JP3637842B2 - Vehicle motion control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前後方向の運動制御により車両の走行安定性を確保する車両運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の前後運動をコントロールするトラクション制御装置としては、スロットルを閉じてエンジントルク(駆動トルク)を減少させるスロットル制御や、駆動輪にブレーキをかけてスリップを抑えるブレーキ制御などが一般的に知られている。これらスロットル制御とブレーキ制御を組み合わせたトラクション制御装置としては、例えば、特開平6−80049号公報に記載の技術が知られている。
【0003】
この公報には、車体速度にスリップ率を加味して定めた判定基準値と駆動輪速度との比較結果に少なくとも基づいて駆動輪のスリップ傾向を判定し、駆動輪速度が判定基準値以上となった時には、その状態が持続する間は、エンジン出力を目標値まで減少させると共に、スリップ傾向の程度に応じてブレーキ装置を作動させ、駆動輪速度が判定基準値未満となってからは、駆動輪速度が判定基準値未満の状態ではエンジン出力をスリップ傾向の程度に応じて増加させると共にブレーキ装置を非作動とし、駆動輪速度が判定基準値以上となった時にはエンジン出力を保持すると共にブレーキ装置をスリップ傾向の程度に応じて作動させることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトラクション制御装置にあっては、駆動輪速度が予めスリップ率を考慮して設定した基準速度を超えた場合にエンジン出力を抑える制御及びブレーキ装置を作動する制御を行い、駆動輪速度が基準速度未満となるエンジン出力を増加する制御及びブレーキ装置を非作動とする制御を行うという構成となっているため、トラクション制御中は、駆動輪速度がスリップ率を考慮して設定した基準速度を上回ったり、下回ったりを繰り返すことになるが、路面μ等の状況によっては駆動輪の変動が大きくなり、前後Gの変動等につながるため滑らかな加速が得られない場合があると言う問題があった。
【0005】
また、駆動輪速度が予めスリップ率を考慮して設定した基準速度を越えた場合にエンジン出力を抑える制御及びブレーキ装置を作動する制御を行い、駆動輪速度が基準速度未満となるとエンジン出力を増加する制御及びブレーキ装置を非作動とする制御を行うという構成となっているため、駆動輪の変動を抑えるために小さいスリップ率となるように基準速度を設定すると、加速性が悪化するという問題があった。
【0006】
そこで、本出願人は、先に、目標駆動輪速度算出値と駆動輪速度検出値との偏差を無くすサーボ演算により駆動輪トルク指令値を算出する駆動輪速度サーボ演算手段を備えた装置を提案した。
【0007】
この車両運動制御装置は、従来のスリップ率に基づいたトラクション制御とは異なり、駆動輪速度サーボ系を用いることにより、駆動輪の変動を小さく抑えつつ十分な駆動力を得ることができることを特徴している。
【0008】
しかしながら、先行して提案した車両運動制御装置は、トラクション制御非作動時は、予め測定した車両データに基づいて構成する車両モデルの駆動輪速度出力を目標駆動輪速度とし、トラクション制御作動時は、非駆動輪速度,駆動輪状態等に応じて目標駆動輪速度を算出するという構成になっているため、トラクション制御非作動時の駆動輪速度サーボ演算用に予め制御対象となる車両毎に車両モデルを用意する必要がある。
【0009】
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、車両毎に車両モデルを用意する必要のない簡単な制御システムとしながら、路面μ等の状況の変化があったとしても前後Gが抑えられた滑らかな加速感と、良好な加速性能との両立を達成することができる車両運動制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、スロットル制御とブレーキ制御の少なくとも一方により駆動輪のスリップ率を基に駆動輪トルクを制御するトラクション制御手段を備えた車両運動制御装置において、
トラクション制御作動時かトラクション制御非作動時かを判断するトラクション制御作動状態判断手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
走行状態検出値に基づいて目標駆動輪速度を算出する目標駆動輪速度算出手段と、
車両の駆動輪速度を検出する駆動輪速度検出手段と、
トラクション制御作動時にのみ目標駆動輪速度算出値と駆動輪速度検出値との偏差を無くすサーボ演算により駆動輪トルクを制御する駆動輪速度サーボ演算手段と、を設け、
前記駆動輪速度サーボ演算手段は、トラクション制御作動直後には駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行わず、駆動輪スリップの発生後、前記駆動輪のスリップ率を基に駆動輪トルクを制御するトラクション制御による駆動輪スリップの収束を待ってから駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の車両運動制御装置において、
前記トラクション制御作動直後から駆動輪速度サーボ演算を行うまでの間は、駆動輪スリップ量に基づくスロットル指令値と、駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、非駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、車速に基づくスロットル指令値と、トラクション制御作動開始からの経過時間に基づくスロットル指令値とのセレクトローによりスロットル指令値を決めるスロットル制御手段による制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載の車両運動制御装置において、
トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、ドライバー操作によるアクセル開度とアクチュエータ作動によるスロットル開度が等しくなった場合は、両開度が等しくなった時点でトラクション制御作動を終了させると同時に駆動輪速度サーボ演算を終了させる第1制御終了手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両運動制御装置において、
トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、駆動輪速度と非駆動輪速度の偏差が設定値以内の状態が設定時間続いた場合は、設定時間の経過時に駆動輪速度サーボ演算を終了させ、その後、スロットルバルブをゆっくりとアクセル開度まで開き、スロットル開度がアクセル開度と等しくなった時点でトラクション制御を終了させる第2制御終了手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明では、まず、トラクション制御作動状態判断手段において、トラクション制御作動時かトラクション制御非作動時かが判断される。そして、走行状態検出手段において、車両の走行状態が検出され、目標駆動輪速度算出手段において、走行状態検出値に基づいて目標駆動輪速度が算出され、駆動輪速度検出手段において、車両の駆動輪速度が検出され、トラクション制御作動時であると判断される場合にのみ、駆動輪速度サーボ演算手段において、目標駆動輪速度算出値と駆動輪速度検出値との偏差を無くすサーボ演算により駆動輪トルク指令値が算出され、この駆動輪トルク指令値の出力により、トラクション制御手段において、スロットル制御とブレーキ制御の少なくとも一方により駆動輪トルクが制御される。
すなわち、従来技術では、スリップ率を基準としてトラクション制御を行っていたため、駆動輪速度の変動が大きくなってしまうという問題があったし、駆動輪の変動を抑えるために小さいスリップ率に設定すると加速性が悪化するという問題があった。
これに対し、請求項1記載の発明では、スリップ率基準によるトラクション制御でなく、駆動輪速度を目標駆動輪速度に一致させる駆動輪速度サーボ系を用いたトラクション制御としたため、駆動輪速度の変動が小さく抑えられ、滑らかに加速することが可能であるし、また、目標駆動輪速度の設定により、十分な駆動力を確保することも可能である。
さらに、トラクション制御作動時の駆動輪速度サーボ演算用に車両モデルを用意する必要がないため、車両モデルの作成の手間が省けるし、また、車載マイコンを用いてシステムを構成する場合は、プログラム量が減少するためメモリや演算速度の観点からより安価なマイコンでの制御演算をすることが可能となる。
