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JP3693494B2 - チャープ型光ファイバフィルタの製造方法及びチャープ型光ファイバフィルタ - Google Patents

チャープ型光ファイバフィルタの製造方法及びチャープ型光ファイバフィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光フィルタの製造方法及び光フィルタに関し、詳細には、例えばファイバブラッググレーティングを用いた光フィルタの製造方法及び光フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光通信分野では、波長フィルタや分散補償器などの光フィルタとして、ファイバブラッググレーティング(以下、FBGという)が多用されている。このFBGは、光ファイバのコアに対して周期的な屈折率変化を施して形成する。周期的な屈折率変化(屈折率変調)は、例えば位相マスク法により形成する。この位相マスク法については、例えば「米国特許5367588号」(文献1)がある。
【0003】
図7は従来の位相マスク法を用いたFBG作製の概念図であり、図8は位相マスクの外観図である。
【0004】
まず、FBG作製の概要について説明する。
【0005】
光学系は、レーザ光源1、アッテネータ(出力調整器)3、ミラー4、及びシリンドリカルレンズ5を備えている。レーザ光源1(例えば、ラムダ・フィジックス製KrFエキシマレーザ)から波長248nmのレーザ光2が出力され、レーザ光2は、アッテネータ3を通過して、ミラー4により90°の方向変換を受け、さらに、シリンドリカルレンズ5によりビーム径が調整されて位相マスク6に照射される。
【0006】
この位相マスク6でレーザ光7は回折され、図7拡大部に示すように位相マスク6の下部には縞模様の回折光8が生じる。この下に、クラッド9が露出した状態の感光性光ファイバ10(例えば、水素充填を施したコーニング)を設置することで、回折光の強度の高い部分で光感光性ファイバ10のコア部11に局所的な屈折率変化が起こる。図中、12はこの屈折率変化部(屈折率変調部)である。
【0007】
この光感光性ファイバ10の軸方向からレーザ光13を入射させると式(1)に示す波長の反射光λb14はブラッグ反射により入射端15に出射されるようになる。
【0008】
λb=2・n eff・Λ …(1)
ここで、n effはグレーティング部のコアの実効屈折率、Λはファイバの屈折率変化の周期である。
【0009】
位相マスク法では、位相マスクを介して光ファイバに紫外線光を照射する。位相マスクは紫外線光の透過が可能な板状体である。この板状体の表面には複数個の凹部が形成されており、各凹部は所定の間隔をもって直線的に配列している。これら凹部により紫外線光が回折する。その回折光の強度は、凹部の配列間隔(ピッチ)に応じた位置で強められたり弱められたりする。一方、光ファイバのコアは、紫外線光によってその屈折率が変化する材料で形成されている。このような光ファイバを光感光性ファイバという。
【0010】
上述した回折光が光ファイバに対して照射されるので、光ファイバの延在方向(長手方向、光の導波方向)に沿って、周期的な屈折率変調すなわちグレーティングがコアに形成される。
【0011】
上述の位相マスクの作製方法は、例えば「PRODUCTION OF IN_FIBRE GRATINGS USING A DIFFRACTIVE OPTICAL ELEMENT」 D.Z.Anderson et.al.,Electronics Letters 18th Mar 1993 Vol 29 No.6(文献2)に記載されている製造方法によって形成される。
【0012】
上記文献2に記載された位相マスク6の作製方法を図示せずに以下に説明する。まず、石英ガラス板にCr薄膜をスパッタリング若しくは蒸着法により、形成する。次に電子ビームリソグラフィ法により、Cr薄膜をパターニングする。この時、ライン(Cr)/スペースを等寸法(Λ/Λ)としておく。2Λが後の回折格子列の周期となる。その後、Crパターンをマスクとして下地の石英を反応性イオンエッチングを用いてエッチングし、溝を形成する。その後、Cr薄膜を酸により除去することで、石英基板上に凸凹の回折格子列17(図8)が作製される。
【0013】
一方、レーザの照射方法は、レーザビーム7の大きさが25×10mm程度であるので屈折率変化部12が十分に短い場合(≦15mm)は直接、長い場合には、ミラー4あるいは位相マスク6と光感光性ファイバ10を走査させる方式で作製される。
