JP3634573B2 - Dynamic damper and flywheel assembly - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイナミックダンパー及びフライホイール組立体、特にトランスミッションの入力軸に連動して振動を制振するダイナミックダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は、この種のダイナミックダンパー及びフライホイール組立体について、特公平6−48031等の先行技術を開発している。
これらの先行技術では、質量部である第2フライホイールをクラッチディスクが第1フライホイールに圧接されている時だけ捩りダンパー機構を介して駆動伝達系に連結させ、駆動伝達系の捩り振動を制振している。これにより、ニュートラルの状態におけるトランスミッションのギアの歯打音(中立音)や走行時におけるトランスミッションの振動及び異音を抑えつつ、クラッチ切断時におけるトランスミッションの変速動作の阻害を抑えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の先行技術では、クラッチディスクの軸方向の移動量に対応して摩擦減衰機構(サブクラッチ)の摩擦プレートが移動し、第2フライホイールと駆動伝達系とが連結される。
しかし、クラッチディスクはフェーシング(摩擦材)を有しており、このフェーシングは第1フライホイール等との摩擦により摩耗するものである。フェーシングが摩耗すると、クラッチディスクの軸方向の移動量が変化し、サブクラッチの作動にも影響が出る。すなわち、クラッチディスクのフェーシングの摩耗により、サブクラッチのトルク伝達容量が所定値からはずれたり、サブクラッチによる第2フライホイールと駆動伝達系との断続がうまく行われなくなるという不具合が発生する。これでは、フェーシングの摩耗にしたがってダイナミックダンパーが有効に作用しなくなり、駆動伝達系の振動の制振が悪化する。
【0004】
本発明の課題は、駆動伝達系(トランスミッションの入力軸)に断続するダイナミックダンパーの作動状態を悪化させる連結機構のフェーシング(摩擦材)の摩耗による影響を抑制することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダイナミックダンパーは、連結機構においてトランスミッションの入力軸に従動可能なダイナミックダンパーであって、入力部と、質量部と、弾性部と、サブクラッチとを備えている。連結機構は、エンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸とを連結する機構であって、摩擦材を有するクラッチディスク組立体を備えたメインクラッチを含んでいる。入力部は、環状円板部を含み、クラッチディスク組立体とエンジンのクランク軸との間に配置され、トランスミッションの入力軸の回転と連動して回転し得る。質量部は入力部の外周側に配置されている。弾性部は入力部と質量部とを弾性的に連結する。サブクラッチは、クラッチディスク組立体と入力部との間に配置され、メインクラッチによってエンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸とが連結しているときにトランスミッションの入力軸と入力部とを連結し、メインクラッチによってエンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸との連結が解除されるときにトランスミッションの入力軸と入力部との連動を解除する。そして、入力部の環状円板部の内周端には第2ギアが形成されており、サブクラッチは、本体と、伝達部材と、位置補正機構とを有している。本体は、トランスミッションの入力軸に対して軸方向に移動可能かつ相対回転不能に係合するとともに、第2ギアと噛み合い可能な第1ギアを外周側に有している。伝達部材はクラッチディスク組立体のエンジン側の移動に連動して本体をエンジン側に移動させる。位置補正機構はクラッチディスク組立体の摩擦材の摩耗量に追従して本体に対する伝達部材の軸方向位置を補正する。
【0006】
このダイナミックダンパーを備えた連結機構では、エンジンのクランク軸から入力されたトルクはメインクラッチを介してトランスミッションの入力軸に伝達される。メインクラッチが接続状態であるときには、サブクラッチによってトランスミッションの入力軸の回転にダイナミックダンパーが連動する状態となる。したがって、トランスミッションのニュートラル時の中立音や走行時の異音はダイナミックダンパーにより制振される。ここでは、単にイナーシャを付加して共振を回避するイナーシャダンパーではなくダイナミックダンパーを使用しているため、部分回転域でのトランスミッションの入力軸の振動を制振することができる。このため、イナーシャダンパーでは低減できないレベルまで振動を低減させることもできる。
【0007】
また、サブクラッチが位置補正機構を有しており、メインクラッチの摩擦材が摩耗したときにも、この摩耗がサブクラッチの接続及び接続解除の動作に大きな影響を及ぼさないようにしている。このため、メインクラッチの摩擦材が摩耗しても、メインクラッチの摩擦材が摩耗する前と同様に、ダイナミックダンパーは有効に作用し、トランスミッションの振動は制振される。
【0008】
請求項2に記載のダイナミックダンパーは、請求項1に記載のものにおいて、サブクラッチの位置補正機構は一対のワンウェイ噛み合い部を有している。一対のワンウェイ噛み合い部は一方向に対してのみ噛み合う。この一対のワンウェイ噛み合い部の噛み合う位置は、トランスミッションの入力軸と入力部とを連動させるのに必要な力よりも大きな力によって変わる。
【0009】
メインクラッチの摩擦材が摩耗すると、メインクラッチが解除されるのに従って解除されるサブクラッチを操作する部材の移動量が増える。したがって、増えた分の移動量を吸収するような機構がなければ、サブクラッチの動作に影響が出る。ここでは、このような移動量を吸収させるために、一対のワンウェイ噛み合い部を有する位置補正機構を採用している。
【0010】
トランスミッションの入力軸と質量部とを連動させる、すなわちサブクラッチを接続するのに必要な力によっては、一対のワンウェイ噛み合い部の噛み合う位置は変わらない。
サブクラッチを接続させる力よりも大きな力がかかると、両ワンウェイ噛み合い部の相対移動不可能な方向と反対の方向に両ワンウェイ噛み合い部が相対移動して、両ワンウェイ噛み合い部の噛み合い位置が変わる。
【0011】
メインクラッチの摩擦材が摩耗すると、サブクラッチが接続した後も、サブクラッチを操作する部材が移動しようとして位置補正機構のワンウェイ噛み合い部にサブクラッチを接続させる力よりも大きな力がかかる。このとき、一対のワンウェイ噛み合い部は、相対移動して噛み合い位置が変わり、メインクラッチの摩擦材の磨耗量に対応したサブクラッチを操作する部材の移動量をメインクラッチの摩擦材が摩耗する前の移動量に保つ。