よって、車両毎に車両モデルを用意する必要のない簡単な制御システムとしながら、路面μ等の状況の変化があったとしても前後Gが抑えられた滑らかな加速感と、良好な加速性能との両立を達成することができる。
加えて、駆動輪速度サーボ演算手段において、トラクション制御作動直後には駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御が行われず、駆動輪スリップの発生後、駆動スリップを基に駆動トルクを制御するトラクション制御による駆動輪スリップの収束を待ってから駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御が行われる。
すなわち、トラクション制御作動直後から駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行うと、スリップを抑えるようにサーボが働くため、結果的にスロットルを閉じる時間が長くなり、スリップ回復後の加速タイミングが遅くなる(図7参照)。
これに対し、駆動輪スリップが収まってから駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行うことで、加速タイミングが遅れることを防止することができる(図6参照)。
【0018】
請求項2記載の発明にあっては、トラクション制御作動直後から駆動輪速度サーボ演算を行うまでの間は、駆動輪スリップ量に基づくスロットル指令値と、駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、非駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、車速に基づくスロットル指令値と、トラクション制御作動開始からの経過時間に基づくスロットル指令値とのセレクトローによりスロットル指令値を決めるスロットル制御手段による制御が行われる。
よって、駆動輪スリップ量、駆動輪加速度、非駆動輪加速度のそれぞれについて大きな値であるほどスロットル指令値を小さな値とし、車速が高いほどスロットル指令値を大きな値とし、トラクション制御作動開始からの経過時間が長いほどスロットル指令値を小さな値とすることで、スロットルバルブの閉じ過ぎによる加速性悪化の防止と、スリップ過大による安定性悪化の防止との両立をはかることができる(図10参照)。
【0020】
請求項3記載の発明にあっては、トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、ドライバー操作によるアクセル開度とアクチュエータ作動によるスロットル開度が等しくなった場合は、第1制御終了手段において、両開度が等しくなった時点でトラクション制御作動が終了させられると同時に駆動輪速度サーボ演算が終了させられる。
すなわち、ドライバがアクセルを戻したような場合やスロットルバルブがアクセル開度まで開くような場合、つまり、トラクション制御の必要性に乏しい状況になると、アクセル開度とスロットル開度が等しくなった時点でトラクション制御手段と駆動輪速度サーボ演算が共に終了とされる(図8及び図11参照)。
よって、トラクション制御の終了時点で駆動力の変動が無く、トラクション制御による走行からドライバのアクセル操作による通常走行に違和感無く移行することができる。
【0021】
請求項4記載の発明にあっては、トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、駆動輪速度と非駆動輪速度の偏差が設定値以内の状態が設定時間続いた場合は、第2制御終了手段において、設定時間の経過時に駆動輪速度サーボ演算が終了させられ、その後、スロットルバルブがゆっくりとアクセル開度まで開かれ、スロットル開度がアクセル開度と等しくなった時点でトラクション制御が終了させられる。
すなわち、低μ→高μ変化時など駆動輪スリップが小さい状態が続く場合は、まず、駆動輪速度サーボ演算を終了し、スロットルバルブをゆっくりとアクセル開度まで開くことで加速不足を防止することができる。
また、スロットル開度とアクセル開度が等しくなった時点でトラクション制御手段を終了することで、急激なスロットル変化を防止することが可能となり、急激なスロットル変化を防止すると共に、ドライバの感覚にあった制御を実現することができる(図9参照)。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は実施の形態1の車両運動制御装置を示す構成図である。
【0023】
1は各車輪毎に車輪速度を検出する車輪速センサ、2はモータにより駆動する電子スロットルアクチュエータであり、例えばコントローラからのPWM信号によりモータを制御することでスロットルの開閉を行う。3はドライバが操作したアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、4はスロットル開度を検出するスロットル開度センサである。5は自動ブレーキ用のブレーキブースタであり、エンジン負荷をソレノイドバルブで制御することにより、ドライバの操作に係わらずブレーキ圧を発生することができる。6はマスタシリンダ圧を検出するブレーキ圧センサである。7はABSアクチュエータであり、コントローラからの指令信号により各ホイールシリンダのブレーキ圧を制御する。8は変速機の変速比を制御するA/Tコントローラである。9はトラクションコントローラであり、車輪速センサ1からの信号を入力し、その信号より駆動輪のスリップ状態を判断し、それぞれの場合に応じた目標駆動輪速度を設定し、目標駆動輪速度を達成するように電子スロットルアクチュエータ2、ブレーキブースタ5及びABSアクチュエータ7を動作させる。
【0024】
次に、作用を説明する。
【0025】
[トラクション制御処理]
図2は、本実施の形態1におけるトラクションコントローラ9の演算処理を表すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
ステップ1では、アクセル開度センサ3からアクセル開度信号APOを、スロットル開度センサ4からスロットル開度信号TVOを、車輪速センサ1から駆動輪速度信号Vw_d及び非駆動輪速度Vw_fを、ブレーキ圧センサ6からマスタシリンダ圧MCPを、A/Tコントローラ8から現在の変速比GPをそれぞれ読み込む。
【0027】
ステップ2では、TCSフラグの状態によりトラクション制御中かどうかを判断し、トラクション制御中のときはステップ9へ進み、トラクション制御中でないときはステップ3へ進む。
【0028】
ステップ3では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S1より大きい場合はステップ4へ進み、それ以外の場合はステップ5へ進む。
【0029】
ステップ4では、駆動輪速度Vw_dと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S2より大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ6に進み、小さいときはステップ5へ進む。
【0030】
ステップ5では、トラクション制御は非作動であるため、スロットル開度指令値TVO_comをアクセル開度信号APOとする。その後、ステップ37のスロットルサーボ系演算及びブレーキサーボ系演算へ進む。
【0031】
ステップ6では、トラクション制御開始として、トラクションフラグをセットする。
【0032】
ステップ7では、トラクション制御開始直後を示すFirstフラグをセットする。
【0033】
ステップ8では、トラクション制御開始直後のスロットル開度指令値TVO_comを算出する。すなわち、トラクション制御開始後最初の駆動輪スリップが回復するまでの間、スロットル開度指令値TVO_comを算出する。本実施の形態1では図10に示すように、駆動輪スリップ量、駆動輪加速度、非駆動輪加速度、車速、トラクションフラグセットからの経過時間に応じて予め設定した各マップに基づいて算出されるスロットル開度指令値のセレクトローを行い、スロットル開度指令値TVO_comを算出している。その後、ステップ37のスロットルサーボ系演算及びブレーキサーボ系演算へと進む。
【0034】
ステップ9では、Firstフラグの状態をチェックし、Firstフラグセットであればステップ10へ進み、クリアであればステップ15へ進む。
【0035】
ステップ10では、駆動輪速度Vw_dと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S3より小さいかどうかを判断し、小さいときはステップ11に進み、大きいときは、ステップ7に進む。
【0036】
