JP3753964B2 - 着色塗料用樹脂組成物及び積層塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料の配向性に優れ、仕上がり外観が良好で、塗装揮発分の低減とチッピングないしはピーリングと呼ばれる塗膜剥離防止の両立をも可能にした着色塗料用樹脂組成物及びそれを用いた積層塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
金属素材に、電着プライマー、中塗り塗料を塗装しその上から顔料を含むベース塗料及びトップクリヤー塗料(以下、トップクリヤーという。)からなる上塗り塗料を積層する塗装方法は、自動車塗装系の過半を占めるに到っている。
【0003】
この積層された塗膜において、電着プライマー塗膜は、金属素材の防食機能を主目的としており、また中塗り塗膜は、上塗り塗膜を平滑にし、しかも、ツヤの良い塗膜を得る下地としての作用を有し、かつ、機能の異なる電着プライマー塗膜と上塗り塗膜とを長期間、密着せしめる作用を有している。
【0004】
さらに、ベース塗膜は、無機及び/又は有機顔料を含むソリッドカラーベース塗膜、アルミ、ブロンズなどのメタリック粉を含むメタリックベース塗膜があり、それらは、着色による美装/意匠を付与することを目的としている。また、トップクリヤー塗膜は光沢、艶感などの外観及び長期間の耐候性を塗膜に付与することを目的としている。
【0005】
さらに、近年、低コスト化の観点から、中塗り工程を省略し、電着プライマー塗膜上にベース塗料を2層塗装し、この上にトップクリヤーを塗装する積層塗装も採用されてきている。
【0006】
このような上塗り塗膜にあっては、工程短縮と省エネルギーとの観点からも、ベース塗料とトップクリヤーとは、ウエット・オン・ウエット方式で以て塗り重ねられて、同時に焼き付けられる、いわゆる、2コート1ベイク方式、3コート1ベイク方式という積層塗装方法が採用されている。
【0007】
こうした2コート1ベーク方式、あるいは3コート1ベーク方式は、多くの利点を持つ一方で、問題点も少なくはない。ベース塗料としては、通常、アクリル樹脂を必須の主剤成分とし、アミノ樹脂を必須の硬化剤成分として、これらの各成分を組み合せた形の樹脂系が用いられている。
【0008】
しかるに、こうした塗料は、一般に用いられている光輝剤たるアルミの配向(以下、メタル配向という。)が充分でなく、さらに、塗装不揮発分も高くない。
【0009】
メタル配向性をよくするために、レオロジーコントロール剤の添加が提案されているが、十分な改良効果が得られていない。
【0010】
また、近年、環境問題の高まりにより、有機溶剤の排出規制が厳しくなってきており、特に大量の溶剤を排出するベース塗料においては、溶剤含有量の少ない塗料の開発検討が盛んに行われている。その一例として、塗装不揮発分を高めるために塗料中の樹脂粘度を下げる手段としてアクリル樹脂を低分子量化したものが考案され一部で採用されている。しかしながら、アクリル樹脂の低分子量化に伴い、メタル配向性は低下し、さらに走行中に当たる小石などによって中塗り塗膜あるいは電着塗膜界面での塗膜剥離(チッピングあるいはピーリング)が発生するなど、塗膜物性の低下が問題となっている。
【0011】
上述のようなメタル配向性や塗膜剥離の問題を解決すべく、アクリル樹脂/アミノ樹脂の樹脂成分にポリエステル樹脂をブレンドする系が提案されているが、十分な改良効果が得られていない。
【0012】
従って、本発明が解決しようとする課題は、メタル配向性に優れ、高不揮発分で塗装が出来、また、従来塗料の持つチッピングないしはピーリングなどの性能にも優れる着色塗料用樹脂組成物及びそれを用いた積層塗装方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した課題を解決すべく、着色塗料用樹脂組成物のメタル配向性の向上と高固形分化について鋭意検討をおこなった。その結果、特定のポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)と内部架橋型微粒子(C)と尿素系レオロジーコントロール剤(D)とを含有する着色塗料用樹脂組成物が、メタル配向性に優れ、高固形分化が可能で、それを用いて形成されるベース塗料又は中塗り塗料に優れたチッピングないしはピーリングなどの塗膜性能を与えることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち本発明は、水酸基を有するポリエステル樹脂(A)、硬化剤(B)、内部架橋型微粒子(C)及び尿素系レオロジーコントロール剤(D)を含有することを特徴とする、着色塗料用樹脂組成物を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、基材上に、上記の着色塗料用樹脂組成物からなるベース塗料を塗布した後、このベース塗料上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、基材上に、上記の着色塗料用樹脂組成物からなる中塗り塗料を塗布した後、この中塗り塗料上に、ベース塗料を塗布し、さらにこのベース塗料上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の具体的構成及びその作用効果について説明する。
本発明の着色塗料用樹脂組成物は、水酸基を有するポリエステル樹脂(A)と、硬化剤(B)と、内部架橋型微粒子(C)と、尿素系レオロジーコントロール剤(D)とを含有してなる。
【0018】
ポリエステル樹脂は、水酸基を有するものであればメタル配向性の良好な塗膜が得られ、高固形分化が比較的容易で、硬化性が良く、架橋密度が十分で硬度等の塗膜性能に優れ、しかも、‘ハジキ‘の発生や光沢の低下がなく、外観良好な塗膜が得られる。中でも、多価アルコールと60モル%以上が脂環式多塩基酸である多塩基酸とを反応させて得られ、かつ重量平均分子量が800〜30000、固形分水酸基価が10〜200mgKOH/g、固形分酸価が1〜50mgKOH/gのポリエステル樹脂が、上記効果がより顕著であり、好ましい。
【0019】
水酸基を有するポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸及び多価アルコールを使用して従来から公知のエステル化反応、エステル交換反応等の方法で製造することができる。このうち、多塩基酸成分として60モル%以上が脂環式多塩基酸であるものが好ましい。
【0020】
多塩基酸としては、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、p−tert−ブチル安息香酸、(無水)トリメリット酸、テトラクロル(無水)フタル酸の如き、各種芳香族酸類;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などを用いることができる。なお、例えば(無水)フタル酸とは、無水フタル酸、フタル酸の両者を示す。
【0021】
脂環式多塩基酸としては、例えば1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルヘキサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)ヘット酸、(無水)ハイミック酸〔日立化成化学工業(株)の登録商標〕、水添(無水)トリメリット酸の如き、各種脂環式カルボン酸類が挙げられる。更に、必要に応じて、4−tert−ブチルシクロヘキサンモノカルボン酸、ヘキサヒドロ安息香酸、をはじめとする種々の脂環式モノカルボン酸、或いはこれらのメチルエステルなどを用いることもできる。
