JP3692888B2 - Control device for electromagnetically driven valve - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動弁の制御装置に関し、特に、可動子の位置に応じた通電制御を行う電磁駆動弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンの吸排気弁の駆動方式において、従来のカムにより弁体を駆動するカム駆動方式に代えて、電磁力により弁体を駆動する電磁駆動弁が提案されている。この電磁駆動弁によれば、弁体駆動用のカム機構が不要となることに加えて、エンジンの動作状態に応じて吸排気弁の開閉時期を容易に最適化することができ、エンジンの出力向上及び燃費の向上を図ることができる。
【0003】
このような電磁駆動弁の従来技術としては、特開平10−205314号公報記載の「ガス交換弁の電磁弁駆動部を制御する方法」(以下、第1従来技術)、特開平10−220622号公報記載の「幅の狭い構造の電磁式アクチュエータ」(以下、第2従来技術)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に電磁駆動弁では、弁体もしくは可動子(可動部)の一部が閉弁時および最大開弁時に電磁石と衝突する。そのため衝突時に騒音が発生する。また可動部や電磁石部分の強度を衝突に耐えるものとすると、電磁駆動弁として重量が増加したり、大きな駆動電力を必要としたりする。
【0005】
このため第1従来技術、第2従来技術では電磁石の形状を変え、可動部と電磁石とが接触しない位置で磁力が最大となり、可動部が電磁石と衝突する前に停止保持される電磁駆動弁が開示されている。
【0006】
しかしながら、第1従来技術、第2従来技術の方法で、可動部を電磁石と衝突する前に停止保持するには大きな磁力を発生させることが必要であり、電磁石磁気回路の大型化や駆動電力の大電力化を招きやすいという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みなされたもので、消費電力を節減しつつ可動子や弁体の衝突音や摩耗を低減できるようにした電磁駆動弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため請求項1に係る発明は、
電磁石と、該電磁石によりスプリングの反力に抗して駆動される可動子及び該可動子に連係して駆動される弁体を備え、前記可動子の位置を検出しつつ前記電磁石を通電制御すると共に、可動子の少なくとも1方向の移動時において、弁体の着座停止後、該弁体から離脱して可動子のみが所定量移動後停止する電磁駆動弁の制御装置であって、
前記方向の移動時には、前記可動子の先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より前記電磁石から離れた位置に設定することを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る発明によると、
可動子の駆動中に、制御目標位置を複数段階に切り換えつつ該制御目標位置に応じて前記電磁石を通電制御することにより、最適な状態に制御することができ、以って、可動子や弁体の衝突音低減、摩耗抑制、応答性などを向上することができる。
【0010】
また、前記弁体の着座停止後、可動子のみがさらに移動してから停止するときに、先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より前記電磁石から離れた位置に設定することにより、弁体の着座直前の速度を小さくして着座時の衝撃を低減しつつ、弁体着座後新たに設定される制御目標位置に向かって可動子を駆動する。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、
前記先に設定される制御目標位置は、前記弁体の着座停止位置における可動子位置近傍に設定され、後で設定される制御目標位置は前記電磁石に衝突する直前の位置に設定されることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明によると、
弁体の着座時の速度を十分小さくして着座させつつ、可動子を電磁石に吸着される直前の位置で停止するように制御される。これにより、弁体の着座時の衝撃を極力低減できるとともに、可動子の衝突を抑制して衝突音、摩耗を防止することができ、弁体を電磁石により接近させることで消費電力も節減できる。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、
電磁駆動弁は、エンジンにおける吸・排気弁であり、前記方向の弁体の移動時は、閉弁時であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明によると、
吸・排気弁の閉弁時の衝突音を軽減でき、摩耗を抑制できる。
また、請求項4に係る発明は、
可動部の少なくとも1方向の移動時において、可動子が前記電磁石に衝突する直前の位置で停止することにより、弁体が停止するものにおいて、前記方向の移動時には、前記可動子の先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より電磁石に接近した位置に設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明によると、
先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より前記電磁石に接近した位置に設定することにより、弁体及び可動子の駆動初期の速度を大きくして応答性を高めつつ、可動子を電磁石から離れた位置で停止させるようにして、衝突音,摩耗を防止することができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、
電磁駆動弁は、エンジンにおける吸・排気弁であり、前記方向の弁体の移動時は、開弁時であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明によると、
吸・排気弁の開弁時の応答性を確保しつつ衝突音、摩耗を防止できる。
【0018】
【発明の実施形態】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電磁駆動弁の制御装置を車両用エンジンに適用した全体構成を示す図である。
【0019】
同図に示すように、エンジンのシリンダ51の上部に固定されたシリンダヘッド52には、吸気弁または排気弁となる弁体54(図2では単一の弁のみを示す)が設けられている。弁体54の上方に伸延する弁軸54aの上部には、スプリングリテーナ55が固定され、該スプリングリテーナ55とシリンダヘッド52との間には弁体54を閉弁側に付勢するコイルスプリング56が設けられている。
【0020】
