JP3758001B2 - フードにより煙霧の封じ込めを効率化する装置および方法 - Google Patents
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Description
本発明は蒸気を含有し、その拡散を防止する通気性のある囲いに関する。そのような囲いは一般的にヒュームフードとして知られている。本発明は、さらに具体的には、内部への出入りを可能にするように開けることが出来るヒュームフードに関する。ここにおいて、該開口によって煙霧をフードの外部に意図せずして漏出させてしまう可能性がある。本発明は、最も具体的には、進入速度および組成調整された空気(make-up air) の体積を制御するヒュームフードに関する。
【0002】
作業場からの揮発性物質、特に毒性物質の拡散を防止すること、およびそれらの物質を扱う人による毒性物質等の吸入を防ぐことが望ましい、工業的・科学的設備では、ヒュームフードはよく知られている。フードは、作業者の手または腕のみが入る装置から、一人以上の人が入れる大きな装置および大きな設備に至るまで、様々な大きさを取り得る。典型的には、フードは、フード中に毒性物質などの含有されていない空気を取り入れ、予め決められた(時々変えることができる)割合でフードの内側から、フードから離れた安全な排出点に空気と煙霧とを排出する排気システムを備える囲いを有する。垂直方向に滑らせることの出来るドアやサッシのような、閉めることの出来る囲いの開口部によって、一般に、空気がフード中に入り、フード中で行われる操作に伴う人と装置との必要に応じた関わりが可能になる。
【0003】
ヒュームフードを使用するに当たっての共通の目標は、前記ドアが開いている場合にドアから煙霧が逆流して漏出するのを防止することである。1つの方策は、ドアが開いている間はフードを通る気流を増加させることである。しかしながら、気流が増えると、フード中の乱気流を増加させる可能性があり、それによって、実際に煙霧の乗った空気が単発的にドアから追い出される可能性が生じる。さらに、フード中に導入され、次いで大気中に排出される空気は、多少費用がかかっても人間が快適であるために調整されている可能性があり、それ故に流速の大きなフードはエネルギーの浪費であり、運転に費用がかかる。
【0004】
ウィギンらに、1988年5月3日付で発行された米国特許 No. 4,741,257 は、フードの内側および外側の空気圧を測定し、フードに入る空気の流れを調節して圧力差を一定に維持する制御システムを開示している。フードのドアまたはサッシが開かれているか、または閉じられている場合は、差圧のバランスを取り直して、サッシの位置に関わらず、フードの「フェース」または何もない領域を通る空気の速度を一定にするために、システムは入ってくる空気の流れを増加させたり減らしたりする。この制御システムの根底にある仮定は、フードのフェースを通る空気の速度を一定に保つことが最適な制御方法であるということである。逆流を防止するためには、何が最適な差圧で、したがって何がフードを通過する最適な気流であるかを扱っていないので、この仮定は必ずしも正確ではない。このシステムによって統治される流れは、調整された空気を浪費する可能性もある。全体の体積を減らすことによってエネルギーは節約される可能性があるが、発明者によってなされた微量のガスの研究は、可変体積固定フェース速度制御を使用することによってはヒュームフードは本質的により安全にはならないことを示した。異なる設計を採用し、異なる寸法を有するヒュームフードは、最適の流速および流量が異なっている可能性があり、それはまた、フードの外側の絶対および変動圧、フードの前面における気流および活性、フードの内側の負荷、並びにフードに入る組成調整された空気(make-up air) の温度を含む環境条件の影響を受けやすい。
【0005】
典型的な上方排気フードは基本的に2つの区域を有している。それは、下方の面速度作業室、およびその上方の排気システムを与える渦を有している場合がある第二室である。前記渦の強度および安定性は、フードに入る空気の面速度よりも逆流を制御するにあたって実質的に重要度が大きいことに気付いた。流速が非常に小さい場合には、渦は不安定で明瞭に現れず、開いているサッシを通って逆流が起こる可能性がある。気流が速すぎる場合には、渦は崩れるか破壊され、煙霧の乗った柱をフードフェースから噴出させる激しい気流の動きに取って代わられる可能性がある。気流が適切に調節されていると、円滑な渦が上方の室に形成され、下方の作業室からの煙霧を効率よく捕え、排出口へと気流を運び、フェースを通っての煙霧の逆流を防止する。
