JP3636675B2 - 難燃性オレフィン系樹脂組成物およびそれから得られた押出成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性オレフィン系樹脂組成物およびそれから得られた押出成形品に関し、更に詳しくは、表面平滑性があり、かつ表面粗さがなく優れた難燃性と耐酸性を具備した外被を有する電線・ケーブルなどの押出成形品を得ることができる難燃性オレフィン系樹脂組成物、及びそれを被覆して得られる電線・ケーブルなどの押出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電線・ケーブルの絶縁被覆材としては、従来から塩化ビニル樹脂やその組成物が多用されてきたが、環境保全や健康面の配慮から、ハロゲンを含まない絶縁被覆材が求められている。
水酸化マグネシウムがハロゲンを含まないオレフィン系樹脂等に対して優れた難燃剤であることは古くから知られており、主として海水から調製される合成水酸化マグネシウムが使用されている。また、特開昭60−100302号公報には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、チタネートカップリング剤またはシランカップリング剤で表面処理した水酸化マグネシウムをポリオレフィンに配合した難燃性電気絶縁組成物が記載され、表面処理をすることにより該組成物を用いて作られた電線の被覆層は、機械的特性の低下や白化(水酸化マグネシウムが空気中の炭酸ガスと反応し、炭酸マグネシウムを生成し成形品表面に粉状現れる現象)が防止されることが開示されている。
合成水酸化マグネシウムに対して、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国で産出される天然産ブルーサイトなど水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(以下、単に天然産ブルーサイトともいう。)を難燃剤として使用する試みもなされ、特開平1−294792号公報には、これを湿式粉砕し、脂肪酸のアンモニウム塩又はアミン塩で表面処理した難燃性樹脂組成物が、また、特開平5−17692号公報にはこれを乾式粉砕し脂肪酸、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤またはチタネートカップリング剤で表面処理した難燃性樹脂組成物が記載されている。
合成水酸化マグネシウムと比較して、製造法が簡単で、コスト的にも有利である天然産ブルーサイトは、難燃剤としての効果や表面処理による機械的特性の低下や白化の防止という点では、実用性能があるまで開発されてきたが、合成水酸化マグネシウムの配合の際は問題とならなかった押出成形で得られた被覆電線などの成形品の表面平滑性が劣り、表面粗さが認められ、改良が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、表面平滑性があり、かつ表面粗さがなく優れた難燃性と耐酸性を具備した外被を有する電線・ケーブルなどの押出成形品を得ることができる難燃性オレフィン系樹脂組成物、及びそれを被覆して得られる電線・ケーブルなどの押出成形品の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、合成水酸化マグネシウムは海水から凝集させて製造し、表面処理もこの凝集工程で行われ、得られる合成水酸化マグネシウムの平均粒子径も1.0〜1.5μmと小さいのに比較して、天然酸ブルーサイトは、主に乾式で粉砕され、また、表面処理も乾式で行われていることにより、平均粒子径が1.5〜6.0μmであることを確認した。天然産ブルーサイトを、例えばボールミルを使用して湿式粉砕を行うと平均粒子径を1.5μm未満に調製することは可能であるが、効率が悪く、多くのエネルギーを必要とするばかりでなく、天然産ブルーサイトの結晶構造が崩れ、白化など耐酸性に悪影響があり得るので、問題となる。しかしながら、特定の粒径以上の粒子の割合を制御することによって目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、オレフィン系樹脂(A)100重量部に、乾式粉砕された、粒径が4μm以上の割合が50%以下(個数基準)で、かつ平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであって、脂肪酸、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤またはシランカップリング剤から選ばれた1種以上の表面処理剤で乾式処理されている水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)5〜250重量部を配合したことを特徴とする難燃性オレフィン系樹脂組成物が提供される。
【0008】
本発明の第2の発明によれば、第1の発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物を押出成形して得られた表面平滑性のある押出成形品が提供される。
【0009】
以下、本発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物およびそれから得られた押出成形品について、各項目毎に詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
【0011】
【発明の実施の形態】
1.オレフィン系樹脂(A)
