JP3617884B2 - 携帯型情報機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえばPDA(Personal Digital Assistants)などと称される個人使用向けの携帯型情報機器に係り、特にユーザの負担を増加させることなく機密保護を強化することを可能とする携帯型情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の計算機の小型化およびネットワークの発達に伴ない、スケジュール管理やアドレス管理、およびメモ書きなどを簡単に行なうことのできる携行が容易な個人使用向けの携帯型情報機器が急速に普及してきている。このような携帯型情報機器では、一般に、電源をいれると、まず、個人ユーザの使用頻度の高いスケジュール管理のアプリケーションなどが立ち上がり、トップメニューを表示するようになっている。
【0003】
一方、いわゆる汎用のワークステーションやパーソナルコンピュータでは、1台のマシンを複数のユーザで共有するために、誰が現在使おうとしているかを明確にする必要がある。このため、使用開始時には、かならず、ユーザ名でログインした後、本人であることを確認するためのパスワードを入力するようになっている。これに対して携帯型情報機器では、ユーザは所有者の一人だけであることを前提としているので、誰がユーザであるかを開始に先立って宣言する必要がないために、パスワードの入力は不要になっている。
【0004】
しかしながら、携帯型情報機器を置き忘れたりした場合には、電源をいれたものが所有者であるかどうかを特定する手段がないために、所有者以外の誰もが携帯端末装置で管理されているスケジュールなどの個人情報を見ることができ、セキュリティの観点からは問題である。
【0005】
そこで、これに対処するために、ワークステーションやパーソナルコンピュータと同様に、携帯端末装置においても電源をいれた時に必ずパスワードを入力するようにしているものがある。ただし、この場合には、電源を投入する度にパスワードを入力せねばならず、操作が煩雑になるという問題があった。
【0006】
また、現状では、多くの携帯型情報機器は、営業などの外勤率の高いユーザに使われている。これらのユーザの多くは、自宅から電話で会社のネットワークにつなげるか、あるいは出勤して直接会社のネットワークにつなげるなどして、客先にもっていく必要のある情報(たとえば、株価、為替レート、あるいは新規顧客のプロファイルなど)を、自分の携帯型情報機器にダウンロードする。必要ならば、移動途中に公衆電話からも電話回線を通して、会社のネットワークにつなげて情報をダウンロードする。
【0007】
ダウンロードする情報が少量の場合、あるいは高速の通信回線を利用している場合には、数秒でダウンロードできる。が、低速の通信回線を利用している場合や画像データなどの多量の情報をダウンロードする場合には、数分以上かかってしまう。このような場合に、ダウンロードが無事に終了するまで、そばについていて、終了時に電源をオフするのは、忙しいユーザにとっては苦痛である。といって、そばに待機しておらず、終了していそうなときに戻ってきて電源をオフするようにすると、つい忘れて電源がいれっぱなしになり、電池を無駄に消耗してしまうといった問題があった。
【0008】
さらに、携帯型情報機器を持ち歩く営業職のユーザなどは、携帯型情報機器上で動くアプリケーション(たとえば、生命保険の営業であれば保険金のシミュレーション、車の営業であれば、中古車の価格査定シミュレーションと新車の価格見積もりシミュレーションなど)を用いて、客先と折衝を行なうといった営業活動を行なっている。そして、一日の営業活動が終了すると、どの顧客に対してどのような営業活動を行なったかを報告する日報などを作成する。また、たとえば、携帯型情報機器を自宅または公衆電話から会社のネットワークに接続し、作成した日報を伝送するなどといったことも行なわれている。この日報を作成するには、顧客ごとにメモを書き、それをまとめるなどかなり手間がかかっている。
【0009】
