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JP3687253B2 - 感震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメーターなどに設置され地震の振動を検知する感震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の感震装置は、特開平3−295421号公報のようなものが知られていた。以下、その構成について図8を参照しながら説明する。
【0003】
図8に示すように、互いに直交する圧電プラスチックフィルム1、2と、圧電プラスチックフィルム1、2の起電圧信号をそれぞれ2乗する2乗回路3、4と、2乗回路3、4の信号を加算する加算回路5と、加算回路5の信号を開平する開平回路6と、開平回路の信号をインピーダンス変換するMOSFET7とで構成している。ここで、8は出力端子である。
【0004】
上記構成において、直交する圧電プラスチックフィルム1、2の起電圧信号Va、Vbは、ある方向θの振動Fに対して、出力信号Va=K・F・cos(θ)、Vb=K・F・sin(θ)となる。そして、これらの信号を2乗加算して開平することで、
【0005】
【数1】
Figure 0003687253
【0006】
を検出することができる。ここで、Kは比例定数である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、2方向の圧電プラスチックフィルムの合成出力電圧を検出するために、常時2乗回路と加算回路と開閉回路とが通電されている必要があり消費電力が多くなるという課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、複数の振動検出手段と、前記振動検出手段からの出力信号を所定信号レベルと比較する第1の比較手段と、前記第1の比較手段からの出力信号または発信器のいずれかの信号によって制御される電源レギュレータと、前記第1の比較手段の信号が所定信号になれば、前記複数の振動検出手段からの信号をベクトル合成して振動レベルを求める振動レベル検出手段とを備えたものである。
【0009】
上記発明によれば、比較回路の信号が所定信号になったときのみ、常に通電されて振動レベル検出手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の振動検出手段と、前記振動検出手段からの出力信号を所定信号レベルと比較する第1の比較手段と、前記第1の比較手段からの出力信号または発信器のいずれかの信号によって制御される電源レギュレータと、前記第1の比較手段の信号が所定信号になれば、前記複数の振動検出手段からの信号をベクトル合成して振動の振動レベルを求める振動レベル検出手段とを備えている。そして、比較回路の信号が所定信号になったときのみ、振動レベル検出手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0011】
また、振動レベル検出手段の信号レベルが所定信号レベル以上になれば前記各振動検出手段の信号波形を継続して計測する波形計測手段とを備えている。そして、比較回路の信号が所定信号になったときのみ、常に通電されて振動レベル検出手段と波形計測手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0012】
また、振動レベル検出手段からの信号レベルと所定信号レベルと比較する第2比較手段と、前記第2比較手段による比較にもとづき比較振動レベル検出手段からの信号レベルが所定信号レベル以上になれば振動検出手段からの信号波形を継続して計測する波形計測手段とを備えたものである。
【0013】
さらに、波形計測手段の信号波形から地震か否かを判定する地震判定手段を備えた。そして、電源手段として電池を用いたときに非常に有用である。
【0014】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の感震装置のブロック図である。図1において、9、10は振動検出手段としての振動加速度センサ、11、12はそれぞれ振動加速度センサ9、10の増幅回路、13は2つの所定信号レベルを発生する基準電圧装置、14、15は所定信号レベルと比較するウィンドコンパレータなどの第1の比較手段、16は第1の比較手段14、15の信号を受信するマイコン17の入力ポート、18、19は増幅回路の信号をA/D変換するA/D変換器、20はA/D変換器18、19の信号から振動レベルをプログラムにより算出する振動レベル検出手段、21はA/D変換器18、19の信号を所定時間計測する波形計測手段、22は前記波形計測手段21の波形から地震か否かを判定する地震判定手段である。ここで、23は振動レベル検出手段の信号が所定レベル以上かどうかを判定する第2の比較手段、24はこの第2の比較手段23が所定信号になれば所定信号を出力するマイコン17の出力ポート、25は電池、26は電源レギュレータ、27は出力ポート24または発振器28のいずれかが所定信号レベルであれば電源出力を出力する電源制御機能付きの電源レギュレータ、29はNAND回路30は動作制御手段としての時間遅延手段、31はガス遮断手段である。
