JP3617194B2 - 選択透過性分離膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は選択透過性分離膜およびその製造方法に関するものである。さらに詳しくは膜中に存在する親水性高分子の分子量分布をコントロールすることによって血液処理に用いた場合、高い血液濾過流量、低アルブミン透過性を長時間にわたって維持し、中高分子蛋白からなる尿毒物質に対して高い選択透過性を有する膜ならびに、これらの膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液処理用の半透膜としては天然素材であるセルロース、合成高分子膜素材であるポリスルホン、PMMA、ポリアクリロニトリルなどが今日まで幅広く使用され、慢性腎不全患者の血液処理法については人腎に近づけるべく様々な技術開発がなされてきた。近年、これらの膜素材の中で透析技術の進歩に合致したものとして透水性能が高いポリスルホンが注目を浴びている。ポリスルホンは元来、熱可塑性の耐熱性エンジニアリングプラスチックとして自動車、電気、医療用具の分野で幅広く用いられているものであるが、ポリスルホン単体で半透膜を作った場合、分子間凝集力が強く、また、疎水性のために血液との親和性に乏しく、このまま血液処理用に用いることはできない。従って、孔形成材として親水性高分子、無機塩などを混入し、溶脱する事によって孔を形作り、同時にポリマー表面を親水化し、これを半透膜、逆浸透膜として用いる方法が考案され、出願されている。
【0003】
血液処理用の半透膜の製造方法としては、金属塩を入れて製膜する方法、親水性高分子を入れて製膜する方法、多価アルコールを入れて製膜する方法などが公開されている。しかし、特開昭61−232860、特開昭58−114702のようにポリエチレングリコール等の多価アルコールを入れて製膜を行う場合、洗浄が不十分の場合、膜に残存するアルコールによって、透析時に患者の目に異常が起こる。特公平6−75667ではポリビニルピロリドンを用いる製膜方法も開示されているが透水性能は高いものの、血液処理用(透析用)としては、アルブミン透過率が高いという問題がある。特開 昭62−121608に示される金属塩を用いる方法も同様である。特開平6−233921では高分子量の親水性高分子を入れ、粘度を増加させて原液の良溶媒を100%芯液として用いることができるようにする中空糸膜の製造方法が提案されているが、この方法では膜のアルブミン透過性をコントロールできない。また、膜中の親水性高分子の分子量分布についての知見はない。特公平2−18695ではポリスルホンに対し高分子量ポリビニルピロリドンの含有率を高く規定し、ポリビニルピロリドンを膜中に大量に残存させることによって膜の耐汚染性、洗浄性を高めた膜が開示されているが、本発明が目的としている高い拡散性能は得られていない。さらに特公平5−54373ではポリスルホンと比較的低分子量のポリビニルピロリドンからなる低粘度原液を用いて、大部分のポリビニルピロリドンを洗浄除去した膜が開示されているが本発明のような膜内に残る親水性高分子の分子量分布が高い拡散性能を発揮することは明記されていない。特に近年透析が始まって20数年経たことから、長期透析による合併症が数多く報告され、手根管症候群、その他透析シンドロームの原因物質として分子量2万から4万の蛋白質が注目を浴びているが、いずれの方法においても前述の蛋白質を積極的に除去できる高い人腎機能を代替・模倣する選択分離膜は開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記欠点を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を達成することができた。すなわち、有用蛋白であるアルブミンの透過性を抑え、中高分子量尿毒蛋白の除去性能を高めた選択透過性分離膜、および、その製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は下記の構成を有する。
【0006】
ポリスルホン系樹脂、ポリビニルピロリドンを主成分としてなる選択透過性分離膜において、分子量10万未満のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、10万以上のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれていることを特徴とする選択透過性分離膜。
【0007】
ポリスルホン系樹脂、ポリビニルピロリドンを主成分としてなる選択透過性分離膜において、分子量10万未満のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、10万以上のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれた膜を不溶化処理してなることを特徴とする選択透過性分離膜。
【0008】
ポリスルホン系樹脂とポリビニルピロリドン、溶媒、添加剤を少なくとも含む製膜原液を用い、分子量の異なるポリビニルピロリドンを2種類以上含有し、かつ、分子量10万以上のポリビニルピロリドンの含有比率が該製膜原液全体に対して1.8重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする選択透過性分離膜の製造方法。