【0014】
また、ブラッグ反射波長λb14の反射帯域を広くしたい場合には、例えば「ファイバグレーティングとその応用」井上ら応用物理第66巻第1号pp33−36(文献3)に記載されているチャープグレーティングの構造にすればよい。上記文献3に記載のチャープグレーティングの構造は、チャープグレーティングと呼ばれるようなΛが小から大へ連続的、段階的に変化するようにしたものである(図8参照)。
【0015】
次にアポダイズ法について説明する。
【0016】
図9はフラット形状の屈折率分布を示す図、図10はFBGフィルタの反射特性を示す図である。
【0017】
図9に示すファイバ長手方向に対して均一強度でレーザを照射させた場合、図10に示すように、FBGフィルタ特性としてサイドモード20の発生、反射帯域、フラットトップ部のリップルなどが発生する。
【0018】
これらの問題のひとつの解決手段としてアポダイズ法が提案されている。アポダイズ法は、例えば「Apodised in-fibre Bragg grating refiectors photo imprinted using a phase mask」B.Malo et.al.,Electronics Letters 2nd February 1995 Vol.31 No.3,pp.223-225(文献4)に記載されたものがある。
【0019】
図11はアポダイズ法を説明するための図、図12はアポダイズ法を用いたFBGフィルタの反射特性を示す図である。
【0020】
アポダイズ法(apodization法)は、図11に示すように屈折率変化を、ファイバ長さ方向の屈折率変化の包絡線をガウシャン関数、COSIN関数のようなベル状33にする方法であり、ファイバの長手方向においてグレーティングの強度が不連続に変化しないように、グレーティングの強度分布に一定の窓関数を用いるものである。図12と図10を比較してわかるように、アポダイズ法を用いることによりFBGフィルタ特性において、サイドモード20の発生、反射帯域、フラットトップ部のリップルの発生が緩和される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の光フィルタの製造方法にあっては、以下のような問題点があった。
【0022】
すなわち、チャープグレーティングマスクを用いた広帯域フィルタをアポダイズ法を用いて作製した場合、フィルタ特性において前記フラットトップの平坦化、サイドローブの抑圧を達成するためにはチャープグレーティングマスクの長波長側、短波長側の多くの領域をアポダイズ領域とする必要がある。このため、作製されたFBGの帯域がチャープグレーティングマスクの帯域と比較して狭帯域となってしまうという問題点があった。
【0023】
また、図13に波長分散特性を示すように、通常の条件で現状のアポダイズ法を適用した場合、図13(a)に示すように、分散補償特性の群遅延時間の傾きの均一性が低下する。すなわち、光入射側(通常の分散補償素子の場合、長波長側)での分散補償特性の群遅延時間の傾きを良好にするようにアポダイズ領域を規定した場合、反対側(短波長側)の波長領域で図13(b)に示すようにリップル47が出現する。このリップル47が原因となり、波長分散補償素子としては、非常に補償帯域の狭いフィルタとなるという問題点が生ずる。ここでは、計算機の都合から光入射側を短波長側としてシミュレートした。
【0024】
本発明は、フィルタ特性においてフラットトップを平坦化しつつ反射帯域を広く、あるいはフェーズマスクを短くすることができ、レーザ照射時間を短くすることができる光フィルタの製造方法及び光フィルタを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタの製造方法は、光感光性ファイバに紫外線光と位相マスクを用いて、光感光性ファイバの選択的領域に紫外線光を照射することで選択的にグレーティング領域を形成する光フィルタ製造方法において、ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域を、短波長側と長波長側において非対称とし、光入射側のアポダイズ領域が反対側のアポダイズ領域の2倍から8倍の長さであることを特徴とする。
【0027】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタの製造方法は、短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、書き込み時のレーザ光の光路を移動させ、その移動速度を変化させて単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成するものであってもよい。