【0006】
後で記載する方法によって決定することのできる、渦室の側壁のある重要な位置において、渦室とフードの外側との間に重要な差圧が存在する。この差圧はフードを通って流れる空気の体積およびフェースの開いている領域の割合に伴って変化する。安定した渦は層流を形成しており、これらの条件下で渦中の前記重要な位置におかれたセンサーは、渦室の内部とフードの外部との間に最小の圧力変動を検出する。この条件はフードを通る最適の気流および最適の差圧を示している。しかしながら、渦が不安定な状況下では、センサーは、上方の室を通る激しい、または混沌とした流れと結びついたわずかな圧力変動を検出する。本発明の動的な制御システムは、下方の室から渦室への組成調整空気(make-up air) の流れを変えて、安定した渦を形成し、それによって感知される圧力の変化を最小にするために、圧力変動のフィードバック感知を使用する。
【0007】
境界壁での渦圧の測定は、水位計の .000015 インチのオーダーで、リアルタイムでの速度圧の測定をすることの出来る差圧変換器を必要とする。膜の質量および移動距離が大き過ぎ、また、反応時間が長過ぎるので、公知の機械的差圧の振れのセンサーは不十分である。公知の熱線抵抗温度デバイス(RTD's) またはサーミスタは、リアルタイムの測定では第一段階で十分な利得を与えることが出来ない。
【0008】
ヒュームフードの渦室における乱気流を最小にする改良された装置および方法を提供することが本発明の主要な目的である。
【0009】
ヒュームフードからの煙霧を含む空気の向流逃げを最小にする改良された制御手段を提供することが本発明の更なる目的である。
【0010】
.000015" wc 以下程度に小さい差圧を検出する改良された反応の早いセンサーを提供することが本発明のまた更なる目的である。
【0011】
一定時間内に使用される組成調整空気(make-up air) の量を最小限にしつつ、ヒュームフードの煙霧含有能を最大にする改良された装置および方法を提供することが本発明のまた更なる目的である。
【0012】
簡単に述べると、本発明によるシステムは、作業室の上にある渦室の壁の重要で決定することの出来る位置に置かれた反応の速い差圧センサーを有する。操作状態においては、渦室の低い圧力のために、センサーを通ってフードの外側から渦室に入る空気のわずかで連続的な流れがある。渦室における圧力の非常に小さく非常に速い変化をシステムが検出すると、システムは渦が不安定になったと推定し、渦に出入りする気流を変化させて乱気流を減らして渦を安定化するために、1つ以上の可動板を調節する駆動信号を発する。このセンサーは、フードの操作者に潜在的に危険な逆流状態を警告するための警報システムの一部として非制御方式で使用してもよい。
【0013】
センサーは、信号変換器として機能する抵抗ブリッジの対向する脚に、一対の整合した線形熱ツェナーダイオードを有する。該ダイオードの1つは放熱子に結合されており、整合されたセンサーを機械的にアンバランスにし、電子的な変動を防止するセンサー間に固定熱損失バイアスを与える。ブリッジ回路は2段出力増幅器を有する。センサーは全く同じ金属管片で遮蔽されていて、それらはゴムのスペーサによってダイオードから離されている。そして、熱ダイオード上を通過する空気による冷却に差動的に反応する。フードの内側と外側との間の差圧における変動を直接示すように、空気の速度は検量されている。例えば、ブリッジの2ボルトの出力を .000015" wc の増幅変動に対応させることが出来る。
【0014】
固定熱作動機械的構造と結びついた線形ダイオードは、渦室の壁で、渦の完全度と安定度とを示すわずかな圧力の変化の測定を可能にする。新しい入口のノズルおよび空気力学的ピックアップ形状は、ビルのHVAC脈動や風などのフードの外側のノイズ源からの類似する大きさの望ましくないエネルギー波を、受け付けない。
【0015】