ステップ11では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S4より小さい場合は駆動輪スリップが回復と判断してステップ12へ進み、それ以外の場合はステップ7,ステップ8へ進みスロットル開度指令値TVO_comを算出する。これによりトラクション制御開始後最初の駆動輪スリップが回復したかどうかの判断を行う。
【0037】
ステップ12では、トラクション制御開始後最初の駆動輪スリップが回復したとして、Firstフラグをクリアする。
【0038】
ステップ13では、駆動輪速度サーボ演算状態を示すサーボフラグをセットする。トラクション制御開始直後はステップ8で算出されたスロットル開度指令値TVO_comによりトラクション制御を行っていたが、これより駆動輪速度サーボ演算で算出されるスロットル開度指令値TVO_com及びブレーキ圧指令値BRK_comによるトラクション制御を行う。
【0039】
ステップ14では、駆動輪速度サーボ演算開始時の目標駆動輪速度Vw_dcomとして駆動輪速度Vw_dを目標駆動輪速度Vw_dcomとする。
【0040】
ステップ15では、スロットル開度指令値TVO_comとアクセル開度信号APOを比較し、スロットル開度指令値TVO_comが小さい場合はステップ16へ進み、それ以外はステップ34へ進む。
【0041】
ステップ16では、サーボフラグの状態をチェックし、サーボフラグセットすなわち駆動輪速度サーボ演算中であればステップ17へ進み、クリアであればステップ30へ進む。
【0042】
ステップ17では、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より小さいかどうかを判断し、小さいときは十分に駆動できている状態と判断してステップ20へ進み、それ以外はステップ18へ進む。
【0043】
ステップ18では、ステップ17の条件を満たしている時間をカウントするcounterをクリアする。
【0044】
ステップ19では、駆動輪速度サーボ演算用に、図3,4に示すフローチャートに従って、目標駆動輪速度Vw_dcomを算出する。
【0045】
ステップ20では、ステップ17の条件を満たしている時間が所定時間Tを超えているかどうかをチェックする。Counterが所定時間Tより大きい場合はステップ21へ進み、それ以外はステップ23へ進む。
【0046】
ステップ21では、駆動輪速度サーボ演算終了と判断し、サーボフラグをクリアする。
【0047】
ステップ22では、counterをクリアし、ステップ37のスロットルサーボ系演算へ進む。
【0048】
ステップ23では、counterをカウントアップする。その後、ステップ19へ進み、目標駆動輪速度Vw_dcomを算出する。
【0049】
ステップ24では、目標駆動輪速度Vw_dcomが上限値を超えているかどうかをチェックする。非駆動輪速度Vw_fに所定値VOを加えた値が目標駆動輪速度Vw_dcomの上限値である。上限値を超えている場合はステップ25へ進み、それ以外はステップ26へ進む。
【0050】
ステップ25では、目標駆動輪速度Vw_dcomを上限値(Vw_f+VO)とし、ステップ26へ進む。
【0051】
ステップ26では、駆動輪速度サーボ系演算を行い、駆動輪速度Vw_dが目標駆動輪速度Vw_dcomに一致するために必要な駆動輪トルク指令値TRQ_comを求める(図5参照)。
【0052】
ここで、図5に示すロバストモデルマッチング制御系について説明する。
ロバストモデルマッチング制御系は、ロバスト補償器とモデルマッチング補償器を備えている。ロバスト補償器はいわゆる外乱補償器であり、制御対象のモデル化誤差や走行抵抗などの外乱を推定し補正することによって、実特性を線形モデルに一致させる制御系を構成することができる。ロバスト補償器には、ロバスト補償器の外乱除去性能を決めるロバストフィルタを備え、例えば定常ゲイン1、時定数Tcのローパスフィルタなどで構成する。このとき、カットオフ周波数を高くすると外乱除去性能は向上するが、逆にロバスト補償器を含む閉ループ系が不安定になるというトレードオフの問題があり、システム全体の性能を考慮してカットオフ周波数を決定する。
【0053】
モデルマッチング補償器は、車速サーボ系の応答特性を規範モデルに一致させるための補償器で、フィードフォワード部の規範モデルで入出力応答特性を決定し、フィードバック部の規範モデルで外乱除去性能と安定性を決定する。このようにロバストモデルマッチング制御手法で車速サーボ系を設計することにより、モデル化誤差、パラメータ変動、外乱などに対して規範モデルの特性で追従する応答性と、内部変数が発散せずに速やかに収束する安定性を確保することができる。
【0054】
ステップ27では、駆動輪トルク指令値TRQ_comよりスロットル開度指令値TVO_com及びブレーキ圧指令値BRK_comを算出する。駆動輪トルク指令値TRQ_comが正の場合はスロットル開度指令値TVO_comを算出し、負の場合はブレーキ圧指令値BRK_comを算出する。ただし、駆動輪トルク指令値TRQ_comが負の場合でもエンジンブレーキで発生可能な範囲であればブレーキ圧指令値BRK_comはゼロのままである。
【0055】
ステップ28では、スロットル開度指令値TVO_comとアクセル開度信号APOを比較し、スロットル開度指令値TVO_comが大きい場合はステップ29へ進み、それ以外はステップ37へ進む。
【0056】
ステップ29では、スロットル開度指令値TVO_comの最大値をアクセル開度信号APOとする。ステップ28及びステップ29の動作でスロットル開度指令値TVO_comの最大値をアクセル開度信号APOとする。その後ステップ37のスロットルサーボ系演算へ進む。
【0057】
ステップ30では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S6より大きいかどうかを判断し、大きい場合はステップ31へ進み、それ以外の場合はステップ32へ進む。
【0058】
ステップ31では、駆動輪速度Vw_dと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S7より大きいかどうかを判断し、大きい場合は駆動輪速度サーボ演算開始としてステップ13へ進み、サーボフラグをセットする。それ以外の場合はステップ32へ進む。なお、しきい値S6,S7は、トラクションコントロール非作動時からトラクション制御開始を判断するしきい値S1,S2よりも小さい値(制御に入りやすい値)とし、トラクション制御中であるが駆動輪速度サーボ演算を行っているという状態で駆動輪スリップが大きくなることを防止している。
【0059】
ステップ32では、スロットル開度指令値TVO_comに所定開度△TVOを加えた値を新たなスロットル開度指令値TVO_comとする。ステップ21で駆動輪速度サーボ演算終了と判断した後は、スロットル開度指令値TVO_comをアクセル開度信号APOまでゆっくりと増加していく。
【0060】
ステップ33では、ステップ32で増加されるスロットル開度指令値TVO_comがアクセル開度信号APOを超えるかどうかをチェックする。スロットル開度指令値TVO_comがアクセル開度信号APOを超えた場合はステップ35へ進みトラクション制御終了となる。それ以外はステップ37のスロットルサーボ系演算へ進む。
【0061】
ステップ34では、スロットル開度指令値TVO_comがアクセル開度信号APOより大きい状態のため、トラクション制御を終了する。まずサーボフラグをクリアし、ステップ35へ進む。
【0062】
ステップ35では、スロットル開度指令値TVO_comをアクセル開度信号APOとする。
【0063】
ステップ36では、TCSフラグをクリアし、ステップ37のスロットルサーボ系演算及びブレーキサーボ系演算へ進む。
【0064】
ステップ37では、スロットル開度指令値TVO_com及びブレーキ圧指令値BRK_comに基づき、スロットルサーボ系演算及びブレーキ圧サーボ系演算を行う。スロットルサーボ系演算では、スロットル開度センサ4からのスロットル開度信号TVOがスロットル開度指令値TVO_comに一致するような電子スロットルアクチュエータ2への駆動信号を算出する。ブレーキ圧サーボ系演算では、ブレーキ圧センサ6からのマスタシリンダ圧MCPがブレーキ圧指令値BRK_comに一致するようなブレーキブースタ5への駆動信号を算出すると共に、駆動輪にのみブレーキ圧を発生させるようにABSアクチュエータへの駆動信号を算出する。
【0065】
[目標駆動輪速度算出]
目標駆動輪速度Vw_dcomを算出するフローチャートを図3に示す。
【0066】