【0016】
次に動作、作用について図2と図3を用いて説明する。図2に示すように、本発明の感震装置の振動加速度センサ9、10は、互いの振動検出の主軸方向が90°の角度で設置されている。
【0017】
そして、例えば振動加速度センサ9の信号が、第1の比較手段14で設定された所定信号レベルの範囲外になったときに、第1の比較手段14から所定の信号が出力される。
【0018】
この信号をスタンバイモードの低消費電力で動作しているマイコンが起動し、マイコンの入力ポート16が受信すると、動作制御手段としてプログラムが動作し、A/D変換器18、19がそれぞれ増幅回路11、12の信号をA/D変換してそれぞれの振動加速度レベルを求める。そして、それぞれの振動加速度レベルからベクトル合成することで振動レベルを算出する。
【0019】
この振動レベルが基準値以上であれば、動作制御手段として所定時間Δt後に出力ポートから所定信号を出力し、増幅回路11、12に常に電力が常に供給されるようにする。そして、A/D変換器18、19がそれぞれ増幅回路11、12の信号をA/D変換して所定時間だけ振動波形を計測する。その振動波形を基に、波形の特徴から地震か否かを判定するものである。
【0020】
このように、振動レベルが基準値以上の時のみ、動作制御手段により地震判定手段が動作する。そして、地震であると判定したときは、ガスの供給を遮断する。図3にフローチャートを、図4にタイミングチャートを示す。
【0021】
また、ここでは、振動加速度センサ9の場合について説明したが、振動加速度センサ10の信号が第1の比較手段15の所定レベルの範囲外になった場合も同様であり、振動加速度センサ9か振動加速度センサ10のいずれかが範囲外になるまでマイコンへの入力を待機させることで電池の消費電力を抑えることができる。
【0022】
このように、振動加速度センサの回路の信号が所定信号になったときのみ、マイコンが動作するのでマイコン動作の消費電力を抑えることができる。そして、波形を計測して精度よく地震か否かの判定を行うような場合も、常時マイコンを動作させておく必要はなく、振動加速度センサの回路の信号が所定信号になったときのみマイコンを動作させればよく消費電力を抑えることができる。
【0023】
そして、マイコンのプログラムとしてA/D変換したデジタルデータで振動レベルを検出するので、アナログ回路より精度よく検出できるとともに、電池で駆動してもダイナミックレンジを広く取ることができる。
【0024】
また、実施例では2つのセンサが90°の角度で設置されたもので説明したが、任意の角度に設置されているときでもその設置角度さえわかっていればプログラムで計算可能でありさまざまな角度に対応することができる。
【0025】
また、図5に示すように、振動加速度センサ9か振動加速度センサ10のいずれかが範囲外になることで説明したが、振動加速度センサ9の1つのセンサだけに限定して第1の比較手段でレベル判定を行っても同様の効果が得られる。これは、地震のようなランダムな振動は、ほとんどの場合どの方向の振動レベルも±20%程度の差しかないので2つの振動加速度センサの内1つのセンサーで補うことができる。
【0026】
このようにすることで1つの振動加速度センサへの電力供給だけでよいので消費電力が更に低減できる。波形検出や地震判定においても同様の効果がある。また、駆動電源として電池を用いることで、電池を用いることで地震のような災害が発生した場合でも動作させることができる。
【0027】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2の感震装置を示すブロック図である。実施例1と異なる点は、互いに直交する2つの振動加速度センサ9、10からの出力信号をベクトル合成するベクトル合成回路32を備えたことにある。ここで、振動加速度センサの配置は図2に示すように、お互いの主軸方向が90°に交わるようにしている。
【0028】
次に動作、作用について図7を用いて説明する。振動加速度センサ9と振動加速度センサ10の増幅信号をベクトル合成手段としてのベクトル合成回路でベクトル合成する。ベクトル合成とは、ぞれぞれの信号の2乗和平方根である。
【0029】