全てのフードに適用することの出来る、普遍的なセンサーの最適位置はない。渦室の高さおよび奥行き、並びにフェースの2つの異なる大きさの開口部において測定された面空気速度の比に基づいて、私はいかなるフードについても最適の位置を決定することの出来る方法と数学式を得た。
【0016】
センサーおよび増幅器を含むブリッジ回路は、リアルタイムの信号を比例積分アルゴリズムおよび適応利得アルゴリズムを有する専用のアナログコントローラーに送る、渦差圧変換器である。前記コントローラーの出力は、渦室に入る組成調整空気(make-up air) の体積を変化させるためにフード中のバイパス空気ダンパーの位置を変える作動装置に送られる。この制御システムは、センサーによって最小の圧力変動が感知される、即ち安定した渦の存在を示している、ダンパー位置を捜す。渦室からの出口における第2のダンパーも、渦室を通る適切な空気の流れを得る助けとなるように制御システムによって操作されてもよい。制御ダンパーの動作範囲内で最小位置が得られなければ、出力信号はフードの排気ダンパーを作動させて、排気扇を回転を落とし、システムが制御ダンパーによる制御の範囲内に入るようにする。
【0017】
この技術は、単一の排気システムに結合されている多数の排煙フードを制御するのに特に有用である。ある建造物内の様々な位置にある多数のフードを最適に働かせるように中央排気システムを調整するのは不可能である。ヒュームフードの使用者を保護するために、フード内のダンパーを操作することによってどのようにして渦を最適化することが出来るかについての発見は、操作者の安全という点において非常に重要な前進である。もし、何らかの理由によって、排気ダンパーおよびバイパスダンパーを操作することによって渦を安定にすることが出来なければ、安全ではない状態の警報を発するようにシステムを改良することが出来る。この警報は、従来技術に開示されているような面速度に基づくものではなく、排煙フードの捕捉品質に基づく。フードのフェース面積が小さい場合(ドアが殆ど閉まっている)には低い面速度が使用されるので、この技術によってエネルギーを節約することもできる。
【0018】
現在のところ好ましい態様と共に、本発明の前記および他の目的、特徴および効果は、添付の図面を参照する以下の記載を読むことによって一層明らかとなるであろう。
【0019】
図1には、フードの中への、フードの内部での、およびフードからの空気の動きを制御または指示する様々な要素を含む筐体12を有する代表的な従来技術のヒュームフードが示されている。垂直に滑らせることができるドアまたはサッシ14によって、作業者および空気のフードへの出入りのため開口部またはフェース16を調節することができる。フードの内部は作業室18とその上方の渦室20を有し、作業用ライト21を有していてもよい。排気用煙突22はファン24を備えており(図1には示されていない)、ファンはフェース16および床に接する入口17からフード中へ空気を引き入れ、筐体12の開口部から空気を追い出す。前期フードの入口からの気流は、主としてフェース16から入り、後部板26の方に流れて、角度のついた板28へと上ってゆく。角度の付いた板28は気流を回転させて円筒状の渦30に導入するのを助ける。フードの床を流れる気流を与えるために、フードは第2の気流路を有している。板26および28は後部壁32から離して設置されており、通路33を形成している。板26および28は上部34からも離れており、渦室20からの出口36を形成している。さらに、板は底部38からも離れており、下部口40を形成している。板26は通路33に通じる中間孔42を有していてもよい。
【0020】
図2は、本発明の一態様に従って変形されたフード10を示している。以下にもっと詳しく記載されており、図9に示されているが、電子ブリッジ回路の向かい合う脚に配置されている整合させた一対の熱ツェナーダイオードを有する動的差圧変換器45の感知ステージ44は、フードの側壁46の穴の外側に配置されており、渦室中の圧力のごくわずかな変化に起因する、穴を通る気流のわずかな変化を感知して気流の乱れを示す。気流の乱れは渦が存在しないか不完全に形成されており、煙霧がフードのフェースから逃げている可能性があるという不安定で望ましくない状態を示している。そのような変化が感知された場合は、前期ダイオード間の熱的に誘導された電気的不均衡に起因する信号が、信号増幅器を含み、好ましくはフードの外に配置されている変換器の第2ステージに送られる。