JP3764224B2 - 動物繊維処理剤組成物 - Google Patents
動物繊維処理剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3764224B2 JP3764224B2 JP30585396A JP30585396A JP3764224B2 JP 3764224 B2 JP3764224 B2 JP 3764224B2 JP 30585396 A JP30585396 A JP 30585396A JP 30585396 A JP30585396 A JP 30585396A JP 3764224 B2 JP3764224 B2 JP 3764224B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- parts
- monovalent hydrocarbon
- weight
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動物繊維処理剤組成物に関する。詳しくは、羊毛に代表される動物繊維に優れた風合いと防縮性を付与し得る水性エマルジョン型の動物繊維処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
羊毛製のズボン,スーツ,セーター等は、水で洗濯すると羊毛繊維同士がからみ合ってフェルト化し、収縮するという欠点を有する。このため家庭でも手軽に洗濯でき、しかも収縮することのない羊毛製品が所望されている。これに応えるために、例えば羊毛繊維または羊毛製品をウレタン系の防縮加工剤で処理することが知られているが、この方法では風合が粗硬になり、羊毛本来の柔軟性が損われるという問題点があった。このような問題点を改良するために、シリコーン系繊維処理剤において数多くの検討がなされており、例えば、メトキシ基含有ジメチルポリシロキサン,シリカ,アミノプロピルトリエトキシシランとマレイン酸無水物の反応生成物,アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランおよび錫触媒からなる水性エマルジョン型繊維処理剤が提案されている(特開平3−152275号公報参照)。しかしこの繊維処理剤は、防縮性が不十分であるとともに処理された動物繊維が硬くなるという欠点があった。また本発明者らは先に、分子鎖両末端水酸基封鎖アミノ基含有ジメチルポリシロキサン,コロイダルシリカ,メチルトリメトキシシラン,錫触媒からなる水性エマルジョン型繊維処理剤を提案した(特開平4ー119173号公報参照)。しかしこの繊維処理剤は架橋反応が進み過ぎるため、処理後の繊維の平滑性が低くぬめり感に乏しいという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記欠点を解消するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。 即ち本発明の目的は、羊毛に代表される動物繊維に優れた風合いと防縮性を付与し得る動物繊維処理剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)(a)一般式:
【化6】
(式中、Rは同一もしくは異種の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R1は二価炭化水素基であり、R2およびR3は水素原子または一価炭化水素基であり、Aは水酸基または炭素原子数1〜5のアルコキシ基である。mおよびnは1以上の整数であり、aは0〜5の整数である。)で表され、25℃における粘度が少なくとも10センチストークスであるアミノ基含有オルガノポリシロキサンと、
(b)一般式:
【化7】
(式中、Rは同一もしくは異種の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、R1は二価炭化水素基であり、R2およびR3は水素原子または一価炭化水素基であり、Bは一価炭化水素基,水酸基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる基であり、その内、少なくとも1個は一価炭化水素基である。mおよびnは1以上の整数であり、aは0〜5の整数である。)で表され、25℃における粘度が10〜10,000センチストークスであるアミノ基含有オルガノポリシロキサンの混合物{ただし、(a)成分と(b)成分の混合比率は、重量比で90:10〜10:90である。} 100重量部、
(B)コロイダルシリカ 1〜50重量部、
(C)縮合反応用触媒 0.1〜20重量部、
(D)非イオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤 1〜30重量部
および
(E)水 任意量
からなることを特徴とする動物繊維処理剤組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
これを説明すると、(A)成分を構成する(a)成分のアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、動物繊維に柔軟性,平滑性,ぬめり性,潤滑性および防縮性を付与する作用を有する。さらに分子鎖末端の水酸基またはアルコキシ基が(B)成分のコロイダルシリカ表面の水酸基と反応して架橋し、これらの効果の耐久性を向上させる作用を有する。本成分は、一般式:
【化8】
