JP3633805B2 - セラミック電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばセラミックコンデンサのようなセラミック電子部品に関し、より詳細には、セラミック素体の端面に形成された端子電極の構造が改良されたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化に伴い、プリント回路基板などに表面実装可能なセラミック電子部品が広く用いられている。この種のセラミック電子部品を基板上に実装した状態を図4に示す。
【0003】
セラミック電子部品51は、セラミック素体52の両端面に端子電極53,54を形成した構造を有する。端子電極53,54が半田55,56によりプリント回路基板57上の電極(図示せず)に電気的に接続されるとともに、セラミック電子部品51がプリント回路基板57に固定されている。
【0004】
ところで、半田55,56による半田付けを行ったプリント回路基板57が、図4の破線Xで示すようにたわむことがある。プリント回路基板57がたわむと、実装されているセラミック電子部品51に外力が加わり、セラミック素体52においてクラックが発生したり、セラミック電子部品51とプリント回路基板57との接合部分が部分的に破壊したり、電気的特性が劣化したりすることがある。
【0005】
そこで、上記のようなプリント回路基板57のたわみなどに起因する外力を吸収し得るセラミック電子部品が提案されている。例えば、特開平5−144665号公報などには、熱硬化性樹脂に金属粉末を混合してなる電極層を設けることにより、上記外力の吸収を図り得る構成が示されている。図5を参照して、この従来のセラミック電子部品を説明する。
【0006】
図5に示すセラミック電子部品61では、セラミック焼結体よりなるセラミック素体62内に、内部電極63a〜63dがセラミック層を介して重なり合うように配置されている。セラミック素体62の対向端面62a,62bに、それぞれ、端子電極64,65が形成されている。
【0007】
端子電極64,65は、それぞれ、第1の電極層64a,65a、第2の電極層64b,65b及び第3の電極層64c,65cを積層した構造を有する。第1の電極層64a,65aは、導電ペーストの塗布・焼付けにより形成されている。第2の電極層64b,65bは、金属粉末にバインダとして熱硬化性樹脂を添加してなる材料を塗工し、硬化させることにより形成されている。第3の電極層64c,65cは、半田付け性を高めるために形成されており、第2の電極層64b,65b上にSnや半田等をめっきすることにより形成されている。
【0008】
第2の電極層64b,65bが、上記のように金属粉末に熱硬化性樹脂を添加してなる材料により構成されているので、該熱硬化性樹脂によりプリント回路基板のたわみ等に起因する外力が吸収される。また、上記熱硬化性樹脂をマトリクスとするため、第2の電極層64b,65bは無孔性であり、加工中またはセラミック電子部品61の駆動中における外部からの水分の侵入を遮断することができ、それによって電気的特性の安定化を図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したセラミック電子部品61においても、プリント回路基板に実装された後に、プリント回路基板が大きくたわんだ場合には、加わる外力を十分に吸収することができないことがあった。すなわち、第2の電極層64b,65bにより外力が一応吸収されるものの、電極層64b,65bによる外力の吸収には限度があった。
【0010】
特に、第2の電極層64b,65bの導電性を高めるべく、金属粉末の含有割合を高めた場合には、外力吸収効果がかなり低下しがちであった。
本発明の目的は、プリント回路基板などに実装された際にプリント回路基板のたわみ等に起因する外力が加わったとしても、そのような外力を効果的に吸収することができ、セラミック素体の割れやクラックが生じ難く、かつ電気的特性の劣化も生じ難い、信頼性に優れたセラミック電子部品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対向し合う一対の端面と、一対の端面を結ぶ上面、下面及び一対の側面とを有するセラミック素体の各端面に端面だけでなく、上面、下面及び一対の側面に至る被り部を有するように端子電極が形成されている表面実装型のセラミック電子部品において、前記端子電極が、金属ペーストの焼き付けまたはめっきにより形成された第1の電極層と、第1の電極層上に形成されており、導電性樹脂よりなる第2の電極層とを有し、前記セラミック素体の端面と、上面、下面及び一対の側面とのなす端縁が曲率半径Rの曲面状となるように丸められており、前記端子電極の第1の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部と、該第1の電極層が形成されている端面との間の長さ寸法をA、前記対向し合う一対の端面を結ぶセラミック素体の長さ寸法をBとしたときに、A≦0.1Bであり、かつR≧A≧0.5Rとされており、第2の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部が、第1の電極層の相手方の端子電極側端部よりも相手方端子電極に向かって少なくとも50μm以上延ばされていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るセラミック電子部品では、第2の電極層上に、さらに第3の電極層が形成されていてもよく、第3の電極層としては、半田付け性を高めるために、SnまたはSn合金のめっき膜を含むものが好適に用いられる。
【0013】
また、本発明に係るセラミック電子部品は、外部電極を有する積層セラミック電子部品であってもよく、その場合には、セラミック素体内に複数の内部電極が配置されており、複数の内部電極が一対の端面の何れかに引き出されて端子電極に電気的に接続されることになる。もっとも、本発明は、積層セラミック電子部品だけでなく、内部電極を有しない形式のセラミック電子部品にも適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明することにより、本発明をより具体的に説明する。
【0015】
図1(a)は、本発明の一実施例に係るセラミック電子部品としての積層コンデンサを示す断面図である。積層コンデンサ1は、略直方体状のセラミック焼結体からなるセラミック素体2を有する。セラミック素体2は、対向し合っている一対の端面2a,2bと、端面2a,2bを結ぶ上面2c,2d及び両側面(図示されず)とを有する。セラミック素体2内には、セラミック層を介して重なり合うように内部電極3〜6が形成されている。内部電極3,5は、端面2aに引き出されており、内部電極4,6は、端面2bに引き出されている。
【0016】
また、セラミック素体2においては、コーナー部が丸められている。すなわち、端面2a,2bと、上面2c,下面2d及び両側面とのなす端縁が曲率半径Rの曲面状となるように丸められている(図1(b)参照)。
【0017】
上記セラミック素体2は、周知の積層セラミック電子部品の製造方法に従って得られる。すなわち、内部電極3〜6が印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、上下に無地のセラミックグリーンシートを適宜の枚数積層し、厚み方向に加圧することにより積層体を得る。この積層体を焼成し、セラミック焼結体を得る。得られたセラミック焼結体を、バレル研磨などにより研磨し、上記端面2a,2bと、上面2c,下面2d及び両側面とをなす端縁を丸めることにより、セラミック素体2が得られる。
【0018】
セラミック素体2の端面2a,2bを覆うように、端子電極7,8が形成されている。端子電極7,8は、それぞれ、第1の電極層7a,8a、第2の電極層7b,8b及び第3の電極層7c,8cを順に積層した構造を有する。
【0019】
第1の電極層7a,8aは、セラミック素体2の端面2a,2b上にAgペーストなどの金属ペーストを塗布し、焼き付けることにより形成されている。もっとも、第1の電極層7a,8aは、導電ペーストの塗布・焼付けではなく、いわゆる金属の乾式めっきにより形成されてもよい。
【0020】
第1の電極層7a,8a上に形成されている第2の電極層7b,8bは、例えばエポキシ樹脂にフィラーとしてAgを含ませた導電性樹脂により構成されている。すなわち、導電性樹脂を第1の電極層7a,8a上に塗布し、硬化させることにより第2の電極層7b,8bが形成されている。
【0021】
第3の電極層7c,8cは、第2の電極層7b,8b上にNiめっき膜及び/またはSnやSn合金めっき膜を形成することにより構成されており、それによって端子電極7,8の半田付け性が高められている。
【0022】
本実施例のセラミック電子部品1においては、端子電極7,8の第1の電極層7a,8aの被り部の相手方の端子電極側端部と該第1の電極層7a,8aが形成されている端面2a,2bとの間の長さ寸法をA、セラミック素体の長さ寸法をBとしたときに、A≦0.1Bとされている。
【0023】
上記長さ寸法Aを、図1(a)を参照して端子電極8を例に取り説明する。端子電極8の第1の電極層8aは、端面2bだけでなく、上面2c、下面2d及び両側面にも至るように、すなわち被り部を有するように形成されている。ここで、第1の電極層8aの被り部の相手方の端子電極側端部8a1 とは、第1の電極層8aの被り部の内、端子電極7側の端部8a1 をいうものとする。この被り部の相手方の端子電極側端部8a1 と、第1の電極層8aが形成されている端面2bとの間のセラミック素体2の長さ方向に沿う距離をAとする。
【0024】
また、セラミック素体の長さ寸法Bは、一対の端面2a,2bを結ぶ方向に沿うセラミック素体の外形寸法をいうものとする。
また、本実施例では、セラミック素体2の端面2a,2bと、上面2c、下面2d及び一対の側面とのなす端縁が曲率半径Rの曲面状となるように丸められており、かつR≧Aとされている。
【0025】
さらに、第2の電極層7b,8bの被り部の相手方端子電極側端部は、第1の電極層の被り部の相手方端子電極側端部よりも相手方の端子電極に向かって少なくとも50μm以上延ばされている。これを、図1(b)を参照して端子電極8を例に取り説明する。第2の電極層8bの被り部の相手方の端子電極側端部8b1 と、第1の電極層8aの被り部の相手方端子電極側端部8a1 との間の距離Cが、少なくとも50μm以上とされている。
【0026】
本実施例では、上記のように、A≦0.1Bであり、R≧Aであり、距離Cが50μm以上とされており、さらに第2の電極層7b,8bが導電性樹脂により構成されているので、後述の実験例から明らかなように、プリント回路基板に表面実装された際にプリント回路基板が大きくたわんだとしても、該たわみに起因する外力を効果的に吸収することができ、それによっててセラミック素体2の欠けや割れを効果的に抑制することができる。
【0027】
次に、具体的な実験例につき説明する。
リラクサ系セラミックスを用い、80層の内部電極3〜6が形成されている、2.0mm×1.2mmの外形寸法のセラミック焼結体を用意した。このセラミック焼結体の端面2a,2bと、上面2c、下面2d及び一対の側面とがなす端縁をバレル研磨により研磨し、該端縁部分を丸めた。このようにして、該端縁部分が丸められて構成された曲面の曲率半径Rが120μmであるセラミック素体2を得た。
【0028】
このセラミック素体2に、Agペーストを塗布し、焼き付けることにより、30μmの厚みの第1の電極層7a,8aを形成した。次に、第1の電極層7a,8a上に、導電性エポキシ樹脂を塗工し、厚み120μmの導電性樹脂よりなる第2の電極層7b,8bを形成した。さらに、第2の電極層7b,8b上に、Niめっき層及び半田めっき層を順に形成し、2層構造の第3の電極層7c,8cを形成した。
【0029】
上記のようにして積層コンデンサを得るにあたり、第1の電極層7a,8aの被り部の相手方の端子電極側端部と該端子電極7,8が形成されている端面7a,8aとの間の長さ寸法Aを種々異ならせ、長さ寸法Aが0.04B、0.07B、0.14B、0.21Bの各積層コンデンサを得た。
【0030】
また、曲率半径がR=170μm、R=200μmと異なるセラミック素体を用いて、各々長さ寸法AをA=0.05B〜0.30B、A=0.06B〜0.35Bとした種々の積層コンデンサを得た。
【0031】
上記のようにして得られた各積層コンデンサを、図2(a)に示すように、2mmの厚みのガラスエポキシ基板11上に、半田を用いて表面実装した。しかる後、ガラスエポキシ基板11の上面を、図2(b)に示すように、積層コンデンサ1が実装されている面が突出するようにたわませた。この場合、端面2a,2bを結ぶ方向の中心において、ガラスエポキシ基板11の上面が上方に5mm突出するようにガラスエポキシ基板11をたわませた。
【0032】
上記のようにしてガラスエポキシ基板11をたわませた場合のセラミック素体2におけるクラックや割れの発生を目視により観察した。結果を下記の表1〜3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表1〜3から明らかなように、長さ寸法Aがセラミック素体2の長さ寸法Bの10%以下であり、かつ研磨により曲面とされた部分の曲率半径R以下となるように長さ寸法Aを設定することにより、セラミック電子部品1におけるセラミック素体2の欠けや割れを防止し得ることがわかる。
【0037】
これに対して、長さ寸法Aがセラミック素体2の長さ寸法Bの10%を超えると、長さ寸法Aとコーナー部分の曲面の曲率半径Rとの関係の如何に関わらず、セラミック素体2のクラックや割れがかなりの割合で発生した。また、長さ寸法Aを長さ寸法Bの10%以下とした場合であっても、被り部の上記長さ寸法Aをコーナー部分の曲率半径Rよりも大きくした場合には、やはりセラミック素体2の欠けや割れがかなりの割合で発生した。
【0038】
上記のように、A≦0.1Bであり、かつR≧Aとすることにより、セラミック素体2の割れや欠けを抑制し得るのは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、ガラスエポキシ基板11がたわんだ場合、該たわみに起因する応力は、焼き付けにより形成された第1の電極層7a,8aの相手方端子電極側端部7a1 ,8a1 に集中する。従って、図3(b)に略図的に示すように外力Fがセラミック焼結体2に部分的に集中する。
【0039】
しかしながら、セラミック素体2の端面2a,2bと、上面2c、下面2d及び一対の側面とのなす端縁が丸められており、かつR≧Aの場合には、図3(a)に示すように、この曲面部分において外F力が分散し、それによってセラミック素体2に加わる外力の分散によりセラミック素体2の割れや欠けが抑制されるものと考えられる。そして、この応力の分散程度が、上記長さ寸法Aとセラミック素体2の長さ寸法Bとの関係、及び上記曲面部分の曲率半径Rと第1の電極層の電極被り部の長さ寸法Aとの関係に依存するため、A≦0.1B、かつR≧Aとすることにより、セラミック素体2の割れや欠けを抑制し得るものと考えられる。
【0040】
次に、上記実験例と同様にして、但し、第2の電極層7b,8bの被り部の相手方の端子電極側端部と、第1の電極層の被り部の相手方端子電極側端部との間の距離Cを種々異ならせ、種々の積層コンデンサを得た。なお、第2の実験例においては、R=120μm、A=0.07Bとした。上記のようにして得た種々の積層コンデンサについて、第1の実験例と同様にたわみ試験を行い、セラミック素体2にクラックや割れが生じているか否かを目視により確認した。結果を下記の表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
表4から明らかなように、R=120μm、A=0.07Bであり、かつ距離Cが50μm未満の場合には、R≧Aであったとしても、セラミック素体2の割れや欠けがかなりの割合で発生していることがわかる。これに対して、距離Cを50μm以上とした場合には、A≦0.1B及びR≧Aを満たした場合、セラミック素体2の割れや欠けを確実に抑制し得ることがわかる。
【0043】
従って、本発明のように、第1の電極層の電極被り部における上記長さ寸法Aを、セラミック素体の長さ寸法Bの10%以下とし、かつ上記セラミック素体2の端縁の丸められている部分の曲率半径Rを長さA以上とし、さらに前述した距離Cを50μm以上とすることにより、プリント回路基板などに実装された際のプリント回路基板などのたわみに起因する外力を効果的に吸収することができ、セラミック素体2の割れや欠けを確実に抑制し得ることがわかる。
【0044】
なお、上記実施例では、第2の電極層7b,8b上にめっき性及び半田付け性を高めるためにNiめっき層及びSnめっき層からなる第3の電極層7c,8cを形成したが、第3の電極層は単一のめっき膜で形成してもよく、さらに第3の電極層は特に形成されずともよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係るセラミック電子部品では、端子電極が金属ペーストの焼き付けまたは金属の乾式めっきにより形成された第1の電極層と、導電性樹脂よりなる第2の電極層とを有し、セラミック素体の端面と、上面、下面、及び一対の側面とがなす端縁が曲率半径Rの曲面となるように丸められており、上記第1の電極層の電極被り部の相手方の端子電極側端部と該第1の電極層が形成されている端面との間の長さ寸法Aがセラミック素体の長さ寸法Bの10%以下であり、R≧Aとされており、第2の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部が、第1の電極層の被り部の相手方端子電極側端部よりも相手方端子電極に向かって少なくとも50μm以上延ばされているので、プリント回路基板などに実装された際に、プリント回路基板が周囲温度の変化などによりたわんだとしても、セラミック素体の割れや欠けを確実に防止することができる。従って、加工時及び使用時のセラミック素体の不良を低減することができるとともに、電気的特性が安定であり、信頼性に優れたセラミック電子部品を提供することが可能となる。
【0046】
また、第2の電極層上にSnまたはSn合金をめっきすることにより形成されためっき膜を有する第3の電極層を形成した場合には、プリント回路基板などに実装する際の半田付け性を高めることができる。
【0047】
本発明においては、上記セラミック素体は、内部電極を有しないものであってもよく、内部電極を有するものであってもよい。内部電極を有する場合、複数の内部電極は一対の端面に引き出されて端子電極に電気的に接続されるが、このような内部電極を有するセラミック素体を用いることにより、従来から周知の積層コンデンサなどに本発明を好適に用いることができ、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るセラミック電子部品を説明するための縦断面図及び上部を拡大して示す部分切欠縦断面図。
【図2】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るセラミック電子部品をガラスエポキシ基板に実装した状態及びガラスエポキシ基板をたわませた状態を説明するための各略図的側面図。
【図3】(a)及び(b)は、基板がたわんだ際にセラミック素体に加わる応力を説明するための図であり、(a)は従来のセラミック電子部品に応力が加わった状態を説明するための部分切欠断面図、(b)は本発明の一実施例に係るセラミック電子部品における応力が加わった状態を説明するための部分切欠断面図。
【図4】従来のセラミック電子部品を説明するための側面図。
【図5】従来のセラミック電子部品の一例を説明するための縦断面図。
【符号の説明】
1…セラミック電子部品
2…セラミック素体
2a,2b…端面
2c…上面
2d…下面
3〜6…内部電極
7,8…端子電極
7a,8a…第1の電極層
7b,8b…第2の電極層
7c,8c…第3の電極層
8a1 …第1の電極層の電極層被り部の相手方端子電極側端部
Claims (3)
- 対向し合う一対の端面と、一対の端面を結ぶ上面、下面及び一対の側面とを有するセラミック素体の各端面に端面だけでなく、上面、下面及び一対の側面に至る被り部を有するように端子電極が形成されている表面実装型のセラミック電子部品において、
前記端子電極が、金属ペーストの焼き付けまたはめっきにより形成された第1の電極層と、第1の電極層上に形成されており、導電性樹脂よりなる第2の電極層とを有し、
前記セラミック素体の端面と、上面、下面及び一対の側面とのなす端縁が曲率半径Rの曲面状となるように丸められており、
前記端子電極の第1の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部と、該第1の電極層が形成されている端面との間の長さ寸法をA、前記対向し合う一対の端面を結ぶ方向に沿うセラミック素体の長さ寸法をBとしたときに、A≦0.1Bであり、かつR≧A≧0.5Rとされており、
前記第2の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部が、第1の電極層の被り部の相手方の端子電極側端部よりも相手方の端子電極に向かって少なくとも50μm以上延ばされていることを特徴とする、セラミック電子部品。 - 前記第2の電極層上に形成されており、かつSnまたはSn合金めっき膜を含む第3の電極層をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック電子部品。
- 前記セラミック素体内に配置された複数の内部電極を有し、複数の内部電極が一対の端面の何れかに引き出されて前記端子電極に電気的に接続されている、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
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JP35492098A JP3633805B2 (ja) | 1998-12-14 | 1998-12-14 | セラミック電子部品 |
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