このような手間を省くために、ユーザの操作履歴を記録し、それを日報の替わりにする方法もとられている。携帯型情報機器では、スケジュール管理やアドレス管理を行なうので、かなり個人的な情報も管理している。このため、このユーザの操作履歴を利用する方法では、携帯型情報機器の所有者が知らせたくない情報までが記録され、日報として報告されてしまうことになる。また、そのような情報が含まれていない場合でも、操作履歴がすべて報告されると、一挙手一動作まで不必要に管理されているという束縛感を生じさせ、使い勝手を阻害する。一方で、すべての操作履歴が送られてくると、管理者側で必要な情報のみを抽出する手間が生じるとともに、管理する情報量が膨大になりすぎるという問題もあった。
【0010】
また、携帯型情報機器に限らず、興味ある分野を特定するためのキーワードなどをユーザプロファイルとして登録しておき、定期的に関連情報を雑誌や新聞などの情報媒体から抽出して、個人用の情報機器に提供するサービスがある。このような情報提供サービスでは、よりユーザの興味にあった情報提供ができるように改善することが求められる。このため、ユーザが提供された情報に対して、興味があったかどうかのアンケートに答える方策がとられている。が、このような方策では、忙しいユーザは情報を見る以外にアンケートに回答するという別の作業を行なわねばならず、ユーザの負担が増してしまう。また、アンケートを情報提供に組み込んだ形式で、各情報に興味度などのスコアがついていて、それをユーザが変更することでユーザの興味を情報提供業者にフィードバックする方策もとられている。が、このような方策でも、情報収集の作業中に別の作業をしなければならないので、ユーザへの負担はやはり増してしまう。このような状況においては、ユーザの操作履歴からユーザの興味を推測するといったことも考えられるが、前述した日報作成と同様に、操作履歴すべてが報告されると、管理者側で必要な情報のみを抽出する手間が生じるとともに、管理する情報量が膨大になりすぎるという問題が生じてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の携帯型情報機器には、以下に示すような問題があった。
(1)特定のユーザのみが使う携帯型情報機器において、置き忘れなどに対してユーザが正しい使用権限をもつ所有者であるかどうかを確認するのに、有効でかつユーザの負担にならないような方法がなかった。
【0012】
(2)有線または無線による情報の送受信に時間がかかるときに、その通信が正常に終了したのを確認して機器本体の電源を切らないと電池を無駄に消費することになる。
【0013】
(3)外勤のユーザの日報作りを支援したり、あるいは情報提供サービスを各ユーザに合わせてカスタマイズするために、携帯型情報機器でのユーザの操作履歴を一律に取得する方法では、ユーザに束縛感を生じさせて使い勝手を阻害するとともに、一方で管理者側には不必要な情報まで報告されるので、情報抽出の作業などの負担を増加させてしまう。
【0014】
この発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、ユーザの負担を増加させることなく機密保護を強化させることが可能な携帯型情報機器を提供することを第1の目的とする。
【0015】
また、この発明は、通信が正常終了することをユーザ自身に待機させ、かつ確認させることなく電源を遮断することのできる携帯型情報機器を提供することを第2の目的とする。
【0016】
また、この発明は、ユーザに束縛感を生じさせたり新たな負担を増加させることなく、情報抽出を効率的に行なうことのできる携帯型情報機器を提供することを第3の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の携帯型情報機器は、パスワードおよび操作指示を入力する入力手段と、情報の提示を行なう情報提示手段と、ユーザの使用権限を確認するためのパスワードを含む各種データを記録する記録手段とを備えた携帯型情報機器において、前記情報提示手段に提示された画面の切り替えを必要とする入力が前記入力手段によってなされた場合、チェック済みを示すデータが前記記録手段に記録されているか否かによりセキュリティチェック済みの状態か否かを判定し、未チェックの状態であれば、パスワードの入力を要求するセキュリティ確認手段と、前記セキュリティ確認手段の要求に応じて入力されたパスワードと前記記録手段に記録されたパスワードとが一致した場合、前記チェック済みを示すデータを前記記録手段に記録し、一致しない場合、機器本体の電源をオフにする不正使用防止手段とを具備したことを特徴とする。