で表される。上式中、Rは同一もしくは異種の炭素原子数1〜20の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ビニル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,フェニル基,アリル基,シクロヘキシル基が例示される。これらの中でもメチル基が最も一般的であるが、メチル基と他の基を組合わせることもできる。また1分子中のRはすべて同一である必要はないが、Rの内少なくとも50モル%がメチル基であることが好ましい。R1は二価炭化水素基であり、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレン基,イソブチレン基のようなアルキレン基;式:−(CH2)2−C6H4−で表される基のようなアルキレンアリーレン基が例示される。これらの中でもエチレン基またはプロピレン基が一般的である。R2およびR3は水素原子または一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,フェニル基,シクロヘキシル基が例示される。Aは水酸基または炭素原子数1〜5のアルコキシ基であり、アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。これらの中でも水酸基またはメトキシ基が一般的である。mおよびnは1以上の整数である。aは0〜5の整数であるが、0または1が一般的である。本成分の25℃における粘度は少なくとも10センチストークスであり、好ましくは50〜10,000センチストークスの範囲である。これは、10センチストークス未満であると動物繊維に柔軟性,平滑性,圧縮回復性,防しわ性および防縮性を付与できなくなるためである。このような本成分のアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、公知の方法によって合成することができる。例えば、式:H2N(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2で表されるジメトキシアミノシランまたはその加水分解縮合物と、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンとを塩基性触媒存在下で平衡化反応させて所望の粘度に調製した後、酸を用いて塩基性触媒を中和することにより製造することができる。
【0006】
(A)成分を構成するもう一つの成分である(b)成分は、本発明の特徴となる成分である。本成分は、上記(a)成分と同様に動物繊維に柔軟性,平滑性,ぬめり性,潤滑性および防縮性を付与する作用を有すると共に、分子鎖末端の一価炭化水素基が(B)成分との反応を妨げて、(A)成分と(B)成分による架橋皮膜が硬くなるのを抑制することにより、柔らかい風合を長期間維持させるという作用を有する。本成分は、一般式:
【化9】
で表される。上式中、R,R1,R2,R3,m,nおよびaは前記と同じである。Bは一価炭化水素基,水酸基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる基であり、その内、少なくとも1個は一価炭化水素基であることが必要である。一価炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,フェニル基,シクロヘキシル基が例示される。アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基が例示される。これらの中でもメチル基,水酸基またはメトキシ基が一般的である。本成分の25℃における粘度は10〜10,000センチストークスであり、好ましくは50〜10,000センチストークスの範囲である。これは、10センチストークス未満であると動物繊維に柔軟性,平滑性,圧縮回復性,防しわ性および防縮性を付与できなくなるためである。このような本成分のアミノ基含有オルガノポリシロキサンは、公知の方法によって合成することができる。例えば、式:H2N(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2で表されるジメトキシアミノシランまたはその加水分解縮合物と、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンおよびヘキサメチルジシロキサンを塩基性触媒存在下で平衡化反応させて所望の粘度に調製した後、酸を用いて塩基性触媒を中和することにより製造することができる。
【0007】
(A)成分中、上記(a)成分と(b)成分の混合比率は、重量比で90:10〜10:90であり、好ましくは70:30〜30:70である。これは(a)成分の比率が90を越えると処理後の動物繊維の風合が硬くなり、10未満であると本発明組成物の洗濯に対する耐久性が低下するためである。
【0008】
(B)成分のコロイダルシリカは、その表面に存在する多くの水酸基と(A)成分中のアルコキシ基や水酸基が縮合反応して架橋し、強固なオルガノポリシロキサン皮膜を形成することにより、防縮性,柔軟性,平滑性に耐久性を付与する作用を有する。本発明に使用されるコロイダルシリカは、テトラエチルシリケートあるいはけい酸ソーダを、界面活性剤等を含む水中で加水分解してコロイド状にしたものであり、その粒子径は約4〜20μmである。このようなコロイダルシリカは、通常、シリカの濃度が5〜40重量%である水分散液として市販されているが、中でも非イオン系界面活性剤あるいはカチオン系界面活性剤の存在下で安定なものが好ましい。また、表面をアルミニウム粉末等で覆ったものも使用することができる。(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜50重量部の範囲であり、好ましくは10〜25重量部の範囲である。これは、1重量部未満であると強固なオルガノポリシロキサン皮膜が形成されず耐洗濯性に欠けるものとなり、50重量部を越えるとオルガノポリシロキサン皮膜が硬すぎて動物繊維の風合いが低下するためである。
