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JP3686022B2 - Drilling tool with coolant hole - Google Patents

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JP3686022B2
JP3686022B2 JP2001317194A JP2001317194A JP3686022B2 JP 3686022 B2 JP3686022 B2 JP 3686022B2 JP 2001317194 A JP2001317194 A JP 2001317194A JP 2001317194 A JP2001317194 A JP 2001317194A JP 3686022 B2 JP3686022 B2 JP 3686022B2
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JP
Japan
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tool
coolant
hole
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cutting blade
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浩 早崎
寛 池内
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三菱マテリアル神戸ツールズ株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削油剤等のクーラントを供給するクーラント穴が工具本体に穿設されてその先端面に開口させられたクーラント穴付き穴明け工具(以下、単に穴明け工具と称する。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の穴明け工具においては、一般的な鋼材等に加工穴を形成するものとして、軸線回りに回転される略円柱状の工具本体の先端部外周に一対の切屑排出溝が上記軸線に対称に工具後端側に向かうに従い工具回転方向後方側に螺旋状に捩れるように形成されて、これらの切屑排出溝の工具回転方向を向く壁面と工具本体の先端面との交差稜線部に工具内周側から工具外周に達する切刃が形成された、いわゆる2枚刃のツイストドリルがよく知られている。そして、このような穴明け工具では、穴明け加工時に弦巻状やチップ状に生成される切屑を確実に排出するために切屑排出溝の断面積をある程度確保しなければならない関係から、逆に工具本体の心厚はあまり大きくすることはできず通常切刃の外径の10〜30%程度とされており、従って切削油剤やエアー等のクーラントを切削部位に供給するためのクーラント穴も、上記心厚が描く円の内側に形成することは工具本体の剛性を考慮すると困難であって、この心厚円よりも外周側のランド部分を通して工具後端側から穿設されて、先端面の切刃の工具回転方向後方側に連なる逃げ面上に、1つの切刃に対して1つずつの合計2つのクーラント穴が1つの工具本体について開口させられているだけであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようにクーラント穴を工具本体のランド部分に形成して工具本体の剛性を確保するようにしても、クーラント穴自体の径や数を増やそうとすると工具剛性が損なわれてしまうことは避けられず、穴明け加工時の切削抵抗によって工具本体が捩り折れたりするおそれが生じるため、これらクーラント穴径や穴数も自ずと制限されざるを得なかった。因みに、例えば切刃の外径が34.4mmの穴明け工具においては、2枚の切刃の逃げ面にそれぞれ穴径3.7mmのクーラント穴が形成されている程度であって、上記切刃によって形成される加工穴の断面積に対し、クーラント穴の総断面積は2.4%程度にすぎず、このためクーラントの供給量や供給圧を増大させて冷却や潤滑の効率を向上させるにも限度があった。また、螺旋状に捩れた切屑排出溝の間に形成されて同様に捩れるランド部分にクーラント穴を穿設するには、このクーラント穴も切屑排出溝と等リードで螺旋状としなければならず、このクーラント穴の形成が煩雑となるのは勿論、クーラント穴の全長が長くなるためにやはりクーラントの供給が損なわれるという問題もある。
【0004】
また、その一方で、本発明の発明者らは、先に特願2000−331507号において、シリコンやセラミックス、ガラス、あるいは炭化タングステン(WC)などの超硬合金材等の脆性材料に穴明け加工を行う穴明け加工方法として、軸線回りに回転される穴明け工具を0.025〜0.15μm/revの極小さい送り量で軸線方向先端側に送り出して穴明け加工を行うことを提案しており、このような穴明け加工方法によれば、穴明け工具が加工物に押し込まれる際の押し込み力が低減されて加工物に過大な負荷が作用することがなくなるので、この加工物が上述のような脆性材料であっても、ひびやクラック等に起因するコバ欠けが生じるのを防ぐことができる。しかしながら、このような脆性材料に穴明け加工を行う場合には、当該脆性材料の熱伝導率の低さなどから加工熱が加工穴内にこもりやすく、このためクーラントをより効率的に切削部位に供給して冷却を図ることは一層重要な課題となる。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、工具本体の剛性を損なうことなくクーラントの供給量や供給圧を増大させることができて、たとえ脆性材料に穴明けを行う場合であっても効率的な冷却や潤滑を図ることが可能な穴明け工具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される略円柱状の工具本体の先端面に、工具内周側からこの先端面の外周に達する切刃を形成するとともに、上記工具本体後端側から穿設したクーラント穴を開口させ、上記工具本体の心厚を上記切刃の外径に対して40%以上とする一方、上記軸線に直交する断面における上記クーラント穴の総面積を、上記切刃により形成される加工穴の断面積の5〜30%の範囲に設定し、さらに上記工具本体の先端部外周には、上記軸線回りに捩れる切屑排出溝を形成して、上記クーラント穴を、この切屑排出溝の捩れとはリードの異なる捩れ穴状に穿設したことを特徴とする。従って、このような穴明け工具においては、工具本体の心厚を切刃外径の40%以上と大きくすることにより、心厚円の内側にクーラント穴を穿設することができ、これによって工具本体の剛性を損なうことなく個々のクーラント穴の断面積を増大させたりクーラント穴の数を増やしたりすることが可能となって、このクーラント穴の総面積を加工穴の断面積の5〜30%と従来よりも大幅に大きくすることができる。
【0007】
なお、心厚が切刃外径の40%未満では工具剛性を損なうことなく心厚円の内側にクーラント穴を穿設することは困難となり、またクーラント穴の総面積が加工穴断面積の5%未満ではクーラント供給量や供給圧の増大を図ることができない一方、30%を上回ると如何に心厚を大きくしても工具剛性の維持が困難となる。また、上述したような脆性材料に穴明け加工を行う場合には、一般的な鋼材を穴明けする場合のように弦巻状やチップ状の切屑が生成されるのではなく、加工物が脆性材料であるために粉体状の切粉が生成されることとなるため、このように心厚を大きくすることによって切屑排出溝の断面積が削減されても良好な排出性を維持することができ、その一方でかかる脆性材料の穴明けでは上述のようにクーラントを効率的に供給することが重要とされるので、特に本発明の穴明け工具は、上記切刃により、脆性材料よりなる加工物に上記加工穴を形成するのに用いて、取り分け有効であると言える。
【0008】
