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JP3758379B2 - 表示装置及び電子機器 - Google Patents

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JP3758379B2
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面の一部の領域だけを表示状態とし、他の領域を非表示状態にするドットマトリックス型の表示装置の駆動方法、表示装置およびそれを用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の携帯電子機器に用いられている表示装置は、より多くの情報が表示できるように表示ドット数が年々増加して来ており、それに伴い表示装置による消費電力も増大して来ている。携帯電子機器の電源は電池であるために、電池寿命が長くできるように低消費電力であることが強く求められる。
【0003】
そのため表示ドット数が多い表示装置においては必要な時は全画面を表示状態とするが、通常時は必要最小限の表示が出来るように表示パネルの一部の領域だけを表示状態とし、他の領域を非表示状態にして消費電力を低減する方法が検討され始めている。
【0004】
ドットマトリックスで構成される表示部の外側にアイコンと呼ばれるマークを数個〜数十個配置して、通常状態ではアイコン部分のみを表示状態とし、ドットマトリックス部分を非表示状態として消費電力低減を図った表示装置は既に市場に存在している。但し、部分表示できる内容が既に表示パネルの段階で固定されてしまうので、汎用性に乏しく面白味に欠けた表示装置となっている。
【0005】
従来のドットマトリックス型表示装置においては、全画面の表示/非表示が制御できる機能を持つものは多いが、ドットマトリックス画面内の一部の領域だけを表示状態とし、他の部分を非表示状態にする機能を持つものはまだ実用化されていない。液晶表示パネルの一部の領域を表示状態とし、他の領域を非表示状態にすることができる機能を実現する方法としては特開平6−95621号の実施例1および特開平7−281632号が提案されている。これら2つの従来例はともに液晶表示パネルが単純マトリックス方式の場合について述べている。
【0006】
図8を用いて特開平6−95621号の実施例を以下に説明する。図8はこの実施例の液晶表示装置のブロック図である。ブロック31は液晶表示パネル(LCDパネル)であり、複数の走査電極を形成した基板と複数の信号電極を形成した基板とが数μmの間隔で対向して配置され、その間隙には液晶が封入されている。ブロック34は選択電圧や非選択電圧を出力して走査電極を駆動するYドライバであり、ブロック35は表示データDnに基づき信号電圧を出力して信号電極を駆動するXドライバである。液晶の駆動に必要な複数の電圧レベルはブロック33の駆動電圧形成回路で形成され、Xドライバ35やYドライバ34を経由して液晶表示パネル31に印加される。ブロック37は走査すべき走査電極数を制御する走査制御回路である。ブロック32はそれらの回路に必要な信号を形成するLCDコントローラである。ブロック36は以上の回路の電力供給源であり、+5Vと−24Vの電圧を発生する。走査電極には順次1行ずつ選択電圧が印加され、その他の行には非選択電圧が印加される。信号電極には選択されている行の各画素のオン/オフに従う信号電圧が順次印加される。
【0007】
ここに、FRMは画面走査開始信号、CLYはFRMを1クロック毎にシフトする走査信号転送用クロック、CLXは表示データDnの転送用クロック、LPは転送された表示データを1行ごとにXドライバにラッチするためのクロック、PDは部分表示用の制御信号である。
【0008】
この実施例は部分表示領域が左半画面(D1,D2)の場合と、さらにその内の上半分(D1)の場合について述べている。まず部分表示領域が左半画面の場合について説明する。1行当たりの画素数は640とする。左半画面の部分表示状態に移行する前にXドライバには1行分の全画素がオフのデータを書き込んでおく。その後LCDコントローラは表示データ転送用クロックCLXの周期を2倍にして1選択期間内のクロック数を半減するとともに、それに合わせて1行当たり320画素分の表示データだけを転送する。Xドライバには1行分の表示データを記憶する回路が内蔵されているため、右半画面の320画素分のデータ転送が無くてもXドライバの右半分は先に転送されていたオフのデータを記憶し続け、Xドライバの右半分の出力は表示をオフする信号電圧を出力し続ける。こうして右半画面をオフ表示状態とすることができる。CLXの周波数が1/2になることと画面の半分がオフ表示になることで、表示装置の消費電力は全画面表示状態の場合に比べて若干減少する。この場合、右半画面は非表示状態というよりはオフ表示状態と言う方が適切である。
