JP3695204B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのできるプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。特にその定着器、より詳しくは加熱される無端ベルトを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いて用紙等の記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上にトナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】
定着器は、通常、加熱される回転体と、これに圧接されている回転体とを有しており、これら両回転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるようになっている。
【0004】
このような定着器においては、2つの回転体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れることから、2つの回転体とも駆動するということはなされておらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこれに従動させる構成が採用されている。
【0005】
また、加熱される回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間を要することから、加熱される回転体を無端ベルトとして、その初期的加熱時間を短縮したベルト定着器が知られている。
【0006】
図11はベルト定着器の第1例を示す図である(特開平9−138600号公報)。
【0007】
このベルト定着器は、無端状の耐熱ベルト6と、このベルト6をその内側から支持するローラ7a,7bと、ベルト6を加熱するローラ8と、ベルト6の外周面に接する加圧ローラ9とを有しており、加圧ローラ9がモータMで矢印a方向に回転駆動され、ベルト6が加圧ローラ9に従動する。
【0008】
トナー画像が形成された記録材は、ベルト6と加圧ローラ9との圧接部Nに矢印bで示すように供給され、圧接部Nを通ることでトナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0009】
図12はベルト定着器の第2例を示す図である(特開平8−334997号公報)。
【0010】
この定着器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵した加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱溶融して記録材S上に定着させるようになっている。
【0011】
また、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイル塗布ローラ5を備えている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図11に示した従来の画像形成装置におけるベルト定着器では、回転駆動される加圧ローラ9とこれに従動するベルト6との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材、例えば、合成樹脂製シートが供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の加圧ローラ9と記録材との間および/または記録材と従動側のベルト6との間でスリップが生じ、そのために加圧ローラ9とベルト6との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
【0013】
同様に、図12に示した従来の画像形成装置におけるベルト定着器では、駆動されるベルト1とこれに従動する加圧ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側のベルト1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
【0014】
特に、図12に示したベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布されるので、上記スリップが助長される。また、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部Nの端部N’に徐々に侵入して当該端部N’における定着ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させる。さらに、圧接部Nの端部N’に侵入するオイルはベルト1と定着ローラ2との間にも侵入して定着ローラ2とベルト1との間の摩擦力をも低減させる。このため、ベルト1と加圧ローラ4との間の周速差が一層助長され、結果として、定着動作がより不安定になるおそれがある。
【0015】
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、安定した定着動作がなされる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される、無端ベルトの幅よりも長い回転体と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持する、無端ベルトの幅よりも長いバックアップローラとを有し、前記無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器を備え、記録材上にトナー画像を形成し、その記録材を、前記定着器における前記圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させる画像形成装置であって、
前記無端ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位の裏面に、前記バックアップローラに対する高グリップ部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記回転体における、前記記録材に圧接されない部位であって前記バックアップローラに圧接される部位に、高グリップ部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記バックアップローラにおける、前記回転体に圧接される部位に、高グリップ部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記無端ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているとともに、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域との間に、オイルバリヤが設けられていることを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の画像形成装置は、請求項4記載の画像形成装置において、前記回転体における、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域との間にも、オイルバリヤが設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の画像形成装置は、請求項4または5記載の画像形成装置において、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトの側縁部に対向する部位にオイルバリヤが設けられていることを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の画像形成装置は、請求項4,5,または6記載の画像形成装置において、前記回転体における、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域には、高グリップ部が設けられていることを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の画像形成装置は、請求項4,5,6,または7記載の画像形成装置において、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域には、高グリップ部が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の画像形成装置は、請求項4〜8のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記オイル塗布手段により塗布される離型オイルは、前記無端ベルトにおける前記記録材との当接領域内においてのみ塗布されることを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の画像形成装置は、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、前記記録材の両面にトナー画像を形成可能であることを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の画像形成装置は、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置は、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成可能であることを特徴とする。
【0029】
【作用効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、記録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される回転体とを有し、これら無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器における前記圧接部の一部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0030】
そして、前記無端ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位であって前記回転体に圧接される部位に、高グリップ部が設けられているので、上記無端ベルトと回転体との圧接部の一部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または無端ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0031】
