JP3639845B2 - 衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置に関し、より詳細にはバス等の自動車のルーフ上に搭載される衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車にはVHFテレビ、ラジオ、自動車電話、パーソナル無線等の多くの地上電波受信機及び衛星テレビや、GPS(Global Positioning System)によるナビゲーションあるいは業務用移動通信システム等に用いられる多くの衛星電波受信機が搭載されるようになってきている。これに伴い、自動車のルーフ上にはこれらの電波を受信するためのアンテナあるいはアンテナ装置が多数設置されている。
【0003】
図3は例えばバスのルーフ上に従来の衛星電波アンテナ装置及び地上電波受信用アンテナが設置されている状態を概略的に示した側面図であり、図中30はバスを示している。バス30のルーフ31上の所定箇所には金属製の略円板形状を有するベースプレート40が固定され、ベースプレート40上にはレドーム(radome) 41が取り付けられている。レドーム41とベースプレート40とに囲まれた空間内には、例えばアレイアンテナ、BS(衛星放送)コンバータ(ともに図示せず)等を含んで構成された衛星テレビ電波受信用アンテナ装置42(以下、衛星電波受信用アンテナ装置と記す)が収容されている。またレドーム41は直径Dが600〜800mm、高さHが140mm程度を有して略ドーム形状に形成されており、これにより衛星電波受信用アンテナ装置42が風雨、塵埃等から保護されるようになっている。衛星電波受信用アンテナ装置42は同軸ケーブル43を介して車室内のテレビ受信機44に接続されており、前記アレイアンテナに受信された例えば略12GHzの信号が前記BSコンバータにより約1GHz帯のBS−IF信号(第1中間周波信号)に変換・増幅された後、同軸ケーブル43を通ってテレビ受信機44側へ伝送されるようになっている。また衛星電波受信用アンテナ装置42は電力供給用ケーブル45を介してテレビ受信機44側に接続されており、前記BSコンバータを作動するための電力や、前記アレイアンテナを常時衛星の方向へ向けるための駆動装置用電力が電力供給用ケーブル45を通って供給されるようになっている。
【0004】
またバス30のルーフ31上の所定箇所には、それぞれ同一形状を有する2個の例えばVHF電波受信用アンテナ(以下、地上電波受信用アンテナと記す)47、48が所定間隔を有して設置されており、バス30の走行中に受信位置が変化して電界強度が低下した際、地上電波受信用アンテナ47、48より出力される信号の内、大きい方の信号が自動的に選択使用され、映像の歪みやノイズの発生が防止されるようになっている(以下、このようなアンテナをダイバーシティ方式のアンテナと記す)。地上電波受信用アンテナ47、48は同軸ケーブル49a、49bを介してそれぞれテレビ受信機44側に接続されており、地上電波受信用アンテナ47、48で受信されたVHF(周波数30〜300MHz)の信号が同軸ケーブル49a、49bを通ってテレビ受信機44側へ伝送されるようになっている。また地上電波受信用アンテナ47、48はそれぞれルーフ31と電気的に接続されており、ルーフ31を介して接地されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の衛星電波受信用アンテナ装置42及び地上電波受信用アンテナ47、48は、バス30のルーフ31上に個別に設置されており、外観が劣るとともに、ルーフ31上への取り付けや電気的接続が面倒であり、また同軸ケーブル43、49a、49b、電力供給用ケーブル45の配線が難しいという課題があった。
【0006】
また地上電波受信用アンテナ47、48は露出しており、ヒュー等と鳴る風切り音を発生し易く、特に窓32e、32fを開けた際や夜間等の際における地上電波受信用アンテナ47、48付近の車室内では、この風切り音が耳障りになるという課題があった。
【0007】
また最近のバス30等の大型自動車における車高は制限高さ一杯に設計されており、衛星電波受信用アンテナ装置42及び地上電波受信用アンテナ47、48の高さをさらに高めてアンテナ特性を向上させることが難しいという課題があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、衛星電波と地上電波とを一つの装置で確実に受信することができ、アンテナの取り付け、電気的接続やケーブルの配線を容易、かつ確実に行うことができ、風切り音の発生を防止することができるとともに、外観的にも優れた衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置は、線形状を有する2個以上の導体より成る地上電波受信用アンテナと衛星電波受信用アンテナとベースプレートとレドームとを備え、前記各導体は衛星電波の略1/2波長以上の間隔を有して前記レドーム内面に形成され、前記各導体は太さが前記衛星電波の波長程度以下、長さが受信するそれぞれの地上電波の略1/4波長に設定され、前記各導体の一端部側は開放されるとともに他端部側は受信機側に接続され、アース手段が前記他端部近傍に配設されていることを特徴としている(1)。