【0028】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタの製造方法は、短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、書き込み時のファイバを搭載したステージを移動させ、その移動速度を変化させて単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成するものであってもよい。
【0029】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタの製造方法は、短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、レーザ周波数に差を持たせて変調する、又は減衰率を自動で変調できる減衰器により光源のエネルギーに差を持たせて変調させ、単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成するものであってもよい。
【0030】
上記光入射側は、分散補償ファイバブラッググレーティングの場合には長波長側であってもよく、また、上記屈折率変化量は、グレーティングの強度、つまりグレーティングを形成するときに照射する光強度、あるいは照射時間を変化させることによりもたらされたものであってもよい。
【0031】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタは、光感光性ファイバに紫外線光と位相マスクを用いて、光感光性ファイバの選択的領域に紫外線光を照射することで選択的にグレーティング領域が形成された光フィルタにおいて、光フィルタは、ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域が、短波長側と長波長側において非対称であり、光入射側のアポダイズ領域が反対側のアポダイズ領域の2倍から8倍の長さで構成されたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る光フィルタの製造方法は、波長フィルタや分散補償器などの光フィルタとして用いられるFBGの製造方法に適用することができる。
【0033】
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図であり、アポダイズ法を用いたFBG作製の概念図を示す。
【0034】
本発明は、新規なアポダイズ法に関するものであり、アポダイズ法以外は前記図7及び図8で述べた従来の製造方法と同様であるため省略し、新規なアポダイズ法のみについて以下詳細に説明する。
【0035】
図1において、100はファイバへの紫外線書き込み装置であり、ファイバへの紫外線書き込み装置100は、基本的にレーザ光源121、レーザ光源121からの紫外線をファイバヘ導く反射ミラー122、位相マスク123、ファイバを載せるファイバステージ124、そして紫外線が書き込まれるファイバ125から構成される。このとき、上記反射ミラー122は移動できるようにしておく。この反射ミラー122が移動126することで、微小紫外線スポットがファイバ長手方向にわたって移動し、長いファイバヘ紫外線が書き込まれることになる。
【0036】
ここで、連続的に屈折率変化を発生させるため、図1に示すように位相マスク123において、長波長側のアポダイズ領域127と短波長側のアポダイズ領域128とで位相マスクの領域(ファイバ長手方向の長さ)に差を持たせる。かつ、図1に示すように、レーザ光源121からの紫外線をファイバヘ移動しながら導く反射ミラー122の移動速度を、上記長波長側のアポダイズ領域127及び短波長側のアポダイズ領域128の領域に相当する範囲で、図1の下側に示すように速度変調129,130することで、光学系の光路移動速度に差を持たせる。
【0037】
これにより、上記長波長側のアポダイズ領域127及び短波長側のアポダイズ領域128において、単位面積当たり、単位時間当たりのファイバ受光面強度に所望の差を持たせながら、連続的に変化させることができる。
【0038】
さらに、図1において、ファイバの長手方向の長波長側領域のアポダイズ領域127と短波長側のアポダイズ領域128のアポダイズ領域は、非等分(非対称)に割り振ってある。つまり、長波長側のアポダイズ領域127が短波長側のアポダイズ領域128より狭くなるように速度変調をかける。