【0009】
(C)成分の縮合反応用触媒は、(A)成分と(B)成分を架橋反応させるための触媒であり、有機金属系触媒や有機ケイ素を含まないアミン系触媒が挙げられる。有機金属系触媒としては、ジブチル錫ジアセテート,ジブチル錫ジラウレート,ジオクチル錫ジラウレート,ジブチル錫ジオクテート,ナフテン酸亜鉛,ナフテン酸コバルト,オクチル酸亜鉛,オクチル酸コバルト,ジオクチル酸ジイソオクチルメルカプトアセテート,ナフテン酸ジルコニウム,オクチル酸ジルコニウムのような有機酸の金属塩,テトラブチルオルソチタネートが例示される。アミン系触媒としては、ジエタノールアミン,トリエタノールアミンが例示される。また本成分は、あらかじめ非イオン系界面活性剤あるいはカチオン系界面活性剤で乳化してエマルジョンの形態にしてから使用した方が、本発明組成物中に均一に分散させることができる。(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜15重量部の範囲である。
【0010】
(D)成分の非イオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤は、(A)成分または必要に応じて他の成分を乳化するための成分である。本成分としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ソルビタンアルキルエステル類,脂肪族アミン塩類,第4級アンモニウム塩類,アルキルピリジニウム塩類が例示され、この内の1種または2種以上を使用することができる。(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜30重量部の範囲である。
【0011】
(E)成分の水は、上記(A)成分〜(D)成分をエマルジョン化するための成分であり、その量は上記成分をエマルジョンとして安定化できる量であればよく、特に限定されない。
【0012】
本発明組成物は、上記(A)成分〜(E)成分からなるものであるが、さらに(F)成分として一般式:
【化10】
で表されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物を添加配合するのが好ましい。本成分は、(A)成分の末端基である水酸基やアルコキシ基と反応して架橋するだけでなく、(B)成分のコロイダルシリカ表面の水酸基と反応したり、さらに羊毛や絹表面に存在するアミノ基,カルボキシル基あるいはメルカプト基と反応したりして、動物繊維に耐久性のある防縮性,平滑性,柔軟性を付与する作用を有する。上式中、Rは前記と同様である。R4は炭素原子数1〜5の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基が例示される。Qはアミノ基,エポキシ基,アクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基を含有する一価有機基または炭素原子数1〜20の一価炭化水素基である。アミノ基含有有機基としては、式:
【化11】
(式中、R1,R2,R3およびaは前記と同様である。)で表される基が挙げられ、
式:−CH2CH2CH2NH2で表される基または
式:−CH2CH2CH2−NH−CH2CH2NH2で表される基が例示される。エポキシ基含有有機基としては、式:
【化12】
で表される基または式:
【化13】
で表される基が例示される。アクリロキシ基含有有機基としては、
式:−CH2CH2CH2OOCCH=CH2で表される基が例示され、メタクリロキシ基含有有機基としては、式:−CH2CH2CH2OOCC(CH3)=CH2で表される基が例示される。炭素原子数1〜20の一価炭化水素基としては、前記したRと同様の基が例示される。これらの中でも、アミノ基含有有機基とエポキシ基含有有機基が好ましい。bは0または1であるが、好ましくは0である。またこのオルガノシランの部分加水分解縮合物は、上記のオルガノシラン,水および微量の酸またはアルカリを混合して50〜70℃に保持することによって得ることができる。(F)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。これは、0.1重量部未満であるとオルガノポリシロキサン皮膜の動物繊維に対する接着性が低下し、30重量部を越えるとオルガノポリシロキサン皮膜がもろくなって、いずれにしても動物繊維に耐久性のある防縮性,柔軟性,平滑性を付与することができないためである。
【0013】
本発明組成物には、さらに必要に応じて(A)成分以外のオルガノポリシロキサン,防しわ剤,増粘剤,着色剤,防腐防黴剤,防錆剤等を添加配合することができる。
【0014】
本発明組成物は、例えば、(A)成分のアミノ基含有オルガノポリシロキサン単独、または(A)成分のアミノ基含有オルガノポリシロキサンおよび(F)成分のオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物に、(D)成分の界面活性剤と(E)成分の水を加えてエマルジョンとし、これに(B)成分のコロイダルシリカと、予めエマルジョンの形態に調製しておいた(C)成分の縮合反応用触媒を加えることにより製造することができる。このとき、室温で10〜20日間エージングした方がよい。