【0010】
また本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置は、上記(1)記載の地上電波受信用アンテナが少なくとも2組、相互に線対称関係を有して形成されていることを特徴としている(2)。
【0011】
また本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置は、上記(1)または(2)記載の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置において、VHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、比較的高周波の略1/4波長、及びVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さを有する3個の導体を含んで地上電波受信用アンテナが形成されていることを特徴としている(3)。
【0012】
また本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置は、上記(1)、(2)または(3)記載の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置において、ベースプレートと接触するレドーム下面の所定箇所にアースパターンが形成され、該アースパターンが前記地上電波受信用アンテナの近傍に配設されていることを特徴としている(4)。
【0013】
【作用】
上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)によれば、線形状を有する2個以上の導体より成る地上電波受信用アンテナと衛星電波受信用アンテナとベースプレートとレドームとを備え、前記各導体は衛星電波の略1/2波長以上の間隔を有して前記レドーム内面に形成され、前記各導体は太さが前記衛星電波の波長程度以下、長さが受信するそれぞれの地上電波の略1/4波長に設定され、前記各導体の一端部側は開放されるとともに他端部側は受信機側に接続され、アース手段が前記他端部近傍に配設されており、前記導体の太さが十分に細く形成され、かつ前記各導体間隔が所定距離に設定されているため、該導体による前記衛星電波の透過阻害の発生が防止され、前記導体が衛星電波受信用アンテナの上方に配設されていても、前記衛星電波を確実に前記衛星電波受信用アンテナまで到達させ得ることとなる。また前記導体が前記レドーム内面に形成されて、前記地上電波受信用アンテナの高さが低くなり、リアクタンス分が大きく、共振回路のQが高くなり、整合がとれ難くなったとしても、それぞれ異なる所定長さを有する2個以上の前記導体が形成されているため、受信する地上電波の周波数帯をカバーし得ることとなる。したがって前記地上電波受信用アンテナと前記衛星電波受信用アンテナとを1個の前記レドーム内に配設して一体化を図り、衛星電波と地上電波とを一つの装置で確実に受信し得ることとなる。またアンテナ装置の取り付け、電気的接続やケーブルの配線を確実、かつ容易に行い得ることとなり、風切り音の発生を防止し得るとともに、外観的にも優れたものとなる。
【0014】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)において、地上電波受信用アンテナが少なくとも2組、相互に線対称関係を有して形成されている場合には、上記したアンテナ装置(1)の場合と同様の作用が得られるとともに、前記した少なくとも2組の地上電波受信用アンテナによるダイバーシティ作用が得られることとなる。したがって受信位置が変化して地上電波受信用アンテナの一方の受信強度が低下しても、少なくとも2組の地上電波受信用アンテナより出力される信号の内、比較的大きいレベルの信号を選択的に使用し得ることとなり、地上電波の受信性能を一層高め得ることとなる。
【0015】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)または(2)において、VHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、比較的高周波の略1/4波長、及びVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さを有する3個の導体を含んで地上電波受信用アンテナが形成されている場合には、上記したアンテナ装置(1)または(2)の場合と同様の作用が得られるとともに、地上電波としてのVHFテレビ電波における全てのチャンネル帯を確実に受信し得ることとなる。