またシリンダヘッド52の上部には電磁駆動弁のケースとなるハウジング60が立設されている。該ハウジング60の内部には、閉弁側電磁石11と、開弁側電磁石12とが所定の間隔をあけて上下に対向する位置に固定されている。これら閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12との間には、軟磁性体の可動子(アーマチュア)57が可動子軸部材57aにより上下に滑動可能に支持されている。
【0021】
閉弁側電磁石11より上方の位置には、可動子軸部材57aにスプリングリテーナ58が固定され、ハウジング60の頂壁内面とスプリングリテーナ58との間には、可動子57を開弁側に付勢するコイルスプリング59が設けられている。
【0022】
またハウジング60の頂壁には、前記弁体54と可動子57とで構成される可動部の速度を検出し速度信号を出力する可動部速度センサ2、可動部の位置を検出し位置信号を出力する可動部位置センサ3が設けられ、これら速度信号及び位置信号は、電磁駆動弁の制御装置1に出力される。
【0023】
さらに制御装置1は、エンジン制御ECU8から開弁指令/閉弁指令が伝達され、制御装置1は閉弁側電磁石電流制御部9及び開弁側電磁石電流制御部10に対して電流目標値を出力するようになっている。
【0024】
閉弁側電磁石電流制御部9及び開弁側電磁石電流制御部10は、それぞれ入力された電流目標値に応じたPWM制御により電源部13から各電磁石11,12へ電流を供給することにより電磁力を制御できるようになっている。
【0025】
次に、電磁駆動弁および電磁駆動弁の制御装置の動作の概要を説明する。
可動子57はコイルスプリング56,59に懸吊されており、閉弁側電磁石11および開弁側電磁石12が通電していないとき、閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12の概略中央に位置するように、それぞれのコイルスプリング56,59の寸法及びバネ定数が設定されている。
【0026】
ここで、コイルスプリング56,59と、弁54双び可動子57を含む可動部とで構成されるバネ・マス系の固有振動数foは、合成バネ定数をK、合計慣性質量をmとすると、fo=2π√(K/m)であることが知られている。
【0027】
さてエンジン始動前の初期動作において、上記固有振動数foに対応する周期で閉弁側電磁石11と開弁側電磁石12に交互に通電する。そして、可動部を共振させることにより徐々に可動部の振幅を増大させ、初期動作の最終段階で、閉弁又は開弁状態に維持される。
【0028】
次に、エンジンの始動時または通常の稼働時には、例えば開弁時はまず閉弁側電磁石11の電流が切られ、可動部はコイルスプリングのバネ力により下方に移動を開始する。摩擦力などによるエネルギー損失のため、バネ力だけで弁全開位置まで可動子57を移動させることはできない。そこで、可動子57が開弁側電磁石12に十分近づき、電磁力が有効となる位置で開弁側電磁石12が通電され、可動子57の運動を助勢する。
【0029】
このとき制御装置1は可動部位置センサ3及び可動部速度センサ2から、可動子57の位置及び速度を入力し、可動部の速度が速度目標値を追従するように開弁側電磁石電流制御部10に指令値を発する。制御装置の指令値に応じて開弁側電磁石12の電流が制御された結果(開弁側電磁石12の電磁力が制御された結果)、可動部は開弁側電磁石12と可動子57とのギャップが例えば数百ミクロンになる位置で停止する。
【0030】
閉弁時は開弁側電磁石12の電流は切られる。可動子57と弁54はコイルスプリング59およびコイルスプリング56の力により上方へ移動するが、摩擦力などによるエネルギー損失のため、バネ力だけで閉弁位置まで可動子57を移動させることはできない。そこで、可動子57が閉弁側電磁石11に十分近づき、電磁力が有効となる位置で閉弁側電磁石11が通電され、可動子57の運動を助勢する。まず、弁が閉位置となり、一体化して移動していた弁と可動子57が分離する。可動子57は電磁力に助勢されてそのまま閉弁側電磁石11に接近する。制御装置は弁54と弁座52aとが激突(大きな速度での衝突)することがないよう可動部位置センサ3もしくは可動部速度センサ2が可動部の運動を検出し、閉弁側電磁石電流制御部9により閉弁側電磁石11の電流を調節する。このとき弁体と弁座52aとが当接する速度は、例えば0.1[m/s]以下になるよう可動部の速度が制御される。
【0031】
また、可動子57と閉弁側電磁石11とのギャップが数百ミクロン以下となったとき、可動子57の目標速度がゼロとなり、可動子57は閉弁側電磁石11とのギャップが数百ミクロンの位置で停止するように制御されるので、衝突することがなくなり、騒音発生が防止され、摩耗が防止される。
【0032】
図2は、本発明に係る電磁駆動弁の制御装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
同図において、制御装置1は、前記可動部位置センサ3が出力する位置信号に基づいて可動部の速度目標値を生成する速度目標値生成部4と、前記可動部速度センサ2が出力する速度信号と速度目標値とを比較する比較部5と、該比較部5の比較結果に応じて前記閉弁側電磁石11または開弁側電磁石12に通電すべき電流目標値を生成する電流目標値生成部6と、該生成された電流目標値を前記閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10のいずれに供給するかを切り換える切替器7とを備えている。
【0033】
以下、各部の機能を詳細に説明する。速度目標値生成部4は、速度目標値rを、
【0034】
【数1】
に示すように生成する(図3参照)。
【0035】
ここでzは可動部位置センサ3の出力から演算される可動子57と可動子57を引きつけている電磁石との距離(ギャップ)、tは時刻、v(t)は可動部速度センサ2が検出した可動部の速度、または可動部位置センサ3が検出した位置信号の出力から演算されるzの時間微分値である。r1(z),r2(z)はギャップzの関数として与えられる速度目標関数であり、これら速度目標関数が、本発明における可動部の複数の運動特性目標値に相当する。そして、第1の速度目標関数r1(z)は、ギャップzが次第に小さくなり第1の所定値zs0になった時点ts0つまり電磁石への通電制御が開始される時点で選択され、ギャップzが更に減少して第2の所定値zs0になった時点で第2の速度目標関数r2(z)が選択されて切り換えられる。前記第1の所定値zs0はギャップzが小さくなり電磁力が有効になるギャップ長を基準に選ばれ、実際には1〜3[mm]程度である。
【0036】
これら第1の速度目標関数r1(z)及び第2の速度目標関数r2(z)は次の条件を満たすように決定される。以下では、z,tの関数における(z),(t)を省略する。
【0037】
【数2】
