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JP3637275B2 - 情報即時記録装置及び情報即時記録方法 - Google Patents

情報即時記録装置及び情報即時記録方法 Download PDF

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秀夫 片岡
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハードディスク等に対して情報を記録するとともに、このハードディスク等に記録された情報を再生し、さらにはDVD(Digital versatile Disk)などの記録媒体に対して情報を記録するとともに、このDVDに記録された情報を再生することも可能な情報記録装置に関する。特に、電源投入時やDVD交換時に情報の記録落ちを無くすようにした情報即時記録装置及び情報即時記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像や音声等のデータを記録した光ディスクを再生する動画対応の光ディスク再生装置が開発されている。この装置は、例えばLDや、ビデオCD再生装置などの様に、映画ソフトを鑑賞したり、カラオケ等を楽しんだりする目的で、一般に普及されている。
【0003】
その中で、現在、国際規格化したMPEG2(Moving Image Coding Expert Group )方式を使用するとともに、AC3オーディオ圧縮方式を採用したDVD規格が提案された。
【0004】
この規格は、MPEG2システムレイヤに従って、動画圧縮方式にMPEG2方式をサポートし、音声圧縮方式にAC3オーディオ圧縮方式及びMPEGオーディオ圧縮方式をサポートしている。さらに、映画やカラオケ等の字幕用としてビットマップデータをランレングス圧縮した副映像データを取り扱うことができるようになっている。さらに、この規格では、再生装置との関係では、早送り逆送りなどの特殊再生用コントロールデータ(ナビパック)を追加して構成されている。
【0005】
さらにまたこの規格では、コンピュータでディスクのデータを読むことが出来るように、IS09660とマイクロUDFの規格をサポートしている。
【0006】
また、メディア自身の規格としては、DVD−ビデオのメディアであるDVD−ROMの規格に続き、DVD−RAMの規格(記録容量約4.7GB)も完成し、DVD−RAMドライブもコンピュータ周辺機器として普及し始めている。
【0007】
さらに、現在ではDVD−RAMを利用し、リアルタイムでの情報記録再生が可能なシステムを実現するDVDビデオ規格、つまりRTR(Real Time Recording)−DVDの規格が完成しつつあり、検証作業も終了している。
【0008】
この規格は、現在発売されているDVD−ビデオの規格を元に考えられている。さらに、そのRTR−DVDに対応したファイルシステムも現在規格化されている。
【0009】
また、記録再生装置に内蔵されたハードディスクドライブ(HDD)を利用し、放送信号を記録再生するものも登場している。ハードディスクドライブでは、例えば100Gバイト以上のデータが記録可能なものもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ハードディスクドライブに情報を記録するハードディスク装置と、DVDに情報を記録するDVD装置とを、それぞれ単独で考慮した場合、いずれにも長所と短所がある。
【0011】
ハードディスク装置の場合は、通常の使用形態では、ハードディスクが装置に内蔵されており、外部に取り出すことができない。このために、無限にデータを保存することは不可能である。いつかは、記録領域の残量が不足することになる。また、装置の外部に取り出すことができないために、ハードディスクに記録されたデータを他の装置で再生することができない。
【0012】
一方、DVD装置の場合、ハードディスクに比べて記憶容量は少ない。しかしDVDは装置から着脱可能であり、いつでも持ち運びできる。
【0013】
この発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、下記の情報即時記録装置及び情報即時記録方法を提供することにある。
【0014】
(1)ハードディスクとDVDの両者の利点を生かし、DVDに対する記録準備が完了していない状態でも、仮想的にDVDに対して情報を即時記録することが可能な情報即時記録装置。
【0015】
(2)ハードディスクとDVDの両者の利点を生かし、DVDに対する記録準備が完了していない状態でも、仮想的にDVDに対して情報を即時記録することが可能な情報即時記録方法。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明の情報即時記録装置及び情報即時記録方法は、以下のように構成されている。
【0017】
(1)この発明の情報即時記録装置は、リアルタイムに提供される映像音声データを入力する入力手段と、内蔵された第2の情報記録媒体と、前記入力手段により入力される映像音声データを着脱可能な第1の情報記録媒体に対して記録し、又はこの第1の情報記録媒体に記録された映像音声データを再生する第1の記録再生手段と、前記入力手段により入力される映像音声データを前記第2の情報記録媒体に対して記録し、又はこの第2の情報記録媒体に記録された映像音声データを再生する第2の記録再生手段と、前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了していない状態で、前記第1の情報記録媒体に対する記録が指示されると、前記第1の情報記録媒体の替わりに、前記第2の記録再生手段により前記第2の情報記録媒体に対して、前記入力手段から入力される目的の映像音声データを記録させる第1の記録制御手段と、前記第1の記録制御手段により記録制御されているとき、前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了すると、前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に対して、前記入力手段から入力される目的の映像音声データを記録させる第2の記録制御手段と、前記第2の記録制御手段の記録制御により、目的の映像音声データの記録が完了した後、前記第1の記録制御手段により前記第2の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを読出し、この読み出された目的の映像音声データを前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に記録させる第3の記録制御手段と、前記第2の記録制御手段の記録制御、及び前記第3の記録制御手段の記録制御により、2度にわたり前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データのリンクを示すリンクデータを前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に記録させる第4の記録制御手段とを備えている。