【0018】
この発明の携帯型情報機器においては、起動されたときに表示されていた画面から異なる画面への移動が指示されたときに、ユーザにパスワードの入力を要求する。そして、この入力パスワードと予め記憶したパスワードとが一致しないときに、機器本体の電源をオフにする。これにより、従来のように、電源をオンにするたびにパスワードを入力するといった操作をユーザは強いられることがなくなる。一方、画面を開いたままの状態で持ち去られてしまったような場合であっても、ユーザ以外の者はその画面以外の情報を参照することができないため、セキュリティの向上を図ることが可能となる。
【0019】
なお、入力パスワードと予め記憶したパスワードとが一致しないときに、その旨(不正使用)を記録する手段と、この不正使用が記録された状態で電源が再投入されたときに、ユーザにパスワードの入力を要求する手段とを設けることが望ましい。これにより、セキュリティのさらなる向上が図られることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、この発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図である。図1に示したように、本実施形態の携帯型情報機器10は、パスワードや操作指示などを入力する、たとえばペンなどから構成された入力部11と、情報の送受信を行なう、たとえば赤外線を用いたIrDAや、無線LAN、PHS、または有線の電話回線につなげるためのモデムからなる通信部12と、情報の提示を行なう、たとえば液晶パネルなどから構成された情報提示部13と、通信部12が受信した情報や入力部11より入力された情報を記憶する、たとえば、フラッシュメモリカードなどからなる記憶記憶部14と、ユーザの使用権限を確認するためのパスワードを記憶するパスワード記憶部16と、起動時に情報提示部13に提示した画面と異なる画面に移行する指示が入力部11によって入力されたときに、ユーザにパスワードの入力を要求するセキュリティ確認部17と、セキュリティ確認部17の要求に応じてユーザが入力したパスワードとパスワード記憶部16に記憶されたパスワードとが一致しないときに、電源をオフにし、不正使用を記録する不正使用防止部18と、これら入力部1、通信部2、情報提示部3、情報記憶部4、パスワード記憶部6、セキュリティ確認部7および不正使用防止部8相互間の情報交換を管理する情報管理部15とから構成されている。
【0025】
このような構成をもつ本実施形態の携帯型情報機器の処理の流れを図2を参照して説明する。
ユーザが携帯型情報機器10の電源を投入すると(ステップA1)、まず不正使用防止部18にある記録を参照して、前回不正使用されていないかをチェックする(ステップA2)。ここで、不正使用がされていなければ(ステップA2のY)、たとえば、図3に示したようなトップ画面の表示を行なう(ステップA6)。図3は、携帯型情報機器で最もよく使われるスケジュール管理がまず表示される場合の例である。図3中、上方に並んでいる「メール」や「電話帳」などのボタンアイコンを指示すると、表示画面が切り替わり、これらに相当したアプリケーションが使えるようになる。また、図3に示したスケジュールは、当月分を表示するようになっている。各日の欄には、予定が短く表示され、適当な日を選択することによって、一日分の詳細なスケジュール表示に切り替わるようになっている。
【0026】
左側に並んでいるのは、コマンドツールであり、コピーなどの編集機能が並んでいる。これらは、アプリケーションや画面が切り替わっても表示される。編集機能のうち、使用ができないものは、薄い表示になっており、誤って指示されても起動しないようになっている。
【0027】
図3に示したようなトップ画面が表示されると、ユーザからの入力待ち状態になる(ステップA7)。ユーザからペンや他の入力デバイスを用いて入力があったとき、画面切り替えを必要とする入力であったかどうかを、たとえば、不正使用防止部18が保持している図4に示したような形式で記憶された対応表をもとに判断する(ステップA8)。たとえば、図3の表示において、ユーザがペンで「メール」を選択したとする。すると、図4の表の中に「メール」という項目があるので、画面切り替えの必要のある入力と判断される。同様に、図3の表示において、「1/16」のところをユーザがペンで選択したとする。すると、図4の表の中に「スケジュール日付変更」という項目があるので、画面切り替えの必要のある入力と判断される。