【0039】
このように、本実施形態に係るアポダイズ法は、ファイバの長手方向において、アポダイズ領域と非アポダイズ領域との割合を一定の範囲の割合とし、かつ一定の範囲のアポダイズ領域を短波長側と長波長側に非等分(非対称)で割り振るものである。以下、この新規なアポダイズ法を非対称アポダイズ法と呼ぶ。
【0040】
ここで、長波長側と短波長側のアポダイズ領域の非等分の割合について説明する。
【0041】
アポダイズの基本的な考え方としてサイドローブの抑圧、フラットトップの平坦化が達成される範囲でアポダイズ領域は狭い方が好ましい。すなわち、狭い方が所望の帯域を得るために必要な書き込み長が短くなるのでレーザ照射時間の短縮、フェーズマスクの短縮が得られ、最終的には生産量の増大、コストの低減化が図られる。
【0042】
本非対称アポダイズ法においても同様な理由から、アポダイズ領域の非等分について長波長側(グレーティング書き込み開始側)のアポダイズ領域は、従来のアポダイズ領域と実質的に同じとする。すなわち、前記図8において、回折格子の周期Λ、ステップチャープのステップ数S、レーザ光源の強度等により任意好適に設定する。但し、本非対称アポダイズ法では、短波長側(グレーティング書き込み終了側)のアポダイズ領域を長波長側のアポダイズ領域の1/8から1/2に設定することを特徴とする。
【0043】
また、図示は省略するが、上述した方法により作製したFBGを光フィルタ及び分散補償素子等のデバイスとして用いるためには、ファイバの信号光の入力端にコネクタを接続し、かつ、反対側には透過光を反射させないための終端器を取り付ける必要がある。
【0044】
以上説明したように、第1の実施形態に係るFBGフィルタの製造方法では、ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域を、短波長側と長波長側において非対称とするようにするため、位相マスク123において、長波長側のアポダイズ領域127と短波長側のアポダイズ領域128とで位相マスクの領域に差を持たせ、かつ、反射ミラー122の移動速度を、長波長側のアポダイズ領域127及び短波長側のアポダイズ領域128の領域に相当する範囲で速度変調129,130するようにしたので、フィルタ特性においてフラットトップを平坦化しつつ反射帯域を広く、あるいはフェーズマスクを短くすることができ、レーザ照射時間を短くすることができる。
【0045】
以下、本実施形態の効果を具体的に説明する。
【0046】
図2は本実施形態に係るFBGフィルタの波長分散特性を示す図であり、長波長側、短波長側のアポダイズ領域に変化を持たせてシミュレーションを行った結果である。
【0047】
図2は、前記図13に示す従来の対称形アポダイズ法と比較するための本非対称アポダイズ法におけるシミュレーション結果を示すものであり、波長帯域1.0nm、分散補償量800ps/nmのフェーズマスクを想定して計算した場合、フェーズマスク長(露光長)は約8cmとなる。上記条件で光入力端を短波長側として計算した結果、十分なサイドローブの抑圧、フラットトップの平坦化が得られる条件は光入力側アポダイズ領域が15%(12mm)以上のときであることが判明した。
【0048】
前記図13に示す従来のアポダイズ法では分散リップルが小さく平坦な反射帯域48は0.6nmであったものが、本非対称アポダイズ法を用いた方法によれば、図2に示すように短波側アポダイズ12mm、長波側アポダイズ4mm(比率;3:1)とした場合、分散リップルが小さく平坦な反射帯域48は0.73nmとなった。これは前記図13で見られたリップル47が本方法によりなくなったためである。
【0049】
換言すれば、本実施形態によれば、アポダイズ領域に相当する領域の位相マスクの長さに差を持たせ、ミラー移動速度が変調する範囲に差を持たせるなど光学系の光路移動に差を持たせることで、ファイバの長手方向においてグレーティングの強度が速続に変化するアポダイズ領域を、短波長側と長波長側において所望の比率(1/8〜1/2)で非対称化できる。
【0050】
図3は非対称アポダイズ法を説明するための図、図4は非対称アポダイズ法を用いたFBGフィルタの反射特性を示す図であり、前記図11及び図12の従来のアポダイズ法に対応している。
【0051】
図11の従来例と比較して明らかなようにフラットトップ領域が大幅に平坦化162(図3)されるとともに、図12に示す反射スペクトルのサイドモードの発生46が図4に示すように抑圧160されている。
【0052】