ところで、このように工具本体の心厚を大きくした場合において、しかも特に脆性材料よりなる加工物に穴明けを行う場合には、切刃は一般的な鋼材を穴明けするときのように加工物を切り裂いて送り量に応じた厚さの弦巻状やチップ状の切屑を生成するのではなく、上述のように加工物を粉体状に削り取って切粉を生成することとなることから、切刃にはその切れ味よりも高い強度が求められることとなり、このため上記工具本体の先端面においては、上記切刃の工具回転方向に連なるすくい面をこの工具回転方向側に向かうに従い工具後端側に向かうように傾斜させて、上記切刃に負の軸方向すくい角を与えるようにするのが望ましい。そこで、このようにすくい面に負の軸方向すくい角を与えた場合には、上記クーラント穴を少なくともこのすくい面上に開口させることにより、切刃や切刃による加工物の切削部位に一層効率的にクーラントを供給することが可能となる。また、本発明では上述のようにクーラント穴の数を増やすことができるので、工具本体に複数のクーラント穴を穿設して、これを切刃の工具回転方向後方に連なる逃げ面上にも開口させるようにしても、勿論構わない。
【0009】
そして、こうして生成された切粉や切屑を効率的に排出して処理するのに、本発明では工具本体の先端部外周に切屑排出溝を形成しており、このとき、本発明では工具本体の心厚円の内側にクーラント穴を穿設することができるので、この切屑排出溝を工具本体の軸線回りに捩れる螺旋状に形成する一方で、クーラント穴は、この切屑排出溝の捩れとはリードの異なる捩れ穴状に穿設している。従って、例えばこのクーラント穴を切屑排出溝の捩れよりも小さなリードの捩れ穴状に穿設すれば、クーラント穴の全長を短縮して一層効率的なクーラントの供給を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態において工具本体1は、超硬合金等の硬質材料により一体に形成されて、加工物に挿入されて穴明け加工を施す先端部2が、工作機械の主軸に把持されてシャンク部とされる後端部3に対して一段縮径した軸線Oを中心とする多段円柱軸状をなしており、両端部2,3の間の部分は先端側に向けて漸次縮径するテーパ部4によって結ばれている。さらに、本実施形態では上記先端部2の先端面が、上記軸線O上の1の交点Pにおいて交差し、かつこの交点Pから外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する平面状または工具先端外周側に膨らむ凸曲面状の4つの扇状面によって構成されており、従ってこの工具本体1においては上記交点Pの位置が最も先端側に突出させられるとともに、上記扇状面同士が互いに交差する4条の交差稜線が、この交点Pから外周側に向けて後端側に直線状に後退するように、かつ軸線O方向先端視に該交点Pから放射状に延びるように形成されることとなる。
【0011】
ここで、上記4つの扇状面は、これらが軸線O方向先端視においてなす扇形の中心角が異なるものとされ、これにより周方向に隣接する扇状面同士の4条の交差稜線…が、周方向に異なる間隔で配設されている。ただし、本実施形態では、上記4つの扇状面のうち軸線O方向先端視に交点Pを挟んで反対側に位置する一対の扇状面同士がなす扇形の中心角は互いに等しくされ、従って上記交差稜線も、交点Pを挟んで反対側に位置する一対の交差稜線同士は、それぞれ軸線O方向先端視に図2に示すように1直線上に延びるように形成されることとなって、軸線Oに対し線対称に配置されている。さらに、これら4つの交差稜線のうち交点Pを挟んで反対側に位置する一対の交差稜線の軸線Oに対する交差角は、やはり交点Pを挟んで反対側に位置する他の一対の交差稜線の軸線Oに対する交差角よりも大きくされており、従ってこの交差角が大きくされた一対の交差稜線が、軸線回りの回転軌跡において交差角の小さい他の一対の交差稜線や4つの扇状面よりも工具先端側に位置することとなって、本実施形態において工具内周側の上記交点Pから工具外周に達する切刃5,5とされ、これら切刃5,5の工具回転方向T側にそれぞれ連なる扇状面はすくい面6とされるとともに、切刃5,5の工具回転方向T後方側に連なる扇状面は逃げ面7とされる。
【0012】
なお、工具本体1の先端面が上述のように交点Pから外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する4つの扇状面によって構成されていることから、上記逃げ面7は切刃5から軸線O回りに工具回転方向Tの後方側に向かうに従い工具後端側に漸次後退するように形成されて、該逃げ面7に所定の逃げ角が与えられる一方、上記すくい面6は逆に切刃5から工具回転方向T側に向かうに従い工具後端側に漸次後退するように形成されて、これによりすくい面6には負の軸方向すくい角が与えられる。また、本実施形態では、このすくい面6とされる扇状面の中心角が、逃げ面7とされる扇状面の中心角よりも大きくされている。
【0013】
さらに、工具本体1の先端部2の外周面には、上記切刃5,5が先端面の外周に達する部分を除いて、工具内周側に一段凹むように二番取り面8,8が形成されており、この二番取り面8は図1に示すように上記先端面から工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるように形成されている。従って、上記切刃5が先端面の外周に達する部分に残された二番取り面8が形成されない部分も、この先端面から工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるようにして堤状に先端部2の外周に残され、この部分は切刃5の外径Dと略等しい外径を有していて、本実施形態の穴明け工具におけるマージン部9とされる。さらに、このマージン部9の工具回転方向T側には、上記二番取り面8からさらに工具内周側に凹むようにして断面円弧状の切屑排出溝10が形成されており、従ってこの切屑排出溝10もマージン部9や二番取り面8と同様に先端面から工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるように形成され、図3に示すように軸線Oに直交する断面において、該軸線Oを中心としてこの切屑排出溝10の溝底に接する円が工具本体1の心厚円Cとされ、この心厚円Cの直径が工具本体1の心厚Eとされる。しかして、この心厚Eは、上記切刃5の外径Dに対して40%以上となるようにされている。
【0014】
そして、この工具本体1には、その後端面すなわち上記後端部3の後端面から工具先端側に向けてクーラント穴11が形成されて上記先端面に開口させられており、軸線Oに直交する断面におけるこのクーラント穴11の総面積が、切刃5により形成される加工穴の断面積の5〜30%の範囲に設定されている。ここで、本実施形態では図2および図3に示すように、工具本体1に複数(4つ)のクーラント穴11…が周方向に略等間隔かつ軸線Oからも略等間隔に穿設されており、これらのクーラント穴11…は、内径dが互いに等しい断面円形に形成されていて、いずれも上記心厚円Cの内側に配置され、さらに図1に破線で示すように上記二番取り面8やマージン部9、切屑排出溝10と等しいリードで工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れる螺旋状に形成されている。従って、本実施形態ではこれら4つののクーラント穴11…の総面積4π×(d/2)2=π×d2が、切刃5によって形成される加工穴の断面積π×(D/2)2の5〜30%の範囲とされる。さらに、これら4つのクーラント穴11…は、工具本体1の先端面においてそれぞれ一対ずつ形成された上記すくい面6,6と逃げ面7,7とに一つずつ開口するようにされている。
【0015】
このように構成された穴明け工具は、上述のように工具本体1の後端部3が工作機械の主軸に把持されて、軸線O回りに回転されつつ該軸線O方向先端側に送り出され、例えば単結晶シリコン等の脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を行うのに使用される。ただし、このときの工具本体1の軸線O方向先端側への送り量は、やはり上述したように0.025〜0.15μm/revと極小さく設定されるのが望ましく、より望ましくは工具本体1の送りと後退とを繰り返しながら徐々に加工物に切り込むステップフィード加工が行われる。また、特にこのように脆性材料に穴明け加工を行うのに用いる場合には、工具本体1の少なくとも上記先端部2の表面にダイヤモンドコーティングあるいは電着したり、少なくともこの先端部2をダイヤモンド焼結体によって形成するのが望ましい。そして、この穴明け加工の際には、上記クーラント穴11…を通して工作機械側から切削油剤やエアー等のクーラントが供給されて工具本体1の先端面に形成されたその開口部から噴出させられる。
【0016】