【0016】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)、(2)または(3)において、ベースプレートと接触するレドーム下面の所定箇所にアースパターンが形成され、該アースパターンが前記地上電波受信用アンテナの近傍に配設されている場合には、前記レドームを前記ベースプレートに取り付ける際、前記アースパターンを介して前記地上電波受信用アンテナと前記ベースプレートとをコンデンサ的に接続し得ることとなり、前記地上電波受信用アンテナのアースをより一層確実、かつ容易にとり得ることとなる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置の実施例を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付すこととする。
図1は本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置の実施例(1)を示した概略図であり、(a)は正面断面図、(b)は透視平面図を示している。ベースプレート40は金属を用いて略円板形状に形成され、バス30(図3)等のルーフ31上に取り付けられている。ベースプレート40上にはターンテーブル11が配設され、ターンテーブル11上には複数個のアレイアンテナ12が配設されており、ターンテーブル11を水平面内回転させるとともに、駆動装置(図示せず)により垂直面内回転させることにより、アレイアンテナ12の受信面が常時放送衛星方向に向くようになっている。またアレイアンテナ12下部にはBSコンバータ(図示せず)が配設されており、これらアレイアンテナ12、ターンテーブル11、前記BSコンバータ等を含んで衛星テレビ電波受信用アンテナ(以下、衛星電波受信用アンテナと記す)13が構成されている。衛星電波受信用アンテナ13は同軸ケーブル14を介して車室内のテレビ受信機44(図3)に接続されており、アレイアンテナ12で受信された例えば略12GHzの信号が前記BSコンバータにより約1GHz帯のBS−IF信号(第1中間周波信号)に変換・増幅された後、同軸ケーブル14を通ってテレビ受信機44側へ伝送されるようになっている。また衛星電波受信用アンテナ13は電力供給用ケーブル15を介してテレビ受信機44側に接続されており、前記BSコンバータを作動させるための電力や、ターンテーブル11等の駆動装置用電力が電力供給用ケーブル15を通って供給されるようになっている。
【0018】
一方、レドーム16は直径が600〜800mm、高さが140mm程度を有し、FRP、発泡樹脂、ハニカム状の樹脂等を用いてフランジ付きの略ドーム形状に形成されている。レドーム16のドーム部16a内面には導体17、18が配設されており、導体17、18は例えば銅箔テープが接着された樹脂フィルムをドーム部16a内面に接着することにより形成されている。導体17、18はそれぞれ3個の導体17a〜17c、18a〜18cにより構成されており、導体17a、18aの長さはVHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、導体17b、18bの長さはVHFのLOWチャンネル帯における比較的高周波の略1/4波長、導体17c、18cの長さはVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さにそれぞれ設定されている。また導体17、18の太さdは衛星電波受信用アンテナ13が受信する衛星電波の波長程度以下の所定寸法に設定されており、また導体17a〜17c、18a〜18cにおける各一端部側は接続部17d、18dで相互に接続され、他端部側はそれぞれ開放されている。また導体17、18はレドーム16の中心線A−Aに関して左右対称に形成されており、接続部17d、18d近傍を除いて導体17a〜17c間、導体18a〜18c間、導体17、18間の距離Lはそれぞれ前記衛星電波の波長の略1/2波長以上の長さに設定されている。これら導体17、18、接続部17d、18dを含んでダイバーシティ方式の地上電波受信用アンテナ19、20が構成されている。さらに地上電波受信用アンテナ19、20の接続部17d、18dは同軸ケーブル21の内部導体21aに接続され、同軸ケーブル21はレドーム16の外側に導かれて車室内のテレビ受信機44(図3)に接続されており、地上電波受信用アンテナ19、20に受信されたVHFの信号が同軸ケーブル21を通ってテレビ受信機44側へ伝送されるようになっている。
【0019】
