JP3690466B2 - 等速形自在軸継手における外輪部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、等速形自在軸継手の外輪部における外輪部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術による等速形自在軸継手の外輪部における外輪部材をプレス加工により製造する製造方法には、例えば特開平9−76026号公報及び特開平7−317788号公報に開示されているような方法がある。
特開平9−76026号公報に開示されている方法は、低炭素の鋼板材を所定寸法形状に切断し、冷間プレス等で順次絞り込んで形成する。
【0003】
同じく、特開平7−317788号公報にに開示されているような方法は、パイプ素材をプレス加工により、中間部を軸部材に成形すると共に、両端部を外輪部材に成形する。
いずれにしても、外輪部材の内周面には、トラック溝や内径面が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平9−76026号公報及び特開平7−317788号公報に開示されている方法では、外輪部の外輪部材における絞り量が溝部より内径部の方が大きくなり、その結果、開口端縁が軸方向で不揃いとなる。そのため開口端縁を揃うように仕上げる必要があり、しかもその除去量は多い。
更に、パイプ素材の場合には、絞りの影響は減少するが、板状素材の場合よりコスト高となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明による等速形自在軸継手における内径部と転動体が係合するトラック溝部が円周方向に交互に列設されたカップ形状の外輪部材を製造する方法は、次のような工程を含んでいる。
【0006】
(1)内径部とトラック溝部とからなる非円形断面のカップ形状に深絞りする板状素材を深絞り後の開口端縁が略同一平面上になるように板状素材の外周区域毎の径に絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差を与え、トラック溝部に対応する部分の径は、内径面部に対応する部分の径より小さくして板状素材を非円形にする。
【0007】
(2)非円形に成形された板状素材を内径部とトラック溝部が円周方向に交互に列設されたカップ形状に深絞りする。
(3)必要に応じて、外輪部材と軸部材との結合孔となる中心孔を板状素材に予め形成しておく。そして場合によっては、その中心孔は、深絞り後に円形になるように非円形である。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態における等速形自在軸継手における内径面と転動体が係合するトラック溝とが円周方向で交互に内周面に形成されたカップ体である外輪部材の製造方法について図面に従って説明するのに当って、先ず、等速形自在軸継手自体について図面に従って説明する。
トリポード形軸継手として例示された等速形自在軸継手は、図1に示すように軸部材2の先端にカップ状の外輪部材1が結合された外輪部Aと夫れ夫れが転動体、例えば球面ローラCを回転自在に支持した3本のトリポード軸が円周等間隔(120度間隔)で放射方向に外周面から突出した内輪部材3が軸部材4の先端に結合された内輪部Bとが球面ローラCを介して接続されて構成されている。即ち、転動体Cを支持した内輪部材3が外輪部材1内に挿入され、外輪部材1の内周面に平行に列設された軸線方向の各トラック溝部11に内輪部材3に支持された球面ローラCが係合されている。
【0011】
外輪部Aの外輪部材1は、図1及び図2に示すように、球面ローラCが係合するトラック溝面11aを形成するトラック溝部11と内径面12aを形成する内径面部12とが円周方向で交互に周筒部に配列され、底部の中心に軸部材と結合される結合孔13が貫通した非円形断面のカップ状体である。図示の例では、トラック溝部11と内径面部12とが夫々3箇所づつ形成されているので、外輪部材1の断面がクローバ状である。
上記の外輪部材1の製造に際しては、鋼板素材Mが深絞りされると共に、しごき加工で仕上げられる。
【0012】
鋼板素材Mを深絞りすることにより外輪部材1が成形される際、トラック溝部11は、軸線方向の材料の流れ量が内径面部12より多く、内径面部12は、縮径率がトラック溝部11より大きく、円周方向の流れ量がトラック溝部11より多い。
その結果、円形の鋼板素材M’を深絞りした場合、開口端縁が、トラック溝部11においては内径面部12におけるより軸線方向に突出し、同一平面上にならない。又、内径面部12は、トラック溝部11より肉厚となる。
【0013】
そこで、鋼板素材Mは、円形でなく、円周区域毎の径に絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差を与えた非円形(図3参照)に成形する。即ち、トラック溝部11に対応する部分の径は、内径面部12に対応する部分の径より深絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差だけ小さくする。
【0014】
そして、鋼板素材Mの中心部には、外輪部材1の底部の結合孔13になる孔を予め打ち抜いておく。
そのことは、深絞り加工に際して材料の流れが拘束されることによる皺の発生を抑止することにもなる。
【0015】
しかし、トラック溝部11と内径面部12とで軸線方向の材料の流れ量に差が生じるので、予め打ち抜かれた孔が円形であると、結合孔13は非円形となる。図示の例では、トラック溝部11と内径面部12とが夫々3箇所ずつ形成されているので、結合孔13は丸味を帯びた三角形となる。
【0016】