【0012】
このように、メインクラッチの摩擦材が摩耗したときにも、位置補正機構によってサブクラッチを構成する部材の位置が保たれ、サブクラッチの作動が適正に行われる。
請求項3に記載のフライホイール組立体は、フライホイールと、ダイナミックダンパーとを備えている。フライホイールはエンジンのクランク軸に回転不能に連結される。このフライホイールには、トランスミッションの入力軸と連結されているクラッチディスク組立体が断続する。ダイナミックダンパーは、請求項1又は2に記載のものである。
【0013】
ここでは、ダイナミックダンパーをフライホイールとともにフライホイール組立体に組み込んでいる。このため、エンジンのクランク軸、あるいはクラッチディスク組立体やトランスミッションの入力軸と合体させるときに組み付けが容易となる。
請求項4に記載のフライホイール組立体は、請求項3に記載のフライホイール組立体において、プレート部材をさらに備えている。プレート部材は、内周部がエンジンのクランク軸に固定され、外周部がフライホイールに固定される。このプレート部材は、所定の剛性を有しており、回転軸に沿った振動を吸収する。
【0014】
ここでは、エンジンのクランク軸とフライホイールとの間にプレート部材を挿入しているので、フライホイール組立体によって軸方向の振動をも減少させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態におけるダイナミックダンパーを含むフライホイール組立体の縦断面を図1に示す。ダイナミックダンパー10は、エンジンのクランク軸8とトランスミッションの入力軸9との接続及び接続解除を行う連結機構1に含まれるものであって、サブクラッチ13によってトランスミッションの入力軸9に接続されてトランスミッションの振動を制振する役割を果たす。
【0016】
連結機構1は、主として、ダイナミックダンパー10を含むフライホイール組立体2と、クラッチカバー組立体4及びクラッチディスク組立体5から成るメインクラッチ3とにより構成されている。この連結機構1の回転軸は、図1の軸O−Oである。
フライホイール組立体2は、エンジンのクランク軸8に回転不能に連結されるものであり、主として、フライホイール2aと、フレキシブルプレート組立体2bと、ダイナミックダンパー10とから構成される。図7に、フライホイール組立体2の組立分解図を示す。フライホイール2aとフレキシブルプレート組立体2bとは、図1に示すように、互いの外周部にて連結されている。フレキシブルプレート組立体2bは、厚肉の円板の内周部分に薄肉のフレキシブルプレート2cの一端が固定される構造となっており、フレキシブルプレート2cの他端は、円周方向に等間隔に配置された7つのボルト8aによって、エンジンのクランク軸8に固定されている。ダイナミックダンパー10については後述する。
【0017】
メインクラッチ3のクラッチカバー組立体4は、主として、クラッチカバー4aと、環状のダイヤフラムスプリング4bと、ダイヤフラムスプリング4bによってエンジン側(図1の左側)に付勢されるプレッシャープレート4cとから構成されている。クラッチカバー4aは、外周部がフライホイール2aのトランスミッション側(図1の右側)の端部に固定されている。クラッチカバー4aの内周部は、図示しないワイヤリングを介してダイヤフラムスプリング4bの径方向中間部分を支持している。プレッシャープレート4cは、ダイヤフラムスプリング4bの外周部等によりクラッチカバー4a内に保持されている。このプレッシャープレート4cは、ダイヤフラムスプリング4bの内周端を図示しないレリーズベアリングで回転軸O−Oに沿った方向(以下、軸方向という。)に移動させて、ダイヤフラムスプリング4bで付勢させる、あるいはそのダイヤフラムスプリング4bの付勢を解除させることにより、軸方向に移動する。このクラッチカバー組立体4は、フライホイール2aに対してプレッシャープレート4cを付勢することで、クラッチディスク組立体5をフライホイール2aとプレッシャープレート4cとの間に挟持して、フライホイール組立体4とクラッチディスク組立体5とを摩擦係合させる役割を果たす。
【0018】
メインクラッチ3のクラッチディスク組立体5は、主として、摩擦フェーシング5aを有する摩擦係合部と、内周部がトランスミッションの入力軸9とスプライン係合しているスプラインハブ5cと、摩擦係合部とスプラインハブ5cとを回転方向に弾性的に連結するコイルスプリング5bとから構成されている。
次に、ダイナミックダンパー10の構造について詳述する。
【0019】
ダイナミックダンパー10は、主として、質量体(質量部)11と、弾性部組立体(弾性部)12と、入力プレート(入力部)14と、サブクラッチ13とから構成される。
質量体11は、図1及び図2に示すように、断面が概ね外周側に開く三角形状である環状の質量体本体部11aの内周側に環状の円板部11bが一体に形成されたものである。円板部11bには、図2に示すように、円周方向に等間隔に配置される円孔11cが10個設けられている。
【0020】
弾性部組立体12は、図1及び図3に示すように、質量体11と入力プレート14とを弾性的に連結するものである。この弾性部組立体12は、図3〜図5に示すように、筒状のゴム部材21と、ゴム部材21の外周面に固定される外周側筒状部材22と、ゴム部材21の内周面に固定される内周側筒状部材23とから構成される。外周側筒状部材22及び内周側筒状部材23は鋼製の部材である。
【0021】
ゴム部材21は、本体部(第1ゴム部)21aと、本体部21aの外周側(図3の上側)かつトランスミッション側(図3の右側)に位置する外周突起部21bとが一体に形成されたものである。また、ゴム部材21には、図4及び図5に示すように、本体部21aを軸方向に貫通する空洞21cが2つ設けられている。図4及び図5において、方向R1及びR2は円周方向に沿った方向を表し、方向D1は径方向に沿った方向を表している。空洞21cは、図4に示すように、径方向に長い概ね長円形の空洞であり、円周方向の長さ(以下、隙間という。)がそれぞれsである。
【0022】
内周側筒状部材23は、ゴム部材21の軸方向の長さに等しい長さの筒形状の部材である。
外周側筒状部材22は、軸方向の長さが内周側筒状部材23の軸方向の長さよりも短い概ね筒形状の部材であり、筒状部22aと、筒状部22aのトランスミッション側端部から外周側に延びる折れ曲がり部22bとから構成される。折れ曲がり部22bのトランスミッション側の面は外周突起部21bのエンジン側の面に接着されている。
【0023】