従って、このように構成された穴明け工具においては、工具本体1の心厚Eが切刃5の外径Dの40%以上と従来よりも大幅に大きくされており、これにより工具本体1の剛性も大きく確保することができるので、クーラント穴11…の総面積を加工穴の断面積の5〜30%と大きくしても工具本体の剛性が大きく低下するのを防いで、切削抵抗により工具本体1が捩り折れるような事態が生じるのを防止することができる。そして、このようにクーラント穴11…の総面積を増大させることにより、上記穴明け工具によれば、このクーラント穴11…から供給されるクーラントの供給量や供給圧も増大させることが可能となって、切刃5やこれによる加工物の切削部位に十分にクーラントを供給してその冷却や潤滑を促すことができ、加工熱による切刃5の損耗や加工精度の劣化を防ぐとともに、切削抵抗を低減して加工効率の向上を図ることが可能となる。これは、特に上述のように加工熱が加工穴内にこもりやすい脆性材料の穴明け加工において有効である。しかも、本実施形態では、クーラント穴11…が工具本体1の心厚円Cの内側に形成されているので、このクーラント穴11…と工具本体1の外周面との間にも十分な肉厚を確保することができ、これによっても工具剛性を確保してその損傷を確実に防止することができる。
【0017】
ここで、このように工具本体1の心厚Eを切刃5の外径Dの40%以上としているのは、この心厚Eが外径Dの40%未満では、クーラント穴11…の総面積を加工穴断面積の5〜30%と大きくした場合に十分な工具剛性を確保することができなくなるからである。なお、本実施形態では工具本体1の先端部2外周に二番取り面8や切屑排出溝10が形成されているため、上記心厚Eは切刃5の外径Dよりも小さくなり、すなわち心厚Eが外径Dの100%となることはないが、穴明け加工時に例えば上述のようにステップフィード加工を行うなどして切屑の排出性が確保されるのであれば、これら二番取り面8や切屑排出溝10を形成することなく、先端部2の外周を円柱状として、心厚Eが外径Dと等しく100%となるようにしてもよい。また、クーラント穴11…の総面積を加工穴の断面積の5〜30%としているのは、5%未満ではクーラントの供給量や供給圧の十分の増大を図ることができなくなり、逆に30%を上回ると、たとえ工具本体1の心厚Eを切刃5の外径Dの40%以上としても、工具本体1の剛性を確実に確保することができなくなるおそれが生じるからである。
【0018】
また、本実施形態では、工具本体1の先端面が4つの扇状面によって形成されていて、これらの扇状面が一対の切刃5,5に連なるすくい面6と逃げ面7とをそれぞれなしており、このうちすくい面6は負の軸方向すくい角が与えられて工具回転方向T側に向かうに従い工具後端側に向かうように形成されていて、4つの上記クーラント穴11…のうち2つはこれら各切刃5,5のすくい面6,6上に開口させられている。このため、本実施形態によれば、このすくい面6上に開口するクーラント穴11…から噴出されたクーラントを、このクーラント穴11の工具回転方向T後方に隣接することとなる切刃5および該切刃による加工物の切削部位に、工具本体1の回転に伴い直接的かつ速やかに供給することが可能となり、これにより一層効率的な冷却や潤滑を促すことができる。しかも、本実施形態では1つの切刃5について2つのクーラント穴11,11を形成して1つの工具本体1に4つのクーラント穴11…を穿設し、すなわちクーラント穴11…の数を増やしてその総面積を増大させており、このうち残りの2つのクーラント穴11,11は、すくい面6のクーラント穴11,11から間隔をあけた逃げ面7上に開口させられているので、クーラントを先端面の周方向において均等に噴出させて切刃5や切削部位に偏りなく供給することが可能となる。さらに、上述のように切刃5に負の軸方向すくい角が与えられることにより、この切刃5の刃先角を大きくして切刃強度の向上を図ることができるので、本実施形態によれば、切刃5に切れ味よりも強度が求められる上記脆性材料への穴明け加工により好適な穴明け工具を提供することが可能となる。
【0019】
なお、本実施形態ではこのように工具本体1に穿設されるクーラント穴11の数を増やしてその総面積を増大させるようにしているが、例えばこれを図4に示す第2の実施形態のように、クーラント穴11の数は従来と同じ2つとするにしても、個々のクーラント穴11の内径を大きくすることによって軸線Oに直交する断面におけるクーラント穴11の総面積を加工穴の断面積の5〜30%と大きくするようにしてもよい。例えば、この場合のクーラント穴11の内径を第1の実施形態のクーラント穴11の内径dの2倍の2×dとすると、軸線Oに直交する断面におけるクーラント穴11,11の総面積は2π×(2×d/2)2=2π×d2となって、第1の実施形態の2倍の総面積を確保することができる。なお、この場合でもクーラント穴11,11は、切刃5,5の工具回転方向T側に連なるすくい面6上に開口させられるのが望ましい。勿論、このクーラント穴11…の総面積が加工穴の断面積の5〜30%の範囲内に設定されるのなら、クーラント穴11…の数と内径とを両方増大させたり、あるいは第1の実施形態のような4つのクーラント穴11…を穿設して、そのうち例えばすくい面6上に開口するクーラント穴11,11の内径を逃げ面7に開口するクーラント穴11,11よりも大きくしたりしてもよい。
【0020】
一方、本実施形態では工具本体1の先端部2外周に二番取り面8,8が形成されて切刃5の外径Dと略同径のマージン部9,9が残されており、加工穴内の挿入されるこの先端部2と加工穴内周との摩擦の増大をこの二番取り面8,8によって防ぎつつ、マージン部9,9によって先端部2の振れを抑えて直進性を確保することができる。そして、さらにこのマージン部9の工具回転方向T側には切屑排出溝10が形成されていて、この切屑排出溝10は二番取り面8およびマージン部9が捩れて形成されるのに伴い同様に工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるように形成されているので、特に上述の脆性材料に穴明け加工を行う場合において生成される粉体状の切粉などを工具本体1の回転に伴い工具後端側に送り出して効率的に排出することができる。
【0021】
ところで、本実施形態では上記クーラント穴11…を、これら二番取り面8やマージン部9、切屑排出溝10の捩れに合わせた等しいリードで、やはり工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れるように螺旋状に形成しているが、本実施形態のようにクーラント穴11を工具本体1の心厚円Cよりも内周に穿設する構成を採った場合には、この心厚円Cの外側の二番取り面8や切屑排出溝10の位置や捩れに拘束されることなくクーラント穴11を設けることができるので、このクーラント穴11を螺旋状に形成するにしても、切屑排出溝10や二番取り面8の捩れとはリードの異なる捩れ穴状に形成することができる。従って、例えばこのクーラント穴11を切屑排出溝10等よりも小さなリードで捩れるように形成すれば、クーラント穴11の捩れに沿った全長を短縮することができ、これによってクーラントをより速やかに供給することができて一層効率的な冷却、潤滑を図ることができる。
【0022】
また、上記構成を採る穴明け工具では、このようにクーラント穴11を螺旋状にすることなく、図5に示す第3の実施形態のように軸線Oに平行な直線状に穿設することも可能であり、この場合にはクーラント穴11の全長が最短となるためにさらに短い時間でクーラントを供給することができて効率的であるとともに、クーラント穴11を軸線Oに平行に直線状に形成すればよいので、このクーラント穴11の穿設自体を極めて容易に行うことができ、従って当該穴明け工具の製造も容易になるという利点を得ることができる。さらにまた、上記第1の実施形態のようにクーラント穴11を螺旋状に形成するにしても、この第1の実施形態とは逆に工具先端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れる螺旋状に形成することも可能であり、この場合には工具本体1の回転に伴ってクーラントが工具先端側に押し出されることとなるので、より一層速やかなクーラントの供給を図ることが可能となって、その供給量や供給圧のさらなる増大を促すことができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、工具本体の心厚を切刃外径の40%以上とするとともに、工具軸線に直交する断面におけるクーラント穴の総面積を加工穴の断面積の5〜30%と大きく設定することにより、クーラントの供給量や供給圧を増大させて切刃や切削部位の効率的な冷却、潤滑を図ることができる。従って、特に加工熱がこもりやすい脆性材料の穴明けなどにおいても、切刃の損耗や加工精度の劣化、あるいは切削抵抗の増大などを確実に防止して、高精度の穴明けを円滑かつ安定して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の先端面を示す拡大正面図である。