【0018】
(2)この発明の情報即時記録方法は、着脱可能な第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了していない状態で、前記第1の情報記録媒体に対する記録が指示されると、前記第1の情報記録媒体の替わりに、内蔵された第2の情報記録媒体に対して、目的の映像音声データを記録させる第1の工程と、前記第1の工程による記録が継続しているとき、前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了すると、前記第1の情報記録媒体に対して、目的の映像音声データを記録させる第2の工程と、前記第2の工程の記録により、目的の映像音声データの記録が完了した後、前記第1の工程により前記第2の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを読出し、この読み出された目的の映像音声データを前記第1の情報記録媒体に記録させる第3の工程と、前記第2の工程による記録、及び前記第3の工程による記録により、2度にわたり前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データのリンクを示すリンクデータを前記第1の情報記録媒体に記録させる第4の工程とを備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、この発明を適用した記録再生装置(情報即時記録装置)の一実施の形態を示す図である。図1の各ブロックを大きく分けると、左側には記録部の主なブロックを示し、右側には再生部の主なブロックを示している。この図1の各部のブロックについては後で詳しく説明する。
【0021】
図2は、DVDシステムのディレクトリ構造の一部を示している。
【0022】
図2は、DVDシステムの特にリアルタイムレコーディングDVD(RTR−DVD)のディレクトリ(ここではDVD_RTAVと示している)構造について示している。
【0023】
ディレクトリ(DVD_RTAV)内には、ビデオマネジャーファイルとしてのVR_MANGR.IFO、ムービービデオファイルとしてのVR_MOVIE.VRO、スチルピクチャービデオファイルとしてのVR_STILL.VRO、スチルピクチャービデオファイルとしてのVR_AUDIO.VRO、ビデオマネージャーのバックアップとしてのVR_MANGR.BUPの各ファイルが存在する。
【0024】
VR_MANGER.IFOファイルには、ナビゲーションデータが記録されるもので、このナビゲーションデータは、プログラムセット、プログラム、エントリーポイント、プレイリストなどを進行させるためのデータである。
【0025】
VR_MOVIE.VROファイルは、ムービービデオオブジェクト(ムービーVOB)を記録するためのいわゆるムービーAVファイルである。このVR_MOVIE.VROは、任意のサブピクチャーユニットを含むビデオパートで構成されるオリジナルVOBを記録するために用いられる。またこのとき、ビデオパートに関連したオーディオパートもオリジナルVOBに含まる。
【0026】
VR_STILL.VROは、スチルピクチャーVOBを記録するためのスチルピクチャーAVファイルである。
【0027】
またVR_AUDIO.VROは、スチルピクチャーに対する付加オーディオストリームを記録するためのスチルピクチャー付加オーディオファイルである。この付加オーディオパートは、アフターレコーディングにより記録されたオーディオストリームを示す。オーディオパートは、VR_STILL.VROに記録された幾つかのビデオパートとの組み合せで使用される。
【0028】
VR_MANGR.BUPは、VR_MANGR.IFOのバックアップファイルである。
【0029】
図3(A)は、上記のVR_MOVIE.VROのファイル構造を示している。
【0030】
ビデオファイルは、階層構造であり、1つのファイルは、複数のVOB(ビデオオブジェクト)で構成され、1つのVOBは、複数のVOBU(ビデオオブジェクトユニット)で構成され、1つのVOBUは、複数パックから構成される。複数のパックとしては、RDIパック、Vパック、Aパック等が存在する。
【0031】
Vパックは、ビデオデータがMPEG2の方式で圧縮されたもので、パックヘッダ、パケットヘッダ、ビデオデータ部で構成される。Aパックは、オーディオデータが、例えばリニアPCMあるいはMPEG,あるいはAC3などの方式で処理されたものであり、パックヘッダ、パケットヘッダ、オーディオデータ部で構成される。
【0032】
図3(B)は、Vパックとの関係によるMPEG2方式に基づくビデオデータのフォーマットを示している。
【0033】
グループオブピクチャー(GOP)は、複数のビデオフレームが用いられて圧縮された単位であり、その先頭にはシーケンスヘッダが付加されている。シーケンスヘッダには、シーケンスヘッダの開始コード(SHC)、画素の縦のライン数(HS),画素の横のライン数(VS),アスペクト比(PAR)などが記述されている。
【0034】
図4に示すRDIパックはリアルタイムデータインフォーメーションパック(RDI_PCK)と称されるもので、リアルタイムジェネラル情報(RDI_GI),ディスプレイコントロール及びコピーコントロール情報(DCI_CCI)、製造者情報(MNFI)などを含む。
【0035】
リアルタイムジェネラル情報(RDI_GI)は、これが属するVOBUの最初のフィールドが再生される開始時間を示す情報、つまりVOBU_S_PTMと、当該VOBUの記録時を示す情報、つまりVOBU_REC_TMとを含む。
【0036】
ディスプレイコントロール及びコピーコントロール情報(DCI_CCI)は、ディスプレイコントロール情報(DCI)及びコピーコントロール情報(CCI)のステータスを示す(DCI_CCI_SS)と、ディスプレイコントロール情報(DCI)自身と、コピーコントロール情報(CCI)自身を含む。
【0037】
(DCI_CCI_SS)のうちディスプレイコントロール情報ステータス(DCI_SS)は、第1のエリアであり、有効なアスペクト比情報のみが存在する場合(01b)、有効なアスペクト比、サブタイトルモード、フィルムカメラモードが存在する場合(11b)を識別している。
【0038】
ディスプレイコントロール情報(DCI)は、アスペクト比情報、サブタイトルモード情報、フィルムカメラモードを含む。
【0039】
アスペクト比情報は、アスペクト比が4:3の場合(000b)、アスペクト比が16:9の場合(0001b)を示している。更にソースピクチャーがレターボックスの場合、1000b(レターボックス(14:9)であるがスクリーンセンター配置)、0100b(レターボックス(14:9)であるがスクリーントップ配置)、1101b(レターボックス(16:9)であるがスクリーンセンター配置)、0010b(レターボックス(16:9)であるがスクリーントップ配置)、1010b(レターボックス(>16:9)であるがスクリーンセンター配置)、0111b(14:9フルフォーマットでセンター配置)を識別している。
【0040】
サブタイトルモードは、サブタイトルが開かない(00b)、サブタイトルがアクティブイメージエリア内にある(01b)、サブタイトルがアクティブイメージエリアの外にある(10b)を識別している。
【0041】
フィルムカメラモードは、カメラモード(0b)、フィルムモード(1b)を識別している。
【0042】
図5には、ビデオマネージャー(VMG)の階層構造を示し、その中でデータ再生順序を管理する系統について詳しく示している。
【0043】
ビデオファイルに記録されたデータ再生順序は、図5に示すような、プログラムチェーン(PGC)で定義されている。このプログラムチェーン(PGC)には、セル(Cell)が定義され、さらにセル(Cell)には、再生すべき対象となるVOBが定義されている。このPGCの具体的情報を記録してある部分がVMGファイルの中のプログラムチェーン情報(PGCI)部分である。PGCIには、2種類が存在し、1つはオリジナルPGCI(ORG_PGCI),もう1つはユーザディファインドPGCテーブル(UD_PGCIT)である。
【0044】
上記のように規格化されているディスクの記録再生装置について、再度図1に戻り説明する。
【0045】
図1に示す記録再生装置における再生処理は、プログラムの再生順序を示すプログラムチェーン情報(PGCI)に従って行われ、このPGCIでは、複数のプログラム(PG)を指定することができ、このPGCIにはセルインフォメーション(CI)が定義されている。そしてCIによりセルエントリーポイント(C_EPI)が指定され、再生すべき対象となるVOBが特定されることになる。また、記録順に再生するための特別なPGCをオリジナルPGCと称し、このオリジナルPGCの情報は、ORG_PGCIとして記録されている。さらに、このときのビデオデータの属性情報(解像度情報、アスペクト情報、音声属性情報など)は、VMGI内のストリームインフォメーション(STI)に記録される。また、上記したパックは、データ転送処理を行なう最小単位である。さらに、論理上の処理を行なう最小単位はセル単位で、論理上の処理はこの単位で行わる。したがって、録画が行われるときは、上記のフォーマットに合致する形式に記録信号が変換される。
【0046】
情報記録再生装置は、ハーディスクドライブ装置2001と、ビデオファイルを構築できる情報記憶媒体である光ディスク1001を回転駆動し、この光ディスク1001に対して情報の読み書きを実行するディスクドライブ35と、録画側を構成するエンコーダ部50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体の動作を制御するマイクロコンピュータブロック30とを、主たる構成要素としている。
【0047】
エンコーダ部50は、ADC(アナログデジタルコンバータ)52と、V(ビデオ)エンコーダと、A(オーディオ)エンコーダと、SP(副映像)エンコーダを含むエンコーダ群53と、各エンコーダの出力を所定のフォーマットにするフォーマッタ56と、バッファメモリ57とを備えている。
【0048】
ADC52には、AV入力部42からの外部アナログビデオ信号+外部アナログオーディオ信号、あるいはTV(テレビジョン)チューナ44からのアナログビデオ信号+アナログ音声信号が入力される。
【0049】
ADC52は、入力されたアナログビデオ信号を、例えばサンプリング周波数13.5MHz、量子化ビット数8ビットでデジタル化する。すなわち、輝度成分Y、色差成分Cr(またはY−R)及び色差成分Cb(またはY−B)が、それぞれ8ビットで量子化されることになる。
【0050】
同様に、ADC52は、入力されたアナログオーディオ信号を、例えばサンプリング周波数48kHz、量子化ビット数16ビットでデジタル化する。
【0051】
なお、ADC52にデジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号が入力されるときは、ADC52は、デジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号をスルーパスさせる。そして、これらのデジタルビデオ信号及びデジタルオーディオ信号に対しても、内容は改変することなく、ジッタ低減処理やサンプリングレート変更処理等は行なってもよい。但し、サンプリング周波数等が異なるときには、コンバート処理を行なう。
【0052】
ADC52から出力されたデジタルビデオ信号は、Vエンコーダを介してフォーマッタ56に送られる。また、ADC52から出力されたデジタルオーディオ信号は、Aエンコーダを介してフォーマッタ56に送られる。
【0053】
Vエンコーダは、入力されたデジタルビデオ信号を、MPEG2またはMPEG1規格に基づいて、可変ビットレートで圧縮されたデジタル信号に変換する機能を持つ。また、Aエンコーダは、入力されたデジタルオーディオ信号を、MPEGまたはAC−3規格に基づいて、固定ビットレートで圧縮されたデジタル信号またはリニアPCMのデジタル信号に変換する機能を持つ。
【0054】
副映像情報がAV入力部42から入力された場合(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号)、あるいはこのようなデータ構成のDVDビデオ信号が放送され、それがTVチューナ44で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号(副映像パック)が、SPエンコーダに入力される。SPエンコーダに入力された副映像信号は、所定の信号形態にアレンジされて、フォーマッタ56に送られる。
【0055】
フォーマッタ56は、バッファメモリ57をワークエリアとして使用しながら、入力されたビデオ信号、オーディオ信号、副映像信号等に対して所定の信号処理を行なうことにより、先に図3、図4で説明したようなフォーマット(ファイル構造)に合致した記録データをデータプロセッサ36に出力する。
【0056】
ここで、本装置は、エンコーダ部50でエンコードされた情報、及び、作成された管理情報を、データプロセッサ36を介してハードディスク装置2001に供給し、ハードディスクに記録することができる。またハードディスクに記録された情報を、データプロセッサ36、ディスクドライブ35を介して光ディスク1001に記録することもできる。さらにまた、エンコーダ部50でエンコードされた情報、及び、作成された管理情報をデータプロセッサ36、ディスクドライブ35を介して、光ディスク1001に記録することもできる。
【0057】
また、本発明は、ハードディスク装置2001のハードディスクに記録されている情報が、光ディスク1001のデータフォーマットと同じである場合、ハードディスクの情報を光ディスクにエンコード処理すること無く記録することができる。
【0058】
またハードディスク装置2001のハードディスクに記録されている情報が、光ディスク1001のデータフォーマットと異なる場合は、ハードディスクから読み出した情報をエンコーダ部50でエンコードする。そしてエンコードされた情報を光ディスク1001に記録することができる。
【0059】
ここで、上記光ディスク1001への記録データを作成するための標準的なエンコード処理内容を簡単に説明しておく。すなわち、エンコーダ部50において、エンコード処理が開始されると、ビデオ(主映像)データ及びオーディオデータをエンコード処理するにあたって必要なパラメータが設定される。
【0060】
次に、設定されたパラメータを利用して主映像データがプリエンコード処理されることにより、設定された平均転送レート(記録レート)に最適な符号量の分配が計算される。プリエンコード処理で得られた符号量分配に基づき、主映像データのエンコード処理が実行される。このとき、オーディオデータのエンコード処理も同時に実行される。同様に、副映像データをエンコード処理するに必要なパラメータが設定され、エンコード処理された副映像データが作成される。
【0061】
エンコード処理された主映像データ、オーディオデータ及び副映像データが組み合わされて、ビデオオブジェクトセットVOBSの構造に変換される。
【0062】
すなわち、主映像データ(ビデオデータ)の最小論理単位としてセルが設定され、図5で説明したようなセル情報が作成される。次に、プログラムチェーンPGCを構成するセルの構成や、主映像、副映像及びオーディオの属性等が設定され(これらの属性情報の一部は、各データをエンコードするときに得られた情報が利用される)、ここに、種々の情報を含めたVMGファイルが作成される。
【0063】
エンコード処理された主映像データ、オーディオデータ及び副映像データは、一定サイズ(2048バイト)のパック(図3)に細分化される。なお、パック内には、適宜、再生時刻を示すPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)や、デコード時刻を示すDTS(デコーディングタイムスタンプ)等のタイムスタンプが記述される。副映像のPTSについては、同じ再生時間帯の主映像データあるいはオーディオデータのPTSより任意に遅延させた時間を記述することができる。
【0064】
そして、各データのタイムコード順に再生可能なように、ビデオオブジェクトユニットVOBU単位でその先頭にRDIパック(ナビゲーションパックに相当)を配置しながら各セルが配置される。これにより、複数のセルで構成されるビデオオブジェクトVOBが構成される。このビデオオブジェクトVOBを1つ以上集めてなるビデオオブジェクトセットVOBSが、ムービービデオファイルにプログラムとして記録される。
【0065】
なお、DVDビデオプレーヤからDVD再生信号をデジタルコピーする場合には、上記セル、プログラムチェーン、管理テーブル、タイムスタンプ等の内容は始めから決まっているので、これらを改めて作成する必要はない。
【0066】
光ディスク1001に対して、情報の読み書き(録画及び/または再生)を実行する部分としては、光学系、駆動系を有するディスクドライブ35と、データプロセッサ36と、一時記憶部37と、STC(システムタイムカウンターまたはシステムタイムクロック)38とを備えている。
【0067】
一時記憶部37は、データプロセッサ36、ディスクドライブ35介して光ディスク1001に書き込まれるデータ(エンコーダ部50から出力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングしたり、ディスクドライブ35、データプロセッサ36を介して光ディスク1001から再生されたデータ(デコーダ部60に入力されるデータ)のうちの一定量分をバッファリングしたりするのに利用される。ディスクドライブ35は、光ディスクに対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを有する。
【0068】
例えば、一時記憶部37が4Mbyteの半導体メモリ(DRAM)で構成されるときは、平均4Mbps(ビット・パー・セカンド)の記録レートでおよそ8秒分の記録または再生データのバッファリングが可能である。また、一時記憶部37が16MbyteのEEP(エレクトリカリー・イレーザブル・アンド・プログラマブル)ROM(フラッシュメモリ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートでおよそ30秒の記録または再生データのバッファリングが可能である。
【0069】
さらに、一時記憶部37が100Mbyteの超小型HDD(ハードディスクドライブ)で構成されるときは、平均4Mbpsの記録レートで3分以上の記録または再生データのバッファリングが可能となる。
【0070】
一時記憶部37は、録画途中で光ディスク1001を使い切ってしまった場合において、光ディスク1001が新しいディスクに交換されるまでの短時間の録画情報を一時記憶しておくことにも利用できる。
【0071】
しかし、本発明の装置では、大きな容量を持つハードディスク装置2001が設けられているので、この装置を活用することができる。
【0072】
また、一時記憶部37は、ディスクドライブ35として高速ドライブ(2倍速以上)を採用した場合において、一定時間内に通常ドライブより余分に読み出されたデータを一時記憶しておくことにも利用できる。再生時の読み取りデータを一時記憶部37にバッファリングしておけば、振動ショック等で図示しない光ヘッドが読み取りエラーを起こしたときでも、一時記憶部37にバッファリングされた再生データを切り替え使用することによって、再生映像が途切れないようにすることができる。
【0073】
データプロセッサ36は、マイクロコンピュータブロック30の制御にしたがって、エンコーダ部50から出力されたDVD記録データをディスクドライブ35に供給したり、光ディスク1001から再生したDVD再生信号をディスクドライブ35から取り込んだり、光ディスク1001に記録された管理情報を書き替えたり、光ディスク1001に記録されたデータ(ファイルあるいはビデオオブジェクト)の削除をしたりする。
【0074】
マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセシングユニット)、またはCPU(セントラルプロセシングユニット)と、制御プログラム等が書き込まれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを含んでいる。
【0075】
マイクロコンピュータブロック30のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムにしたがい、RAMをワークエリアとして用いて、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定等を実行する。
【0076】
また、マイクロコンピュータブロック30は、システム全体を制御するために必要な情報処理部を有するもので、コピー情報検知・設定部、ディレクトリ検知部、VMG管理情報作成部を備える。
【0077】
MPUの実行結果のうち、ディスクドライブ35のユーザに通知すべき内容は、DVDビデオレコーダの表示部48に表示されるか、またはモニタディスプレイにOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。
【0078】
なお、マイクロコンピュータブロック30が、ディスクドライブ36、データプロセッサ36、エンコーダ部50及び/またはデコーダ部60等を制御するタイミングは、STC38からの時間データに基づいて、実行することができる。録画や再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理は、STC38とは独立したタイミングで実行されてもよい。
【0079】
デコーダ部60は、図3に示したようなパック構造を持つ映像情報から各パックを分離して取り出すセパレータ62と、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリ63と、セパレータ62で分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするVデコーダと、セパレータ62で分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするSPデコーダと、セパレータ62で分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするAデコーダによるデコーダ群64と、Vデコーダから得られる主映像データにSPデコーダから得られる副映像データを適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサ66を備えている。
【0080】
ビデオプロセッサ66の出力は、ビデオミキサー71に入力される。ビデオミキサー71では、テキストデータの合成が行われる。またビデオミキサー71には、また、TVチューナ44やA/V入力部42からの信号を直接取り込むラインも接続されている。ビデオミキサー71には、バッファとして用いるフレームメモリ72が接続されている。ビデオミキサー71の出力がデジタル出力の場合は、インターフェース(I/F)73を介して外部へ出力され、アナログ出力の場合は、DAC74を介して外部へ出力される。
【0081】
Aデコーダの出力がデジタル出力の場合は、インターフェース(I/F)75を介して外部へ出力され、アナログ出力の場合は、セレクタ76を介してDAV77でアナログ変換され外部に出力される。セレクタ76は、マイクロコンピュータブロック30からのセレクト信号により、TVチューナ44やA/V入力部42からの信号を直接モニタするとき、ADC52からの出力を選択することも可能である。アナログオーディオ信号は、図示しない外部コンポーネント(2チャンネル〜6チャンネルのマルチチャンネルステレオ装置)に供給される。
【0082】
上記装置において、ビデオ信号の流れを簡単に説明すると、以下のようになる。
【0083】
まず、入力されたAV信号はADC52でデジタル変換される。ビデオ信号はVエンコーダへ、オーディオ信号はAエンコーダへ、文字放送などの文字データはSPエンコーダへ入力される。ビデオ信号はMPEG圧縮され、オーディオ信号はAC3圧縮またはMPEGオーディオ圧縮がなされ、文字データはランレングス圧縮される。
【0084】
各エンコーダからの圧縮データは、パック化された場合に2048バイトになるようにパケット化されて、フォーマッタ56へ入力される。フォーマッタ56では、各パケットがパック化され、さらに、多重化され、データプロセッサ36へ送られる。
【0085】
ここで、フォーマッタ56は、アスペクト情報検出部43からの情報を元に、RDIパックを作成し、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)の先頭に配置する。データプロセッサ36は、16パック毎にECCブロッを形成し、エラー訂正データを付け、その出力をディスクドライブ35を介して光ディスク1001へ記録する。ここで、ディスクドライブ35がシーク中やトラックジャンプなどの場合のため、ビジィー状態の場合には、一時記憶部37(例えばHDDバッファ部)へ入れられ、DVD−RAMドライブ部(ディスクドライブ35)の準備ができるまで待つこととなる。
【0086】
さらに、フォーマッタ56では、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にマイクロコンピュータブロック30のMPUへ送る(GOP先頭割り込み時などの情報)。
【0087】
切り分け情報としては、VOBUのパック数、VOBU先頭からのIピクチャのエンドアドレス、VOBUの再生時間などである。
【0088】
同時に、アスペクト情報検出部43からの情報を録画開始時にMPUへ送り、MPUはVOBストリーム情報(STI)を作成する。ここで、STIは、解像度データ、アスペクトデータなどを保存し、再生時、各デコーダ部はこの情報を元に初期設定を行われる。
【0089】
また、録再DVDでは、ビデオファイルは1ディスクに1ファイルとしている。
【0090】
ここで、DVDを利用したリアルタイム録再機において、注意すべき点は、データをアクセスする場合において、そのアクセス(シーク)している間に、とぎれないで再生を続けるために、最低限連続するセクタが必要になってくる。この単位をCDA(コンティギュアス・データ・エリア)という。
【0091】
このCDAは、ECCブロック単位となっている方が有利である。そのため、CDAサイズは16セクタの倍数にし、ファイルシステムでは、このCDA単位で記録を行っている。ただし、この場合、ディスク内にうまくCDAの大きさの空き領域がない場合などは、別のファイルが使用している短いセクタが、CDA内に入り込むことも許している。これにより、CDA単位で記録することができる。
【0092】
図6には、またビデオマネージャー(VMG)内のムービーAVファイル情報テーブル(M_AVFIT)を階層的に示している。このテーブルの情報は、記録されているVOB(プログラム)の数、各VOBに対応するオーディオや副映像のストリームの番号、各VOBの属性(テレビジョン方式、アスペクト比等)がストリーム情報(M_VOB_STI)として記録されている。さらにM_AVFIとしては、一般情報として、VOBが再生可能なものか、仮消去されたものかを示す情報、VOBを記録した日時情報(レコーディングタイム)が記述されている。さらに個々の情報として、各VOBのサーチポインタ、複数のVOBを連続再生する情報(SMLI)としてのシステムクロック情報が記述されている。さらにまた、VOB内のVOBUのタイムマップ情報(TMAPI)が記述されている。タイムマップ情報は、特殊再生などを行なうときに利用可能である。
【0093】
この発明のシステムには、DVD−RAMを装置に装填したときに即録画機能が設けられている。以下その動作について、図7以降を参照して説明する。
【0094】
DVD−RAMが装填されるとディスクセンサーよりディスク検出信号がマイクロコンピュータブロック30に供給される。初期化されたDVD−RAMが装填されたときは、このDVD−RAMに対する記録準備が完了するまでに、数十秒程度が必要とされる。その内訳は、DVD−RAMの回転速度が所望のスピードに達するまでの時間、所望の回転速度に達したDVD−RAMから管理情報を読み取る時間、及び読み取った管理情報を一時記憶部37に格納する時間である。初期化されていないDVD−RAMが装填されたときには、上記した記録準備完了までの時間に加えて、DVD−RAMを初期化するための時間(数分)が必要とされる。
【0095】
例えば、DVD−RAMが装填され、すぐにこの装填されたDVD−RAMに対するデータの記録が指示された場合や、記録再生装置に電源が投入された直後には、上記理由から、即時、DVD−RAMにデータを記録することはできない。しかし、これでは不便である。そこで、この発明では、DVD−RAMに対する記録準備が完了していない場合には、HDD2001を仮想DVD−RAMに見立てて、DVD−RAMに対する記録準備が完了するまでの間、仮想DVD−RAMにデータを記録する。
【0096】
まず、図7のDVD−RAM側に対する処理について説明する。ここでは、DVD−RAMが初期化されているものとして説明する。ディスク挿入が検知されると、DVD−RAMのファイルシステムを取り込む。空き領域があるかどうかを判定し、ない場合には録画スペースがありませんという警告表示を行なう。空き領域がある場合には、書き込みアドレスを決定する。
【0097】
次に、ワークRAM内にDVD−RAMよりビデオマネージャー情報(VMGI)を読み出し、無い場合は内部で発生し、VMGIテーブルを構築する。この処理は、マイクロコンピュータブロック30が中心となって行なうステップA1、A2、A3、A4、A5、A6に対応する。つまり、DVD−RAMが録再装置に装填された状態で、ファイルシステムのチェック、空き領域のチェックなどが行われる。
【0098】
次に、エンコーダ部50に録画初期設定を行い、録画を開始設定する(ステップA7)。即ち、マイクロコンピュータブロック30により、録画が可能な状態が確認されると、録画初期設定が行われる。さらにSTCのリセット、ドライブへの書き込み開始アドレスの設定、書き込み命令の設定、フォーマッタへの初期設定、アライン処理の設定として、セル、VOBU、プログラム(PG)、プログラムチェーン(PGC)の区切りの準備設定が行われる。
【0099】
即ち、録画開始時には、エンコーダ部50へ録画開始命令を設定し、またフォーマッタ56における切り分け情報をVOBUとして登録する。これにより、録画がスタートすると、エンコーダ部50では、入力ビデオ信号のフレームがGOP単位で圧縮され、さらにこのGOPがパック化され、さらに、このパックが収集されてVOBU単位にまとめられる。GOPのシーケンスヘッダには、アスペクト比情報が挿入される(図3(B)参照)。またVOBUの先頭パックとして、RDIパック(図3(B)、図4参照)が配置される。このときは、図3(A)で説明したように、オーディオパック、副映像パックなども収集される(ステップA8)。
【0100】
エンコードデータが1CDA分たまった場合、DVD−RAMの空き領域に記録するように各ドライブ部に設定し、記録するセクタのリンク情報をワークRAMに保存する(A15、A16)。
【0101】
ステップA8からA15までの間では、次のようなチェックが行なわれる。フォーマッタ56に切り分け情報がたまった場合、切り分け情報を取り込むための割り込み処理となる(ステップA9、A10)。切り分け情報は、ワークRAMにVOBU管理情報として一時的に取り込まれる。また録画終了キーの入力があったかどうか、あるいは録画終了コマンド(予約録画終了の場合のコマンド)の入力があったかどうかのチェックが行なわれる(ステップA11)。さらにまた残り容量の算出処理、残り容量が一定値を切ったかどうかの判定処理も行なわれる((ステップA12、A13)。残り容量がある一定値を切ると、録画期間を延長するためにビットレートの切り替えなどを行い残り容量少時の対応処理を行なう(ステップA14)。
【0102】
ステップA17では、録画可能容量があるかどうかを判定し、容量がある場合にはステップA9に戻り、無い場合には、フォーマッタより切り分け情報をマイクロコンピュータブロックに取り込み、フォーマッタを初期化する。
【0103】
次にハードディスク、或いはこれに代わるバッファRAMに一時記録したデータが存在するかどうかを判定する(ステップA19)。存在する場合には、当該ハードディスク或はバッファRAMのデータを、DVD−RAMに記録し、ハードディスク或はバッファRAMのデータをクリアする(ステップA20)。
【0104】
次に録画終了処理を行なう(ステップA21)。録画終了処理としては、ファイルシステムの更新(ハードディスクからDVD−RAMにデータを転送記録した場合には、そのデータがDVD−RAM上で最初にくるようにリンク情報を作成)し、ビデオマネージャー(VMG)に更新された管理情報として書き込む(PGCI設定、切り分け情報など)。
【0105】
図9を参照し、図7のステップA9で割り込みがあった場合の処理を簡単に説明する。
【0106】
割り込み情報が検出されると、割り込み要因のチェックが行われ、1パック分のデータをデータプロセッサ36へ転送し、録画パック数のカウントアップを開始する。そしてフォーマッタ56で次々と処理されているパックのために切り分け情報を1つ取り込む毎に割り込みフラッグをセットする。この処理は割り込みが解除されるまで行われる。割り込みが解除になると、ステップA11、A12、A13、A14を経由し、録画パック数から1CDA分があるかどうかを判定する。また、同時に割り込みフラッグを消去する。これにより、割り込み処理が実行されても、セル、VOBU,PG,PGCなどを作成するための切り分け情報を失うことはない。
【0107】
図10は、上記のようにDVD−RAMを装置に装填し、その記録準備ができるまで、ハードディスクに対して一時録画を行なう場合の動作を示すフローチャートである。
【0108】
まず、エンコーダ部50に録画初期設定を行い、録画を開始設定する(ステップB1)。即ち、マイクロコンピュータブロック30により、録画が可能な状態が確認されると、録画初期設定が行われる。さらにSTCのリセット、ドライブへの書き込み開始アドレスの設定、書き込み命令の設定、フォーマッタへの初期設定、アライン処理の設定として、セル、VOBU、プログラム(PG)、プログラムチェーン(PGC)の区切りの準備設定が行われる。
【0109】
即ち、録画開始時には、エンコーダ部50へ録画開始命令を設定し、またフォーマッタ56における切り分け情報をVOBUとして登録する。これにより、録画がスタートすると、エンコーダ部50では、入力ビデオ信号のフレームがGOP単位で圧縮され、さらにこのGOPがパック化され、さらに、このパックが収集されてVOBU単位にまとめられる。GOPのシーケンスヘッダには、アスペクト比情報が挿入される(図3(B)参照)。またVOBUの先頭パックとして、RDIパック(図3(B)、図4参照)が配置される。このときは、図3(A)で説明したように、オーディオパック、副映像パックなども収集される(ステップB2)。
【0110】
フォーマッタ56に切り分け情報がたまった場合、切り分け情報を取り込むための割り込み処理となる(ステップB3、B4)。切り分け情報は、ワークRAMにVOBU管理情報として一時的に取り込まれる。
【0111】
エンコードデータが1CDA分たまった場合、HDD2001の空き領域に記録するように設定し、記録するセクタのリンク情報をワークRAMに保存する(ステップB5、B6)。
【0112】
その後、DVD−RAMの記録準備が完了すれば、HDD2001への書き込み中止処理となる(ステップB7、B8)。
【0113】
以下、即録画機能についてまとめる。
【0114】
上記したように、DVD−RAM装填直後や、記録再生装置に電源が投入された直後は、DVD−RAMに対する記録準備が完了していないため、DVD−RAMに対してデータを記録することはできない。ディスク装填直後には、ディスクチェック処理、ファイルシステム読み込み、VMG読み込みが行なわれる。この発明の記録再生装置では、HDD2001を仮想的なDVD−RAMと見立てて、ディスク装填直後や記録再生装置に電源が投入された直後でも、あたかもDVD−RAMにデータが記録されるかのように記録動作が制御される。
【0115】
ディスク装填直後には、上記したように、ディスクチェック処理が行なわれる。このチェックにより装填されたディスクの種別が判定される。装填されたディスクがDVD−RAMの場合であって、未フォーマットの場合には、フォーマット処理が実行される。通常、販売されるDVD−RAMはフォーマット済みであるが、ファイルが壊れているような場合には再フォーマットが必要となる。
【0116】
ディスクチェック処理に続いて、ファイルシステムが読み込まれ、ワークRAMに展開される。ファイルシステムからVMGが検出された場合は、そのままワークRAM内にVMGが展開される。VMGが検出されない場合は、ワークRAM内にVMGが構築される。
【0117】
記録の対象となる映像音声データは、入力手段としてのA/V入力部42から供給される。入力部42から供給される映像音声データは、エンコーダ部50を経由して、最終的にディスクドライブ35により光ディスク1001(DVD−RAM)に記録される。或いは、入力部42から供給される映像音声データは、エンコーダ部50を経由して、最終的にHDD2001に記録される。
【0118】
光ディスク1001に対する記録準備が完了していない状態で、光ディスク1001に対する記録が指示されると(ディスクに対する録画指示)、マイクロコンピュータブロック30の第1の記録制御により、光ディスク1001の替わりに、HDD2001に対して目的の映像音声データが記録される。このとき、切り分け情報はワークRAMに保存される。
【0119】
光ディスク1001に対する記録準備が完了する前に、HDD2001に空き容量が無くなった場合には、その旨が表示され、この後の記録が終了する。このようなケースでは、目的の映像音声データが欠落してしまう。
【0120】
上記した第1の記録制御により、HDD2001に対して目的の映像音声データが記録されているとき、光ディスク1001に対する記録準備が完了すると、マイクロコンピュータブロック30の第2の記録制御により、光ディスク1001に対して、目的の映像音声データが記録される。このとき、書き込み開始アドレスは、ファイルシステムにより決定する。ここで、記録される目的の映像音声データとは、第1の記録制御により記録されていた目的の映像音声データの続きである。なお、厳密に言うと、データの記録はCDA単位で行なわれているので、光ディスク1001に対する記録準備が完了した後、新たなCDA単位から光ディスク1001に対してデータが記録されることになる。
【0121】
上記した第2の記録制御により、目的の映像音声データの記録が完了した後(目的の映像音声データが全て記録完了後)、マイクロコンピュータブロック30の第3の記録制御により、第1の記録制御によりHDD2001に記録された目的の映像音声データを読出し、この読み出された目的の映像音声データを光ディスク1001が記録される。
【0122】
さらに、マイクロコンピュータブロック30の第4の記録制御により、第2の記録制御及び第3の記録制御により2度にわたり光ディスク1001に記録された目的の映像音声データのリンクを示すリンクが張られる。つまり、第2の記録制御により光ディスク1001に記録された目的の映像音声データよりも、第3の記録制御により光ディスク1001に記録された目的の映像音声データを先に再生させるように、ファイルシステムが光ディスク1001上に構築される。或いは、第2の記録制御により光ディスク1001に記録された目的の映像音声データよりも、第3の記録制御により光ディスク1001に記録された目的の映像音声データを先に再生させるプログラムチェーン情報(PGCI)が光ディスク1001上に記録される。なお、光ディスク1001及びHDD2001に対するデータの記録単位は、CDA単位である。
【0123】
上記説明では、目的の映像音声データが全て記録完了してから、HDD2001に代替記録されていた映像音声データを光ディスク1001に移動させるケースについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、光ディスク1001の記録準備が完了した時点で、HDD2001に代替記録されていた映像音声データを光ディスク1001に移動させ、その後、続きの映像音声データを光ディスク1001に記録するようにしてもよい。この場合、光ディスク1001には、再生順に映像音声データが記録されることになるので、リンクが不要となる。
【0124】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0125】
【発明の効果】
この発明によれば、下記の情報即時記録装置及び情報即時記録方法を提供できる。
【0126】
(1)ハードディスクとDVDの両者の利点を生かし、DVDに対する記録準備が完了していない状態でも、仮想的にDVDに対して情報を即時記録することが可能な情報即時記録装置。