【0010】
【発明の実施の態様】
本発明において、選択分離膜を形成するために用いられる原液は疎水性高分子、親水性高分子、溶媒、および添加剤を少なくとも含有する。
【0011】
この中で疎水性高分子としては、下記基本骨格を有するポリスルホンが用いられる。下記基本骨格中、ベンゼン環部分を修飾したものも好ましく用いることができる。
【0012】
【化1】
親水性高分子は、疎水性高分子と溶液中で目には見えないがミクロ相分離構造を形作るものが好ましく用いられる。具体的には、工業的に比較的入手しやすい点でポリビニルピロリドンが用いられ、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースと混合して用いてもよい。ここで、ポリビニルピロリドンとしては、本発明においては分子量が異なる2種類以上を用いる。分子量分布については特にその比率において重量平均分子量で5倍以上異なるものを用いることが好ましい。
【0013】
溶媒については、疎水性高分子、親水性高分子、添加剤の3者を良く溶かす両性溶媒が用いられる。具体的にはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトアルデヒド、2ーメチルピロリドンなどであるが、危険性、安定性、毒性の面からジメチルアセトアミドが好ましい。 添加剤としては、疎水性高分子の貧溶媒で親水性高分子と相溶性を持つものが用いられ、具体的には、アルコール、グリセリン、水、エステル類等が挙げられ、プロセス適性の面から特に水が好ましい。
【0014】
本発明の選択透過性分離膜は、分子量10万未満の親水性高分子が親水性高分子全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、かつ10万以上の親水性高分子が親水性高分子全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれてなる。すなわち本願発明においては、親水性高分子中、高分子量親水性高分子に、低分子量親水性高分子が存在することで有用蛋白であるアルブミンの透過を抑えつつも中分子領域以上の拡散性能が特に向上することを見出した。これは、恐らく、大きな高分子量ポリマーに低分子のポリマーが入り込むことによって中分子量蛋白を透過させるべく適当な網目構造を形成することができるためではないかと考えられる。これが、高分子量親水性高分子単独の場合、高透水性能を保ったまま、人工腎臓などに必要な低アルブミン透過性は達成できない。また、低分子量親水性高分子単独の場合は適当な製膜条件によるポアサイズのコントロールが難しく、製膜条件の変更により工程が不安定となり膜の品位を悪化させるばかりでなく、透水性能を高くした場合、あるポイントで突然アルブミンのリークが起こり、透析用血液処理膜などとして使用することは不可能となる。
【0015】
さらに、選択分離膜中、親水性高分子含有率が、疎水性高分子に対して、3重量%以上、15重量%以下であることが好ましい。3重量%未満の場合は水濡れ性が不十分となる傾向があり、血液と接触した際に凝固を引き起こす場合があるからである。また、15重量%を越えると、膜内にある多量の親水性高分子によって、透過性能の低下やアルブミンリークのコントロールが不十分となる傾向がある。
【0016】
また、本発明においては、上記の分子量10万未満の親水性高分子が親水性高分子全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、10万以上の親水性高分子が親水性高分子全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれている選択分離膜について、例えば、人工腎臓などに用いる場合には、その親水性高分子の溶出をできるだけ低減するためには、不溶化処理することが好ましい。不溶化とは、架橋により、架橋前のそれぞれのポリマの良溶媒に溶解しなくなることを意味する。また、不溶化処理後の膜においては、膜全重量に対し、2重量%以上、15重量%以下の不溶化物を含むことが好ましい。2重量%未満では、膜内表面近傍の活性層が薄くなり、例えば、血液処理などに用いた場合、血液成分の凝集を招く傾向がある。又、15重量%を越えると、活性層が厚くなりすぎて、透水性能の低下が起こる場合がある。
【0017】
さらに、不溶化物中の由来高分子の比率は、疎水性高分子が15重量%以上、40重量%以下、親水性高分子が60重量以上、85重量%以下であることが好ましい。疎水性高分子が、15重量%未満では、疎水性基の割合が小さくなり、膜全体の構造が外圧により容易に変化する傾向がある。また、40重量%を越えると、逆にしなやかさが少なくなり、膜の糸形状加工(クリンプ付与など)を行う際に不利な場合がある。
【0018】
不溶化方法としては、限定されるものではないが、例えばγ線、電子線、熱、化学的方法などにより、架橋を行うことが好ましい。特に、水の存在下でのγ線照射が好ましく、照射量は10〜50KGy、さらには20〜40KGyであることが好ましい。不溶化橋処理により、疎水性高分子と親水性高分子が結合し、親水性高分子の溶出が減少する。また、このような処理を行うと性能、構造に変化が生じると考えられるが中高分子量蛋白を積極的に透過させる網目構造は架橋処理によって構造が保持、補強されるため若干の性能低下は見られるもののほとんど変化しない。