と選ぶと、速度目標関数の切り換え点において、速度目標値を連続にすることができる。ここで、sはラプラス演算子、zsは速度目標値を切り換える位置(設計者が与える所定値)、zeは可動子の制御目標位置(設計者が与える所定値)、rsは速度目標値を切り換える直前の速度目標値、ζ,ωは、設計者が適当に選ぶ定数である。
【0038】
第1の速度目標関数r1は、着座までの時間を短くすることを主眼に設定された、応答の速い2次振動系の応答に基づいて設定された速度目標値であり、ζは、0.7付近、ωは[(m1+m2)/(k1+k2)]1/2程度の値に選ぶ。ここで、m1,m2はそれぞれ可動子と弁の質量、k1,k2はそれぞれコイルスプリング59およびコイルスプリング56のバネ定数である。
【0039】
一方、第2の速度目標関数r2は、着座の速度を小さくすることを主眼に選ばれる。既述のように、式(3),(4)のように選ぶと、速度目標値はzeの位置で滑らかに接続される。式(3)を用いると、r2は1次応答を元に設定されるので、可動部位置はオーバーシュートせず、漸近的に目標位置に収束するので、着座の衝撃を小さくすることができる。
【0040】
前記速度目標値生成部4の構成を図4に示す。
また、第2の速度目標関数r2は、
【0041】
【数3】
とし、振動の減衰度を決定する定数ζ2を1より大きくした非振動的な2次応答特性を有した関数を用いてもよい。
【0042】
以上のようにして設定された速度目標値rは、可動部速度センサ2によって検出された実際の可動部速度v(=dz/dt) と比較部4により比較され、比較信号(v−r)が電流目標値生成部6に出力される。電流目標値生成部6では、電流目標値i(t)を、次に示す式(6)のように生成する。
【0043】
【数4】
ここで、kは適当に決める正の定数(フィードバックゲイン)である。なお、z>zs0 の区間ではr=v(=dz/dt)であるから通電による速度制御は発生しない。
【0044】
この電流目標値を電磁石の通電電流として、切替器7を介して閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10に伝達される。ここで、切替器7は、エンジン制御ECU8より開弁指令または閉弁指令を入力し、開弁指令であれば開弁側電磁石電流制御部10、閉弁指令であれば閉弁側電磁石電流制御部9をそれぞれ選択し、選択された側に電流目標値生成部6が生成する電流目標値を出力する。そして、閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10がPWM制御により電源部13から供給される電流のON/OFF比を制御することにより通電電流の大きさが制御され、結果として可動子に作用する電磁力が制御され、可動部の速度が制御される。
【0045】
ここで、第1の制御目標位置をze1、そのときの速度目標値をre1、第2の制御目標位置をze2、そのときの速度目標値をre2とし、2段階の制御目標位置を設定する。例えば、閉弁時には、
ze1=0.3[mm] re1=0[m/s]、ze2=0.1[mm] re2=0[m/s]と設定する。
【0046】
なお、制御目標位置の切り換えについては、センサで検出された可動子の位置及び速度から、略z=ze1、v=re1となったときに、制御目標位置をz=ze2に切り換えて設定する。
【0047】
ここで、第1の制御目標位置ze1は、弁体が閉弁着座した時点の可動子位置近傍(閉弁着座時の位置よりやや電磁石より)に設定され、これにより、弁体の閉弁着座時の速度を十分小さくできるので、着座の衝撃を小さくでき、衝突音を軽減できる。また、第2の制御目標位置をze2を、第1の制御目標位置ze1より小さく設定することで、閉弁着座後に弁体から切り離された可動子は、さらに閉弁用電磁石に近づけられた位置で電磁石と非接触に宙吊り状態で停止するように制御される(以下かかる制御を宙吊り制御という)。この場合、電磁吸引力は、電磁石に接近するほど急激に増大する特性を有するので、可動子を電磁石に接近した位置で停止させるほど、通電電流は小さくて済み、消費電力を節減できる。
【0048】
しかし、上記可動子の宙吊り制御は、電磁吸引力が増大して可動子を電磁石に接近させる方向に作用コイルスプリングのバネ力と電磁石に電磁吸引力とが釣り合って可動子が停止している状態から、外乱により可動子が電磁石に接近すると、電磁吸引力が増大して可動子をさらに電磁石に接近させる方向に作用し、逆に可動子が電磁石から遠ざかると電磁吸引力が減少して可動子をさらに電磁石から遠ざけるに方向に作用するという不安定系であり、宙吊り状態を維持するためには、速やかなフィードバック応答性が要求される。前記のように、電磁吸引力は、電磁石に接近するほど急激に増大するので、ある程度以上接近すると宙吊り制御が難しくなり、電磁石へ吸着されやすくなる(電磁石から離れる方向は、通電電流を最大限にすることで阻止することが可能であるが、接近する方向は可動子と電磁石との距離が短いこともあって通電電流を弱めても間に合わず、一旦電磁石に吸着されると、再度宙吊り制御を行なうことは不可能となる)。
【0049】
そこで、より安定した宙吊り制御を行なって可動子の衝突抑止効果を高め、少しでも静粛性を重視するならば、図5のように、第2の制御目標位置をze2を、大きめの値に設定すればよいが、消費電力をより節減することを重視するならば、図6のように、第2の制御目標位置をze2を、小さめの値に設定すればよい。後者の場合、宙吊り制御に失敗して電磁石に吸着される場合もありうることになるが、例えば、10回につき1回の割合で失敗して電磁石に吸着し、衝突音が発生したとしても、最初から着座制御する場合に比較して、1/10で済むことになる。また、閉弁時は、弁体着座時の衝突音が避けられず、該衝突音発生後瞬時の後に連続的に音を生じても、可動子のみの衝突音は弁体着座時(弁体と可動子の合計の質量が衝突する)の衝突音と比較して小さいこともあって、それほど音が増大した感じがしなくて済む。
【0050】
更に消費電力の節減を重視するならば、図7に示すように、第2の制御目標位置をze2を、電磁石との吸着位置として可動子を着座制御するようにしてもよく、その場合でも、速度目標値を0に近づけることで、衝突音を可及的に低減することが可能である。
【0051】
次に、開弁時の制御の実施の形態について説明する。開弁時は、閉弁時と異なり弁体を着座制御する必要がない。したがって、極力安定した宙吊り制御を行なって、衝突音の発生を確実に防止することを図る。閉弁時から時間をおいた開弁時に、衝突音が発生するのとしないのとでは、感覚的に大きな差があるからである。一方、開弁時は、吸・排気弁の応答性を高めるため、初期の開弁速度を大きくすることが要求される。可動子の制御目標位置を1個設定しただけでは、これら両方の要求を満たすことはできない。
【0052】
そこで、開弁時も可動子の制御目標位置を2段階に切り換えて設定する。すなわち、先に設定される可動子の第1の制御目標位置ze1は、開弁用電磁石に接近した小さ目の値に設定し、後で設定される第2の制御目標位置ze2は、開弁用電磁石からの距離を大きくするように大き目の値に設定する。
【0053】