このように、反射スペクトルのサイドモードが抑圧160され、フラットトップも平坦化162される条件下において、図2に示すように反射帯域を広くとる、あるいはフェーズマスクを短くすることができ、更にはレーザ照射時間を短くすることができる。これにより、製品コストを低減するが可能になる。
【0053】
また、ステージ移動速度制御プログラムなどを用意すれば、任意にフィルタ特性を改善した各種、任意の長さ(0.1〜4メートル)のFBGを容易に作製できる。
【0054】
第2の実施形態
図5は本発明の第2の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図であり、アポダイズ方法の変更例である。
【0055】
第1の実施形態ではミラー移動速度を変調させることにより、アポダイズをかける手法について説明したが、本実施形態は他の手段によるアポダイズ方法を説明する。
【0056】
図5はファイバとフェーズマスクを固定しているファイバステージ134を速度変調をかけて移動させることによりアポダイズをかける方法を示す。
【0057】
図5において、ファイバへの紫外線書き込み装置は、基本的にレーザ光源131、レーザ光源131からの紫外線をファイバヘ導く反射ミラー132、位相マスク133、ファイバを載せるファイバステージ134、そして紫外線が書き込まれるファイバ135から構成される。このとき、上記ファイバステージ134は移動できるようにしておく。このファイバステージ134が移動136することで、微小紫外線スポットがファイバ長手方向にわたって移動し、長いファイバヘ紫外線が書き込まれることになる。
【0058】
ここで、連続的に屈折率変化を発生させるため、図5に示すように位相マスク133において、長波長側のアポダイズ領域137と短波長側領域のアポダイズ領域138とでマスクの長さに差を持たせる。かつ、図5の下側に示すように、ファイバを搭載したステージ移動速度を、上記長波長側のアポダイズ領域137及び短波長側領域のアポダイズ領域138のマスクの長さに相当する範囲で、速度変調139,140することでステージ移動速度に差を持たせる。
【0059】
これにより、上記長波長側のアポダイズ領域137及び短波長側領域のアポダイズ領域138において、単位面積当たり、単位時間当たりのファイバ受光面強度に所望の差を持たせながら、連続的に変化させる。
【0060】
また、短波長側のアポダイズ領域、長波長側のアポダイズ領域、及びフラットトップの領域の割合は第1の実施形態と同様に設定する。
【0061】
以上説明したように、第2の実施形態に係るFBGフィルタの製造方法では、長波長側のアポダイズ領域137と短波長側のアポダイズ領域138とで位相マスクの領域に差を持たせ、かつ、ファイバを搭載したステージ移動速度を、長波長側のアポダイズ領域137及び短波長側領域のアポダイズ領域138のマスクの長さに相当する範囲で、速度変調139,140することでステージ移動速度に差を持たせるようにしたので、第1の実施形態と同様に、フィルタ特性においてフラットトップを平坦化しつつ反射帯域を広く、又はフェーズマスクを短くすることができる。
【0062】
特に、本実施形態では、ファイバを搭載したステージ移動速度に差を持たせることで紫外線光量に差を持たせているので、光学経路(光がファイバに届くまでの距離)は固定である。したがって、第1の実施形態の効果に加える特有の効果として、光学経路が変化しないため、エネルギー、偏波依存性などのレーザ特性に変化がなく、安定して紫外線を書き込めるという利点がある。
【0063】
第3の実施形態
図6は本発明の第3の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図であり、アポダイズ方法の変更例である。
【0064】
図6はミラー移動速度あるいはファイバステージ移動速度を一定速度で移動させつつ、アッテネータ変調部150を用いてレーザ光源そのものに強度変調をかけることによりアポダイズをかける方法を示す。
【0065】
図6において、ファイバへの紫外線書き込み装置は、基本的にレーザ光源141、アッテネータ142、レーザ光源141からの紫外線をファイバヘ導く反射ミラー143、位相マスク144、ファイバを載せるファイバステージ145、そして紫外線が書き込まれるファイバ146から構成される。
【0066】
このとき、上記ファイバステージ144又は上記反射ミラー143は移動できるようにしておく。このファイバステージ145又は反射ミラー143が一定速度で移動147することで、微小紫外線スポットがファイバ長手方向にわたって移動し、長いファイバヘ紫外線が書き込まれることになる。
【0067】