【0009】
次に部分表示領域が左半画面の内の上半分(D1)だけの場合について説明する。走査電極の数は400とする。まず前述した方法で左半画面のみを表示状態とする。続いてLCDコントローラ32は部分表示制御信号PDを“H”レベルにして下半分を非表示状態とする。PDが“L”レベルの場合には1/400デューティで全走査電極を走査することにより全画面が表示状態となり、PDが“H”レベルの場合には画面の上半分の走査電極だけを1/200デューティで走査することにより上半画面(D1)が表示状態で残りの下半画面(D2)が非表示状態という部分表示状態となる。
【0010】
1/200デューティへの切り替えは走査信号転送用クロックCLYの周期を2倍に切り替えて1フレーム期間内のクロック数を半減することによって行っている。部分表示状態における下半画面の走査電極の走査停止方法の詳細は記載されていないが、走査制御回路ブロック37の内部回路図から判断すると、PDを“H”レベルにするとYドライバ内のシフトレジスタの200段目から201段目に転送するデータが“L”レベルに固定され、その結果、Yドライバの201番目〜400番目の出力が非選択電圧レベルを保つという方法である。
【0011】
画素のオン/オフ状態は液晶に加わる電圧の実効値で決まる。下半画面の液晶に加わる実効電圧は走査電極に選択電圧が全く加わらないために右上1/4画面のオフ表示状態となっている液晶に加わる実効電圧よりもかなり小さくなり、その結果、下半画面は完全に非表示状態となる。
【0012】
なお、単純マトリックス方式の液晶表示パネルにおいては、表示デューティを切り替える場合に表示領域のコントラストが悪化しないように駆動電圧やバイアス比(駆動電圧分圧比)の設定変更が必要となる。デューティを1/Nとする時、好ましいバイアス比は1/(1+√N)であることが特公昭57−57718号において開示されている。また、駆動電圧はN>>1の場合にはほぼ√Nに比例して調整する必要がある。たとえば1/400デューティの場合の最適な駆動電圧を仮に28Vとし、最適バイアス比を1/21とすると、1/200デューティの場合には駆動電圧を28V/√2≒20Vに、バイアス比を約1/15に調整する必要がある。こうした電圧および分圧比の調整はハード的な回路手段によってなされる。半画面が非表示状態となることと駆動電圧が低くなることにより、表示装置の消費電力は全画面表示状態の場合に比べてかなり減少する。
【0013】
部分表示行数が十数行〜20行前後とかなり小さい場合には、それに合わせてデューティを切り替えると好ましいバイアス比が1/3や1/4となる。特開平7−281632号はこうした場合のバイアス比及び駆動電圧の切り替え手段について実施例で述べているが、ここではその説明は省略する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述したこれまでに提案されている方法により、ドットマトリックスで構成された表示パネルの一部の領域だけを表示状態とし、他の領域を非表示状態にする機能自体は可能となる。但し、部分表示する領域に対応してクロックの周期を切り替えたり、バイアス比や駆動電圧を切り替えなければならないということは、部分表示にできる領域がハード回路で用意されている設定のみに限定されてしまうために汎用性が極めて乏しいものとなると同時に部分表示領域の位置や面積等をある時間間隔で変化させて表示に面白味を持たせることができないという欠点を伴う。
【0015】