リアルタイムで増幅された信号は帰還制御装置50、好ましくは、比例積分および適応利得アルゴリズムを有する、図10に図式的に示されているアナログコンピュータに送られる。その信号は警報機51にも送られてもよく、警報機は予め定められた警報限界を与える変化させることのできる閾値弁別装置を有していてもよい。制御装置50の出力は作動装置52、好ましくはサーボステッピングDCモーター作動装置へ送られる。作動装置は、接続チェーンまたはケーブル58によって出口ダンパー54およびバイパスダンパー56を同期させて動かす。渦中にさらに空気を入れるためには、底部スロット40を通過するバイパス空気をさらに制限するためにバイパスダンパー56を動かし、出口スロット36を更に開けるために出口ダンパー54を動かす。逆に、渦中に流れ込む空気を少なくするためには、通路33へ空気をバイパスさせるために底部スロットを開け、出口スロット36が絞られる。システムは、センサー44からの信号における変化がゼロになる状態を求めており、変化がゼロであることは渦室に安定な渦が存在することを示す。もし、ゼロの状態が得られなければ、システムはフードを通る全気流が不適切であると推測して、全気流を変化させるために、第2作動装置53に排気煙突中のスロットルダンパー55を作動させる。
【0021】
フードの側壁における圧力センサーの正しい位置は、どのフードについても、以下の手続によって図3に示されるように決定することができる。
【0022】
第一に、フロアスイープバイパスなどの全ての入口を密閉し、フェースを通っての空気の通過のみを可能にする。サッシを最大解放位置まで開ける。
【0023】
第二に、例えば、排気ファンの速度を変えたり、排気ダンパーを調節することによって、フードの排気量を平均的なフェース速度である1分当たり100 フィートにセットする。
【0024】
第三に、サッシを50%閉め、平均フェース速度を測定する。
【0025】
第四に、第三段階で得られた値で 100 を割り、R2と呼ばれる純フードインデックス数を得る。
【0026】
R2=100 fpm/平均フェース速度fpm (1)
第五に、頂上部および前面のそれぞれの中間部において、渦室の高さAと深さBとをそれぞれ測定し、次式によってAとBとの直交点に原点Oを有する半径Cを計算するのに測定値を使用する。
【0027】
C={√(2.98xAB/ π) }/2 (2)
第六に、原点Oからフェースの開口部Fの上端までの距離Dを測定し、この値からCを引いてXを得る。
【0028】
X=D−C (3)
第七に、Z=X/2を取って、次の式によって配置ファクターbを計算する。
b=Z(R2 )
第八に、前記開口部Fから線Dに沿って(b+Z) の距離にセンサーを配置する。感知素子の構造は図4〜6に示されている。第一熱ダイオード60と第二熱ダイオード62は、熱に対する反応において、電気的に全く同じであり、図9に示すように、電子ブリッジ45のそれぞれの脚64および66に接続されている。各ダイオードはある長さの薄壁の金属管70および72によってそれぞれシールドされており、シールド用の前記管は、例えば、長さ0.220 インチ、外径0.094 インチ、壁厚0.006 インチの真鍮の管など、大きさおよび材料において全く同じである。各管はゴムのスペーサ74によってダイオードから絶縁されており、センサーのガラスビーズとシールド管との間に均一な空気間隙を有している。ダイオード60はブリッジにおける参照ダイオードである。ダイオード62の周囲の管72は、ダイオードのアノードのリード線に半田付けすることによって機械的に取り付けられており、感知ダイオードとしてのダイオード62に機械的なヒートシンク73を与えている。ダイオード60からよりダイオード62からの方が熱は速く放散される。平衡電流ブリッジは、ブリッジの両脚を通じて一定電流を維持しようとするが、ダイオードを横切って通過する空気が抵抗と電流の不均衡を生じさせ、ブリッジから搬送出力信号を発生する。
【0029】