上記の弾性部組立体12は、図1及び図7に示すように、質量体11の円孔11c内に配置される。そして、弾性部組立体12は、外周側筒状部材22の筒状部22aの外周面が円孔11cの内周面に固定され、内周側筒状部材23がピン16を介して入力プレート14の外周部に連結されることで、質量体11と入力プレート14とを円周方向、軸方向、及び径方向に弾性的に連結する。
【0024】
弾性部組立体12の円周方向の弾性は、質量体11と入力プレート14との間のトルク伝達量が小さいときには、主として、ゴム部材21の本体部21aのうち内周側筒状部材23の径方向両側の部分の曲げ剛性によって決まる。また、質量体11と入力プレート14との間のトルク伝達量が大きくなると質量体11と入力プレート14とが回転方向に相対移動して一方の空洞21cの隙間sが消滅して(図12参照)、弾性部組立体12の円周方向の弾性は、主として、ゴム部材21の本体部21aのうち内周側筒状部材23の円周方向側部の部分であって隙間sが消滅した空洞21c側の部分の圧縮剛性によって決まる。図12からわかるように、一方の空洞21cの隙間sが消滅した後は、質量体11と入力プレート14とは、殆ど弾性的にではなく、およそ剛に連結された状態となる。
【0025】
弾性部組立体12の軸方向の弾性は、主として、ゴム部材21の外周突起部21bの軸方向の圧縮剛性によって決まる(図3参照)。
弾性部組立体12の径方向の弾性は、主として、ゴム部材21の本体部21aのうち内周側筒状部材23の径方向両側の部分の径方向の圧縮剛性によって決まる(図3〜図5参照)。
【0026】
入力プレート14は、図1、図7、及び図8に示すように、環状円板部14aと、コーン部14bと、円筒部14cと、凹部14dとを有しており、一体に形成される。この入力プレート14は、内周部がボールベアリング(軸受)6の内輪6bに固定されている。このボールベアリング6の外輪6aがエンジンのクランク軸8に固定されているので、入力プレート14は、エンジンのクランク軸8に対して、軸方向及び径方向に移動不能に、回転方向に回転自在に支持される状態となる。
【0027】
環状円板部14aの外周部には、図3及び図7に示すように、ピン16の回転方向及び径方向の移動を規制する孔14fと、ピン16の頭16aのエンジン側への移動を規制する切欠き14gとが設けられている。弾性部組立体12は、ピン16の頭16aのエンジン側(図3の左側)への移動規制によって、エンジン側への移動が規制される。また、弾性部組立体12は、内周側筒状部材23のトランスミッション側端部及び外周突起部21bのトランスミッション側の面が環状円板部14aのエンジン側の面と当接することによって、トランスミッション側への移動が規制される。
【0028】
コーン部14bは、環状円板部14aの内周端から、内周側に且つエンジン側に斜めに延びている。コーン部14bの内周面には、図8に示すように、歯14e(第2ギア)が形成されている。
円筒部14cは、コーン部14bの内周端から、概ね軸O−Oに沿ってエンジン側に向かって延びている。この円筒部14cの内周面は、トランスミッション側からエンジン側に向かうに従って径が小さくなるような傾斜を有している。
【0029】
凹部14dは、円筒部14cの内周側に配置され、底面中央に芯部材15を貫通させ固定するための孔及び切欠きが設けられている。この凹部14dの外周面とボールベアリング6の内輪6bとは固定されている(図8参照)。
このように、質量体11は弾性部組立体12に、弾性部組立体12は入力プレート14に連結されており、入力プレート14はエンジンのクランク軸8に支持されているので、3者(質量体11,弾性部組立体12,入力プレート14)はエンジンのクランク軸8に回転自在に支持されている状態にある。
【0030】
サブクラッチ13は、上記3者(質量体11,弾性部組立体12,入力プレート14)をトランスミッションの入力軸9に接続及び接続解除するクラッチ機構であって、ギア噛み合い式のものである。このサブクラッチ13は、主として、シンクロギア組立体30と、シンクロブロック41と、リターンスプリング42と、スナップリング43とから構成される(図7参照)。
【0031】
シンクロギア組立体30は、図6及び図8に示すように、主として、本体31と、減力機構33と、ワンウェイ係止部材34と、ワイヤリング39とから成り、位置補正機構32を備えている。
本体31は、主として、円筒状の大筒部31aと、大筒部31aのエンジン側端から外周側に延びた部分に形成されたシンクロギア(第1ギア)31bと、大筒部31aのエンジン側端から内周側に延びた部分からエンジン側に延びる小筒部31cとから構成される。
【0032】
大筒部31aの内周面にはトランスミッションの入力軸9とスプライン係合するスプライン溝31fが形成されており(図6参照)、本体31はトランスミッションの入力軸9とスプライン係合してトランスミッションの入力軸9に対して軸方向に移動可能にかつ回転方向に回転不能な状態にある。大筒部31aの外周面には、図6に示すように、ワンウェイ溝31dが設けられている。ワンウェイ溝31dのエンジン側(図6の左側)の面は、回転軸O−Oに概ね直交している。ワンウェイ溝31dのトランスミッション側(図6の右側)の面は、外周端よりも内周端のほうがトランスミッション側に位置する傾斜を有している。
【0033】
シンクロギア31bは、入力プレート14のコーン部14bの歯14eに対向しており、サブクラッチ13が接続解除の状態(図8の状態)のときには歯14eとの間にわずかな隙間を有しており、サブクラッチ13が接続状態(図10の状態)のときには歯14eと噛み合った状態となる。
小筒部31cは、大筒部31aの径よりも小さい径を有する円筒形状であって、内周面が芯部材15と軸方向に移動自在に当接している。小筒部31cの外周面のエンジン側(図8の左側)には歯が形成されており、小筒部31cの外周面のトランスミッション側(図8の右側)には環状の溝31eが形成されている。溝31eは、その両側面によって、ワイヤリング39の本体31に対する軸方向の移動を規制する。また、溝31eの内周面の径はワイヤリング39の内径よりも小さく設定されており、溝31e内におけるワイヤリング39の内周側への弾性変形が許容される。
【0034】
減力機構33は、スプラインハブ5cから入力される軸方向に沿った力を所定の値に落として本体31に伝える機構である。この減力機構33は、図6に示すように、伝達部材35と、スプリング36と、スプリング保持部材37と、リング38とから構成されている。伝達部材35のトランスミッション側の端部は、図1に示すように、スプラインハブ5cのエンジン側の端面に当接する。スプリング保持部材37は、図6に示すように、筒状の内周保持部37aと、内周保持部37aのエンジン側端から外周側に延びる軸方向規制部37bとから成っている。また、内周保持部37aの外周面のトランスミッション寄りの部分には、リング38を固定する溝37cが形成されている。スプリング36は、内径が内周保持部37aの外径とほぼ等しい2枚の環状の皿ばねであり、伝達部材35のエンジン側の端面と軸方向規制部37bのトランスミッション側の端面との間に保持される。リング38は、溝37cに固定され、伝達部材35のトランスミッション側への移動を規制する。