ここで、連続的に屈折率変化を発生させるため、図6に示すように位相マスク144において、長波長側のアポダイズ領域148と短波長側領域のアポダイズ領域149とでマスクの長さに差を持たせる。かつ、図6の下側に示すように、上記長波長側のアポダイズ領域148及び短波長側領域のアポダイズ領域149のマスクの長さに相当する範囲で、アッテネータ142の透過率を0〜100%の範囲で任意に変える。このようにして、アッテネータ142の減衰率を上記長波長側のアポダイズ領域148及び短波長側領域のアポダイズ領域149の領域と同期させながら自動的に変調することにより紫外線のエネルギーに差を持たせて変調する。図中、150はこの変調を示す。これによりファイバ受光面での紫外線の強度が変化する。
【0068】
上述した変調150に代えて、レーザ周波数に差を持たせて変調する態様でもよい。図中、151はこの変調を示す。すなわち、レーザの周波数を例えば高周波数(50Hz)〜低周波数(1Hz)の範囲で変化させることで、紫外線エネルギーは約50倍変化する。この変化により、ファイバ受光面での紫外線の強度が変化する。
【0069】
以上のような方法により、上記長波長側のアポダイズ領域148及び短波長側領域のアポダイズ領域149において、単位面積当たり、単位時間当たりのファイバ受光面強度に所望の差を持たせながら、連続的に変化させる。
【0070】
また、短波長側のアポダイズ領域、長波長側のアポダイズ領域、及びフラットトップの領域の割合は第1の実施形態と同様に設定する。
【0071】
以上説明したように、第3の実施形態に係るFBGフィルタの製造方法では、長波長側のアポダイズ領域148と短波長側領域のアポダイズ領域149とでマスクの長さに差を持たせ、かつ、長波長側のアポダイズ領域148及び短波長側領域のアポダイズ領域149のマスクの長さに相当する範囲で、アッテネータ142の透過率を0〜100%の範囲で任意に変え、アッテネータ142の減衰率を長波長側のアポダイズ領域148及び短波長側領域のアポダイズ領域149の領域と同期させながら自動的に変調するようにしたので、第1、第2の実施形態の効果に加えて、ステージ移動が定速で安定するためにグレーティング書き込み特性の均一性向上が望める。また、光源強度に変調をかけることになるため実質的に屈折率変化を0から始めることが可能になる。すなわち、第1、第2の実施形態では、移動速度を無限大に高速化することは実質的に不可能なのでアポダイズ開始及び終了端で屈折率変化Δnは0とはならないが、本実施形態では屈折率変化を0から始めることが可能になる。
【0072】
したがって、このような優れた特長を有する光フィルタの製造方法を、例えば位相マスク法によるFBGの製造方法に適用すれば、フィルタ特性においてフラットトップの平坦化、反射帯域の拡大、更には製作時間の短縮、製造コストの低減を図ることができる。
【0073】
なお、上記各実施形態に係る光フィルタの製造方法を、上述したようなFBGに適用することもできるが、勿論これには限定されず、光感光性ファイバに紫外線光と位相マスクを用いて選択的にグレーティング領域を形成する光フィルタ製造方法であれば、全ての製造方法及び装置に適用可能であることは言うまでもない。
【0074】
また、上記光フィルタの製造方法を構成する光学系、位相マスク、ファイバステージ等の種類、数、配置関係、更には材料や数値等の条件は上述の各実施形態に限られないことは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】
本発明に係るチャープ型光ファイバフィルタの製造方法及びチャープ型光ファイバフィルタでは、ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域を、短波長側と長波長側において非対称とするようにしたので、フィルタ特性においてフラットトップを平坦化しつつ反射帯域を広く、あるいはフェーズマスクを短くすることができ、レーザ照射時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図である。
【図2】上記光フィルタの製造方法のFBGフィルタの波長分散特性を示す図である。
【図3】上記光フィルタの製造方法の非対称アポダイズ法を説明するための図である。
【図4】上記光フィルタの製造方法の非対称アポダイズ法を用いたFBGフィルタの反射特性を示す図である。
【図5】本発明を適用した第2の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図である。
【図6】本発明を適用した第3の実施形態に係る光フィルタの製造方法の構成を示す図である。