【図3】 図1におけるZZ断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態を示す拡大正面図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 工具本体
5 切刃
6 すくい面
7 逃げ面
10 切屑排出溝
11 クーラント穴
O 工具本体1の軸線
T 工具回転方向
D 切刃5の外径
C 工具本体1の心厚円
E 工具本体1の心厚
d クーラント穴11の内径
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a drilling tool with a coolant hole (hereinafter simply referred to as a drilling tool) in which a coolant hole for supplying a coolant such as a cutting fluid is formed in a tool body and opened at a tip end surface thereof. is there.
[0002]
[Prior art]
In this type of drilling tool, a pair of chip discharge grooves are symmetrical to the above-mentioned axis on the outer periphery of the tip of a substantially cylindrical tool body that rotates around the axis, as a machining hole is formed in a general steel material. The tool is formed so as to be spirally twisted to the rear side in the tool rotation direction toward the tool rear end side, and the tool is formed on the cross ridge line portion between the wall surface of the chip discharge groove facing the tool rotation direction and the tip surface of the tool body. A so-called two-blade twist drill in which a cutting blade reaching the outer periphery of the tool from the inner peripheral side is formed is well known. In such a drilling tool, the tool must be secured to a certain extent in order to ensure that the chip generated in the form of a string or chip during drilling must be secured. The core thickness of the main body cannot be increased so much and is usually about 10 to 30% of the outer diameter of the cutting blade. Therefore, the coolant hole for supplying coolant such as cutting fluid or air to the cutting site is also described above. It is difficult to form the inside of the circle drawn by the core thickness, considering the rigidity of the tool body. A total of two coolant holes, one for each cutting blade, were opened for one tool body on the flank face continuous to the rear side in the tool rotation direction of the blade.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, even if the coolant holes are formed in the land portion of the tool body in this way to ensure the rigidity of the tool body, the increase in the diameter and number of the coolant holes themselves does not impair the tool rigidity. However, since the tool body may be twisted and broken due to cutting resistance during drilling, the coolant hole diameter and the number of holes have to be limited. Incidentally, for example, in a drilling tool having an outer diameter of 34.4 mm, coolant holes having a hole diameter of 3.7 mm are formed on the flank surfaces of the two cutting blades. The total cross-sectional area of the coolant hole is only about 2.4% of the cross-sectional area of the machined hole formed by this, so that the coolant supply amount and supply pressure can be increased to improve the efficiency of cooling and lubrication. There was also a limit. In addition, in order to drill a coolant hole in a land portion formed between the spirally twisted chip discharge grooves and twisted in the same manner, the coolant hole must also be spiral with a chip discharge groove and the like. Of course, the formation of the coolant hole is complicated, and the total length of the coolant hole is long, so that the supply of the coolant is also impaired.