請求項2記載の画像形成装置によれば、記録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される回転体とを有し、これら無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器における前記圧接部の一部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0032】
そして、前記回転体における、前記記録材に圧接されない部位であって前記無端ベルトに圧接される部位に、高グリップ部が設けられているので、上記無端ベルトと回転体との圧接部の一部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または無端ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0033】
請求項3記載の画像形成装置によれば、記録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される、無端ベルトの幅よりも長い回転体と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持する、無端ベルトの幅よりも長いバックアップローラとを有し、前記無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器における前記圧接部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0034】
そして、前記回転体における、前記記録材に圧接されない部位であって前記バックアップローラに圧接される部位に、高グリップ部が設けられているので、上記無端ベルトと回転体との圧接部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または無端ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。
【0035】
この点について詳しく説明する。
【0036】
無端ベルト側が駆動される場合、その駆動力は無端ベルトに圧接されている回転体に伝達されるとともに、無端ベルトに従動するバックアップローラにも伝達され、上記高グリップ部を介して回転体に伝達される。すなわち、無端ベルトからの駆動力は2つの経路を介して回転体に伝達される。
【0037】
一方、回転体側が駆動される場合、その駆動力は回転体に圧接されている無端ベルトに伝達されるとともに、上記高グリップ部を介してバックアップローラにも伝達され、バックアップローラから無端ベルトに伝達される。すなわち、この場合も、回転体からの駆動力は2つの経路を介して無端ベルトに伝達される。
【0038】
したがって、無端ベルト側が駆動される場合であれ、回転体側が駆動される場合であれ、上記高グリップ部の作用によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、前記圧接部に比較的滑り易い記録材が供給されたとしても、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。
【0039】
このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0040】
請求項4記載の画像形成装置によれば、記録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される、無端ベルトの幅よりも長い回転体と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持する、無端ベルトの幅よりも長いバックアップローラとを有し、前記無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器における前記圧接部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0041】
そして、前記バックアップローラにおける、前記回転体に圧接される部位に、高グリップ部が設けられているので、上記無端ベルトと回転体との圧接部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または無端ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。
【0042】
この点については請求項3の作用ですでに述べたが念のために説明すると、無端ベルト側が駆動される場合、その駆動力は無端ベルトに圧接されている回転体に伝達されるとともに、無端ベルトに従動するバックアップローラにも伝達され、上記高グリップ部を介して回転体に伝達される。一方、回転体側が駆動される場合、その駆動力は回転体に圧接されている無端ベルトに伝達されるとともに、上記高グリップ部を介してバックアップローラにも伝達され、バックアップローラから無端ベルトに伝達される。したがって、無端ベルト側が駆動される場合であれ、回転体側が駆動される場合であれ、上記高グリップ部の作用によって、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上し、前記圧接部に比較的滑り易い記録材が供給されたとしても、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。
【0043】
このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0044】
請求項5記載の画像形成装置によれば、請求項3または4記載の画像形成装置において、前記無端ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位の裏面に、前記バックアップローラに対する高グリップ部が設けられているので、無端ベルトとバックアップローラとの間における動力伝達が一層良好になされることとなる。
【0045】
したがって、前記請求項3または4記載の画像形成装置における高グリップ部の作用と相俟って、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が一層向上するため、前記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが一層生じにくくなって一層の高画質が得られることとなる。
【0046】
請求項6記載の画像形成装置によれば、記録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される、無端ベルトの幅よりも長い回転体と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持する、無端ベルトの幅よりも長いバックアップローラとを有し、前記無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器における前記圧接部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。また、前記無端ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
【0047】
そして、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域(図12において説明した圧接部Nの端部N’に相当する領域)との間には、オイルバリヤが設けられているので、無端ベルトの表面に塗布された離型オイルが前記圧接部において前記「無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域」へと侵入しようとしても、その侵入は、前記オイルバリヤの存在によって防止される(少なくとも著しく生じ難くなる)こととなる。
【0048】
このため、前記「無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域」においては、バックアップローラと回転体とのグリップ力が確保され、したがって、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる(バックアップローラと回転体とのグリップ力が確保されることで無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転する点については請求項3の作用のところですでに述べたとおりである)。
【0049】
すなわち、この請求項6記載の画像形成装置によれば、無端ベルトに離型オイルが塗布される構成であるにもかかわらず、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなるため、駆動側の回転体(または無端ベルト)と記録材との間および/または記録材と従動側の無端ベルト(または回転体)との間でスリップが生じそうになったとしても、このスリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0050】
請求項7記載の画像形成装置によれば、請求項6記載の画像形成装置において、前記回転体における、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域との間にも、オイルバリヤが設けられているので、無端ベルトに塗布され、さらに回転体における無端ベルトとの当接領域に転移した離型オイルが、当該回転体における前記「無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域」へと侵入するという事態が、前記オイルバリヤの存在によって防止されることとなる(少なくとも著しく生じ難くなる)。
【0051】
したがって、前記「無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域」において、回転体とバックアップローラとの間のグリップ力が一層良好に確保されることとなるので、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが一層生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0052】
請求項8記載の画像形成装置によれば、請求項6または7記載の画像形成装置において、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトの側縁部に対向する部位にオイルバリヤが設けられているので、無端ベルトの表面に塗布された離型オイルが無端ベルトとバックアップローラとの間に侵入しようとしても、その侵入は、前記無端ベルトの側縁部に対向する部位において、前記オイルバリヤの存在によって防止される(少なくとも著しく生じ難くなる)こととなる。
【0053】