【0019】
本発明において、選択分離膜中、疎水性高分子、親水性高分子が含まれていることは、固体13C−NMRスペクトル分析により分析可能である。又、疎水性高分子、親水性高分子の含有量は、元素分析により分析可能である。
【0020】
本発明においては、疎水性高分子、親水性高分子、溶媒、添加剤を少なくとも含む製膜原液を用い、分子量の異なる親水性高分子を2種類以上含有し、かつ、分子量10万以上の親水性高分子の含有比率を該製膜原液全体に対して1.8重量%以上、20重量%以下とすることにより、本願発明の選択分離膜を得ることができる。20重量%を越えると、原液粘度が上昇し、製膜困難となり、又、透水性、拡散性能が低下する。一方、1.8重量%未満であると、中高分子尿毒蛋白を透過させるための適当な網目構造を構築できない。
【0021】
高分子量の親水性高分子を添加することによる原液安定性については次の様に説明できる。添加剤は、共存する親水性高分子との分子間力により包接され、疎水性高分子と直接接触することはない。しかし、溶解中の高温のために、一部が離脱を起こし、そのために、疎水性高分子の2量体などのオリゴマーの再結晶化を促し、原液が白濁を起こす要因となる。親水性高分子の分子量が高くなるほど包接効果が増大するため、原液の安定性が改善される効果を生む。また、原液粘度は、親水性高分子の分子量に依存するが、当然ながら原液粘度の低下はその中空糸製膜時に糸切れ、糸揺れなどを起こし安定性を悪化させる。この点でも、親水性高分子の混合系において平均分子量を上げることは重要である。
【0022】
次に製膜原液のポリマー濃度について述べる。前述の点からポリマー濃度は上げるに従って製膜性は良くなるが逆に空孔率が減少し、透水性能が低下するため最適範囲が存在する。ゆえに、疎水性高分子の濃度は10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、親水性高分子の濃度は2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。
【0023】
本願発明の選択分離膜の製造方法として、一例を以下に説明する。
【0024】
上記のような製膜原液を、芯液と同時に2重スリット管構造の口金から同時に吐出させ、中空糸膜を成形する。その後、所定の水洗、保湿工程を経た後、巻き取られる。更に、例えば、人工腎臓などに用いられる場合には、モジュール化され、水充填し、架橋されることが好ましい。
【0025】
更に、本願発明の選択透過性分離膜は、デキストランによる実施例において述べる拡散性能試験において、少なくとも3nmの総括物質移動係数が0.0025cm/min以上で、かつアルブミン透過率が4%以下となる。アルブミン透過率は、更に、3%以下、2%以下であることが好ましい。
【0026】
本発明において、選択透過性分離膜の形態としては、平膜、中空糸膜等、特に限定されるものではない。
【0027】
本発明により得られた選択透過性分離膜は、人工腎臓、人工肝臓、エンドトキシンフィルター、バイオリアクター等の医療用途、水処理等、各種用途に用いることができる。
【0028】
【実施例】
次に実施例に基づきに本発明を説明する。
【0029】
用いた測定法は以下の通りである。
【0030】
(1)透水性能の測定中空糸両端部を封止したモジュール(面積 1.6m2 )の中空糸内側に水圧100mmHgをかけ、外側へ流出してくる単位時間当たりの濾過量を測定した。透水性能は下記の式で算出した。
【0031】
UFR(ml/hr/m2 /mmHg )=QW /(P×T×A)
ここでQW :濾過量(ml)、T:流出時間(hr)、 P:圧力(mmHg)、A:膜面積(m2 )(中空糸内表面面積換算)を示す。
【0032】
(2)デキストランによる拡散性能測定
基本的には透析性能測定法と同様に行った。その概要を示す。分子量分布の異なるデキストラン(FULKA社製 平均分子量〜1200,〜6000,15000〜20000,40000,56000,222000)を0.5mg/mlになるように限外濾過水に溶解した。この溶液を37℃に加熱、保温し、血液側(中空糸内側)にポンプで流量200ml/minで送り、透析液側は血液側と向流となるように限外濾過水を37℃に保ったものを500ml/minで送った。ここで、注意することは濾過圧力がゼロになるように調整することである。すなわち、限外濾過が生じない条件で膜の拡散性能を測定することである。平衡状態になるまで20分送り続け、その後、血液側入り口、出口、透析側をサンプリングした。サンプリングした溶液を細孔径0.5ミクロンのフィルターで濾過を行った。その溶液をゲル透過クロマトグラフィー用カラム(東ソー TSKgel G3000PW)、カラム温度40℃、移動相を液クロ用純水、1ml/min、サンプル打ち込み量50μlで分析を行い、血液側の入り口、出口の濃度変化によってモジュールの総括物質移動係数を求めた。なお、測定前に、単分散の5種類のデキストランを用いてカラムのキャリブレーションを行った。総括物質移動係数は以下の式を用いて算出した。
【0033】
クリアランス
【化2】
