JP3682689B2 - Film forming method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークとガスとを反応させてワークの表面に膜を形成する方法に係り、特にシリコンウエハなどの表面にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜を形成するのに好適な成膜方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウエハを用いて半導体装置を形成する場合、素子と素子との分離や素子と配線層との絶縁を図るためにシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜が用いられる。シリコン酸化膜やシリコン窒化膜を形成する場合、酸素が存在する酸化雰囲気や、窒素ガスやアンモニアなどの窒化雰囲気にシリコンウエハを配置し、雰囲気を高温に保持してシリコンと酸素、シリコンと窒素とを直接反応させて形成する方法がある。また、特開昭62−99463号公報には、シランガスとフッ素ガスと酸素ガスまたは/および四酸化二窒素ガスとを減圧した真空チャンバ内に導入し、真空チャンバ内に配置したワークの表面にシリコン、酸素または/および窒素、水素、フッ素からなる絶縁膜を堆積する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の絶縁膜の成膜方法は、原料ガスであるシランガスと、酸化剤としてのフッ素ガスと、酸素ガスまたは/四酸化二窒素ガスとを三重のガス導入管によって同時に真空チャンバ内に供給するようにしている。このため、真空チャンバに導入した各ガスが充分に混合されずにワークと接触し、一部のガスが活性化される前にワークと反応し、絶縁膜の堆積に不必要な、あるいは好ましくない成分が生成され、この成分が絶縁膜に取り込まれる可能性があり、膜質を低下させるおそれがある。また、各ガスが充分に混合されない状態でワークに接触することになり、ガスの一部が活性化されないため、活性種の量が真空チャンバに導入するガス量に比較して少なく、成膜効率が低下するとともに、ガスの使用効率が低下する。さらに、前記公報に記載の成膜方法は、真空状態で反応させるとともに、高価なシランガスを原料ガスとして使用しており、設備費やランニングコストがかかり、成膜コストを上昇させる。
【0004】
一方、シリコンウエハに絶縁膜などを形成する場合、一般に成膜工程の前に、フッ酸などを主成分とした洗浄液でシリコンウエハの表面に存在する自然酸化膜を除去している。しかし、洗浄後のシリコンウエハを乾燥したりする工程において、再び自然酸化膜が形成されたり、洗浄液中に存在する水素やフッ素がシリコンウエハの表面に残存する。このため、洗浄後のシリコンウエハに上記公報に記載のようにして絶縁膜を堆積したとしても、成膜した絶縁膜の下部に自然酸化膜や、水素やフッ素などが存在し、これらがシリコンと結合して水素やフッ素を含んだ絶縁特性の充分でない膜が自然に形成され、成膜した絶縁膜の特性を悪化させるおそれがある。
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、自然に形成された好ましくない膜を除去しつつ成膜を行なえるようにすることを目的としている。
また、本発明は、ワークと反応させる原料ガスの活性種の量を増加させることを目的としている。
さらに、本発明は、特性の優れた膜を形成することなどを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る成膜方法は、ワークと原料ガスの活性種とを反応させて前記ワークの表面に膜を形成する方法において、電極間の放電により大気圧状態の水分を含んだ安定なハロゲン系ガスを活性化して反応性ハロゲン系ガスを生成し、生成した前記反応性ハロゲン系ガスに前記原料ガスを添加して混合させて前記原料ガスの活性種を生成し、前記活性種を含んだ混合ガスを前記ワークに接触させることを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、原料ガスに反応性ハロゲン系ガス、例えばフッ素ガスやフッ化水素ガスを添加すると、これらの反応性ハロゲンガスが原料ガスと反応し、原料ガスを分解して活性種にするとともに、反応性ハロゲン系ガスが、洗浄後にワークの表面に残存した水素やフッ素などと結合した自然に形成された膜(自然形成膜)と反応して気化し、自然形成膜を除去する。このため、原料ガスの活性種による成膜と自然形成膜の除去とが同時に進行し、ワークの表面に形成される膜は、その下部に望ましくない自然形成膜を有しないので、特性の優れたものとすることができる。