[0004]
On the other hand, the inventors of the present invention previously punched a brittle material such as silicon, ceramics, glass, or a cemented carbide material such as tungsten carbide (WC) in Japanese Patent Application No. 2000-331507. As a drilling method to perform drilling, we propose that the drilling tool rotated around the axis is sent to the tip end side in the axial direction with a very small feed amount of 0.025 to 0.15 μm / rev. According to such a drilling method, since the pushing force when the drilling tool is pushed into the work piece is reduced and an excessive load does not act on the work piece, the work piece is Even such brittle materials can prevent edge chipping caused by cracks, cracks and the like. However, when drilling such a brittle material, the processing heat is likely to be trapped in the bore due to the low thermal conductivity of the brittle material, so coolant can be supplied more efficiently to the cutting site. Thus, cooling is an even more important issue.
[0005]
The present invention has been made under such a background, and it is possible to increase the supply amount and supply pressure of the coolant without impairing the rigidity of the tool body, and even when punching a brittle material. However, the object is to provide a drilling tool capable of efficient cooling and lubrication.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems and achieve such an object, the present invention reaches the outer periphery of the tip surface from the inner peripheral side of the tool to the front end surface of the substantially cylindrical tool body rotated about the axis. A cutting edge is formed, and a coolant hole drilled from the rear end side of the tool body is opened so that the core thickness of the tool body is 40% or more with respect to the outer diameter of the cutting edge, while orthogonal to the axis. The total area of the coolant hole in the cross section to be set is set in a range of 5 to 30% of the cross-sectional area of the machining hole formed by the cutting blade , and the outer periphery of the tip end of the tool body is twisted around the axis. A chip discharge groove is formed, and the coolant hole is formed in a twist hole shape having a lead different from the twist of the chip discharge groove . Therefore, in such a drilling tool, by increasing the core thickness of the tool body to 40% or more of the outer diameter of the cutting edge, a coolant hole can be drilled inside the core thick circle. It is possible to increase the cross-sectional area of each coolant hole or increase the number of coolant holes without impairing the rigidity of the main body, and the total area of this coolant hole is 5 to 30% of the cross-sectional area of the processed hole. And can be significantly larger than before.
[0007]
If the core thickness is less than 40% of the outer diameter of the cutting edge, it is difficult to make a coolant hole inside the core thickness circle without impairing the rigidity of the tool, and the total area of the coolant hole is 5 of the cross-sectional area of the machining hole. If it is less than%, the coolant supply amount and supply pressure cannot be increased. On the other hand, if it exceeds 30%, it becomes difficult to maintain the tool rigidity no matter how thick the core is. In addition, when drilling a brittle material as described above, a wound or chip-like chip is not generated as in the case of drilling a general steel material, but the work piece is a brittle material. As a result, powdery chips will be generated.Thus, even if the cross-sectional area of the chip discharge groove is reduced by increasing the thickness of the core, good dischargeability can be maintained. On the other hand, since it is important to efficiently supply the coolant as described above in the drilling of such a brittle material, the drilling tool of the present invention is a workpiece made of a brittle material by the above cutting blade. It can be said that it is particularly effective when used for forming the above-mentioned processed holes.
[0008]
By the way, when the core thickness of the tool body is increased in this way, and especially when drilling a workpiece made of a brittle material, the cutting edge is a workpiece as in drilling a general steel material. Instead of cutting the chip and generating chip-wound or chip-shaped chips with a thickness according to the feed amount, the workpiece is scraped into powder as described above to generate chips. The blade is required to have a strength higher than its sharpness. For this reason, on the tip surface of the tool body, the rake face that continues to the tool rotation direction of the cutting blade is directed toward the tool rotation direction side toward the tool rear end side. It is desirable that the cutting edge is inclined so as to give a negative axial rake angle. Therefore, when a negative rake angle is given to the rake face in this way, the cutting hole or the cutting part of the workpiece by the cutting edge is made more efficient by opening the coolant hole at least on the rake face. Coolant can be supplied. Further, in the present invention, since the number of coolant holes can be increased as described above, a plurality of coolant holes are drilled in the tool body, and these are also opened on the flank that continues to the rear of the cutting blade in the tool rotation direction. Of course, it does not matter.
[0009]
And in order to efficiently discharge and process the chips and chips generated in this way , in the present invention, a chip discharge groove is formed on the outer periphery of the tip of the tool body. Since the coolant hole can be drilled inside the thick circle, the chip discharge groove is formed in a spiral shape that twists around the axis of the tool body, while the coolant hole is the twist of the chip discharge groove. The lead is drilled in a different twisted hole shape . Therefore, for example , if this coolant hole is drilled in the shape of a twisted hole of a lead smaller than the twist of the chip discharge groove, the coolant hole can be shortened and the coolant can be supplied more efficiently.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 3 show a first embodiment of the present invention. In the present embodiment, the tool body 1 is integrally formed of a hard material such as a cemented carbide, and a tip portion 2 that is inserted into a workpiece to perform drilling is gripped by a spindle of a machine tool and a shank portion. The tapered portion 4 has a multi-stage cylindrical shaft shape with the axis O reduced by one step with respect to the rear end portion 3 being formed, and the portion between both end portions 2 and 3 is gradually reduced in diameter toward the front end side. Is tied by Further, in the present embodiment, the tip surface of the tip portion 2 intersects at one intersection point P on the axis O, and is a flat surface or tool inclined toward the rear end side from the intersection point P toward the outer peripheral side. It is composed of four fan-shaped surfaces having a convex curved surface that bulges toward the outer peripheral side of the tip. Accordingly, in the tool body 1, the position of the intersection point P is projected to the most tip side, and the fan-shaped surfaces intersect each other 4. The intersecting ridge lines of the strips are formed so as to recede linearly from the intersection P toward the outer peripheral side toward the rear end, and to extend radially from the intersection P in the front view of the axis O direction.