ステップ101では、トラクション制御中に変化する目標駆動輪速度Vw_dcomの傾きを決める値αを、図4に示すフローチャートにより算出する。
【0067】
ステップ102では、駆動輪速度Vw_dが目標駆動輪速度Vw_dcomより大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ103へ進み、それ以外はステップ111へ進む。
【0068】
ステップ103では、ホールドENDフラグのチェックを行い、クリアされていればステップ104へ進み、セットされていればステップ107へ進む。ここで、ホールドENDフラグとは、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態が解除された際にセットされるフラグである。
【0069】
ステップ104では、ホールドフラグのチェックを行い、クリアであればステップ109へ進み、セットされているときはステップ105へ進む。
【0070】
ステップ105では、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より小さいかどうかを判断し、小さいときは十分に駆動できている状態と判断してステップ106へ進み、それ以外はステップ109へ進む。
【0071】
ステップ106では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除したことを示すホールドENDフラグをセットする。
【0072】
ステップ107では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除し、増加させる。増加量は非駆動輪速度Vw_fの変化量にステップ101で求めたαを加算した値であり、この値を前回の目標駆動輪速度Vw_dcom(-1)に加えた値が新たな目標駆動輪速度Vw_dcomとなる。
【0073】
ステップ108では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を示すホールドフラグをクリアする。
【0074】
ステップ109では、目標駆動輪速度Vw_dcomを前回の目標駆動輪速度Vw_dcom(-1)とする。すなわち目標駆動輪速度を固定とする。
【0075】
ステップ110では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を示すホールドフラグをセットする。
すなわち、ステップ103〜ステップ110の動作により駆動輪速度Vw_dが目標駆動輪速度Vw_dcomより大きい場合の目標駆動輪速度Vw_dcomを算出する。基本的には目標駆動輪速度Vw_dcomは固定状態だが、ステップ105で目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より小さいと判断された場合は、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除し増加させる。例えば、非駆動輪速度Vw_fが目標駆動輪速度Vw_dcomに追従できない状態は、そのときの路面での加速限界を超えている状態であり、駆動輪のスリップが大きくなる。非駆動輪速度Vw_fと目標駆動輪速度Vw_dcomの偏差が所定値以内となったら再び目標駆動輪速度Vw_dcomを加速させることで、路面に応じて加速限界に近い目標駆動輪速度Vw_dcomを設定することができ、駆動輪のスリップを抑えた効率よい加速が可能となる。
【0076】
ステップ111では、ホールドフラグのチェックを行い、クリアであればステップ116へ進み、セットされているときはステップ112へ進む。
【0077】
ステップ112では、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より小さいかどうかを判断し、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5よりも小さいときはステップ117へ進み、それ以外はステップ113へ進む。
【0078】
ステップ113では、駆動輪速度Vw_dと非駆動輪速度Vw_fが等しい場合は、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より大きくても、駆動輪のスリップが回復したと判断してステップ117へ進み、それ以外はステップ114へ進む。
すなわち、非駆動輪速度Vw_fと目標駆動輪速度Vw_dcomの偏差が所定値以内になる前に、駆動輪速度のスリップが収まり非駆動輪速度Vw_fまで回復した場合にも目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除し目標駆動輪速度Vw_dcomを加速させることで、加速タイミングの遅れを防止することができる。
【0079】
ステップ114では、駆動輪のスリップがまだ大きい状態であるため、目標駆動輪速度Vw_dcomを前回の目標駆動輪速度Vw_dcom(-1)とする。即ち目標空動輪速度を固定とする。
【0080】
ステップ115では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を示すホールドフラグをセットする。
【0081】
ステップ116では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除したことを示すホールドENDフラグをクリアする。
【0082】
ステップ117では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を解除し、増加させる。増加量は非駆動輪速度Vw_fの変化量にステップ101で求めたαを加算した値であり、この値を前回の目標駆動輪速度Vw_dcom(-1)に加えた値が新たな目標駆動輪速度Vw_dcomとなる。
【0083】
ステップ118では、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を示すホールドフラグをクリアする。
すなわち、ステップ111〜ステップ118の動作により駆動輪速度Vw_dが目標駆動輪速度Vw_dcomより小さい場合の目標駆動輪速度Vw_dcomを算出する。基本的には目標駆動輪速度Vw_dcomは非駆動輪速度Vw_fの変化量にステップ101で求めたαを加算した値で加速するが、目標駆動輪速度Vw_dcomと非駆動輪速度Vw_fとの差がしきい値S5より大きく、かつ、駆動輪速度Vw_dが非駆動輪速度Vw_fより大きい場合は、目標駆動輪速度Vw_dcomの固定状態を継続する。
[αの算出]
上記αの算出処理を表すフローチャートを図4に示す。
【0084】
ステップ1501では、目標駆動輪速度Vw_dcomと駆動輪速度Vw_dの比較を行い、目標駆動輪速度Vw_dcomが大きければステップ1502へ進み、それ以外であればステップ1514へ進む。
【0085】
ステップ1502では、最大駆動輪加速度Vwd_d_maxが駆動輪加速度Vwd_dより小さいかどうかを判断し、小さいときはステップ1503へ進み、大きいときは最大駆動輪加速度Vwd_d_maxをそのままとしてステップ1504へ進む。
【0086】
ステップ1503では、最大駆動輪加速度Vwd_d_maxを駆動輪加速度Vwd_dとして設定し、ステップ1504へ進む。
【0087】
ステップ1504では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S6より大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ1505へ進み、小さいときはステップ1508へ進む。
【0088】
ステップ1505では、αを補正したかどうかを示すα補正済みフラグの状態をチェックし、α補正済みフラグがセットされていればステップ1518へ進み、α補正済みフラグがセットされていなければステップ1506へ進む。
【0089】
ステップ1506では、αから補正量βを引き、ステップ1507へ進む。
【0090】
ステップ1507では、α補正済みフラグをセットする。
すなわち、αが大きいことにより駆動輪速度Vw_dが振動的に変動してしまう。そこで、ステップ1504〜1506の動作において、目標駆動輪速度Vw_dcomが大きくなりすぎて最大駆動力を越えるような場合においてαを小さく設定することが可能となり、駆動輪速度Vw_dが振動的に変動することを防止できる。
【0091】
ステップ1508では、α補正済みフラグをクリアする。
【0092】
ステップ1509では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S7より小さいかどうかを判断し、小さいときはステップ1510へ進み、大きいときはステップ1512へ進む。