したがって、無端ベルトとバックアップローラとの間における摩擦力が確保され、よって、無端ベルトと回転体との従動性も向上するので、無端ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる(無端ベルトとバックアップローラとの間における摩擦力が確保されることで無端ベルトと回転体との従動性が向上することは、請求項3の作用ですでに述べたところから明かである)。
【0054】
すなわち、この請求項8記載の画像形成装置によれば、無端ベルトに離型オイルが塗布される構成であるにもかかわらず、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0055】
請求項9記載の画像形成装置によれば、請求項6,7,または8記載の画像形成装置において、前記回転体における、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域には、高グリップ部が設けられているので、回転体とバックアップローラとの従動性がより一層向上し、結果として無端ベルトと回転体との従動性がより一層向上するので、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0056】
請求項10記載の画像形成装置によれば、請求項6,7,8,または9記載の画像形成装置において、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域には、高グリップ部が設けられているので、回転体とバックアップローラとの従動性がより一層向上し、結果として無端ベルトと回転体との従動性がより一層向上するので、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0057】
請求項11記載の画像形成装置によれば、請求項6〜10のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記オイル塗布手段により塗布される離型オイルは、前記無端ベルトにおける前記記録材との当接領域内においてのみ塗布される構成となっているので、塗布されたオイルは、前記記録材にほとんど吸収され、あるいはほとんど記録材に転移することとなる。
【0058】
したがって、記録材に当接しない非当接領域へのオイルの侵入、すなわち、▲1▼無端ベルトに当接しない非当接領域における回転体とバックアップローラとの圧接領域、▲2▼無端ベルトとバックアップローラとの間、へのオイルの侵入がより一層生じ難くなり、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0059】
請求項12記載の画像形成装置は、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記記録材の両面にトナー画像を形成可能となっているので、この画像形成装置によれば、両面にトナー画像が形成された記録材が定着器における圧接部(少なくともその一部)を通過する場合がある。
【0060】
記録材上のトナーは、記録材と、無端ベルトあるいは回転体との摩擦係数を低減させることがあるとともに、記録材へのオイルの吸収を阻害する存在となるため、トナー画像が記録材の両面に形成されていると、トナー画像が片面にのみ形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0061】
これに対し、この請求項12記載の画像形成装置によれば、少なくとも、前記無端ベルト、回転体、バックアップローラのいずれかに前記高グリップ部が設けられており、あるいは、少なくとも、バックアップローラに前記オイルバリヤが設けられているので、記録材の両面にトナー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0062】
すなわち、この請求項12記載の画像形成装置によれば、記録材の両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0063】
請求項13記載の画像形成装置は、請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の画像形成装置において、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成可能となっているので、この画像形成装置によれば、少なくとも片面に上記フルカラー画像が形成された記録材が定着器における圧接部の一部を通過する場合がある。
【0064】
前述したように記録材上のトナーは、記録材と回転体との摩擦係数を低減させることがあるとともに、記録材へのオイルの吸収を阻害する存在となるため、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が記録材上に形成されていると、単色のトナー画像のみが形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0065】
これに対し、この請求項13記載の画像形成装置によれば、少なくとも、前記無端ベルト、回転体、バックアップローラのいずれかに前記高グリップ部が設けられており、あるいは、少なくとも、バックアップローラに前記オイルバリヤが設けられているので、記録材上に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0066】
すなわち、この請求項13記載の画像形成装置によれば、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能であり、上記請求項12記載の構成と組み合わせた場合には、記録材の両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0068】
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【0069】
先ず、この画像形成装置の概要について説明し、後にその定着器について詳しく説明する。
【0070】
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーによる現像器を用いて単色画像およびフルカラー画像を形成することのできる装置である。
【0071】
図1において、10は感光体ユニットであり、その感光体11が、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
【0072】
感光体11は、導電性基材と、その表面に形成された感光層とを有している。
【0073】
感光体11の周りには、その回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ12、露光手段としての露光ユニット20、現像手段としての現像器30(Y,C,M,K)、転写手段としての中間転写ユニット40、およびクリーニング手段13が配置される。なお、感光体ユニット10には、感光体11、帯電ローラ12、およびクリーニング手段13が組み込まれている。
【0074】
帯電ローラ12は、感光体11の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体11の外周面には、露光ユニット20によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体11上に静電潜像が形成される。
【0075】
この静電潜像は、現像器30でトナーが付与されて現像される。
【0076】
現像器として、イエロー用の現像器30Y、シアン用の現像器30C、マゼンタ用の現像器30M、およびブラック用の現像器30Kが設けられている。これら現像器30Y,30C,30M,30Kは、それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現像器の現像ローラ31のみが感光体11に当接し得るようになっている。したがって、これらの現像器30は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体11の表面に付与して感光体11上の静電潜像を現像しトナー画像を形成する。
【0077】
トナー画像は、中間転写ユニット40の中間転写体をなす中間転写ベルト46上に転写される。
【0078】
クリーニング手段13は、上記転写後に、感光体11の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受ける受け部とを備えている。
【0079】
中間転写ユニット40は、駆動ローラ41と、4本の従動ローラ42,43,44,45と、これら各ローラの回りに張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト46とを有している。
【0080】
駆動ローラ41は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体11の端部に設けられた駆動用歯車(図示せず)と噛み合っていることによって、感光体11と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト46が感光体11と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
【0081】
従動ローラ45は、駆動ローラ41との間で中間転写ベルト46がそれ自身の張力によって感光体11に圧接される位置に配置されており、感光体11と中間転写ベルト46との圧接部において一次転写部T1が形成されている。
【0082】
駆動ローラ41には、中間転写ベルト46を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して、中間転写ベルト46に一次転写電圧が印加される。
【0083】
従動ローラ42はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト46をその張り方向に付勢している。
【0084】
従動ローラ43は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ43には、中間転写ベルト46を介して二次転写手段としての二次転写ローラ48が対向配置されている。二次転写ローラ48は、図示しない接離機構により中間転写ベルト46に対して接離可能である。二次転写ローラ48には、二次転写電圧が印加される。
【0085】
従動ローラ44は、ベルトクリーナ49のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト46と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード49aと、このクリーナブレード49aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部49bとを備えている。このベルトクリーナ49は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト46に対して接離可能である。