[0011]
Here, the four fan-shaped surfaces are different from each other in the central angle of the fan shape formed when viewed from the front in the direction of the axis O, and thereby, the four intersecting ridgelines between the fan-shaped surfaces adjacent in the circumferential direction are the circumferential direction. Are arranged at different intervals. However, in the present embodiment, among the four fan-shaped surfaces, the fan-shaped central angles formed by the pair of fan-shaped surfaces positioned on the opposite side across the intersection point P in the end view in the direction of the axis O are equal to each other. In addition, the pair of intersecting ridge lines located on the opposite side across the intersection point P are formed so as to extend on one straight line as shown in FIG. They are arranged in line symmetry. Further, among these four intersecting ridge lines, the intersection angle of the pair of intersecting ridge lines positioned on the opposite side with respect to the intersection point P is the axis of the other pair of intersecting ridge lines positioned on the opposite side with respect to the intersection point P. The crossing angle with respect to O is larger than the pair of crossing ridgelines, and thus the crossing angle of the crossing angle is larger than the other pair of crossing ridgelines and the four fan-shaped surfaces with a small crossing angle in the rotation trajectory around the axis In this embodiment, the cutting edges 5 and 5 reach the outer periphery of the tool from the intersection P on the inner peripheral side of the tool in the present embodiment. The face is a rake face 6, and the fan-like face connected to the rear side in the tool rotation direction T of the cutting edges 5, 5 is a flank 7.
[0012]
In addition, since the front end surface of the tool body 1 is configured by four fan-shaped surfaces that are inclined toward the rear end side from the intersection P toward the outer peripheral side as described above, the flank 7 is formed from the cutting edge 5. It is formed so as to gradually recede toward the rear end side of the tool as it goes rearward in the tool rotation direction T around the axis O, and a predetermined clearance angle is given to the flank 7, while the rake face 6 is cut in reverse. The blade 5 is formed so as to gradually recede toward the rear end side of the tool as it goes toward the tool rotation direction T, thereby giving the rake face 6 a negative rake angle in the axial direction. Further, in the present embodiment, the central angle of the fan-shaped surface that is the rake face 6 is made larger than the central angle of the fan-shaped surface that is the flank 7.
[0013]
Further, on the outer peripheral surface of the tip portion 2 of the tool body 1, the second cutting surfaces 8 and 8 are formed so as to be recessed one step toward the inner peripheral side of the tool except for the portion where the cutting blades 5 and 5 reach the outer periphery of the tip surface. As shown in FIG. 1, the second picking surface 8 is formed so as to be twisted toward the rear side in the tool rotation direction T from the front end surface toward the tool rear end side. Accordingly, the portion where the cutting edge 5 is left in the portion reaching the outer periphery of the front end surface where the second picking surface 8 is not formed is also twisted to the rear side in the tool rotation direction T from the front end surface toward the tool rear end side. Thus, it is left on the outer periphery of the tip portion 2 in the shape of a bank, and this portion has an outer diameter substantially equal to the outer diameter D of the cutting blade 5 and is used as the margin portion 9 in the drilling tool of this embodiment. . Further, a chip discharge groove 10 having an arcuate cross section is formed on the margin portion 9 on the tool rotation direction T side so as to be further recessed from the second picking surface 8 toward the inner peripheral side of the tool. 3 is formed so as to be twisted to the rear side in the tool rotation direction T as it goes from the front end surface to the tool rear end side, like the margin portion 9 and the second picking surface 8, and is a cross section orthogonal to the axis O as shown in FIG. , The circle that contacts the groove bottom of the chip discharge groove 10 with the axis O as the center is the core thickness circle C of the tool body 1, and the diameter of the core thickness circle C is the core thickness E of the tool body 1. Thus, the core thickness E is set to be 40% or more with respect to the outer diameter D of the cutting blade 5.
[0014]
A coolant hole 11 is formed in the tool body 1 from the rear end surface thereof, that is, from the rear end surface of the rear end portion 3 toward the tool front end side, and is opened to the front end surface. The total area of the coolant hole 11 is set in a range of 5 to 30% of the cross-sectional area of the processed hole formed by the cutting blade 5. In this embodiment, as shown in FIGS. 2 and 3, a plurality (four) of coolant holes 11 are formed in the tool body 1 at substantially equal intervals in the circumferential direction and at approximately equal intervals from the axis O. These coolant holes 11 are formed in a circular cross section having the same inner diameter d, and are all arranged inside the core thick circle C. Further, as shown by a broken line in FIG. It is formed in a spiral shape that twists toward the rear side in the tool rotation direction T as it goes toward the rear end side of the tool with leads equal to the surface 8, the margin portion 9, and the chip discharge groove 10. Therefore, in the present embodiment, the total area 4π × (d / 2) 2 = π × d 2 of these four coolant holes 11 is the cross-sectional area π × (D / 2) of the processed hole formed by the cutting blade 5. 2 ) 5 to 30% of the range. Further, these four coolant holes 11 are opened one by one in the rake surfaces 6 and 6 and the flank surfaces 7 and 7 formed in pairs on the front end surface of the tool body 1.
[0015]
The drilling tool configured as described above is fed to the front end side in the direction of the axis O while the rear end 3 of the tool body 1 is gripped by the main spindle of the machine tool and rotated around the axis O as described above. For example, it is used for drilling a workpiece made of a brittle material such as single crystal silicon. However, it is desirable that the feed amount of the tool body 1 to the front end side in the direction of the axis O at this time is set to a very small value of 0.025 to 0.15 μm / rev as described above, and more preferably the tool body 1. Step feed processing is performed in which the workpiece is gradually cut into the workpiece while repeating feeding and retreating. In particular, when used for drilling a brittle material in this way, diamond coating or electrodeposition is performed on at least the surface of the tip 2 of the tool body 1, or at least the tip 2 is sintered with diamond. Desirably formed by the body. In the drilling process, coolant such as cutting fluid or air is supplied from the machine tool side through the coolant holes 11..., And is ejected from the opening formed on the front end surface of the tool body 1.
