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JP3766262B2 - バラントランス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器等において、伝送線路のインピーダンスを変換するためのインピーダンス変換器や、平衡伝送線路の信号及び不平衡伝送線路の信号を相互に変換するための信号変換器ないし位相変換器などに用いられるバラントランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のバラントランスには、図8に示す様に入力端子81とアース間に接続された1次側コイルL5及び、出力端子82と出力端子83間に接続された2次側コイルL6、L7を備えたものがある。この2次側コイルL6と2次側コイルL7の接続点はアースされる。また、1次側コイルL5と並列にインピーダンスマッチング用コンデンサC3が接続され、2次側コイルと並列にインピーダンスマッチング用コンデンサC4が接続される。
このバラントランスは、入力端子に不平衡伝送線路が接続され、出力端子に平衡伝送線路が接続される。そして、このバラントランスによって、不平衡伝送線路の信号が平衡伝送線路の2つの信号線路間に取り出され、平衡伝送線路の2つの信号線路間の信号が不平衡伝送線路に取り出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のバラントランスは、小型化、薄型化等の要求に伴って、巻線を用いない固体化した積層型のものが用いられるようになっている。しかしながら、従来のバラントランスは、回路素子の数が多いために十分に小型化できていない。
また、この様なバラントランスは、1次側コイルL5のインダクタンスとコンデンサC3の容量及び、2次側コイルL6、L7の合成インダクタンスとコンデンサC4の容量によって使用周波数帯域が決定され、1次側コイルL5と2次側コイルL6、L7の巻数比とコンデンサC3、C4の容量によって入力端子と出力端子間のインピーダンス比が決定される。
従って、従来のバラントランスは、使用周波数帯域及び平衡伝送線路−不平衡伝送線路間のインピーダンス比に応じて、コンデンサC3、C4のパターン形状を変えたり、コイル間の巻数比を調整したりして回路素子の定数を最適値に設定する必要があるので、使用周波数帯域の種類及び平衡伝送線路−不平衡伝送線路間のインピーダンス比の種類分だけパターンの種類を用意しなければならず生産性が低下すると共に、設計・製造が複雑になるという問題があった。また、従来のバラントランスは、図9に示すように使用周波数帯域付近から出力端子82から出力される信号と出力端子83から出力される信号の位相差が180度からずれて位相特性94が劣化しやすく、使用できる周波数の帯域幅が狭くなる。なお、図9において、91は出力端子82から出力された信号の特性、92は出力端子83から出力された信号の特性、93はリターンロスを示している。
【0004】
本発明は、使用周波数帯域及び平衡伝送線路−不平衡伝送線路間のインピーダンス比が変わっても、生産性が低下したり、設計・製造が複雑になったりすることのないバラントランスを提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、形状を小型化できると共に、使用周波数帯域を広くできるバラントランスを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のバラントランスは、表面に第1のコイル用導体パターンと第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層を積層し、第1のコイル用導体パターン同士及び第2のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される共に、第1のコイルと第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続され、表面に第3のコイル用導体パターンと第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を積層し、第3のコイル用導体パターン同士及び第4のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成され、第1のコイルと第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ第2のコイルと第4のコイルが電磁気的に結合するように第1のコイルと第2のコイルを第2の絶縁層を介して第3のコイルと第4のコイルに対向させ、第1のコイルと第2のコイルを第1の絶縁層を介してアース電極に対向させ、第3のコイルと第4のコイルが第1の出力端子と第2の出力端子間に接続され、第3のコイルと第4のコイルの接続点がアースされる。