ここでCBi:モジュール入口側濃度、CBo:モジュール出口側濃度、QB:モジュール供給液量(ml/min)を示す。
【0034】
【化3】
ここでAは面積(m2 )を示す。
【0035】
ストークス半径は文献{J.Brandrup,E.H.Immergut ”Polymer Handbook” (1989)、〓112〜113頁 John Wiley&Sons,inc}、{人工臓器13巻6号(1984)23〜30頁}に基づいて下記式にて計算した。ストークス半径(nm)=0.04456×(デキストラン分子量)0.43821
(3)アルブミン透過率の測定
血液槽に温度37℃で保温したヘマトクリット30%、総蛋白量6.5g/dlの牛血(ヘパリン処理血)を用いて、中空糸内側にポンプで200ml/minで送った。その際、モジュール出口側の圧力を調整して、濾過量がモジュール面積1m2 当たり20ml/min(すなわち1.6m2 では32ml/min)かかるようにし、濾液、出口血液は血液槽に戻した。環流開始後1時間後に中空糸側入り口、出口の血液、濾液をサンプリングし、血液側をBCG法、濾液側をCBB法キット(和光純薬)によって分析し、その濃度からアルブミン透過率(%)を算出した。
【0036】
【化4】
ここでCF:濾液中、CBi:モジュール入り口、 CBi:モジュール出口のアルブミン濃度を示す。
【0037】
(4)ゲル透過クロマトグラフィーによるポリビニルピロリドン分子量分布の測定
所定の凝固水洗工程を経た中空糸100mgをγ線照射前に塩化メチレン5mgに溶解し、塩存在下で水抽出を行い、得られた水溶液を超遠心機(20000rpm×10min)で分離し、水層を細孔径0.5ミクロンのフィルターで濾過を行いサンプル液とした。この溶液を温度23℃で東ソーTSK−gel−GMPWx1 2本直列につないだ理論段数(8900段)のカラムを用い、移動相として0.08M−トリス緩衝液(pH7.9)、流量 1.0ml/min、サンプル打ち込み量 0.3mlで分析を行った。5種の単分散ポリエチレングリコールを基準物質にして分子量分布を求めた。
【0038】
(5)紡糸原液中のポリビニルピロリドンの重量平均分子量
紡糸原液中のポリビニルピロリドンの重量平均分子量はK値と光散乱法によって求めた重量平均分子量の相関曲線から換算した。BASF社の技術情報文献”Kollidon :Polyvinylpyrrolidone for Pharmaceutical industry” のFig.15から重量平均分子量とK値との関係において下記の式を用いて計算した。重量平均分子量(Mw)= exp1.055495×K2.871682
(6)元素分析法によるポリビニルピロリドンの含有率の測定
γ線照射後のサンプルを常温、真空ポンプで乾固させ、その10mgをCHNコーダーで分析し、窒素含有量からポリビニルピロリドンの含有率を計算した。(7)項で得られた不溶化物も同様に測定し、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン由来の組成含有率を計算した。
【0039】
(7)不溶物量の測定
γ線照射後の中空糸膜10gを取り、100mlのジメチルホルムアミドに溶解した。遠心分離機で1500rpm 10分で不溶物を分離し、上澄み液を捨てる。この操作を3回繰り返し、残った固形物を蒸発乾固し、その重量から不溶物の含有率を求めた。
【0040】
実施例1
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K90)3部、ポリビニルピロリドン(BASF K30)6部をジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、加熱溶解し、製膜原液とした。原液粘度は30℃で70ポイズであった。この原液を温度50℃の紡糸口金部へ送り、外径0.3mm、内径0.2mmの2重スリット管から芯液としてジメチルアセトアミド65部、水35部からなる溶液を吐出させ中空糸膜を形成させた後、温度30℃、露点28℃の調湿250mmのドライゾーン雰囲気を経て、ジメチルアセトアミド20wt%、水80wt%からなる温度40℃の凝固浴を通過させ、80℃20秒の水洗工程、グリセリンによる保湿工程を経て得られた中空糸膜を巻き取り束とした。この中空糸膜を1.6m2 になるように、ケースに充填し、ポッティングしてモジュールとした。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が27%、10万以上が73%であった。また、γ線照射前のモジュールについて総括物質移動係数(Ko)を測定した結果、ストークス半径4.5nmで0.0025cm/min、透水性能 980ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率1.4%であった。γ線照射後、同様に総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径4nmで0.0025cm/min、透水性能 1000ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率1.5%であった。 さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ8%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ11%であった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来26%、ポリビニルピロリドン由来74%であった。