【0086】
中間転写ベルト46は、導電層と、この導電層の上に形成され、感光体11に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は、合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が印加される。
【0087】
中間転写ベルト46が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体11上のトナー画像が中間転写ベルト46上に転写され、中間転写ベルト46上に転写されたトナー画像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ48との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。
【0088】
なお、中間転写ユニット40には、前記電極ローラ、テンションローラ42の付勢手段、二次転写ローラ48、およびベルトクリーナ49も組み込まれている。
【0089】
記録材Sは、給紙手段をなす給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は記録材Sを積層保持する給紙カセット、52はピックアップローラである。
【0090】
二次転写部T2でトナー画像が転写された記録材Sは、定着手段をなす定着器100を通ることによってそのトナー画像が記録材S上に定着される。
【0091】
定着器100は、後に図2を参照して詳しく説明するように、加熱される無端ベルト110と、この無端ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120とを有しており、無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの一部(軸線方向において一部)によって、通過する記録材Sを挟圧しつつ加熱して、トナー画像を記録材S上に溶融定着させる。
【0092】
定着器100を通った記録材Sは、最終的には、排紙経路60を通って、装置本体のケース70上に形成されたシート受け部71上に排出されるが、この画像形成装置は、定着器100を通過した記録材Sの表裏を反転させて再び二次転写部T2に記録材Sを返送することのできる反転返送経路60’を備えている。すなわち、この実施の形態における記録材Sの搬送手段は、排紙経路60および反転返送経路60’を有しており、排紙経路60が反転返送経路60’の一部を構成している。
【0093】
反転返送経路60’は、定着器100を通過した記録材Sを搬入し、かつ、一旦搬入した記録材Sを逆送することのできる互いに独立した2つの排紙経路61,62を有するスイッチバック経路63と、このスイッチバック経路63から逆送された記録材Sを再び前記二次転写部T2に向けて返送する返送路64とを有している。したがって、この反転返送経路60’によって再び二次転写部T2に返送される記録材Sは、その表裏が反転されて二次転写部T2に返送されることとなる。
【0094】
このような画像形成装置は、記録材Sの表面(第1面)にのみトナー画像を形成することもできるし、両面(表裏である第1面および第2面)にトナー画像を形成することもできる。
【0095】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
【0096】
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の図示しない制御部に入力されると、感光体11、現像器30の各ローラ31、および中間転写ベルト46が回転駆動される。
【0097】
(ii)感光体11の外周面が帯電ローラ12によって一様に帯電される。
【0098】
(iii)一様に帯電した感光体11の外周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0099】
(iv)感光体11には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器30Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー画像が感光体11上に形成される。
【0100】
(v)中間転写ベルト46には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体11上に形成されたトナー画像が、一次転写部T1において中間転写ベルト46上に転写される。このとき、二次転写ローラ48およびベルトクリーナ49は、中間転写ベルト46から離間している。
【0101】
(vi)感光体11上に残留しているトナーがクリーニング手段13によって除去された後、除電手段21からの除電光L2によって感光体11が除電される。
【0102】
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー画像が中間転写ベルト46上において重ね合わされて中間転写ベルト46上に形成される。
【0103】
(viii)所定のタイミングで給紙装置50から記録材Sが供給され、記録材Sの先端が二次転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録材S上の所望の位置に、中間転写ベルト46上のトナー画像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ48が中間転写ベルト46に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト46上のトナー画像(基本的には4色のトナー画像が重ね合わせられたフルカラー画像)が記録材S上に転写される。また、ベルトクリーナ49が中間転写ベルト46に当接し、二次転写後に中間転写ベルト46上に残留しているトナーが除去される。
【0104】
(ix)記録材Sが定着器100を通過することによって記録材S上にトナー画像が定着し、その後、記録材Sが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部71に向け、両面印刷の場合には、スイッチバック経路63を経て返送路64に向け)搬送される。
【0105】
すなわち、表面(第1面)にのみ画像を形成する場合には、給紙装置50から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写され、定着器100で定着された後、排紙経路61または62を経てシート受け部71上に排出される。なお、排紙経路61,62の入り口部分60Aには、図示しない経路切換手段が設けられており、これによってどちらの排紙経路(61,62)に記録材Sが搬入されるかが決定される。
【0106】
両面(第1面および第2面)に画像を形成する場合には、給紙装置50から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写され、定着器100で定着された後、一旦排紙経路61または62(スイッチバック経路63)に入り、逆送されて返送路64を経て、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで再び二次転写部T2に返送され、第2面にもトナー画像が転写される。その後、定着器100で第2面にもトナー画像が定着され、排紙経路61または62を経てシート受け部71上に排出される。
【0107】
以上、この実施の形態の画像形成装置の概要について説明したが、次に、その定着器100について詳しく説明する。
【0108】
図2は定着器100の主要部を示す概略図、図3は同じく主要部を示す部分省略概略側面図である。
【0109】
前述したように、定着器100は、加熱される無端ベルト110と、この無端ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120とを有しており、無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの一部(軸線方向において一部)N1によって、通過する記録材Sを挟圧しつつ加熱して、トナー画像を記録材S上に溶融定着させるようになっている。さらに、この実施の形態の定着器100は、前記圧接部Nにおいて無端ベルト110を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップローラ130と、無端ベルトを加熱する加熱手段としての加熱ローラ140とを有しており、無端ベルト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架されている。
【0110】
これら無端ベルト110および各ローラを回転させるための駆動ローラとしては、どのローラを用いることもできるが、この実施の形態では、加圧ローラ120を駆動ローラとして用いている。
【0111】
すなわち、加圧ローラ120は、画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動手段によって図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、無端ベルト110、バックアップローラ130、および加熱ローラ140が従動するようになっている。具体的には、加圧ローラ120に対して無端ベルト110が圧接されていることにより、無端ベルト110が加圧ローラ120に従動し、無端ベルト110がバックアップローラ130および加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、バックアップローラ130および加熱ローラ140が無端ベルト110に従動するようになっている。
【0112】
無端ベルト110は、薄肉金属製(例えばニッケル製)のベルト基材110a(図4参照)の表面に、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層(例えばシリコーンゴム層)110bを形成したものである。
【0113】
この実施の形態の特徴は、図3に示すように、上記無端ベルト110における、記録材Sに圧接されない部位であって加圧ローラ120に圧接される部位N2に、高グリップ部110Gが設けられている点にある。
【0114】
図3に示す高グリップ部110Gは、前記部位N2に沿って、複数の穴112を等間隔で千鳥状にかつベルト110の側縁部110cに沿って円環状に設けることによって構成されている。
【0115】
図4は、高グリップ部110Gの他の例を示す概略図で、(a)は部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。
【0116】