この機械的に誘発された電気的混乱はいくつかの利点を提供する。第一に、前記機械的に誘発された不均衡は決して変化しない。その結果、公知の電子不均衡技術では経験された可能性のある、2つのセンサー間での経時ドリフトがない。第二に、線形熱ダイオードと金属シールド管との組み合わせは、低温での高利得感知を実現し、熱線型熱抵抗温度装置では起こる可能性のある汚れの焼き付きを防ぐことができる。第三に、この構成で使用されるダイオードは水位計(WC)の0.000015インチ程度に低い差圧を感知することができ、DC2ボルトのブリッジから増幅された出力を伝えることができる。
【0030】
このシールドを有する熱ダイオードは、センサー筐体82の窓80におけるそれぞれのリード76および78に固定されている。これらリードは、第一および第二増幅器86および88並びに電子ブリッジの他の公知の抵抗器を有する第二ステージ48の入力リードへケーブル84を介して接続されている。前記窓の端部は夾角の入口角度αが約60度になるように面取りされているのが好ましい。前記窓の喉部90は約0.322 インチの幅であるのが好ましい。
【0031】
図7および8に示されているように、センサー筐体82は側壁の孔94に隣接するフードの側壁46の外表面93に取り付けられている据付台92の窪孔に配置されている。据付台92は実質的に円形で孔94を取り囲んでいるのが好ましい。フードの外側で発生する圧力パルスの形態のノイズはダイオードで感知され、誤った信号の発生に帰する可能性があるので、据付台92は、フードの外側からの関係のないパルスを効果的に減衰させることのできる環状ノズルであるのが好ましい。好ましい態様においては、ダイオードは側壁46の内側の表面98から、0.2 インチと3.4 ンチとの間の距離96をおいて配置されており、孔94は0.690 インチの直径95を有している。窪孔91の端部から始まって、据付台92のノズルの形状は曲率半径97が0.600 インチで開口部の直径100 が1.5 インチ、据付台92の窪孔91迄の深さが0.388 インチである点まで外側に湾曲している。直径100 の位置を越えると、据付台の表面は外側に湾曲し、直径95の約4倍であって据付深さが0.450 インチである開口部の直径102 の位置まで、予想される操作圧力範囲内での空気の流れ対ヒュームフードの差圧の平方根関数のおよその写しである実質的に放物線形の入口湾曲を示している。直径102 の位置の外側は、幅が0.031 インチで側壁46に実質的に平行である平面的な環状表面103 である。
【0032】
ヒュームフードの渦の制御は時間によって変化する非線形プロセスであるので、適応性のあるアルゴリズムの使用によってリアルタイムで制御される。図10に示されている自己適応利得コントローラー50は様々なループ利得を補償し、異なる複数のサッシ位置でコントローラーの調整をする人間のヒュームフードオペレーターの代わりをする。図10における記号はコントローラー50の構成部品について一般に受け入れられている名称であって、制御アルゴリズムを記載している。(図示されている)アナログまたはデジタル制御ループのどちらでも前記制御アルゴリズムを実行することができる。応答速度という観点から、デジタル制御よりもアナログ制御が好ましい。
【0033】
適応性のあるコントローラーは、リアルタイム制御の要件を損なうことなく、システム制動を調整する。渦が安定であるときは、制動は必要なく、比例帯域は狭い。しかしながら、乱れが生じると、周波数帯域に偏差を分散させることによって帯域は広くなる。発振が正常であれば、それらは高周波チャネルを通り抜ける。すると、信号は整流され、結果は正および負偏差アダプタに送られる。積分器はコントローラーの比例帯域を増加させることによって偏差に比例して応答する。同時に、偏差の低周波数帯域は利得Kによって増幅され、整流され、積分器に送られる。オフセット、ドリフトまたは反応の遅滞があると、積分器はコントローラーの比例帯域を減少させて渦を初期の位置に戻す。
【0034】
渦差圧変換器45は、図11に示されるように、孤立(stand-alone) フード警報システムの部品としても使用することができる。本発明の渦制御装置を備えていないフードについては、フードが適切な気流制御下になく、煙霧の逆流が起こる可能性がある時をオペレーターが知っていることは重要である。変換器45の出力信号を、搬送信号から警報信号を区別する臨界判別器を有する警報機51に直接送ってもよい。
【0035】