レドーム16のフランジ部16b下面の所定箇所にはアースパターン22が形成され、アースパターン22には同軸ケーブル21の外部導体21bが接続されている。同軸ケーブル21における外部導体21bと内部導体21aとの間には絶縁体(図示せず)が介装されており、これらアースパターン22、同軸ケーブル21の外部導体21b等を含んでアース手段23が構成されている。そしてレドーム16とベースプレート40とをネジ16cにより結合すると、地上電波受信用アンテナ19、20がコンデンサ的にアース手段23、ベースプレート40を介してルーフ31側にアースされるとともに、レドーム16により、地上電波受信用アンテナ19、20と衛星電波受信用アンテナ13とが風雨、塵埃等から保護されるようになっている。これら地上電波受信用アンテナ19、20、衛星電波受信用アンテナ13、レドーム16、ベースプレート40等を含んで衛星テレビ電波受信用アンテナ13と地上電波受信用アンテナ19とが一体化されたアンテナ装置10が構成されている。
【0020】
このように構成されたアンテナ装置10を用いる場合、地上電波はレドーム16を透過して地上電波受信アンテナ19、20で受信され、同時に衛星電波はレドーム16と導体17、18間とを透過して衛星電波受信アンテナ13で受信される。
【0021】
上記説明から明らかなように、実施例(1)に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置10では、線形状を有する3個の導体17a〜17c、18a〜18cより成る地上電波受信用アンテナ19、20と衛星電波受信用アンテナ13とベースプレート40とレドーム16とを備え、各導体17a〜17c、18a〜18cは衛星電波の略1/2波長以上の間隔Lを有してレドーム16内面に形成され、各導体17a〜17c、18a〜18cは太さdが前記衛星電波の波長程度以下、長さが受信するそれぞれの地上電波の略1/4波長に設定され、各導体17a〜17c、18a〜18cの一端部側は開放されるとともに他端部17d、18d側はアース手段23及び受信機44側に接続されているので、導体17、18による衛星電波の透過阻害の発生を防止することができ、導体17、18が衛星電波受信用アンテナ13の上方に配設されていても、前記衛星電波を確実に衛星電波受信用アンテナ13まで到達させることができる。また導体17、18がレドーム16内面に形成されると、地上電波受信用アンテナ19、20の高さが低くなり、リアクタンス分が大きく、共振回路のQが高くなり、整合がとれ難くなるのが、それぞれ異なる所定長さを有する3個の導体17a〜17c、18a〜18cが形成されているため、受信する地上電波の周波数帯をカバーすることができる。したがって地上電波受信用アンテナ19、20と衛星電波受信用アンテナ13とを1個のレドーム16内に配設して一体化を図ることができ、衛星電波と地上電波とを一つの装置で確実に受信することができる。またアンテナ装置の取り付け、電気的接続やケーブルの配線を確実、かつ容易に行うことができ、風切り音の発生を防止することができるとともに、外観的にも優れたものにすることができる。
【0022】
また、地上電波受信用アンテナ19、20が相互に線対称関係を有して形成されているので、上記した効果に加えて地上電波受信用アンテナ19、20によりダイバーシティ効果を得ることができ、受信位置が変化してどちらか片方のアンテナによる受信強度が低下しても、地上電波受信用アンテナ19、20より出力される信号の内、比較的大きいレベルの信号を選択的に使用することができ、地上電波の受信性能を一層高めることができる。
【0023】
また、VHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、比較的高周波の略1/4波長、及びVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さを有する3個の導体17a〜17c、18a〜18cを含んで地上電波受信用アンテナ19、20が形成されているので、上記した効果に加えて、地上電波としてのVHFテレビ電波における全てのチャンネル帯を確実に受信することができる。
【0024】
また、ベースプレート40と接触するレドーム16のフランジ部16b下面の所定箇所にアースパターン22が形成され、アースパターン22に地上電波受信用アンテナ19、20が接続されているので、レドーム16をベースプレート40に取り付ける際、アースパターン22を介して地上電波受信用アンテナ19、20とベースプレート40とをコンデンサ的に接続することができ、地上電波受信用アンテナ19、20のアースをより一層確実、かつ容易にとることができる。
【0025】
なお実施例(1)では、2個の地上電波受信用アンテナ19、20が配設された場合について説明したが、別の実施例では地上電波受信用アンテナ19、20のいずれかひとつが配設されていてもよい。
【0026】
また実施例(1)では、地上電波受信用アンテナ19、20によりともにVHFテレビ電波を受信する場合について説明したが、別の実施例ではともにラジオ電波を受信するようにしてもよい。
【0027】