【0022】
これらの多塩基酸成分と共に用いられる多価アルコール成分として特に代表的なるものを例示すれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0023】
当該水酸基を有するポリエステル樹脂(A)を調製するに当たって、成分の一部として油成分をも使用することが出来る。これらの油成分の特に代表的なるものとしては、やし油、水添やし油、大豆油、ひまし油、脱水ひまし油などが挙げられ、その他、オクテン酸、イソノナン酸、米糠油脂肪酸、トール油脂肪酸などの脂肪酸類、「カージュラーE」(シェル社製)などのエポキシ化合物なども適宜使用することができる。
【0024】
以上の各原料成分を用いた、当該水酸基を有するポリエステル樹脂(A)としては、線状構造あるいは分岐構造のどちらを使用しても良い。また、当該水酸基を有するポリエステル樹脂(A)を調製する方法については特に制限はないが、酸成分とアルコール成分のエステル化反応による周知の製造方法を駆使し、溶融法あるいは溶剤法のいずれかに従えばよい。
【0025】
例えば、原料である多塩基酸成分と多価アルコール成分を所定の分子量、水酸基価、酸価となるように用いて、窒素気流中、150〜250℃で、生成する水を逐次除去しながらエステル化反応を行うことができ、エステル化反応終了後、所定量の溶剤を加えることにより、所定の酸価と水酸基価を持った当該ポリエステル樹脂(A)を得ることが出来る。
【0026】
反応成分である多塩基酸及び多価アルコールは全量を一度に添加しても良いが数回に分けて添加しても良い。また、当該ポリエステル樹脂(A)を調製するためエステル化反応の際には必要に応じて、反応を促進するためにジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどの公知の触媒を使用しても良い。
【0027】
次に、本発明で使用する硬化剤(B)としては、当該水酸基を有するポリエステル樹脂(A)中の水酸基と反応し架橋を生成するものであれば特に制限はなく、代表的例としてメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、チオ尿素樹脂等に代表されるアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物や無水トリメリット酸等の多価カルボン酸無水物等を挙げることができ、その中でも一液型で取り扱いが容易であるアミノ樹脂及び/又はブロックイソシアネート化合物の使用が特に好ましい。
【0028】
アミノ樹脂、特にメラミン樹脂類として特に代表的なものを例示すれば、アルキルエーテル化メラミン樹脂などがある。さらに、かかるアルキルエーテル化メラミンとして特に代表的な商品名を例示すれば、「スーパーベッカミン L−117−60」〔大日本インキ化学工業(株)製〕、「ユーバン255」〔三井化学(株)製〕の如き各種ブチル化メラミン樹脂;「サイメル301」、「サイメル303」、「サイメル325」、「サイメル327」〔三井サイテック(株)製〕、「ウォーターゾールS−695」〔大日本インキ化学工業(株)製〕の如きメチル化メラミン樹脂;「サイメル235」「サイメル1130」〔三井サイテック(株)製〕、「BEETLE BE3020」、「BEETLE BE3021」、「BEETLE BE3751」〔いずれも英国BIPリミテッド社製〕の如きメチル・ブチル化混合エーテル化メラミン樹脂などがある。
【0029】
また、ブロックイソシアネート化合物としては、各種のポリイソシアネート化合物を、種々のブロック剤でブロック化せしめることによって得られる種々のブロックポリイソシアネート化合物や、イソシアネート基を環化二量化せしめることによって得られる種々のウレトジオン構造を含む化合物のように、熱によって、イソシアネート基が再生する化合物などがある。
【0030】
その代表的な商品名を例示すれば、「バーノックDB−980K」、「バーノックB7−887−60」、「バーノックB3−867」〔以上、大日本インキ化学工業(株)製ブロックイソシアネート樹脂〕、「コロネート2507」〔日本ポリウレタン(株)製ブロックイソシアネート樹脂〕、「タケネートB−815N」〔武田薬品工業(株)製ブロックイソシアネート樹脂〕などが挙げられる。
【0031】
そして、樹脂固形分中のポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)の比(A/B)としては、特に制限はされないが、60/40〜90/10なる範囲が付着性等の諸性能や硬化性に優れたベース塗膜が得られることより好適である。
【0032】
次に、内部架橋型微粒子(C)について説明する。
本発明で使用する内部架橋型微粒子(C)は、粒子内部が3次元的に架橋した構造を有するビニル系樹脂からなる粒子であり、本発明の着色塗料用樹脂組成物中において分散状態で存在しうる微粒子である。
【0033】
かかる内部架橋型微粒子(C)は、例えば、公知の、分散体を得る重合方法によって、ビニル系単量体類を重合することにより製造することができる。例えば、選択した各種のビニル系単量体類の生成重合体を溶解しない有機溶剤中で、分散安定剤の存在下で、該選択したビニル系単量体を重合せしめる製造方法である非水分散重合法、あるいは水性媒体中において各種の界面活性剤、水溶性樹脂あるいはイオン性開始剤切片等の分散安定剤の存在下で、ビニル系単量体を重合せしめるエマルジョン重合法などの重合方法により製造することができる。
【0034】
この際、内部架橋型とする方法として、たとえば、下記▲1▼又は▲2▼の手法を用いることができる。
▲1▼一分子中に少なくとも2個以上の(α,β−エチレン性)不飽和結合を有する単量体類、すなわち多官能単量体類と、一分子中に1個の(α,β−エチレン性)不飽和結合を有する単量体類、すなわち単官能性単量体類を用い、有機系及び/又は無機系のラジカル重合開始剤を用いて、20℃以上200℃未満なる温度で非水分散あるいは水性エマルジョンの状態で重合せしめる方法。
▲2▼ビニル系単量体として各種反応性官能基を有する単量体を用い、該反応性官能基を反応させて架橋させる方法。
【0035】
ここにおいて、▲1▼で使用する上記多官能単量体類として特に代表的なものを例示すれば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、総炭素数が10〜28なるオリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートの如き、各種の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
【0036】
ジアリルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートの如き、各種のアリルアルコールのエステル類;ブタジエン、ペンタジエン、イソプレン、クロロプレンの如き、各種のジエン類;あるいはジビニルベンゼン又はジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどであるが、就中、ジビニルベンゼン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート又は多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類などの使用が望ましい。
【0037】
上記▲1▼の内部架橋の手法で用いられる多官能単量体類の内部架橋型微粒子中における合計含有量としては、塗着後における塗料のアルミ配向性、分散安定性等の点から、0.01〜90質量%が好ましい。
【0038】
また、単官能単量体類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートの如き、炭素原子数1〜22のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸の各種アルキルエステル類;
【0039】
ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレートの如き各種のアラルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートの如き、各種のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0040】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き各種のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルの如き、各種の水酸基含有ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテルの如き、各種の水酸基含有アリルエーテル類;ポリエチレングリコールなどで代表される各種のポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸などで代表される各種の不飽和カルボン酸とから得られる部類の種々のポリオキシアルキレングリコールのモノエステル類;グリシジル(メタ)アクリレートなどで代表される各種のエポキシ基含有不飽和単量体と、酢酸などで代表される各種の酸類との種々の付加物;(メタ)アクリル酸などで代表される各種の不飽和カルボン酸類と、「カージュラー E」(オランダ国シェル社製の商品名)などで代表されるα−オレフィンのエポキサイド以外の、各種のモノエポキシ化合物との付加物;上記各種水酸基含有ビニル系単量体類とγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ノナノイックラクトン、δ−ドデカノラクトンなどで代表される各種のラクトン類との付加物の如き(ポリ)ラクトン鎖を有する各種の水酸基含有ビニル単量体類;
【0041】
2−トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキシエチルビニルエーテル、2−(1−エトキシ)エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エトキシテトラヒドロフラン、3−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリジン、2,2−ジメチル−3−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルオキサゾリジンの如き、各種ブロックされた水酸基を含有するビニル系単量体類;
【0042】
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸又はフマル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸類;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ−n−ブチルの如き、各種のモノエステル類(ハーフ・エステル類);アジピン酸モノビニル、コハク酸モノビニルの如き、各種の飽和ジカルボン酸のモノビニルエステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸の如き、各種の不飽和ポリカルボン酸の無水物類;無水アクリル酸又は無水メタクリル酸の如き、各種の不飽和モノカルボン酸の無水物類;あるいはアクリル酸又はメタクリル酸の如き、各種の不飽和カルボン酸と、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などのような、種々の飽和カルボン酸との混合酸無水物などの如き、カルボン酸無水基を有するビニル系単量体類;トリメチルシリル(メタ)アクリレート、ジメチル−t−ブチルシリル(メタ)アクリレート、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフランの如き、ブロックされたカルボキシル基を含有するビニル系単量体類;
【0043】
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の如き、各種の不飽和ジカルボン酸と、一価アルコール類とのジエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(商品名、オランダ国シェル社製のビニルエステル類)の如き、各種のカルボン酸ビニルエステル類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチルの如き、各種のクロトン酸のアルキルエステル類;(メタ)アクリロニトル、クロトノニトリルの如き、各種のシアノ基含有単量体類;
【0044】
2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルモルホリン、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチルクロトン酸アミド、2−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテルの如き、アミノ基含有ビニル系単量体類;
【0045】
メチル(メタ)アクリルアミドグリコレートメチルエーテル、メチル(メタ)アクリルアミドグリコレート、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルフォルムアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルピロリドン、エチル(アクリルアミド)グリコレート又はエチル(アクリルアミド)グリコレートメチルエーテルなどであり、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、あるいはN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−フェノキシメチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−ヘキシロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド類などで代表されるような各種のアミド基含有ビニル系単量体類;
【0046】
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシジルビニルエーテル、メチルグリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルの如き、エポキシ基を有するビニル系単量体類;2,3−カーボネートプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−2,3−カーボネートプロピル(メタ)アクリレート、3,4−カーボネートブチル(メタ)アクリレートの如き、5員環の種々のシクロカーボネート基含有ビニル系単量体類;5−〔N−(メタ)アクリロイルカルバモイルオキシメチル〕−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−〔N−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エチルカルバモイルオキシメチル〕−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オンの如き6員環の種々のシクロカーボネート基含有ビニル系単量体類;
【0047】
N−(メタ)アクリロイルカルバミン酸メチル、N−〔2−(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルカルバミン酸エチルの如きカーバーメート基を有するビニル系単量体類;
【0048】
「ビスコート 8F、8FM、3F、3FM」[商品名、大阪有機化学(株)製の含フッ素(メタ)アクリル系単量体]、パープルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレート又はN−iso−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き、各種の(パー)フルオロアルキル基含有の不飽和結合含有単量体類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンの如き、各種のフルオロオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンの如き、各種のクロル化オレフィン類;
【0049】
エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセンの如き、各種のα−オレフイン類;スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレンの如き、各種の芳香族ビニル単量体類;
【0050】
p−スチレンスルホンアミド、N−メチル−p−スチレンスルホンアミドの如き、各種のスルホン酸アミド基含有単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の各種のヒドロキシアルキルエステル類と、燐酸又はそのエステル類との縮合反応によって得られる燐酸エステル結合含有単量体類;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸の如き、スルホン酸基含有単量体又はそれらの有機アミン塩類;
【0051】
ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジクロロシランの如き、各種加水分解シリル基含有ビニル系単量体類;
【0052】
エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテルの如き、各種のアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルシクロヘキシルビニルエーテルの如き、各種のシクロアルキルビニルエーテル類;
【0053】
アクロレイン、メチルビニルケトンの如き、各種のカルボニル基含有単量体類;
【0054】
「ブレンマー PME」[日本油脂(株)製の商品名]の如き、各種の含ポリエーテル含有単量体類;メタクリル酸メトキシ−メトキシカルボニル−メチルエステル、アクリル酸アセチルアミノ−メトキシカルボニル−メチルエステルなどがある。
【0055】
次に、上述した内部架橋型とする方法▲2▼における反応性官能基の反応として代表的なものを例示すれば、カルボキシル基とエポキシ基との反応、水酸基とカルボン酸無水物との反応、エポキシ基とアミノ基との反応、水酸基とメラミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド基含有共重合体の如きアルキルエーテル基含有化合物等に代表されるアルキルエーテル基との反応又はアルキルエーテル基同士の自己縮合等が挙げられ、それぞれの架橋に関係する官能基を粒子内ポリマー中に付与することにより内部架橋を達成することが出来る。
【0056】
例えば、カルボキシル基とエポキシ基との反応による内部架橋は、不飽和カルボン酸類とエポキシ基を有するビニル系単量体類とを共重合した後架橋せしめる方法や、カルボキシル基含有共重合体粒子中に、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの一分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を添加する方法等が挙げられる。
【0057】
さらに、内部架橋をつかさどるその他の官能基の組み合わせにおいても粒子内部で反応せしめる方法であれば特に限定されるものではない。
【0058】
上記▲2▼の内部架橋の手法で用いられる反応性官能基を有する化合物の内部架橋型微粒子中における合計含有割合としては、塗着後における塗料のアルミ配向性、分散安定性等の点から、0.1〜70質量%が好ましい。
【0059】
他方、開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム又は過酸化水素の如き、各種の無機系化合物;あるいはアセチルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシオクトエート、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド又はクメンヒドロパーオキサイド又はアゾビスイソブチロニトリルの如き、各種の有機系化合物などが、特に代表的なものである。
【0060】
かかる内部架橋型微粒子(C)を調製する際には、公知慣用の各種の分散安定剤類あるいは乳化剤を適宜使用することが出来る。
【0061】
さらに、非水分散型重合にて使用される、分散安定剤として代表的なものを例示すれば、次のようなものがある。
【0062】
▲1▼ ポリブタジエンや、ポリイソプレンなどのような、種々の不飽和結合含有重合体類に、各種ビニル系単量体類の1種又は2種以上を重合せしめるということによって得られる形のグラフト共重合体;
【0063】
又は上記した不飽和結合含有重合体類に、ビニル系単量体類と、(メタ)アクリル酸とを共重合せしめるということによって得られるグラフト共重合体に、さらに、このグラフト共重合体中のカルボキシル基に対して、グリシジル(メタ)アクリレートの如き、各種のエポキシ基を有するビニル系単量体類を付加反応せしめることによって得られる形の不飽和結合含有グラフト共重合体;
【0064】
▲2▼ 不飽和結合含有又は未含有のアルキド樹脂、ポリエステル樹脂;
【0065】
▲3▼ C4 〜C12なるアルキルアルコールでエーテル化された形のアルキルエーテル化メラミン樹脂;
【0066】
▲4▼ 12−ヒドロキシステアリン酸の如き、各種水酸基含有飽和脂肪酸の自己縮合ポリエステルの末端位にあるカルボキシル基に対して、上記したエポキシ基を有するビニル系単量体類を付加反応せしめて得られる末端不飽和結合含有ポリエステルに、次いで、各種単量体類を重合せしめるということによって得られる形のグラフト共重合体;
【0067】
又は上記した末端不飽和結合含有ポリエステルと、各種ビニル系単量体類と、(メタ)アクリル酸とを共重合せしめたのち、さらに、そのカルボキシル基に対して、上記したエポキシ基を有するビニル系単量体類を付加反応せしめることによって得られる形の不飽和結合含有グラフト共重合体;あるいは
【0068】
▲5▼ n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート又はステアリル(メタ)アクリレートの如き、C4 以上なる各種のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステル類を必須の単量体とし、必要に応じて、その他のビニル系単量体をも共重合せしめることによって得られる形の、種々の(共)重合体類や、
【0069】
かかる上記したC4 以上なる各種のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを必須の単量体とし、そうした各種の単量体類と、(メタ)アクリル酸とを、必要に応じて、さらには、その他のビニル系単量体をも共重合せしめて得られる共重合体中のカルボキシル基に対して、上記したエポキシ基を有するビニル系単量体類を付加反応せしめるということによって得られる形の不飽和結合含有共重合体類や、
【0070】
各種の不飽和結合含有共重合体類と、各種単量体類の1類又は2種以上とを共重合せしめて得られるグラフト共重合体や、各種の不飽和結合含有共重合体類と、各種単量体類と、(メタ)アクリル酸とを共重合せしめることによって得られる形の共重合体中のカルボキシル基に対して、上掲したようなエポキシ基を有するビニル系単量体類を付加反応せしめることによって得られる形のグラフト共重合体などである。
【0071】
エマルジョン重合で使用される分散安定剤として代表的なものを例示すれば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、
【0072】
オクタデシルアミン酢酸塩、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のカチオン性界面活性剤、
【0073】
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0074】
さらには、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等を含有した、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、あるいはそれらに反応性官能基を含有するビニル系単量体類等を付加して不飽和結合を含有させたもの等も分散安定剤として使用する事が出来る。
【0075】
かくして、水性エマルジョン重合にて作製された内部架橋型微粒子は、本発明の着色塗料用樹脂組成物を構成する他の成分との混合に際し、水の蒸発ないしは共沸とか、重合体(粒子)の沈降ないしは凝集などの物理的ないしは化学的手段によって、予め固形物の形で分離せしめるか、あるいはこうした物理的ないしは化学的手段を施すに際して、それぞれの塗料中の各種重合体類とは別の樹脂類及び/又は有機溶剤類などを存在させた状態で目的とする内部架橋型微粒子の媒体を、直接、水から該樹脂類及び/又は有機溶剤類などに置換せしめることが好ましい。
【0076】
尿素系レオロジーコントロール剤(D)は、例えば樹脂中又は溶剤中にて、イソシアネート基を有する化合物とアミノ基を有する化合物を反応させて得ることができる。
【0077】
樹脂溶液中で合成する場合の樹脂の制限は特になく、原料のイソシアネート基を有する化合物とアミノ基を有する化合物を溶解できる樹脂であれば、どんな樹脂も使用することが出来る。その中でも特に、アクリル樹脂やポリエステル樹脂が、前記化合物の溶解性及び本発明の着色塗料用樹脂組成物中での相溶性が良好であることから、特に好ましく、その含有量は本発明の特徴を損なわない範囲である本発明の組成物の全固形分の40%以下が好ましい。溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如き炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの如きエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルの如きアルコール系溶剤、あるいは、これらの混合物等が挙げられる。
【0078】
尿素系レオロジーコントロール剤(D)の製造は、例えば、樹脂溶液中にてアミノ基含有化合物とモノあるいはジイソシアネートを室温にて混合し、反応させることによって行うことができ、尿素系レオロジーコントロール剤含有樹脂(以下、尿素系RC剤含有樹脂(D’)と省略)溶液として得られる。
【0079】
さらに、アミンとイソシアネートの反応時にアミンとしてポリアミンを使用して、高分子量化することも可能であるし、各種ポリオール樹脂とイソシアネート化合物の一部を反応後、残存イソシアネート基を各種アミンと反応せしめることによりウレタン化尿素を作製することも可能である。
【0080】
ここにおいて、イソシアネート基を有する化合物としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ステアリルイソシアネートの如きアルキルイソシアネート;ターシャリーブチルイソシアネート、セカンダリーアルキルイソシアネート;フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、トリルイソシアネートの如き芳香族系イソシアネート;シクロヘキシルイソシアネートの如き脂環式イソシアネートに代表されるモノイソシアネート類や
【0081】
エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの如きジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0082】
さらには、上記のような各種のイソシアネート類を、多価アルコール類と付加反応せしめて得られるイソシアネート基を有するプレポリマー類;上記したような各種のポリイソシアネート類を環化三量化せしめて得られるイソシアヌレート環を有するプレポリマー類;上記した各種のポリイソシアヌレート類と水とを反応せしめて得られるビウレット構造を有するポリイソシアネート類;
【0083】
2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネートの如き、各種のイソシアネート基を有するビニル単量体の単独重合体;此等のイソシアネート基含有ビニル単量体を、該単量体と共重合可能な(メタ)アクリル系、ビニルエステル系、ビニルエーテル系、芳香族ビニル系又はフルオロオレフィン系ビニル単量体類などと共重合せしめることによって得られるイソシアネート基含有アクリル系共重合体、ビニルエステル系共重合体又はフルオロオレフィン系共重合体のような、種々のビニル系共重合体類なども、レオロジーコントロール剤の原料として使用できる。
【0084】
アミノ基を有する化合物としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、メチルブチルアミン、エチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン等のモノアミン;アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノメチルプロパノールの如きヒドロキシモノアミンや、
【0085】
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、3,3‘−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキエシルメタン、4,4‘−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、キシリレンジアミン、ジ−アミノメチルベンゾール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン等のポリアミンが挙げられる。
【0086】
ここで内部架橋型微粒子(C)及び尿素系レオロジーコントロール剤(D)の含有量としては、(C)は樹脂固形分質量(A+B)に対して1.0〜300質量%が好ましく、1〜200質量%が特に好ましい。(D)は、樹脂固形分質量(A+B)に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。この範囲における(C)及び(D)の添加量にて、優れたメタル配向性を付与したベース塗料を、また、高塗装不揮発分を付与したベース塗料をもたらすことができる。
【0087】
本発明の着色塗料用樹脂組成物には、通常ポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)と内部架橋型微粒子(C)あるいはレオロジーコントロール剤(D)と共に溶剤類を用いる。ここで用いる溶剤類としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、オクタンの如き炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートの如きエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルの如きアルコール系溶剤、あるいは、これらの混合物などが挙げられる。
【0088】
本発明の着色塗料用樹脂組成物の硬化を促進せしめる為には、硬化触媒類を用いることが出来るが、そうした硬化触媒類として特に代表的なものを例示すれば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、又はこれらのアミンブロック化物、テトラクロル無水フタル酸と一価アルコールとのハーフエステル化物、トリクロル酢酸の如き有機酸などの酸触媒;テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジオクテート、ナフテン酸コバルトの如き、各種の含金属化合物類;モノアルキル燐酸、ジアルキル燐酸、モノアルキル亜燐酸、ジアルキル燐酸の如き各種燐系酸性化合物などがある。
【0089】
当該硬化触媒の使用量としては、特に制限はされないが、ポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)の合計の固形分100質量部に対して、0.01〜20質量部となる範囲内がより好ましい。
【0090】
また、本発明の着色塗料用樹脂組成物は、ベース塗料あるいは中塗り塗料として使用の際には、顔料を使用しうることは言うまでもない。例えば、アルミニウム粉末、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物、ケイ酸塩類、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、硫酸バリウムなどの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ペリレン、キナクリドン、ベンズイシダゾロンなどの有機顔料が挙げられ、これらの単独あるいは任意の組み合わせで配合される。
【0091】
上述してきた、水酸基を有するポリエステル樹脂(A)、硬化剤(B)、内部架橋型微粒子(C)及び尿素系レオロジーコントロール剤(D)を公知手法を用いて混合することにより、本発明の着色塗料用樹脂組成物を得ることができるが、本発明の着色塗料用樹脂組成物には、必要に応じて他の樹脂類などをはじめ、色分れ防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、可塑剤などの如き公知慣用の各種添加剤を加えることが出来る。
【0092】
本発明の塗装方法には、基材上に本発明の着色塗料用樹脂組成物からなるベース塗料を塗布して塗膜を形成せしめた後、このベース塗膜上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法や、基材上に本発明の着色塗料用樹脂組成物からなる中塗り塗料を塗布して塗膜を形成せしめた後、この中塗り塗膜上に、ベース塗料を塗布して塗膜を形成せしめた後、さらにこのベース塗膜上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法が挙げられる。
【0093】
本発明の着色塗料用樹脂組成物を用いて、目的とする実用的効果の高い塗膜を形成するには、例えば、表面処理を施し、あるいは必要に応じて、予め、プライマー層(例えば電着塗料層)を塗設した被塗物基材表面に、中塗り塗料を、通常の方法によって、乾燥膜厚が10〜80μmになるように、所望の条件でもって塗装し架橋せしめる。
【0094】
しかるのち、上塗り塗装として、本発明の着色塗料用組成物からなるベース塗料を乾燥膜厚が10〜50μmとなるように塗布した後、その上にトップクリヤー塗料を乾燥膜厚が20〜80μmとなるように塗布し、その後所望の条件でもって焼き付けを行うすなわち2コート1ベーク(2C1B)塗装で塗装し硬化せしめるというのが普通の方法である。
【0095】
さらには、表面処理を施し、あるいは必要に応じて、予め、プライマー層(例えば電着塗料層)を塗設した被塗物基材表面に、本発明の着色塗料用組成物からなる中塗り塗料を乾燥膜厚が10〜80μmとなるように塗布した後、その上にベース塗料を乾燥膜厚が10〜50μmになるように塗布し、さらにその上にトップクリヤー塗料を乾燥膜厚が20〜80μmとなるように塗布しその後所望の条件でもって焼き付けを行うすなわち3コート1ベーク(3C1B)といった条件で塗装し硬化せしめる方法も用いることが可能である。
なお、中塗り塗料、ベース塗料ともに、本発明の着色塗料用樹脂組成物を用いることもできる。
また、基材上にベース塗料を塗布し、その上にトップクリヤー塗料を塗布する場合、ベース塗料が塗膜を形成した後にトップクリヤー塗料を塗布してもよいし、ベース塗料が塗膜を形成する前にトップクリヤー塗料を塗布してもよい。さらに、基材上に、中塗り塗料、ベース塗料、トップクリヤー塗料を塗布する場合、ベース塗料は、中塗り塗料が塗膜を形成する前、後のいずれに塗布してもよく、トップクリヤー塗料は、ベース塗料が塗膜を形成する前、後のいずれに塗布してもよい。
【0096】
通常、上述したそれぞれの架橋の条件としては、110〜170℃で15〜40分間程度が適切であり、なかでも120℃〜160℃で20〜30分間なる範囲内が好ましい。
【0097】
本発明にて、利用できるトップクリヤー塗料は、焼付塗料である限り、特に限定されるものではないが、好ましくは、アクリル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂成分を含有する合成樹脂系焼付塗料が挙げられる。
【0098】
その際に用いられる硬化剤成分としては、アミノ樹脂、イソシアネート系樹脂、多価カルボン酸無水物といった水酸基と反応性を有する公知慣用の硬化剤を使用することができる。
【0099】
さらに、近年耐酸性雨型塗料が開発されてきており、メラミン硬化系に替わる、カルボキシル基とエポキシ基との反応系、カルボキシル基とシクロカーボネート基との反応系あるいは酸無水基と水酸基との反応系などの新規硬化性樹脂を含有したクリヤー塗料の使用も可能である。
【0100】
さらには、省資源及び環境問題の高まりから、有機溶剤含有量を削減させたハイソリッドクリヤー塗料あるいは粉体クリヤー塗料等の使用も勿論可能である。
【0101】
前述した中塗り塗料とベース塗料及びトップクリヤー塗料の塗装方法としてはエアースプレー塗装や、静電吹きつけ塗装や、回転霧化式静電塗装などのような、公知慣用の種々の塗装方法を採用することができる。
【0102】
かくして得られる、本発明の着色塗料組成物及び積層塗装方法は、基材が、主として、鉄製品、ステンレススチール、アルミニウム、真鍮、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等である場合に好ましく適用されるものである。
【0103】
かくして、本発明の着色塗料用樹脂組成物を用いて得られる中塗り塗料又はベース塗料は、それ自体高固形分であり、従来のベース塗料用樹脂を用いた場合に比べ、およそ5〜40質量%程度塗装揮発分が少ない高固形分のベース塗料が得られ、このベース塗料を用いて得られるベース塗膜に引き続いてトップクリヤーをも施した総合塗膜の外観は言うに及ばず、チッピングないしはピーリングと呼ばれる塗膜剥離の防止性能などが顕著に優れるところとなる。
【0104】
本発明の着色塗料用樹脂組成物は、着色塗料用として全般に利用できるものであるが、特に、自動車のベース塗料用として、極めて実用性の高いものである。
【0105】
【実施例】
次に本発明を参考例、実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、以下において部及び%は特に断りのない限り、全て質量基準であるものとする。
【0106】
参考例1〜6(ポリエステル樹脂の調製)
攪拌機、温度計、脱水トラップ付き還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた3リットルの四つ口フラスコに、表1に示した原料とジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み、220℃まで昇温した。さらに、この温度で脱水縮合反応を行って、固形分の水酸基価がそれぞれ目標の値になるまでになるまで続行せしめた。反応終了後は冷却して、キシレンを加え、不揮発分が65%なるポリエステル樹脂溶液を得た。それぞれの物性値はまとめて表1に示した。
【0107】
【表1】
【0108】
なお、第1表中の略記号は次のような化合物を意味するものである。
HHPA:ヘキサヒドロ無水フタル酸
THPA:テトラヒドロ無水フタル酸
NPG :ネオペンチルグリコール
TMP :トリメチロールプロパン
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
【0109】
参考例7(非水分散型内部架橋型微粒子の調製例)
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素導入管を備えた反応容器に「ロウス(LAWS)」(シェル社製の低芳香族炭化水素系溶剤の商品名)の550部、キシレンの120部及びn−ブタノールの60部を仕込んで80℃まで昇温させる。
【0110】
次いで、ここへ、「スーパーベッカミン 13−548」(大日本インキ化学工業(株)製のブチルエーテル化メラミン;不揮発分60%)の666部、スチレンの120部、メチルメタクリレートの264部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの210部及びエチレングリコールジメタクリレートの6部及びtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの25部とを4時間に亘って滴下した。
【0111】
滴下終了後も、この温度で10時間の間反応を続行せしめて、目的とする内部架橋型微粒子の非水分散液を得た。かくして得られた非水分散液の不揮発分は、50.2%であった。以下これを内部架橋型微粒子(C−1)と略記する。
【0112】
参考例8(エマルジョン型内部架橋型微粒子の調製例)
窒素雰囲気下の反応容器内に、純水を仕込んで80℃まで昇温させる。次に表2に示されるような原料組成に従って混合物(イ)の1/10と混合物(ロ)の1/5とを加え、さらに、その30分後に混合物(イ)の9/10と混合物(ロ)の3/5とを、3時間に亘って滴下した。
【0113】
滴下終了後に、混合物(ロ)の1/5を加えて80℃に1時間、撹拌しつつ保持して反応を終結し、このエマルジョンを、200メッシュなるろ布にてろ過せしめることにより、NVが20%かつ粒子径が0.1μmなる内部架橋型微粒子エマルジョン(Ce−2)を得た。
【0114】
さらに、このエマルジョンを噴霧乾燥せしめ不揮発分98%なるマイクロゲルパウダーを得た。以下、これを内部架橋型微粒子(C−2)と略記する。
【0115】
【表2】
【0116】
《表2の脚注》
仕込組成は、いずれも、質量部数である。
【0117】
「ハイテノール N−08」………第一工業製薬(株)製のポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム
【0118】
参考例9(尿素系RC剤の調製)
温度計、還流冷却器、攪拌機、窒素導入管及び滴下ロートを備えたフラスコにポリエステル樹脂(A−1)の1446部、キシレンの32部、1−フェニルエチルアミンの36.1部を仕込み、次いで、室温にて撹拌しながらヘキサメチレンジイソシアネートの23.9部を添加することによって不揮発分65%の尿素系RC剤含有樹脂(D’−1)を得た。
【0119】
参考例10(尿素系RC剤の調製)
攪拌機、温度計、冷却器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応容器にキシレンの550部及び酢酸n−ブチルの168部を仕込んで125℃まで昇温させる。
【0120】
ここへ、スチレンの380部、n−ブチルメタクリレートの360部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの200部、アクリル酸の20部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの50部、2.2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の15部及びキシレンの100部とを6時間に亘って滴下し、滴下終了後も、この温度で5時間の間反応を続行せしめる。
【0121】
次いで、室温まで冷却した後、ベンジルアミンの22.1部を加え、次いで、撹拌しながらトリレンジイソシアネートの17.9部を添加することによって不揮発分55%の尿素系RC剤含有樹脂(D’−2)を得た。
【0122】
実施例1〜14、比較例1〜6
ベース塗料の調製
【0123】
表3〜7に示すような配合組成割合に従って配合せしめ、希釈用溶剤で以て、フォードカップNo.4による粘度が13秒となるように調整して、ベース塗料を得た。
【0124】
希釈溶剤の調製
キシレン 15部
「ソルベッソ100」 15部
トルエン 40部
酢酸n−ブチル 10部
酢酸エチル 20部
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
【表6】
【0129】
【表7】
【0130】
「A−322」…「アクリディック A−322」の略記であって、大日本インキ化学工業(株)製のアクリル樹脂(溶液型);不揮発分=50%
「L−117−60」…「スーパーベッカミン L−117−60」の略記であって、同上社製のn−ブチル化メラミン樹脂;不揮発分=60%
「DB−980K」…「バーノック DB−980K」の略記であって、同上社製のブロックイソシアネート;不揮発分=75%
「7160N」…「アルペースト 7160N」の略記であって、東洋アルミニウム工業(株)製のアルミニウムペースト;不揮発分=65%
「CR−93」…「タイペーク CR−93」の略記であって、石原産業(株)製の酸化チタン系顔料の商品名
【0131】
(トップクリヤー塗料の調製)
下記するような組成で配合せしめた配合物を、キシレン/1−ブタノールを8/2の質量比で混合してなる希釈用溶剤でもってフォードカップNo.4での粘度が22〜24秒となる様に調製して目的とするクリヤーコート塗料を得た。
アクリディック A−345 127部
〔大日本インキ化学工業(株)製のアクリル樹脂〕
スーパーベッカミン L−117−60 50部
〔大日本インキ化学工業(株)製のメラミン樹脂〕
チヌビン 900 3部
(チバガイギー社製の紫外線吸収剤)
チヌビン 765 1部
(チバガイギー社製のラジカル捕捉剤)
KP−321 0.05部
〔信越化学(株)製のレベリング剤〕
【0132】
〈評価判定の要領〉
【0133】
<2C1B塗装方法>
(実施例1〜13、比較例1〜4)
燐酸化成処理を行った軟鋼板上に、自動車用電着プライマー及び中塗りサーフェサーを塗布して得られた塗板に、実施例1〜13及び比較例1〜4におけるベース塗料を、エアスプレーにより、乾燥塗膜が17ミクロン(μm)となるように塗装せしめたのち、3分間のあいだセッテングせしめた。次いで、前記したトップクリヤー塗料を、乾燥塗膜が30μmとなるように塗装せしめた。
【0134】
室温に、10分間のあいだ放置したのち、140℃なる雰囲気の電気熱風乾燥機中に、25分間のあいだ入れて硬化せしめた。
【0135】
<3C1B塗装方法>
(実施例14、比較例5〜6)
燐酸化成処理を行った軟鋼板上に、自動車用電着プライマーを塗布して得られた塗板に、実施例14及び比較例5、6におけるベース塗料を、エアスプレーにより、乾燥塗膜が25ミクロン(μm)となるように塗装せしめたのち、3分間のあいだセッテングせしめた。次いで、実施例1におけるベース塗料をエアスプレーにより乾燥膜厚が17ミクロン(μm)となるように塗装せしめ、3分間の間セッティングせしめた。さらにベース塗膜上に前記したトップクリヤー塗料を、乾燥塗膜が30μmとなるように塗装せしめた。
【0136】
室温に、10分間のあいだ放置したのち、140℃なる雰囲気の電気熱風乾燥機中に、25分間のあいだ入れて硬化せしめた。
【0137】
かくして得られた、それぞれの塗膜について、諸性能の比較検討を行った。それらの結果は、まとめて表8〜12に示す。
【0138】
〔塗膜性能の評価判定の概略〕
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【表8】
【0144】
【表9】
【0145】
【表10】
【0146】
【表11】
【0147】
【表12】
【0148】
以上のように、本発明に係る着色塗料用樹脂組成物及び積層塗装方法は、とりわけ、塗装時不揮発分も高く、しかも、とりわけ、メタル配向にも、かつまた、耐チッピング性にも優れるという、極めて実用性の高いものである。
【0149】
【発明の効果】
本発明の着色塗料用樹脂組成物は、高固形分を有し、光沢、硬化性、耐チッピング性等の諸性能に優れた塗膜を形成するものであり、かかる着色塗料用樹脂組成物を中塗り塗料又はベース塗料に用いることにより、光沢、硬化性、耐チッピング性等の諸性能に優れた塗装を行うことができる。
Claims (8)
- 水酸基を有するポリエステル樹脂(A)、硬化剤(B)、内部架橋型微粒子(C)及び尿素系レオロジーコントロール剤(D)を含有することを特徴とする、着色塗料用樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)が、多価アルコールと60モル%以上が脂環式多塩基酸である多塩基酸とを反応させて得られ、かつ重量平均分子量が800〜30000、固形分水酸基価が10〜200mgKOH/g、固形分酸価が1〜50mgKOH/gである、請求項1記載の着色塗料用樹脂組成物。
- 硬化剤(B)が、アミノ樹脂及び/又はブロックイソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載の着色塗料用樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)の樹脂固形分質量比(A/B)が、60/40〜90/10である、請求項1〜3のいすれか1項に記載の着色塗料用樹脂組成物。
- 内部架橋型微粒子(C)の含有量が、樹脂固形分質量(A+B)に対して1.0〜300質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色塗料用樹脂組成物。
- 尿素系レオロジーコントロール剤(D)の含有量が、樹脂固形分質量(A+B)に対して0.01〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色塗料用樹脂組成物。
- 基材上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色塗料用樹脂組成物からなるベース塗料を塗布した後、このベース塗料上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法。
- 基材上に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色塗料用樹脂組成物からなる中塗り塗料を塗布した後、この中塗り塗料上に、ベース塗料を塗布し、さらにこのベース塗料上に、トップクリヤー塗料を塗布して硬化塗膜を形成せしめることを特徴とする積層塗装仕上げ方法。
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