また、本発明のバラントランスは、表面に第1のコイル用導体パターンと第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層を積層し、第1のコイル用導体パターン同士及び第2のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される共に、第1のコイルと第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続され、表面に第3のコイル用導体パターンと第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を積層し、第3のコイル用導体パターン同士及び第4のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成されると共に、第3のコイルと第4のコイルが第1の出力端子と第2の出力端子間に接続され、第1のコイルと第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ第2のコイルと第4のコイルが電磁気的に結合するように第1のコイルと第2のコイルを第2の絶縁層を介して第3のコイルと第4のコイルに対向させ、第3のコイルと第4のコイルの接続点が、第1の絶縁層を介して第1のコイルと第2のコイルに対向したアース電極に接続される。
さらに、本発明のバラントランスは、表面に第1のコイル用導体パターンと第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層を積層し、第1のコイル用導体パターン同士及び第2のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される共に、第1のコイルと第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続され、表面に第3のコイル用導体パターンと第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を積層し、第3のコイル用導体パターン同士及び第4のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成されると共に、第3のコイルの一端が第1の出力端子に、第4のコイルの一端が第2の出力端子にそれぞれ接続され、第1のコイルと第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ第2のコイルと第4のコイルが電磁気的に結合するように第1のコイルと第2のコイルを第2の絶縁層を介して第3のコイルと第4のコイルに対向させ、第3のコイルの他端と第4のコイルの他端が、第1の絶縁層を介して第1のコイルと第2のコイルに対向したアース電極に接続される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のバラントランスは、表面に第1のコイル用導体パターンと第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層と、表面に第3のコイル用導体パターンと第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を備える。
この複数の第1の絶縁層を積層し、第1のコイル用導体パターン同士及び第2のコイル用導体パターン同士を接続することにより同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される。また、複数の第2の絶縁層を積層し、第3のコイル用導体パターン同士及び第4のコイル用導体パターン同士を接続することにより同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成される。
そして、第1のコイルと第2のコイルを第2の絶縁層を介して第3のコイルと第4のコイルに対向させることにより第1のコイルと第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ第2のコイルと第4のコイルが電磁気的に結合する。
また、第1のコイルと第2のコイルを第1の絶縁層を介してアース電極に対向させる。
そして、第1のコイルと第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続される。また、第3のコイルと第4のコイルは、第3のコイルの一端が第1の出力端子に接続され、第4のコイルの一端が第2の出力端子に接続される。さらに、第3のコイルと第4のコイルは、それぞれの他端を共通に接続してその共通接続端がアース電極に接続される、又は、それぞれの他端が、第1のコイルと第2のコイルに対向したアース電極にそれぞれ接続される。この様に第1の出力端子と第2の出力端子間に接続された第3のコイルと第4のコイルは、その接続点がアース電極に接続される。
【0007】
【実施例】
以下、本発明のバラントランスを図1乃至図7を参照して説明する。
図1は本発明のバラントランスの実施例を示す回路図、図2は本発明のバラントランスの実施例を示す分解斜視図、図3は本発明のバラントランスの実施例の斜視図である。
図1において、11は入力端子、12、13は出力端子、14はダミー端子である。