そこで本発明は部分表示の領域がソフト的に設定できる汎用性の高い表示装置を用いて、部分表示による低消費電力性を維持した上で表示に面白味や独創性を持たせることのできる表示装置の駆動方法、表示装置および電子機器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の表示装置は、複数の走査線と複数の信号線とを有し、画面内の一部領域を表示状態とし、他の領域を非表示状態にする機能を有するマトリックス型の表示装置において、前記一部領域の画面内での位置を示すデータが設定される記憶回路と、当該記憶回路が記憶するデータを変更するタイミングを規定するパルス発生器と、前記記憶回路に設定されたデータと1フレーム期間毎の画面走査開始信号と1走査線選択期間毎の走査信号転送用クロックとに基づいて画面内の前記一部領域の表示期間を制御するタイミング信号を形成する部分表示制御信号形成回路と、前記信号線に表示データを供給する信号線駆動回路と、表示データと表示データ転送クロックと当該表示データを1行ごとに前記信号線駆動回路にラッチするラッチクロックと前記タイミング信号とが供給されるとともに、当該表示データと当該表示データ転送クロックと当該ラッチクロックとに対して前記タイミング信号との論理積を施す回路ブロックと、を有し、前記タイミング信号に応じて、前記一部領域の表示期間には前記回路ブロックから前記信号線駆動回路に前記表示データ、前記表示データ転送クロック及び前記ラッチクロックが転送され、前記他の領域の表示期間には前記回路ブロックから前記信号線駆動回路に前記表示データ、前記表示データ転送クロック及び前記ラッチクロックの転送が停止されることを特徴とする。そうすることにより部分表示による低消費電力性を維持した上で表示に面白味や独創性を持たせることができる。
【0017】
また本発明の表示装置及びその駆動方法は、前記一部領域が全走査線の中の一部の走査線に対応した領域であることを特徴とする。走査線に対応した領域を部分表示にすることで消費電力は全画面表示時よりも大幅に低減し、部分表示時の面白味や独創性もかなりの程度まで持たせることができる。
【0018】
また本発明は、前記一部領域の画面内での位置を示すデータが設定される記憶回路と、該記憶回路が記憶するデータを変更するタイミングを規定するパルス発生器とを有することを特徴とする。パルス発生器が規定するタイミングで記憶回路のデータ(表示位置、面積などのデータ)を変更し、これに基づき表示装置が駆動できるので、記憶回路のデータに応じて自由に表示位置や面積を時系列に変更していくことができる。
【0019】
また、前記パルス発生器がタイミング間隔をプログラム可能なタイマーからなり、該タイマーからのパルスに応じて前記記憶回路に記憶されたデータは変更されてなることを特徴とする。タイマーに設定するデータに応じて、部分表示の切り換わる時間間隔を自由に設定することができる。
また本発明は、当該表示装置のXドライバが1画面分以上の表示データを記憶する回路を内蔵していることを特徴とする。Xドライバに1画面分以上の表示データ記憶回路を内蔵させることにより、静止画的な表示の場合にシステム側から表示装置へ表示データを転送する回数が著しく低減できるので、より低消費電力の部分表示機能付き表示装置が実現可能となる。
【0020】
また本発明は、当該表示装置が反射型あるいは半透過型の液晶表示装置であることを特徴としている。バックライトを用いない液晶表示装置は表示装置の内では最も低消費電力であり、部分表示機能を備えることにより更に低消費電力にできる。従って、最も低消費電力である上に表示に面白味や独創性を持たせることができる。
【0021】
また本発明は上記のいずれかの表示装置を具備する電子機器を提供する。そうすることにより低消費電力性を維持した上で表示に面白味や独創性を持たせた電子機器を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は本発明の表示装置における部分表示状態の例を示す図である。実線で囲まれた全画面の内、破線の内側Dが表示状態、破線の外側が非表示状態となっており、ある時間間隔で表示が図のaからb、bからc、cからd、dからeへと順次切り替わる。この切り替わりの時間間隔は一定でもよいし、適当に変化させてもよい。この実施例では部分表示領域Dの行数(走査線数)は変えずに位置だけを切り替えているが、表示位置の切り替わりに応じて表示領域Dの表示行数(走査線数)やそこでの表示内容(信号線へ供給される表示データ内容)を同時に切り替えてもよい。実施例においては、魚が画面左側から順次右側に移動するように、表示内容(模様)を切り替えている。また、部分表示領域Dの領域端部の行を所定行に固定して、表示行数あるいは表示内容を切り替えるだけでもよい。すなわち、破線Dの上側行端(Dの最上走査線)は常に固定行とし、下側行端の行(Dの最下走査線)を順次変えるようにしてもよい。たとえば図2a,b,cに示したような部分表示状態を表示の切り替え途中において割り込ませて表示させてもよい。もちろん下側行端を固定とし、上側行端を順次変化させてもよい。
【0024】