【0035】
ワンウェイ係止部材34は、環状の円板であって、減力機構33と本体31との軸方向の力の伝達を仲介する部材であり、かつ、本体31のワンウェイ溝31dとともに位置補正機構32を構成する部材である。ワンウェイ係止部材34の内周面は、トランスミッション側端の径がエンジン側端の径よりも小さくなる傾斜を有している。なお、このワンウェイ係止部材34の内周面の傾斜は、ワンウェイ溝31dのトランスミッション側の面の傾斜とほぼ等しい傾斜である。ワンウェイ係止部材34のトランスミッション側の面は減力機構33のスプリング保持部材37の軸方向規制部37bに当接している。また、ワンウェイ係止部材34は、所定の弾性を有しており、内周面にかかる径方向外側への力によって径方向外側に膨らむように弾性変形をする。
【0036】
位置補正機構32は、ワンウェイ係止部材34とワンウェイ溝31dと(一対のワンウェイ噛み合い部)の噛み合い、及びワンウェイ係止部材34の弾性変形を利用した機構である(図6参照)。この位置補正機構32は、減力機構33と本体31との間の軸方向の力の伝達量が所定の値(F1)以下の場合には減力機構33と本体31との軸方向の相対移動をさせず、減力機構33と本体31との間の軸方向の力の伝達量が(F1)以上になった場合には減力機構33の本体31に対する位置をエンジン側にずらすものである。減力機構33と本体31との間の軸方向の力の伝達量が(F1)以下の場合、減力機構33をエンジン側に移動させようとする力は、ワンウェイ係止部材34の内周面とワンウェイ溝31dのトランスミッション側の面との当接部分を介して本体31に伝わる。これにより、減力機構33の移動量とほぼ同じだけ本体31が移動する。これに対し、減力機構33と本体31との間の軸方向の力の伝達量が(F1)を超えた場合、ワンウェイ係止部材34の内周面とワンウェイ溝31dのトランスミッション側の面との当接部分におけるワンウェイ係止部材34と本体31とに互いに作用する径方向に沿った反力が所定値(F2)を超える。すると、ワンウェイ係止部材34が(F2)によって弾性変形をして、ワンウェイ係止部材34の内径がワンウェイ溝31dのトランスミッション側の面の外径よりも大きくなる。これにより、減力機構33と本体31とを軸方向に連結していたワンウェイ係止部材34とワンウェイ溝31dとの噛み合いがはずれ、すなわち、減力機構33と本体31との連結が一時的に解除され、減力機構33が本体31に対してエンジン側に移動する。そして、ワンウェイ係止部材34とワンウェイ溝31dとは再び新たな位置で噛み合う状態となる。
【0037】
ワイヤリング39は、断面が円形で、所定の弾性を有するリングであって、図8に示すように、溝31eに配置されている。
シンクロブロック41は、内周部がシンクロギア組立体30の本体31の小筒部31cとスプライン係合しており、本体31に回転不能かつ軸方向の移動が可能に支持されている。このシンクロブロック41は、一端がワイヤリング39の外径よりも大きな径を有し他端がワイヤリング39の外径よりも小さな径を有しておりエンジン側にいくに従って径の小さくなるコーン状斜面41aを有している(図8参照)。このコーン状斜面41aは、ワイヤリング39と当接し、ワイヤリング39との間で力のやりとりを行う。シンクロブロック41の外周面には摩擦材45が貼り付けられている。このシンクロブロック41の外周面及び摩擦材45の外面(摩擦面)は、入力プレート14の円筒部14cの内周面とほぼ同じ傾斜を有しており、サブクラッチ13を接続状態とするときに円筒部14cの内周面と摩擦係合する。
【0038】
リターンスプリング42は、4枚の環状の皿ばねであって、内周端が芯部材15の外周面と当接している。このリターンスプリング42は、エンジン側端が入力プレート14の凹部14dと当接し、トランスミッション側端がシンクロギア組立体30の本体31の小筒部31cと当接しており、シンクロギア組立体30の本体31をトランスミッション側に付勢している。
【0039】
スナップリング43は、断面が長方形のリングであり、入力プレート14の円筒部14cの内周面のトランスミッション側端に設けられた溝にはめ込まれる。このスナップリング43は、シンクロブロック41のトランスミッション側端の外周部分と当接して、シンクロブロック41の軸方向のトランスミッション側への移動を規制する。
【0040】
次に、連結機構1及びダイナミックダンパー10の動作について説明する。
エンジンのクランク軸8の回転はフライホイール組立体2及びメインクラッチ3を介してトランスミッションの入力軸9に伝達される。
メインクラッチ3が接続解除の状態、すなわちクラッチディスク組立体5がフライホイール2a及びプレッシャープレート4cと摩擦係合していないときには、スプラインハブ5cは図1に示すような軸方向の位置にあり、サブクラッチ13は図8に示す状態(接続解除の状態)にある。図8に示すサブクラッチ13は、シンクロギア31bが歯14eと噛み合っておらず、シンクロブロック41の摩擦材45も入力プレート14の円筒部14cと摩擦係合していない。したがって、シンクロギア組立体30やシンクロブロック41はトランスミッションの入力軸9と共に回転しているが、入力プレート14、弾性部組立体12、及び質量体11はトランスミッションの入力軸9の動きとは無関係な状態にある。
【0041】
メインクラッチ3を接続させるときには、ダイヤフラムスプリング4bの付勢力によりプレッシャープレート4cをフライホイール2a側に移動させて、クラッチディスク組立体5をフライホイール2aとプレッシャープレート4cとの間に挟持させる。これにより、エンジンのクランク軸8とトランスミッションの入力軸9とが連結される。このとき、周知のように、フレキシブルプレート組立体2bのフレキシブルプレート2cがエンジンのクランク軸8の軸方向の振動を吸収し、クラッチディスク組立体5のコイルスプリング5bなどがトルク変動を減衰・吸収する。
【0042】
メインクラッチ3を接続状態とすると、クラッチディスク組立体5のスプラインハブ5cが軸方向に沿ってエンジン側に移動する。すると、このスプラインハブ5cが伝達部材35をエンジン側に押し、スプリング36が所定量だけ圧縮される(図9参照)。この図9の状態になるまでの間は、スプリング36の反力により本体31がエンジン側に力を受ける。しかし、シンクロブロック41のコーン状斜面41aによりワイヤリング39の軸方向の移動が規制されているため、本体31は殆ど軸方向に移動しない。ただし、スプリング36の反力が大きくなるに従って、ワイヤリング39は内周側に径が小さくなるような弾性変形をする。そして、ワイヤリング39の弾性反力により、シンクロブロック41は、径方向外側に力を受け、入力プレート14の円筒部14cに押し付けられていく。このようにして、図9の状態になるまでに、シンクロブロック41の摩擦材45と入力プレート14の円筒部14cとの摩擦により、だんだんとトランスミッションの入力軸9と入力プレート14との回転数が同期していく。