本発明で使用されるオレフィン系樹脂(A)は、特に限定されるものでなく、種類、分子量なども限定されない。オレフィン系樹脂(A)としては、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体がある。エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン(炭素数3〜12)共重合体、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸(あるいはそのエステル誘導体)共重合体、エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体等が挙げられ、具体的には、高圧ラジカル重合法で製造される高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。また、温度0〜250℃、圧力50MPa以上(高圧の場合)、10〜50MPa(中圧の場合)あるいは常圧〜10MPa(低圧の場合)のいずれかの条件で、溶液重合法、懸濁重合法、スラリー重合法、気相重合法などの方法で、チーグラー触媒、フィリップス触媒、スタンダード触媒、又はシングルサイト触媒(メタロセン触媒)等を用いて製造される直鎖状低密度(あるいは超低密度)エチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体が例示できる。その他、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンも使用することができる。
【0012】
さらに、いわゆる、ゴムあるいは熱可塑性エラストマーと称されるエチレンと共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物との共重合体、例えばスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体等も挙げられる。
【0013】
プロピレン系重合体としては、チーグラー触媒などの公知のα−オレフィンの立体規則性触媒を用いて、比較的低温度で中・低圧でプロピレンを単独重合させるか、あるいはプロピレンと他のα−オレフィン(炭素数2〜12、但し炭素数3を除く)とを共重合させたものである。具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などを例示できる。
オレフィン系樹脂(A)は、1種あるいは2種以上混合して使用することができる。
オレフィン系樹脂(A)のメルトマスフローレートとしては、押出成形の加工性や成形品の機械的強度から、エチレン系重合体あるいはこれとプロピレン系重合体との混合樹脂を使用する場合であっては、0.05〜50g/10分程度、好ましくは1.0〜5g/10分(190℃で測定)のものが好適に使用できる。プロピレン系重合体としては、1.0〜100g/10分、好ましくは2〜20g/10分(230℃で測定)のものが好適に使用できる。
本発明では、それ自体酸素指数が高く、他と比較して燃えにくい性質を持ち、さらに難燃剤との相溶性が優れ、多くの難燃剤を配合しても均一に分散する性質を持つメルトマスフローレート0.05〜50g/10分、コモノマー含有量が5〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはエチレン−アクリル酸エチル共重合体、又はメルトマスフローレート0.05〜50g/10分、密度が0.86〜0.91g/cm3の直鎖状超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体を好適に使用することができる。
【0014】
2.水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)
本発明で難燃剤として使用する水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)は、これを乾式あるいは湿式粉砕し、分級し、本発明の構成要件を満たすように製造する。
乾式粉砕には、粉砕機やクラッシャーを好適に用いることができる。湿式粉砕には、ボールミル等を挙げることができるが、効率の点から乾式粉砕が好ましい。分級には、風力分級装置(サイクロン機)や篩分級装置を好適に用いることができる。
本発明で、粒径とは、レーザー回析・散乱法における粒度分布測定法による個数基準の値を意味する。具体的にはマイクロトラックHRA(Mictrac HRA法)による3本のレーザによる方法による粒径による頻度分布(Frequency size distribution)を測定し、これを積分(積分値を(A)とする。)し、粒径4μm以上の割合はこの積分値(A)を分母とし、粒径4μm以上の該曲線を積分した値(a)を分子として得られた数値を百分率で表したものである。平均粒径(μm)も、上記のマイクロトラックHRAで求めた個数基準による値である。
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)の粒径4μm以上の割合は50%以下(個数基準)であることが必須である。これが50%を超えると、表面平滑性及び表面粗さが認められはじめる。好ましい粒径4μm以上の割合は45%以下である。
【0015】
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)の配合量は、オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、5〜250重量部である。また、好ましい範囲は40〜250重量部、さらに好ましい範囲は75〜225重量部である。配合量が5重量部未満であると、難燃性が不足し、一方250重量部を超えると、成形加工性および得られる成形品の機械的特性が低下する。
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)は、好ましくは脂肪酸、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤またはシランカップリング剤から選ばれた表面処理剤で表面処理を行うことが望ましい。
