JP3699741B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えばレ−ザプリンタ,ファクシミリ,デジタル複写機等の光走査装置、特に被走査面に対するゴ−スト像の防止に関するものである。
【0002】
【産業上の利用分野】
レ−ザプリンタ,ファクシミリ,デジタル複写機等に使用される光走査装置は、例えば図3に示すように、レ−ザ光源1と結像光学系2と光偏向器3と走査結像光学系4と感光体ドラム5及び同期検出部13とを有する。結像光学系2はレ−ザ光源1からの光束のカップリングを行うカップリングレンズ6と、アパ−チャ7と、カップリングレンズ6とアパ−チャ7を通過した光束を副走査方向に収束させ主走査方向に長い線像に結像させるシリンダレンズ8とを有する。光偏向器3は例えばポリゴンミラ−からなり、像光学系と、結像光学系2で結像した線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する。走査結像光学系4はfθレンズ9と長尺トロイダルレンズ10を有し、光偏向器3による偏向光束を感光体ドラム5の被走査面上に光スポットとして集光させる。この走査結像光学系4からの光束は感光体ドラム5に直接、又は折返しミラ−11を介して入射する。走査結像光学系4又は折返しミラ−11と感光体ドラム5の間に設けられた開口部には防塵ガラス12が設けられている。
【0003】
このようなレ−ザプリンタ等は近年広く普及しており、高画質化,高信頼性,小型化が要望されている。レ−ザプリンタ等の高画質化,高信頼性をはばむものとしてゴ−スト像による画像劣化がある。このゴ−スト像を除去する光走査装置として例えば特公平3−5562号公報に開示された装置がある。特公平3−5562号公報に開示された光走査装置は、図4に示すように、光偏向器3に入射する光束の光軸とfθレンズ9を有する走査結像光学系4の光軸とがなす角αに対して、被走査面5aの有効走査幅Wと走査結像光学系4の主点から被走査面5aまでの距離Dに応じて一定の制約を加えて、ゴ−スト像Pgを被走査面5aの有効走査幅W外に形成するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特公平3−5562号公報に開示された光学系によると、光偏向器3により主走査方向に生じるゴ−スト像を防止することはできるが、光偏向器3以降の光学系により生じるゴ−スト像、特に副走査方向に生じるゴ−スト像を防止することは困難である。すなわち、図5の説明図に示すように、感光体ドラム5の被走査面に入射した光束Lの一部が感光体ドラム5の入射点Pで反射し、反射した光束Lgが防塵ガラス12等で反射して感光体ドラム5に再度入射して副走査方向の位置にゴ−スト像Pgを生じる可能性がある。
【0005】
また、レ−ザプリンタ等を小型化するためには、光走査装置の感光体ドラム5を小径化する必要がある。このように感光体ドラム5を小径化すると、走査結像光学系4から感光体ドラム5に入射した光束の副走査方向に対する位置ずれによる入射角変動が大きくなり、この副走査方向の位置ずれによりゴ−スト像が発生する可能性があった。
【0006】
この発明はかかる短所を解消するためになされたものであり、小径化した感光体ドラムを使用した場合であってもゴ−スト像の発生を防ぐことができる光走査装置を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光走査装置は、レ−ザ光源と、レ−ザ光源からの光束のカップリングを行うカップリングレンズとカップリングレンズを通過した光束を副走査方向に収束させ主走査方向に長い線像に結像させるシリンダレンズとを有する結像光学系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器と、光偏向器による偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像光学系と、光学系内に塵埃が侵入することを防止する防塵ガラスと、被走査面を有し走査結像光学系からの光束を直接入射する感光体ドラムとを有する光走査装置において、結像光学系の各構成部品の寸法公差、取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化をΔd、感光体ドラムの半径をrとするとき、感光体ドラムにおける反射光が防塵ガラスで反射しないように、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する光束を感光体ドラムの主走査方向に平行で感光体ドラムの被走査面の垂直な面に対して、角度θ(deg)>{(Δd/r)×(180/π)+1}を満足するように入射することを特徴とする。
【0008】
第2の発明に係る光走査装置は、レ−ザ光源と、レ−ザ光源からの光束のカップリングを行うカップリングレンズとカップリングレンズを通過した光束を副走査方向に収束させ主走査方向に長い線像に結像させるシリンダレンズとを有する結像光学系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器と、光偏向器による偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像光学系と、光学系内に塵埃が侵入することを防止する防塵ガラスと、被走査面を有し走査結像光学系からの光束を入射する感光体ドラムと、走査結像光学系と感光体ドラムの間に設けられた1又は複数の折返しミラ−とを有する光走査装置において、結像光学系の各構成部品の寸法公差,取付公差による副走査方向の走査位置変化をΔd、折返しミラ−の取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化をΔdm、感光体ドラムの半径をrとするとき、感光体ドラムにおける反射光が防塵ガラスで反射しないように、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する光束を感光体ドラムの主走査方向に平行で感光体ドラムの被走査面の垂直な面に対して、角度θ(deg)>〔(√{(Δd)2+(Δdm)2}/r)×(180/π)+1〕を満足するように入射することを特徴とする。
【0010】
【作用】