【0093】
ステップ1510では、駆動輪加速度Vwd_dがしきい値S7より小さい状態の継続時間をチェックし、継続時間カウンタ値Timerが所定時間T1より大きいときはステップ1511へ進み、それ以外はステップ1513へ進む。
【0094】
ステップ1511では、αに補正量βを加算する。これにより目標駆動輪速度Vw_dmaxの傾きを大きくすることができる。すなわち、目標駆動輪速度Vw_dが小さい状態が所定時間継続していると、加速性が悪い。しかしながら、駆動輪加速度Vwd_dが所定時間継続したときは、αを大きくすることで目標駆動輪速度Vw_dcomを大きく設定することが可能となり、加速性を改善することができる。
【0095】
ステップ1512では、継続時間カウンタ値Timerをクリアする。
【0096】
ステップ1513では、継続時間カウンタ値Timerをカウントアップする。
【0097】
ステップ1514では、ステップ1502,ステップ1503で求めた最大駆動輪加速度Vwd_d_maxに基づいてマップよりαを算出する。すなわち、このαは次に目標駆動輪速度Vwd_d_maxの固定が解除されたときに設定するαの値として反映される。最大駆動輪加速度Vwd_d_maxが大きいほどαは小さく設定され、最大駆動輪加速度Vwd_d_maxが小さいほどαは大きく設定されるため、目標駆動輪速度Vw_dcomが大きくなりすぎて最大駆動力を越えるような場合もαを小さく設定することが可能となり、駆動輪速度Vw_dの発散傾向を抑えることができる。また、目標駆動輪速度Vw_dcomが小さくて加速が悪い場合は、αを大きく設定することが可能となり、加速性が改善できる。
【0098】
ステップ1515では、最大駆動輪加速度Vwd_d_maxをクリアする。
【0099】
ステップ1516では、α補正済みフラグをクリアする。
【0100】
ステップ1517では、継続時間カウンタ値Timerをクリアする。
【0101】
ステップ1518では、路面μ判別を行う。路面μの判別の方法としては、例えば、駆動輪のスリップ率Sdと非駆動輪のスリップ率Sfとの偏差S_errと、車両モデルより算出した高μ路に相当するスリップ率偏差S_err_mdlとの比較より路面μを推定するようなものとしても良い。
【0102】
ステップ1519では、路面μに基づいてマップよりα補正係数γを算出する。γは0≦γ≦1.0で、高μ路の場合はγ=1.0である。
【0103】
ステップ1520では、α×γの演算を行い、新たなαを算出する。すなわち、ステップ1518からステップ1520の動作により路面μに応じたαを設定できるため、より早く最大駆動力が得られる目標駆動輪速度Vw_dcomが設定できる。なお、本実施の形態1では、連続的に路面μを判別しαを補正しているが、高μ,中μ,低μのような3段階のμ判別や、高μ,低μのような2段階のμ判別でも同様の効果が得られる。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態1における車両運動制御装置にあっては、図11のタイムチャートに示すように、トラクション制御作動時のみ駆動輪速度サーボ演算を行うため、トラクション制御非作動時の駆動輪速度サーボ演算用に車両モデルを用意する必要がない。よって、車両モデル作成のコストを削減することができる。また、車載マイコンを用いてシステムを構成する場合は、プログラム量が減少するためメモリや演算速度の観点からより安価なマイコンでの制御演算をすることができる。
【0105】
また、図7に示すように、トラクション制御作動直後から駆動輪速度サーボ演算を行うと、スリップを抑えるようにサーボが働くため、結果的にスロットルを閉じる時間が長くなり、スリップ回復後の加速タイミングが遅くなる。しかしながら、図6に示すように、ステップ7〜ステップ14において、駆動輪スリップが収まってから駆動輪速度サーボ演算を行うことで、加速タイミングが遅れることを防止することができる。
【0106】
また、図8のタイムチャートに示すように、ドライバがアクセルを戻したような場合や、スロットルがアクセル開度まで開くような場合はトラクション制御及び駆動輪速度サーボ演算を終了し、アクセル開度APOとスロットル開度TVOを等しくする(ステップ15〜ステップ18に相当)。
【0107】
また、図9のタイムチャートに示すように、低μ→高μ変化時など駆動輪スリップが小さい状態が続く場合は、まず駆動輪速度サーボ演算を終了し、スロットルをゆっくりとアクセル開度まで開く(ステップ30〜ステップ32に相当)ことで加速不足を防止することができる。また、スロットル開度とアクセル開度が等しくなった時点でトラクション制御手段を終了する(ステップ35〜ステップ36に相当)ことで、急激なスロットル変化を防止することが可能となり、急激なスロットル変化を防止すると共に、ドライバの感覚にあった制御を実現することができる。
【0108】
(他の実施の形態)
以上、実施の形態1について説明してきたが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本願発明に含まれる。
【0109】
例えば、図5に示すように、本実施の形態では車両用自動車速制御装置等の車速サーボ系で採用している、ロバストモデルマッチング制御を駆動輪速度サーボ系に用いているが、PI制御等を用いてサーボ系を構成した場合でも同様の効果が得られる。この場合は、ロバスト補償器の制御定数の代わりにPI制御ゲイン等を変更することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の車両運動制御装置を示す全体構成図である。
【図2】実施の形態1におけるトラクションコントローラの処理内容を表すフローチャートである。
【図3】実施の形態1における目標駆動輪速度を算出する算出処理を表すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における所定量αを算出する算出処理を表すフローチャートである。
【図5】実施の形態1における駆動輪速度サーボ系の構成を表す構成図である。
【図6】実施の形態1における駆動輪スリップが収まった後に駆動輪速度サーボ演算を開始する場合のタイムチャートである。
【図7】実施の形態1におけるトラクション制御作動と同時に駆動輪速度サーボ演算を開始する場合のタイムチャートである。
【図8】実施の形態1における駆動輪速度サーボ演算及びトラクション制御終了タイミングを示すタイムチャートである。
【図9】実施の形態1における駆動輪速度サーボ演算及びトラクション制御終了タイミングを示すタイムチャートである。
【図10】実施の形態1におけるトラクション制御,駆動輪速度サーボ演算,駆動輪速度,目標駆動輪速度,非駆動輪速度,アクセル開度及びスロットル開度のタイムチャートである。
【図11】実施の形態1におけるトラクション制御開始直後のスロットル開度指令値算出方法を示す図である。
【符号の説明】
1 車輪速センサ
2 電子スロットルアクチュエータ
3 アクセル開度センサ
4 スロットル開度センサ
5 ブレーキブースタ
6 ブレーキ圧センサ
7 アクチュエータ
8 コントローラ
9 トラクションコントローラ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle motion control device that ensures traveling stability of a vehicle by motion control in the vehicle longitudinal direction.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a traction control device that controls the longitudinal movement of a vehicle, throttle control that closes the throttle to reduce engine torque (drive torque) and brake control that brakes the drive wheels to suppress slip are generally known. It has been. As a traction control device combining these throttle control and brake control, for example, a technique described in Japanese Patent Laid-Open No. 6-80049 is known.