【0015】
本発明組成物により動物繊維を処理する方法としては、スプレー,浸漬あるいはナイフコーティング等により動物繊維材料に付着させる方法が挙げられる。付着後に常温放置あるいは加熱処理等により乾燥させることによって動物繊維表面に強固な架橋皮膜を形成し、耐久性のある防縮性,柔軟性,平滑性,防しわ性,圧縮回復性を付与することができる。また、さらに本発明組成物で処理した動物繊維を温度110〜160℃の条件下で3〜10分間加熱処理することによって、より効果を高めることができる。
【0016】
本発明組成物を適用する動物繊維材料としては、羊毛,アルパカ,モヘア,アンゴラのような表面が鱗片状構造を有する動物繊維が例示される。これらの中でも、特に羊毛,アルパカ,モヘア,アンゴラのような表面に鱗片状構造を有する動物繊維に好適に適用される。また形状的には、トップ,チーズ,綛,ステープル,フィラメント,トウ,織物,編物,不織物,樹脂加工布吊,人工皮革などが挙げられるが、特にフィラメント,トウ,織物,編物,不織物などが好ましい。
【0017】
以上のような本発明組成物は、各種動物繊維表面に強固な架橋皮膜を形成し、動物繊維に耐久性のある防縮性と優れた風合いを付与することができる。このためこの本発明組成物により処理された動物繊維は水で洗濯しても収縮しにくく、かつ優れた風合いが持続するという利点を有する。
【0018】
【実施例】
次に、実施例にて本発明を詳細に説明する。実施例中、「部」は重量部を意味し、「%」は重量パーセントを意味している。粘度は25℃における測定値である。
【0019】
【実施例1】
式:
【化14】
で表される粘度880センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサン300部に、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド6モル)ラウリルエーテル60部および水80部を加えて均一に攪拌した。この混合物をコロイドミル型乳化機を用いて乳化し、次いで水560部を加えて均一なエマルジョンを調製した(エマルジョンA)。上記と同様にして、平均組成式:
【化15】
で表される粘度1,100センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサンのエマルジョンを調製した(エマルジョンB)。
このようにして得られたエマルジョンA,エマルジョンBおよびコロイダルシリカ[日産化学工業(株)製,商品名:スノーテックスAK(水分80%,コロイダルシリカ20%)]を表1に示した通りの配合量で添加配合した。さらに縮合反応用触媒として、ジンクオクトエート20部を、ポリオキシエチレン(45モル)ノニルフェノールエーテル2.5部,ジアルキル(ヤシ油)ジメチルアンモニウムクロライド2.5部および水75部で乳化したジンクオクトエートのエマルジョン2部を添加配合して動物繊維処理剤組成物を調製し、室温にて10日間保持した。このようにして得られた動物繊維処理剤組成物を水で希釈して所定濃度(固形分)の処理液を調製し、この中に45cm×45cmの羊毛100%製の未染色の服地用サージ生地3枚を30秒間浸漬した。次いでマングルローラーで絞り率100%に調整して絞り、金網上に広げて室温で一昼夜乾燥した。さらにこれを熱風循環式乾燥機中で130℃で5分間熱処理した後、室温にて放冷した。この処理布の縦および横方向のそれぞれ3箇所に30cm間隔の印をつけ、下記の洗濯条件で5回洗濯した。洗濯後の処理布を水平に広げて乾燥させた後、印間の長さを測定して次式により縦および横方向についての洗濯収縮率(%)を計算した。
【式1】
(洗濯条件:浴比1:50,温度40℃,時間15分間の条件で、弱アルカリ性洗剤[花王(株)製,商品名:ザブ]を用いて1回洗濯した後、洗剤を除いた以外は同様にしてさらに2回水洗した。このサイクルを洗濯1回とした。)
また、JIS L 1096一般織物試験法に準じて防しわ率(モンサント法)および手による触感で洗濯前後の風合いを測定した。これらの結果を表1に示した。本発明の動物繊維処理剤組成物により処理した動物繊維は風合いが極めて良好で、水による洗濯収縮率も小さく、これより本発明の動物繊維処理剤組成物は羊毛100%の織物用処理剤として好適であることが判明した。
【0020】
【比較例1〜5】
実施例1において、エマルジョンA,エマルジョンBおよびコロイダルシリカの配合量を替えた以外は実施例1と同様にして動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率,防しわ率および風合いを実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例2】
式:
【化16】
で表される粘度880センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサン150部と、式:
【化17】