図4に示す高グリップ部110G’は、前記部位N2においてベルト110の側縁部110cに沿って、ベルト基材110aの両面に、グラスファイバー製のメッシュ113を接着剤114で接着することによって構成されている。
【0117】
なお、図3、図4では無端ベルト110の一端側部のみを描いてあるが、高グリップ部110Gは無端ベルト110の両側部に設けることが望ましい。
【0118】
図2において、111はバックアップローラ130への巻掛け部における無端ベルト110の表面温度を検出するためのサーミスタである。このサーミスタ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設けられている。
【0119】
バックアップローラ130は、金属製の芯材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸131aで定着器100のフレームの側板101に対して回転可能に支持されている。
【0120】
加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されており、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置されている。この加熱ローラ140は、無端ベルト110の巻掛け部において無端ベルト110を急速に加熱することが可能である。この実施の形態の加熱ローラ140はテンションローラとして構成されており、図示しない適宜の付勢手段で無端ベルト110の張り方向に付勢されている。なお、図2において、143は加熱ローラ140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0121】
加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けられた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。
【0122】
加圧ローラ120は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可能に支持されており、画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動手段によって図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。なお、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に取り付けられており、弾性層122および前記バックアップローラ130の弾性層132の弾性力でバックアップローラ130に圧接されている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側に凸状に形成される。図2において、124は加圧ローラ120の表面温度を検出するためのサーミスタである。
【0123】
フレーム101には、二次転写部T2(図1参照)によりトナー画像が形成(転写)された記録材Sを無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部(ニップ部)Nに導く、ガイド102が設けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ローラ対103と、定着後の記録材Sを排紙経路60に導くガイド104とが設けられている。なお、上記各サーミスタは、前述した図示しない制御部に接続されており、各サーミスタからの検出温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141への通電量が制御されるようになっている。
【0124】
この実施の形態の画像形成装置によれば、記録材S上にトナー画像が形成され、その記録材Sが、加熱される無端ベルト110と、この無端ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120を有し、これら無端ベルト110と加圧ローラ120のうち加圧ローラ120が駆動され、無端ベルト110が従動する定着器100における前記圧接部Nの一部N1を通過することにより、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。
【0125】
そして、無端ベルト110における、記録材Sに圧接されない部位であって加圧ローラ120に圧接される部位N2に、高グリップ部110Gが設けられているので、無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの一部N1に、比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120(バックアップローラ130で無端ベルト110が駆動される場合には無端ベルト110,以下同じ)と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の無端ベルト110(バックアップローラ130で無端ベルト110が駆動される場合には加圧ローラ120,以下同じ)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部110Gの作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側の無端ベルト110の従動性が向上し、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。
【0126】
このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材S上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0127】
この画像形成装置は、記録材Sの両面にトナー画像を形成可能となっているので、両面にトナー画像Tが形成された記録材Sが定着器100における圧接部Nの一部N1を通過する場合がある。
【0128】
記録材S上のトナーは、記録材Sと回転体との摩擦係数を低減させることがあるため、トナー画像が記録材Sの両面に形成されていると、トナー画像が片面にのみ形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0129】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、無端ベルト110に前記高グリップ部110Gが設けられているので、記録材Sの両面にトナー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0130】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0131】
さらに、この画像形成装置は、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が形成可能となっているので、少なくとも片面にフルカラー画像が形成された記録材Sが定着器100における圧接部Nの一部N1を通過する場合がある。
【0132】
前述したように記録材S上のトナーは、記録材Sと回転体との摩擦係数を低減させることがあるため、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が記録材S上に形成されていると、単色のトナー画像のみが形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0133】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、無端ベルト110に前記高グリップ部110Gが設けられているので、記録材S上に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0134】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能であり、しかも記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0135】
なお、高グリップ部110Gは記録材Sに圧接されない部位に設けられているので、記録材Sおよび記録材S上の画像に悪影響を及ぼすことはない。
【0136】
<第2の実施の形態>
この実施の形態が上述した第1の実施の形態と異なる点は、図3を参照して説明すると、無端ベルト110に前記高グリップ部110Gを設ける代わりに(あるいは設けるとともに)、加圧ローラ120における、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に高グリップ部Gを設けた点にあり、その他の点に変わりはない。なお、図3では加圧ローラ120の一端部側のみを描いてあるが、高グリップ部Gは加圧ローラ120の両端に設けることが望ましい。
【0137】
高グリップ部Gの構成は適宜採用することができるが、例えば、以下のような構成を採用することができる。
【0138】
図5(a1)(a2)は高グリップ部Gの第1例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図(a2)は概略的な部分側面図である。
【0139】
この高グリップ部G1は、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に、軸線方向に伸びる多数の突条G1aを有する無端ゴムベルトG1bを固着する、あるいは多数の突条G1aを有する無端ゴムベルトG1b状のものを前記部位N2に一体的に形成することで構成してある。突条G1aの高さは、100μm〜500μm程度とする。
【0140】
図5(b1)(b2)は高グリップ部Gの第2例を示す図で、図(b1)は概略的な部分斜視図、図(b2)は概略的な部分側面図である。
【0141】
この高グリップ部G2は、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に、軸線方向に伸びる多数の突条G2aを有する耐熱テープあるいは波状の耐熱テープG2bをリング状に張り付けることで構成してある。突条G2aの高さは、100μm〜500μm程度、より好ましくは200μm程度とする。
【0142】
図6(a1)(a2)は高グリップ部Gの第3例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図(a2)は図(a1)におけるa2−a2断面図である。
【0143】
この高グリップ部G3は、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に、厚めで帯状のシリコーンゴムスポンジG3aをリング状に巻き付けて固着し、あるいは厚手で予めリング状に形成されたシリコーンゴムスポンジG3aを固着することで構成してある。
