ方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の特徴とするところは、一方の基板を保持する加圧板に吸引吸着用の複数の吸引口と、粘着により基板を保持する複数の粘着手段を設け、前記粘着手段を設けた開口部と基板で構成される空間部を減圧する減圧流路を設けたことを特徴とする。また、他方の基板を保持するテーブルにも加圧板に設けた構成の吸引吸着用の複数の吸引口と粘着手段手段を設けた。また、粘着手段は粘着手段を設けた開口と基板とで形成される空間部を減圧状態にしてから、粘着手段を基板に押し付けて保持するようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1に本発明の基板貼り合わせ装置の全体構成を示す。
図1において、本発明になる基板組立装置100は、下チャンバ部T1と上チャンバ部T2から構成され、下チャンバ部T1の下には、XYθ駆動機構(図示を省略した)が備えられている。このXY駆動機構により、下チャンバ部T1は、図面上で左右のX軸方向と、X軸と直交するY軸方向に往来できるようになっている。また、θ駆動機構により、シャフト2から真空シール3を介して下基板1aを搭載するテーブル4を下チャンバユニット5に対して水平に回動可能としてある。下基板1aは、テーブル4上に搭載されると、テーブル4に設けた吸引口7cに吸引吸着される。なお吸引口7cには、配管16aの一方端が接続され、他方端には図示していないバルブを介して減圧(負圧)源が接続されている。この負圧源から供給された負圧により、下基板1aが吸引口7cに吸引吸着される構造になっている。
【0007】
上チャンバ部T2は、上チャンバユニット6と、その内部に加圧板7を設けた構成となっており、上チャンバユニット6と加圧板7とはそれぞれ独立して上下動できる構造になっている。即ち、上チャンバユニット6は、リニアブッシュと真空シールを内蔵したハウジング8を有しており、シャフト9をガイドとしてフレーム10に固定されたシリンダ11により上下のZ軸方向に移動する。また、加圧板7はシャフト9に設けた駆動装置(図示せず)により上下(Z軸方向)に移動する。
【0008】
また上基板1bは、加圧板7の下面に設けた吸引口7dに吸引吸着される。この吸引口7dは、配管16bの一端側が接続され、配管16bの他端側には図示していないバルブを介して負圧源が接続されている。この負圧源から負圧を供給することで、上基板1bが加圧板7に吸引吸着される構造になっている。
【0009】
XYθ駆動機構上の下チャンバ部T1が上チャンバー部T2の直下に移動して上チャンバユニット6が下降すると、下チャンバユニット5の周りに配置してあるOリング12に上チャンバユニット6のフランジが接触して一体となる。これにより、真空チャンバとして機能する状態になる。ここで、下チャンバユニット5の周囲に設置されたボールベアリング13は、真空によるOリング12のつぶれ量を調整するもので、上下方向の任意の位置に設定可能となっている。Oリング12のつぶれ量が真空チャンバ内を所定の減圧状態に保つことができ、かつ、最大の弾性が得られるように、その位置を設定する。チャンバ内を減圧することにより発生する大きな力は、ボールベアリング13を介して下チャンバユニット5が受けている。そのため、後述する上下基板の貼り合わせ時に下チャンバ部T1をOリング12の弾性範囲内で容易に微動させ精密位置決することができる。
【0010】
ハウジング8は、上チャンバユニット6が下チャンバユニット5と合体して真空チャンバを形成し、内部を減圧することで上チャンバユニットが変形しても、シャフト9に対し圧力漏れを起こさないで上下動できるように真空シールを内蔵している。このため、真空チャンバの変形がシャフト9に与える力を吸収することができ、シャフト9に支持された加圧板7の変形がほぼ防止できる。このため、加圧板7の下面に粘着部材18bにより貼り付けて粘着保持された上基板1bと、テーブル4上に保持された下基板1aとを平行を保った状態で貼り合せが可能となる。尚、前述のように加圧板7の上下動は、シャフト9の上部に設置された図示を省略した駆動機構で行う。