[0003]
In this publication, the slip tendency of the drive wheel is determined based at least on the comparison result between the determination reference value determined by adding the slip ratio to the vehicle body speed and the drive wheel speed, and the drive wheel speed becomes equal to or higher than the determination reference value. When the condition continues, the engine output is reduced to the target value, the brake device is operated according to the degree of slip tendency, and after the drive wheel speed becomes less than the criterion value, the drive wheel When the speed is less than the criterion value, the engine output is increased according to the degree of slip tendency and the brake device is deactivated. When the driving wheel speed exceeds the criterion value, the engine output is maintained and the brake device is It is described that it is operated according to the degree of slip tendency.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional traction control device, when the driving wheel speed exceeds a reference speed set in advance considering the slip ratio, control for suppressing the engine output and control for operating the brake device are performed. Since the control is to increase the engine output so that the speed is less than the reference speed and to control the brake device to be inactive, the drive wheel speed is set based on the slip ratio during traction control. The speed will be repeatedly increased or decreased, but depending on the road surface μ, etc., the driving wheel will increase greatly, leading to fluctuations in the front-rear G, etc. was there.
[0005]
In addition, when the driving wheel speed exceeds the reference speed set in consideration of the slip ratio, control to suppress the engine output and control to operate the brake device are performed, and when the driving wheel speed becomes less than the reference speed, the engine output is increased. Therefore, if the reference speed is set so that the slip ratio is small in order to suppress fluctuations in the drive wheels, the acceleration performance deteriorates. there were.
[0006]
In view of this, the present applicant previously proposed an apparatus equipped with a drive wheel speed servo calculation means for calculating a drive wheel torque command value by servo calculation that eliminates the deviation between the target drive wheel speed calculation value and the drive wheel speed detection value. did.
[0007]
Unlike the conventional traction control based on the slip ratio, this vehicle motion control device is characterized in that a sufficient driving force can be obtained while suppressing fluctuations in the driving wheel by using the driving wheel speed servo system. ing.
[0008]
However, the previously proposed vehicle motion control device uses the driving wheel speed output of the vehicle model configured based on the vehicle data measured in advance as the target driving wheel speed when the traction control is not operated, and when the traction control is operated, Since the target drive wheel speed is calculated in accordance with the non-drive wheel speed, the drive wheel state, etc., the vehicle model for each vehicle to be controlled in advance for the drive wheel speed servo calculation when the traction control is not operated. It is necessary to prepare.
[0009]
The present invention has been made paying attention to the above-mentioned problems, and the object of the present invention is to provide a simple control system that does not require the preparation of a vehicle model for each vehicle, An object of the present invention is to provide a vehicle motion control device capable of achieving both a smooth acceleration feeling in which the longitudinal G is suppressed even when there is a change, and a good acceleration performance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, at least one of throttle control and brake control is used.Based on drive wheel slip rateIn a vehicle motion control device provided with traction control means for controlling drive wheel torque,
Traction control operation state determining means for determining whether the traction control is operating or when the traction control is not operating;
Traveling state detecting means for detecting the traveling state of the vehicle;
Target drive wheel speed calculating means for calculating the target drive wheel speed based on the running state detection value;
Driving wheel speed detecting means for detecting the driving wheel speed of the vehicle;
Drive wheel torque by servo calculation that eliminates the deviation between the target drive wheel speed calculation value and the drive wheel speed detection value only when traction control is activatedControlDriving wheel speed servo calculation means,
The drive wheel speed servo calculation means does not control the drive wheel torque by the drive wheel speed servo calculation immediately after the traction control operation, and generates the drive wheel torque based on the slip ratio of the drive wheel after the drive wheel slip occurs. Wait for convergence of drive wheel slip by traction control to be controlled, and then control drive wheel torque by drive wheel speed servo calculationIt is characterized by that.
[0012]
Claim 2In the described invention,Claim 1In the described vehicle motion control device,
From the time immediately after the traction control operation until the drive wheel speed servo calculation is performed,Based on the throttle command value based on the drive wheel slip amount, the throttle command value based on the drive wheel acceleration, the throttle command value based on the non-drive wheel acceleration, the throttle command value based on the vehicle speed, and the elapsed time from the start of the traction control operation The throttle command value is determined by select low with the throttle command value.Control by a throttle control means is performed.
[0014]
Claim 3In the described invention,
If the accelerator opening by the driver's operation and the throttle opening by the actuator operation are equal during the traction control and driving wheel speed servo calculation, the traction control operation is terminated at the same time when both opening positions are equal, and the drive A first control ending means for ending the wheel speed servo calculation is provided.
[0015]
Claim 4In the described invention, claims 1 toIn any one of Claim 3In the described vehicle motion control device,
During driving wheel speed servo calculation during traction control, if the deviation between the driving wheel speed and the non-driving wheel speed remains within the set value for a set time, the drive wheel speed servo calculation is terminated when the set time elapses, Thereafter, the throttle valve is slowly opened to the accelerator opening, and second control ending means for ending the traction control when the throttle opening becomes equal to the accelerator opening is provided.
[0016]
Operation and effect of the invention
In the first aspect of the present invention, first, the traction control operation state determination means determines whether the traction control is operating or when the traction control is not operating. Then, the traveling state of the vehicle is detected by the traveling state detection means, the target driving wheel speed calculation means calculates the target driving wheel speed based on the traveling state detection value, and the driving wheel speed detection means detects the driving wheel of the vehicle. Only when the speed is detected and it is determined that the traction control is in operation, the driving wheel torque is calculated by the servo calculation that eliminates the deviation between the target driving wheel speed calculation value and the driving wheel speed detection value in the driving wheel speed servo calculation means. The command value is calculated, and the drive wheel torque is controlled by at least one of throttle control and brake control in the traction control means based on the output of the drive wheel torque command value.
In other words, in the prior art, since the traction control was performed based on the slip ratio, there was a problem that the fluctuation of the drive wheel speed became large, and the acceleration was achieved when a low slip ratio was set to suppress the fluctuation of the drive wheel. There was a problem that the sex deteriorated.
On the other hand, in the invention described in
Furthermore, since it is not necessary to prepare a vehicle model for driving wheel speed servo calculation at the time of traction control operation, it is possible to save the effort of creating a vehicle model, and when configuring a system using an in-vehicle microcomputer, the program amount Therefore, it is possible to perform control calculation with a cheaper microcomputer from the viewpoint of memory and calculation speed.
Therefore, while providing a simple control system that does not require the preparation of a vehicle model for each vehicle, the smooth acceleration feeling in which the front-rear G is suppressed even when there is a change in the road surface μ, etc., and good acceleration performance Coexistence can be achieved.