また実施例(1)では、地上電波受信用アンテナ19、20によりVHFテレビ電波を受信する場合について説明したが、別の実施例では、例えば地上電波受信用アンテナ19によりVHFテレビ電波を受信し、地上電波受信用アンテナ20によりラジオ、自動車電話またはパーソナル無線等を受信するようにしてもよい。
【0028】
また実施例(1)では、衛星電波受信用アンテナ13により放送衛星からの衛星テレビ電波を受信する場合について説明したが、別の実施例ではGPS用あるいは業務用移動通信システム用の電波を受信するようにしてもよい。
【0029】
図2は衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置に係る実施例(2)におけるレドーム及び地上電波受信用アンテナを示した透視平面図であり、図中51はレドームを示している。レドーム51のドーム部51a内面には導体52〜55が形成され、導体52〜55はそれぞれ3個の導体52a〜52c、53a〜53c、54a〜54c、55a〜55cにより構成されている。導体52a〜55aの長さはVHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、導体52b〜55bの長さはVHFのLOWチャンネル帯における比較的高周波の略1/4波長、導体52c〜55cの長さはVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さにそれぞれ設定されている。また導体52〜55の太さdは衛星電波受信用アンテナ(図示せず)が受信する衛星電波の波長程度以下の所定寸法に設定されており、また導体52〜55における各一端部側は接続部52d〜55dで相互に接続され、他端部側はそれぞれ開放されている。また導体52、53と導体54、55とはレドーム51の中心線A−Aに関して左右対称に形成されており、接続部52d〜55d近傍を除いて導体52〜55間の距離Lはそれぞれ前記衛星電波の波長の略1/2波長以上の長さに設定されている。これら導体52〜55、接続部52d〜55dを含んでダイバーシティ方式の地上電波受信用アンテナ56〜59が構成されている。さらに地上電波受信用アンテナ56〜59の接続部52d〜55dはそれぞれ同軸ケーブル21の内部導体21aに接続され、同軸ケーブル21はレドーム51の外側に導かれて車室内のテレビ受信機(図示せず)に接続されている。
【0030】
レドーム51のフランジ部51b下面の所定箇所にはアースパターン22が形成され、アースパターン22には同軸ケーブル21の外部導体21bが接続されている。同軸ケーブル21における外部導体21bと内部導体21aとの間には絶縁体(図示せず)が介装されており、これらアースパターン22、同軸ケーブル21の外部導体21b等を含んでアース手段23が構成されている。そしてレドーム51とベースプレート(図示せず)とをネジ16cにより結合すると、地上電波受信用アンテナ56〜59がコンデンサ的にアース手段23、前記ベースプレートを介してルーフ31(図1)側にアースされるようになっている。
【0031】
このように構成されたアンテナ装置を用いる場合、地上電波はレドーム51を透過して地上電波受信アンテナ56〜59で受信され、同時に衛星電波はレドーム51と導体52〜55間とを透過して衛星電波受信アンテナ(図示せず)で受信される。
【0032】
上記説明から明らかなように、実施例(2)に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置では、実施例(1)の装置の場合と同様の効果を得ることができるとともに、地上電波受信アンテナ56〜59が多数配設されているため、より一層ダイバシティ効果を高めることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置にあっては、線形状を有する2個以上の導体より成る地上電波受信用アンテナと衛星電波受信用アンテナとベースプレートとレドームとを備え、前記各導体は衛星電波の略1/2波長以上の間隔を有して前記レドーム内面に形成され、前記各導体は太さが前記衛星電波の波長程度以下、長さが受信するそれぞれの地上電波の略1/4波長に設定され、前記各導体の一端部側は開放されるとともに他端部側は受信機側に接続され、アース手段が前記他端部近傍に配設されているので、該導体による前記衛星電波の透過阻害の発生を防止することができ、前記導体が衛星電波受信用アンテナの上方に配設されていても、前記衛星電波を確実に前記衛星電波受信用アンテナまで到達させることができる。また前記導体が前記レドーム内面に形成されると、前記地上電波受信用アンテナの高さが低くなり、リアクタンス分が大きく、共振回路のQが高くなり、整合がとれ難くなるのが、長さが異なる2個以上の前記導体が形成されているため、受信する地上電波の周波数帯をカバーすることができる。したがって前記地上電波受信用アンテナと前記衛星電波受信用アンテナとを1個の前記レドーム内に配設して一体化を図ることができ、衛星電波と地上電波とを一つの装置で確実に受信することができる。またアンテナ装置の取り付け、電気的接続やケーブルの配線を確実、かつ容易に行うことができ、風切り音の発生を防止することができるとともに、外観的にも優れたものにすることができる。