【0011】
上チャンバユニット6の側面に配置された真空配管14は、図示していない真空バルブと配管ホースで負圧源に接続されている。これらは真空チャンバ内を所定圧に減圧する時に使用される。また、リークバルブ17は、真空チャンバ内の真空(減圧)度を増圧方向で任意に調整するために設けてある。ガスパージバルブとチューブ15は、窒素ガス(N)やクリーンドライエアー等の圧力源に接続されており、これらは真空チャンバ内を大気圧に戻す時に使用される。
【0012】
画像認識カメラ22a、22bは、上下各基板1b、1aに設けられている位置合わせマークを読み取るために設置してある。上チャンバユニット6に設けた穴6a、6bの上部には透明な認識用カメラ22a、22b用の覗き窓23a、23bが設けてあり、穴6a、6bからチャンバ内に空気が流れ込まないように真空遮断する。更に、加圧板7にも小径の穴7a、7bが設けてあり、この穴7a、7bを介して基板に設けてある位置合わせマークを見ることができる。
【0013】
次に、上基板1bを保持する粘着部及びその駆動部の機構を図1及び図2を用いて説明する。図2に粘着保持機構部の詳細構成を示す。
【0014】
図2に示すように加圧板7又はテーブル4には開口30が設けられおり、この開口30内に粘着部材18を取り付けたカートリッジ35が、回転軸33の端部に交換自在に取り付けてある。この回転軸33の他方端部側に回転用アクチュエータ32が設けてあり、この回転用アクチュエータ32は移動テーブル36に取り付けてある。また、移動テーブル36には、固定部材37に上下方向に移動する上下駆動軸38の一端が固定され、上下駆動軸38の他端に上下駆動用の上下用アクチュエータ31が設けてある。更に、加圧板7又はテーブル4の内部には負圧源に接続された空道39が設けられ、この空道39から加圧板7及びテーブル4の一方側表面に貫通して吸引口7d、7cが複数設けてある。また空道39は開口30にも連通している。
【0015】
ここで、図2の各アクチュエータ31、32ついて、図1では加圧板側をb、テーブル側をaの符号を添付して示してある。加圧板側のアクチュエータ31b、32bの動作で開口30b内で粘着部材18bが上下、回転する。尚、軸33bは、アクチュエータ31bの直下で上下、回転自在にシール34bでシールされている。更に、開口30bは、空道39と通じており、真空配管16bに図示していないバルブを介して負圧源に接続され、上基板1bを吸引吸着できる構造になっている。なお、開口30bと吸引口7dは図示のように加圧板7の内部で通じさせず、加圧板7の基板と接触する面に開口30bと吸引口7dをつなぐ溝を形成し通じさせてもよい。
【0016】
上基板1bは、粘着部材18bの下面にその粘着作用で加圧板7の下面に吸引吸着をしなくても密着した形で保持できるようになっている。即ち、粘着部材18bは、上基板1bを下基板1aに対して水平に対向させるべく保持できるように、上基板1bの大きさや形状に合せて、適宜な粘着面積や間隔、位置に複数、加圧板7に設けられている。
【0017】
なお、本実施形態では、粘着部材18bを回転させる回転用アクチュエータ32と上下させる上下用アクチュエータ31を別々に設けているが、ボールネジ構造等にして一のアクチュエータで構成することも可能である。また、本実施形態のアクチュエータは圧縮気体方式を用いるもの、又電動方式によるもののいずれの形態でも実現可能であることは言うまでもない。
【0018】
次に、下基板1aは、上記したようにテーブル4上に吸引口7cより配管16aに、図示していないバルブと負圧源に接続され吸引吸着する構造になっている。更に、本実施形態では、加圧板7と同様の構造で、粘着部材18aが内蔵されている。テーブル4に設けた複数の開口30aの下方に、アクチュエータ31a、32aが取り付けてある。そのアクチュエータ31a、32aから上方に向かって伸びた軸33aの先端に、粘着部材18aが設けられている。アクチュエータ31a、32aの動作で開口30a内で粘着部材18aが上下、回転する。軸33aは、軸33bと同様に、アクチュエータ31aの直ぐ上で上下、回転自在にシール34aでシールされている。更に、開口30aは吸引口7cと通じており、配管16aに図示していないバルブを介して負圧源に接続され、下基板1aを吸引吸着できる構造になっている。