【0043】
図9に示すよりも更にスプリング36が圧縮されていくと、スプリング36の反力及びワイヤリング39の弾性変形量が大きくなり、変形したワイヤリング39の外径がコーン状斜面41aの内径よりも小さくなる。すると、ワイヤリング39がシンクロブロック41から受ける力がシンクロブロック41の内周面との摩擦抵抗による力だけになり、この力はスプリング36の反力に較べて十分に小さいため、スプリング36が伸長し、本体31が軸方向に沿ってエンジン側に移動し、リターンスプリング42が圧縮され、シンクロギア31bが歯14eと噛み合う(図10参照)。このとき、図9の状態において既にある程度トランスミッションの入力軸9と入力プレート14との回転が同期しているため、シンクロギア31bと歯14eとの噛み合いがスムースとなる。これ以降は、主としてシンクロギア31bと歯14eとの噛み合いによってトランスミッションの入力軸9とダイナミックダンパー10とが連結されるため、十分なトルク伝達容量が確保される。
【0044】
ダイナミックダンパー10がトランスミッションの入力軸9に連結されると、トランスミッションのニュートラル時の中立音や走行時の異音がダイナミックダンパー10により制振される。特に部分回転域でのトランスミッションの振動がダイナミックダンパー10によりアクティブに制振される。
この連結機構1が長期間使用されると、メインクラッチ3のクラッチディスク組立体5の摩擦フェーシング5aが摩耗して軸方向の厚さが減少する。すると、スプラインハブ5cの軸方向の移動量が従前よりも大きくなる。この場合、図10に示す状態から更に減力機構33がエンジン側に移動する。しかし、本体31は完全に圧縮されたリターンスプリング42を介して入力プレート14の凹部14dによってエンジン側への移動ができない状態にあるので、本体31と減力機構33との間に大きな反力が発生する。この反力は、本体31のワンウェイ溝31dのトランスミッション側の面を介してワンウェイ係止部材34を径方向外側に押し出す。これにより、ワンウェイ係止部材34が径方向外側に膨らむような弾性変形をして、ワンウェイ係止部材34とワンウェイ溝31dとの係止が解除され、本体31に対して減力機構33がエンジン側にずれる(図11参照)。このようにして、摩擦フェーシング5aの摩耗に対応して本体31と減力機構33との軸方向の位置関係が補正され、本体31のトランスミッション側端と伝達部材35のトランスミッション側端との距離が図10に示すmから図11に示すnとなる。
【0045】
また、サブクラッチ13のシンクロブロック41の摩擦材45が摩耗すると、ワイヤリング39がシンクロブロック41のコーン状斜面41aを押す力のうち軸方向に沿った分力によってシンクロブロック41がトランスミッション側に移動する。すると、図11に示すように、シンクロブロック41と入力プレート14との軸方向の相対位置がずれて、入力プレート14の円筒部14cの内周面の傾きにより摩擦材45の摩耗分が補填される。なお、図11では、シンクロブロック41と入力プレート14との相対位置のずれ量はpであり、スナップリング43とシンクロブロック41との間には長さpの隙間が空く。
【0046】
メインクラッチ3が解除されスプラインハブ5cがトランスミッション側に移動すると、リターンスプリング42の反力によりサブクラッチ13の各構成部品もトランスミッション側に移動して、サブクラッチ13が接続解除の状態となる。
次に、本実施形態の構造を採ることによる効果について説明する。
【0047】
第1に、質量体11を質量体11の内周側において径方向及び軸方向に支持している。すなわち、トランスミッションの入力軸9に接続される入力プレート14と質量体11とをゴム部材21を含む弾性部組立体12によって連結することにより、質量体11の入力プレート14に対する回転方向、径方向、及び軸方向の位置の保持の役割を弾性部組立体12に集中させる構造を採っている。このため、質量体11の外周側等に別個の支持機構などを配置する必要がなく、この分だけ質量体11の質量を増大させることが可能となってダンパー特性の設定範囲が拡大している。また、弾性部組立体12が異方性を有しているため、ダンパー特性に対応する弾性部組立体12の回転方向の弾性設定と、他の部材との干渉回避等のために質量体11の支持に必要な弾性部組立体12の径方向の弾性設定とが両立させることができている。
【0048】
第2に、ダイナミックダンパー10は、ゴム部材21を弾性部組立体12に採用したため、弾性部組立体12は回転方向及び軸方向に弾性を有することとなり、軸方向の振動に対しても作用して軸方向の振動をも制振する。また、トランスミッションの捩り振動に対する固有振動数と軸方向の振動に対する固有振動数とが異なることから捩り振動を特に制振したい周波数領域と軸方向の振動を特に制振したい周波数領域とは異なるが、回転方向及び軸方向に弾性を有するゴム部材21に外周突起部21bを設けているため弾性部の回転方向の弾性と弾性部の軸方向の弾性とを別々に設定することが可能となり、捩り振動を特に制振したい周波数領域での捩り振動及び軸方向の振動を特に制振したい周波数領域での軸方向の振動をそれぞれ効率よく低減できる。
【0049】
第3に、本実施形態のダイナミックダンパー10では、ゴム部材21の劣化を抑えることができる。すなわち、ダイナミックダンパー10には、メインクラッチ3が接続してトランスミッションの入力軸9が回転し始めるときなどに、大きなトルクが作用する。このようなトルクが作用すると、ゴム部材に強度上許容されない過剰な応力がかかりゴム部材が劣化する原因となる。しかし、ここでは、ゴム部材21に所定の隙間sを持った空洞21cを設けている。これにより、トランスミッションの入力軸9に接続された入力プレート14と質量体11との間に大きなトルクが作用しても、ゴム部材21の所定の変形の後には、空洞21cの隙間sが消滅して入力プレート14と質量体11とはほぼ剛に連結された状態となり、ゴム部材21の大部分には隙間sがなくなる所定の変形に対応する力以上の力は作用しなくなる。したがって、ダイナミックダンパー10にゴム部材21を採用した場合においても、ゴム部材21の強度を確保することができる。また、ここでは、外周側筒状部材22と内周側筒状部材23との間のゴム部材21の形状を筒状としているので、円周方向に力が作用するときのゴム部材21における応力集中が抑えられる。