本実施例の表示パネルは必要な時には全画面を表示状態とするが、待機時には図1や図2のように表示パネルの一部の領域だけに表示する状態とし、部分表示領域Dの位置や行数あるいは表示内容を切り替える。
【0025】
(回路構成の説明)
次に実施例1に示した部分表示を可能とする表示装置の構成や回路手段の例について説明する。図3は本発明の表示装置の構成例を示した図である。
【0026】
ブロック1は液晶表示パネル(LCDパネル)であり、複数の走査電極(走査線)を形成した基板と複数の信号電極(信号線)を形成した基板とが数μmの間隔で対向して配置され、その間隙には液晶が封入されて表示画面を構成している。液晶表示パネル1内の斜線部Dは部分表示している領域であり、それ以外の領域は非表示状態となっている。
【0027】
ここに、基板は例えばガラスやプラスチックの光透過性の部材や半導体基板等の部材から選ばれる。また、液晶はツイストネマチック型、スーパーツイストネマチック型、強誘電型や双安定ネマチック型等のメモリー型、高分子分散型、ホメオトロピック配向やホモジニアス配向されたタイプ、等の種々の液晶から選ばれる。液晶表示パネルの構造としては、上記構造の単純マトリックス型の他に、信号線が形成される基板側に二端子型スイッチング素子とそれに接続された画素電極を形成したアクティブマトリックス型や、一方の基板に走査線と信号線をマトリックス状に形成し、各画素に走査線によりスイッチングされるトランジスタとこれに接続される画素電極を形成したアクティブマトリックス型の液晶表示パネルでも構わない。
【0028】
また、部分表示状態での低消費電力性を活かすために表示モードはバックライト等の照明用光源を必要としない反射型か、あるいは通常光の下では光源非点灯で表示できるが非常に暗い場合や限られた場合にのみ光源を点灯して表示を行う半透過型であることが好ましい。なお、液晶表示パネルの一対の基板の外側には、反射型の場合は前面側に、透過型の場合は前面側と背面側に、液晶の種類に応じ必要に応じて偏光板が配置される。
【0029】
ブロック4は複数の走査電極に選択電圧や非選択電圧を印加して駆動するYドライバであり、ブロック5は信号電極に表示内容(表示データ)に応じた信号電圧を印加して駆動するXドライバである。ブロック3の駆動電圧形成回路は後述する電源6から電源電圧の供給を受けて液晶の駆動に必要な複数の電圧レベルを形成し、 Xドライバ5やYドライバ4にそれら複数の電圧レベルを供給する。各ドライバは供給された電圧レベルの中からタイミング信号や表示データに応じて所定の電圧レベルを選択し、液晶表示パネル1の信号電極及び走査電極に印加する。ブロック2はそれらの回路に必要なタイミング信号CLY,FRM,CLX,LPや表示データDn及び制御信号PDYを形成するLCDコントローラであり、本液晶表示装置を含んでいる電子機器のシステムバス11に接続されている。ブロック6は液晶表示装置の外部にあって、以上の本液晶表示装置の各回路に電力供給している電源である。本実施例では電源電圧を3Vとしている。各信号の内容については後の図4や図5の説明に合わせて説明する。
【0030】
なお、ここに、コントローラ2や駆動電圧形成回路3は独立した回路ブロックとして表してあるが、4又は5のいずれかのドライバICチップに内蔵してもよいし、4と5の両方のドライバと共に一緒に1チップ化して構成してもよい。液晶表示パネル1が一方の基板を半導体基板とし、対向基板を透明基板としたアクティブマトリックス型液晶表示パネルであれば、Xドライバ5とYドライバ4の他、コントローラ2や駆動電圧形成回路3も上記半導体基板に1チップ化することができる。
【0031】
図4は図3のコントローラ2の一部分の例を示すブロック図である。先に本願出願人は部分表示領域の位置や面積をコントローラ2内のレジスタに設定することにより、部分表示領域Dがソフト的に設定できる表示装置を提案した(特願平9−351024号,同10−27665号)。そこで提案した方法はデューティや駆動電圧、バイアス比、Xドライバ5やYドライバ4用のシフトクロックCLX,CLYの周期等は変えずに、非表示領域アクセス期間はドライバ4,5やコントローラ2だけでなく駆動電圧形成回路3についても不要な動作を徹底的に止めるという方法である。この場合の駆動電圧形成回路3はチャージ・ポンプ回路(複数のコンデンサの直列/並列接続を切り替えて電圧レベルを昇圧する回路)のように1フレーム期間程度の時間だけ動作を停止しても駆動電圧レベルがある程度保持できる(コンデンサにより電圧供給が維持できる)ものである必要がある。図4はそこで提案した方法を基に、タイマー機能を追加して、部分表示領域Dの位置を設定しているレジスタの内容をある時間間隔で更新できるようにしたものである。