前記記載から、改良された装置が提供され、最適にフード中に煙霧を動的に封じ込める方法が明らかになったであろう。本願装置および方法においては、渦室におけるある重要な位置で差圧が感知され、渦室を通過する気流はしっかりした渦を維持するために制御下に変化を与えられる。ここに記載されている装置および方法の、本発明に従った変更および修正は、当業者には疑うことなく明らかであろう。したがって、前記記載は例示的であると理解されるべきで、限定的な意味に解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
図1は渦の感知および積極的な制御を行っていない従来技術のフードの縦断面図である。
図2は、本発明による渦感知および制御要素を示す図1と同様の縦断面図である。
図3は、渦圧センサーの正しい配置を説明するヒュームフード渦室の概略断面図である。
図4は、センサーにおける熱ダイオードの据え付けを示している。
図5は、センサーの平面図である。
図6は、図5における6-6 の線に沿ったセンサーの断面図である。
図7は、渦室の側壁を通って延びるノズル部材に操作のために配置されたセンサーの断面図である。
図8は、ノズルが渦室の外側からの望ましくない圧力波を受け付けないようにする寸法を示す、図7のノズルの入口の曲線の断面図である。
図9は、図4および6に示されているセンサーを含む動的渦圧変換器の設計線図である。
図10は、前記渦圧変換器からの入力信号をヒュームフード邪魔板調節サーボ機構および排気ダンパーへの出力信号に変換する適応性利得コントローラーの設計線図である。
図11は、本発明の渦圧センサーおよび変換器を含むヒュームフード性能警報機を備えたフードの概略縦断面図である。
Claims (17)
- 作業室に通じる調節することのできる開口部、作業室の上方の渦室、およびファンを有する排気システムを有するヒュームフードにおいて、通路を通して空気を前記排気システムに可変的にバイパスさせることによって、渦室を通過する気流の量を動的に制御し、
a)渦差圧変換器、
b)前記渦差圧変換器からの増幅された信号を受け取り、該信号を加工し、コントローラー出力信号を与える電子コントローラー、
c)前記電子コントローラーからの前記出力信号に応答する作動装置、および
d)前記バイパス通路にあって前記作動装置によって作動可能であり、前記排気システムへと前記バイパス通路を通って行く空気の量を変化させることによって、前記渦室を通過する空気の量を変化させる制動機
を有するシステム。 - 前記変換器が
a)前記渦室の通路中に配置されており、渦室の壁を貫通する孔に近接して配置されている、渦室とフードの外側との間の差圧における変化を感知するセンサー、および
b)前記センサーからの信号を増幅する演算増幅器
を含む電子平衡ブリッジを有する、請求項1によるシステム。 - 前記渦室の前記壁における前記孔の外側にノズル入口を更に有する請求項2によるシステム。
- 前記センサーが、前記孔を通って渦室へ流れる空気の通路に配置される第一および第二熱反応ダイオードを有し、該ダイオードが前記電子平衡ブリッジの向かい合う脚に電気的導線で接続されると共に該導線から絶縁された第一および第二環状シールドによってそれぞれシールドされており、該第一シールドが前記第一ダイオードの導線に熱伝導的に取り付けられ、第一ダイオードからのヒートシンクを形成しており、前記第一ダイオードが信号用ダイオードで、前記第二ダイオードが参照用ダイオードである、請求項3によるシステム。
- 前記ダイオードが前記孔を通過する気流に曝され、入口の夾角が約60度で面取りされた対向する入口端を有する窓を有するセンサー筐体を更に備える請求項4によるシステム。
- 前記ノズルが実質的に環状であり、前記孔が約0.7 インチの直径を有し、前記センサー筐体が前記ノズルの窪孔に配置されており、前記環状ノズルの湾曲は3つの領域を有しており、第一の領域は前記窪孔の端部から始まってノズル開口部の直径が約1.5 インチ、前記窪孔迄のノズルの深さが約0.388 インチである点まで曲率半径約0.600 インチで外側に湾曲し、第二の領域は第一の領域から、前記孔の直径の約4倍であって窪孔迄のノズルの深さが0.450 インチであるノズル開口部の直径の位置まで、操作圧力範囲内での空気の流れ対差圧の平方根関数のおよその写しである実質的に放物線状の湾曲で外側に湾曲しており、第三の領域は直第二の領域から延びる、幅約0.031 インチの実質的に平面的な環状表面である、請求項5によるシステム。