【0041】
実施例2
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K90)4部、ポリビニルピロリドン(BASF K30)5部をジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、加熱溶解し製膜原液とした。原液粘度は30℃で120ポイズであった。実施例1と同様な工程を経てモジュール化した。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が35%、10万以上が65%であった。
【0042】
γ線照射後、総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径3.3nmで0.0025cm/min、透水性能 800ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率2.0%であった。さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ9%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ12%となった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来20%、ポリビニルピロリドン由来80%であった。
【0043】
実施例3
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K60)9部をジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、加熱溶解し製膜原液とした。原液粘度は30℃で100ポイズであった。実施例1と同様な工程を経てモジュール化した。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が40%、10万以上が60%であった。
【0044】
γ線照射後、総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径3.5nmで0.0025cm/min、透水性能 500ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率1.8%であった。さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ5%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ10%となった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来15%、ポリビニルピロリドン由来85%であった。
【0045】
比較例1
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K90)1.5部、ポリビニルピロリドン(BASF K30)7.5部をジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、加熱溶解し、製膜原液とした。原液粘度は30℃で60ポイズであった。実施例1に従って製膜し、モジュール化した。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が60%、10万以上が40%であった。
【0046】
γ線照射後、総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径2.5nmでKoが0.0025cm/min、透水性能 600ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率0.5%であった。さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ4%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ0.15%となった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来10%、ポリビニルピロリドン由来90%であった。
【0047】
比較例2
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K90)7部をジメチルアセトアミド74部、水1部に加え、加熱溶解し製膜原液とした。原液粘度は30℃で250ポイズであった。実施例1に従って製膜し、モジュール化した。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が8%、10万以上が92%であった。
【0048】