このようにすれば、図8に示すように、開弁初期は可動子の第1の制御目標位置ze1が小さめに設定されることで、可動子及び可動子と一体の弁体の移動速度を大きくして応答性を高めることができ、開弁後期は可動子の第1の制御目標位置ze2が大きめに設定されることで、安定した宙吊り制御を行なって衝突音の発生を確実に防止することができる。
【0054】
また、制御としては、図8に示すように、可動子が第1の制御目標位置ze1に移動して安定してから第2の制御目標位置ze2に切り換えるのが、容易かつ高精度に行なえるが、図9に示すように、可動子が第1の制御目標位置ze1に移動すると同時若しくはその前に第2の制御目標位置ze2に切り換えて、安定した宙吊り制御に早めに移行させるようにしてもよい。
【0055】
図10、図11は、前記制御装置1の動作のフローチャートである。図10は、所定時間毎に可動部の位置と速度とを読み込んで、速度目標関数の算出、電流目標値の算出及び出力を行う第1のフローを示し、図11は、エンジン制御ECUからの弁開閉指令により閉弁側電磁石電流制御部9と開弁側電磁石電流制御部10とを選択切換する第2のフローを示す。いずれのフローも制御装置1に内蔵される図示されないタイマーにより計測される所定時間を周期として実行される。
【0056】
まず、図10を参照して第1のフローについて説明する。
ステップ(図ではSと記す。以下同様)1では、可動部位置センサ3及び可動部速度センサ2から位置信号z及び速度信号vを読み込む。
【0057】
ステップ2では、前記速度目標値生成部5で速度目標関数rを算出する。
ステップ3では、前記比較部4及び電流目標値生成部6の協動により電磁石に通電すべき電流目標値iを算出する。
【0058】
ステップ4では、前記算出された電流目標値iを切替器7により選択された閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10のいずれか一方に供給する。
【0059】
次に、図11を参照して第2のフローについて説明する。
ステップ11では、エンジン制御ECU8から弁開閉指令を読み込む。
ステップ12では、開弁指令か否かを判定し、開弁指令であれば、ステップ13で開弁側電磁石電流制御部10を電流目標値生成部6に接続するよう切替器7を切り替える。
【0060】
ステップ12の判定で開弁指令でなければ、ステップ14で閉弁指令か否かを判定し、閉弁指令であれば、ステップ15で閉弁側電磁石電流制御部9を電流目標値生成部6に接続するよう切替器7を切り替える。
【0061】
以上のように、第1のフローと、第2のフローとは並列に実行可能であるが、直列に実行することもでき、その場合は、時間待ちを含まない第2のフローを先に実行するのが好ましい。
【0062】
図12は、前記第1のフローにおけるステップ2での速度目標関数rを算出するサブルーチンを示す。
ステップ21では、可動子57と可動子57を引きつけている電磁石とのギャップzが、前記第2の所定値zsより大きいかを判定し、大きいと判定された場合は、ステップ22で前記式(2)に示した第1の速度目標関数r1を算出する。ここで、前記ギャップzが前記第1の所定値zs0より大きいときには、可動子の実際の速度vがr1より大きいので、前記式(8)に従って通電は開始されず、ギャップzがzs0以下となってから該第1の速度目標関数r1に応じた通電による速度制御が開始される。
【0063】
また、ステップ21の判定がNOである場合には、ステップ23でギャップzが略第2の所定値zs以下となったかを判定し、略第2の所定値zs以下となった場合は、ステップ24で前記式(3)で示される第2の速度目標関数r2における定数c1を前記式(4)に従って算出した後、ステップ25で該式(3)又は(5)で示される第2の速度目標関数r2を算出する。
【0064】
ステップ23の判定がNOである場合、つまりギャップzが第2の所定値zsより小さくなった後は、ステップ26で前記算出された定数c1を用いて式(3) 又は(5)で示される第2の速度目標関数r2を算出する。
【0065】
次に、本発明にかかる可動子の制御目標位置を複数段階に切り換える制御を、図13に基づいて説明する。
該制御は、前記図12のステップ25において、前記式(3) 又は(5)により第2の速度目標関数r2を算出する際に、可動子の制御目標位置zeを切り換える制御である。
【0066】
ステップ31では、可動部位置センサ3及び可動部速度センサ2から位置信号z及び速度信号vを読み込む。
ステップ32では、前記信号から可動子の位置zと速度vが、それぞれ略第1の制御目標位置ze1及び第1の速度目標値re1になったかを判定する。
【0067】
ze1及びre1になっていないと判定されたときは、ステップ33へ進み、制御目標位置zeを第1の制御目標位置ze1、速度目標値reを第1の速度目標値re1に設定する。これにより、前記図12のステップ25において、該第1の制御目標位置ze1及び第1の速度目標値re1を用いて、前記式(3) 又は(5)により第2の速度目標関数r2が算出される。そして、該算出された第2の速度目標関数r2によって、図10のステップ3,4により、電流目標値iが算出され、該算出された電流目標値iが閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10のいずれか一方に供給されて通電制御が行なわれる。
【0068】
また、ステップ32で、可動子の位置zと速度vが略ze1及びre1になったと判定されたときは、ステップ34へ進み、制御目標位置zeを第2の制御目標位置ze2、速度目標値reを第2の速度目標値re2に設定する。これにより、前記図12のステップ25において、該第2の制御目標位置ze2及び第2の速度目標値re2を用いて、前記式(3) 又は(5)により第2の速度目標関数r2が算出され、前記同様に該算出された第2の速度目標関数r2によって、図10のステップ3,4により、電流目標値iが算出され、該算出された電流目標値iが閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10のいずれか一方に供給されて通電制御が行なわれる。
【0069】
なお、可動子の制御目標位置zeを切り換える本発明の制御は、速度目標関数rを、上記のように2段階に切り換えることをせず、1つの速度目標関数rのみを持つものにおいて制御目標位置ze複数段階に切り換えることでも適用できる。
【0070】
尚、本実施形態の変形例として、可動部速度センサ2に代えて可動部位置センサ3の出力信号を時間微分して速度信号を得る微分手段を用いても良いことは、明らかである。
【0071】
図14は、本発明に係る電磁駆動弁の制御装置の第2実施形態の構成を説明するブロック図である。本実施形態においては、第1実施形態の可動部速度センサ2に代えて、閉弁側電磁石11または開弁側電磁石12に通電される電流値を検出する電磁石電流センサ16と、可動子速度推定部(オブザーバ)17とを備えた制御装置15が用いられている。その他の構成は第1実施形態と同様である。この電磁石電流センサ16は、閉弁側電磁石電流制御部9または開弁側電磁石電流制御部10の出力電流を直列低抵抗により検出してもよいし、電磁石11,12の磁束を検出して電流に換算する形式でもよい。