表面処理は、上記のごとく乾式粉砕された水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)を調製後、表面処理剤を添加し、ヘンシェルミキサー、ブレンダー等の従来から使用されている一般の攪拌装置を用いればよい。添加の方法は、分割法、一括添加法のいずれを用いてもよい。
【0016】
さらに、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)を粉砕機で乾式粉砕する際に、予め表面処理剤を配合して行い、粉砕と表面処理を同時に行っても良い。
乾式攪拌で表面処理を行う場合は、表面処理剤の平均粒径は、粉砕後の水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)の平均粒径より小さいことが好ましく、平均粒径がその四分の一以下がより好ましい。
本発明で使用される表面処理剤の脂肪酸としては、飽和および不飽和脂肪酸が挙げられ、炭素数が6〜22の脂肪酸を例示できるが、特に炭素数18のステアリン酸、オレイン酸が好適に使用される。
脂肪酸塩としては、直鎖飽和型、不飽和型を問わず側鎖部分が金属、アミン、アンモニウム等と結合したものでもよいが、特にステアリン酸、オレイン酸等のナトリウム塩やカリウム塩が好適に使用される。
【0017】
チタネートカップリング剤としては、公知のものであればよく、特に限定はされないが、イソプロピル−トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、チタニウムジ(オクチルフォスフェート)オキシアセテート等が例示できる。
シランカップリング剤としては、分子内の一方の末端に無機質と反応する反応基(メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、セロソルブ基など)であり、一般には三官能基を有するものが多いが、もちろん二官能や一官能を有するものでもよい。また、もう一方の末端には、有機材料であるオレフィン系樹脂と化学結合する基(ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基など)を有するもので主鎖がアルコキシオリゴマー骨格を持つものが挙げられ、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が例示できる。
表面処理量は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%、さらに好ましくは1.5〜3.5重量%である。これが0.1重量%未満であるとの表面処理が不十分となり、表面処理の効果が得られず、一方10重量%を超えると、得られる難燃性オレフィン系樹脂組成物の機械的特性が低下する。
【0018】
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)の平均粒径は、1.5〜6μm(個数基準)が好ましく、さらに好ましくは2〜4μmである。平均粒径が1.5μm未満のものは、粉砕に時間がかかり、費用が高くなると共に、結晶系に影響がでることがあり、白化(耐酸性)に対する特性が劣化することがある。一方、平均粒径が6μmを超えるものは製造は容易であるが、表面平滑性、表面粗さに悪影響がではじめると共に、粒径4μm以上の割合を50%以下とすることが困難となる。
【0019】
3.その他の成分(C)
本発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物には、使用目的に応じて、相溶剤(酸変性オレフィン系樹脂など)、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、核剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、カーボンブラック等の各種添加剤や補助資材を配合することができる。
さらに、本発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物に架橋剤、例えば有機過酸化物、イオウまたはシラン系架橋剤並びに架橋助剤を添加して架橋させたり、電離性放射線を照射させる等して架橋させることもできる。
【0020】
4.オレフィン系樹脂組成物の調製
本発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物は、所定量の(A)、(B)および必要に応じて適当量の(C)を配合して、一般的な方法、例えばニーダー、バンバリーミキサー、コンティニュアスミキサー、ロールミルあるいは押出機を用いて均一に混合溶融混練することにより調製することができる。溶融混練した本発明の難燃性オレフィン系樹脂は、次いでペレットの造粒し、これを成形に用いることが好ましい。
本発明の電線・ケーブルや絶縁保護カバー、パイプ、フィルム、シートなどが例示される押出成形品は、上記調製された難燃性オレフィン系樹脂組成物を、押出成形機を用い、加熱溶融させた後、金型から押出成形して製造することができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中で用いられた物性値及び評価は、それぞれ以下の方法によるものである。
【0022】
「評価」
【0023】
1.メルトマスフローレート
JIS K7210に準拠して行い、エチレン系重合体にあっては190℃(プロピレン系重合体であっては230℃)、荷重2.16kgで測定した。
【0024】
2.難燃性
難燃性オレフィン系樹脂組成物を、160℃、150Kg/cm2の条件で3分間圧縮成形し厚さ3mmのシートを成形して、これを用いて、JIS K7201に準拠して酸素指数を求め、これを難燃性の評価に用いた。
【0025】
3.表面平滑性