この発明においては、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する走査光束を感光体ドラムの被走査面の入射位置における法線面に対して傾けて入射し、被走査面に入射した走査光束の被走査面における反射光束を入射光束と異なる光路を通るようにして、被走査面からの反射光束が走査結像光学系や光偏向器に入射して反射することを防ぎ、被走査面に再結像することを防止する。
【0011】
上記被走査面の入射位置における法線面に対する走査光束の傾き角θを、結像光学系の各構成部品の寸法公差,取付公差による副走査方向の走査位置変化,折返しミラ−の取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化及び感光体ドラムの半径に応じて規制し、結像光学系の各構成部品の寸法公差等によって副走査方向の走査位置に変化が生じても、被走査面に入射した走査光束の被走査面における反射光束を入射光束と異なる光路を通るようにして、被走査面からの反射光束が走査結像光学系や光偏向器に入射して反射することを防ぎ、被走査面に再結像することを防止する。
【0012】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例の感光体ドラムに入射する走査光束を示す光路図である。ここで光走査装置は図3に示したものと全く同じ装置である。レ−ザ光源1から出射して結像光学系2,光偏向器3,走査結像光学系4,折返しミラ−11及び防塵ガラス12を通って感光体ドラム5に入射する走査光束Lは、感光体ドラム5の主走査方向に平行で感光体ドラム5の被走査面に対して垂直な法線面Hに対して角度θだけ傾けて入射するように構成されている。この感光体ドラム5に入射した走査光束Lの一部が感光体ドラム5から反射するが、この反射光束Lgは図1に示すように入射(走査)光束Lとは異なる傾いた光路を通る。したがって反射光束Lgが防塵ガラス12に再度入射して反射することを防ぐことができ、反射光束Lgが感光体ドラム5に再結像してゴ−スト像を形成することを防止できる。
【0013】
上記のように感光体ドラム5の入射光束Lを入射点Pの法線面Hに対して角度θだけ傾けて入射するようにしても、結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差,折返しミラ−の取付誤差により入射点Pが副走査方向に微小変化し、入射光束Lが図2に示すように入射点P1にずれる場合もある。このように入射光束Lが設計上の入射点Pから入射点P1にずれた場合、感光体ドラム5の半径rが十分に大きいときはあまり影響ないが、感光体ドラム5の半径rを小さくして光走査装置の小型化を図ると、入射点Pが微小距離だけ変化した入射点P1に入射した入射光束Lの反射光束Lgが入射光束Lと同じ光路を通って防塵ガラス12に入射して反射し感光体ドラム5に再結像してゴ−スト像を生じる可能性がある。
【0014】
そこで折返しミラ−11が設けられておらず、レ−ザ光源1から出射して結像光学系2,光偏向器3,走査結像光学系4及び防塵ガラス12を通って感光体ドラム5に入射する光走査装置においては、結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差により入射点Pに入射する予定の入射光束Lが副走査方向に平行移動して微小距離Δd1だけ変化した入射点P1に入射したとき、この入射点P1に入射した入射光束Lの反射光束が入射光束Lと同じ光路を通る条件は、感光体ドラム5の中心に対する入射点Pと入射点P1のなす角が角度θと一致した場合、すなわちθ(deg)={(Δd1/r)×(180/π)}である。ここで結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差は各構成部品の寸法公差や取付公差と同じかそれ以下であるから、結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差による入射点の変化量Δd1は結像光学系2の各構成部品の寸法公差や取付公差による入射点の変化量Δdよりも小さくなる。そこで上記条件から入射光束Lの設計基準入射点Pにおける法線面Hに対する傾き角度θ(deg)をθ(deg)>{(Δd/r)×(180/π)+1}が満足するように定めれば、結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差による入射点が設計基準入射点Pから入射点P1にずれても、入射光束Lの反射光束Lgは入射光束Lと同じ光路を通らず、防塵ガラス12に入射して反射し感光体ドラム5に再結像することを防ぐことができる。なお上記条件式に含まれる「1」度は上記以外の原因による走査位置変化と入射光束L等の方向ずれにより入射光束Lと反射光束Lgが同じ光路を通らないためのマ−ジンである。
【0015】
なお、上記実施例は結像光学系2の各構成部品の寸法誤差や取付誤差による影響を除去する場合について説明したが、防塵ガラス12の前に1又は複数の折返しミラ−11を設けた光走査装置においても上記と同様に入射光束Lの反射光束Lgが入射光束Lと同じ光路を通らないようにしてゴ−スト像が生じることを防止することができる。この場合は、結像光学系2の各構成部品の寸法公差や取付公差による入射点の変化量Δdと折返しミラ−11の取付公差による入射点の変化量Δdmの二乗和平方をとって入射光束Lの設計基準入射点Pにおける法線面Hに対する傾き角度θ(deg)をθ>〔(√{(Δd)2+(Δdm)2}/r)×(180/π)+1〕を満足するように定めれば良い。ここで折返しミラ−11が複数枚設けられている場合には、(Δdm)2として各折返しミラ−の取付公差による入射点の変化量の二乗和平方(Δdm)2=√Σ(Δdm)2を使用して入射光束Lの設計基準入射点Pにおける法線面Hに対する傾き角度θ(deg)を定めれば良い。
【0016】
通常、結像光学系2等の各構成部品の寸法誤差や取付誤差は基準値に対して正規分布している。そして各誤差の二乗和平方も正規分布し、公差を±3σとすると、公差内に入る部品の割合は99.7%となり、全系でも公差内に入る割合は99.7%になる。したがって上記のように寸法公差や取付公差の二乗和平方を取って入射光束Lの設計基準入射点Pにおける法線面Hに対する傾き角度θ(deg)を定めことにより、ほとんどの場合ゴ−スト像が生じることを防ぐことができる。