【0008】
原料ガスの活性種をワークに接触させる場合、ワークに接触させる前に原料ガスと反応性ハロゲン系ガスとの混合ガスを生成し、この混合ガスをワークと接触させるとよい。原料ガスと反応性ハロゲン系ガスとの混合ガスを生成してからワークに接触させると、ガスがワークに接触する前に充分に混合されて原料ガスの活性種の量が多くなり、成膜速度を高めることができる。また、ワークを加熱して原料ガスの活性種と接触させると、ワークと活性種との反応が促進されて成膜速度を大きくすることができる。
【0009】
そして、CF4 やC2 F6 のような安定な(非反応性)ハロゲン系ガスの気体放電により、反応性ハロゲン系ガスを生成すると、取扱いが容易であって安全性を高めることができる。気体放電は、安定なハロゲン系ガスを大気圧状態に保持して行なうとよい。このように大気圧状態における放電(いわゆる大気圧放電)によって反応性ハロゲン系ガスを生成すると、高価な真空チャンバや真空ポンプを必要とせず、設備費を低減することができるとともに、真空にする必要がないため、エネルギーを節減できるところから、環境負荷の低減が図れ、ランニングコストを低減することができる。また、安定なハロゲン系ガスは、水分を含ませるとよい。水分を含ませた状態で安定なハロゲン系ガスを放電させると、安定なハロゲン系ガスと水とが反応してFやF2 、HF、COF2 の反応性ハロゲン系ガスを効率よく生成することができる。
【0010】
ワークがシリコンウエハなどのシリコンである場合、原料ガスは酸素またはオゾン、あるいは両者の混合ガスであると、酸素、オゾンが反応性ハロゲン系ガスによって分解され、活性種である酸素原子がシリコンと反応し、シリコンの表面に絶縁性に優れた良質のシリコン酸化膜を形成することができる。しかも、シリコンの熱酸化などと異なり、比較的低温で成膜することが可能であるため、成膜エネルギーを低減でき、コストを削減することができる。
【0011】
また、ワークはシリコンウエハなどのシリコンであって、原料ガスが窒素である場合、窒素ガスが反応性ハロゲン系ガスによって分解され、活性種である窒素原子がシリコンと反応し、シリコンの表面に絶縁性に優れた良質のシリコン窒化膜を形成することができる。この場合も、熱窒化などのようにワークを高温に保持することなくシリコン窒化膜を形成することができ、エネルギーの低減が図れる。そして、ワークはシリコンであり、原料ガスは酸素または/およびオゾンと、窒素との混合ガスである場合、これらのガスが反応性ハロゲン系ガスによって分解され、活性な酸素原子、窒素原子がシリコンと反応してシリコンと酸素と窒素とからなる、いわゆるシリコン酸窒化膜を形成することができる。このシリコン酸窒化膜も、その下部に自然形成膜が存在しないため、絶縁性に優れた膜とすることができ、成膜に要するエネルギーを低減することができる。窒素は、水分を添加してもよい。窒素に水分を添加すると、水分が反応性ハロゲン系ガスと反応して活性な酸素が生成され、いわゆるシリコン酸窒化膜を形成することができる。
【0012】
原料ガスに反応性ハロゲン系ガスを添加した混合ガスは、昇圧させてワークに接触させることができる。このように昇圧したガスをワークに接触させると、単位時間にワークに接触する活性種の量を多くすることができ、成膜速度を向上することができる。
【0013】
上記の成膜方法を実施するための本発明に係る成膜装置は、大気圧状態の水分を含んだ安定なハロゲン系ガスを介した放電により反応性ハロゲン系ガスを生成する放電部と、この放電部の生成した反応性ハロゲン系ガスと原料ガスとを混合して前記原料ガスの活性種を生成するガス混合部と、ワークが配置され、前記ガス混合部より供給された前記活性種を含む混合ガスを前記ワークに接触させる処理室とを有することを特徴としている。
【0014】
処理室には、ワークと活性種との反応速度を高めるために、ワークを加熱する加熱手段を設けることができる。また、ガス混合部に攪拌手段を設けると、原料ガスと反応性ハロゲン系ガスとを効率よく混合することができ、活性種の生成効率が向上してその量が増大し、成膜速度を高めることができる。そして、放電部に安定なハロゲン系ガスを供給するハロゲン系ガス供給部と放電部との間に、安定なハロゲン系ガスに水分を添加する水分供給手段を設け、水分を含ませた安定なハロゲン系ガスを放電部に供給すると、反応性ハロゲン系ガスの生成効率を向上することができる。