[0016]
Therefore, in the drilling tool configured in this way, the core thickness E of the tool body 1 is 40% or more of the outer diameter D of the cutting blade 5, which is significantly larger than the conventional one. Since a large rigidity can be secured, even if the total area of the coolant holes 11 is increased to 5 to 30% of the cross-sectional area of the machining hole, the rigidity of the tool body is prevented from greatly decreasing, and the cutting force reduces the tool. It is possible to prevent the situation where the main body 1 is twisted and broken. Then, by increasing the total area of the coolant holes 11 in this way, according to the drilling tool, it is possible to increase the supply amount and supply pressure of the coolant supplied from the coolant holes 11. In addition, the coolant can be sufficiently supplied to the cutting edge 5 and the part to be cut of the work piece thereby to cool and lubricate the cutting edge 5, thereby preventing the cutting blade 5 from being worn by the processing heat and the deterioration of the processing accuracy and cutting resistance. It is possible to improve the processing efficiency by reducing the above. This is particularly effective in drilling a brittle material in which processing heat tends to be trapped in the processing hole as described above. In addition, in the present embodiment, the coolant holes 11 are formed inside the core thickness circle C of the tool body 1, so that a sufficient thickness is also formed between the coolant holes 11 and the outer peripheral surface of the tool body 1. As a result, the tool rigidity can be ensured and the damage thereof can be surely prevented.
[0017]
Here, the core thickness E of the tool body 1 is set to 40% or more of the outer diameter D of the cutting blade 5 as described above. If the core thickness E is less than 40% of the outer diameter D, the coolant holes 11. This is because sufficient tool rigidity cannot be ensured when the area is increased to 5 to 30% of the cross-sectional area of the processed hole. In the present embodiment, since the second face 8 and the chip discharge groove 10 are formed on the outer periphery of the distal end portion 2 of the tool body 1, the core thickness E is smaller than the outer diameter D of the cutting blade 5, that is, The core thickness E does not become 100% of the outer diameter D. However, if chip discharge is ensured by performing, for example, step feed processing as described above at the time of drilling, these two steps are taken. Without forming the surface 8 or the chip discharge groove 10, the outer periphery of the tip 2 may be formed in a columnar shape so that the core thickness E is equal to the outer diameter D and becomes 100%. Further, the total area of the coolant holes 11 is set to 5 to 30% of the cross-sectional area of the processed hole. If the area is less than 5%, the coolant supply amount and the supply pressure cannot be increased sufficiently. If the percentage exceeds 50%, even if the core thickness E of the tool body 1 is 40% or more of the outer diameter D of the cutting blade 5, the rigidity of the tool body 1 may not be ensured reliably.
[0018]
Moreover, in this embodiment, the front end surface of the tool main body 1 is formed by four fan-shaped surfaces, and these fan-shaped surfaces form a rake surface 6 and a flank 7 that are connected to the pair of cutting edges 5 and 5, respectively. The rake face 6 is provided with a negative rake angle in the negative direction and is formed so as to go to the tool rear end side toward the tool rotation direction T side, and two of the four coolant holes 11. Are opened on the rake faces 6 and 6 of the respective cutting edges 5 and 5. For this reason, according to the present embodiment, the coolant sprayed from the coolant holes 11 opening on the rake face 6 is caused to be adjacent to the cutting edge 5 and the cutting edge 5 in the tool rotation direction T behind the coolant holes 11 and the cutting blade 5. As the tool main body 1 rotates, it can be supplied directly and quickly to the cutting site of the workpiece by the cutting blade, thereby promoting more efficient cooling and lubrication. In addition, in this embodiment, two coolant holes 11 and 11 are formed for one cutting blade 5 and four coolant holes 11 are formed in one tool body 1, that is, the number of coolant holes 11 is increased. The total area is increased, and the remaining two coolant holes 11, 11 are opened on the flank 7 spaced from the coolant holes 11, 11 of the rake face 6. It becomes possible to supply evenly to the cutting blade 5 and the cutting site by ejecting it uniformly in the circumferential direction of the distal end surface. Furthermore, since the cutting edge 5 is given a negative rake angle in the negative direction as described above, the cutting edge strength of the cutting edge 5 can be increased to improve the cutting edge strength. For example, it is possible to provide a suitable drilling tool by drilling the brittle material in which the cutting edge 5 is required to be stronger than the sharpness.
[0019]
In this embodiment, the number of coolant holes 11 drilled in the tool body 1 is increased in this way to increase the total area. For example, this is the same as that of the second embodiment shown in FIG. Thus, even if the number of the coolant holes 11 is the same as the conventional two, the total area of the coolant holes 11 in the cross section perpendicular to the axis O is increased by increasing the inner diameter of each coolant hole 11. You may make it enlarge with 5 to 30% of. For example, if the inner diameter of the coolant hole 11 in this case is 2 × d, which is twice the inner diameter d of the coolant hole 11 of the first embodiment, the total area of the coolant holes 11 and 11 in the cross section orthogonal to the axis O is 2π. × (2 × d / 2) 2 = 2π × d 2, and a total area twice as large as that of the first embodiment can be secured. Even in this case, it is desirable that the coolant holes 11 are opened on the rake face 6 that is continuous with the cutting edges 5 and 5 on the tool rotation direction T side. Of course, if the total area of the coolant holes 11 is set within a range of 5 to 30% of the cross-sectional area of the processed hole, both the number and the inner diameter of the coolant holes 11 are increased, or the first The four coolant holes 11 as in the embodiment are drilled, and the inner diameter of the coolant holes 11, 11 opened on the rake face 6 is made larger than the coolant holes 11, 11 opened on the flank 7. May be.
[0020]
On the other hand, in the present embodiment, the second faces 8 and 8 are formed on the outer periphery of the tip 2 of the tool body 1 to leave margin portions 9 and 9 having substantially the same diameter as the outer diameter D of the cutting blade 5. While increasing the friction between the tip 2 inserted in the hole and the inner periphery of the machining hole is prevented by the second picking surfaces 8 and 8, the margins 9 and 9 suppress the deflection of the tip 2 and ensure straightness. be able to. Further, a chip discharge groove 10 is formed on the margin portion 9 on the tool rotation direction T side, and this chip discharge groove 10 is the same as the second face 8 and the margin section 9 are twisted. Since it is formed so as to be twisted to the rear side in the tool rotation direction T as it goes to the rear end side of the tool, in particular, powdery chips generated in the case of drilling the above brittle material, etc. As the tool body 1 rotates, it can be sent to the tool rear end side and efficiently discharged.