【0028】
図4の表の中にない項目に対しては、画面切り替えは必要ではないので(ステップA8のN)、入力された内容にあった処理を行なう(ステップA9)。そして、その処理後、再度入力待ち状態(ステップA7)に戻って次の入力を受け付ける。
【0029】
一方、画面切り替えが必要であるということは(ステップA8のY)、より詳細な情報にアクセスするということになるので、ここで、不正使用防止部18は、図5のように、画面を切り替える前に、現在のユーザが情報にアクセスするための権利を有した正しいユーザであるかどうかを確認できるように、パスワード確認画面を表示する(ステップA11)。
【0030】
ただし、セキュリティチェックのために、画面を切り替える度にパスワードの入力を要求されるのでは、ユーザへの負担が増すばかりなので、セキュリティチェック済みかどうかを確認して(ステップA10)、ユーザから入力されたパスワードが、パスワード記憶部16に記憶されているものと等しいかどうかをセキュリティ確認部17が確認を行なう(ステップA12)。正しければ(ステップA12のY)、セキュリティチェック済みの記録を残す(ステップA13)。その後、ステップA14でパスワード確認画面は消去され、たとえば、図6に示したように、指定された日付のスケジュール表示画面に切り替わる。その後は、ステップA9に戻る。
【0031】
一方、セキュリティ確認部17が等しくないと判断した場合(ステップA12のN)、不正使用防止部18は、まず不正使用の記録を残す。この不正使用の記録は、たとえば不正に使用された時刻と入力されたパスワードとからなる。この記録は、個人端末装置がネットワークにつながれたときに、メールとしてサーバに送信される。そして、不正使用防止部18は、不正使用を記録した後で、不正使用を禁じるため、携帯型上方機器10本体の電源をオフにする(ステップA16)。
【0032】
また、不正使用がされたと判断された場合には(ステップA2のN)、パスワードの確認を行なうために、図5に示した画面を表示する(ステップA3)。ここで、正しいパスワードが入力された場合には(ステップA4のY)、不正使用防止部18に正しいパスワードが入力された記録を残して(ステップA5)、トップ画面の表示に移る(ステップA6)。
【0033】
すなわち、本実施形態の携帯型情報機器によれば、より詳細な情報にアクセスしようとするときにだけ、パスワードの入力が要求されるので、ユーザへの負担が少なく、かつ置き忘れ時などの不正使用を防ぐことができる。
【0034】
なお、本実施形態では、パスワードはいわゆる英数記号などの文字コード列である場合を述べているが、必ずしもこれに限定されるものではない。たとえば多くの携帯型情報機器では、キーワードの代わりにペン入力が採用されている。そのような場合には、コード列からなるパスワードを入力するのは面倒である。これを改善するために、モールス信号のように、ペンによるタッチの長さと間隔をパスワードに変えることも可能である。さらに機密度をあげるために、ペンでタッチする位置もパスワードに組み入れるように変形することも可能である。
【0035】
また、たとえばレジューム機能(アプリケーションを起動した状態を保ったまま電源をオン/オフする機能)がある場合には、既にセキュリティチェック済みのフラグがあるためにうまく機能しない。これに対応するために、レジューム機能がセットされている場合には、電源オフ時にセキュリティチェック済みの記録を消去するようにすればよい。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。図7は本実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図である。図7に示したように、本実施形態の携帯型情報機器10は、パスワードや操作指示などを入力する、たとえばペンなどから構成され、自動終了の設定を行なう入力部11と、情報の送受信を行なう、たとえば赤外線を用いたIrDAや、無線LAN、PHS、または有線の電話回線につなげるためのモデムからなる通信部12と、情報の提示を行なう、たとえば液晶パネルなどから構成された情報提示部13と、通信部12が受信した情報や入力部11より入力された情報を記憶する、たとえば、フラッシュメモリカードなどからなる情報記憶部14と、通信部12による情報の送受信がエラーなしに終了したかどうかを判定する通信判定部19と、通信判定部19が正常に通信が行なわれ、かつ自動終了の設定がされているときに、電源をオフする電源オフ部20と、これら入力部1、通信部2、情報提示部3、情報記憶部5および通信判定部9と、電源オフ部10との間の情報交換を管理する情報管理部5とから構成されている。
【0037】
このような構成をもつ本実施形態の携帯型情報機器の処理の流れを図8を参照して説明する。なお、この図8に示した処理の流れは、便宜上通信が始まったときから記してある(ステップB1)。
【0038】
通信が正常終了したかどうかを、すべての場合について判定するのは困難である。一方、たとえばファイルの伝送の場合には、ファイルの最後に「EOF(End of file)」があるので、それを検出すればファイルが正しく伝送されたかどうかがわかる。したがって、携帯型情報機器とセンタのサーバとの通信について、擬似的にファイル伝送しているかのように最後にEOFを付加し、このEOFを検出するようにする。
【0039】
そして、通信判定部9は、EOFがくれば、正常終了と判断する(ステップB2のY)。一方、こなければ、通常は通信が終了していないと判断して通信を続けるが、通信バケットがなくなった後、一定時間が経過したときに異常終了と判断し(ステップB2のN)、警報(ビープ音)を発生する(ステップB3)。あるいは、エラーメッセージ(たとえば、「通信が正しく行なわれませんでした。やりなおしてください。」など)を提示する。
【0040】
正常終了した場合には(ステップB2のY)、自動終了モードが設定されていれば(ステップB4のY)、電源オフ部10が電源をオフする(ステップB5)。自動終了モードでなければ(ステップB5)、そのままユーザは携帯型情報機器10を使用するので、電源のオフは行なわない)。
【0041】
このように、本実施形態の携帯型情報機器によれば、新規情報などセンタからダウンロードすべきデータの通信が終了すると、自動的に電源がオフされるので、ユーザはこれらの処理の終了を待機する必要がなくなり、かつ、電池(バッテリ)の消耗を大いに節約することができる。
【0042】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。図9は本実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図である。図9に示したように、本実施形態の携帯型情報機器10は、パスワードや操作指示などを入力する、たとえばペンなどから構成される入力部11と、情報の送受信を行なう、たとえば赤外線を用いたIrDAや、無線LAN、PHS、または有線の電話回線につなげるためのモデムからなる通信部12と、情報の提示を行なう、たとえば液晶パネルなどから構成された情報提示部13と、通信部12が受信した情報や入力部11より入力された情報を記憶する、たとえば、フラッシュメモリカードなどからなる情報記憶部14と、入力部1より入力された指示とこの指示に付属する情報とを記憶する履歴記憶部21と、履歴記憶部21に記憶された指示と付属情報とから必要部分のみを抽出する抽出部22と、抽出部22が抽出した結果を記憶する抽出履歴記憶部23と、抽出履歴記憶部23に記憶された指示と付属とを定期的または送信可能状態になったときに送信する報告部24と、抽出履歴記憶部23に記憶されている抽出結果を可読な文書形式に整形する整形部25から構成されている。
【0043】
図10に履歴記憶部23の記憶形式の一例を示す。第1行目は、「9601150833」(つまり1996年1月15日の8:30)に選択されたメニューが「スケジュール」であること、そのパラメータ(つまり選択された日)が「1/16」であったことを履歴として記録していることを示す。同様に、同8:33には、「フィルタリング」を選択し、その中で「詳細」という選択を行なったことが、第2行目と第3行目に記録されている。たとえば、「フィルタリング」は、メニューアイコンの選択なのでパラメータは不要であり、その欄は空欄になっている。「詳細」は、フィルタリングされて表示されている記事リストの中から、どの記事を選んだかを記録している。「詳細」を終了するときには、「終了」の指示を行なうので、その結果は第4行目のように記録される。
【0044】
図11は、抽出部22における抽出項目の記憶例である。また、図12は、抽出部22の処理の流れを示す図である。
まず、図11の記憶例について説明する。指示には、アプリケーションの切り替えを示すものと、あるアプリケーションの中の指示、更にその下位の指示というように、レベル(階層)が存在する。図11の抽出部22の記憶例では、この指示のレベルごとに抽出すべき項目を記憶している。
【0045】
たとえば、「フィルタリング」はアプリケーションのレベルなので、レベル1に記憶されている。「詳細」は図10の例でも示したように、その「フィルタリング」の中の指示なので、「フィルタリング」の下の項目、つまりレベル2の項目として記憶されている。そして、日報などに記録すべき値が参照値である。たとえば、「詳細」ではどの記事を参照したか(つまりパラメータ)を日報に記録する必要があるので、それが参照値となる。
【0046】
まず、たとえば図11に記憶されているような抽出項目のうち、レベル1(最上層)に該当する項目があるかどうかを調べる(ステップC1)。図10の例では、第2行目の「フィルタリング」が該当する。存在した場合には(ステップC1のY)、「フィルタリング」の下のレベルに該当する項目があるかどうかを調べる(ステップC2)。図10の例では、第3行目の「詳細」が該当する。
【0047】
このように該当した場合には(ステップC2のY)、参照値、この場合はパラメータなので、図10のパラメータ「13531」(たとえば詳細に見た記事の識別番号)が、抽出履歴記憶部23に記憶される(ステップC3)。
【0048】
以下、これらの処理が繰り返されるが、該当する項目がなくなると(ステップC2のN)、別のアプリケーション(レベル1)に対してこの処理を繰り返すことによって、重要な履歴情報のみを抽出履歴記憶部23に記憶する。また、この抽出履歴記憶部23の内容は、携帯型情報機器10がネットワークとつながったとき(送信可能状態となったとき)に送られる。
【0049】
図10に対する例では、フィルタリングのアプリケーションが起動されているときに、ユーザが詳細に見たり、保存したり、他の人にメールとして送ったり、注釈をつけたりした記事の認識番号が、抽出履歴記憶部23に記憶されるので、その結果を自動的に送ることができる。
【0050】
このように、本実施形態の携帯型情報機器によれば、アプリケーションごとに履歴をとる必要がなくなる。また、新たなアプリケーションに対してそれに応じた履歴をとりたい場合でも、抽出項目を付け加えるだけでよい。逆に、アプリケーションを削除したときには、それに対応する抽出項目を削除すれば、そのアプリケーションに対応した履歴抽出を行なわないようにすることが容易にできるので、その効果は大きい。
【0051】
なお、本実施形態では、アプリケーションによらずに、抽出された履歴が一つのファイルに納められている。抽出された履歴の利用の仕方は、アプリケーションごとに異なるので、たとえばレベル1の項目の内容ごとに別ファイルを開くようにすることも可能である。
【0052】
また、アプリケーションごとに送り先が異なるので、ファイルごとに送信先のアドレスを記入しておくようにする。そのアドレスごとに、通信が可能になった時点で送信するようにすることも可能である。
【0053】
図11の抽出項目の例では、項目があえば、抽出するようにしているが、必ずしもこれに限定されるのものではない。たとえば、一定時間を所要したものだけを抽出したい場合には、今の項目と後の項目との時刻の差(今の項目に関する所要時間)を加えることも可能である。
【0054】
また、参照値としても、図11の例では、1つしか抽出していないが、必ずしも、これに限定されるものではない。所要時間などを重要度として参照値の一つとして、抽出することも可能である。
【0055】
以上のような抽出方法のバリエーションは全て、図11の抽出項目を変更することで対処可能である。
また、携帯型情報機器10の情報管理部5への負荷を減らすために、抽出部22が抽出処理を行なうのを、分散するような処置を情報管理部15が行なうことも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、電源をオンにするたびにパスワードを入力するといった操作をユーザに強いることなく、画面を開いたままの状態で持ち去られてしまったような場合であっても、ユーザ以外の者にその画面以外の情報の参照を防止することによって、セキュリティの向上を図ることを可能とする。