【0144】
このシリコーンゴムスポンジG3aは、図(a3)に示すように、無端ベルト110と加圧ローラ120とが圧接されると、同図に示すように圧縮されて高グリップ部Gを形成する。
【0145】
図6(b)は高グリップ部Gの第4例を示す概略的断面図(図(a1)におけるa2−a2断面図に相当する図)である。
【0146】
この高グリップ部G4は、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に、粒状体(例えばガラスビーズ)G4aをエポキシ接着剤G4bで固着することで構成してある。粒状体G4aの粒径は200μm〜500μm程度とする。
【0147】
この実施の形態の画像形成装置によっても、前記第1の実施の形態と同様、記録材S上にトナー画像が形成され、その記録材Sが、定着器100における前記圧接部Nの一部N1を通過することにより、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。
【0148】
そして、加圧ローラ120における、記録材Sに圧接されない部位であって無端ベルト110に圧接される部位N2に、高グリップ部Gが設けられているので、無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部の一部N1に、比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の無端ベルト110との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部Gの作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側の無端ベルト110の従動性が向上し、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。
【0149】
このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材S上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0150】
また、少なくとも、加圧ローラ120に前記高グリップ部Gが設けられているので、記録材Sの両面にトナー画像が形成され、あるいは記録材S上に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が形成された場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0151】
したがって、この実施の形態の画像形成装置によっても、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能であり、しかも記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0152】
なお、高グリップ部Gは記録材Sに圧接されない部位に設けられているので、記録材Sおよび記録材S上の画像に悪影響を及ぼすことはない。
【0153】
<第3の実施の形態>
図7は本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における定着器100の主要部を示す概略的な部分省略側面図である。この図において、前述した第1の実施の形態と同一部分または相当する部分には同一の符号を付してある。
【0154】
この実施の形態の特徴は、加圧ローラ120およびバックアップローラ130が無端ベルト110の幅よりも長く形成されているとともに、加圧ローラ120における、記録材Sに圧接されない部位であってバックアップローラ130に圧接される部位N3に、高グリップ部G’が設けられている点にある。定着器100の基本構成および画像形成装置全体の構成は第1の実施の形態と同じである。なお、図7では加圧ローラ120の一端部側のみを描いてあるが、高グリップ部G’は加圧ローラ120の両端に設けることが望ましい。
【0155】
高グリップ部G’の構成は適宜採用することができるが、例えば、先に図5、図6を参照して説明した構成を採用することができる。
【0156】
この実施の形態の画像形成装置によっても、前記第1の実施の形態と同様、記録材S上にトナー画像が形成され、その記録材Sが、定着器100における前記圧接部N(この実施の形態では圧接部Nの一部N1)を通過することにより、トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。
【0157】
そして、加圧ローラ120における、記録材Sに圧接されない部位であってバックアップローラ130に圧接される部位N3に、高グリップ部G’が設けられているので、無端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部N1に、比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の加圧ローラ120と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の無端ベルト110との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部G’の作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側の無端ベルト110の従動性が向上し、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。
【0158】
この点について詳しく説明する。
【0159】
加圧ローラ120側が駆動される場合、その駆動力は加圧ローラ120に圧接されている無端ベルト110に伝達されるとともに、上記高グリップ部G’を介してバックアップローラ130にも伝達され、バックアップローラ130に対する無端ベルト110の巻掛け部においてバックアップローラ130から無端ベルト110に伝達される。すなわち、加圧ローラ120からの駆動力は2つの経路を介して無端ベルト110に伝達される。なお、無端ベルト110側が駆動される場合(バックアップローラ130または加熱ローラ140によって無端ベルト110が駆動される場合)、その駆動力は無端ベルト110に圧接されている加圧ローラ120に伝達されるとともに、無端ベルト110に従動するバックアップローラ130にも伝達され、上記高グリップ部G’を介して加圧ローラ120に伝達される。すなわち、この場合も、無端ベルト110からの駆動力は2つの経路を介して加圧ローラ120に伝達されることとなる。
【0160】
したがって、加圧ローラ120側が駆動される場合であれ、無端ベルト110側が駆動される場合であれ、上記高グリップ部G’の作用によって、駆動側の加圧ローラ120(または無端ベルト110)に対する従動側の無端ベルト110(または加圧ローラ120)の従動性が向上し、前記圧接部Nに比較的滑り易い記録材Sが供給されたとしても、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。
【0161】
このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0162】
また、加圧ローラ120に前記高グリップ部G’が設けられているので、記録材Sの両面にトナー画像が形成され、あるいは記録材S上に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が形成された場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0163】
したがって、この実施の形態の画像形成装置によっても、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能であり、しかも記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0164】
なお、高グリップ部G’は記録材Sに圧接されない部位に設けられているので、記録材Sおよび記録材S上の画像に悪影響を及ぼすことはない。
【0165】
<第4の実施の形態>
この実施の形態が上述した第3の実施の形態と異なる点は、図7を参照して説明すると、加圧ローラ120に前記高グリップ部G’を設ける代わりに(あるいは設けるとともに)、バックアップローラ130における、加圧ローラ120に圧接される部位(N3)に、高グリップ部G’’を設けた点にあり、その他の点に変わりはない。なお、図7ではバックアップローラ130の一端部側のみを描いてあるが、高グリップ部G’’はバックアップローラ130の両端に設けることが望ましい。
【0166】
高グリップ部G’’の構成は適宜採用することができるが、例えば、先に図5、図6を参照して説明した構成を採用することができる。
【0167】
この実施の形態の画像形成装置によっても、前記第3の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0168】
<第5の実施の形態>
この実施の形態が上述した第3または第4の実施の形態と異なる点は、図7を参照して説明すると、加圧ローラ120および/またはバックアップローラ130に前記高グリップ部G’および/またはG’’を設けるとともに、無端ベルト110における、記録材Sに圧接されない部位N2の裏面に、バックアップローラ130に対する高グリップ部110G’’を設けた点にあり、その他の点に変わりはない。なお、図7では無端ベルト110の一側部のみを描いてあるが、高グリップ部110G’’は両側に設ける。
【0169】
高グリップ部110G’’の構成は適宜採用することができるが、例えば、先に図3、図4を参照して説明した高グリップ部110Gまたは110G’と同じ構成を採用することができる。
【0170】
この実施の形態の画像形成装置によっても、前記第3の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0171】
さらに、この実施の形態の画像形成装置によれば、無端ベルト110における、記録材に圧接されない部位N2の裏面に、バックアップローラ130に対する高グリップ部110G’’が設けられているので、無端ベルト110とバックアップローラ130との間における動力伝達が一層良好になされることとなる。
【0172】
したがって、前記高グリップ部G’および/またはG’’の作用と相俟って、駆動側の加圧ローラ120(または無端ベルト110)に対する従動側の無端ベルト110(または加圧ローラ120)の従動性が一層向上するため、前記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが一層生じにくくなって一層の高画質が得られることとなる。
【0173】
<第6の実施の形態>