γ線照射後、総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径2.8nmで0.0025cm/min、透水性能120ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率4.5%であった。さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ16%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ20%となった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来4%、ポリビニルピロリドン由来96%であった。
【0049】
比較例3
ポリスルホン(アモコ社 Udel−P3500)18部、ポリビニルピロリドン(BASF K30)9部をジメチルアセトアミド72部、水1部に加え、加熱溶解し、製膜原液とした。原液粘度は30℃で30ポイズであった。実施例1に従って製膜し、モジュール化した。次に、γ線照射前にゲル透過クロマトグラフィー法による中空糸残存ポリビニルピロリドンの分子量分布を調べた結果、分子量10万未満が80%、10万以上が20%であった。
【0050】
γ線照射後、総括物質移動係数(Ko)及び水濾過性能、アルブミン透過率を測定したところKoはストークス半径2.8nmで0.0025cm/min、透水性能710ml/hr/m2 /mmHg、アルブミン透過率0.02%であった。さらに、中空糸膜中のポリビニルピロリドン量を元素分析法により測定したところ4%であった。また、γ線照射後の中空糸の不溶物量を測定したところ0.5%となった。不溶化物の組成を調べたところポリスルホン由来42%、ポリビニルピロリドン由来58%であった。
【0051】
【発明の効果】
選択透過性分離膜に存在する親水性高分子の分子量分布をコントロールすることによって例えば医療分野に用いた場合、低分子から中高分子領域全般に優れた尿毒物質拡散性能を維持しつつ、アルブミン透過性を抑えることが出来るため、血液透析、血液濾過、血液透析濾過等に利用した場合、腎不全患者の病体改善に良い治療成績が期待できる。また、高透水性能を活かして透析液浄化のためのエンドトキシン除去フィルターなどに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】γ線照射前の膜中の親水性高分子ポリビニルピロリドンの分子量分布を示す。
【図2】γ線照射後の膜の総括物質移動係数(Ko)とストークス半径の関係を表す。
Claims (11)
- ポリスルホン系樹脂、ポリビニルピロリドンを主成分としてなる選択透過性分離膜において、分子量10万未満のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、10万以上のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれていることを特徴とする選択透過性分離膜。
- 該ポリビニルピロリドン含有率が、ポリスルホン系樹脂に対して3重量%以上、15重量%以下である請求項1に記載の選択透過性分離膜。
- ポリスルホン系樹脂、ポリビニルピロリドンを主成分としてなる選択透過性分離膜において、分子量 10 万未満のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対して10重量%以上、50重量%以下含まれ、10万以上のポリビニルピロリドンがポリビニルピロリドン全重量に対し、50重量%以上、90重量%以下含まれた膜を不溶化処理してなることを特徴とする選択透過性分離膜。
- 不溶化物の含有率が、膜全重量に対し、2重量%以上、15重量%以下である請求項3記載の選択透過性分離膜。
- 不溶化物の組成が不溶化前のポリスルホン系樹脂15重量%以上、40重量%以下、ポリビニルピロリドン60重量%以上、85重量%以下由来である請求項3または請求項4記載の選択透過性分離膜。
- デキストランによる拡散性能試験においてストークス半径で少なくとも3nmの総括物質移動係数が0.0025cm/min以上で、かつアルブミン透過率が4%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の選択透過性分離膜。
- 該アルブミン透過率が3%以下である請求項6記載の選択透過性分離膜。
- 該アルブミン透過率が2%以下である請求項6記載の選択透過性分離膜。
- 人工腎臓として用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の選択透過性分離膜。
- ポリスルホン系樹脂とポリビニルピロリドン、溶媒、添加剤を少なくとも含む製膜原液を用い、分子量の異なるポリビニルピロリドンを2種類以上含有し、かつ、分子量10万以上のポリビニルピロリドンの含有比率が該製膜原液全体に対して1.8重量%以上、20重量%以下であることを特徴とする選択透過性分離膜の製造方法。
- 重量平均分子量で5倍以上異なる2種類のポリビニルピロリドンを含有し、かつ、該ポリビニルピロリドン中、低分子量成分が20重量%以上、70重量%以下である請求項10に記載の選択透過性分離膜の製造方法。」
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