【0127】
(2)ハードディスクとDVDの両者の利点を生かし、DVDに対する記録準備が完了していない状態でも、仮想的にDVDに対して情報を即時記録することが可能な情報即時記録方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例に係る記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】DVDシステムのディレクトリ構造の一部を示す図である。
【図3】VR_MOVIE.VROのファイル構造、及びVパックとの関係によるMPEG2方式に基づくビデオデータのフォーマットを示す図である。
【図4】RIDデータの詳細を示す図である。
【図5】ビデオマネージャー(VMG)の階層構造を示すとともに、データ再生順序を管理する系統について詳しく示す図である。
【図6】ビデオマネージャー(VMG)内のムービーAVファイル情報テーブル(M_AVFIT)を階層的に示す図である。
【図7】DVD−RAMに対する記録処理その1を示すフローチャートの前段である。
【図8】DVD−RAMに対する記録処理その2を示すフローチャートの後段である。
【図9】DVD−RAMに対する割り込み処理を示す図である。
【図10】HDDに対する記録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
30…マイクロコンピュータブロック
35…ディスクドライブ
36…データプロセッサ
37…一時記憶部
50…エンコーダ部
60…デコーダ部
1001…光ディスク(DVD−RAM)
2001…ハードディスクドライブ(HDD)

Claims (6)

  1. リアルタイムに提供される映像音声データを入力する入力手段と、
    内蔵された第2の情報記録媒体と、
    前記入力手段により入力される映像音声データを着脱可能な第1の情報記録媒体に対して記録し、又はこの第1の情報記録媒体に記録された映像音声データを再生する第1の記録再生手段と、
    前記入力手段により入力される映像音声データを前記第2の情報記録媒体に対して記録し、又はこの第2の情報記録媒体に記録された映像音声データを再生する第2の記録再生手段と、
    前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了していない状態で、前記第1の情報記録媒体に対する記録が指示されると、前記第1の情報記録媒体の替わりに、前記第2の記録再生手段により前記第2の情報記録媒体に対して、前記入力手段から入力される目的の映像音声データを記録させる第1の記録制御手段と、
    前記第1の記録制御手段により記録制御されているとき、前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了すると、前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に対して、前記入力手段から入力される目的の映像音声データを記録させる第2の記録制御手段と、
    前記第2の記録制御手段の記録制御により、目的の映像音声データの記録が完了した後、前記第1の記録制御手段により前記第2の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを読出し、この読み出された目的の映像音声データを前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に記録させる第3の記録制御手段と、
    前記第2の記録制御手段の記録制御、及び前記第3の記録制御手段の記録制御により、前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データのリンクを示すリンクデータを前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体に記録させる第4の記録制御手段と、
    を備えたことを特徴とする情報即時記録装置。
  2. 前記第4の記録制御手段は、前記第2の記録制御手段の記録制御により前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データよりも、前記第3の記録制御手段の記録制御により前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを先に再生させるファイルシステムを、前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体上に構築させることを特徴とする請求項1に記載の情報即時記録装置。
  3. 前記第4の記録制御手段は、前記第2の記録制御手段の記録制御により前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データよりも、前記第3の記録制御手段の記録制御により前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを先に再生させるプログラムチェーン情報を、前記第1の記録再生手段により前記第1の情報記録媒体上に構築させることを特徴とする請求項1に記載の情報即時記録装置。
  4. 前記第1及び第2の記録再生手段は、CDA単位で映像音声データを記録することを特徴とする請求項1に記載の情報即時記録装置。
  5. 着脱可能な第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了していない状態で、前記第1の情報記録媒体に対する記録が指示されると、前記第1の情報記録媒体の替わりに、内蔵された第2の情報記録媒体に対して、目的の映像音声データを記録させる第1の工程と、
    前記第1の工程による記録が継続しているとき、前記第1の情報記録媒体に対する記録準備が完了すると、前記第1の情報記録媒体に対して、目的の映像音声データを記録させる第2の工程と、
    前記第2の工程の記録により、目的の映像音声データの記録が完了した後、前記第1の 工程により前記第2の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データを読出し、この読み出された目的の映像音声データを前記第1の情報記録媒体に記録させる第3の工程と、
    前記第2の工程による記録、及び前記第3の工程による記録により、前記第1の情報記録媒体に記録された目的の映像音声データのリンクを示すリンクデータを前記第1の情報記録媒体に記録させる第4の工程と、
    を備えたことを特徴とする情報即時記録方法。
  6. 前記記録準備が完了していない状態とは、電源が投入された直後であることを特徴とする請求項1に記載の情報即時記録装置。
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