【0032】
図4の各ブロックについて説明する。7はタイマー機能を持つパルス発生器の回路ブロックであり、具体的には所定時間を計数してレジスタ8にパルス出力するタイマーを示す。例えば、1フレーム期間毎の画面走査開始信号FRMをカウントしてたとえば約2秒ごとに1パルスの信号をレジスタ8に出力する。タイマーは計数する時間間隔が任意にプログラム設定可能なプリセッタブルカウンタからなるので、パルス出力の時間間隔はバス11を通じて入力されたデータに応じてカウンタがプリセット設定される。なお、このタイマー7は周期的にパルス信号を出すのではなく、徐々に周期を短くする或いは長くする、ランダムにするなど、プリセッタブルカウンタのプリセットデータを短い期間で書き換えることにより、パルス信号の出力間隔は自由に設定できる。
【0033】
8は加算機能を備えた8ビット程度の記憶回路としてのレジスタであり、そこには部分表示領域Dの位置や幅に対応した情報がバス11を通じて初期設定される。たとえば1〜5ビット目には部分表示領域Dの表示開始行(最上端走査線番号)に対応した情報、6〜8ビット目には部分表示領域Dの列方向の幅に対応した情報が各々格納される。1〜5ビット目の計5ビットで列方向に32通りの部分表示開始行の位置が設定でき、そのビット値に応じて画面内の32本の走査線を選択的に部分表示開始行として割り当てることができる。また、6〜8ビット目の計3ビットで列方向の部分表示の幅が8通り設定でき、部分表示領域Dとして設定する走査線数を8種類の走査線数から、ビット値に応じて設定できる。ここに、レジスタ8の設定値は走査線番号や本数そのものの値ではなく、数本〜数十本を単位とする値である。
【0034】
1〜5ビット目の設定値はタイマー7から前述のパルス信号が送られて来る度に所定の値が加算されて更新され、図1のように部分表示領域Dが時間とともに部分表示領域Dの表示開始行の走査線が切り替え指定され、順次下側(列方向)にずれて行く。また、タイマー7から前述のパルス信号が送られて来る度に6〜8ビット目の設定値が所定の値を加算されて更新されるようにしておけば、列方向の部分表示領域Dの表示幅(表示走査線数)をパルス信号の時間間隔で変えて行くことも可能である。また、表示開始行のビットデータは更新せず固定として、表示幅のビットデータのみをパルス信号の到来に応じて所定値を加算する表示方法でも構わない。
【0035】
また、前述の方法とは異なり、レジスタ8に、部分表示領域Dの表示開始行の走査線を示す第1ビット群(1〜4ビット目)と表示終了行(最下端走査線番号)を示す第2ビット群(5〜8ビット目)を設け、各ビットにバス11を介して部分表示の開始行とその表示幅の情報を初期設定し、タイマー7から入力される上記パルス信号の時間間隔に対応して第1ビット群及び/又は第2ビット群にそれぞれに対応した所定値を加算設定して、その時間間隔で部分表示の状態を順次変化させるようにしてもよい。先に述べたのと同様に、第1と第2のビット群の一方のみを上記パルス信号の到来に応じて所定値の加算に設定しても構わない。
【0036】
さらに、以上のケースでは、タイマー7からのパルス信号に応じて加算することを説明したが、加算以外の演算(減算,乗算,除算)でも構わない。
さらに、レジスタ8の一部に部分表示を行うか否かの情報を設定できるようにしておき、その設定に基づいて部分表示機能の有効/無効が切り替えられるようにしておいてもよい。また、予めレジスタを2系列以上設けて各々に部分表示部の開始側の行と終了側の行に対応する値を設定できるようにしてもよい。また、予めレジスタを複数系列設けて、それぞれに画面内の異なる部分表示領域Dを設定するようにして、部分表示領域Dを表示パネル内で複数箇所とすることも可能である。
【0037】
このように、レジスタ8の設定内容やタイマー7のパルス信号の出力時間間隔を、電子機器のシステム側のソフトウエアにより切り替えて、バス11を介してレジスタ8とタイマー7を制御することにより、種々の部分表示のバリエーションに対応することができる。
【0038】
9は部分表示を制御する回路ブロックであり、カウンタを主体として構成されている。システム側から送出されて来る1フレーム期間毎の画面走査開始信号FRMおよび1走査線選択期間毎の走査信号転送用クロックCLYといったタイミング信号と、レジスタ8に設定した部分表示領域Dの位置や幅に対応する情報値とを基に部分表示を制御するタイミング信号CNTおよびPDYを形成する。CNTとPDYは全画面表示の場合には定常的にHレベルであるが、部分表示状態の場合には部分表示行の選択期間中はHレベル、非表示行の選択期間中はLレベルとなる。