【図7】従来の光フィルタの製造方法の構成を示す図である。
【図8】従来の光フィルタの製造方法の位相マスクの外観図である。
【図9】従来の光フィルタのフラット形状の屈折率分布を示す図である。
【図10】従来のFBGフィルタの反射特性を示す図である。
【図11】従来の光フィルタの製造方法のアポダイズ法を説明するための図である。
【図12】従来の光フィルタの製造方法のアポダイズ法を用いたFBGフィルタの反射特性を示す図である。
【図13】従来の光フィルタの製造方法のFBGフィルタの波長分散特性を示す図である。
【符号の説明】
100 ファイバへの紫外線書き込み装置、121,131,141 レーザ光源、122,132,143 反射ミラー、123,133,144 位相マスク、124,134,145 ファイバステージ、125,135,146 ファイバ、126 反射ミラーの移動、127,137,148 長波長側のアポダイズ領域、128,138,149 短波長側のアポダイズ領域、129,130,139,140 速度変調、136 ファイバステージの移動、142アッテネータ、147 ファイバステージ又は反射ミラーの移動、150,151 変調

Claims (7)

  1. 光感光性ファイバに紫外線光と位相マスクを用いて、前記光感光性ファイバの選択的領域に紫外線光を照射することで選択的にグレーティング領域を形成する光フィルタ製造方法において、
    ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域を、短波長側と長波長側において非対称とし、光入射側のアポダイズ領域が反対側のアポダイズ領域の2倍から8倍の長さであることを特徴とするチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  2. 短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、書き込み時のレーザ光の光路を移動させ、その移動速度を変化させて単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成することを特徴とする請求項1記載のチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  3. 短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、書き込み時のファイバを搭載したステージを移動させ、その移動速度を変化させて単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成することを特徴とする請求項1記載のチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  4. 短波長側と長波長側において非対称であるアポダイズ領域を、レーザ周波数に差を持たせて変調する、又は減衰率を自動で変調できる減衰器により光源のエネルギーに差を持たせて変調させ、単位面積当たり、又は単位時間当たりのファイバ受光面強度を変化させ、屈折率変化量を連続的に変化させて形成することを特徴とする請求項1、2、又は3の何れかに記載のチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  5. 前記光入射側は、分散補償ファイバブラッググレーティングの場合には長波長側であることを特徴とする請求項記載のチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  6. 前記屈折率変化量は、グレーティングを形成するときに照射する光強度、あるいは照射時間を変化させることによりもたらされたものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れかに記載のチャープ型光ファイバフィルタの製造方法。
  7. 光感光性ファイバに紫外線光と位相マスクを用いて、前記光感光性ファイバの選択的領域に紫外線光を照射することで選択的にグレーティング領域が形成された光フィルタにおいて、
    前記光フィルタは、ファイバの長手方向において屈折率変化量が連続に変化するアポダイズ領域が、短波長側と長波長側において非対称であり、光入射側のアポダイズ領域が反対側のアポダイズ領域の2倍から8倍の長さで構成されたことを特徴とするチャープ型光ファイバフィルタ
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