そして、その信号が、第1の比較手段14で設定された所定信号レベルの範囲外になったときに、第1の比較手段14から所定の信号が出力される。この信号をマイコンの入力ポートが受信すると、所定時間Δt後に出力ポートから所定信号を出力し、増幅回路11、12とベクトル合成回路32に常に電力が供給されるようにする。そして、A/D変換器18がベクトル合成回路の信号をA/D変換して所定時間だけ振動波形を計測する。その振動波形を基に、波形の特徴から地震か否かを判定するものである。そして、地震であると判定したときは、ガスの供給を遮断する。
【0030】
このように、振動加速度センサの回路のベクトル信号が所定信号になったときのみ、マイコンが動作するのでマイコン動作の消費電力を抑えることができる。そして、波形を計測して精度よく地震か否かの判定を行うような場合も、常時マイコンを動作させている必要はなく、振動加速度センサの回路のベクトル信号が所定信号になったときのみマイコンを動作させればよく消費電力を抑えることができる。
【0031】
なお、3個の振動検出手段を用いる場合は、3個の振動検出手段の主軸方向が互いに90°に配置され、それぞれの主軸が3軸の直交座標の関係になるように配置すれば、3次元のベクトル合成で、振動のレベルが比較できるので、より精度よくレベル判定でき、無駄な電池の消耗を防ぐことができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の感震装置によれば、次の効果が得られる。
【0033】
まず、2個の振動検出手段の少なくとも1つ以上の出力信号を所定信号レベルと比較する第1の比較手段の出力信号が所定信号になれば、各振動検出手段の信号を基に振動の主方向の振動レベルを求める振動レベル検出手段を備えることで、第1の比較回路の信号が所定信号になったときのみ、振動レベル検出手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0034】
また、振動レベル検出手段の信号レベルが所定信号レベルになったときに各振動検出手段の信号波形を継続して計測する波形計測手段とを備えることで、比較回路と振動レベル検出手段の信号がともに所定の信号になったときとのみ、振動レベル検出手段と波形計測手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0035】
また、振動レベル検出手段の信号レベルが所定信号レベルになったとき動作する波形計測手段と地震判定手段を備えることで、比較回路と振動レベル検出手段の信号がともに所定の信号になったときのみ、振動レベル検出手段と波形計測手段と地震判定手段が動作するので消費電力を低減することができる。
【0036】
また、電源は電池を使用することで、屋外など商用電源のないところでも動作させることがができ、かつ信号が所定値になる時のみマイコンが動作するので長時間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の感震装置のブロック図
【図2】 同感震装置の振動加速度センサーを説明する図
【図3】 同感震装置の動作を示すフローチャート
【図4】 同感震装置の動作を示すタイミングチャート
【図5】 同感震装置の別のブロック図
【図6】 本発明の実施例2の感震装置のブロック図
【図7】 同感震装置の動作を示すフローチャート
【図8】 従来の感震装置を示す構成図
【符号の説明】
9、10 振動加速度センサ(振動検出手段)
14、15 第1の比較手段
20 振動レベル検出手段
21 波形計測手段
22 地震判定手段
24 出力ポート(動作制御手段)
25 電池
31 ベクトル合成回路(ベクトル合成手段)

Claims (4)

  1. 複数の振動検出手段と、前記振動検出手段からの出力信号を所定信号レベルと比較する第1の比較手段と、前記第1の比較手段からの出力信号または発信器のいずれかの信号によって制御される電源レギュレータと、前記第1の比較手段の信号が所定信号になれば、前記複数の振動検出手段からの信号をベクトル合成して振動レベルを求める振動レベル検出手段とを備えた感震装置。
  2. 振動レベル検出手段からの信号レベルと所定信号レベルと比較する第2比較手段と、前記第2比較手段による比較にもとづき比較振動レベル検出手段からの信号レベルが所定信号レベル以上になれば振動検出手段からの信号波形を継続して計測する波形計測手段とを備えた請求項1記載の感震装置。
  3. 波形計測手段の信号波形から地震か否かを判定する地震判定手段を備えた請求項2記載の感震装置。
  4. 電源手段として電池を用いた請求項1記載の感震装置。
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