JP3742440B2 - 高純度ビスフェノール類を製造する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ビスフェノール類の製造方法に関し、より詳しくは、カチオン交換樹脂の存在下でフェノールと脂肪族アルデヒド又はケトンとを縮合反応させてビスフェノール類を調製する方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
2,2−ビス(4’−オキシフェニルプロパン)又はビスフェノールA、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン又はビスフェノールBのようなビスフェノール類は、フェノールと、ケトン、例えばビスフェノールAの場合にはアセトンあるいはビスフェノールBの場合にはメチルエチルケトンとの縮合反応によって調製される。同様の縮合反応がフェノールとアルデヒドとの間でも起こる。かかる縮合は、酸によって触媒活性化され、この反応に特に効果的な酸触媒は、酸のアニオン性部位を固体支持体上に保持し、反応の完了時におけるその除去を容易にする強酸性カチオン交換樹脂である。
【0003】
酸触媒としてカチオン交換樹脂を用いてビスフェノールAを製造する方法における特別の問題点は、粗ビスフェノールA生成物が強く着色され、この色は、除去しない限り、ビスフェノールAから製造され、低い着色に対する特定の厳しい要求がある、繊維、グレージングのための透明シートなどのような生成物中に持ち込まれるということである。
【0004】
不純物、特に、蒸留中の分解を引き起こすスルホン酸残留物のようなものは、粗ビスフェノールAを、蒸留する前に、アニオン交換樹脂で処理することによってビスフェノールAから除去されている(Falerらの米国特許第4,766,254号)が、この処理は、粗ビスフェノールAを製造する反応とは別の工程である。低い着色度を有するビスフェノールAのようなビスフェノール類を、縮合反応から直接得ることは非常に有利であろう。
【0005】
(発明の概要)
本発明者らは、フェノールと脂肪族アルデヒド又はケトンとを、昇温下で、触媒量の水素形の強酸性カチオン交換樹脂、及び、カチオン交換樹脂の重量を基準として約0.5重量%〜約15重量%の量の弱塩基性アニオン交換樹脂の存在下で反応させることを特徴とする、低い着色度を有するビスフェノールを製造する方法を見出した。
【0006】
(詳細な説明)
本発明の方法は、概して、触媒としてカチオン交換樹脂を用いる酸触媒縮合反応に適用することができるが、生成物が低い着色度を有していなければならない縮合反応、例えばフェノールとアセトンとを反応させてビスフェノールAを製造する方法において特に有利である。
【0007】
本発明方法において有用な酸触媒は、強酸性カチオン交換樹脂であり、好ましくはスルホネート官能性を有する強酸性カチオン交換樹脂である。それから酸触媒が製造される好ましいポリマーは、架橋芳香族コポリマー、例えばエチルビニルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなどと、脂肪族であってよいポリビニル不飽和架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジ−及びトリ−アクリレート、トリメチロールプロパンジ−及びトリ−メタクリレート、ジビニルケトン、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカーボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、N,N’−メチレンジメタクリルアミド、N,N’−メチレンジアクリルアミド、及び、グリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、グリコール又はレゾルシノールのモノ−又はジ−チオ誘導体のポリビニル又はポリアリルエステルなど、あるいはジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼンなどのような芳香族ポリビニル不飽和架橋性モノマー、あるいはジビニルピリジンのような複素環式架橋剤、あるいはこれらの任意の混合物とのコポリマーである。また、比較的低いレベルの架橋度を有するコポリマー、例えば、モノマーの全重量を基準として約0.05〜約10重量%の架橋性モノマーから調製されるものも好ましい。スチレンと、架橋性モノマーとしてのジビニルベンゼンとのコポリマーで、スルホン酸官能基で官能化されているものが特に好ましい。ポリマーは、バルク重合、乳化重合又は懸濁重合、あるいは当業者に公知な他の重合法によって調製することができる。球状のポリマー粒子又はビーズ状のコポリマーを形成する懸濁重合が好ましい。