入力端子11とダミー端子14間には、同じターン数を有するコイルL1とコイルL2が直列に接続される。また、出力端子12と出力端子13間には、同じターン数を有するコイルL3とコイルL4が接続される。このコイルL3とコイルL4の接続点は、アースされる。
そして、コイルL1とコイルL3が電磁気的に結合し、コイルL2とコイルL4が電磁気的に結合する。なお、C1はコイルL1とコイルL3間に生じる浮遊容量であり、C2はコイルL2とコイルL4間に生じる浮遊容量である。
このバラントランスは、入力端子11に不平衡線路が接続され、出力端子12、13に平衡伝送線路が接続される。
不平衡線路から入力された信号は、コイルL1からコイルL3に伝達されると共に、コイルL2からコイルL4に伝達される。このとき、コイルL1とコイルL2は同じターン数を有するので、コイルL3とコイルL4に伝達される信号の大きさは等しくなる。このコイルL3とコイルL4に伝達された信号は、出力端子12、13から出力される。このとき、コイルL3とコイルL4は同じターン数を有するので、出力端子12から出力される信号の大きさと出力端子13から出力される信号の大きさが等しくなる。
また、平衡伝送線路から入力された信号は、コイルL3とコイルL4からそれぞれコイルL1とコイルL2に伝達される。このコイルL1とコイルL2に伝達された信号は、合成されて出力される。
【0008】
この様な回路構成のバラントランスは、図2の様に絶縁層と導体層を交互に積層して絶縁層の積層体内に回路素子が形成される。
絶縁層21a、21b、21c、21d、21e、21fは、誘電体材料又は磁性体材料で形成される。
絶縁層21aの表面には、アース電極22が形成される。このアース電極22は絶縁層21aの対向する側面まで引出される。
絶縁層21bの表面、絶縁層21cの表面には、それぞれコイル用導体パターン23とコイル用導体パターン24が互いに線対称になるように形成される。このコイル用導体パターン23、24は、スルーホールを介して絶縁層21bの導体パターン23と絶縁層21cの導体パターン23とをらせん状に接続してコイルL1が形成され、スルーホールを介して絶縁層21bの導体パターン24と絶縁層21cの導体パターン24とをらせん状に接続してコイルL2が形成される。このコイルL1とコイルL2は、同じターン数になる様に形成され、絶縁層21bの導体パターン23と導体パターン24が接続されることにより互いに接続される。そして、絶縁層21c上の導体パターン23の一端と導体パターン24の一端が絶縁層21cの同じ側面まで引出される。
絶縁層21dの表面、絶縁層21eの表面には、それぞれコイル用導体パターン25とコイル用導体パターン26が互いに線対称になるように形成される。このとき、絶縁層21dのコイル用導体パターン25、26は、絶縁層21cのコイル用導体パターン23、24と対向する位置に形成される。このコイル用導体パターン25、26は、スルーホールを介して絶縁層21dの導体パターン25と絶縁層21eの導体パターン25とをらせん状に接続してコイルL3が形成され、同様にスルーホールを介して絶縁層21dの導体パターン26と絶縁層21eの導体パターン26とをらせん状に接続してコイルL4が形成される。このコイルL3とコイルL4は、同じターン数になる様に形成され、絶縁層21dの導体パターン25と導体パターン26が接続されることにより互いに接続される。この絶縁層21dの導体パターン25と導体パターン26の共通接続端は、アース電極22が引出された一方の側面まで引出される。また、絶縁層21e上の導体パターン25の一端と導体パターン26の一端が絶縁層21eの同じ側面まで引出される。
絶縁層21aから絶縁層21eまで順次積層し、保護用の絶縁層21fで覆われた積層体の側面には、図3に示す様に端子電極31、32、33、34、35、36が形成される。
そして、絶縁層21cの導体パターン23の一端が端子電極31に、絶縁層21cの導体パターン24の一端が端子電極34に接続されることによりコイルL1とコイルL2が入力端子11とダミー端子14間に接続される。また、絶縁層21eの導体パターン25の一端が端子電極32に、絶縁層21eの導体パターン26の一端が端子電極33に接続されることによりコイルL3とコイルL4が出力端子12と出力端子13間に接続される。そして、絶縁層21aのアース電極22と、絶縁層21dの導体パターン25と導体パターン26の共通接続端が端子電極35に接続されることにより、コイルL3の他端とコイルL4の他端がアース電極22に接続される。なお、36は、絶縁層21aのアース電極22が接続された端子電極である。
このように形成されたバラントランスは、絶縁層21dを介してコイルL1、L2とコイルL3、L4が対向しているので、コイルL1とコイルL3間に浮遊容量C1が、コイルL2とコイルL4間に浮遊容量C2がそれぞれ発生する。
【0009】