【0050】
第4に、複数の弾性部組立体12により入力プレート14と質量体11とを連結する構造を採っているため、弾性部組立体12の円周方向両側に入力プレート14の連結部分及び質量体11の連結部分を配置することができ、入力プレート14から質量体11へと伝達される力は、ゴム部材21の剪断ではなく主としてゴム部材21の圧縮及び曲げを介して伝わる。このように、ゴム部材21においては、剪断変形が抑えられ、主として剪断変形に対して比較的許容範囲の広い曲げ変形や圧縮変形が発生する。したがって、主としてゴム部材21の剪断を介して入力プレート14と質量体11とを連結する場合に較べて、ゴム部材21の材質を上げることなく、あるいはダンパー特性を犠牲にしてゴム部材21の剛性をあげることなく、ゴム部材21、弾性部組立体12、入力プレート14との連結部分、及び質量体11との連結部分などに作用する応力が低減している。
【0051】
第5に、サブクラッチ13に摩擦係合式のものに較べて一般にトルク伝達容量が大きいギア噛み合い式のクラッチを採用しているため、サブクラッチ13が小型化しており、サブクラッチ13を連結機構1の内周部分に配置することができ、連結機構1の大型化が抑えられている。また、シンクロブロック41をサブクラッチ13に採用したことで、シンクロギア31bと入力プレート14の歯14eとの噛み合いがスムースとなり、また、シンクロギア31b及び入力プレート14の歯14eの損傷も抑えられる。
【0052】
第6に、サブクラッチ13が位置補正機構32を有しているため、メインクラッチ3の摩擦フェーシング5aが摩耗したときにも、サブクラッチ13の接続及び接続解除の動作に対する悪影響が抑えられている。すなわち、摩擦フェーシング5aが摩耗しても、摩耗する前と同様に、ダイナミックダンパー10は有効に作動し、トランスミッションの振動が制振される。
【0053】
第7に、この連結機構1では、ボールベアリング6の外輪6aをエンジンのクランク軸8に固定し、ボールベアリング6の内輪6bをダイナミックダンパー10の入力プレート14に固定している。これにより、従来無駄になっていたボールベアリングの内周側のスペースを有効に利用することが可能となり、ここでは、ボールベアリング6の内周側のスペースを利用してサブクラッチ13を配置している。このようにサブクラッチ13を連結機構1の内周部分に配置しているため、連結機構1の大型化が抑えられている。
【0054】
【発明の効果】
本発明では、サブクラッチが位置補正機構を有しているため、トランスミッションの入力軸に断続するダイナミックダンパーの作動状態を悪化させるメインクラッチの摩擦材の摩耗による影響が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるフライホイール組立体の縦断面図。
【図2】質量体の平面図。
【図3】弾性部組立体の縦断面図。
【図4】弾性部組立体の正面図(エンジン側より見る)。
【図5】弾性部組立体の裏面図(トランスミッション側より見る)。
【図6】減力機構周辺の断面拡大図。
【図7】フライホイール組立体の組立分解図。
【図8】サブクラッチの状態断面図。
【図9】サブクラッチの状態断面図。
【図10】サブクラッチの状態断面図。
【図11】サブクラッチの状態断面図。
【図12】弾性部組立体の状態平面図。
【符号の説明】
1 連結機構
2 フライホイール組立体
2a フライホイール
2c フレキシブルプレート(プレート部材)
3 メインクラッチ
4 クラッチカバー組立体
5 クラッチディスク組立体
5a 摩擦フェーシング(摩擦材)
8 エンジンのクランク軸
9 トランスミッションの入力軸
10 ダイナミックダンパー
11 質量体(質量部)
12 弾性部組立体(弾性部)
13 サブクラッチ
14 入力プレート(入力部)
14e 歯(第2ギア)
21 ゴム部材
31b シンクロギア(第1ギア)
31d ワンウェイ溝(ワンウェイ噛み合い部)
32 位置補正機構
34 ワンウェイ係止部材(ワンウェイ噛み合い部)
41 シンクロブロック[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dynamic damper and a flywheel assembly, and more particularly to a dynamic damper that suppresses vibration in conjunction with an input shaft of a transmission.
[0002]
[Prior art]
The present applicant has developed a prior art such as Japanese Patent Publication No. 6-48031 for this type of dynamic damper and flywheel assembly.
In these prior arts, the second flywheel, which is the mass part, is connected to the drive transmission system via the torsion damper mechanism only when the clutch disc is pressed against the first flywheel, thereby suppressing the torsional vibration of the drive transmission system. Shaking. Thus, the gear gear rattling sound (neutral sound) in the neutral state and the vibration and noise of the transmission during traveling are suppressed, and the transmission shifting operation during the clutch disengagement is suppressed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the above prior art, the friction plate of the friction damping mechanism (sub-clutch) moves corresponding to the amount of movement of the clutch disk in the axial direction, and the second flywheel and the drive transmission system are connected.
However, the clutch disk has a facing (friction material), and this facing is worn by friction with the first flywheel and the like. When the facing is worn, the amount of movement of the clutch disk in the axial direction changes, which affects the operation of the sub-clutch. That is, there is a problem that the torque transmission capacity of the sub-clutch is deviated from a predetermined value due to wear of the facing of the clutch disk, or that the connection between the second flywheel and the drive transmission system by the sub-clutch is not performed properly. In this case, the dynamic damper does not work effectively according to the wear of the facing, and the vibration suppression of the drive transmission system is deteriorated.
[0004]
The subject of this invention is suppressing the influence by abrasion of the facing (friction material) of the connection mechanism which worsens the operating state of the dynamic damper intermittently connected to a drive transmission system (input shaft of a transmission).
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The dynamic damper according to claim 1 is a dynamic damper that can follow the input shaft of the transmission in the coupling mechanism,An input section;Part by mass;An elastic part;Sub clutchAndI have. The connection mechanism is a mechanism for connecting the crankshaft of the engine and the input shaft of the transmission, and has a friction material.With clutch disc assemblyIncludes main clutch.The input part includes an annular disk part, is disposed between the clutch disk assembly and the crankshaft of the engine, and can rotate in conjunction with the rotation of the input shaft of the transmission.Parts by massIt is arrange | positioned at the outer peripheral side of the input part. The elastic part elastically connects the input part and the mass part. The sub-clutch is disposed between the clutch disc assembly and the input unit, and connects the transmission input shaft and the input unit when the engine crankshaft and the transmission input shaft are connected by the main clutch,When the connection between the engine crankshaft and the transmission input shaft is released by the main clutch,inputRelease the link with the part.And the 2nd gear is formed in the inner peripheral end of the annular disc part of an input part, and the sub clutch has a main body, a transmission member, and a position correction mechanism. The main body has a first gear on the outer peripheral side that engages with the input shaft of the transmission so as to be movable in the axial direction and is not relatively rotatable, and meshable with the second gear. The transmission member moves the main body to the engine side in conjunction with the movement of the clutch disk assembly on the engine side. The position correction mechanism corrects the axial position of the transmission member with respect to the main body following the amount of wear of the friction material of the clutch disk assembly.
[0006]
In the coupling mechanism including the dynamic damper, torque input from the crankshaft of the engine is transmitted to the input shaft of the transmission via the main clutch. When the main clutch is in the connected state, the dynamic damper is linked to the rotation of the input shaft of the transmission by the sub clutch. Therefore, neutral noise during transmission and abnormal noise during running are damped by the dynamic damper. Here, since a dynamic damper is used instead of an inertia damper that simply adds inertia to avoid resonance, vibration of the input shaft of the transmission in the partial rotation region can be suppressed. For this reason, vibration can be reduced to a level that cannot be reduced by the inertia damper.
[0007]
Further, the sub-clutch has a position correction mechanism, and when the friction material of the main clutch is worn, the wear does not greatly affect the operation of connecting and releasing the sub-clutch. For this reason, even if the friction material of the main clutch is worn, the dynamic damper acts effectively and the transmission vibration is suppressed as before the friction material of the main clutch is worn.
[0008]
A dynamic damper according to a second aspect is the one according to the first aspect, wherein the position correction mechanism of the sub-clutch has a pair of one-way meshing portions. The pair of one-way meshing portions mesh with each other only in one direction. The meshing position of the pair of one-way meshing portions is the same as the input shaft of the transmission.inputIt varies depending on the force greater than the force required to link the parts.
[0009]
When the friction material of the main clutch wears, the amount of movement of the member that operates the sub clutch that is released increases as the main clutch is released. Therefore, if there is no mechanism for absorbing the increased amount of movement, the operation of the sub-clutch will be affected. Here, in order to absorb such a movement amount, a position correction mechanism having a pair of one-way meshing portions is employed.
[0010]
Depending on the force required to link the input shaft and the mass part of the transmission, that is, to connect the sub-clutch, the meshing positions of the pair of one-way meshing parts do not change.
When a force greater than the force for connecting the sub-clutch is applied, the one-way meshing portions move relative to each other in the direction opposite to the direction in which the two-way meshing portions cannot be moved relative to each other, and the meshing positions of the two-way meshing portions change.
[0011]
When the friction material of the main clutch wears, even after the sub-clutch is connected, a force greater than the force for connecting the sub-clutch to the one-way meshing portion of the position correction mechanism is applied as the member that operates the sub-clutch tries to move. At this time, the pair of one-way meshing portions move relative to each other to change the meshing position, and the amount of movement of the member that operates the sub-clutch corresponding to the amount of wear of the friction material of the main clutch is the amount before the friction material of the main clutch wears. Keep it moving.
[0012]
As described above, even when the friction material of the main clutch is worn, the position of the member constituting the sub-clutch is maintained by the position correction mechanism, and the sub-clutch is appropriately operated.
A flywheel assembly according to a third aspect includes a flywheel and a dynamic damper. The flywheel is non-rotatably coupled to the engine crankshaft. The flywheel is intermittently connected to a clutch disc assembly connected to the input shaft of the transmission. The dynamic damper is the one described in
[0013]
Here, the dynamic damper is incorporated in the flywheel assembly together with the flywheel. This facilitates assembly when the engine is combined with the crankshaft of the engine, the clutch disk assembly, or the input shaft of the transmission.
A flywheel assembly according to a fourth aspect is the flywheel assembly according to the third aspect, further comprising a plate member. The plate member has an inner periphery fixed to the crankshaft of the engine and an outer periphery fixed to the flywheel. The plate member has a predetermined rigidity and absorbs vibration along the rotation axis.