より好ましいポリマーはコポリマーのゲルビーズ、即ち、直径が約50オングストローム以下のミクロポア又はポアのみを有しているビーズであるが、モノマーに対しては溶媒として作用するがポリマーに対しては非溶媒として作用するポロゲン(porogen )の存在下での懸濁重合によって製造されるマクロポーラスコポリマービーズ、あるいは、ポリスチレンのような非架橋可溶性ポリマーの存在下での共重合によって製造し、引き続いて溶解させてマクロポアを残したマクロポーラスコポリマービーズ、あるいは、マクロポアを生成させるために当業者に公知な他の方法によって製造されるマクロポーラスコポリマービーズを用いることもできる。これらのポリマーは、当業者に公知な方法、例えば濃硫酸、発煙硫酸又はクロロスルホン酸によるスルホン化によって、強酸官能基で官能化することができる。本発明において有用な酸触媒を製造する一つの方法は、Lundquist の米国特許第5,233,096号によって開示されている。
【0008】
本発明方法において有用な弱塩基性アニオン交換樹脂は、第1級又は2級アミン官能基で官能化されたモノエチレン性不飽和モノマーの架橋された合成ポリマーである。酸触媒の場合と同様に、弱塩基性アニオン交換樹脂のためのポリマーは、バルク重合、乳化重合又は懸濁重合、あるいは当業者に公知な他の重合方法によって製造することができる。ポリマーは、好ましくは、約10μm〜約2mm、好ましくは約20μm〜約1mmの直径を有するビーズの形態のものである。これらのビーズは、懸濁重合によって製造することができる。コポリマーは、例えば触媒樹脂を製造するのに有用なマクロポーラスコポリマーを製造するための、上記に説明したような方法によって、ゲルビーズ又はマクロポーラスビーズとして製造することができる。
【0009】
架橋のレベルは、少なくとも、ポリマーを水及び有機溶媒中で不溶性にするのに十分な程度である。架橋は、好ましくは、モノエチレン性不飽和モノマーと、脂肪族であってよい多エチレン性不飽和モノマー、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジ−及びトリ−アクリレート、トリメチロールプロパンジ−及びトリ−メタクリレート、ジビニルケトン、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルカーボネート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルセバケート、ジビニルセバケート、N,N’−メチレンジメタクリルアミド、N,N’−メチレンジアクリルアミド、及び、グリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、グリコール又はレゾルシノールのモノ−又はジ−チオ誘導体のポリビニル又はポリアリルエステルなど、あるいはジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼンなどのような芳香族モノマー、あるいはジビニルピリジンのような複素環式架橋剤、あるいはこれらの任意の混合物とを反応させることによって行われる。ジビニルベンゼンが好ましい。多エチレン性不飽和モノマーは、架橋モノマーとして作用する。架橋モノマーのレベルは、好ましくは全モノマーの約0.5〜約60重量%、好ましくは約1〜約20重量%である。
【0010】
モノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル系モノマー、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸あるいはこれらのエステル、例えばC1 〜C18アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル及びアルカリールアルコールのエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルクロリド、ビニルホルメート、ビニルアルキルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、アクリルアミド、メタクリルアミドであってよく、あるいは、芳香族モノマー、例えばエチルビニルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなど、あるいはこれらの任意の混合物であってよい。スチレンが好ましい。
【0011】
架橋コポリマーは、弱塩基性アニオン交換基として第1級又は2級アミン基で官能化される。アミン基は、重合してコポリマーを形成する1以上のモノマー上の基として導入することができ、あるいは、当業者に周知の方法によって、例えば、まずハロメチル基、好ましくはクロロメチル基をコポリマー中に導入し、次に導入されたハロメチル基を第1級又は2級アミンでアミノ化することによって、重合後にコポリマー中に導入することができる。また、ハロメチル基含有モノマーを、コポリマーがそれから製造されるモノマーの一つとして用いて、コポリマー中のハロメチル基を次に直接アミノ化することができる。弱塩基官能性のレベルは、乾燥樹脂1gあたり約0.1〜約6ミリ当量(meq/g)、好ましくは約2〜約6meq/gであってよい。