この様に形成されたバラントランスにおいて、コイル用導体パターン23、24、25、26の線幅を100μm、絶縁層21a、21b、21c、21d、21eの厚みを100μm、コイルL1、L2、L3、L4のターン数を2ターンにしたところ、入力端子11と出力端子12、13間のインピーダンス比が50Ω:200Ωとなり、図4に示す様に2000MHz〜2500MHzの使用周波数帯域が得られ、その使用周波数帯域内において180度の位相特性が得られた。なお、図4において、横軸は周波数、縦軸は減衰量と位相、41は出力端子12から出力された信号の特性、42は出力端子13から出力された信号の特性、43はリターンロス、44は位相特性を示している。
また、コイル用導体パターン23、24、25、26の線幅を100μm、絶縁層21a、21b、21c、21d、21eの厚みを100μm、コイルL1、L2のターン数を2ターン、コイルL3、L4のターン数を1ターンにしたところ、入力端子11と出力端子12、13間のインピーダンス比が50Ω:50Ωとなり、図5に示す様に2000MHz〜2500MHzの使用周波数帯域が得られ、その使用周波数帯域内において180度の位相特性が得られた。なお、図5において、横軸は周波数、縦軸は減衰量と位相、51は出力端子12から出力された信号の特性、52は出力端子13から出力された信号の特性、53はリターンロス、54は位相特性を示している。
さらに、コイル用導体パターン23、24、25、26の線幅を100μm、絶縁層21a、21b、21c、21d、21eの厚みを100μm、コイルL1、L2、L3、L4のターン数を5ターンにしたところ、入力端子11と出力端子12、13間のインピーダンス比が50Ω:200Ωとなり、図6の様に800MHz〜1000MHzの使用周波数帯域が得られ、その使用周波数帯域内において180度の位相特性が得られた。なお、図6において、横軸は周波数、縦軸は減衰量と位相、61は出力端子12から出力された信号の特性、62は出力端子13から出力された信号の特性、63はリターンロス、64は位相特性を示している。
この様に本発明のバラントランスは、コイル全体のターン数によって使用周波数帯域が決定され、コイルL1、L2とコイルL3、L4の巻数比によって入力端子と出力端子間のインピーダンス比が決定される。なお、本発明のバラントランスは、絶縁層21bの厚みを変えることによって、出力端子12と出力端子13間の出力差(電力の差)を調整することができる。
【0010】
図7は本発明のバラントランスの別の実施例であり、絶縁層と導体層を交互に積層して絶縁層の積層体内に回路素子を形成し、図1の回路を構成したものである。
絶縁層71aの表面には、アース用パターン72が形成される。このアース電極72は絶縁層71aの対向する側面まで引出される。
絶縁層71b、71c、71d、71eの表面には、それぞれコイル用導体パターン73とコイル用導体パターン74が互いに線対称になるように形成される。このコイル用導体パターン73、74は、スルーホールを介して絶縁層71bから絶縁層71eまでの導体パターン73をらせん状に接続してコイルL1が形成され、スルーホールを介して絶縁層71bから絶縁層71eまでの導体パターン74をらせん状に接続してコイルL2が形成される。
このコイルL1とコイルL2は、同じターン数になる様に形成され、絶縁層71bの導体パターン73と導体パターン74が接続されることにより互いに接続される。そして、絶縁層71e上の導体パターン73の一端と導体パターン74の一端が絶縁層71eの互いに対向する側面に引出される。
絶縁層71f、71g、71h、71iの表面には、それぞれコイル用導体パターン75とコイル用導体パターン76が互いに線対称になるように形成される。このとき、絶縁層71fのコイル用導体パターン75、76は、絶縁層71eのコイル用導体パターン73、74と対向する位置に形成される。このコイル用導体パターン75、76は、スルーホールを介して絶縁層71fから絶縁層71iまでの導体パターン75をらせん状に接続してコイルL3が形成され、同様にスルーホールを介して絶縁層71fから絶縁層71iまでの導体パターン76をらせん状に接続してコイルL4が形成される。
このコイルL3とコイルL4は、同じターン数になるように形成され、絶縁層71f上の導体パターン75の一端と導体パターン76の一端が絶縁層71fの互いに対向する側面のアース電極72が引出された位置と対応する位置に引出される。また、絶縁層71i上の導体パターン75の一端と導体パターン76の一端が絶縁層71iの互いに対向する側面に引出される。
絶縁層71aから絶縁層71iまで順次積層し、保護用の絶縁層71jで覆われた積層体の側面には、端子電極が形成される。
そして、絶縁層71eの導体パターン73の一端と、絶縁層71eの導体パターン74の一端がそれぞれ端子電極に接続されることによりコイルL1とコイルL2が入力端子11とダミー端子14間に接続される。また、絶縁層71fの導体パターン75の一端と導体パターン76の一端がそれぞれ端子電極を介してアース電極に接続され、絶縁層71iの導体パターン75の一端と導体パターン76の一端が端子電極に接続されることによりコイルL3とコイルL4が出力端子12と出力端子13間に接続される。
【0011】