[0014]
Here, since the plate member is inserted between the crankshaft of the engine and the flywheel, the flywheel assembly can also reduce axial vibration.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A longitudinal section of a flywheel assembly including a dynamic damper according to an embodiment of the present invention is shown in FIG. The
[0016]
The coupling mechanism 1 mainly includes a
The
[0017]
The
[0018]
The
Next, the structure of the
[0019]
The
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0020]
As shown in FIGS. 1 and 3, the
[0021]
The
[0022]
The inner peripheral
The outer
[0023]
The
[0024]
When the torque transmission amount between the
[0025]
The elasticity of the
The elasticity in the radial direction of the
[0026]
As shown in FIGS. 1, 7, and 8, the
[0027]
As shown in FIGS. 3 and 7, the outer peripheral portion of the
[0028]
The
The cylindrical portion 14c extends from the inner peripheral end of the
[0029]
The
Thus, the
[0030]
The sub-clutch 13 is a clutch mechanism that connects and disconnects the above three members (the
[0031]
As shown in FIGS. 6 and 8, the
The
[0032]
A
[0033]
The
The small
[0034]
The
[0035]
The one-
[0036]
The position correction mechanism 32 is a mechanism that utilizes meshing of the one-
[0037]
The
The
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
Next, operations of the coupling mechanism 1 and the
The rotation of the
When the
[0041]
When the
[0042]
When the
[0043]
When the
[0044]
When the
When the coupling mechanism 1 is used for a long period of time, the friction facing 5a of the
[0045]
Further, when the
[0046]
When the
Next, the effect by taking the structure of this embodiment is demonstrated.
[0047]
First, the
[0048]
Secondly, since the
[0049]
Thirdly, in the
[0050]
Fourthly, since the structure in which the
[0051]
Fifth, since a gear meshing clutch having a larger torque transmission capacity is generally used for the sub-clutch 13 than a friction engagement type, the sub-clutch 13 is downsized, and the sub-clutch 13 is connected to the coupling mechanism 1. The connection mechanism 1 can be prevented from being enlarged. Further, by adopting the
[0052]
Sixth, since the sub-clutch 13 has the position correction mechanism 32, even when the friction facing 5a of the
[0053]
Seventh, in this connection mechanism 1, the outer ring 6 a of the
[0054]
【The invention's effect】
In the present invention, since the sub-clutch has the position correction mechanism, the influence of the friction material of the main clutch that deteriorates the operating state of the dynamic damper that is intermittently connected to the input shaft of the transmission is suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a flywheel assembly according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a plan view of a mass body.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view of an elastic part assembly.
FIG. 4 is a front view of the elastic part assembly (viewed from the engine side).
FIG. 5 is a rear view of the elastic part assembly (viewed from the transmission side).
FIG. 6 is an enlarged cross-sectional view around a reduction mechanism.
FIG. 7 is an exploded view of the flywheel assembly.
FIG. 8 is a sectional view showing a state of a sub-clutch.
FIG. 9 is a sectional view of the sub clutch.
FIG. 10 is a sectional view of a state of a sub clutch.
FIG. 11 is a sectional view of a state of a sub clutch.
FIG. 12 is a state plan view of an elastic part assembly.
[Explanation of symbols]
1 Linking mechanism
2 Flywheel assembly
2a flywheel
2c Flexible plate (plate member)
3 Main clutch
4 Clutch cover assembly
5 Clutch disc assembly
5a Friction facing (friction material)
8 Engine crankshaft
9 Transmission input shaft
10 Dynamic damper
11 Mass (parts by mass)
12 Elastic part assembly (elastic part)
13 Sub clutch
14 Input plate (input part)
14e Teeth (second gear)
21 Rubber material
31b Synchro gear (first gear)
31d One-way groove (one-way meshing part)
32 Position correction mechanism
34 One-way locking member (one-way meshing part)
41 Synchro block
Claims (4)
前記クラッチディスク組立体とエンジンのクランク軸との間に配置され、前記トランスミッションの入力軸の回転と連動して回転し得る、環状円板部を含む入力部と、
前記入力部の外周側に配置された質量部と、
前記入力部と前記質量部とを弾性的に連結する弾性部と、
前記クラッチディスク組立体と前記入力部との間に配置され、前記メインクラッチによって前記エンジンのクランク軸と前記トランスミッションの入力軸とが連結しているときに前記トランスミッションの入力軸と前記入力部とを連結し、前記メインクラッチによって前記エンジンのクランク軸と前記トランスミッションの入力軸の連結が解除されるときに前記トランスミッションの入力軸と前記入力部との連動を解除するサブクラッチとを備え、
前記入力部の環状円板部の内周端には第2ギアが形成されており、
前記サブクラッチは、
前記トランスミッションの入力軸に対して軸方向に移動可能かつ相対回転不能に係合するとともに、前記第2ギアと噛み合い可能な第1ギアを外周側に有する本体と、
前記クラッチディスク組立体のエンジン側の移動に連動して前記本体をエンジン側に移動させるための伝達部材と、
前記クラッチディスク組立体の摩擦材の摩耗量に追従して前記本体に対する前記伝達部材の軸方向位置を補正する位置補正機構とを有する、
ダイナミックダンパー。In a connecting mechanism that connects a crankshaft of an engine and an input shaft of a transmission including a main clutch provided with a clutch disk assembly having a friction material, a dynamic damper that can be driven by the input shaft of the transmission,
An input part including an annular disk part disposed between the clutch disk assembly and the crankshaft of the engine and capable of rotating in conjunction with rotation of the input shaft of the transmission;
A mass part arranged on the outer peripheral side of the input part ;
An elastic part for elastically connecting the input part and the mass part;
The transmission disk is disposed between the clutch disk assembly and the input unit, and when the crankshaft of the engine and the input shaft of the transmission are connected by the main clutch, the input shaft of the transmission and the input unit are connected. And a sub-clutch that releases the linkage between the input shaft of the transmission and the input unit when the connection between the crankshaft of the engine and the input shaft of the transmission is released by the main clutch,
A second gear is formed at the inner peripheral end of the annular disk portion of the input portion,
The sub-clutch is
A main body that engages with the input shaft of the transmission in an axially movable and non-rotatable manner and has a first gear that can mesh with the second gear on the outer peripheral side;
A transmission member for moving the main body to the engine side in conjunction with the movement of the clutch disk assembly on the engine side;
A position correction mechanism for correcting the axial position of the transmission member with respect to the main body following the amount of wear of the friction material of the clutch disk assembly;
Dynamic damper.
請求項1又は2に記載のダイナミックダンパーと、
を備えたフライホイール組立体。A flywheel that is non-rotatably connected to the crankshaft of the engine, and a clutch disk assembly that is connected to the input shaft of the transmission is intermittent;
The dynamic damper according to claim 1 or 2,
Flywheel assembly with
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