【0039】
10はXドライバ5への信号Dn,CLX,LPを制御するAND回路ブロックである。Dnは表示データ、CLXは表示データの転送用クロック、LPは転送された表示データを1行ごとにXドライバにラッチするためのクロックである。DnI,CLXI,LPIはそれらの基になる信号であり、全画面表示の場合にはCNTが定常的にHレベルであるため、AND回路が開いて各々Dn,CLX,LPとしてそのままXドライバに送り出される。部分表示状態の場合にはCNTは部分表示する行のデータ転送を行う間はHレベルであるが、その他の期間はLレベルとなりDn,CLX,LPをLレベルに固定して不要なデータ転送を休止する。後述するようにデータ転送を休止しなくても部分表示機能自体は可能であるが、データ転送は比較的高速動作なために割合大きな電力を消費するので、不要なデータ転送は休止した方が消費電力低減の面で好ましい。なお、図では簡明化のためにDnを1本だけの配線、すなわち1ビットシリアル転送として示してあるが、バス11と共用させて、たとえば8ビットパラレル等で表示データを転送してもよい。
【0040】
図5は図4の回路ブロックの動作を示すタイミング図の例である。表示パネルは走査電極(走査線)が1行ずつ順次選択される線順次駆動の単純マトリックス方式によるものであり、表示可能な行数を200行としてある。時刻t1より前の期間は全画面表示状態であり、t1以降は1フレーム期間中で1行目〜40行目までが表示された部分表示状態となる場合の例である。
【0041】
部分表示状態において、PDYは部分表示する行が選択されている期間TはHレベルであり、走査電極には順次個別にまたは複数本を同時選択して複数本単位で順次、選択電圧(選択電圧は選択期間に印加される)が印加される。一方、非表示行(非表示領域の走査電極)の選択期間に相当する期間にはPDYはLレベルとなる。PDYがLレベルになると、Yドライバ4の全出力は非選択電圧レベルとなり、結果的に1フレーム期間中において非表示行の走査電極には選択電圧が印加されないのでその走査電極に相当する画面領域が非表示状態になる。このように、非表示行への選択電圧の印加を停止するだけで部分表示機能自体は可能となり、消費電力もかなり低減する。但し、PDYがLレベルの間は駆動電圧形成回路3の動作も停止した方が消費電力低減の面で好ましい。
【0042】
ドットマトリクス型表示パネル(パッシブマトリクスとアクティブマトリクスを含む)の場合、Xドライバ5は選択されているある行の表示に対応する駆動電圧を出力している間に、次に選択される行の表示データのXドライバの記憶回路(SRAMやシフトレジスタ)へのデータ転送を行う必要がある。そのためCNTはPDYよりも1水平走査期間だけ先行する信号となっている。また、図5の場合は、PDYがLレベルの間はXドライバ5は40行目の表示データをXドライバの記憶回路に保持しており、40行目の駆動電圧を出力し続けることになるが、その期間中は走査電極に選択電圧が印加されないので表示されることは無い。
【0043】
なお、表示パネルがアクティブマトリックス方式の場合には、各画素は非選択の期間はそれより前の選択期間に印加された電圧を容量によって保持し続ける。このため、全画面表示状態から部分表示状態に移行した際および部分表示状態で部分表示領域Dの表示位置や表示面積(表示幅)等を切り替えた際の最初の1フレーム期間だけは非表示行の走査線にも選択電圧を与え、信号線を介して画素にオフ電圧を書き込んでおく必要がある。従って図4および図5は若干の変更が必要となる。例えば、図5においては、t1の直後に到来する1フレーム期間はPDYは1フレーム期間Hレベルとなって、非表示領域の走査線も選択してXドライバから非表示領域の画素にオフ電圧を書き込み、次のフレーム期間からは期間TのみPDYがHレベル、非表示領域の選択期間はPDYがLレベルとなる。
【0044】
以上が部分表示機能を実現する回路例についての説明である。部分表示状態においても走査信号転送用クロックCLYの周期は変更しないので、表示領域の各走査線に選択電圧を印加する時間は全画面表示時と同じである。従って、バイアス比や選択電圧を変更する必要が無い。なお、CLYは停止できるところでは停止した方が好ましくはあるが、停止しなくても部分表示が可能であり、消費電力への影響も小さいので停止しなくてもよい。
【0045】
上述の例では走査電極が1行ずつ順次選択される線順次駆動の単純マトリックス方式によるものとして説明してきたが、複数行を同時選択し複数行単位で順次選択する駆動方式(マルチラインアドレッシング等と呼ばれる駆動方式)の場合にも本発明の適用が可能である。
【0046】
表示行数が100以下の比較的小さな液晶表示装置の場合にはそこに用いられるXドライバ5は1画面分の表示データ記憶回路(以下、表示データRAMと表わす)を内蔵している場合が多い。本発明の場合にもXドライバ5には1画面分以上の表示データRAMを内蔵させることが消費電力低減の上で好ましい。画面が静止画状態にある時にはシステムバスやコントローラの主要部分が停止していても表示し続けることが可能になるためである。表示装置は一般的に60Hz程度のフレーム周波数で画面の書き変えあるいはリフレッシュ動作を行っている。たとえば図1に示したように2秒周期で部分表示の表示パターンを切り換える場合には、Xドライバ5が表示データRAMを内蔵していれば、Xドライバ5の表示データRAMへの表示データの転送動作は、同じ画面表示を繰り返す約120フレーム(2秒間に相当)中の先頭の1フレームだけ行えばよいのに対して、 Xドライバが表示データRAMを内蔵していなければ全フレームにおいて同じ表示データの転送動作の繰り返しが必要となる。表示データ転送周波数が数MHz程度と高いので、表示データ転送動作の休止は消費電力低減にかなり有効である。
【0047】
特に、Xドライバ5に表示データRAMを内蔵させ、コントローラ2に時間標準となる発振回路を内蔵させれば、部分表示状態に移行する最初の1フレーム期間だけシステム側から表示装置へ表示データを転送するだけで、以後はシステム側から表示データやクロック信号の供給を一切受けずに図1のような表示を続けることが可能となる。たとえば図1の表示パネルの表示可能行数(有効表示走査線)を200、部分表示状態での表示行数(走査線数)を40とし、部分表示状態に移行した最初の1フレーム期間で図1a〜eの模様をXドライバ5内の表示データRAMに書込んでおけば、部分表示状態に移行した最初の2秒間は図1aのように1〜40行目だけを表示し、次の2秒間は図1bのように41〜80行目だけを表示するという具合に、表示装置側のみで自走的に図1のような表示を続けることが可能となる。システム側から表示装置へ表示データを転送する回数が著しく低減できるので、より低消費電力の部分表示機能付き表示装置が実現可能となる。Xドライバ5に表示データRAMを2画面分内蔵させれば、より複雑な部分表示を行うことも可能である。
【0048】
以上の本発明において、液晶表示装置は、反射型あるいは半透過型の液晶表示装置であることが好ましい。バックライト等の表示パネルの照明用光源を用いない液晶表示装置は、液晶パネルの基板内面に形成する液晶駆動電極を反射型電極としたり、液晶パネルの基板の背面側に反射板を配置する等の構成により反射型液晶表示装置とすることができる。これは表示装置の内では最も低消費電力であり、このような表示装置に対して更に部分表示機能を備えることにより更に低消費電力にできる。また、バックライト等の照明用光源を液晶表示パネルの背面側に配置し、光源使用時は透過型液晶表示パネルとして表示し、光源不使用時には反射型液晶表示装置として機能する半透過反射型表示装置(光源と液晶表示パネルとの間に、半透過膜あるいは一方の直線偏光は透過し他方の直線偏光は光源側に反射する反射偏光板を配置することで構成できる)とすることもできる。このような表示装置に対して更に部分表示機能を備えることにより更に低消費電力にできる。
【0049】
従って、最も低消費電力である上に表示に面白味や独創性を持たせることができる。
【0050】
なお、表示パネルは素子が前述してきたような液晶によるものばかりではなく、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションデバイス、エレクトロルミネッセンス(EL)や発光ダイオード等々であってもドットマトリックス型の表示パネルであれば本発明の適用が可能である。
【0051】
(実施例2)
図6は本発明による電子機器の外観を示す図である。携帯型の情報機器であって、電池を電源としている。21はドットマトリックス型の表示パネルであり必要な時には図のように全画面表示状態になるが、待機時にはたとえば図1のようにある時間間隔で表示位置が動いて行く部分表示状態となる。
【0052】
図7は本発明の電子機器の部分的な回路ブロック図の例である。22は電子機器全体を制御するμPU(マイクロ・プロセッサ・ユニット)、23は種々のプログラムや情報および表示データ等を格納するメモリ、24は表示装置、25は時間標準源となる水晶振動子である。22〜24はシステムバス11を介して接続されており、また26の電池を電源としている。
【0053】
ここに、表示装置24として前述した実施例の表示装置を用いることにより、電子機器全体の待機時の消費電力を低減した上で部分表示状態の画面に面白味や独創性を持たせることができる。なお、電子機器の表示装置は、電池を電源とするため、反射型表示装置、あるいは表示装置のバックライト照明用光源を有しながらも光源不使用時は反射型表示で光源使用時は照明光を透過して透過型表示となる半透過型表示装置が、消費電力を抑えて電池寿命を延ばすことができるので好ましい。さらには、本発明の電子機器では、機器が操作されない状態が一定時間経過した後の待機時には、表示装置は部分表示状態となって、図3に示したドライバやコントローラでの表示装置の駆動による消費電力を抑えるので、より一層電池寿命を延ばすことができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、部分表示領域の位置や面積あるいは表示内容をある時間間隔で変化させることにより、低消費電力性を維持した上で部分表示状態の画面に面白味や独創性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置における部分表示状態を示す図。
【図2】本発明の表示装置における他の部分表示状態を示す図。
【図3】本発明の表示装置の構成例を示す図。
【図4】図3におけるコントローラの部分ブロック図。
【図5】図4の回路ブロックの動作を示すタイミング図。
【図6】本発明の電子機器の外観を示す図。
【図7】本発明の電子機器の部分回路ブロック図。
【図8】部分表示機能を有した従来の液晶表示装置の構成例を示す図。
【符号の説明】
1,31 … 液晶表示パネル
2,32 … LCDコントローラ
3,33 … 駆動電圧形成部
4,34 … 走査電極駆動用ドライバ(Yドライバ)
5,35 … 信号電極駆動用ドライバ(Xドライバ)
6,26,36 … 電源
7… タイマー
8… レジスタ
9… 部分表示制御信号形成部
10… AND回路部
11… システムバス
21… 表示パネル
22… μPU
23… メモリ
24… 表示装置
25… 水晶振動子
37… 走査制御回路
D,D1,D2 … 部分表示領域
FRM … 画面走査開始信号
CLY … 走査信号転送用クロック
DnI,Dn … 表示データ
CLXI,CLX … データ転送用クロック
LPI,LP … データラッチ信号
CNT,PDY,PD … 部分表示用制御信号

Claims (3)

  1. 複数の走査線と複数の信号線とを有し、画面内の一部領域を表示状態とし、他の領域を非表示状態とする部分表示機能を有するマトリックス型の表示装置において、
    前記一部領域の画面内での位置を示すデータが設定される記憶回路と、
    前記記憶回路に設定されたデータと1フレーム期間毎の画面走査開始信号と1走査線選択期間毎の走査信号転送用クロックとに基づいて画面内の前記一部領域の表示期間を制御するタイミング信号を形成する部分表示制御信号形成回路と、
    前記タイミング信号と表示データとが供給されるとともに当該タイミング信号と当該表示データとの論理積を施す回路ブロックと、
    前記回路ブロックを介して前記表示データが転送されるとともに1画面分の表示データを記憶する表示データ記憶回路を内蔵した信号線駆動回路と、を有し、
    画面内の部分表示状態において、前記部分表示状態に移行する際には、最初の1フレーム期間にのみ1画面分の表示データが前記表示データ記憶回路に転送され、2番目のフレーム期間以降のフレーム期間には前記回路ブロックにおいて前記表示データの転送が停止され、前記表示データ記憶回路に記憶された前記1画面分の表示データから前記一部領域に対応する表示データを切り換えながら表示を続けることを特徴とする表示装置。
  2. 前記記憶回路が記憶するデータを変更するタイミングを規定するパルス発生器を更に有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 請求項1または2のいずれか一項に記載の表示装置を具備することを特徴とする電子機器。
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