以上、本発明のバラントランスの実施例を述べたが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。例えば、第3のコイルの他端と第4のコイルの他端は、スルーホールを介してアース電極に接続されてもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のバラントランスは、表面に第1のコイル用導体パターンと第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層を積層し、第1のコイル用導体パターン同士及び第2のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される共に、第1のコイルと第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続され、表面に第3のコイル用導体パターンと第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を積層し、第3のコイル用導体パターン同士及び第4のコイル用導体パターン同士を接続して同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成され、第1のコイルと第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ第2のコイルと第4のコイルが電磁気的に結合するように第1のコイルと第2のコイルを第2の絶縁層を介して第3のコイルと第4のコイルに対向させ、第1のコイルと第2のコイルを第1の絶縁層を介してアース電極に対向させ、第3のコイルと第4のコイルが第1の出力端子と第2の出力端子間に接続され、第3のコイルと第4のコイルの接続点がアースされたので、インピーダンスマッチング用コンデンサが不用になると共に、コイルのターン数によって特性を決定できる。
従って、本発明のバラントランスは、使用周波数帯域及び平衡伝送線路−不平衡伝送線路間のインピーダンス比が変わっても、コイルのターン数を変えるだけなので、パターンの流用が可能となり、生産性を向上できると共に、設計・製造が容易になる。また、本発明のバラントランスは、回路素子の数を少なくできるので、形状を小型化できる。さらに、本発明のバラントランスは、使用周波数内における出力端子間の位相差をほぼ180にすることができるので、使用周波数帯域を広くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のバラントランスの実施例を示す回路図である。
【図2】 本発明のバラントランスの実施例を示す分解斜視図である。
【図3】 本発明のバラントランスの実施例を示す斜視図である。
【図4】 本発明のバラントランスの特性図である。
【図5】 本発明のバラントランスの特性図である。
【図6】 本発明のバラントランスの特性図である。
【図7】 本発明のバラントランスの別の実施例を示す分解斜視図である。
【図8】 従来のバラントランスの回路図である。
【図9】 従来のバラントランスの特性図である。
【符号の説明】
11 入力端子
12、13 出力端子

Claims (1)

  1. アース電極が形成された絶縁層上に、表面に1ターン未満の第1のコイル用導体パターンと1ターン未満の第2のコイル用導体パターンが形成された複数の第1の絶縁層を積層し、該第1のコイル用導体パターン同士及び該第2のコイル用導体パターン同士をそれぞれらせん状に接続して同じターン数を有する第1のコイルと第2のコイルが形成される共に、該第1のコイルと該第2のコイルが入力端子とダミー端子間に接続され、
    該第1のコイルの入力端子側の引出し端部と該第2のコイルのダミー端子側の引出し端部が形成された該第1の絶縁層上に、表面に1ターン未満の第3のコイル用導体パターンと1ターン未満の第4のコイル用導体パターンが形成された複数の第2の絶縁層を積層し、該第3のコイル用導体パターン同士及び該第4のコイル用導体パターン同士をそれぞれらせん状に接続して同じターン数を有する第3のコイルと第4のコイルが形成されると共に、該第3のコイルの該第1のコイルに近接する側の端部と該第4のコイルの該第2のコイルに近接する側の端部をアースし、該第3のコイルの他方の端部を第1の出力端子に、該第4のコイルの他方の端部を第2の出力端子にそれぞれ接続して、該第3のコイルと該第4のコイルを第1の出力端子と第2の出力端子間に接続することにより、
    これら積層体内に、該第1のコイルと該第3のコイルが電磁気的に結合し、かつ該第2のコイルと該第4のコイルが電磁気的に結合し、該入力端子と該ダミー端子間に該第1のコイルと該第2のコイルが直列に接続され、該第1の出力端子と該第2の出力端子間にアースされた該第3のコイルと該第4のコイルが接続され、第3のコイルのアース側と入力端子間に第1のコンデンサが、第4のコイルのアース側とダミー端子間に第2のコンデンサがそれぞれ形成されたバラントランス回路が形成されたことを特徴とするバラントランス。
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