で表される粘度830センチストークスのアミノ基含有ポリオルガノシロキサン150部および式:H2NC2H4NHC3H6Si(OCH3)3で表されるγ−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部を均一に混合した後、これにポリオキシエチレン(エチレンオキサイド6モル)ラウリルエーテル60部,水80部を加えて均一に攪拌した。この混合物をコロイドミル型乳化機を用いて乳化し、次いで水555部を加えて均一なエマルジョンを調製した。このエマルジョンを80部とり、これにコロイダルシリカ[日産化学工業(株)製,商品名:スノーテックスAK(水分80%,コロイダルシリカ20%)]を20部配合した。次いで縮合反応用触媒として、ジンクオクトエート20部を、ポリオキシエチレン(45モル)ノニルフェノールエーテル2.5部,ジアルキル(ヤシ油)ジメチルアンモニウムクロライド2.5部および水75部で乳化したジンクオクトエートのエマルジョン1部を添加配合して、動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率、防しわ率および風合いを実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示した。本発明の動物繊維処理剤組成物により処理した動物繊維は風合いが良好であり、洗濯収縮率も比較例の組成物に比べて著しく小さく、これより本発明の動物繊維処理剤組成物が羊毛服地用処理剤として好適であることが判明した。
【0023】
【比較例6】
実施例2において、式:
【化18】
で表される粘度880センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサンの配合量を300部とし、かつ式:
【化19】
で表される粘度830センチストークスのアミノ基含有ポリオルガノシロキサンを添加しなかった以外は実施例2と同様にして動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率,防しわ率および風合いを実施例2と同様にして測定し、結果を表2に示した。
【0024】
【実施例3】
式:
【化20】
で表される粘度880センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサン150部と、式:
【化21】
で表される粘度830センチストークスのアミノ基含有ポリオルガノシロキサン150部および式:CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OCH3)3で表されるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部を均一に混合した後、これにポリオキシエチレン(エチレンオキサイド6モル)ラウリルエーテル60部,水80部を加えて均一に攪拌した。この混合物をコロイドミル型乳化機を用いて乳化し、次いで水555部を加えて均一なエマルジョンを調製した。このエマルジョンを80部とり、これにコロイダルシリカ[日産化学工業(株)製,商品名:スノーテックスAK(水分80%,コロイダルシリカ20%)]を20部配合した。次いで縮合反応用触媒として、ジンクオクトエート20部を、ポリオキシエチレン(45モル)ノニルフェノールエーテル2.5部,ジアルキル(ヤシ油)ジメチルアンモニウムクロライド2.5部および水75部で乳化したジンクオクトエートのエマルジョン1部を添加配合して、動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率、防しわ率および風合いを実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示した。本発明の動物繊維処理剤組成物により処理した動物繊維は風合いが良好であり、洗濯収縮率も比較例の組成物に比べて著しく小さく、これより本発明の動物繊維処理剤組成物が羊毛服地用処理剤として好適であることが判明した。
【0025】
【比較例7】
実施例3において、式:
【化22】
で表される粘度880センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサンの配合量を300部とし、かつ式
【化23】
で表される粘度830センチストークスのアミノ基含有ポリオルガノシロキサンを添加しなかった以外は実施例3と同様にして動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率,防しわ率および風合いを実施例3と同様にして測定し、結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】
【実施例4】
オクタメチルシクロテトラシロキサン390部と、式:H2NC2H4NHC3H6SiCH3(OCH3)2で表されるγ−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン10部を均一に攪拌した後、これにヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド50部および水500部を加えて均一に混合した。この混合液を、ホモジナイザーを用いて圧力400kg/cm2の条件にて3回処理した。これを4つ口フラスコに移液し、これに水酸化ナトリウム1.0部を水47.5部に溶解した溶液を加えて、80℃にて8時間重合した。重合後、酢酸1.5部を投入して冷却して、式:
【化24】
で表される粘度2,600センチストークスのアミノ基含有オルガノポリシロキサンのエマルジョンを調製した(エマルジョンC)。
一方、オクタメチルシクロテトラシロキサン388部,ヘキサメチルジシロキサン2部および式:H2NC2H4NHC3H6SiCH3(OCH3)2で表されるγ−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン10部を均一に攪拌した後、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド50部および水500部を加えて均一に混合した。この混合液を、ホモジナイザーを用いて圧力400kg/cm2の条件にて3回処理した。これを4つ口フラスコに移液し、これに水酸化ナトリウム1.0部を水47.5部に溶解した溶液を加えて、80℃にて6時間保持した後、40℃にて4時間重合した。重合後、酢酸1.5部を投入して冷却して、