図8は本発明に係る画像形成装置の第6の実施の形態における定着器100を示す概略図、図9は同定着器100の主要部を示す概略的な部分側面図である。これらの図において、前述した第1の実施の形態と同一部分または相当する部分には同一の符号を付してある。
【0174】
この実施の形態が、前述した実施の形態と異なる点は、無端ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段としてのオイルローラ150が設けられているとともに、バックアップローラ130における、無端ベルト110との当接領域Nと、無端ベルト110に当接しない非当接領域であって加圧ローラ120に圧接される領域N3との間に、オイルバリヤBが設けられている点にあり、その他の点に変わりはない。
【0175】
オイルローラ150は、軸151と、この軸151の回りに固定された肉厚の多孔質材料または繊維質材料からなるオイル保持層152とを備えている。オイル保持層152には、離型オイルが含浸させてあり、その表面は、オイル塗布量の均一化を図るためのオイル透過性を有する薄膜シート、例えば、多孔質PTFEシート153で被覆してある。
【0176】
オイルローラ150は図示しない適宜の付勢手段で無端ベルト110に圧接されて従動回転し、無端ベルト110の表面に、シリコーンオイル等の離形オイルを塗布する。なお、図2において、154は、オイルローラ150の表面をクリーニングするためのフェルト等からなるクリーニング部材であり、オイルローラ150の表面に圧接されている。
【0177】
この実施の形態では、図9に示すように、オイルローラ150は無端ベルト110よりも短く構成されており、無端ベルト110における記録材Sとの当接領域N1内においてのみオイルを塗布するようになっている。なお、オイルローラ150は記録材S上に形成される最大画像領域の幅よりは大きな幅でオイルを塗布する。
【0178】
オイルバリヤBは適宜の構成を採用することができるが、この実施の形態ではバックアップローラ130にリング状の溝135を形成することにより構成してある。また、加圧ローラ120にもリング状の溝125を形成することによりオイルバリヤBを設けてある。すなわち、このリング状の溝125は、加圧ローラ120における、無端ベルト110との当接領域Nと、無端ベルト110に当接しない非当接領域であってバックアップローラ130に圧接される領域Nとの間に設けられたオイルバリヤを構成している。溝135,125内には、溝内に侵入したオイルを吸収するオイル吸収部材(例えばフェルトからなるリング状体)B1を設けることが望ましい。
【0179】
また、この実施の形態では、バックアップローラ130における、無端ベルト110の側縁部110cに対向する部位にオイルバリヤB2が設けられている。
【0180】
図10は、このオイルバリヤB2を示す部分拡大断面図である。
【0181】
このオイルバリヤB2は、バックアップローラ130における、無端ベルト110の側縁部110cに対向する部位にリング状に形成された溝B2aと、この溝B2a内に収納されたオイル吸収部材(例えばフェルトからなるリング状体)B2bとで構成されている。このオイルバリヤB2bもバックアップローラ130の両端部に設けることが望ましい。
【0182】
図10に仮想線B2’で示すように、オイルバリヤB2の幅を無端ベルト110の側縁部110cよりも外方に延設することにより、前述したオイルバリヤBすなわち無端ベルト110との当接領域Nと無端ベルト110に当接しない非当接領域であって加圧ローラ120に圧接される領域N3との間に設けられたオイルバリヤBと同等の役割を果たさせることができる。
【0183】
上記加圧ローラ120,バックアップローラ130のうち少なくとも一方の回転体における、前記圧接領域N3には、高グリップ部G’および/またはG’’を設けることが望ましく、この実施の形態では、加圧ローラ120に図5(a1)に示した高グリップ部G’(G1)を設けるとともに、バックアップローラ130に図6(a1)に示した高グリップ部G’’(G3)を設けてある。なお、図9では加圧ローラ120等の一端部のみを描いてあるが、オイルバリヤB、高グリップ部G’,G’’は加圧ローラ120等の両端に設けることが望ましい。
【0184】
この第6の実施の形態による画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
【0185】
(a)記録材S上にトナー画像が形成され、その記録材Sが、加熱される無端ベルト110と、この無端ベルト110に圧接される、無端ベルト110の幅よりも長い回転体としての加圧ローラ120と、その圧接部Nにおいて無端ベルト110を内方から支持する、無端ベルト110の幅よりも長いバックアップローラ130とを有し、加圧ローラ120が駆動され、無端ベルト110が従動する定着器100における前記圧接部Nを通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。
【0186】
また、無端ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段としてのオイルローラ150が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
【0187】
そして、バックアップローラ130における、無端ベルト110との当接領域Nと、無端ベルト110に当接しない非当接領域であって加圧ローラ120に圧接される領域N3(図12において説明した圧接部Nの端部N’に相当する領域)との間には、オイルバリヤBが設けられているので、無端ベルト110の表面に塗布された離型オイルが圧接部Nから前記「無端ベルト110に当接しない非当接領域であって加圧ローラ120に圧接される領域」N3へと侵入しようとしても、その侵入は、前記オイルバリヤBの存在によって防止される(少なくとも著しく生じ難くなる)こととなる。
【0188】
このため、前記領域N3においては、バックアップローラ130と加圧ローラ120とのグリップ力が確保され、したがって、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる(バックアップローラ130と加圧ローラ120とのグリップ力が確保されることで無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転する点については第3の実施の形態の作用のところですでに述べたとおりである)。
【0189】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、無端ベルト110に離型オイルが塗布される構成であるにもかかわらず、無端ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなるため、駆動側の加圧ローラ120(または無端ベルト110)と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の無端ベルト110(または加圧ローラ120)との間でスリップが生じそうになったとしても、このスリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0190】
(b)加圧ローラ120における、無端ベルト110との当接領域Nと、無端ベルト110に当接しない非当接領域であってバックアップローラ130に圧接される領域N3との間にも、オイルバリヤBが設けられているので、無端ベルト110に塗布され、さらに加圧ローラ120における無端ベルト110との当接領域Nに転移した離型オイルが、当該加圧ローラ120における前記領域N3へと侵入するという事態が、そのオイルバリヤBの存在によって防止されることとなる(少なくとも著しく生じ難くなる)。
【0191】
したがって、前記領域N3において、加圧ローラ120とバックアップローラ130との間のグリップ力が一層良好に確保されることとなるので、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが一層生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0192】
(c)バックアップローラ130における、無端ベルト110の側縁部110cに対向する部位にオイルバリヤB2が設けられているので、無端ベルト110の表面に塗布された離型オイルが無端ベルト110の側縁部110cから無端ベルト110とバックアップローラ130との間T3に侵入しようとしても、その侵入は、無端ベルト110の側縁部110cに対向する部位において、前記オイルバリヤB2の存在によって防止される(少なくとも著しく生じ難くなる)こととなる。
【0193】
したがって、無端ベルト110とバックアップローラ130との間における摩擦力が確保され、よって、加圧ローラ120からバックアップローラ130を経由した無端ベルト110への動力伝達も確保されるので、無端ベルト110と加圧ローラ120との従動性も向上する。このため、無端ベルト110と加圧ローラ120とが確実に略同一の周速で回転することとなる。
【0194】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、無端ベルト110に離型オイルが塗布される構成であるにもかかわらず、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0195】
(d)加圧ローラ120における、前記領域N3には、高グリップ部G’が設けられているので、加圧ローラ120とバックアップローラ130との従動性がより一層向上し、結果として無端ベルト110と加圧ローラ120との従動性がより一層向上するので、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0196】
(e)バックアップローラ130における、前記領域N3には、高グリップ部G’’が設けられているので、加圧ローラ120とバックアップローラ130との従動性がより一層向上し、結果として無端ベルト110と加圧ローラ120との従動性がより一層向上するので、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0197】
(f)オイルローラ150により塗布される離型オイルは、無端ベルト110における記録材Sとの当接領域N1内においてのみ塗布される構成となっているので、塗布されたオイルは、記録材Sが通過する過程で記録材Sにほとんど吸収され、あるいはほとんど記録材Sに転移することとなる。
【0198】
したがって、記録材Sに当接しない非当接領域へのオイルの侵入、すなわち、▲1▼無端ベルト110に当接しない非当接領域における加圧ローラ120とバックアップローラ130との圧接領域N3、▲2▼無端ベルト110とバックアップローラ130との間T3、へのオイルの侵入がより一層生じ難くなり、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0199】
(g)この画像形成装置も、上記第1の実施の形態等と同様、記録材Sの両面にトナー画像を形成可能となっているので、両面にトナー画像Tが形成された記録材Sが定着器100における圧接部Nの一部N1を通過する場合がある。
【0200】
前述したように、記録材S上のトナーは、記録材Sと回転体との摩擦係数を低減させることがあるため、トナー画像Tが記録材Sの両面に形成されていると、トナー画像が片面にのみ形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0201】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、少なくとも、バックアップローラ130に前記オイルバリヤBが設けられているので、記録材Sの両面にトナー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0202】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によれば、記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0203】
(h)この画像形成装置も、上記第1の実施の形態等と同様、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が形成可能となっているので、少なくとも片面にフルカラー画像が形成された記録材Sが定着器100における圧接部Nの一部N1を通過する場合がある。
【0204】
前述したように記録材S上のトナーは、記録材Sと回転体との摩擦係数を低減させることがあるため、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が記録材S上に形成されていると、単色のトナー画像のみが形成されている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0205】
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、少なくとも、バックアップローラ130に前記オイルバリヤBが設けられているので、記録材S上に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。
【0206】
すなわち、この実施の形態の画像形成装置によっても、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能であり、しかも記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0207】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0208】
例えば、上記各実施の形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0209】
【発明の効果】
請求項1〜11記載のいずれの画像形成装置によっても、安定した定着動作がなされることとなる。
【0210】
さらに、
請求項1記載の画像形成装置によれば、一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0211】
請求項4記載の画像形成装置によれば、無端ベルトに離型オイルが塗布される構成であるにもかかわらず、安定した定着動作がなされることとなる。
【0212】
請求項5記載の画像形成装置によれば、一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0213】
請求項6記載の画像形成装置によれば、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0214】
請求項7記載の画像形成装置によれば、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0215】
請求項8記載の画像形成装置によれば、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0216】
請求項9記載の画像形成装置によれば、記録材に当接しない非当接領域へのオイルの侵入がより一層生じ難くなり、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0217】
請求項10記載の画像形成装置によれば、記録材の両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0218】
請求項11記載の画像形成装置によれば、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0219】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図。
【図2】同じく定着器100の主要部を示す概略図。
【図3】同じく主要部を示す部分省略概略側面図である。
【図4】高グリップ部110Gの他の例を示す概略図で、(a)は部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。
【図5】(a1)(a2)は高グリップ部Gの第1例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図(a2)は概略的な部分側面図、(b1)(b2)は高グリップ部Gの第2例を示す図で、図(b1)は概略的な部分斜視図、図(b2)は概略的な部分側面図。
【図6】(a1)(a2)は高グリップ部Gの第3例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図(a2)は図(a1)におけるa2−a2断面図、図(a3)は作用説明図、(b)は高グリップ部Gの第4例を示す概略的断面図(図(a1)におけるa2−a2断面図に相当する図)である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態における定着器100の主要部を示す概略的な部分省略側面図。
【図8】本発明に係る画像形成装置の第6の実施の形態における定着器100を示す概略図。
【図9】同定着器100の主要部を示す概略的な部分側面図。
【図10】オイルバリヤB2を示す部分拡大断面図。
【図11】従来技術の説明図。
【図12】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材
100 定着器
110 無端ベルト110
110G 高グリップ部
110c 側縁部
120 加圧ローラ(回転体)
130 バックアップローラ
150 オイルローラ(オイル塗布手段)
N 圧接部
N1 圧接部の一部(記録材との当接領域)
N2 記録材に圧接されない部位であって回転体等に圧接される部位
N3 記録材に圧接されない部位であってバックアップローラ等に圧接される部位
G 高グリップ部
B オイルバリヤ
Claims (11)
- 加熱される無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される、無端ベルトの幅よりも長い回転体と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持する、無端ベルトの幅よりも長いバックアップローラとを有し、前記無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器を備え、記録材上にトナー画像を形成し、その記録材を、前記定着器における前記圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させる画像形成装置であって、
前記無端ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位の裏面に、前記バックアップローラに対する高グリップ部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記回転体における、前記記録材に圧接されない部位であって前記バックアップローラに圧接される部位に、高グリップ部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記バックアップローラにおける、前記回転体に圧接される部位に、高グリップ部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記無端ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているとともに、前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域との間に、オイルバリヤが設けられていることを特徴とする請求項1,2,または3記載の画像形成装置。
- 前記回転体における、前記無端ベルトとの当接領域と、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域との間にも、オイルバリヤが設けられていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトの側縁部に対向する部位にオイルバリヤが設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。
- 前記回転体における、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記バックアップローラに圧接される領域には、高グリップ部が設けられていることを特徴とする請求項4,5,または6記載の画像形成装置。
- 前記バックアップローラにおける、前記無端ベルトに当接しない非当接領域であって前記回転体に圧接される領域には、高グリップ部が設けられていることを特徴とする請求項4,5,6,または7記載の画像形成装置。
- 前記オイル塗布手段により塗布される離型オイルは、前記無端ベルトにおける前記記録材との当接領域内においてのみ塗布されることを特徴とする請求項4〜8のうちいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、前記記録材の両面にトナー画像を形成可能であることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を形成可能であることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の画像形成装置。
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