【0019】
粘着部材18aも下基板1aを安定保持できるように、下基板1aの大きさや形状に合せて、適宜な粘着面積や間隔、位置でテーブル4に設けられている。なお、基板をテーブル4に固定するために、粘着部材18aを用いる代わりに、機械的なピンやローラを用いてもよい。下基板1aを吸引吸着以外の粘着やピン、ローラで固定する理由は、チャンバ内の減圧を進めていく過程で、チャンバ内の真空(減圧)度が基板を吸引吸着する真空(減圧)度より高くなったとき下基板1aをテーブル4に対して圧力差で固定できなくなる。そのため、装置自体の種々の駆動源、床、負圧源等の加振源からの振動、または、上下基板の貼り合わせ時のシールや液晶の接触時の抵抗により、下基板1aがずれないようにするために粘着又は機械的なピンやローラにより下基板1aを保持するものである。
【0020】
次に、図3及至図6で本基板組立装置で基板を貼り合わせる工程について説明する。図3に基板貼り合わせの動作のフローチャートを示す。図4には装置の動作状態を示す。図5には、基板貼り合わせにおける粘着支持機構の動きを示す。図6に1次貼り合せ後に粘着支持機構を基板面から剥離する動作の説明図を示す。
【0021】
まず、上基板1bはロボットハンド等で加圧板7の下に搬入する(S1)。その後、加圧板7に設けた吸引吸着口に負圧を供給することで、上基板1bは吸引吸着され保持される(S2)。また、下基板1aは、ロボットハンド等でテーブル4上に搬入され(S3)、テーブル4に対して位置決めされた後、吸引吸着で固定される(S4)。尚、下基板1aの上面の外周にはシール剤19がクローズしたパターンで塗布されており、その内側には適量の液晶20が滴下されている。なお本実施形態では、シール剤19を下基板1aに設けてあるが、上基板、又は両方の基板に設けても良い。この状態を図4(a)に示してある。
【0022】
その後、下チャンバ部T1を上チャンバ部T2の位置に移動する(S5)。図4(b)は、XYθ駆動機構上の下チャンバ部T1が上チャンバ部T2の直下に移動し、下基板1aと上基板1bが対向した状態である。上基板1bは、上記したようにすでに加圧板7に対して吸引口7dから吸引吸着で保持されている。更に、開口30bも負圧源に連通する構成となっているため、開口30bにも吸引吸着されている。この時、図5(a)に示すように粘着部材18bは上基板1b面と粘着部材18bは離間した状態であり、粘着部材18bの粘着面と上基板1b間は所定の減圧(真空)状態になっている。この状態から、図4(b)に示すように、アクチュエータ31bの動作で粘着部材18bを上基板面側に移動させ上基板1bに粘着させる(S6)。このように、上基板1bに粘着部材18bを粘着動作させるときは、吸引吸着用の真空配管16bを通じて開口30bと基板面で形成された空間部も減圧した状態になっている。このため、基板と粘着部材間に空気が入ることなく、真空チャンバ内を減圧しても粘着性を保持できる。もし、開口30bを減圧せずに基板と粘着部材間に空気が入いると、真空チャンバ内を減圧していくと、基板と粘着部材間の空気層が膨張することで粘着力が低下して基板を粘着保持することができなくなる。
【0023】
また、本動作は、下基板1aと粘着部材18aの間でも略同時に行われる(S6)が、前述のように下基板1aは、重力方向でテーブル4上にあるので、粘着部材18aで固定せずに機械的なピンやローラで固定してもよい。
【0024】
このように上下基板1b、1aをセットした後、図3(c)に示すようにシリンダ11により上チャンバユニット6を下降させ、下チャンバユニット5の周りに配置してあるOリング12に上チャンバユニット6のフランジを接触させ上下チャンバ部T1、T2を一体にする(S7)。その後、真空配管14からチャンバ内の排気を行う(S8)。上チャンバユニット6と下チャンバユニット5が一体となった真空チャンバ内の減圧が進むにつれ、加圧板7から上基板1bを吸着する減圧度と真空チャンバ内の減圧度の差が小さくなり、加圧板7の吸引吸着作用は無くなるが、上基板1bは、粘着部材18bにより保持されているので落下することはない。
【0025】
この時、粘着部材18bの粘着面と上基板1b間は空気が入っていないため、粘着力が変化することなく固定状態を保持する。そのため、減圧中に空気の膨張による粘着力の低下や上基板1bが落下するという問題は起こらない。また、下基板1aに対しても粘着部材18aの粘着面と下基板1a間は空気が入ることなく粘着固定されているので、空気の膨張による粘着力の低下や上基板1bの暴れは発生しない。
【0026】
さて、真空チャンバ内が所定の真空度に達したら、図5(a)に示すように、上下両基板1b、1aの位置合わせを行いながらシャフト9上の図示していない上下駆動機構を動作させ加圧板7を降下させる。上下駆動機構の動作で、上基板1bが、下基板1aの上面の外周にクローズしたパターンで塗布されたシール剤19を隙間なく接触、または潰すことができる加圧力が加わり上下両基板1b、1aを所望間隔に貼り合わせる(S9)。図5(a)は、拡大した図である。この段階で、下基板1aと上基板1bはシール剤19を介して密閉されたことになるので、この後、真空チャンバ内を増圧しても、クローズしたシールパターン内は、上記した所定の減圧度が保たれ、結果、完成した貼り合わせ基板内に入り込む空気は、非常に少ないものになる。
【0027】
次に、上記したように、真空チャンバ内をリークバルブ17により微小に大気を導入して、吸引口7d内の負圧よりも高い所定の減圧度に増圧し、その圧力差により上下それぞれの基板の保持を可能にする(S10)。この保持力を用いて更に位置決めを行いながら所定の最終加圧力まで加圧板7で加圧する(S11)。この動作を行う理由は、上基板1bがシール剤19に接触した後の加圧過程でも位置決めを行わないと、加圧時の液晶やシール剤の抵抗により基板がずれてしまうからである。
【0028】
因みに、基板同士の位置合わせは、上チャンバユニット6に設けた覗き窓23a、23bから画像認識カメラ22a、22bで上下各基板に設けられている位置合わせマークを読み取って画像処理により位置を計測し下チャンバT1の図示していないXYθ駆動機構を微動させて、高精度な位置合わせを行なう。この微動において、Oリング12が極端に変形しないで減圧状態が維持されるように、ボールベア13が上下チャンバユニット6、5の間隔を維持している。
【0029】
貼り合わせ終了後、上下それぞれの基板1b、1aから粘着部材18b、18aを剥がす時は、図5(b)に示すようにする。即ち、上基板1b側は、アクチュエータ32bを矢印方向に回転動作させ、粘着部材18bを捻りながら、または捻ってから、アクチュエータ31bを動作させて粘着部材18bを基板面から退行させる。下基板1a側も同様に、アクチュエータ32aを矢印方向に回転動作させ、粘着部材18aを捻りながら、または捻ってから、アクチュエータ31aを動作させて基板面から退行させる(S12)。上記の捻り動作は、基板から粘着部材を剥がし易くするために必要な手段である。捻り方向は、図5(b)に示す方向と逆でもよい。また、粘着部材を退行させるときは、それぞれの開口30a、30bの周縁部がそれぞれの基板1b、1aの移動を阻止する。従って、上記した捻りと退行動作で、容易に粘着部材を基板から剥がすことができる。
【0030】
その後、真空チャンバ内にガスパージバルブ15を開けて窒素ガス(N)やクリーンドライエアー等を供給し内部をパージしつつ大気圧に戻し(S13)、吸引口7dからの基板吸着を解除し加圧板7を上昇させる(S14)。この後、上チャンバユニット6を上昇させ、下チャンバ部T1を最初の位置(図3(a))の位置に移動し(S15)、貼り合せた後のセルpcをテーブル4から取り出す(S16)。貼り合わせ後の上下基板、即ちセルpcは、周りの大気圧で上下面が均一に押され、精度よく所定のセルギャップに到達する。以上の動作で基板の貼り合せ動作が完了する。上記大気中で所定のセルギャップになると、シール剤に光を照射して硬化させて貼り合せ作業が完了する。なお、機械的な加圧終了後(ステップS12終了後)に光を照射してシール剤を仮固定する場合もある。又、粘着部材による基板の保持動作を下チャンバT1を移動した後で行うようにしているが、下チャンバを移動する前に行っても良い。更に、粘着部材を基板面から剥離する動作に関しても、真空チャンバ内を大気圧に戻してから行っても良い。
【0031】
更に、上記実施形態では加圧板側の粘着部材を剥離する動作を加圧板による最終加圧が終了してから行っている。これに対して、吸引吸着による保持のできない状態(粘着保持の状態)で基板を一次加圧した後、チャンバ内を増圧して、吸引吸着で基板を保持した状態にしたときに粘着部材を、捻りながら基板面から剥離し、その後加圧板により位置合わせしながら最終加圧力を加えても良い。
【0032】
次に、図6、図7で本発明の他の実施形態の基板貼り合わせを説明する。
【0033】
この他の実施形態では、上下基板を前述した実施形態の如く加圧板とテーブルにセットした後、真空チャンバ内を所定の減圧状態にする。その後、図6(a)で説明したように、上下両基板1b、1aの位置合わせを行いながら、シャフト9上の図示していない上下駆動機構を動作させ加圧板7を降下させる。これにより、上基板1bが、下基板1aの上面の外周にクローズしたパターンで塗布されたシール剤19に接触するまで近接させる。前述した実施形態はこの後、真空チャンバ内の圧力を吸引口7d内の圧力よりも高い所定の減圧度に増圧し、その圧力差により上下それぞれの基板を吸引力で保持し、更に位置決めを行いながら所定の最終加圧力まで加圧した。
【0034】
しかし、この他の実施形態は、真空チャンバの増圧による圧力差を利用しない。即ち、加圧板7およびテーブル4の基板との接触面に、図7に示すように摩擦係数の大きい樹脂24あるいはゴム25を部分的に形成する。そして、加圧位置決め時に、加圧板7とテーブル4に対する基板1a、1bの水平方向の滑りを摩擦力で防止する。これにより、チャンバ内を増圧せず、そのままの減圧度を保った状態で、更に位置決めを行いながら所定の最終加圧力まで加圧板7にて加圧する。上記の樹脂24あるいはゴム25は、全面に形成しても良い。尚、図7は、簡略したため、吸引口、開口、粘着部材や周囲の部分は、省略してある。
【0035】
貼り合わせ後の上下それぞれの基板から粘着部材を剥がす時および、それ以後の動作は、前述した実施形態と同様に行う。
【0036】
本発明は以上説明した実施形態に限らず、以下の様に実施しても良い。
【0037】
(1) 粘着部材18bの粘着面と上基板1b間に空気が入ることなく粘着可能にするため、吸引口7dと開口30bは通じている構造としているが、この構造とせず、粘着部材18bの粘着面にも基板を吸着する1箇所以上の吸引吸着口を設け、大気中で粘着面を基板に接触させ吸着と粘着で保持した後、減圧を進める過程で発生する粘着面と基板の間の膨張した空気を直ぐに粘着面の吸引吸着手段で吸引して基板の落下を防止してもよい。この場合、開口30bは、真空チャンバ内と通じさせる。尚、下基板1a側の構造も同様になる。また、開口30bを吸引口7dと連通するのではなく別に負圧源と連通する構成としても良い。
【0038】
(2)上記(1)の他の方法として、粘着部材18bの粘着面を凹凸状に形成し、大気中で粘着時に凸部分に空気が入り難くし、かつ、減圧を進める過程で発生する粘着面の凸部分と基板の間の膨張した空気を直ぐに凹部分から真空チャンバ内に逃がして基板の落下を防止してもよい。この場合、開口30bは、真空チャンバ内と通じさせる。尚、下基板1a側の構造も同様になる。
【0039】
(3)吸引口は、加圧板7またはテーブル4にディンプル加工を行い、この溝部を利用してそれぞれの基板を吸引吸着しても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基板サイズが大型化、薄板化しても真空中で不良の発生がなく、かつ、高精度に同程度の基板同士を貼り合せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す基板組立装置の概略断面図である。
【図2】粘着保持機構の一例の詳細図である。
【図3】基板貼り合せのフローチャートである。
【図4】上下両基板を貼り合わせる工程を示す要部の断面図である。
【図5】粘着保持機構による粘着時の動作説明図。
【図6】粘着保持機構の基板面より剥離する時の動作説明図である。
【図7】加圧板、及びテーブルに増摩擦部材を設けた場合の一例を示した図である。
【符号の説明】
1a…下基板、1b…上基板、2…シャフト、3…真空シール、4…テーブル、5…下チャンバユニット、6…上チャンバユニット、7…加圧板、7c、7d…吸着口、8…ハウジング、9…シャフト、10…フレーム、11…シリンダ、18…粘着部材、30…開口、31…上下用アクチュエータ、32…回転用アクチュエータ。

Claims (6)

  1. 貼り合わせる一方の基板を加圧板側に設けた粘着保持機構により保持し、貼り合わせる他方の基板をテーブル上に保持して対向させ、いれかの基板に設けた接着剤により減圧した雰囲気中で間隔を狭めて貼り合わせる基板の組立方法において、
    前記一方の基板を大気中で吸引吸着力を作用させて吸引吸着し、その状態で前記粘着保持機構を動作させて基板を粘着部材で保持し、チャンバ内を所定の減圧状態にして両基板を所定の加圧力で貼り合わせを行い、その後、チャンバ内を加圧して吸引吸着力が作用する雰囲気にした後、加圧力を作用させた状態で前記粘着保持機構を駆動して前記基板面から前記粘着部材を剥離させることを特徴とする基板の組立方法。
  2. 請求項1に記載の基板の組立方法において、
    前記粘着部材を基板面から剥離するときに、前記粘着保持機構に設けられた粘着部材取り付け軸を駆動することで、前記粘着部材を捻りながら、または捻ってから剥離させることを特徴とする基板の組立方法。
  3. 貼り合わせる一方の基板を加圧板側に設けた粘着保持機構により保持し、貼り合わせる他方の基板をテーブル上に保持して対向させ、いずれかの基板に設けた接着剤により減圧した雰囲気中で間隔を狭めて貼り合わせる基板の組立方法において、
    一方の基板を加圧板に内蔵させた粘着手段で保持し、チャンバ内を所定の減圧度まで減圧した後に、前記加圧板を動作させ、どちらか一方の基板に設けた接着剤をつぶすことで貼り合わせた後、チャンバ内の減圧度を基板を吸引吸着で吸着保持できるまで増圧し、吸引吸着した状態で位置合わせマークを観測して、位置を合わせながら更に加圧板にて所定の加圧力に達するまで加圧し、その後前記粘着部剤を捻りながら退行させることを特徴とする基板の組立方法。
  4. 貼り合わせる一方の基板を保持する加圧板と、前記加圧板側に設けた粘着保持機構と、貼り合わせる他方の基板を保持するテーブルと、前記加圧板或いはテーブルの少なくともいずれか一方に設けた駆動機構により基板間の間隔を狭めて、少なくとも一方の基板に設けた接着剤により減圧した雰囲気中で貼り合わせを行う基板組立装置において、
    前記加圧板に負圧により基板を保持する複数の吸引口を設けると共に、前記吸引口から前記粘着保持機構の粘着部材を収納する開口に連通する気体の流路を設け、前記粘着保持機構は、基板を保持する粘着部材と、前記加圧板面を前記基板面に押し付けた状態で前記粘着部材を基板面から捻りながら後退させる駆動機構とを備えていることを特徴とする基板組立装置。
  5. 請求項4に記載の基板組立装置において、
    前記粘着保持機構を前記テーブル側にも設けたことを特徴とする基板組立装置。
  6. 請求項5に記載の基板組立装置において、
    前記加圧板およびテーブルに摩擦係数の大きい樹脂あるいはゴムを部分的に設けたことを特徴とする基板組立装置。
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