【0072】
本実施形態の特徴は、可動部の速度を直接検出する代わりに、電磁石電流センサ16が検出した電磁石11,12の通電電流と、可動部位置センサ3が検出した可動部の位置とに基づいて、可動子速度推定部17が可動子の速度を推定することである。
【0073】
可動部の質量m、可動部に関わるバネ定数k、可動部に関わる粘性定数c、電磁力をFとすると、可動部の運動は、
【0074】
【数5】
と表される。
【0075】
ここでf(x,i)は磁気回路の形状や材質などにより決まる関数であり、磁場解析などの手段によりあらかじめ知ることができる。γはバネ力のうち、オフセット荷重成分である。これらの式を元に、可動部の速度は直接可動部速度センサ2で検出する代わりに、位置xと電流iから以下の式を用いる可動子速度推定部17で推定することができる。
【0076】
【数6】
推定された可動子の速度は、第1実施形態と同様に比較部5へ入力され、以下の処理内容は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電磁駆動弁の構成を示す概念図。
【図2】本発明に係る電磁駆動弁の制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図3】同上実施形態における速度目標関数の生成法を説明する位置/速度位相面における可動部の軌跡を示すグラフ。
【図4】同上実施形態における速度目標値生成部の構成を示すブロック図。
【図5】同上実施形態における閉弁時の可動子位置の変化の第1の例を示す図。
【図6】同上実施形態における閉弁時の可動子位置の変化の第2の例を示す図。
【図7】同上実施形態における閉弁時の可動子位置の変化の第3の例を示す図。
【図8】同上実施形態における開弁時の可動子位置の変化の第1の例を示す図。
【図9】同上実施形態における開弁時の可動子位置の変化の第2の例を示す図。
【図10】同上実施形態における速度目標関数の算出、電流目標値の算出及び出力を行う第1のフローを示すフローチャート。
【図11】同上実施形態における閉弁側電磁石電流制御部と開弁側電磁石電流制御部とを選択切換する第2のフローを示すフローチャート。
【図12】前記第1のフローの速度目標関数算出のサブルーチン示すフローチャート。
【図13】同上実施形態における本発明にかかる可動子の制御目標位置の切り換え制御のフローを示すフローチャート。
【図14】本発明に係る電磁駆動弁の制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 制御装置
2 可動部速度センサ
3 可動部位置センサ
4 比較部
5 速度目標値生成部
6 電流目標値生成部
7 切替器
9 閉弁側電磁石制御部
10 開弁側電磁石制御部
11 閉弁側電磁石
12 開弁側電磁石[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electromagnetically driven valve control device, and more particularly to an electromagnetically driven valve control device that performs energization control in accordance with the position of a mover.
[0002]
[Prior art]
In a drive system for an intake / exhaust valve of a vehicle engine, an electromagnetically driven valve that drives a valve body by electromagnetic force has been proposed in place of a conventional cam drive system that drives a valve body by a cam. According to this electromagnetically driven valve, the cam mechanism for driving the valve body is not required, and the opening / closing timing of the intake / exhaust valve can be easily optimized according to the operating state of the engine. Improvement and fuel consumption can be improved.
[0003]
As a conventional technique of such an electromagnetically driven valve, “Method for controlling electromagnetic valve driving part of gas exchange valve” (hereinafter referred to as “first prior art”) described in JP-A-10-205314, JP-A-10-220622. An “electromagnetic actuator having a narrow structure” (hereinafter referred to as “second prior art”) disclosed in the publication is disclosed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In general, in an electromagnetically driven valve, a part of a valve body or a movable element (movable part) collides with an electromagnet when the valve is closed and when the valve is fully opened. Therefore, noise is generated at the time of collision. Further, if the strength of the movable part and the electromagnet part is tolerate the collision, the weight of the electromagnetically driven valve increases or a large drive power is required.
