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JP3637537B2 - 原稿読取装置及び画像形成機 - Google Patents

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JP3637537B2
JP3637537B2 JP2001263158A JP2001263158A JP3637537B2 JP 3637537 B2 JP3637537 B2 JP 3637537B2 JP 2001263158 A JP2001263158 A JP 2001263158A JP 2001263158 A JP2001263158 A JP 2001263158A JP 3637537 B2 JP3637537 B2 JP 3637537B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿読取装置、及び該原稿読取装置を備えた画像形成機、特にA0等の大サイズの原稿を複写することができる原稿読取装置、及び該原稿読取装置を備えた画像形成機であって、原稿搬送装置の原稿挿入口に原稿を手作業により挿入するため、原稿挿入口の上流側に設けられた原稿載置テーブル上に配置された原稿幅合わせ部材と、原稿幅合わせ部材を原稿搬送方向に対し直交する幅方向に移動可能に支持する支持手段とを備えた原稿読取装置、及び該原稿読取装置を備えた画像形成機(例えば静電複写機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
大サイズの原稿、例えばJISのA0サイズの原稿を複写することが可能な、原稿読取装置を備えた静電複写機における複写機本体の上端には、原稿搬送路が形成され、原稿搬送路には原稿搬送装置が設けられている。原稿搬送路の上流端部には、原稿搬送装置の上流端に設けられた原稿挿入部、すなわち原稿挿入口に原稿を手作業で挿入するための原稿載置テーブルが配設されている。原稿載置テーブルは、複写機本体から原稿搬送方向上流側に張り出す張出部を備えている。原稿載置テーブルの該張出部には、一対の原稿幅合わせ部材(カーソル)が、該張出部に沿って複写機本体の幅方向に相互に独立して移動しうるよう支持されている。複写機本体内の上端部であって、原稿搬送装置の直下方位置には密着型イメージセンサが配設され、密着型イメージセンサの下方には、感光体ドラムを含む画像形成部が配設されている。感光体ドラムの近傍には、密着型イメージセンサによって読み取られて出力される原稿の画像の電気信号を、光に変換して感光体ドラムの表面に照射して静電潜像化するためのLEDプリントヘッドが備えられている。原稿載置テーブル上に載置された原稿は、原稿幅合わせ部材によって幅合わせされてその先端が原稿挿入口に挿入され、原稿搬送装置によって原稿搬送路を搬送される。この間、原稿の画像は、密着型イメージセンサによって読み取られ(光電変換され)、LEDプリントヘッドにより光に変換されて感光体ドラムの表面に照射され、静電潜像化させられる。この静電潜像は、該画像形成部においてトナー像化された後、用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は定着された後、排出ローラによってポケットに排出される。上記した原稿載置テーブル、原稿搬送路、原稿挿入口を備えた原稿搬送装置、密着型イメージセンサ及びLEDプリントヘッドなどは、上記複写機に備えられた原稿読取装置を構成する。
【0003】
原稿載置テーブルの張出部は、原稿搬送路の上流端部を規定するテーブル上面部と、テーブル上面部の原稿搬送方向上流端において下方にかつ原稿搬送方向下流側に反転するテーブル反転部とを備えている。該張出部の内側における、テーブル反転部先端の原稿搬送方向下流側には、下方に開放された空間部が、複写機本体の幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成されている。原稿幅合わせ部材の各々は、金属製の薄板から一体に形成され、該張出部のテーブル上面部を覆うようテーブル上面部に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部と、幅合わせ本体部の原稿搬送方向上流端においてテーブル反転部を覆うようテーブル反転部に沿って延在する幅合わせ反転部と、幅合わせ反転部の先端から該下流方向に、テーブル上面部の下方に間隔をおいて延在する幅合わせ下部とを備えている。原稿幅合わせ部材の各々の幅合わせ本体部には、原稿の幅方向端に当接して原稿の幅あわせを行なうための直立壁が、原稿搬送方向に直線状に延在するよう形成されている。
【0004】
原稿載置テーブルの張出部のテーブル上面部の内側の空間部には、複写機本体の幅方向に延在するフレーム部材が配設されている。フレーム部材は実質的に矩形状をなす金属製の中空板部材から形成され、その底面には上方に向かって凹むようなチャンネル状の凹溝が形成されている。原稿幅合わせ部材の各々の幅合わせ本体部の、原稿搬送方向における下流方向先端部は、該下流方向に向かって下方に傾斜する傾斜部から構成され、該傾斜部の先端下面はテーブル上面部に当接されている。また、原稿幅合わせ部材の各々の幅合わせ下部における該下流方向先端部には、上方に向かって突出する湾曲凸部が形成されている。原稿幅合わせ部材の各々は、各々の幅合わせ下部の湾曲凸部が、フレーム部材の凹溝に、幅合わせ下部の弾性力を利用して圧接された状態で嵌合されることにより、原稿載置テーブルの張出部に沿って該幅方向に移動自在に支持される。
【0005】
原稿の幅合わせを行なう場合、使用者は、原稿幅合わせ部材を、原稿載置テーブルのテーブル上面部に記されている原稿サイズに対応するマーク位置まで、原稿載置テーブルの張出部に沿って該幅方向に移動させ、所定の幅方向位置に位置付ける。使用者は、所定の幅方向位置に位置付けられた一対の原稿幅合わせ部材に沿って原稿を原稿挿入口まで、原稿載置テーブルのテーブル上面部に沿って移動させ、必要に応じて微調整をしながら原稿の幅合わせを行なうことにより原稿をセットすることができる。なお、上記原稿幅合わせ部材及び原稿幅合わせ部材を原稿載置テーブルの張出部に沿って該幅方向に移動させるためのフレーム部材などは、複写機に備えられた原稿読取装置に含まれる原稿幅合わせ機構を構成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のように構成された原稿幅合わせ機構を含む原稿読取装置においては、原稿幅合わせ部材の各々が、幅合わせ下部を、原稿載置テーブルの張出部の内側に配設したフレーム部材に対し弾性的に係合させることによって、原稿載置テーブルの張出部に沿って該幅方向に移動できるよう支持されているので、原稿幅合わせ部材の各々を移動させるに際し、こじりが発生して円滑な移動を行なうことができず、その結果、原稿の幅合わせ作業を円滑かつ容易に遂行できないおそれがある。また、原稿幅合わせ部材の各々を原稿搬送方向に沿った所定の正確な位置に位置付けることができず、その結果、原稿が原稿搬送方向に対し斜めにセットされて原稿が斜めに搬送され(すなわち斜め給紙が発生し)、原稿の円滑な搬送が損なわれて原稿を損傷するおそれがある。また原稿を原稿挿入口に挿入して位置決めする手作業が困難となるおそれがある。更にはまた、セットされた原稿が原稿搬送装置によって搬送される過程で、所定の幅合わせ位置に位置付けられている原稿幅合わせ部材の各々にずれを生じて原稿が斜めに搬送され、原稿の円滑な搬送が損なわれて原稿を損傷するおそれがある。したがって上記原稿読取装置においては、所定のとおりの円滑かつ正確な画像の読取動作が損なわれて画像読取効率が低減されるおそれがある。また上記原稿読取装置を備えた複写機においては、所定のとおりの円滑かつ正確な画像の読取動作が損なわれて画像読取効率が低減されるおそれがあると共に、所定のとおりの円滑かつ正確な画像形成の遂行(複写動作の遂行)が損なわれて画像形成効率が低減されるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、原稿幅合わせ部材をこじりを発生させることなく円滑かつ容易に所定の幅合わせ位置に移動させることができ、その結果、原稿の幅合わせ作業の円滑かつ容易な遂行を可能にする、新規な原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、原稿幅合わせ部材を確実に所定の幅合わせ位置に位置付けることを可能にして、原稿の斜め給紙を確実に防止する、新規な原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、原稿幅合わせ部材を確実に所定の幅合わせ位置に位置付けることを可能にし、その結果、原稿の斜め給紙を確実に防止すると共に、原稿を原稿挿入口に挿入して位置決めする手作業を容易にする、新規な原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機を提供することである。
【0010】
本発明の更に他の目的は、原稿の搬送中に原稿幅合わせ部材にずれが生ずることを確実に防止して、原稿の斜め給紙を確実に防止する、新規な原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保される、新規な原稿読取装置を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されると共に、所定のとおりの円滑かつ正確な画像形成の遂行が保証され、高い画像形成効率が確保される、新規な原稿読取装置を備えた画像形成機を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、
原稿挿入口の上流側に設けられた原稿載置テーブルと、原稿載置テーブル上に配置された原稿幅合わせ部材と、原稿幅合わせ部材を原稿搬送方向に対し直交する幅方向に移動可能に支持する支持手段とを備えた原稿読取装置において、
支持手段は、該幅方向に延在するよう配設された支持軸手段と、支持軸手段に移動自在に支持された支持部材とを備え、原稿幅合わせ部材は支持部材に支持され、
支持軸手段は、原稿載置テーブルの内側において相互に原稿搬送方向に間隔をおいて該幅方向に平行に延在するよう配設された2個の静止支持軸から構成され、支持部材は静止支持軸の各々に移動自在に支持され、支持部材には、作動レバーが静止支持軸の各々と平行に配置された旋回軸まわりに旋回自在に支持され、作動レバーと支持部材との間には、作動レバーを一方向に旋回するよう強制して作動レバーの一端部の上面を該下流方向側に位置する片方の静止支持軸の下面に押圧して支持部材の、静止支持軸の各々に対する相対移動を阻止するばね手段が配設され、作動レバーの他端部をばね手段に抗して他方向に旋回させることにより、作動レバーの一端部の、片方の静止支持軸の下面に対する押圧が解除されて、支持部材の、静止支持軸の各々に対する相対移動が許容される、
ことを特徴とする原稿読取装置、が提供される。
作動レバーの一端部の上面は、該一端部に配設された摩擦部材の上面により構成されている、ことが好ましい。
原稿載置テーブルは、テーブル上面部と、テーブル上面部の原稿搬送方向上流端において下方にかつ原稿搬送方向下流側に反転するテーブル反転部とを備え、原稿載置テーブルの内側における、テーブル反転部先端の該下流側には、下方に開放された空間部が、該幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成され、原稿幅合わせ部材は、テーブル上面部を覆うようテーブル上面部に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部と、幅合わせ本体部の原稿搬送方向上流端においてテーブル反転部を覆うようテーブル反転部に沿って延在する幅合わせ反転部と、幅合わせ反転部の先端から該下流方向に、テーブル上面部の下方に間隔をおいて延在する幅合わせ下部とを備え、幅合わせ下部が、支持部材の下側に固着されることにより、原稿幅合わせ部材は支持部材に一体に支持され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ下部には貫通孔が形成され、原稿幅合わせ部材に支持された作動レバーは、旋回軸に支持された作動レバー本体部と、作動レバー本体部の、旋回軸よりも該上流方向側端から該貫通孔を通って下方に延びる作動レバー垂下部と、作動レバー垂下部の下端から該上流方向に幅合わせ下部の下方に間隔をおいて延在する作動レバー操作部とを備え、作動レバー操作部が上方に移動するよう作動レバーを旋回軸まわりに旋回させると、作動レバー操作部が幅合わせ下部の下面に当接して該移動が阻止され、かつ作動レバーの一端部の、片方の静止支持軸の下面に対する押圧が解除される、ことが好ましい。
本発明の他の局面によれば、
原稿挿入口の上流側に設けられた原稿載置テーブルと、原稿載置テーブル上に配置された原稿幅合わせ部材と、原稿幅合わせ部材を原稿搬送方向に対し直交する幅方向に移動可能に支持する支持手段とを備えた原稿読取装置において、
支持手段は、該幅方向に延在するよう配設された支持軸手段と、支持軸手段に移動自在に支持された支持部材とを備え、原稿幅合わせ部材は支持部材に支持され、
原稿載置テーブルは、テーブル上面部と、テーブル上面部の原稿搬送方向上流端において下方にかつ原稿搬送方向下流側に反転するテーブル反転部とを備え、原稿載置テーブルの内側における、テーブル反転部先端の該下流側には、下方に開放された空間部が、該幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成され、原稿幅合わせ部材は、テーブル上面部を覆うようテーブル上面部に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部と、幅合わせ本体部の原稿搬送方向上流端においてテーブル反転部を覆うようテーブル反転部に沿って延在する幅合わせ反転部と、幅合わせ反転部の先端から該下流方向に、テーブル上面部の下方に間隔をおいて延在する幅合わせ下部とを備え、幅合わせ下部が、支持部材の 下側に固着されることにより、原稿幅合わせ部材は支持部材に一体に支持され、
支持軸手段は、原稿載置テーブルの内側において該幅方向に延在するよう配設された1個の静止支持軸から構成され、支持部材は静止支持軸に移動自在に支持され、原稿載置テーブルの内側の該空間部であって、静止支持軸に対し、該下流方向に間隔をおいた位置には該幅方向に延在するフレーム部材が配設され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ本体部の該下流方向先端部は、該下流方向に向かって下方に傾斜する傾斜部から構成され、該傾斜部の先端下面はテーブル上面部に当接され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ下部における該下流方向先端部の上面は、フレーム部材の下面に当接又は近接して位置付けられている、
ことを特徴とする原稿読取装置、が提供される。
【0015】
本発明の更に他の局面によれば、請求項1〜のいずれか1項に記載の原稿読取装置を備え、該原稿読取装置に含まれる原稿幅合わせ部材を原稿載置テーブルに沿って該幅方向に移動させることにより原稿の幅合わせを行なう、ことを特徴とする画像形成機、が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された原稿幅合わせ機構を有する原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機である複写機の好適な実施の形態を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0017】
図1を参照して、先ず、全体を番号100で示す静電複写機は、ほぼ直方体をなす複写機本体102を備えている。複写機本体102の上端面には原稿搬送路133が形成され、原稿搬送路133には原稿搬送装置103が備えられている。原稿搬送路133の上流端部(図1において右方端部)には、後述する原稿載置テーブル10が、この実施形態においては、複写機本体102から張り出している。原稿搬送装置103の上流端部には原稿挿入口105が原稿搬送路133と協働して形成されている。原稿搬送装置103には、原稿搬送路133の上流から下流に向かって、搬入ローラ対103A、原稿押さえローラ103B及び排出ローラ対103Cが、この順に配設されている。複写機本体102内の上端部であって、原稿押さえローラ103Bの直下方位置には、撮像デバイス、実施形態においては密着型イメージセンサ104が配設されている。密着型イメージセンサ104の下方には、画像形成部106が配設されている。画像形成部106は、感光体ドラム108を備えている。感光体ドラム108は、図示しない駆動手段によって図1において反時計方向に回転駆動される。感光体ドラム108の周囲には、感光体ドラム108の表面を一様に帯電させるメインチャージャ110、密着型イメージセンサ104によって読み取られて出力される(光電変換されて出力される)原稿の画像の電気信号を、光に変換して感光体ドラム108の表面に照射して静電潜像化するためのデバイス、実施形態においてはLEDプリントヘッド112、感光体ドラム108の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するための現像装置114、感光体ドラム108の表面に形成されたトナー像を普通紙等の用紙に転写するための転写装置116、感光体ドラム108の表面に残留するトナーを払拭して回収するためのクリーニング装置118などが配設されている。感光体ドラム108及び感光体ドラム108の周囲に配設された上記各装置類(メインチャージャ110、LEDプリントヘッド112及び現像装置114など)は、画像形成部106を構成する。後述する原稿載置テーブル10、原稿搬送路133、原稿搬送装置103及び密着型イメージセンサ104などは、複写機100に備えられた原稿読取装置を構成する。
【0018】
複写機本体102内の下方位置には、給紙ローラ等を含む用紙収容部120、用紙収容部120に収容された用紙を画像形成部106の転写域に搬送するための用紙搬送路122が配設されている。用紙搬送路122には、給紙ローラに巻き掛けられた用紙を用紙搬送路122を通して搬送するための用紙搬送ローラ、該用紙を適宜の長さに切断するためのカッタ等が備えられている。転写装置116の下流側には、転写装置116によってトナー像が転写された用紙を搬送するための用紙搬送路124が備えられ、用紙搬送路124の下流位置には定着装置126、排出ローラ128が備えられている。複写機本体102の前面102a(図1において右端面)には、前カバー130が配設されている。前カバー130と複写機本体102の前面102aとの間には、排出ローラ128によって排出された用紙を収容するためのポケット132が形成されている。
【0019】
原稿挿入口105から原稿搬送装置103内に挿入された原稿は、搬入ローラ対103A、原稿押さえローラ103B及び排出ローラ対103Cにより下流方向に搬送される。原稿搬送路133を搬送される原稿の画像は、密着型イメージセンサ104によって読み取られる。密着型イメージセンサ104によって読み取られた画像は、画像形成部106においてトナー像化された後、用紙収容部120から搬送された用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は定着装置126において定着され、排出ローラ128によってポケット132に排出される。なお、用紙収容部120から搬送される用紙はカッタにより適宜のタイミングで所定の長さに切断される。概ね以上のとおりにして原稿読取装置を備えた複写機100による原稿の画像読取及び複写動作が遂行され、原稿の画像が記録された複写物が生成される。
【0020】
次に上記複写機100に備えられた原稿読取装置に含まれる原稿幅合わせ機構について説明する。図2〜図5を参照して、上記複写機本体102の上端に形成された原稿搬送路133の上流端部に配設されている原稿載置テーブル10は、複写機本体102から原稿搬送方向上流側に張り出す張出部11を備えている。原稿幅合わせ機構は、原稿載置テーブル10の張出部11に配置された一対の原稿幅合わせ部材20(図2〜図5においては片方の原稿幅合わせ部材20のみが示されている)と、一対の原稿幅合わせ部材20を張出部11に沿って複写機本体102の幅方向(図1においては表裏方向、図5においては左右方向)に相互に独立して移動自在に支持する支持手段とを備えている。支持手段は、張出部11の内側において上記幅方向に水平に延在するよう配設された、支持軸手段を構成する2個の静止支持軸30及び32と、静止支持軸30及び32に相互に独立して移動自在に支持された一対の支持部材40(図2〜図5においては片方の支持部材40のみが示されている)とを備えている。一対の原稿幅合わせ部材20は、対応する支持部材40に支持されている。
【0021】
原稿載置テーブル10の張出部11は、原稿搬送路133の上流端部を規定するテーブル上面部12と、テーブル上面部12の原稿搬送方向上流端(図2において右端)において下方にかつ原稿搬送方向下流側(図2において左側)に反転するテーブル反転部13とを備えている。テーブル上面部12及びテーブル反転部13は、金属製の薄板部材から一体に形成されている。テーブル上面部12の上面は平坦な水平面上に位置付けられ、テーブル反転部13はほぼ円弧形状をなすよう形成されている。テーブル反転部13の先端の上記下流側には、下方に開放された空間部Sが形成されている。この空間部Sは、張出部11における、上記幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成されている。張出部11のテーブル上面部12の内側の空間部Sには、複写機本体102の幅方向に延在する横フレーム部材14が配設されている。横フレーム部材14は実質的に矩形状をなす金属製の中空板部材から形成されている。原稿載置テーブル10の張出部11のテーブル上面部12は、横フレーム部材14の上面側に取り付けられている。横フレーム部材14の下面であって、上記上流側の端部には、補助フレーム部材14aが取り付けられている。補助フレーム部材14aは、金属製の薄板部材から形成され、上記下流方向に開放されたチャンネル形状をなしている。
【0022】
原稿幅合わせ部材20の各々は、相互に上記幅方向に勝手違いの構成をなすよう形成されているが、相互に実質的に同じ構成を有しているので、片方の原稿幅合わせ部材20(図1に示す複写機100を図1において右方から見て右側に配置された原稿幅合わせ部材20)の構成について説明する。原稿幅合わせ部材20は、原稿載置テーブル10の張出部11のテーブル上面部12を覆うようテーブル上面部12に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部21と、幅合わせ本体部21の上記上流端においてテーブル反転部13を覆うようテーブル反転部13に沿って延在する幅合わせ反転部22と、幅合わせ反転部22の先端から上記下流方向に、テーブル上面部12の下方に間隔をおいて実質的に平行に延在する幅合わせ下部23とを備えている。幅合わせ本体部21、幅合わせ反転部22及び幅合わせ下部23は、金属製の薄板部材から一体に形成されている。図4に示されているように、幅合わせ本体部21の大部分の領域は平坦に形成されているが、上記下流方向先端部は、該下流方向に向かって下方に傾斜する傾斜部21aから構成され、幅合わせ本体部21の平坦な領域の一側縁には、原稿の幅方向端に当接して原稿の幅合わせを行なうための直立壁21bが、原稿搬送方向と一致する幅合わせ本体部21の長手方向に直線状に延在するよう形成されている。幅合わせ反転部22はほぼ円弧形状をなすよう形成されている。幅合わせ下部23は幅合わせ本体部21よりも短く形成され、幅合わせ下部23の大部分の領域も平坦に形成されているが、その上記下流方向先端部は、該下流方向に向かって下方に傾斜する傾斜部23aから構成されている。幅合わせ下部23の中央部には貫通孔23bが形成され、幅合わせ下部23の両側部には、上記下流方向に間隔をおいて複数の(実施形態においては3個の)取付孔23cが形成されている。取付孔23cは、原稿幅合わせ部材20を、後述する支持部材40に取り付けるために形成されている。
【0023】
張出部11の内側における上記幅方向の両端部には一対の支持ブラケット15が配設され、静止支持軸30及び32は、金属製の丸棒部材から構成され、原稿搬送方向に間隔をおいて上記幅方向に水平に延在するよう支持ブラケット15の各々に支持されている。一対の支持部材40は相互に実質的に同じ構成を有しているので、以下、片方の支持部材40について説明する。支持部材40は、矩形状の天壁41と、天壁41の両側縁から直角に垂下する一対の支持壁42と、支持壁42の下端から相互に反対方向に直角に延び出す取付フランジ43とを備え、金属製の薄板部材から一体に形成されている。支持部材40は全体としてほぼチャンネル形状をなしている。天壁41の両端部には、後述するばね手段を構成する引張コイルばね65を係止するための係止孔41aが形成されている。引張コイルばね65は支持部材40について1個使用されるので、本来は1個形成しておけばよいが、方向違いの誤組付を防止するために2個形成されている。横長の矩形状をなす支持壁42の各々には一対の貫通孔42aが長手方向に間隔をおいて形成されている。片方の支持壁42の貫通孔42aの各々は、他方の支持壁42の、対応する貫通孔42aと共通の軸線状に位置付けられている。支持壁42の各々において、貫通孔42aの各々間の中央部には後述する作動レバー60の旋回軸61を装着するための取付孔42bが形成されている。取付孔42bの各々は相互に共通の軸線上に位置付けられている。取付フランジ43には、原稿幅合わせ部材20を取り付けるための複数の(実施形態においては3個の)取付孔43aが形成されている。
【0024】
貫通孔42aの各々には、軸受手段を構成する軸受部材50が嵌合・装着されている。軸受部材50は相互に実質的に同じ構成を有している。例えば、ポリアセタール等の適宜の合成樹脂から形成することができる軸受部材50は、図6に示されているように、実質的にリング状をなすよう形成されると共に、円形の内周面51と、実質的に環状の溝52が形成されかつ実質的に円形をなす外周面とを備えている。軸受部材50の周方向の一部には、周方向の両端が周方向に隙間をおいて相互に対向するような切欠き53が形成されている。このように構成された軸受部材50の各々は、支持部材40の支持壁42に形成された貫通孔42aに溝52を介して嵌合・係止される。上記切欠き53の存在に起因して該嵌合作業は容易であり、また装着後の離脱も防止される。支持部材40は、軸受部材50の内周面51が静止支持軸30及び32に嵌合されることにより、静止支持軸30及び32にスライド移動自在に支持される。
【0025】
図2〜図5を参照して、上記原稿幅合わせ部材20は、その幅合わせ下部23が支持部材40の取付フランジ43に、相互の取付孔23c及び43aが整合され、図示しないビスにより締結されることにより、支持部材40の下面に固着される。これにより、原稿幅合わせ部材20は支持部材40に支持される。以上のようにして原稿幅合わせ部材20が支持部材40に装着された状態で、先に述べたように、幅合わせ本体部21は、原稿載置テーブル10の張出部11のテーブル上面部12を覆うようテーブル上面部12に沿って原稿搬送方向に延在するよう位置付けられ、幅合わせ反転部22は、テーブル反転部13を覆うようテーブル反転部13に沿って延在するよう位置付けられ、幅合わせ下部23は、幅合わせ反転部22の先端から上記下流方向に、テーブル上面部12の下方に間隔をおいて実質的に平行に延在するよう位置付けられる。幅合わせ本体部21の傾斜部21aの先端下面はテーブル上面部12の上面に当接するよう位置付けられるので、幅合わせ本体部21のその他の領域はテーブル上面部12の上方に隙間をおいて位置付けられる。また幅合わせ反転部22は、テーブル反転部13の外側に隙間をおいて位置付けられる。幅合わせ下部23の傾斜部23aの上面は上記補助フレーム部材14aの角部下面に当接される。以上の構成により、原稿幅合わせ部材20は、原稿載置テーブル10の張出部11に安定して支持されると共に、張出部11に沿って上記幅方向に円滑かつ安定してスライド移動することができる。
【0026】
上記したように、支持部材40は、軸受部材50の内周面51が静止支持軸30及び32に嵌合されることにより、静止支持軸30及び32にスライド移動自在に支持され、このような支持部材40に原稿幅合わせ部材20が支持されることに起因して、原稿幅合わせ部材20の上記幅方向への移動に際して、こじれが発生するおそれは全くなく、円滑かつ容易な移動が可能になる。その結果、原稿の幅合わせ作業を十分円滑にかつ容易に遂行することが可能になる。また原稿幅合わせ部材20を原稿搬送方向に沿った所定の正確な幅合わせ位置に位置付けることが容易に可能になる。その結果、原稿が原稿搬送方向に対し斜めにセットされて原稿が斜めに搬送されることが防止され(斜行の発生が防止され)、原稿の円滑な搬送が保証される。また原稿を原稿載置テーブル10上において原稿挿入口105に挿入する手作業が容易となる。更にはまた、セットされた原稿が原稿搬送装置103によって搬送される過程で、所定の幅合わせ位置に位置付けられている原稿幅合わせ部材20の各々にずれを生ずることもなく、したがって原稿が斜めに搬送されることも解消されるので、原稿の円滑な搬送が保証される。
【0027】
上記のような原稿幅合わせ機構を有する原稿読取装置を備えた複写機100においては、上記した原稿幅合わせ機構による作用効果に起因して、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されると共に、所定のとおりの円滑かつ正確な画像形成の遂行が保証され、高い画像形成効率が確保される。なお、上記原稿読取装置は、実施形態における如く、画像形成機である複写機100に組み込まれて使用されているが、それ自体独立した装置(いわゆるイメージスキャナ)として使用される場合ももちろん周知である。その場合、上記のような作用効果を有する原稿幅合わせ機構を備えることによって、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されることはいうまでもない。
【0028】
上記支持部材40には、作動レバー60が静止支持軸30及び32の各々と平行に配置された旋回軸61まわりに旋回自在に支持されている。作動レバー60は、作動レバー本体部を構成する作動レバー本体部材62と、作動レバー操作部を構成する作動レバー操作部材63とから構成されている。金属製の薄板部材から一体に形成されている作動レバー本体部材62は、平面から見てほぼ矩形状をなし、その両側縁には直立フランジ62aが形成され、直立フランジ62aの各々には、旋回軸61を取り付けるための取付孔62bが共通の軸線上に形成されている。作動レバー本体部材62の直立フランジ62aの各々間の平坦部には、作動レバー操作部材63を連結するための複数の(実施形態においては3個の)取付孔62cが一列に形成されている。作動レバー本体部材62の、直立フランジ62aの各々が形成された平坦な領域よりも一端側の平坦な領域における上面には、合成ゴム等の摩擦部材64が貼着されている。摩擦部材64は所定の厚さを有しかつ平面形状が矩形をなすよう形成されている。作動レバー本体部材62の一端部であって、摩擦部材64よりも一端側の位置には、後述するばね手段を構成する引張コイルばね65を係止するための係止孔62dが形成されている。作動レバー本体部材62の他端には下方に直角に延びる取付フランジ62eが形成されている。なお、作動レバー本体部材62の、直立フランジ62aの各々が形成された平坦な領域と、摩擦部材64が貼着された平坦な領域との間には直立段部62fが形成され、摩擦部材64が貼着された領域の方が高くなるよう形成されている。
【0029】
例えば、ABS等の適宜の合成樹脂から一体に形成することができる作動レバー操作部材63は、実質的に矩形状をなす把持部63aと、把持部63aの先端から情報に直角に延び出す直立部63bと、直立部63bの上端から、把持部63aと反対側に直角に延び出す取付部63cとを備えている。平坦な取付部63cには、1個の取付孔63dと、取付孔63dの両側から上方に延び出す2個の係止ピン部63eとが一列に形成されている。このように構成された作動レバー操作部材63は、取付部63cの上面が、作動レバー本体部材62の、直立フランジ62aの各々が形成された平坦な領域の下面に重合させられ(係止ピン部63eは、作動レバー本体部材62の、対応する取付孔62cに嵌合させられ)、直立部63bの、把持部63a側の外面が、作動レバー本体部材62の取付フランジ62eの内側面に重合させられて、図示しないビス等の締結手段により相互に一体に連結される。相互に重合された直立部63bと取付フランジ62eとは、作動レバー60の作動レバー垂下部を構成する。
【0030】
以上のように構成された作動レバー60は、直立フランジ62aの取付孔62bが、支持部材40の、対応する支持壁42の取付孔42bに整合された状態で、支持壁42間に旋回軸61を介して旋回自在に支持される。相互に重合された直立部63bと取付フランジ62eとにより構成される、作動レバー60の作動レバー垂下部は、旋回軸61よりも該上流方向側端から、原稿幅合わせ部材20の幅合わせ下部23に形成された貫通孔23bを通って下方に延びるよう位置付けられる。作動レバー操作部63の把持部63aは、作動レバー垂下部の下端から該上流方向に幅合わせ下部23の下方に間隔をおいて該上流方向に延在するよう位置付けられる。作動レバー60と、支持部材40との間には、作動レバー60を一方向に(図2において時計方向に)旋回するよう強制するばね手段である引張コイルばね65が配設される。引張コイルばね65の一端部は支持部材40の天壁41に形成された係止孔41aに係止され、引張コイルばね65の一端部は作動レバー60の一端部に形成された係止孔41aに62dに係止される。その結果、作動レバー60の一端部の上面、実施形態においては摩擦部材64の上面は、該下流方向側に位置する片方の静止支持軸30の下面に押圧されて支持部材40の、静止支持軸30及び32に対する相対移動が阻止される。
【0031】
原稿幅合わせ部材20の各々は、上記したように、原稿載置テーブル10の張出部11の内側に配設された静止支持軸30及び32に支持部材40を介して相互に独立して移動しうるよう支持され、しかも作動レバー60により所定の幅合わせ位置を含む任意の上記幅方向位置に、解除自在に保持される。
【0032】
原稿の幅合わせを行なう場合、使用者は、一対の原稿幅合わせ部材20を、原稿載置テーブル10のテーブル上面部12に記されている原稿サイズに対応する図示しないマーク位置まで、原稿載置テーブル10の張出部11に沿って上記幅方向に移動させて、所定の幅方向位置に位置付ける。使用者は、所定の幅方向位置に位置付けられた一対の原稿幅合わせ部材20に沿って原稿を原稿搬送路133の原稿挿入口105まで、原稿載置テーブル10のテーブル上面部12に沿って移動させ、必要に応じて微調整をしながら原稿の幅合わせを行なうことにより原稿をセットすることができる。
【0033】
原稿幅合わせ部材20を移動させる場合、作動レバー60の他端部である把持部63aを引張コイルばね65のばね力に抗して他方向に(図2において反時計方向に)旋回軸61まわりに旋回させると、作動レバー60の一端部の、片方の静止支持軸30の下面に対する上記押圧が解除されるので、支持部材40の、静止支持軸30及び32に対する相対移動が許容される。更に具体的には、把持部63aが上方に移動するよう作動レバー60を旋回軸61まわりに図2において反時計方向に旋回させると、把持部63aが原稿幅合わせ部材20の幅合わせ下部23の下面に当接して該移動が阻止され、かつ作動レバー60の一端部の、片方の静止支持軸30の下面に対する押圧が解除される。使用者は、作動レバー60の把持部63aが原稿幅合わせ部材20の幅合わせ下部23の下面に当接するよう片手で原稿幅合わせ部材20の幅合わせ反転部22と作動レバー60の把持部63aを同時に把持することにより、作動レバー60と片方の静止支持軸30との間の圧接状態を解除すると共に、原稿幅合わせ部材20を張出部11に沿って複写機本体102の幅方向に移動させることができるので、原稿の幅合わせ作業を円滑かつ容易に遂行することができる。また上記把持を解除することにより、原稿幅合わせ部材20を所定の幅合わせ位置にしっかり位置付けかつ該位置にしっかりと保持できるので、原稿の斜行を確実に防止し、また原稿を原稿挿入口105に挿入する手作業が容易となる。また、原稿の搬送中に原稿幅合わせ部材20の各々にずれが生ずることを確実に防止することを可能にし、その結果、原稿の斜行を確実に防止できる。
【0034】
上記のような作動レバー60を含む原稿幅合わせ機構を有する原稿読取装置を備えた複写機100においては、上記した原稿幅合わせ機構による作用効果に起因して、先に述べた効果を更に向上させることが可能になる。また、上記原稿読取装置が、先に述べたようにそれ自体独立した装置として使用される場合、上記のような作用効果を有する原稿幅合わせ機構を備えることによって、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されることはいうまでもない。
【0035】
次に図7及び図8を参照して、原稿読取装置に適用される、本発明による原稿幅合わせ機構の他の実施形態について説明する。図7及び図8に示されている原稿幅合わせ機構においては、支持軸手段は1個の静止支持軸33から構成されている。静止支持軸33には、先の実施形態と実質的に同じチャンネル形状に形成された一対の支持部材40が、2個の軸受部材50を介して相互に独立して移動自在に支持されている。原稿幅合わせ部材20の各々は、幅合わせ下部23が、対応する支持部材40の下面に固着されることにより、対応する支持部材40に支持されている。図7及び図8には、片方の原稿幅合わせ部材20及び支持部材40のみが示されている。この実施形態においては、作動レバー60は使用されていない。その他の構成は、図2〜図6を参照して説明した先の実施形態におけると実質的に同じであり、したがって同一部分には同一符号を付し、説明は省略する。支持部材40は、軸方向に間隔をおいて配置された支持壁42に装着された軸受部材50の各々を介して静止支持軸33に移動自在に支持されているので、支持部材40の、静止支持軸33に直交する水平軸まわりの旋回は阻止される。また、原稿幅合わせ部材20の幅合わせ本体部21の傾斜部21aにおける先端下面は、テーブル上面部12に当接され、原稿幅合わせ部材20の幅合わせ下部23における傾斜部23aの上面は、補助フレーム部材14aの下面に当接又は近接して位置付けられているので、原稿幅合わせ部材20が支持部材40を介して静止支持軸33まわりに旋回することも防止される。その結果、原稿幅合わせ部材20は、原稿載テーブル10の張出部11に安定して支持される。
【0036】
図7及び図8に示されている原稿幅合わせ機構においては、作動レバー60は使用されていないので、支持部材40の、静止支持軸33に対する保持効果は、先の実施形態におけると同等には得られないが、全体の構成が簡単で低コストで実用化できるメリットを有している。また、先の実施形態におけると同様に、原稿幅合わせ部材20は、静止支持軸33に移動自在に支持された支持部材40に支持されているので、原稿幅合わせ部材20をこじりを発生させることなく、円滑に所定の幅合わせ位置に移動させることができる。その結果、原稿の幅合わせ作業を円滑に行なうことができる。また、原稿幅合わせ部材20を確実に所定の幅合わせ位置に位置付けることができるので、原稿の斜行を確実に防止することができる。また、原稿を原稿挿入口105に挿入する手作業を容易にする。更にはまた、原稿の搬送中に原稿幅合わせ部材20にずれが生ずることを確実に防止できるので、原稿の斜行が確実に防止される。先に述べたように、この原稿幅合わせ機構においては、作動レバー60は使用されていないので、支持部材40の、静止支持軸33に対する保持効果は、先の実施形態におけると同等には得られないが、原稿の搬送中に原稿幅合わせ部材20にずれが生ずることを防止することは可能である。
【0037】
図7及び図8に示されている原稿幅合わせ機構を有する原稿読取装置を備えた複写機100においては、上記した原稿幅合わせ機構による作用効果に起因して、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されると共に、所定のとおりの円滑かつ正確な画像形成の遂行が保証され、高い画像形成効率が確保される。また、上記原稿読取装置が、先に述べたようにそれ自体独立した装置として使用される場合、上記のような作用効果を有する原稿幅合わせ機構を備えることによって、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されることはいうまでもない。
【0038】
なお、本発明による原稿幅合わせ機構の上記実施形態において、支持軸手段は、2個の静止支持軸30及び32から構成され、又は1個の静止支持軸33から構成されているが、少なくとも1個の静止支持軸から構成されることが重要である。また、上記実施形態において、原稿幅合わせ部材20は一対設けられており、それぞれが支持部材40を介して2個の静止支持軸30及び32、又は1個の静止支持軸33に相互に独立して移動自在に支持されているが、片方の原稿幅合わせ部材20の支持部材40を移動できないよう固定して、すなわち片方の原稿幅合わせ部材20を静止状態とし、他方の原稿幅合わせ部材20のみを移動自在とする他の実施形態も成立する。この実施形態において、固定された片方の原稿幅合わせ部材20を基準として原稿の片側の位置決めし、他方の原稿幅合わせ部材20を所定の幅合わせ位置まで移動させることにより、原稿の他側の位置決めを行なうことができる。また固定された片方の原稿幅合わせ部材20に代えて、原稿載置テーブルの該幅方向の一端に原稿載置テーブルの上面から直立する静止基準壁を形成し、他方の原稿幅合わせ部材20のみを該静止基準壁に対し相対移動できるよう構成する、更に他の実施形態も成立する。また、移動自在な原稿幅合わせ部材20を1個のみ配設し、該原稿幅合わせ部材20を基準位置に移動させることにより、該原稿幅合わせ部材20のみにより原稿の幅合わせを行なう、更に他の実施形態もある。したがって、本発明において、該幅方向に移動可能な原稿幅合わせ部材20は、少なくとも1個備えられていればよい。
【0039】
また、上記実施形態において、原稿載置テーブル10には、複写機本体102から原稿搬送方向上流側に張り出す張出部11が備えられ、この構成に起因して、原稿幅合わせ部材20は、本体部21と、幅合わせ反転部22と、幅合わせ下部23とを備え、断面がほぼU形状ないしフック形状をなしている。しかしながら、原稿載置テーブル10に張出部11が設けられない他の実施形態ももちろん成立する。その場合、原稿幅合わせ部材20は、支持部材40に対し例えば次のようにして連結される。すなわち、原稿載置テーブル10には、該幅方向に延在するスリットが形成される。そして少なくとも1個の静止支持軸に移動自在に支持された支持部材40の天壁41に、天壁41から直立しかつ該スリットを貫通して原稿載置テーブル10の上面と実質的に同じ面まで、ないしは該上面よりもわずかに上方に突出した位置まで延びる支柱部材が連結される。支柱部材の上面に適宜の幅合わせ部材が連結される。幅合わせ部材の、原稿載置テーブル10の上面に沿った該幅方向の移動は、支柱部材が該スリットに沿って移動しうることにより許容される。
【0040】
上記のように構成された原稿幅合わせ機構を有する原稿読取装置は、先に述べたように、実施形態における如く、画像形成機である複写機100に組み込まれて使用されているが、画像形成機であるファクシミリに組み込まれて使用される実施形態もあるし、また原稿読取装置それ自体が独立した装置(いわゆるイメージスキャナ)として使用される場合ももちろん成立する。
【0041】
【発明の効果】
本発明による原稿読取装置及び該原稿読取装置を備えた画像形成機によれば、原稿幅合わせ部材をこじりを発生させることなく円滑かつ容易に所定の幅合わせ位置に移動させることができ、その結果、原稿の幅合わせ作業の円滑かつ容易な遂行を可能にする。また、原稿幅合わせ部材を確実に所定の幅合わせ位置に位置付けることを可能にして、原稿の斜め給紙を確実に防止する。更にはまた、原稿幅合わせ部材を確実に所定の幅合わせ位置に位置付けることを可能にし、その結果、原稿の斜め給紙を確実に防止すると共に、原稿を原稿挿入口に挿入して位置決めする手作業を容易にする。更にはまた、原稿の搬送中に原稿幅合わせ部材にずれが生ずることを確実に防止して、原稿の斜め給紙を確実に防止する。本発明による原稿読取装置によれば、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保される。新規な原稿読取装置を提供することである。本発明による原稿読取装置を備えた画像形成機によれば、所定のとおりの円滑かつ正確な画像読取動作の遂行が保証され、高い画像読取効率が確保されると共に、所定のとおりの円滑かつ正確な画像形成の遂行が保証され、高い画像形成効率が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原稿幅合わせ機構を含む原稿読取装置の実施形態を備えた複写機の側面概略図。
【図2】本発明による原稿幅合わせ機構の実施形態を示す横断面図。