【0057】
また、この発明によれば、たとえば情報のダウンロードの終了などをユーザは待機することなく機器本体の電源をオフにすることができるため、電池の無駄な消耗を気にせずに、通信中でも安心して他の仕事をやっていることができることになる。
【0058】
さらに、ユーザ操作の履歴から必要な部分のみを抽出し、この抽出した必要な部分のみを送信するので、ユーザが伝送したくない情報を伝送したり、無駄な情報を伝送したりすることを妨ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図。
【図2】同実施形態の携帯型情報機器の処理の流れを示すフローチャート。
【図3】同実施形態のトップ画面の表示例を示す図。
【図4】同実施形態の不正使用防止部の記憶形式の一例を示す図。
【図5】同実施形態のパスワード確認画面の表示例を示す図。
【図6】同実施形態のスケジュール表示画面を示す図。
【図7】この発明の第2実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図。
【図8】同実施形態の携帯型情報機器の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】この発明の第3実施形態の携帯型情報機器の概略構成を示す図。
【図10】同実施形態の履歴記憶部の記憶形式の一例を示す図。
【図11】同実施形態の抽出部における抽出項目の記憶例を示す図。
【図12】同実施形態の抽出部の処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
11…入力部、12…通信部、13…情報提示部、14…情報記憶部、15…情報管理部、16…パスワード記憶部、17…セキュリティ確認部、18…不正使用防止部、19…通信判定部、20…電源オフ部、21…履歴記憶部、22…抽出部、23…抽出履歴記憶部、24…報告部、25…整形部。
Claims (4)
- パスワードおよび操作指示を入力する入力手段と、情報の提示を行なう情報提示手段と、ユーザの使用権限を確認するためのパスワードを含む各種データを記録する記録手段とを備えた携帯型情報機器において、
前記情報提示手段に提示された画面の切り替えを必要とする入力が前記入力手段によってなされた場合、チェック済みを示すデータが前記記録手段に記録されているか否かによりセキュリティチェック済みの状態か否かを判定し、未チェックの状態であれば、パスワードの入力を要求するセキュリティ確認手段と、
前記セキュリティ確認手段の要求に応じて入力されたパスワードと前記記録手段に記録されたパスワードとが一致した場合、前記チェック済みを示すデータを前記記録手段に記録し、一致しない場合、機器本体の電源をオフにする不正使用防止手段と
を具備したことを特徴とする携帯型情報機器。 - レジューム機能をさらに具備し、
前記セキュリティ確認手段は、前記レジューム機能が有効な状態で機器本体の電源がオフされた場合、前記チェック済みを示すデータを前記記録手段から消去する手段を有することを特徴とする請求項1記載の携帯型情報機器。 - 前記不正使用防止手段は、前記セキュリティ確認手段の要求に応じて入力されたパスワードと前記記録手段に記録されたパスワードとが一致しないときに、不正使用を示すデータを前記記録手段に記録する手段を有し、
前記セキュリティ確認手段は、機器本体の電源がオンされた際、前記不正使用を示すデータが前記記録手段に記録されていたときに、パスワードの入力を要求する手段を有することを特徴とする請求項1記載の携帯型情報機器。 - 前記不正使用防止手段は、前記セキュリティ確認手段の要求に応じて入力されたパスワードと前記記録手段に記録されたパスワードとが一致した際、前記不正使用を示すデータが前記記録手段に記録されていたときに、前記不正使用を示すデータを前記記録手段から消去する手段を具備してなることを特徴とする請求項3記載の携帯型情報機器。
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