[0005]
For this reason, in the first and second prior arts, the shape of the electromagnet is changed, the magnetic force is maximized at a position where the movable part does not contact the electromagnet, and the electromagnetically driven valve that is stopped and held before the movable part collides with the electromagnet. It is disclosed.
[0006]
However, it is necessary to generate a large magnetic force in order to stop and hold the movable part before colliding with the electromagnet by the methods of the first conventional technique and the second conventional technique. There was a problem that it was easy to invite high power.
[0007]
The present invention has been made in view of such a conventional problem, and provides an electromagnetically driven valve control device capable of reducing collision noise and wear of a mover and a valve body while reducing power consumption. Objective.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the invention according to
An electromagnet, a mover that is driven by the electromagnet against a reaction force of a spring, and a valve body that is driven in conjunction with the mover, and controls the energization of the electromagnet while detecting the position of the mover. And at the time of movement of the mover in at least one direction, after stopping the seating of the valve body, it is a control device for an electromagnetically driven valve that is detached from the valve body and only the mover stops after moving a predetermined amount ,
At the time of movement in the direction, a control target position set ahead of the mover is set at a position farther from the electromagnet than a control target position set later .
[0009]
According to the invention of
While the mover is being driven, the electromagnet is energized and controlled according to the control target position while switching the control target position in a plurality of stages, so that it can be controlled in an optimal state. It is possible to improve body collision noise reduction, wear suppression, responsiveness and the like .
[0010]
In addition, after stopping the seating of the valve body, when only the mover moves and then stops, the control target position set earlier is moved away from the electromagnet from the control target position set later. By setting, the mover is driven toward the newly set control target position after seating the valve body while reducing the impact at the time of seating by reducing the speed immediately before the seating of the valve body.
[0011]
The invention according to
The control target position set earlier is set in the vicinity of the mover position at the seating stop position of the valve body, and the control target position set later is set at a position immediately before the collision with the electromagnet. Features.
[0012]
According to the invention of
Control is performed so that the mover is stopped at a position immediately before being attracted to the electromagnet while the valve body is seated at a sufficiently low speed. Thereby, the impact at the time of seating of the valve body can be reduced as much as possible, the collision of the mover can be suppressed to prevent collision noise and wear, and the power consumption can be reduced by bringing the valve body closer to the electromagnet.
[0013]
The invention according to
The electromagnetically driven valve is an intake / exhaust valve in an engine, and the valve body in the direction is moved when the valve is closed.
[0014]
According to the invention of
Impact noise when the intake and exhaust valves are closed can be reduced and wear can be suppressed.
The invention according to claim 4
When the movable part moves in at least one direction, the valve stops when the movable element stops at a position immediately before it collides with the electromagnet. When the movable part moves in the direction, the movable element is set at the tip of the movable element. The control target position is set closer to the electromagnet than the control target position set later.
[0015]
According to the invention of claim 4 ,
By setting the control target position set earlier to a position closer to the electromagnet than the control target position set later, it is possible to increase the initial drive speed of the valve body and the mover and improve the responsiveness. By making the mover stop at a position away from the electromagnet, collision noise and wear can be prevented.
[0016]
The invention according to
The electromagnetically driven valve is an intake / exhaust valve in the engine, and when the valve body moves in the direction, the valve is open.
[0017]
According to the invention of
Collision noise and wear can be prevented while ensuring responsiveness when the intake and exhaust valves are opened.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration in which a control device for an electromagnetically driven valve according to the present invention is applied to a vehicle engine.
[0019]
As shown in the figure, the
[0020]
A
[0021]
A
[0022]
Further, on the top wall of the
[0023]
Further, the
[0024]
The valve closing side electromagnet
[0025]
Next, the outline | summary of operation | movement of the electromagnetic drive valve and the control apparatus of an electromagnetic drive valve is demonstrated.
The
[0026]
Here, the natural frequency fo of the spring-mass system composed of the coil springs 56 and 59 and the movable part including the
[0027]
In the initial operation before starting the engine, the valve-closing
[0028]
Next, when starting the engine or during normal operation, for example, when the valve is opened, the current of the valve-closing
[0029]
At this time, the
[0030]
When the valve is closed, the current of the valve-opening
[0031]
When the gap between the
[0032]
FIG. 2 is a block diagram showing the configuration of the first embodiment of the control device for the electromagnetically driven valve according to the present invention.
In the figure, a
[0033]
Hereinafter, the function of each part will be described in detail. The speed target value generation unit 4 determines the speed target value r as
[0034]
[Expression 1]
(See FIG. 3).
[0035]
Here, z is the distance (gap) between the
[0036]
The first speed target function r 1 (z) and the second speed target function r 2 (z) are determined so as to satisfy the following condition. Hereinafter, (z) and (t) in the function of z and t are omitted.
[0037]
[Expression 2]
Is selected, the speed target value can be made continuous at the speed target function switching point. Here, (a predetermined value the designer gives) s is the Laplace operator, z s is a position for switching the speed target value (predetermined value the designer gives) z e control target position of the movable element, r s is the speed target The speed target values ζ and ω immediately before switching the values are constants that are appropriately selected by the designer.
[0038]
The first speed target function r 1 is a speed target value set based on the response of the secondary vibration system having a quick response, which is set mainly to shorten the time until seating, and ζ is 0.7 In the vicinity, ω is selected to a value of about [(m 1 + m 2 ) / (k 1 + k 2 )] 1/2 . Here, m 1 and m 2 are the masses of the mover and the valve, respectively, and k 1 and k 2 are the spring constants of the
[0039]
On the other hand, the second speed target function r 2 is selected mainly for reducing the seating speed. As described above, equation (3), selecting as the (4), the speed target value is smoothly connected at the position of z e. Using equation (3), r 2 is set based on the primary response, so the position of the movable part does not overshoot and converges asymptotically to the target position, so that the impact of seating can be reduced. .