【0017】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する走査光束を感光体ドラムの被走査面の入射位置における法線面に対して傾けて入射し、被走査面に入射した走査光束の被走査面における反射光束を入射光束と異なる光路を通るようにして、被走査面からの反射光束が走査結像光学系や光偏向器に入射して反射することを防ぎ、被走査面に再結像することを防止するようにしたから、感光体ドラムの副走査方向にゴ−スト像が生じることを防ぐことができ、良質な画像を形成することができる。
【0018】
また、被走査面の入射位置における法線面に対する走査光束の傾き角θを、結像光学系の各構成部品の寸法公差,取付公差による副走査方向の走査位置変化,折返しミラ−の取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化及び感光体ドラムの半径に応じて規制し、結像光学系の各構成部品の寸法公差等によって副走査方向の走査位置に変化が生じても、被走査面に入射した走査光束の被走査面における反射光束を入射光束と異なる光路を通るようにして、被走査面からの反射光束が走査結像光学系や光偏向器に入射して反射することを防ぐようにしたから、感光体ドラムを小径化した場合であっても、感光体ドラムの副走査方向にゴ−スト像が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の感光体ドラムに入射する走査光束を示す光路図である。
【図2】他の実施例の感光体ドラムに入射する走査光束を示す光路図である。
【図3】光走査装置の構成図である。
【図4】従来例の光路を示す説明図である。
【図5】ゴ−スト像が生じる状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 レ−ザ光源
2 結像光学系
3 光偏向器
4 走査結像光学系
5 感光体ドラム
11 折返しミラ−
12 防塵ガラス
Claims (2)
- レ−ザ光源と、レ−ザ光源からの光束のカップリングを行うカップリングレンズとカップリングレンズを通過した光束を副走査方向に収束させ主走査方向に長い線像に結像させるシリンダレンズとを有する結像光学系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器と、光偏向器による偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像光学系と、光学系内に塵埃が侵入することを防止する防塵ガラスと、被走査面を有し走査結像光学系からの光束を直接入射する感光体ドラムとを有する光走査装置において、
結像光学系の各構成部品の寸法公差、取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化をΔd、感光体ドラムの半径をrとするとき、感光体ドラムにおける反射光が防塵ガラスで反射しないように、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する光束を感光体ドラムの主走査方向に平行で感光体ドラムの被走査面の垂直な面に対して、角度θ(deg)>{(Δd/r)×(180/π)+1}を満足するように入射することを特徴とする光走査装置。 - レ−ザ光源と、レ−ザ光源からの光束のカップリングを行うカップリングレンズとカップリングレンズを通過した光束を副走査方向に収束させ主走査方向に長い線像に結像させるシリンダレンズとを有する結像光学系と、上記線像の結像位置近傍に偏向反射面を有する光偏向器と、光偏向器による偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光させる走査結像光学系と、光学系内に塵埃が侵入することを防止する防塵ガラスと、被走査面を有し走査結像光学系からの光束を入射する感光体ドラムと、走査結像光学系と感光体ドラムの間に設けられた1又は複数の折返しミラ−とを有する光走査装置において、
結像光学系の各構成部品の寸法公差,取付公差による副走査方向の走査位置変化をΔd、折返しミラ−の取付公差による感光体ドラムの副走査方向の走査位置変化をΔdm、感光体ドラムの半径をrとするとき、感光体ドラムにおける反射光が防塵ガラスで反射しないように、走査結像光学系から感光体ドラムに入射する光束を感光体ドラムの主走査方向に平行で感光体ドラムの被走査面の垂直な面に対して、角度θ(deg)>〔(√{(Δd)2+(Δdm)2}/r)×(180/π)+1〕を満足するように入射することを特徴とする光走査装置。
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JP03940195A JP3699741B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 光走査装置 |
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JPH08207354A JPH08207354A (ja) | 1996-08-13 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03940195A Expired - Lifetime JP3699741B2 (ja) | 1995-02-06 | 1995-02-06 | 光走査装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3699741B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014142441A (ja) | 2013-01-23 | 2014-08-07 | Canon Inc | 画像形成装置 |
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1995
- 1995-02-06 JP JP03940195A patent/JP3699741B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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