難燃性オレフィン系樹脂組成物を一軸押出機(長さ(L)/直径(D)=25、D=20mm)に入れ、温度をC1=150℃、C2=170℃、C3=180℃に調整し、テープ金型(幅30mm、厚さ1mm)を用いて押出成形し、得られたテープの表面を目視で評価した。表面に光沢が認められる場合を○とし合格とした、表面に光沢がない場合を×とし不合格とした。
【0026】
4.表面粗さ
表面平滑性の試験と同様の方法で押出し成形し得られた幅30mm、厚さ1mmのテープを用いて、測定面積を10mm×2mmとし、表面粗さ計 東京精密社製 SURFCOM−575Aで、触針駆動速度0.3mm/秒、触針荷重70mgで、測定ライン10本を計測し 解析装置 明伸工機 SAS−2010を用いて、JIS B0601に準拠して中心線平均粗さRaを評価した。1.0μm以下を合格とした。
【0027】
5.引張破壊強さ
JIS K−6922−2に準拠して引張破壊応力を測定した。
天然産ブルーサイト等は以下に掲げたものを使用した。
参考例として、合成水酸化マグネシウム(キスマ5A、協和化学製、4μm以上の割合6%、平均粒径1.3μm、表面処理ステアリン酸金属塩2.5重量%)(以下、合成水マグと略称する。)を使用した。実施例、比較例で用いた天然産ブルーサイトの試料(以下、天然水マグと略称する。)は、以下のようにして調製した。
【0028】
天然水マグBa:粒径4μm以上の割合55%、平均粒径3.5μm品(神島化学製)。
天然水マグBb:天然水マグBaを風力分級(サイクロン分級)した粒径4μm以上の割合45%、平均粒径3.5μm品。
天然水マグB1:粒径4μm以上の割合55%、平均粒径3.5μm、表面処理ステアリン酸2.5重量%品(神島化学製、マグシーズN1)。
天然水マグB2:天然水マグB1を風力分級(サイクロン分級)した粒径4μm以上の割合45%、平均粒径3.5μm、表面処理ステアリン酸2.5重量%品。
天然水マグB3:天然水マグB1を風力分級(サイクロン分級)した粒径4μm以上の割合15%、平均粒径2μm、表面処理ステアリン酸2.5重量%品。
【0029】
[参考例]
オレフィン系樹脂としてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(メルトマスフロレート1.5g/10分、アクリル酸エチル含量15重量%、密度0.93g/cm3)を使用して、合成水マグ、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを表1に示したように配合して、バンバリーミキサーで180℃で10分間溶融混練し、難燃性オレフィン系樹脂組成物を得て、これを造粒後、評価した。表1にその評価結果を示したが、押出成形して得られたテープは、表面平滑性に優れ、表面粗さも無く、評価項目の全てに満足するものであった。
【0030】
[実施例1・比較例1](実施例1は参考例1)
参考例と同様にして、合成水マグを表面処理を施していない天然水マグに置き換えて、表1にその配合を示すように難燃性オレフィン系樹脂組成物を調製した。評価結果から明らかなように、粒径4μm以上の割合を55%含む天然水マグBaを配合した比較例1は、表面平滑性、表面粗さが、粒径4μm以上の割合を45%含む天然水マグBbを配合した実施例(参考例)1と比ベて有意に劣り、引張破壊強さも低い評価結果を示した。
【0031】
【表1】
【0032】
[実施例2〜5・比較例1〜2]
参考例と同様にして、合成水マグをステアリン酸による乾式表面処理を施した天然水マグに置き換えて、表1にその配合を示すように難燃性オレフィン系樹脂組成物を調製した。
評価結果から明らかなように、粒径4μm以上の割合を55%含む天然水マグB1を配合した比較例2、3は、表面平滑性、表面粗さが、粒径4μm以上の割合を45%含む天然水マグB2、B3を配合した実施例2〜5と比ベて、有意に劣り、引張破壊強さも低い評価結果を示した。別言すれば、天然水マグB1を50重量配合した比較例3においてさえも、天然水マグB2を200重量部配合した実施例5に比べて、表面平滑性、表面粗さに劣っていた。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の難燃性オレフィン系樹脂組成物は、乾式粉砕、乾式表面処理された水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(天然産ブルーサイト)を難燃剤として用い、粒径が4μm以上の割合が50%以下(個数基準)で、平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであるので、天然産ブルーサイトの問題であった成形品の表面平滑性や表面粗さが改善された、実用価値の高い押出成形品が得られる。したがって、これを用いて押出成形して得られた電線・ケーブルの外被、絶縁カバー、パイプ、フィルム、シートなどの押出成形品は、表面平滑性があり、かつ表面粗さがなく優れた難燃性と耐酸性を具備している効果がある。
Claims (2)
- オレフィン系樹脂(A)100重量部に、乾式粉砕された、粒径が4μm以上の割合が50%以下(個数基準)で、かつ平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであって、脂肪酸、脂肪酸塩、チタネートカップリング剤またはシランカップリング剤から選ばれた1種以上の表面処理剤で乾式処理されている水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(B)5〜250重量部を配合したことを特徴とする難燃性オレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1に記載の難燃性オレフィン系樹脂組成物を押出成形して得られた表面平滑性のある押出成形品。
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