そこで、鋼板素材Mの中心部に予め打ち抜く孔は、円形でなく、円周区域毎の孔径に深絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差を与えた非円形に成形する。即ち、トラック溝部11に対応する部分の径は、内径面部12に対応する部分の径より深絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差だけ小さくする。図示の例では、トラック溝部11と内径面部12が3箇所宛形成されるので、内径面部12に対応する部分の径が長い丸味を帯びた三角形にする。(図3参照)
【0017】
その結果、鋼板素材Mを深絞りした際に、予め形成された非円形の結合孔13は円形の結合孔13となる。
そして、非円形から円形となった結合孔13を、打抜き又は切削により真円形やセレーション等の軸部材2との結合のための適宜の形状に形成する。
【0018】
上記のような条件の下で下記の工程で外輪部Aの外輪部材1を製造する。
(1)プレス加工により、鋼板から上記のような非円形の鋼板素材Mを打ち抜くと共に、鋼板素材Mの外周形状と所定の円周方向位相関係で非円形の結合孔13を打ち抜く。(図3参照)
(2)プレス加工により、鋼板素材Mを円形断面のパンチ及びダイスをもって円筒形カップ状に丸絞りする。(図4(a)参照)
【0019】
(3)2段階工程のプレス加工により、円筒形カップ状の中間成形物を、非円形断面(例えばクローバ状断面)のパンチ及びダイスをもって、所定の非円形断面、即ちトラック溝部11,11,11と内径面部12,12,12が交互になったカップ状体に深絞りする。(図4(b)(c)参照)
(4)深絞り成形されたカップ状体の外周面部をしごき加工により所定寸法・形状仕上げる。(図4(d)参照)
【0020】
かくして、開口端縁が略同一平面上にあり、底部に略円形の結合孔13が形成され、所定の断面の等速形自在軸継手における外輪部材1が製造される。
開口端縁が略同一平面上にあるので、開口端縁に対する仕上げ切削加工が不要になるか、仕上げ切削加工の切削量が少ない。
【0021】
同じく、結合孔13は、軸部材2との結合のために真円形やセレーション等に成形する必要がある場合には、略円形のため真円形やセレーション等の成形における打抜き量又は切削量が少ない。
なお、外輪部材1と軸部材2との結合については説明を省略する。
上記の実施の形態における等速形自在軸継手は、トリポード形軸継手であるが、バーフィールド形軸継手等の他の形式の等速形自在軸継手であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
この発明の等速形自在軸継手における外輪部材の製造方法によれば、板状素材で成形加工するので、鍛造と異なり、外輪部材の厚さは略均一であり、管材を用いる場合に比し材料費が廉価である。しかも板状素材を非円形断面のカップ状に深絞り加工に際して開口端縁が不揃いとなる問題が生じない。従って、開口端縁の仕上げが不要となり、たとえ仕上げを行ってもその仕上量は少なく、生産性がよい。
【0023】
更に、外輪部材と軸部材との結合孔となる中心孔を板状素材に予め形成しておくと、深絞りにおいて材料の流れが拘束されないで、皺の発生が抑止される。
しかも、その中心孔を深絞り後に円形になるように深絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差を考慮した非円形にすることにより、その後の外輪部材と軸部材との結合に際しての結合孔の形成にも効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における製造方法で製造された外輪部材が用いられる等速形自在軸継手の側断面図である。
【図2】この発明の実施の形態における製造方法で製造された外輪部材の正面図である。
【図3】この発明の実施の形態における外輪部材の製造方法に用いる鋼板素材の平面図である。
【図4】この発明の実施の形態における外輪部材の製造方法の各工程での成形物の断面図である。
【符号の説明】
A 外輪部
1 外輪部材
11 トラック溝部
11a トラック溝面
12 内径面部
12a 内径面
13 結合孔
2 軸部材
B 内輪部
3 内輪部材
4 軸部材
C 球面ローラ(転動体)
M,M’ 鋼板素材(板状素材)
Claims (2)
- 等速形自在軸継手における内径部と転動体が係合するトラック溝部が円周方向に交互に列設されたカップ形状の外輪部材を製造する次の工程を含む製造方法。
(1)内径部とトラック溝部とからなる非円形断面のカップ形状に深絞りする板状素材を深絞り後の開口端縁が略同一平面上になるように、板状素材の外周区域毎の径に絞りに際して軸線方向の材料の流れ量の差を与え、トラック溝部に対応する部分の径は、内径面部に対応する部分の径より小さく成形する。
(2)非円形に成形された板状素材を内径部とトラック溝部が円周方向に交互に列設されたカップ形状に深絞りする。 - 外輪部材と軸部材との結合孔となる中心孔を深絞り後に円形になるような非円形孔として板状素材に予め形成しておく請求項1に記載の方法。
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JP20709898A JP3690466B2 (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 等速形自在軸継手における外輪部材の製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP20709898A Expired - Fee Related JP3690466B2 (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 等速形自在軸継手における外輪部材の製造方法 |
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1998
- 1998-07-08 JP JP20709898A patent/JP3690466B2/ja not_active Expired - Fee Related
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