[0040]
The configuration of the speed target value generation unit 4 is shown in FIG.
The second speed target function r 2 is
[0041]
[Equation 3]
It is also possible to use a function having a non-oscillating second-order response characteristic in which a constant ζ 2 that determines the attenuation of vibration is larger than 1.
[0042]
The speed target value r set as described above is compared with the actual movable part speed v (= dz / dt) detected by the movable
[0043]
[Expression 4]
Here, k is a positive constant (feedback gain) determined appropriately. In addition, since r = v (= dz / dt) in the section of z> z s0 , speed control by energization does not occur.
[0044]
This current target value is transmitted to the valve closing side electromagnet
[0045]
Here, the first control target position is z e1 , the speed target value at that time is r e1 , the second control target position is z e2 , and the speed target value at that time is r e2. Set. For example, when the valve is closed,
z e1 = 0.3 [mm] r e1 = 0 [m / s] and z e2 = 0.1 [mm] r e2 = 0 [m / s].
[0046]
Regarding the switching of the control target position, the control target position is switched to z = ze 2 when the position and speed of the mover detected by the sensor are substantially z = ze 1 and v = re 1. Set.
[0047]
Here, the first control target position z e1 is set in the vicinity of the mover position at the time when the valve element is closed and seated (a little more electromagnet than the position at the time of valve closing and seating). Since the seating speed can be sufficiently reduced, the impact of the seating can be reduced, and the collision sound can be reduced. Further, by setting the second control target position z e2 to be smaller than the first control target position z e1 , the mover separated from the valve body after the valve closing seating can be further brought closer to the valve closing electromagnet. It is controlled to stop in a suspended state in a non-contact manner with the electromagnet (hereinafter, such control is referred to as suspended control). In this case, the electromagnetic attraction force has a characteristic that it increases rapidly as it approaches the electromagnet. Therefore, as the mover is stopped at a position close to the electromagnet, the energization current can be reduced and power consumption can be reduced.
[0048]
However, the above-described suspension control of the mover is a state in which the mover is stopped due to the balance between the spring force of the action coil spring and the electromagnetic attracting force of the electromagnet in the direction in which the electromagnetic attracting force increases and the mover approaches the electromagnet. Therefore, when the mover approaches the electromagnet due to disturbance, the electromagnetic attracting force increases and acts in a direction that further moves the mover closer to the electromagnet. Conversely, when the mover moves away from the electromagnet, the electromagnetic attracting force decreases and the mover moves. Is an unstable system that acts in a direction away from the electromagnet, and prompt feedback response is required to maintain the suspended state. As described above, the electromagnetic attraction force increases rapidly as it approaches the electromagnet. Therefore, if it is approached to some extent, suspension control becomes difficult, and it becomes easy to be attracted to the electromagnet (the direction away from the electromagnet maximizes the current flow). However, the approaching direction will not be in time even if the energizing current is weakened due to the short distance between the mover and the electromagnet. It is impossible to do).
[0049]
Therefore, increasing the collision deterrent effect of the movable element by performing more stable suspended control, if emphasize quietness even a little, as shown in FIG. 5, the second control target position z e2, the larger value set may be, but if you focus on a more reduced power consumption, as shown in FIG. 6, the second control target position z e2, may be set to a smaller value. In the latter case, the suspension control may fail and be attracted to the electromagnet. For example, even if it fails at a rate of 1 in 10 times and attracts to the electromagnet, and a collision sound is generated, Compared with the case where the seating control is performed from the beginning, it is only 1/10. In addition, when the valve is closed, the collision sound when the valve body is seated is unavoidable, and even if the sound is continuously generated immediately after the occurrence of the collision sound, And the total mass of the mover collide with each other).
[0050]
Further, if importance is attached to the reduction of power consumption, as shown in FIG. 7, the mover may be seated and controlled by setting the second control target position as z e2 and the attracting position with the electromagnet. By making the speed target value close to 0, it is possible to reduce the collision sound as much as possible.
[0051]
Next, an embodiment of control during valve opening will be described. When the valve is opened, it is not necessary to control the seating of the valve body, unlike when the valve is closed. Therefore, stable suspension control is performed as much as possible to reliably prevent the occurrence of collision noise. This is because there is a great difference in sensibility between when the collision sound is generated and when the valve is opened after the valve is closed. On the other hand, when the valve is opened, it is required to increase the initial valve opening speed in order to improve the responsiveness of the intake and exhaust valves. Both of these requirements cannot be satisfied by setting only one control target position of the mover.
[0052]
Therefore, even when the valve is opened, the control target position of the mover is set in two steps. In other words, the first control target position z e1 of the mover set earlier is set to a smaller value close to the valve opening electromagnet, and the second control target position z e2 set later is opened. A larger value is set so as to increase the distance from the valve electromagnet.
[0053]
In this way, as shown in FIG. 8, the first control target position ze1 of the movable element is set to be small at the initial stage of valve opening, so that the moving speed of the movable element and the valve body integrated with the movable element is set. Responsiveness can be increased by increasing the first control target position z e2 of the mover in the latter half of the valve opening, so that stable suspension control is performed and the generation of collision noise is ensured Can be prevented.
[0054]
As the control, as shown in FIG. 8, the movable element to switch from stably moved to the first control target position z e1 to the second control target position z e2 is easily and accurately However, as shown in FIG. 9, when the mover moves to the first control target position z e1 , it switches to the second control target position z e2 at the same time or before it, and shifts to stable suspension control as soon as possible. You may make it make it.
[0055]
10 and 11 are flowcharts of the operation of the
[0056]
First, the first flow will be described with reference to FIG.