【図3】図2に示す原稿幅合わせ機構の透視斜視図。
【図4】図2に示す原稿幅合わせ機構の構成部材の一部を分解して示す斜視図。
【図5】図2に示す原稿幅合わせ機構の縦断面図。
【図6】本発明による原稿幅合わせ機構の他の実施形態を示す横断面図。
【図7】図6に示す原稿幅合わせ機構の縦断面図。
【図8】図7に示す原稿幅合わせ機構の縦断面図。
【符号の説明】
10 原稿載置テーブル
11 張出部
12 テーブル上面部
13 テーブル反転部
20 原稿幅合わせ部材
21 幅合わせ本体部
21a 傾斜部
21b 直立壁
22 幅合わせ反転部
23 幅合わせ下部
23a 傾斜部
30、32、33 静止支持軸
40 支持部材
42 支持壁
50 軸受部材
60 作動レバー
65 引張コイルばね
100 複写機
102 複写機本体
103 原稿搬送装置
105 原稿挿入口
133 原稿搬送路

Claims (5)

  1. 原稿挿入口の上流側に設けられた原稿載置テーブルと、原稿載置テーブル上に配置された原稿幅合わせ部材と、原稿幅合わせ部材を原稿搬送方向に対し直交する幅方向に移動可能に支持する支持手段とを備えた原稿読取装置において、
    支持手段は、該幅方向に延在するよう配設された支持軸手段と、支持軸手段に移動自在に支持された支持部材とを備え、原稿幅合わせ部材は支持部材に支持され、
    支持軸手段は、原稿載置テーブルの内側において相互に原稿搬送方向に間隔をおいて該幅方向に平行に延在するよう配設された2個の静止支持軸から構成され、支持部材は静止支持軸の各々に移動自在に支持され、支持部材には、作動レバーが静止支持軸の各々と平行に配置された旋回軸まわりに旋回自在に支持され、作動レバーと支持部材との間には、作動レバーを一方向に旋回するよう強制して作動レバーの一端部の上面を該下流方向側に位置する片方の静止支持軸の下面に押圧して支持部材の、静止支持軸の各々に対する相対移動を阻止するばね手段が配設され、作動レバーの他端部をばね手段に抗して他方向に旋回させることにより、作動レバーの一端部の、片方の静止支持軸の下面に対する押圧が解除されて、支持部材の、静止支持軸の各々に対する相対移動が許容される、
    ことを特徴とする原稿読取装置。
  2. 作動レバーの一端部の上面は、該一端部に配設された摩擦部材の上面により構成されている、請求項記載の原稿読取装置。
  3. 原稿載置テーブルは、テーブル上面部と、テーブル上面部の原稿搬送方向上流端において下方にかつ原稿搬送方向下流側に反転するテーブル反転部とを備え、原稿載置テーブルの内側における、テーブル反転部先端の該下流側には、下方に開放された空間部が、該幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成され、原稿幅合わせ部材は、テーブル上面部を覆うようテーブル上面部に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部と、幅合わせ本体部の原稿搬送方向上流端においてテーブル反転部を覆うようテーブル反転部に沿って延在する幅合わせ反転部と、幅合わせ反転部の先端から該下流方向に、テーブル上面部の下方に間隔をおいて延在する幅合わせ下部とを備え、幅合わせ下部が、支持部材の下側に固着されることにより、原稿幅合わせ部材は支持部材に一体に支持され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ下部には貫通孔が形成され、原稿幅合わせ部材に支持された作動レバーは、旋回軸に支持された作動レバー本体部と、作動レバー本体部の、旋回軸よりも該上流方向側端から該貫通孔を通って下方に延びる作動レバー垂下部と、作動レバー垂下部の下端から該上流方向に幅合わせ下部の下方に間隔をおいて延在する作動レバー操作部とを備え、作動レバー操作部が上方に移動するよう作動レバーを旋回軸まわりに旋回させると、作動レバー操作部が幅合わせ下部の下面に当接して該移動が阻止され、かつ作動レバーの一端部の、片方の静止支持軸の下面に対する押圧が解除される、請求項又は請求項記載の原稿読取装置。
  4. 原稿挿入口の上流側に設けられた原稿載置テーブルと、原稿載置テーブル上に配置された原稿幅合わせ部材と、原稿幅合わせ部材を原稿搬送方向に対し直交する幅方向に移動可能に支持する支持手段とを備えた原稿読取装置において、
    支持手段は、該幅方向に延在するよう配設された支持軸手段と、支持軸手段に移動自在に支持された支持部材とを備え、原稿幅合わせ部材は支持部材に支持され、
    原稿載置テーブルは、テーブル上面部と、テーブル上面部の原稿搬送方向上流端において下方にかつ原稿搬送方向下流側に反転するテーブル反転部とを備え、原稿載置テーブルの内側における、テーブル反転部先端の該下流側には、下方に開放された空間部が、該幅方向の一端部から他端部にわたって延在するよう形成され、原稿幅合わせ部材は、テーブル上面部を覆うようテーブル上面部に沿って原稿搬送方向に延在する幅合わせ本体部と、幅合わせ本体部の原稿搬送方向上流端においてテーブル反転部を覆うようテーブル反転部に 沿って延在する幅合わせ反転部と、幅合わせ反転部の先端から該下流方向に、テーブル上面部の下方に間隔をおいて延在する幅合わせ下部とを備え、幅合わせ下部が、支持部材の下側に固着されることにより、原稿幅合わせ部材は支持部材に一体に支持され、
    支持軸手段は、原稿載置テーブルの内側において該幅方向に延在するよう配設された1個の静止支持軸から構成され、支持部材は静止支持軸に移動自在に支持され、原稿載置テーブルの内側の該空間部であって、静止支持軸に対し、該下流方向に間隔をおいた位置には該幅方向に延在するフレーム部材が配設され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ本体部の該下流方向先端部は、該下流方向に向かって下方に傾斜する傾斜部から構成され、該傾斜部の先端下面はテーブル上面部に当接され、原稿幅合わせ部材の幅合わせ下部における該下流方向先端部の上面は、フレーム部材の下面に当接又は近接して位置付けられている、
    ことを特徴とする原稿読取装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の原稿読取装置を備え、該原稿読取装置に含まれる原稿幅合わせ部材を原稿載置テーブルに沿って該幅方向に移動させることにより原稿の幅合わせを行なう、ことを特徴とする画像形成機。
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