- 前記作動装置によって前記バイパスダンパーと反対に作動させることができ、前記渦室から排気システムへの出口スロットに配置されており、前記出口スロットの開口面積を変化させる第二ダンパーを更に有する請求項1によるシステム。
- 前記電子コントローラーからの前記出力信号に反応する第二作動装置、および該第二作動装置によって作動させることができ、前記排気システム中に配置されており、前記排気ファンによる排気量を減らす第二作動装置を更に有する請求項1によるシステム。
- 前記渦差圧変換器からの信号の増幅が前記渦室の安定性に反比例し、前記制御システムが、前記信号の増幅を最小にするように渦室を通過する空気の量を制御変化させる帰還制御システムである請求項1によるシステム。
- 前記信号の増幅が予め定められた限界を超えた場合に、前記渦差圧変換器によって作動させることのできる警報機を更に有する請求項9によるシステム。
- 前記渦室の壁における前記孔の最適な位置が、Fを作業室に通じるフェース開口部の上端部の位置とし、Oを渦室の頂上部および前部のそれぞれの中間点における渦室の高さAと深さBとの直交点としたときに、FとOとを結ぶ長さDの線に沿って、次の計算
C={√(2.98xAB/π)}/2=垂直平面におけるOからの半径
X=D−C 線Dに沿って
Z=X/2
R 2 =フードの広く開けたフェースを通る1分当たり 100 フィートの空気速度をフェースの開口面積を 50 %縮小したときの平均空気速度で割った値
b=Z(R 2 )
によって算出される b と Z とを用いて、Fから (b+Z) の距離にあることを特徴とする、請求項1によるシステム。 - 前記電子コントローラーが前記信号の処理に当たってプログラムされた比例積分および適応利得アルゴリズムを使用する、請求項1に記載のシステム。
- 前記電子コントローラーがアナログコンピューターである請求項11によるシステム。
- 対向する脚において温度変化に作動的に反応するブリッジであって、該反応の大きさは前記対向する脚の上を通過する空気の速度に直接的に関連し、前記空気速度は対向する脚に生じる動的差圧に直接的に関連し、該ブリッジが
a)前記空気の通路に配置されており、温度によってその抵抗値が変わり、前記電子平衡ブリッジの対向する脚に電気的導線によって結合されている、第一及び第二熱反応ダイオード、
b)前記第一および第二ダイオードの周囲にそれぞれ配置されている第一および第二ダイオードシールドであって、前記第一ダイオードが参照用ダイオードであり、第二ダイオードが信号用ダイオードであり、該第二シールドは前記第二ダイオード導線に熱伝導可能に取り付けられて第二ダイオードからのヒートシンクを形成し、
c)前記第一および第二ダイオードとの間の抵抗差に比例する前記ブリッジの電圧出力を制御する、帰還ループ中の第一および第二演算増幅器、
を有するセンサー装置。 - 前記第一および第二ダイオードが実質的に同一の熱反応を有する請求項14によるセンサー装置。
- 前記電圧出力が0ボルトと2ボルトとの間で可変である請求項14によるブリッジ。
- 渦室における渦の安定性を動的に最適化することによって作業室の上方に渦室を有するヒュームフードの性能を最適化する方法であって、
a)前記渦に曝される渦室において、Fを作業室に通じるフェース開口部の上端部の位置とし、Oを渦室の頂上部および前部のそれぞれの中間点における渦室の高さAと深さBとの直交点としたときに、FとOとを結ぶ長さDの線に沿って、次の計算
C={√( 2.98xAB/ π)} /2 =垂直平面におけるOからの半径
X=D−C 線Dに沿って
Z=X/2
R 2 =フードの広く開けたフェースを通る1分当たり 100 フィートの空気速度をフェースの開口面積を 50 %縮小したときの平均空気速度で割った値
b=Z(R 2 )
によって算出される b と Z とを用いて、Fから (b+Z) の距離にある位置において、渦室の内側とフードの外側との差圧の変化を測定し、
b)前記作業室を通って渦室へ入る空気の流れを、前記差圧の変化が最小になるまで変化させる
という手順を有する方法。
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