【0034】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)において、地上電波受信用アンテナが少なくとも2組、相互に線対称関係を有して形成されている場合には、上記したアンテナ装置(1)の場合と同様の効果が得られるとともに、前記した少なくとも2組の地上電波受信用アンテナによるダイバーシティ効果を得ることができる。したがって受信位置が変化して地上電波受信用アンテナの一方の受信強度が低下しても、少なくとも2組の地上電波受信用アンテナより出力される信号の内、比較的大きいレベルの信号を選択的に使用することができ、地上電波の受信性能を一層高めることができる。
【0035】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)または(2)において、VHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、比較的高周波の略1/4波長、及びVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さを有する3個の導体を含んで地上電波受信用アンテナが形成されている場合には、上記したアンテナ装置(1)または(2)の場合と同様の効果を得ることができるとともに、地上電波としてのVHFテレビ電波における全てのチャンネル帯を確実に受信することができる。
【0036】
また上記構成の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置(1)、(2)または(3)において、ベースプレートと接触するレドーム下面の所定箇所にアースパターンが形成され、該アースパターンが前記地上電波受信用アンテナの近傍に配設されている場合には、前記レドームを前記ベースプレートに取り付ける際、前記アースパターンを介して前記地上電波受信用アンテナと前記ベースプレートとをコンデンサ的に接続することができ、前記地上電波受信用アンテナのアースをより一層確実、かつ容易にとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置の実施例(1)を示した概略図であり、(a)は正面断面図、(b)は透視平面図を示している。
【図2】衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置に係る実施例(2)におけるレドーム及び地上電波受信用アンテナを示した透視平面図である。
【図3】バスのルーフ上に従来の衛星電波アンテナ装置及び地上電波受信用アンテナが設置されている状態を概略的に示した側面図である。
【符号の説明】
10 アンテナ装置
13 衛星電波受信用アンテナ
16 レドーム
17、17a、17b、17c 導体
18、18a、18b、18c 導体
17d、18d 接続部
19、20 地上電波受信用アンテナ
23 アース手段
40 ベースプレート
Claims (4)
- 線形状を有する2個以上の導体より成る地上電波受信用アンテナと衛星電波受信用アンテナとベースプレートとレドームとを備え、前記各導体は衛星電波の略1/2波長以上の間隔を有して前記レドーム内面に形成され、前記各導体は太さが前記衛星電波の波長程度以下、長さが受信するそれぞれの地上電波の略1/4波長に設定され、前記各導体の一端部側は開放されるとともに他端部側は受信機側に接続され、アース手段が前記他端部近傍に配設されていることを特徴とする衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置。
- 請求項1記載の地上電波受信用アンテナが少なくとも2組、相互に線対称関係を有して形成されていることを特徴とする衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置。
- VHFのLOWチャンネル帯における比較的低周波の略1/4波長、比較的高周波の略1/4波長、及びVHFのHIGHチャンネル帯における中心周波数近傍の略1/4波長の長さを有する3個の導体を含んで地上電波受信用アンテナが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置。
- ベースプレートと接触するレドーム下面の所定箇所にアースパターンが形成され、該アースパターンが前記地上電波受信用アンテナの近傍に配設されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の衛星電波及び地上電波受信用アンテナ装置。
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