In step (denoted as S in the figure, the same applies hereinafter) 1, the position signal z and the speed signal v are read from the movable
[0057]
In
In
[0058]
In step 4, the calculated current target value i is supplied to either the valve closing side electromagnet
[0059]
Next, the second flow will be described with reference to FIG.
In
In
[0060]
If it is not a valve opening command in the determination of
[0061]
As described above, the first flow and the second flow can be executed in parallel, but can also be executed in series. In this case, the second flow that does not include time waiting is executed first. It is preferable to do this.
[0062]
FIG. 12 shows a subroutine for calculating the speed target function r in
In step 21, it is determined whether the gap z between the
[0063]
Further, when the determination in step 21 is NO, it is determined in step 23 whether the gap z is substantially equal to or smaller than the second predetermined value z s. After calculating the constant c 1 in the second speed target function r 2 represented by the equation (3) in step 24 according to the equation (4), the equation (3) or (5) is represented in step 25. A second speed target function r 2 is calculated.
[0064]
If the determination in step 23 is NO, that is, after the gap z becomes smaller than the second predetermined value z s , the constant c 1 calculated in step 26 is used to obtain the expression (3) or (5). The second speed target function r 2 shown is calculated.
[0065]
Next, control for switching the control target position of the mover according to the present invention to a plurality of stages will be described with reference to FIG.
This control is a control for switching the control target position ze of the mover when the second speed target function r 2 is calculated by the equation (3) or (5) in step 25 of FIG.
[0066]
In step 31, the position signal z and the speed signal v are read from the movable
In
[0067]
If it is determined that ze 1 and re 1 have not been reached, the routine proceeds to step 33, where the control target position ze is set to the first control target position ze 1 and the speed target value re is set to the first speed target value re 1 . To do. As a result, in step 25 of FIG. 12, the second speed target function r is obtained from the above equation (3) or (5) using the first control target position ze 1 and the first speed target value re 1. 2 is calculated. Then, the current target value i is calculated by the calculated second speed target function r 2 in
[0068]
If it is determined in
[0069]
The control of the present invention for switching the control target position ze of the mover does not switch the speed target function r in two steps as described above, but has only one speed target function r as described above. It can also be applied by switching to a plurality of stages.
[0070]
As a modification of the present embodiment, it is obvious that instead of the movable
[0071]
FIG. 14 is a block diagram illustrating a configuration of a second embodiment of the control device for an electromagnetically driven valve according to the present invention. In this embodiment, instead of the movable
[0072]
The feature of this embodiment is based on the energizing currents of the
[0073]
If the mass m of the movable part, the spring constant k associated with the movable part, the viscosity constant c associated with the movable part, and the electromagnetic force are F, the movement of the movable part is
[0074]
[Equation 5]
It is expressed.
[0075]
Here, f (x, i) is a function determined by the shape and material of the magnetic circuit, and can be known in advance by means such as magnetic field analysis. γ is an offset load component of the spring force. Based on these equations, the velocity of the movable portion can be estimated by the mover
[0076]
[Formula 6]
The estimated speed of the mover is input to the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing a configuration of an electromagnetically driven valve to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a block diagram showing the configuration of the first embodiment of the control device for the electromagnetically driven valve according to the present invention.
FIG. 3 is a graph showing a locus of a movable part on a position / velocity phase plane for explaining a method of generating a velocity target function in the embodiment.
FIG. 4 is a block diagram showing a configuration of a speed target value generation unit in the embodiment.
FIG. 5 is a view showing a first example of a change in mover position when the valve is closed in the embodiment;
FIG. 6 is a diagram showing a second example of change in the position of the mover when the valve is closed in the embodiment.
FIG. 7 is a diagram showing a third example of change in the position of the mover when the valve is closed in the embodiment.
FIG. 8 is a diagram showing a first example of a change in mover position when the valve is opened in the embodiment;
FIG. 9 is a diagram showing a second example of a change in mover position when the valve is opened in the embodiment;
FIG. 10 is a flowchart showing a first flow for calculating a speed target function, calculating a current target value, and outputting in the embodiment;
FIG. 11 is a flowchart showing a second flow for selectively switching between the valve closing side electromagnet current control unit and the valve opening side electromagnet current control unit in the embodiment;
FIG. 12 is a flowchart showing a subroutine for calculating a speed target function of the first flow.
FIG. 13 is a flowchart showing a flow of switching control of the control target position of the mover according to the embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a block diagram showing the configuration of a second embodiment of the electromagnetically driven valve control device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
10 Valve opening side electromagnet controller
11 Valve closing side electromagnet
12 Valve opening side electromagnet
Claims (5)
前記方向の移動時には、前記可動子の先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より前記電磁石から離れた位置に設定することを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。An electromagnet, a mover that is driven by the electromagnet against a reaction force of a spring, and a valve body that is driven in conjunction with the mover, and controls the energization of the electromagnet while detecting the position of the mover. And at the time of movement of the mover in at least one direction, after stopping the seating of the valve body, it is a control device for an electromagnetically driven valve that is detached from the valve body and only the mover stops after moving a predetermined amount ,
A control device for an electromagnetically driven valve , wherein a control target position set ahead of the mover is set at a position farther from the electromagnet than a control target position set later when moving in the direction .
前記方向の移動時には、前記可動子の先に設定される制御目標位置を、後で設定される制御目標位置より電磁石に接近した位置に設定することを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 An electromagnet, a mover that is driven by the electromagnet against a reaction force of a spring, and a valve body that is driven in conjunction with the mover, and controls the energization of the electromagnet while detecting the position of the mover. And at the time of movement of the movable part in at least one direction, the control unit for the electromagnetically driven valve that stops the valve body by stopping at a position immediately before the movable element collides with the electromagnet,
During movement of the direction control device of an electromagnetically driven valve and sets the control target position set previously said movable element, close to the electromagnet from the control target position set later position.
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