【0015】
原料ガスを供給する原料ガス供給部とガス混合部との間に、原料ガスに水分を添加する第2水分供給手段を設けると、例えば原料ガスが窒素のように酸素を含んでいない場合、水分から酸素を供給することができ、ワークに窒素と酸素とを有する膜を形成することができる。また、ガス混合部と処理室との間に昇圧手段を設け、混合ガスを昇圧させてワークと接触させると、ワークに接触する活性種の量が多くなって成膜速度を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る成膜方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面にした従って詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る成膜装置の説明図である。図1において、成膜装置10は、放電部である放電ユニット12を備えている。そして、放電ユニット12のガス導入口14には、ガス供給管16を介して安定ハロゲン供給部18が接続してある。この安定ハロゲン供給部18は、CF4 やC2 F6 などの安定な(非反応性の)ハロゲン系ガス(この実施形態ではCF4 )を、ガス供給管16を介して放電ユニット12に供給する。また、ガス供給管16には、流量制御弁20が設けてあり、放電ユニット12に供給するガスの量を任意に制御できるようになっている。
【0017】
流量制御弁20の上流側(安定ハロゲン供給部18側)と下流側とには、他端を第1水バブリングユニット22に接続した分岐管24、26の一端が接続してあって、安定ハロゲン供給部18からのCF4 の一部を第1水バブリングユニット22に導入できるようにしてある。そして、分岐管24には、流量制御弁27が設けてあって、第1水バブリングユニット22に供給するCF4 の量を制御できるようにしてある。
【0018】
第1水バブリングユニット22は、放電ユニット12にCF4 とともに水分を供給する水分供給手段であって、第1水バブリングユニット22に供給されたCF4 を分岐管26介してガス供給管16に戻すことができるようになっている。そして、放電ユニット12は、後述するように、気体放電によってCF4 と水分(H2 O)とを反応させ、FやF2 、HF、COF 2 の反応性ハロゲン系ガスを生成し、ガス流出口27に接続したハロゲン供給管28に送り出す。
【0019】
ハロゲン供給管28には、窒素供給管30と酸素供給管32とアルゴン供給管34とが接続してある。窒素供給管30は、基端側が原料ガス供給部36を構成している窒素ガス供給源38に接続してあって、窒素ガス供給源38に蓄えてある窒素ガスをハロゲン供給管28に流入させる。また、窒素供給管30には、それぞれの一端が接続された分岐管40、42を介して、第2水分供給手段である第2水バブリングユニット44が並列に接続してある。そして、第2水バブリングユニット44には、窒素ガス供給源38からの窒素ガスの一部が流入し、この窒素ガスに水分を添加してハロゲン供給管28に供給できるようになっている。また、窒素供給管30の、分岐管40、42の接続部の間には、窒素ガスの流量を制御する流量制御弁46が設けてある。さらに、分岐管40には、流量制御弁47が設けてあって、第2水バブリングユニット44に供給する窒素ガスの量を調整できるようにしてある。
【0020】
原料ガス供給部36は、窒素ガス供給源38とともに酸素ガス供給源48を有している。そして、酸素ガス供給源48とハロゲン供給管28とを接続する酸素供給管32には、流量制御弁49とオゾン発生器50とが配設してあって、酸素ガス供給源48から酸素供給管32に送り出した酸素ガスをオゾン発生器50に供給し、酸素ガスの一部をオゾンに変えるようにしてある。なお、酸素供給管32とハロゲン供給管28との接続部は、ガス混合部52となっていて、放電ユニット12からの反応性ハロゲン系ガスと、窒素ガス供給源38からの窒素ガスと、オゾン発生器50を通過した酸素ガスおよびオゾンとを充分に混合させるようにしてある。このガス混合部52は、通常の配管の接続構造であってもよい。
【0021】
アルゴン供給管34は、他端が流量制御弁54を介してアルゴンガス供給源56に接続してあって、希釈ガスであるアルゴンガスを、ガス混合部52の下流側のハロゲン供給管28に供給する。そして、ハロゲン供給管28は、先端が成膜処理を行なうための処理室60に接続してある。処理室60は、内部にワークとなるシリコンウエハ62を配置する処理ステージ64を備えている。また、処理室60には、内部を加熱するための加熱器(加熱手段)66が設けてあって、シリコンウエハ62を所定の温度に加熱することができるようにしてある。さらに、処理室60には、排気管68を介して除害装置72とHFスクラバ74とが接続してあって、処理室60に供給された成膜用処理ガスの使用されなかったガスを無害化できるようにしている。なお、処理ステージ64に加熱手段となるヒータを内蔵させ、シリコンウエハ62を直接加熱するようにしてもよい。
【0022】
放電ユニット12は、図2(1)に示したように、ガス導入口14を設けたガス分配部76と、ガス流出口27を設けたガス集合部78とを有する。そして、ガス分配部76とガス集合部78との間が放電部80となっている。この放電部80は、同図(2)に示したように、上部電極82と下部電極84とが設けてあって、実施形態の場合、上部電極82が高周波電源(図示せず)に接続してあり、下部電極84が接地してある。また、放電部80は、上部電極82と下部電極84との間に、セラミック(Al2 O3 )からなる絶縁板86が介装してある。上部電極82と下部電極84とは、実施形態の場合、アルミニウムからなっていて、両者の対向部が複数の電極歯88、90を設けた櫛歯状に形成してある。さらに、上部電極82と下部電極84とは、それぞれの電極歯88と電極歯90とが千鳥状をなして配置され、電極歯88、90の先端が絶縁板86に接触している。そして、上部電極82は隣接する電極歯88、88間が放電空間となるガス流路92となっており、下部電極84は隣接する電極歯90、90間が放電空間となるガス流路94になっていて、図2(2)の紙面に直交した方向にCF4が流れるようになっている。
【0023】
このように構成した実施形態に係る成膜装置10によるシリコンウエハ62への成膜は、次のようにして行う。
《シリコン酸化膜の形成》
シリコンウエハ62を希釈フッ酸などによってウエット洗浄して乾燥させたのち、処理室60の処理ステージ64の上に配置し、加熱器66によって処理室60内を加熱してシリコンウエハ62を所望の成膜処理温度に保持する。この成膜処理温度は、室温であってもよいが、加熱した方が成膜速度を高めることができる。シリコンウエハ62の加熱温度は、実施形態の場合、200〜300度であるが、これ以上高温であっても差し支えない。
【0024】
シリコンウエハ62の表面にシリコン酸化膜を形成する場合、安定ハロゲン供給部18から安定なハロゲン系ガスであるCF4 を、ガス供給管16を介して放電ユニット12に大気圧状態で供給する。また、酸素ガス供給源48から原料ガスである酸素を、酸素供給管32に設けてあるオゾン発生器50を介してハロゲン供給管28のガス混合部52に供給する。これにより、酸素ガスは、一部が分解しやすいオゾンとなり、ガス混合部52に酸素ガスとオゾンとの混合ガスが供給される。さらに、希釈ガスであるアルゴンを、アルゴンガス供給源56からアルゴン供給管34を介してハロゲン供給管28に供給する。
【0025】
放電ユニット12に供給するCF4 は、その一部を第1水バブリングユニット22に導入して水分を含ませ、その水分(水)をCF4 とともに放電ユニット12に供給する。放電ユニット12は、上部電極82と下部電極84との間に所定の高周波電圧が印加されると、ガス流路92、94を流れるCF4 と水との混合ガスを介した放電を発生する。実施形態の場合、ガス流路92、94の隅部、すなわち電極歯88、90と絶縁板86とが接触する側の隅部が放電領域96、98となって、CF4 と水分(H2 O)とを介した沿面放電が発生し、CF4 とH2 Oとを反応させ、HFやF2 やCOF2 などの反応性のハロゲン系ガス(フッ素系ガス)を生成する。また、F2 やCOF2 などの一部は、さらに水と反応してHFとなる。このため、
【化1】
の反応を生ずる。
【0026】
上記のようにして放電ユニット12において生成された反応性フッ素系ガスは、酸素供給管32を介してガス混合部52に流入する酸素ガス(O2 )、オゾン(O3 )と混合し、これらを次のように分解する。
【化2】
【化3】
【0027】