【化25】
で表される粘度2,500センチストークスのアミノ基含有ポリオルガノシロキサンのエマルジョンを調製した(エマルジョンD)。
このようにして得られたエマルジョンC100部とエマルジョンD100部を混合した後、これにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2部とコロイダルシリカ[日産化学工業(株)製,商品名:スノーテックスBK(水分80%,コロイダルシリカ20%)]100部および実施例1で使用した縮合反応用触媒(ジンオクトエートのエマルジョン)2部を加えて50℃にて10日間保持し、動物繊維処理剤組成物を調製した。このようにして得られた動物繊維処理剤組成物を水で希釈して所定濃度(固形分)の処理液を調製し、この中に羊毛85%,アクリル15%の混紡糸使いのセーターを30秒間浸漬した。次いで遠心脱水機で絞り率100%に調整して絞り、金網上に広げて室温で一昼夜乾燥した。さらにこれを熱風循環式乾燥機中で80℃で5分間熱処理した後、室温にて放冷した。このセーターの身丈部分の縦方向と袖部分の2箇所に30cm間隔の印をつけて、実施例1と同様にして洗濯収縮率を測定した。また洗濯前後の風合いの変化を指触により測定した。これらの結果を表3に示した。本発明の動物繊維処理剤組成物により処理したセーターは風合が非常に良好であり、洗濯収縮率も比較例の組成物に比べて著しく小さく、これより本発明の動物繊維処理剤組成物は羊毛編物用処理剤として好適であることが判明した。
【0028】
【比較例8】
実施例4においてエマルジョンCの配合量を200部とし、かつエマルジョンDを配合しなかった以外は実施例4と同様にして動物繊維処理剤組成物を調製した。得られた動物繊維処理剤組成物の洗濯収縮率および風合いを実施例4と同様にして測定し、結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】
本発明の動物繊維処理剤組成物は上記(A)成分〜(E)成分、または(A)成分〜(F)成分からなり、特に(b)成分を含有しているが故に、これを各種動物繊維に適用すると、動物繊維に優れた風合いと防縮性を付与することができるという特徴を有する。
Claims (4)
- (A)(a)一般式:
(b)一般式:
(B)コロイダルシリカ 1〜50重量部、
(C)縮合反応用触媒 0.1〜20重量部、
(D)非イオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤 1〜30重量部
および
(E)水 任意量
からなることを特徴とする動物繊維処理剤組成物。 - (A)(a)一般式:
(b)一般式:
(B)コロイダルシリカ 1〜50重量部、
(C)縮合反応用触媒 0.1〜20重量部、
(D)非イオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤 1〜30重量部、
(E)水 任意量
および
(F)一般式:
からなることを特徴とする動物繊維処理剤組成物。 - (F)成分のQがエポキシ基含有有機基またはアミノ基含有有機基である、請求項2に記載の動物繊維処理剤組成物。
- 鱗片状構造を有する動物繊維処理用である請求項1または請求項2に記載の動物繊維処理剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30585396A JP3764224B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 動物繊維処理剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30585396A JP3764224B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 動物繊維処理剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10131054A JPH10131054A (ja) | 1998-05-19 |
JP3764224B2 true JP3764224B2 (ja) | 2006-04-05 |
Family
ID=17950158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30585396A Expired - Fee Related JP3764224B2 (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 動物繊維処理剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3764224B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE346967T1 (de) * | 2002-09-17 | 2006-12-15 | Fibervisions As | Polyolefinfasern und deren verwendung bei der herstellung hochvoluminöser vliesstoffe mit hohem rückstellvermögen |