In addition, in the driving wheel speed servo calculation means, the driving wheel torque is not controlled by the driving wheel speed servo calculation immediately after the traction control operation, and the driving torque is controlled based on the driving slip after the driving wheel slip occurs. After waiting for the convergence of the drive wheel slip by the control, the drive wheel torque is controlled by the drive wheel speed servo calculation.
That is, if the drive wheel torque is controlled by the drive wheel speed servo calculation immediately after the traction control operation, the servo works to suppress the slip, resulting in a longer time for closing the throttle, and the acceleration timing after the slip recovery is increased. Slow (see FIG. 7).
On the other hand, it is possible to prevent the acceleration timing from being delayed by controlling the drive wheel torque by the drive wheel speed servo calculation after the drive wheel slip is settled (see FIG. 6).
[0018]
Claim 2In the described invention, from immediately after the traction control operation until the drive wheel speed servo calculation is performed,Based on the throttle command value based on the drive wheel slip amount, the throttle command value based on the drive wheel acceleration, the throttle command value based on the non-drive wheel acceleration, the throttle command value based on the vehicle speed, and the elapsed time from the start of the traction control operation The throttle command value is determined by select low with the throttle command value.Control by the throttle control means is performed.
Therefore,The larger the value of each of the driving wheel slip amount, driving wheel acceleration, and non-driving wheel acceleration, the smaller the throttle command value, the higher the vehicle speed, the larger the throttle command value, and the elapsed time from the start of traction control operation. By making the throttle command value smaller as it is longer, it is possible to achieve both prevention of acceleration deterioration due to excessive closing of the throttle valve and prevention of stability deterioration due to excessive slip (see FIG. 10)..
[0020]
Claim 3In the described invention, when the accelerator opening degree by the driver operation and the throttle opening degree by the actuator operation become equal during the traction control and the driving wheel speed servo calculation, the first control end means When the two become equal, the traction control operation is terminated and simultaneously the driving wheel speed servo calculation is terminated.
In other words, when the driver returns the accelerator or when the throttle valve opens to the accelerator opening, that is, when the traction control is not necessary, when the accelerator opening equals the throttle opening. Both the traction control means and the driving wheel speed servo calculation are terminated (see FIGS. 8 and 11).
Therefore, there is no fluctuation of the driving force at the end of the traction control, and it is possible to shift from the travel by the traction control to the normal travel by the driver's accelerator operation without a sense of incompatibility.
[0021]
Claim 4In the described invention, if the deviation between the drive wheel speed and the non-drive wheel speed is within the set value during the traction control and the drive wheel speed servo calculation, the second control end means When the set time elapses, the driving wheel speed servo calculation is terminated. Thereafter, the throttle valve is slowly opened to the accelerator opening, and the traction control is terminated when the throttle opening becomes equal to the accelerator opening.
In other words, if the drive wheel slip remains small, such as when changing from low μ to high μ, first stop the drive wheel speed servo calculation, and slowly open the throttle valve to the accelerator opening to prevent insufficient acceleration. Can do.
In addition, by terminating the traction control means when the throttle opening and the accelerator opening are equal, it becomes possible to prevent a sudden change in the throttle, preventing a sudden change in the throttle and a driver's feeling. Control can be realized (see FIG. 9).
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a configuration diagram illustrating a vehicle motion control apparatus according to the first embodiment.
[0023]
[0024]
Next, the operation will be described.
[0025]
[Traction control processing]
FIG. 2 is a flowchart showing the arithmetic processing of the
[0026]
In
[0027]
In
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In
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In
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In
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In
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In
[0052]
Here, the robust model matching control system shown in FIG. 5 will be described.
The robust model matching control system includes a robust compensator and a model matching compensator. The robust compensator is a so-called disturbance compensator, and it is possible to configure a control system that matches the actual characteristics with the linear model by estimating and correcting disturbances such as modeling errors and running resistance of the controlled object. The robust compensator is provided with a robust filter that determines the disturbance elimination performance of the robust compensator, and is composed of, for example, a low-pass filter having a steady gain of 1 and a time constant Tc. At this time, disturbance rejection performance improves if the cutoff frequency is increased, but there is a trade-off problem that the closed loop system including the robust compensator becomes unstable, and the cutoff frequency is considered in consideration of the performance of the entire system. To decide.
[0053]
The model matching compensator is a compensator for matching the response characteristics of the vehicle speed servo system to the reference model, and the input / output response characteristics are determined by the reference model of the feedforward section, and the disturbance rejection performance and stability are determined by the reference model of the feedback section. Determine sex. By designing the vehicle speed servo system using the robust model matching control method in this way, the response that follows the characteristics of the reference model against modeling errors, parameter fluctuations, disturbances, etc., and the internal variables do not diverge quickly. The convergence stability can be ensured.
[0054]
In
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In
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In
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In
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In
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In
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In step 37, based on the throttle opening command value TVO_com and the brake pressure command value BRK_com, a throttle servo system calculation and a brake pressure servo system calculation are performed. In the throttle servo system calculation, a drive signal to the
[0065]
[Target drive wheel speed calculation]
FIG. 3 shows a flowchart for calculating the target drive wheel speed Vw_dcom.
[0066]
In
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In
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In
That is, the target driving wheel speed Vw_dcom when the driving wheel speed Vw_d is larger than the target driving wheel speed Vw_dcom is calculated by the operations of
[0076]
In
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In
[0078]
In
In other words, the target drive wheel speed Vw_dcom is fixed even when the drive wheel speed slips and recovers to the non-drive wheel speed Vw_f before the deviation between the non-drive wheel speed Vw_f and the target drive wheel speed Vw_dcom falls within the predetermined value. By canceling and accelerating the target drive wheel speed Vw_dcom, it is possible to prevent a delay in the acceleration timing.
[0079]
In
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In
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In
That is, the target driving wheel speed Vw_dcom when the driving wheel speed Vw_d is smaller than the target driving wheel speed Vw_dcom is calculated by the operations of
[Calculation of α]
FIG. 4 is a flowchart showing the α calculation process.
[0084]
In
[0085]
In
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In
[0087]
In
[0088]
In
[0089]
In step 1506, the correction amount β is subtracted from α, and the process proceeds to step 1507.
[0090]
In
That is, when α is large, the driving wheel speed Vw_d fluctuates in a vibrational manner. Therefore, in the operations of
[0091]
In
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In
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In
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In
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In
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In
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In
[0101]
In
[0102]
In
[0103]
In
[0104]
As described above, in the vehicle motion control apparatus according to the first embodiment, as shown in the time chart of FIG. 11, since the driving wheel speed servo calculation is performed only when the traction control is activated, the traction control is not activated. There is no need to prepare a vehicle model for driving wheel speed servo calculation. Therefore, the cost of creating a vehicle model can be reduced. Further, when a system is configured using an in-vehicle microcomputer, the amount of program is reduced, so that control calculation can be performed with a cheaper microcomputer from the viewpoint of memory and calculation speed.
[0105]
In addition, as shown in FIG. 7, when the driving wheel speed servo calculation is performed immediately after the traction control operation, the servo works to suppress the slip, resulting in a longer time for closing the throttle, and the acceleration timing after slip recovery. Becomes slower. However, as shown in FIG. 6, the acceleration timing can be prevented from being delayed by performing the drive wheel speed servo calculation after the drive wheel slip is settled in
[0106]
Further, as shown in the time chart of FIG. 8, when the driver returns the accelerator or when the throttle opens to the accelerator opening, the traction control and the driving wheel speed servo calculation are finished, and the accelerator opening APO And the throttle opening TVO are made equal (corresponding to step 15 to step 18).
[0107]
Also, as shown in the time chart of FIG. 9, when the driving wheel slip continues to be small, such as when changing from low μ to high μ, the driving wheel speed servo calculation is first terminated and the throttle is slowly opened to the accelerator opening. (Corresponding to step 30 to step 32), it is possible to prevent insufficient acceleration. Further, when the throttle opening becomes equal to the accelerator opening, the traction control means is terminated (corresponding to
[0108]
(Other embodiments)
As described above, the first embodiment has been described, but any design change or the like within a range not departing from the gist of the present invention is included in the present invention.
[0109]
For example, as shown in FIG. 5, in this embodiment, robust model matching control, which is employed in a vehicle speed servo system such as a vehicle automobile speed control device, is used in a drive wheel speed servo system, but PI control or the like The same effect can be obtained even when the servo system is configured using the. In this case, the PI control gain or the like is changed instead of the control constant of the robust compensator.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall configuration diagram illustrating a vehicle motion control device according to an embodiment.
FIG. 2 is a flowchart showing the processing contents of a traction controller in the first embodiment.
FIG. 3 is a flowchart showing a calculation process for calculating a target drive wheel speed in the first embodiment.
FIG. 4 is a flowchart illustrating a calculation process for calculating a predetermined amount α in the first embodiment.
FIG. 5 is a configuration diagram showing a configuration of a driving wheel speed servo system in the first embodiment.
6 is a time chart when driving wheel speed servo calculation is started after driving wheel slip has settled in
FIG. 7 is a time chart when driving wheel speed servo calculation is started simultaneously with the traction control operation in the first embodiment.
FIG. 8 is a time chart showing driving wheel speed servo calculation and traction control end timing in the first embodiment.
FIG. 9 is a time chart showing driving wheel speed servo computation and traction control end timing in the first embodiment.
FIG. 10 is a time chart of traction control, drive wheel speed servo calculation, drive wheel speed, target drive wheel speed, non-drive wheel speed, accelerator opening, and throttle opening in the first embodiment.
FIG. 11 is a diagram showing a throttle opening command value calculation method immediately after the start of traction control in the first embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Wheel speed sensor
2 Electronic throttle actuator
3 Accelerator position sensor
4 Throttle opening sensor
5 Brake booster
6 Brake pressure sensor
7 Actuator
8 Controller
9 Traction controller
Claims (4)
トラクション制御作動時かトラクション制御非作動時かを判断するトラクション制御作動状態判断手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
走行状態検出値に基づいて目標駆動輪速度を算出する目標駆動輪速度算出手段と、
車両の駆動輪速度を検出する駆動輪速度検出手段と、
トラクション制御作動時にのみ目標駆動輪速度算出値と駆動輪速度検出値との偏差を無くすサーボ演算により駆動輪トルクを制御する駆動輪速度サーボ演算手段と、を設け、
前記駆動輪速度サーボ演算手段は、トラクション制御作動直後には駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行わず、駆動輪スリップの発生後、前記駆動輪のスリップ率を基に駆動輪トルクを制御するトラクション制御による駆動輪スリップの収束を待ってから駆動輪速度サーボ演算による駆動輪トルクの制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置。。In a vehicle motion control device including traction control means for controlling drive wheel torque based on a slip ratio of a drive wheel by at least one of throttle control and brake control,
Traction control operation state determining means for determining whether the traction control is operating or when the traction control is not operating;
Traveling state detecting means for detecting the traveling state of the vehicle;
Target drive wheel speed calculating means for calculating the target drive wheel speed based on the running state detection value;
Driving wheel speed detecting means for detecting the driving wheel speed of the vehicle;
Drive wheel speed servo calculation means for controlling the drive wheel torque by servo calculation that eliminates the deviation between the target drive wheel speed calculation value and the drive wheel speed detection value only at the time of traction control operation , and
The drive wheel speed servo calculation means does not control the drive wheel torque by the drive wheel speed servo calculation immediately after the traction control operation, and generates the drive wheel torque based on the slip ratio of the drive wheel after the drive wheel slip occurs. A vehicle motion control device that controls driving wheel torque by driving wheel speed servo calculation after waiting for convergence of driving wheel slip by traction control to be controlled. .
前記トラクション制御作動直後から駆動輪速度サーボ演算を行うまでの間は、駆動輪スリップ量に基づくスロットル指令値と、駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、非駆動輪加速度に基づくスロットル指令値と、車速に基づくスロットル指令値と、トラクション制御作動開始からの経過時間に基づくスロットル指令値とのセレクトローによりスロットル指令値を決めるスロットル制御手段による制御を行うことを特徴とする車両運動制御装置。The vehicle motion control device according to claim 1,
Between the time immediately after the traction control operation and the drive wheel speed servo calculation, the throttle command value based on the drive wheel slip amount, the throttle command value based on the drive wheel acceleration, the throttle command value based on the non-drive wheel acceleration, A vehicle motion control device that performs control by a throttle control means that determines a throttle command value by a select low of a throttle command value based on a vehicle speed and a throttle command value based on an elapsed time from the start of traction control operation .
トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、ドライバー操作によるアクセル開度とアクチュエータ作動によるスロットル開度が等しくなった場合は、両開度が等しくなった時点でトラクション制御作動を終了させると同時に駆動輪速度サーボ演算を終了させる第1制御終了手段を設けたことを特徴とする車両運動制御装置。The vehicle motion control device according to claim 1 or 2,
If the accelerator opening by the driver's operation and the throttle opening by the actuator operation are equal during the traction control and driving wheel speed servo calculation, the traction control operation is terminated at the same time when both opening positions are equal, and the drive A vehicle motion control device comprising first control ending means for ending wheel speed servo calculation.
トラクション制御中で駆動輪速度サーボ演算中において、駆動輪速度と非駆動輪速度の偏差が設定値以内の状態が設定時間続いた場合は、設定時間の経過時に駆動輪速度サーボ演算を終了させ、その後、スロットルバルブをゆっくりとアクセル開度まで開き、スロットル開度がアクセル開度と等しくなった時点でトラクション制御を終了させる第2制御終了手段を設けたことを特徴とする車両運動制御装置。The vehicle motion control device according to any one of claims 1 to 3,
During driving wheel speed servo calculation during traction control, if the deviation between the driving wheel speed and the non-driving wheel speed remains within the set value for a set time, the drive wheel speed servo calculation is terminated when the set time elapses, Thereafter, the vehicle motion control device is provided with second control end means for slowly opening the throttle valve to the accelerator opening, and ending the traction control when the throttle opening becomes equal to the accelerator opening.
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