[0021]
By the way, in this embodiment, the coolant holes 11... Are the same leads that match the twists of the second picking surface 8, the margin portion 9, and the chip discharge groove 10, and again in the tool rotation direction T toward the tool rear end side. Although it is formed in a spiral shape so as to be twisted to the rear side, when the configuration in which the coolant hole 11 is drilled in the inner periphery rather than the core thickness circle C of the tool body 1 as in this embodiment, Since the coolant hole 11 can be provided without being constrained by the position or twist of the second picking surface 8 or the chip discharge groove 10 on the outer side of the thick core C, the coolant hole 11 is formed in a spiral shape. In addition, it can be formed in a twisted hole shape having different leads from the twisting of the chip discharge groove 10 and the second picking surface 8. Therefore, for example, if the coolant hole 11 is formed so as to be twisted with a lead smaller than the chip discharge groove 10 or the like, the total length along the twist of the coolant hole 11 can be shortened, whereby the coolant is supplied more quickly. Therefore, more efficient cooling and lubrication can be achieved.
[0022]
Further, in the drilling tool adopting the above-described configuration, the coolant hole 11 is not spiraled as described above, but can be drilled in a straight line parallel to the axis O as in the third embodiment shown in FIG. In this case, since the total length of the coolant hole 11 is the shortest, the coolant can be supplied in a shorter time, which is efficient, and the coolant hole 11 is formed in a straight line parallel to the axis O. Therefore, the drilling of the coolant hole 11 can be performed very easily, and therefore, the advantage that the drilling tool can be easily manufactured can be obtained. Furthermore, even if the coolant hole 11 is formed in a spiral shape as in the first embodiment, the screw hole is twisted toward the rear side in the tool rotation direction T as it goes toward the tool tip side as opposed to the first embodiment. In this case, the coolant is pushed out to the tool tip side with the rotation of the tool body 1, so that the coolant can be supplied more quickly. As a result, the supply amount and supply pressure can be further increased.
[0023]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the core thickness of the tool body is set to 40% or more of the outer diameter of the cutting edge, and the total area of the coolant holes in the cross section orthogonal to the tool axis is set to 5 of the cross sectional area of the machining hole. By setting it as large as ˜30%, it is possible to increase the coolant supply amount and supply pressure, and to efficiently cool and lubricate the cutting blade and the cutting site. Therefore, even in the drilling of brittle materials where heat of processing tends to be trapped, it is possible to reliably prevent high-precision drilling by preventing wear of the cutting edge, deterioration of machining accuracy, or increase in cutting resistance. Can be performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged front view showing a front end surface of the embodiment shown in FIG. 1;
3 is a ZZ cross-sectional view in FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is an enlarged front view showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a side view showing a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Tool body 5 Cutting edge 6 Rake face 7 Flank 10 Chip discharge groove 11 Coolant hole O Axis line T of tool body 1 Tool rotation direction D Outer diameter C of cutting edge 5 Center thickness circle E of tool body 1 Center of tool body 1 Thickness d Inner diameter of coolant hole 11

Claims (4)

軸線回りに回転される略円柱状の工具本体の先端面に、工具内周側からこの先端面の外周に達する切刃が形成されるとともに、上記工具本体後端側から穿設されたクーラント穴が開口させられており、上記工具本体の心厚が上記切刃の外径に対して40%以上とされる一方、上記軸線に直交する断面における上記クーラント穴の総面積が、上記切刃により形成される加工穴の断面積の5〜30%の範囲に設定され、さらに上記工具本体の先端部外周には、上記軸線回りに捩れる切屑排出溝が形成されており、上記クーラント穴は、この切屑排出溝の捩れとはリードの異なる捩れ穴状に穿設されていることを特徴とするクーラント穴付き穴明け工具。A cutting edge that extends from the inner peripheral side of the tool to the outer periphery of the front end surface is formed on the front end surface of the substantially cylindrical tool body that rotates about the axis, and a coolant hole that is drilled from the rear end side of the tool main body. The center thickness of the tool body is set to 40% or more with respect to the outer diameter of the cutting blade, while the total area of the coolant holes in the cross section perpendicular to the axis is determined by the cutting blade. Set in a range of 5 to 30% of the cross-sectional area of the machining hole to be formed , and further on the outer periphery of the tip of the tool body is formed a chip discharge groove that twists around the axis, the coolant hole, A drilling tool with a coolant hole, which is formed in a twisted hole shape having a lead different from that of the chip discharge groove . 上記切刃により、脆性材料よりなる加工物に上記加工穴を形成することを特徴とする請求項1に記載のクーラント穴付き穴明け工具。  The drilling tool with a coolant hole according to claim 1, wherein the hole is formed in a workpiece made of a brittle material by the cutting blade. 上記工具本体の先端面においては、上記切刃の工具回転方向に連なるすくい面がこの工具回転方向側に向かうに従い工具後端側に向かうように傾斜させられて、上記切刃に負の軸方向すくい角が与えられており、上記クーラント穴は少なくともこのすくい面上に開口させられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクーラント穴付き穴明け工具。  On the front end surface of the tool body, the rake face that is continuous in the tool rotation direction of the cutting blade is inclined so as to go to the tool rear end side toward the tool rotation direction side, and the negative cutting direction is applied to the cutting blade. 3. A drilling tool with a coolant hole according to claim 1, wherein a rake angle is provided, and the coolant hole is opened at least on the rake face. 上記工具本体には複数の上記クーラント穴が穿設されて上記切刃の工具回転方向後方に連なる逃げ面上にも開口させられていることを特徴とする請求項3に記載のクーラント穴付き穴明け工具。  4. A hole with a coolant hole according to claim 3, wherein a plurality of the coolant holes are formed in the tool body and are also opened on a flank face that continues to the rear of the cutting blade in the tool rotation direction. Dawn tool.
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