EP1666663B1 (en) | 2003-08-08 | 2014-04-30 | Kao Corporation | Fabric treating agent composition |
JP5050233B2 (ja) * | 2006-06-05 | 2012-10-17 | ライオン株式会社 | 繊維製品用しわ減少剤組成物 |
CN103097464A (zh) * | 2010-09-20 | 2013-05-08 | 宝洁公司 | 非含氟聚合物表面保护组合物 |
SE537807C2 (sv) * | 2013-03-13 | 2015-10-20 | Organoclick Ab | Metod och formulering för att erhålla textilier som är vattenavvisande och eller avvisande för vattenlöslig smuts |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP30585396A patent/JP3764224B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10131054A (ja) | 1998-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1270990A (en) | Aminofunctional polysiloxanes and emulsions thereof useful for treating textiles | |
EP0342834B1 (en) | Treatment of fibrous materials | |
KR950003850B1 (ko) | 섬유 처리제 | |
US4419391A (en) | Method of imparting improved touch to a fabric | |
US4311626A (en) | Silicone compositions for the treatment of fibers | |
JPS6310743B2 (ja) | ||
JPH0314946B2 (ja) | ||
JP2665960B2 (ja) | 繊維処理剤組成物 | |
JP2001115030A (ja) | アミン、ポリオール、官能性シロキサン類を含む繊維処理組成物 | |
JP2935879B2 (ja) | 繊維処理剤組成物 | |
JP3007711B2 (ja) | 繊維用処理剤 | |
JPH07122222B2 (ja) | 繊維用処理剤組成物 | |
KR940008993B1 (ko) | 자기가교성 아미노실록산 에멀젼의 제조방법 | |
US6472468B1 (en) | Fluorinated polysiloxane, making method, and fiber or fabric treating agent composition | |
JP3966538B2 (ja) | オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法 | |
JP2004530052A (ja) | 撥水性繊維製品仕上品及びその製造方法 | |
JP3764224B2 (ja) | 動物繊維処理剤組成物 | |
JPH07119043A (ja) | 繊維の吸尽処理方法 | |
KR950009499B1 (ko) | 케라틴질 섬유의 방축 처리방법 및 처리제품 | |
JPH0593366A (ja) | ポリエステル繊維処理剤 | |
JP4587551B2 (ja) | ポリエステル繊維処理剤組成物 | |
JPS597832B2 (ja) | 繊維処理剤 | |
JP2018172835A (ja) | シリコーンが固着された繊維及びその製造方法 | |
JP3467059B2 (ja) | ポリエステル繊維処理用エマルジョン組成物 | |
JPH0491281A (ja) | 繊維処理剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040826 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040826 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040827 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060104 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060119 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090127 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100127 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110127 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130127 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130127 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |