JP3628737B2 - 測距装置及び測距方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の焦点検出領域において測距を行い、該焦点検出領域に対応して検出された複数の距離データより最適のデータを選択する測距装置及び測距方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラへの各種情報の入力は、例えばダイアルや釦等の操作に基づいて行われており、当該入力情報が増加するに従って操作環境は煩雑になり、視線情報を活用することは有効な解決案になっている。
【0003】
ここで、上記視線情報を自動焦点調節(以下、AFと略記する)に応用する技術については、従来より種々の提案がなされている。
例えば特開平3−219218号、特開平4−307506号公報では、視線による位置又は当該位置付近のフォーカスポイントより最適位置を選択する技術が開示されている(先行例1)。そして、特開昭63−94232号、特開平4−221943号公報では、視線の動きに応じて、それぞれの領域に重み付けを行いフォーカスポイントを設定する技術が開示されている(先行例2)。
【0004】
さらに、特開平4−138434号公報では、視線信号の信頼性を評価して、信頼性が低い場合は視線情報を使わない方式にてフォーカスポイントの選択を行う技術が開示されている(先行例3)。この他、AFのみのアルゴリズムに関してもマルチ測距のみのアルゴリズムにてフォーカスポイントを設定する技術が開示されている(先行例4)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、AFへの視線情報の応用に関して、カメラでの視線検出では、撮影時に撮影者が主要被写体を見つめることを前提に、撮影者が見つめているフォーカスポイントの情報に基づいてAFが行われているのだが、現状のコンパクトカメラにおいてはカメラの小型化に従ってファインダを覗くとファインダ全体を目を動かすこと無くほぼ見ることが可能であり、特に注意を払わない場合など目が中央付近に固定されることも多々あり問題となっていた。
【0006】
さらに、マルチAFのアルゴリズムでは、高確率にて最適なフォーカスポイントの選択を行っているので、かかる状況下では、視線情報を加味して主要被写体を判定すると、かえって最適に写された写真に悪影響を及ぼしめる可能性がある為、失敗写真にのみ視線情報を加味することが望まれていた。
【0007】
また、前述した先行例に係る技術においては、以下に示すような課題を含んでいた。即ち、上記先行例1では、視線情報のみに依存するため撮影者が主要被写体に注目しなかった場合は間違った選択をするおそれがあると共に、銀塩写真の場合はフォーカスポイントが離散的に配置され1つのフォーカスポイントはかなり狭い領域にあり、注目した所にフォーカスポイントが存在する確率は低くなり必ずしも最適のフォーカスポイントの選択が可能かは疑わしかった。
【0008】
そして、上記先行例2では、特に小型化されたコンパクトカメラでは、ファインダを注視する際に、目を開いて動かす必要性が非常に少ない為、目の動きが主要被写体に必ずしも対応しないものとなっていた。さらに、上記先行例3では、マルチ測距のアルゴリズムにて高い確率で最適なフォーカスポイント設定が可能ではあるが、撮影者の意志を反映することができなかった。また、上記先行例4では、視線信号の信頼性を高めるにはエリアセンサを用いた高度な検出が必要となり、コストが高く、処理時間もかかり問題があった。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、視線情報と該視線情報の信頼性に係る情報と、カメラの測距情報とを総合的に評価し、焦点検出領域に対応して検出された複数の距離データより最適な距離データを選択することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様によれば、複数のフォーカスポイントを測距する多点測距手段と、上記多点測距手段により検出された距離情報に応じて測距重み値を求め、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う測距重み付け手段と、ストロボ装置と、上記ストロボ装置の発光条件と、発光時における到達光量とを判定し、ストロボ重み値を求め、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行うストロボ重み付け手段と、撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、上記視線検出手段にて検出された視線方向に対応する視線検出ブロックを判定し、そのブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う視線重み付け手段と、上記視線検出手段により得られたデータの信頼性を評価し信頼性度合を求める検出信頼性判定手段と、上記検出信頼性判定手段にて検出された信頼性度合に応じて、それぞれのフォーカスポイントにおいて視線重み付け手段により得られた視線重み値に所定係数を乗じた重み付けを行う信頼性重み付け手段と、を具備し、上記測距重み値と上記ストロボ重み値と上記所定係数を乗じた視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントを選択することを特徴とする測距装置が提供される。
この態様において、上記ストロボ重み付け手段は、測距情報とストロボ発光光量とに基づき露光がアンダーとなる度合に応じた重み付けを行うようにしてもよい。
【0013】
【作用】
即ち、本発明の1つの態様では、多点測距手段により複数のフォーカスポイントが測距され、測距重み付け手段により上記多点測距手段により検出された距離情報に応じて測距重み値が求められ、それぞれのフォーカスポイントに重み付けが行われ、ストロボ重み付け手段により上記ストロボ装置の発光条件と発光時における到達光量とが判定され、ストロボ重み値が求められ、それぞれのフォーカスポイントに重み付けが行われ、視線検出手段により撮影者の視線方向が検出され、視線重み付け手段により上記視線検出手段にて検出された視線方向に対応する視線検出ブロックが判定され、そのブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み付けが行われ、視線信頼性判定手段により上記視線検出手段により得られたデータの信頼性が評価され信頼性度合が求められ、信頼性重み付け手段により上記検出信頼性判定手段にて検出された信頼性度合に応じて、それぞれのフォーカスポイントにおいて視線重み付け手段により得られた視線重み値に所定係数を乗じた重み付けが行われ、特に、上記測距重み値と上記ストロボ重み値と上記所定係数を乗じた視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントが選択される。
また、上記ストロボ重み付け手段により、測距情報とストロボ発光光量とに基づき露光がアンダーとなる度合に応じた重み付けが行われる。
【0016】
【実施例】
先ず、図1(a)乃至図1(c)には、本発明の概念図を示し説明する。
図1(a)に示される測距装置を用いたカメラは、複数点を測距可能なマルチ測距部2と、撮影者の注視点を検出可能な視線検出部3、複数のフォーカスエリアより最適なフォーカスエリアを決定するフォーカスエリア決定部1により構成され、マルチ測距部2と視線検出部3は共にフォーカスエリア決定部1に接続されている。
【0017】
このような構成において、マルチ測距部2は複数点を測距し、該測距値をフォーカスエリア決定部1に出力する。視線検出部3は撮影者の注視点情報を検出し、該注視点情報をフォーカスエリア決定部1に出力する。フォーカスエリア決定部1はマルチ測距部2の測距情報の遠近関係に基づいて各々のフォーカスエリアに重み付け(得点を与える)をして、視線検出部3の注視点の出力値に基づいて各フォーカスエリアに重み付けをして、各々の総和にて最も得点の高いフォーカスエリアを選択する。また、同得点の場合は中央優先、至近優先、視線優先等の所定の規則に基づいて判断を行う。
【0018】
このように、図1(a)に示される測距装置では、マルチ測距にて得られた測距情報に応じて各フォーカスポイントに重みをもたせ、さらに視線検出によって得られたファインダ内の位置に相当する情報より各フォーカスポイントに重みをもたせ、各フォーカスポイントの重み値が最高のものを選択する。
【0019】
図1(b)に示される測距装置を用いたカメラは、複数点を測距可能なマルチ測距部2と撮影者の注視点を検出可能な視線検出部3、該視線検出部3から出力される信号の信頼性を判定する信頼性判定部4、複数のフォーカスエリアより最適なフォーカスエリアを決定するフォーカスエリア決定部1により構成され、マルチ測距部2と視線検出部3は共にフォーカスエリア決定部1に接続され、信頼性判定部4は視線検出部3とフォーカスエリア決定部1に接続されている。
【0020】
このような構成において、マルチ測距部2は複数点を測距し、該測距値をフォーカスエリア決定部1に出力する。視線検出部3は撮影者の注視点情報を検出し注視点情報をフォーカスエリア決定部1に出力する。信頼性判定部4は視線検出部3の検出信号より信号の信頼性を複数評価して信頼性の度合をフォーカスエリア決定部1に出力する。フォーカスエリア決定部1はマルチ測距部2の測距情報の遠近関係に基づいて各々のフォーカスエリアに重み付け(得点を与える)をして、視線検出部3の注視点の出力値に基づいて各フォーカスエリアに重み付けをして、信頼性判定部4の信頼性情報(0.0〜1.0の間の値)を視線によって重み付けられた各フォーカスエリアの得点に乗し、測距情報での重み付け値と視線情報によって重み付けられた値に信頼性情報を掛けた値の総和にて最も得点の高いフォーカスエリアを選択する。また、同得点の場合は中央優先、至近優先、視線優先等の所定の規則に基づいて判断を行う。
【0021】
このように、図1(b)に示される測距装置では、マルチ測距にて得られた測距情報に応じて各フォーカスポイントに重みをもたせ、さらに視線検出によって得られたファインダ内の位置に相当する情報より各フォーカスポイントに重みをもたせ、また視線信号の信頼性を判断し信頼性の度合に応じて上記視線情報より得られた各フォーカスポイントの重みに所定の係数を掛け新しい重みを設定する各フォーカスポイントの重みは測距情報より得られた重みと信頼性を加味した視線情報より得られた重みの加算値にて決定される。
【0022】
図1(c)に示される測距装置を用いたカメラは、複数点を測距可能なマルチ測距部2と撮影者の注視点を検出可能な視線検出部3、該視線検出部3から出力される信号の信頼性を判定する信頼性判定部4、被写体の明るさを検出する測光部5、ストロボ部6、ストロボ部6の発光の条件を設定するストロボ制御部7、フィルムのISO感度を検出するISO検出部8、複数のフォーカスエリアより最適なフォーカスエリアを決定するフォーカスエリア決定部1により構成され、マルチ測距部2と視線検出部3は共にフォーカスエリア決定部1に接続され、信頼性判定部4は視線検出部3とフォーカスエリア決定部1に接続され、ストロボ制御部7はISO検出部8、測光部5、ストロボ部6とフォーカスエリア決定部1に接続され、ストロボ部6はフォーカスエリア決定部1に接続されている。
【0023】
このような構成において、マルチ測距部2は複数点を測距し測距をフォーカスエリア決定部1に出力する。視線検出部3は撮影者の注視点情報を検出し注視点情報をフォーカスエリア決定部1に出力する。信頼性判定部4は視線検出部3の検出信号より信号の信頼性を複数評価して信頼性の度合をフォーカスエリア決定部1に出力する。測光部5は被写体の明るさを測定し測定値をストロボ制御部7に出力する。ISO検出部8はフィルムのISO感度をストロボ制御部7に出力する。ストロボ制御部7は測光部5の明るさ情報とISO検出部8のISO感度値より発光条件を判定し、ストロボ発光の有無とストロボのガイドNoをフォーカスエリア決定部1に出力すると共に、該フォーカスエリア決定部1にて決定されたフォーカスエリアの測距情報に応じてストロボ光の光量制御を行う。そして、フォーカスエリア決定部1はマルチ測距部2の測距情報の遠近関係に基づいて各々のフォーカスエリアに重み付け(得点を与える)をして、視線検出部3の注視点の出力値に基づいて各フォーカスエリアに重み付けをして、信頼性判定部4の信頼性情報(0.0〜1.0の間の値)を視線によって重み付けられた各フォーカスエリアの得点に乗し、ストロボ制御部7からのストロボ発光有無、ガイドNoと測距情報よりストロボ光の到達光量に応じて各フォーカスエリアに重み付けをして、測距情報での重み付け値と視線情報によって重み付けられた値に信頼性情報を掛けた値とストロボ光量による重み付けの総和にて最も得点の高いフォーカスエリアを選択する。また、同得点の場合は中央優先、至近優先、視線優先等の所定のルールにて判断を行う。
【0024】
このように、図1(c)に示される測距装置では、マルチ測距にて得られた測距情報に応じて各フォーカスポイントに重みをもたせ、また、測距情報とストロボ発光条件とよりストロボ到達距離による重み付けを追加し、さらに視線検出によって得られたファインダ内の位置に相当する情報より各フォーカスポイントに重みをもたせ、また視線信号の信頼性を判断し信頼性の度合に応じて上記視線情報より得られた各フォーカスポイントの重みに所定の係数を掛け新しい重みを設定する。各フォーカスポイントの重みは測距情報より得られた重みと信頼性を加味した視線情報より得られた重みの加算値にて決定される。
【0025】
本発明は、基本的には上記3態様に大別されるが、以下、図面を参照して、本発明の実施例について更に詳細に説明する。尚、視線検出の方式については、赤目像の重心位置と角膜反射(第1プルキンエ像)を用いる方式を採用する(特公昭61−59132号、特開平2−5号公報等)。
【0026】
先ず図2には本発明の第1の実施例に係る測距装置を採用したカメラの構成を示し説明する。この第1の実施例は、カメラの3点のフォーカスエリア選択に使用したものであり、視線検出では1次元の検出を行っている。
【0027】
同図に示されるように、目に光束を投光するLED回路13はファインダ・視線光学系15とCPU11に接続され、目からの反射光束を受光するラインセンサ回路14はファインダ・視線光学系15とCPU11に接続される。CPU11は視線検出に関するLED回路13とラインセンサ回路(ピーク検出可能なデバイス例えばSIT等)14に接続されると共にマルチAF回路12とレンズ駆動回路16と測光回路17と1st,2ndレリーズスイッチに接続される。
【0028】
このような構成にて、LED回路13はCPU11からの制御信号を受けて、赤目(センサ位置において眼底からの反射光を発生する)、非赤目を発生させる位置に配置されたLEDを発光し、発光光束をファインダ・視線光学系15を介して目に送る。ラインセンサ14は投光された光束の目からの反射光束をファインダ・視線光学系15を介して受光し、検出信号をCPU11に送る。マルチAF回路12は複数点の測距を行い測距情報をCPU11に送る。測光回路17は被写体の明るさ情報をCPU11に送る。レンズ駆動回路16はCPU11からの制御信号に応じてレンズを駆動する。CPU11は視線検出系(LED回路13、ラインセンサ14)の制御すると共に得られた信号より視線方向を検出し、測光回路17の情報をも考慮した信頼性判定を行い、視線方向と信頼性より各フォーカスエリアに視線による重み付けを行い、マルチAF回路12からの測距情報にてAFによる重み付けを行い最適なフォーカスエリアを選択し、対応する測距情報にてレンズの駆動量を算出し、レンズ駆動回路16を制御する。
【0029】
ここで、上記ファインダ・視線光学系15の詳細な構成は図3に示される通りである。即ち、被写体からの光束は赤外カットフィルタ152、メインミラーMM、赤外のハーフミラーHM0、赤外のハーフミラーHM1を含むビームスプリッタ153を介して目に導かれる。視線検出用のLED回路13の光源LED0、LED1からの光束は赤外のハーフミラーHM0と赤外のハーフミラーHM1を含むビームスプリッタ153を介して目に導かれ、目からの反射光は赤外のハーフミラーHM1を含むビームスプリッタ153、可視光カットフィルタ151a、視線光学系154を介してラインセンサ回路14に導かれる。また、被写体からの光束は赤外カットフィルタ152の前面(被写体側)とビームスプリッタ153の後面(目側)に配置された可視光カットフィルタ151b,cにて制約を受けている。また、1次結像面付近には表示用LED156とパララックス補正用の液晶素子155が配置されている。赤目発生投光、受光軸をファインダの光軸とずらして配置してもよい。
【0030】
上記視線検出用の光源LED0、LED1による目からの反射光の状態は図4に示される通りである。即ち、図4(a)はLED0の投光によって検出される信号の状態を示し、赤目(眼底反射)状態の上に角膜反射信号が重畳されているのが判る。図4(b)はLED1の投光によって検出される信号の状態を示し、赤目(眼底反射)は発生していないのが判る。本実施例では、図4(a),(b)にて検出された信号の差分処理にて赤目(眼底反射)の信号を抜き出し、重心位置を検出することで瞳孔の中心位置を求める。
【0031】
図5はファインダのマスキングの状態を示す図である。同図に示されるように、撮影者の見える領域の外側に視線検出用の光束(赤外線光束)のみ透過するフィルタを設ける。これによって、アイポイントの自由度が高いカメラでも瞳孔がファインダによってけられ赤目像の重心検出の精度が低下することの防止ができる。つまり、検出系は常に撮影者の目全体を常に見ることができる。
【0032】
以下、図6のフローチャートを参照して、第1の実施例の測距装置を用いたカメラのシーケンスを説明する。カメラシーケンスの開始すると(ステップS1)、CPU11はイニシャライズを行う。ここでは、フォーカスエリアを中央に設定する(ステップS2)。続いて、CPU11は1stレリーズスイッチのON/OFFを判定し(ステップS3)、当該1stレリーズスイッチがOFFの場合にはステップS12へ移行し、1stレリーズスイッチがONの場合には測光回路17による測光(測光値Ex)、マルチAF回路12によるマルチ測距(FL、FC、FRの3点測距)を開始する(ステップS4)。
【0033】
さらに、CPU11は視線検出の必要性判断を行い(ステップS5)、3点とも測距情報がほぼ同じである場合やセルフタイマモード設定時等の如く視線検出が不要の場合には、フラグFpを“1”に設定してステップS8へ進む(ステップS7)。これに対して、視線検出が必要である場合には、CPU11は後述するサブルーチン“視線検出”を実行し、視線検出を行う(ステップS6)。
【0034】
続いて、CPU11は後述するサブルーチン“フォーカスエリア選択”を実行し、マルチAFの測距と測距情報の選択を行う(ステップS8)。そして、再度1stレリーズスイッチのON/OFFを判定し(ステップS9)、当該1stレリーズスイッチがOFFの場合にはステップS12へ進み、1stレリーズスイッチがONの場合には2ndレリーズスイッチのON/OFFを判定する(ステップS10)。そして、2ndレリーズスイッチがOFFの場合にはステップS9に戻り、2ndレリーズスイッチがONの場合には、CPU11はレンズ駆動回路16によるレンズ駆動、露出決定、露光などの撮影シーケンスを実行し(ステップS11)、本シーケンスを終了する(ステップS12)。
【0035】
尚、1stレリーズスイッチのON(ステップS3)に同期して最初に視線検出した後(おおまかな測光は同時に行う)、測光回路17による測光、マルチAF回路12による測距を行った後、視線の必要性を判断してもよい。更に視線検出と測光、測距を同時に行ってもよいことは勿論である。
【0036】
次に図7のフローチャートを参照して、図6のステップS6にて実行されるサブルーチン“視線検出”のシーケンスを説明する。
本サブルーチン“視線検出”を開始すると(ステップS21)、CPU11はイニシャライズを行う。ここでは、フラグFq,Ft,Fk,Fe1,Fe2を“0”とする(ステップS22)。続いて、LED0により赤目を発生させる投光(投光0)を行い(ステップS23)、後述するサブルーチン“信号検出”を実行して信号検出を行う(ステップS24)。
【0037】
続いて、CPU11は積分時間に関するフラグFtの状態を判定し(ステップS25)、当該フラグFtが“1”である場合にはステップS35へ進む。これに対して、フラグFtが“0”の場合にはCPU11は検出積分時間tsをt0に格納し(ステップS26)、画像信号を(E(i))をD0(i)に格納する(i:1〜N)(ステップS27)。
【0038】
続いて、CPU11はLED1により赤目を発生させない投光(投光1)を行い(ステップS28)、サブルーチン“信号検出”を実行して信号検出を行う(ステップS29)。そして、CPU11は積分時間に関するフラグFtの状態を判定し(ステップS30)、フラグFtが“1”である場合にはステップS35へ進む。これに対して、フラグFtが“0”の場合にはCPU11は検出積分時間tsをt1に格納し(ステップS31)、画像信号(E(i))をD1(i)(i:1〜N)に格納する(ステップS32)。
【0039】
続いて、CPU11は後述するサブルーチン“信号処理”を実行し、検出信号の信頼性判定及び視線方向を算出する(ステップS33)。そして、信頼性に関するフラグFkの状態を判定し(ステップS34)、フラグFkが“0”の場合にはステップS36に移行し、フラグFkが“1”である場合にはステップS35へ進み、視線信頼性のフラグFqを“1”に設定する(ステップS35)。こうして、視線位置の表示をLEDにて行い(ステップS36)、本シーケンスを終了する(ステップS37)。
【0040】
尚、上記ステップS36における視線位置表示の様子は図11に示される通りである。同図には、視線検出領域とフォーカスエリアが示されている。ファインダには、各領域に対応した表示用LED(他のカメラ表示と兼用してもよい)α,β,γと警告用のLEDが配置されている。
【0041】
次に図8のフローチャートを参照して、図7のステップS24,S29にて実行されるサブルーチン“信号検出(センサ制御)”のシーケンスを説明する。
サブルーチン“信号検出”を開始すると(ステップS41)、CPU11は先ずイニシャライズを行う。ここでは、積分に関するフラグFtを“0”とし、積分のリセット、タイマのリセット・スタートを行う(ステップS42)。
【0042】
続いて、積分を開始し(ステップS43)、積分時間のリミッタ判定を行う(ステップS44)。ここで、t>Tmax(Tmaxは積分のリミッタ時間で所定値)の場合にはステップS49へ移行し、フラグFtを“1”に設定し(ステップS49)、本シーケンスを終了する(ステップS50)。
【0043】
一方、t≦Tmaxの場合にはセンサのピークモニタレベルの判定を行う(ステップS45)。そして、ピーク判定しない場合にはステップS44へ戻り、ピーク判定した場合には積分(積分時間ts)を終了する(ステップS46)。
【0044】
続いて、積分時間tsの判定を行い(ステップS47)、ts<Tminの場合にはステップS49へ移行し、ts≧Tminの場合には信号E(i)(i=1〜N)の読み出し、処理(AGC、A/D等)を行い(ステップS48)、本シーケンスを終了する(ステップS50)。
【0045】
尚、積分制御は所定時間にて一度行い、結果に基づいて、一度目と異なる積分時間を設定して行うことを繰り返す方式でもよい。但し、時分割にて検出するときの対になるペアの積分時間はほぼ同じ(補正係数の誤差範囲)にて連続に行うとよい。また、積分時間にてノイズ成分の受光量がほぼ同一になるように投光光量も前もって調整しておくとよい。また、LED0による投光(投光0)時の検出は図8のシーケンスに基づいて行い、LED1による投光(投光1)時の検出を図9に示す方式により行ってもよい。図9のシーケンスでは、ピーク検出をしなくてもよいことになる(ステップS51〜S60)。
【0046】
次に図10のフローチャートを参照して、図7のステップS36にて実行されるサブルーチン“表示”のシーケンスを説明する。各領域が選択された場合は対応するLEDα,β,γが発光し、フラグFpが“1”の場合には警告LED(視線情報が使えない旨の表示)が発光する。そして、これらの表示は、撮影終了又は1stレリーズスイッチが離される等にて通常のカメラシーケンスから抜けた場合に消えるようになっている(ステップS61〜S69)。
【0047】
次に図12のフローチャートを参照して、図7のステップS33にて実行されるサブルーチン“信号処理”のシーケンスを説明する。
このサブルーチン“信号処理”を開始すると(ステップS71)、後述するサブルーチン“ゴースト処理”を実行した後(ステップS72)、外部の明るさに応じて変数h、rを設定する(ステップS73)。
【0048】
この変数hは、図14に示されるように、測光値Exに応じて階段的に設定される。この変数hの値は被写体が明るくなると小さくなるのに対して、変数rは被写体の明るさに依存しない値である。この変数rは角膜の反射像に関係するので被写体の明るさに依存しなくてもよいが、変数hは瞳孔を通る眼底反射光に関係するので明るさに大きく影響を受けるのである。
【0049】
続いて、データD0(i)をF(i)(i:1〜N)に格納し(ステップS74)、後述するサブルーチン“特徴抽出1”を実行して、上記画像F(i)より特徴点を抽出する(変数kは0に設定)(ステップS75)。続いて、特徴点抽出における信頼性フラグFe1の状態を判定し(ステップS76)、フラグFe1が“1”である場合にはステップS84へ移行する。
【0050】
上記ステップS76において、フラグFe1が“0”の場合には、先に検出されたMAX位置xをx0に格納し、平均値AvをAv0に格納する(ステップS77)。そして、データD1(i)をF(i)(i:1〜N)に格納し(ステップS78)、サブルーチン“特徴点抽出1”を実行して、画像F(i)より特徴点を抽出する(変数kは“1”に設定)(ステップS79)。
【0051】
続いて、再び特徴点抽出における信頼性フラグFe1の判定を行い(ステップS80)、フラグFe1が“1”である場合にはステップS84へ移行し、フラグFe1が0の場合には先に検出された平均値AvをAv1に格納する(ステップS81)。そして、検出された平均値Av0,Av1に所定の重みをもたせて差分処理Avd(Avd=a×Av0−b×AV1;a,b所定値)を行う(ステップS82)。続いて、差分処理結果Avdの適性判定(トータル値による異常光の判定)を行う(Ka,Kbは所定値)(ステップS83)。そして、Ka<Avd<Kbでない場合にはステップS84へ移行し、フラグFkを“1”と(信頼性なし)した後、シーケンスを抜ける(ステップS93)。
【0052】
一方、Ka<Avd<Kbの場合には、後述するサブルーチン“特徴抽出2”を実行し(ステップS85)、特徴点抽出における信頼性フラグFe2の判定を行う(ステップS86)。そして、フラブFe2が“1”である場合にはステップS84へ移行し、信号処理における信号の信頼性を判断するフラグFkを“1”(信頼性なし)とした後、シーケンスを抜ける(ステップS93)。
【0053】
上記フラグFe2が“0”の場合には先に特徴抽出にて検出されたMAX位置xをx1に格納し(ステップS87)、目の動きの判定をx0,x1にて行い(ステップS88)、|x0−x1|<εでない場合にはステップ84へ移行し、|x0−x1|<εの場合には後述するサブルーチン“信号変換”を実行し、信号の変換を変数hにて行う(ステップS89)。
【0054】
そして、D0(i),D1(i)にて差分処理D(i)(D(i)=a×D0(i)−b×D1(i))を行い(ステップS90)、D(i)にて重心検出(重心値xd)を行う(ステップS91)。そして、評価値x(x=xd−x0+S;Sは補正値で右目、左目の情報値又は個人情報値による)を戻し(ステップS92)、シーケンスを抜けメインルーチンに戻る(ステップS93)。
【0055】
また、ステップS82にて、差分処理を行っているが、差分時が0以下の場合は、その画素処理値を0にするとさらに良い。
次に図13のフローチャートを参照して、図12のステップS72にて実行されるサブルーチン“ゴースト処理”のシーケンスを説明する。
【0056】
サブルーチン“ゴースト処理”を開始すると(ステップS101)、ゴーストデータDk0(i),Dk1(i)の読み込みを行う(ステップS102)。当該ゴーストデータDk0(i),Dk1(i)は、暗黒中にてLED0,LED1をそれぞれ発光させ所定の積分時間tdにて積分して得られたデータであり、予め記録されているものとする。続いて、視線検出用のデータよりゴーストデータを積分時間にて正規化して差分をとり(ステップS103)、本シーケンスを抜ける(ステップS104)。
【0057】
次に図15のフローチャートを参照して、図12のステップS75,S79にて実行されるサブルーチン“特徴抽出1”のシーケンスを説明する。
本シーケンスでは検出データから所定値以上の値の連続値jp及び最大値MAX、最大値位置x、平均値Av、コントラスト値Cを検出評価する。
【0058】
即ち、サブルーチン“特徴抽出1”を開始すると(ステップS111)、イニシャライズを行う。ここでは、変数j,i,jp,S,MAX,x,Cを“0”とし、フラグFeを“0”とする(ステップS112)。
【0059】
続いて、i=1〜Nまでにおいて以下の処理を行う。即ち、検出データF(i)を所定値Hと比較して、所定値H以上のデータが連続して存在する最大値(連続長さ)をjpに格納する(ステップS113,S114,S124〜S126,S122,S123)。そして、総和値Sを算出し(ステップS115)、最大値MAXの検出及び最大値位置xの設定を行う(ステップS117,S118)。そして、変数iが2以上になった所からコントラスト値の総和値C(C=C+|F(i)−F(i−1)|)の算出を行う(ステップS120)。
【0060】
こうして検出された値の評価を以下のようにして行う。即ち、連続長さjpの判定を行い(ステップS127)、先ず、強い異常光の判定では、jp<Lでない場合にはステップS131へ移行し、特徴抽出における検出信号の信頼性に関するフラグFe1を“1”(信頼性なし)に設定する。jp<Lの場合にはコントラスト値Cの評価を行う(ステップS128)。
【0061】
次いで、まばたき状態検出(まばたき時はコントラストが低下する)では、C>Cpでない場合にはステップS131へ移行し、特徴抽出における検出信号の信頼性に関するフラグFe1を“1”(信頼性なし)に設定し、C<Cpの場合には平均値Avの算出を行い(ステップS129)、最大値MAXと平均値Avの評価を行う(ステップS130)。
【0062】
そして、まばたき状態検出(まばたき時は角膜反射が発生しない)では、MAX−Av>ε(k)(ε(k)は所定値、kは0又は1で、ε(0)とε(1)は同じでも異なってもよい)でない場合にはステップS131へ行き、特徴抽出における検出信号の信頼性に関するフラグFe1を“1”(信頼性なし)に設定し、MAX−Av>ε(k)の場合には本シーケンスを抜け、メインルーチンに戻る(ステップS133)。
【0063】
次に図16のフローチャートを参照して、図12のステップS85にて実行されるサブルーチン“特徴抽出2”のシーケンスを説明する。
本シーケンスでは、データ領域を変数r(ここでは、rは固定値)にて狭め、この狭めたデータから最大値MAX、最大値位置xを検出し評価する。特に、非赤目状態では、端に存在する白目のレベルが高くなり、最大値が間違って検出されることがある為、検出範囲を限定し白目の影響を低減する。
【0064】
サブルーチン“特徴抽出2”を開始すると(ステップS151)、イニシャライズを行う。ここでは、変数i,MAX,x,Sを“0”とし、フラグFe2を“0”(信頼性あり)とする(ステップS152)。続いて、i=1〜Nの範囲で、更にx0−r〜x0+rまでにおいて最大値検出を行う。
【0065】
即ち、検出範囲の限定を行い(ステップS153〜S155,S160〜S162)、最大値MAX、最大値位置xの検出を行う(ステップS156〜S158)。そして、i=1〜Nの範囲で更にx0−r〜x0+rまでにおいて平均値Av検出し、信頼性判定を行う(ステップS163)。
【0066】
続いて、最大値MAXと平均値Avの比較を行う(δは所定値)(ステップS164)。ここで、MAX−Av>δの場合にはステップS165へ移行し、MAX−Av>δでない場合にはフラグFe2を“1”(信頼性なし)に設定し(ステップS165)、本シーケンスを抜ける(ステップS166)。ここでは、マスク処理x0−r〜x0+rを図27(c)のように行っているが、なめらかなマスク処理(図27(d)参照)を行ってもよい(図27(b)参照)。
【0067】
次に図17のフローチャートを参照して、図12のステップS89にて実行されるサブルーチン“信号変換”のシーケンスを説明する。
サブルーチン“信号変換”を開始すると(ステップS171)、イニシャライズ(i=1)を行い(ステップS272)、i=1〜Nの範囲で、i<x0−h又はi>x0+hの場合にはD0(i),D1(i)を0にし、本シーケンスを抜ける(ステップS173〜S179)。ここでは、マスク処理を図27(c)のような形状で行っているが、図27(d)のようななめらかなマスクを用いてもよい。なめらかなマスクを用いることで、より広い情報をS/Nよく取り入れられる。
【0068】
次に図18のフローチャートを参照して、図6のステップS8にて実行されるサブルーチン“フォーカスエリアの選択”のシーケンスを説明する。
フォーカスエリアの選択を開始すると(ステップS181)、視線情報の必要性のフラグFpの判定を行い(ステップS182)、フラグFpが“1”(視線情報必要なし)の場合には各フォーカスエリアa,b,eに対する重み付け(a(0)=d(0)=e(0)=3)を行う(ステップS185)。そして、信頼係数kを“1”に設定して信頼係数を各フォーカスエリアの重みに掛ける(a(1)=k×a(0),d(1)=k×d(0),e(1)=k×e(0),k=1)(ステップS186)。
【0069】
上記ステップS182にて、フラグFpが“0”(視線情報必要)である場合には、後述するサブルーチン“視線重み付け”を実行して視線による重み付けを行い(ステップS183)、後述するサブルーチン“信頼性重みづけ”を実行して信頼性による重み付けを行う(ステップS184)。
【0070】
続いて、後述するサブルーチン“距離重み付け”を実行して距離による重み付けを行い(ステップS187)、各フォーカスエリアの重みを加算処理(a=a(1)+a(2),b=(1)+b(2),c=c(1)+c(2))する(ステップS188)。そして、重み値の判定を行い(ステップS189)、選択条件にて同一の重みが存在しない場合最も大きな重みを有するフォーカスエリアを選択する(ステップS190)。
【0071】
選択条件にて同一の重み値が存在する場合(MAXの重みが複数点ある)中央のaが含まれるか否かの判定を行う(ステップS191)。そして、中央aが含まれている場合は中央aを選択し(ステップS196)、中央aが含まれていない場合は両サイドの至近側のフォーカスエリアを選択する(ステップS192,S193,S194)。
【0072】
こうして選択されたフォーカスエリアの測距情報に基づいて撮影レンズの駆動量を算出し(ステップS197)、ファインダのパララックスを選択されたフォーカスエリアの距離情報に基づいて液晶にて補正し(ステップS198)、本シーケンスを抜ける(ステップS199)。尚、バララックス補正はファインダ光学系で行う以外にフィルム上に磁気記録等にてファインダ光学系に合わせてトリミング(パララックス)情報を記録して、ラボ処理にて補正してもよい。
【0073】
次に図19及び図20を参照して、図18のステップS183にて実行されるサブルーチン“視線重み付け”のシーケンスを説明する。尚、図19は視線重み付けを行う視線検出領域の様子を示し、詳細には、図19(a)は本実施例にて採用した分割領域を示し、図19(b),図28(a)は他の分割例を示している。
【0074】
本サブルーチン“視線重み付け”では、図19(a)に示す検出領域A乃至Fに応じてフォーカスエリアに重み付けを行う。尚、各領域が選択された際の重み付け係数a(0),b(0),c(0)は下記の表に示される通りである(ステップS201〜S215)。
【0075】
【表1】
【0076】
次に図21のフローチャートを参照して、図18のステップS184にて実行されるサブルーチン“信頼性重み付け”のシーケンスを説明する。本サブルーチンでは、視線情報の信頼性のフラグFqの判定を行い、フラグFqが“1”(信頼性なし)の場合には信頼性係数kを0.5に設定し、フラグFqが“0”(信頼性あり)の場合は信頼性係数kを“1”に設定する(ステップS221〜S224)。そして、各フォーカスエリアの視線による重み付け値に信頼性係数を掛け(a(1)=k×a(0)、b(1)=k×b(0)、c(1)=k×c(0))、本シーケンスを抜ける(ステップS225,S226)。
【0077】
尚、信頼性は複数(例えば、フラグFqの代わりにフラグFk(画検出像の異常フラグ)とフラグFt(積分時の異常フラグ)を別々に評価してフラグ状態の組み合わせで別々の信頼係数k1,k2を複数設定してもよい。また、図28(a)に示すような配置の場合の視線による重み付けの例を、図28(b)に示す。
【0078】
次に図22のフローチャートを参照して、図18のステップS187にて実行されるサブルーチン“距離重み付け”のシーケンスを説明する。
サブルーチン“距離重み付け”を開始すると(ステップS231)、各測距情報を距離ブロック値に変換する(ほぼ同じ距離は同じブロック値になる)(ステップS232)。距離をブロック値に変換する様子は図23に示す。各フォーカスエリア(a,d,e)に対応してブロック値はLa,Ld,Leとする。ブロック値の関係と各フォーカスエリア重み値を設定し本シーケンスを抜ける(ステップS233〜S259)。尚、設定テーブルは図24に示される。
【0079】
そして、図25に示されるように、こうして選択されたフォーカスエリアの測距情報に応じてファインダの1次結像面付近に配置された液晶にて撮影領域以外を遮光する。
【0080】
以上説明したように、第1の実施例は、簡単なアルゴリズムにて測距情報、視線情報、更には視線信号の信頼性も含めた情報に基づいて、最適な測距ポイントを設定することができる。
【0081】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく種々の改良、変更が可能であることは勿論である。
例えば、視線検出方式はエリアセンサを用いて信頼性を向上してもよい。そして、信頼性判断をまばたき、目の動きにて行っているが、カメラと顔の接触(カメラファインダに眼を押し付けている)の判定や眼がね判定を組み合わせるとさらによい。さらに、キャリブレーションを個人毎に行えばさらに検出精度は向上する。また、キャリブレーションをシーケンス中の表示(シーケンス開始時、または1st視線検出直後等)にて行ってもよい。
【0082】
そして、検出領域はさらに分割を行い、エリアセンサを用いたパッシブタイプの2次元の広視野AFを用いてもよく、また、アクティブのスキャンマルチAFを用いてもよい。さらに、センサの積分制御に関しても所定時間による固定式でもよい。また、視線検出方式も他の公知の方式を用いてもよい。
【0083】
さらに、図18のステップS189にて同じ重みの場合、中央優先ではなく(至近優先または視線位置優先でフォーカスエリアを選択してもよい。また、優先順位を中央→視線位置にしてもよい。そして、ストロボ発生の判定を行い(ISO感度と明るさ情報より)、ストロボ発光時には測距情報、ストロボガイドナンバ値より被写体の明るさがどの様になるかを想定して各フォーカスエリアにストロボによる重み付けa(3),d(3),e(3)を行い最終的な加算処理にてフォーカスエリアを選択するとよい。
【0084】
尚、図26にはストロボを加味した第2の実施例の構成を示し説明する。
第2の本実施例では、図2の構成にストロボ回路18とISO感度読み取りスイッチを付加した構成となる。重み付け値は以下のように設定するとよい。尚、被写体明るさは最適露出に対しての値を示す。
【0085】
【表2】
【0086】
尚、本発明の上記実施態様によれば、以下のごとき構成が得られる。
(1)複数の焦点検出領域を測距する多点測距手段と、
撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、
上記多点測距手段の出力と上記視線検出手段の出力とに基づいて、ただ1つの測距データを選択する選択手段と、
からなることを特徴とする測距装置。
(2)複数フォーカスポイントを測距するマルチ測距手段と、
上記マルチ測距手段にて検出された測距情報に応じてそれぞれのフォーカスポイントに重み値を与える測距重み付け手段と、
撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、
上記視線検出手段にて検出された視線信号に対応する視線検出ブロックを判定し、その対応するブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み値を与える視線重み付け手段と、
上記測距重み値と上記視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントを選択することを特徴とする測距装置。
(3)上記測距重み付け手段は、上記マルチ測距手段からの距離が近いものほど大きな重み値を与えることを特徴とする上記(2)に記載の測距装置。
(4)上記測距重み付け手段は、複数の測距データが所定の範囲内にあるときは、同一の重み値を与えることを特徴とする上記(2)に記載の測距装置。
(5)上記視線重み付け手段は、ファインダに示された視線検出ブロックに対するそれぞれのフォーカスッポイントに重み付けをすることを特徴とする上記(2)に記載の測距装置。
(6)複数のフォーカスポイントを測距する多点測距手段と、
上記多点測距手段にて検出された距離情報に応じてそれぞれのフォーカスポイントに重み値を与える測距重み付け手段と、
撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、
上記視線検出手段にて検出された視線信号に対応する視線検出ブロックを判定し、その対応するブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み値を与える視線重み付け手段と、
上記視線検出手段により得られたデータの信頼性を評価する検出信頼性判定手段と、
上記視線検出手段にて検出された信頼性度合いに応じて視線重み付け手段の出力に所定の係数を乗じた重み値をそれぞれのフォーカスポイントに設定する信頼性係数手段と、
上記測距重み値と上記視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントを選択することを特徴とする測距装置。
(7)上記信頼性判定手段は、視線検出時の信頼性を2値で評価し、上記信頼性係数手段は信頼性評価値に応じた係数を設定することを特徴とする上記(6)に記載の測距装置。
(8)複数のフォーカスポイントを測距する多点測距手段と、
上記多点測距手段にて検出された距離情報に応じてそれぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う測距重み付け手段と、
ストロボ装置と、
上記ストロボ装置の発光条件と、発光時における到達光量とを判定し、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行うストロボ重み付け手段と、
撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、
上記視線検出手段にて検出された視線信号に対応する視線検出ブロックを判定し、その対応するブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う視線重み付け手段と、
上記視線検出手段により得られたデータの信頼性を評価する検出信頼性判定手段と、
上記視線検出手段にて検出された信頼性度合いに応じて、それぞれのフォーカスポイントにおいて視線重み付け手段の出力に所定の係数を乗じた重み付けを行う信頼性係数手段と、
上記測距重み値と上記視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントを選択することを特徴とする測距装置。
(9)上記ストロボ重み付け手段は、測距情報とストロボ発光光量とに基づき露光がアンダーとなる度合いに応じた重み付けを行うことを特徴とする上記(8)に記載の測距装置。
【0087】
【本発明の効果】
本発明によれば、簡単なアルゴリズムにて測距情報、視線情報、更には視線信号の信頼性も含めた情報に基づき、焦点検出領域に対応して検出された複数の距離データより、最適な測距データを選択する測距装置及び測距方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測距装置を用いたカメラの概念図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る測距装置を用いたカメラの構成を示す図である。
【図3】図2におけるファインダ・視線光学系の詳細な構成を示す図である。
【図4】第1の実施例の視線検出用の光源LED0、LED1による目からの反射光による検出信号の状態を示す図である。
【図5】ファインダのマスキングの状態を示す図である。
【図6】第1の実施例のカメラシーケンスを示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS6にて実行されるサブルーチン“視線検出”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS24,S29にて実行されるサブルーチン“信号検出(センサ制御)”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図9】図8の改良例のシーケンスを示すフローチャートである。
【図10】図7のステップS36にて実行されるサブルーチン“表示”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図11】LEDによるファインダの各種表示の様子を示す図である。
【図12】図7のステップS33にて実行されるサブルーチン“信号処理”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS72にて実行されるサブルーチン“ゴースト処理”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図14】変数h,rの設定方法を説明するための図である。
【図15】図12のステップS75,S79にて実行されるサブルーチン“特徴抽出1”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図16】図12のステップS85にて実行されるサブルーチン“特徴抽出2”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図17】図12のステップS89にて実行されるサブルーチン“信号変換”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図18】図6のステップS8にて実行されるサブルーチン“フォーカスエリアの選択”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図19】図19は視線重み付けを行う視線検出領域の様子を示す図である。
【図20】図18のステップS183にて実行されるサブルーチン“視線重み付け”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図21】図18のステップS184にて実行されるサブルーチン“信頼性重み付け”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図22】図18のステップS187にて実行されるサブルーチン“距離重み付け”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図23】距離をブロック値に変換する様子を説明するための図である。
【図24】設定テーブルの様子を示す図である。
【図25】選択されたフォーカスエリアの測距情報に応じてファインダの1次結像面付近に配置された液晶にて撮影領域以外を遮光する様子を示す図である。
【図26】ストロボを加味した第2の実施例の構成を示す図である。
【図27】マスク処理について説明するための図である。
【図28】(a)はフォーカスエリアの配置を示し、(b)は(a)のフォーカスエリアa乃至cに対する重み付けの例を示す図である。
【符号の説明】
1…フォーカスエリア決定部、2…マルチ測距部、3…視線検出装置、4…信頼性判定部、5…測光部、6…ストロボ部、7…ストロボ制御部、8…ISO検出部、11…CPU、12…マルチAF回路、13…LED回路、14…ラインセンサ回路、15…ファインダ・視線光学系、16…レンズ駆動回路、17…測光回路。
Claims (2)
- 複数のフォーカスポイントを測距する多点測距手段と、
上記多点測距手段により検出された距離情報に応じて測距重み値を求め、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う測距重み付け手段と、
ストロボ装置と、
上記ストロボ装置の発光条件と、発光時における到達光量とを判定し、ストロボ重み値を求め、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行うストロボ重み付け手段と、
撮影者の視線方向を検出する視線検出手段と、
上記視線検出手段にて検出された視線方向に対応する視線検出ブロックを判定し、そのブロックに応じて、それぞれのフォーカスポイントに重み付けを行う視線重み付け手段と、
上記視線検出手段により得られたデータの信頼性を評価し信頼性度合を求める検出信頼性判定手段と、
上記検出信頼性判定手段にて検出された信頼性度合に応じて、それぞれのフォーカスポイントにおいて視線重み付け手段により得られた視線重み値に所定係数を乗じた重み付けを行う信頼性重み付け手段と、
を具備し、
上記測距重み値と上記ストロボ重み値と上記所定係数を乗じた視線重み値との加算値に基づいて、ただ1つのフォーカスポイントを選択することを特徴とする測距装置。 - 上記ストロボ重み付け手段は、測距情報とストロボ発光光量とに基づき露光がアンダーとなる度合に応じた重み付けを行うことを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
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