【0012】
スチレンがモノエチレン性不飽和モノマーである樹脂が好ましいが、本発明において有用な弱塩基性樹脂は、上記に示した使用可能なモノマーのリストによって示されるようなアクリル樹脂であってもよい。これらは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを、架橋性モノマー、例えば、ジビニルベンゼンと共重合させて不溶性のコポリマーを形成し、次にこれを、少なくとも一つの第1級アミン基及び一つの第2級又は3級アミン基、好ましくは第3級アミン基を有するアミンで官能化させることによって製造することができる。第1級アミン基はポリエステルと反応してアミドを形成し、第2級又は3級アミン基は活性弱塩基性アニオン交換部位を形成する。
【0013】
弱塩基性フェノール樹脂も、本発明方法において用いることができる。これらの樹脂は、アミンの存在下でフェノールとホルムアルデヒドとを縮合することによって製造することができる。本発明方法において用いることのできる他の樹脂は、弱塩基性ポリ(ビニルピリジン)樹脂であり、これらの樹脂は、ビニルピリジンを、ジビニルベンゼンのような架橋性モノマーと共重合することによって製造することができる。
【0014】
理論に縛られることを意図するものではないが、本発明者らは、弱塩基性アニオン交換樹脂の塩基度が、縮合反応の生成物から色を除去する上での樹脂の有効性に直接影響している、即ち、樹脂がより塩基性であれば、それは色を除去するのにより有効であると考えている。これは、後述の実施例において示されており、得られたビスフェノールAの着色度が、最も塩基性の樹脂である実施例1及び2の樹脂では最も低く、実施例3の塩基性がやや低い樹脂では中間程度であったと言う結果によって支持されている。最も塩基性の低い樹脂を用いた実施例4で得られたビスフェノールAの着色度は、弱塩基性樹脂を用いない場合よりは改良されたが、より塩基性の高い弱塩基性樹脂を用いて観察された値よりははるかに劣っていた。結論として、好ましい樹脂はより塩基性のものである。他の特性、例えば熱安定性又は特定の用途における長い使用ライフのような物理的パラメーターのために、より好ましくない樹脂、即ち塩基性のより低い、従って色を除去する上での有効性のより低いものも、特定の用途に選択することができる。
【0015】
本発明のフェノールとアルデヒド又はケトンとの縮合反応は、昇温下において、酸触媒及び弱塩基性アニオン交換樹脂の存在下で行われる。酸触媒は、好ましくは、反応物質、溶媒及び希釈剤を含む全液体量の約10〜約200重量%の量で存在し、弱塩基性アニオン交換樹脂は、好ましくは、酸触媒の重量の約0.5〜約15%、より好ましくは約1〜約10%、更に好ましくは約3〜約8%の量で存在する。反応に有用な温度は、約30℃〜約90℃、好ましくは約60℃〜約80℃の範囲である。約90℃を超えると、本発明において有用な弱塩基樹脂は、熱不安定性のために使用ライフが制限され、約30℃を下回ると、反応が実際的である程度に十分に迅速に起こらなくなる。ケトン、好ましくはC1 〜C4 ケトン、即ちそれぞれが1〜4個の炭素原子を有する二つのアルキル基を有するケトンを用いて、フェノールと反応させることが好ましい。アセトン及びメチルエチルケトンから選択されるケトンが更に好ましく、アセトンがケトンとして特に好ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様においては、酸触媒はビーズの形態であり、容器中に含まれ、該ビーズは触媒床を形成する。同様にビーズの形態の弱塩基性アニオン交換樹脂は、床全体にわたり、よく混合される。フェノール及びケトン、好ましくはアセトン又はメチルエチルケトンを含む加熱液体流を、フェノールとケトンとの縮合反応を起こすのに十分な時間、触媒床と接触させ、反応生成物及び存在する可能性のある全ての未反応フェノール及びケトンを含む液体流を、触媒床から分離し、ビスフェノールを液体流から回収する。当業者であれば、バッチ操作法、例えば、床に液体流を充填し、所望の反応が起こった後に液体流を床から回収する方法、あるいはより好ましい連続操作法、例えば液体流を床の一方の端部に連続的に供給して、床内で反応が起こるのに十分な時間を確保する速度でそれを通過させ、液体流を連続的に床の他方の端部から除去する方法のような適当な条件を選択することができるであろう。同様に、反応装置、液体流が床を通過する方向について上向き流か下向き流かの選択、反応時間及び温度、特別の反応物質、及び例えば結晶化又は蒸留のようなビスフェノールを回収する方法は、本明細書に示されている指針及び当業者の知識に基づいて容易に選択されるものである。
【0017】
以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、特許請求の範囲によって制限される以外は本発明を制限するものではない。全ての試薬は特に示さない限り良好な市販品質のものであり、ここで示される全てのパーセント及び比は特に示さない限り重量基準である。
【0018】
(実施例1)
本実施例は、強酸ポリマー触媒及び弱塩基性アニオン交換樹脂の存在下でのフェノールとアセトンとからの低着色ビスフェノールAの形成による本発明方法の例示である。
【0019】
フェノール(純度99%以上)90gを含むフラスコに、4%のジビニルベンゼンで架橋され、4.95meq/gのスルホン酸基(乾燥基準)で官能化された、乾燥された、スチレン系カチオン交換樹脂10g(10重量%)、及び8%のジビニルベンゼンで架橋され、4.8meq/gのジメチルアミノベンジル基(乾燥基準)で官能化された、乾燥された、スチレン系アニオン交換樹脂0.2gを加えた。フラスコの内容物を75℃に加熱し、攪拌しながらその温度に1時間保持した。アセトン10mlを加え、1mlの試料を採取し、それをメタノール/水混合物中で急冷し、液体クロマトグラフィーによって反応混合物の組成を測定することによって反応の進行を監視しながら、攪拌を75℃で継続した。ビスフェノールAの全ピーク面積(オルト及びパラ異性体を含む)の、アセトンピーク及びビスフェノールA生成物ピークの合計面積のパーセントとして、液体クロマトグラフィーの相対ピーク面積からアセトン転化率を算出した。この反応の転化率は72%であった。ビスフェノールAピークの面積の、フェノールとアセトンとの反応生成物によって得られた全てのピークの合計面積のパーセントとして、液体クロマトグラフィーから選択率を算出した。この反応の選択率は86%であった。
【0020】
アセトン、ビスフェノールA、フェノール及びビスフェノールA副生成物を含む最終反応混合物を、等容量のメタノールで溶解し、石英製の分光光度計セルに移した。混合物の吸光度は、455nmで白金/コバルト色標準に対して測定され、混合物は、8のAPHA値を有すると算出された。
【0021】
(実施例2)
本実施例は、ジメチルプロピルアミノ基で官能化した異なる弱塩基性樹脂を用いた本発明を示すものである。
【0022】
6%のジビニルベンゼンで架橋され、4.8meq/gのジメチルプロピルアミノ基で官能化されたアクリルコポリマーを、弱塩基性アニオン交換樹脂として用いて実施例1を繰り返し、6のAPHA値を有する最終反応混合物を得た。
【0023】
(実施例3)
本実施例は、更に他の弱塩基樹脂である、混合アミンで官能化されたフェノール/ホルムアルデヒド縮合樹脂を用いた本発明方法を示すものである。
【0024】
3.8meq/gの第1級、2級及び3級アミンの混合物で官能化したフェノール/ホルムアルデヒド縮合樹脂を用いて実施例1を繰り返した。最終反応混合物は16のAPHA値を有していた。
【0025】
(実施例4)
本実施例は、更に他の弱塩基性樹脂である、モノマーそれ自体が弱塩基官能基のソースであるビニルピリジン樹脂を用いた本発明方法を示すものである。
【0026】
20%のジビニルベンゼンで架橋され、ビニルピリジンからの弱塩基性基5.1meq/gを有するビニルピリジン樹脂を弱塩基性樹脂として用いて実施例1を繰り返した。最終反応混合物は37のAPHA値を有していた。
【0027】
(実施例5)
本比較例は、フェノールとアセトンとを、強酸触媒の存在下であって弱塩基性樹脂の非存在下で反応させた場合の結果を示すものである。
【0028】
4.95meq/g(乾燥基準)のスルホン酸官能基で官能化された、スチレン−4%ジビニルベンゼンコポリマーを用いたが、弱塩基性アニオン交換樹脂を用いないで実施例1を繰り返した。最終反応混合物は47のAPHA値を有していた。実施例1において定義した転化率は73%であり、同様に実施例1において定義した選択率は85%であった。
本発明はその実施態様として以下のものを包含する。
1. フェノールと脂肪族アルデヒド又はケトンとを、昇温下で、触媒量の水素形の強酸性カチオン交換樹脂、及び、カチオン交換樹脂の重量を基準として約0.5重量%〜約15重量%の量の弱塩基性アニオン交換樹脂の存在下で反応させることを特徴とする、低い着色度を有するビスフェノール類を製造する方法。
2. 脂肪族アルデヒド又はケトンがC1〜C4ケトンである前記第1項に記載の方法。
3. 脂肪族アルデヒド又はケトンが、アセトン及びメチルエチルケトンからなる群から選択される前記第1項に記載の方法。
4. 弱塩基性アニオン交換樹脂が、約10μm〜約2mmの直径を有するアニオン交換樹脂ビーズの形態である前記第2項に記載の方法。
5. アニオン交換樹脂ビーズが約20μm〜約1mmの直径を有する前記第4項に記載の方法。
6. アニオン交換樹脂ビーズがゲルビーズである前記第4項に記載の方法。
7. アニオン交換樹脂ビーズがマクロポーラスビーズである前記第4項に記載の方法。
8. アニオン交換樹脂ビーズがフェノール系アニオン交換樹脂ビーズである前記第4項に記載の方法。
9. アニオン交換樹脂ビーズが、モノマーの合計重量を基準として約1〜約20%の架橋性モノマーを含むモノマー混合物から調製されるアニオン交換官能化架橋コポリマービーズである前記第4項に記載の方法。
10. コポリマービーズがスチレン系コポリマービーズである前記第9項に記載の方法。
11. コポリマービーズがアクリル系コポリマービーズである前記第9項に記載の方法。
12. 弱塩基性アニオン交換樹脂が、乾燥樹脂1gあたり約0.1〜約6ミリ当量の弱塩基官能性レベルを有する前記第1項に記載の方法。
13. 弱塩基性アニオン交換樹脂が、乾燥樹脂1gあたり約2〜約6ミリ当量の弱塩基官能性レベルを有する前記第2項に記載の方法。
14. カチオン交換樹脂が、全液体重量を基準として約10重量%〜約200重量%の量で存在する前記第2項に記載の方法。
15. 弱塩基性アニオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂の約1重量%〜約10重量%の量で存在する前記第14項に記載の方法。
16. 弱塩基性アニオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂の約3重量%〜約8重量%の量で存在する前記第14項に記載の方法。
17. フェノールとケトンとを、約30℃〜約90℃の温度で反応させる前記第15項に記載の方法。
18. フェノールとケトンとを、約60℃〜約80℃の温度で反応させる前記第15項に記載の方法。
19. カチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂が、容器中で混合床を形成する前記第15項に記載の方法。
20. カチオン交換樹脂が、全モノマー重量を基準として約0.5〜約10%の架橋性モノマーから調製されるカチオン交換官能化架橋コポリマーである前記第15項に記載の方法。
21. 約30℃〜約90℃の温度で、フェノール及びアセトンを含む液体流を、強酸性カチオン交換樹脂、及びカチオン交換樹脂の重量を基準として約1重量%〜約10重量%の弱塩基性アニオン交換樹脂の混合床と、フェノールとアセトンとの縮合反応を起こさせるのに十分な時間接触させ、次に液体流を樹脂の混合床から分離し、分離された液体流からビスフェノールAを回収する工程を含むことを特徴とする、低い着色度を有するビスフェノールAを製造する方法。
Claims (8)
- フェノールと脂肪族アルデヒド又はケトンとを、昇温下で、触媒量の水素形の強酸性カチオン交換樹脂、及び、カチオン交換樹脂の重量を基準として0.5重量%〜15重量%の量の弱塩基性アニオン交換樹脂の存在下で反応させることを特徴とする、低い着色度を有するビスフェノール類を製造する方法。
- アニオン交換樹脂ビーズが、モノマーの合計重量を基準として1〜20%の架橋性モノマーを含むモノマー混合物から調製されるアニオン交換官能化架橋コポリマービーズである請求項1に記載の方法。
- 弱塩基性アニオン交換樹脂が、乾燥樹脂1gあたり0.1〜6ミリ当量の弱塩基官能性レベルを有する請求項1に記載の方法。
- カチオン交換樹脂が、全液体重量を基準として10重量%〜200重量%の量で存在する請求項1に記載の方法。
- 弱塩基性アニオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂の1重量%〜10重量%の量で存在する請求項4に記載の方法。
- カチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂が、容器中で混合床を形成する請求項5に記載の方法。
- カチオン交換樹脂が、全モノマー重量を基準として0.5〜10%の架橋性モノマーから調製されるカチオン交換官能化架橋コポリマーである請求項5に記載の方法。
- 30℃〜90℃の温度で、フェノール及びアセトンを含む液体流を、強酸性カチオン交換樹脂、及びカチオン交換樹脂の重量を基準として1重量%〜10重量%の弱塩基性アニオン交換樹脂の混合床と、フェノールとアセトンとの縮合反応を起こさせるのに十分な時間接触させ、次に液体流を樹脂の混合床から分離し、分離された液体流からビスフェノールAを回収する工程を含むことを特徴とする、低い着色度を有するビスフェノールAを製造する方法。
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