このようにして生じた活性種である酸素原子(O)は、希釈ガスのアルゴンや他のガス成分とともに処理室60に、成膜用ガスとして大気圧状態で供給される。この成膜用ガスは、処理ステージ64上のシリコンウエハ62と接触し、活性な酸素が、
【化4】
の反応によってシリコンを酸化し、シリコンウエハ62の表面にシリコン酸化膜(SiO2 膜)を形成する。また、この際、ラジカルな酸素原子とともに処理室60に流入したHFは、シリコンウエハ62の表面に存在する水素、フッ素などと結合した自然形成膜と反応してこれらを除去する。
【0028】
すなわち、HFは、シリコンウエハ62の表面に存在する[SiX 、SiY 、Si(OH)Z ]からなる膜と、
【化5】
のように反応し、シリコンウエハ62の表面に存在する好ましくない自然形成膜を除去する。このため、活性な酸素と反応して形成されたシリコン酸化膜は、自然形成膜が除去されているために絶縁性能の高い良質の絶縁膜となる。
【0029】
しかも、実施の形態においては、反応性ハロゲン系ガスである反応性のフッ素系ガスと、原料ガスである酸素、オゾンとを、シリコンウエハ62を配置した処理室60に供給する前に、ガス混合部52において混合させているため、両者が充分に混合されて原料ガスの分解が促進され、処理室60に供給される原料ガスの活性種であるラジカルな酸素の量が増大し、成膜速度を高めることができる。そして、実施の形態においては、大気圧下における成膜をすることができ、真空を形成する必要がないために設備費やランニングコストを削減することができ、環境負荷を低減することができる。また、実施の形態においては、従来の熱酸化に比較して非常に低い温度で成膜が可能であって、設備の簡素化とエネルギーの低減を図ることができる。さらに、実施形態においては、反応性の乏しい安定なCF4 を用いて放電ユニット12において反応性のフッ素系ガスを得るようにしているため、取扱いが容易で作業の安全性を高めることができる。しかも、放電ユニット12において生成した反応性フッ素系ガスを、放電ユニット12とは異なる処理室60に輸送して成膜しているため、シリコンウエハ62に放電による損傷を与えるおそれがない。さらに、処理室60を加熱しているため、処理室60に導入された水分は、処理室60内の反応によって生じた水分が結露するのを防止することができ、成膜を安定して行なえ、良質のシリコン酸化膜が得られる。
【0030】
《シリコン酸窒化膜の形成》
前記シリコン酸化膜の形成の場合と同様に、洗浄したシリコンウエハ62を処理ステージ64の上に配置し、所定の温度に保持する。そして、安定ハロゲン供給部18から放電ユニット12にCF4 を供給する。このCF4 の一部は、前記と同様に第1水バブリングユニット22を介して供給し、放電ユニット12において反応性フッ素系ガスを生成する。また、窒素供給管30を介して窒素ガス供給源38から原料ガスである窒素ガスをハロゲン供給管28に供給する。ただし、窒素ガス供給源38からの窒素ガスの一部は、第2水バブリングユニット44を通過させ、水分を添加してハロゲン供給管28に流入させる。さらに、シリコン酸化膜の形成の場合と同様に、酸素ガス供給源48からの原料ガスとなる酸素ガスをオゾン発生器50に供給して一部をオゾンにしたのち、ハロゲン供給管28のガス混合部52に供給する。また、アルゴンガス供給源56からアルゴンガスを希釈ガスとしてハロゲン供給管28に供給する。
【0031】
放電ユニット12において生成された反応性フッ素系ガスは、ガス混合部52において酸素やオゾンと次のような反応をする。
【化6】
【化7】
さらに、このようにして生成されたF2 が水分を含んだ窒素ガスと、
【化8】
のように反応して活性なNOが生成される。このNOは、活性な酸素(O)とともに処理室60に流入し、
【化9】
のようにシリコンと反応してシリコン酸窒化膜を形成する。このとき、前記と同様に処理室60に供給されたHFがシリコンウエハ62の表面に存在する自然形成膜と反応してこれを除去する。したがって、前記シリコン酸化膜の形成と同様の効果を得ることができる。
【0032】
《シリコン窒化膜の形成》
前記と同様にしてシリコンウエハ62を処理ステージ64の上に配置する。そして、放電ユニット12にCF4 と水(水分)とを供給して反応性フッ素系ガスを生成する。また、ハロゲン供給管28への酸素ガス、オゾンの供給を行なわず、窒素ガスとアルゴンガスのみを供給する。なお、窒素ガスは、第2水バブリングユニット44を通さず、ハロゲン供給管28に水分を供給しないようにする。これにより、化学式1に示したHFとCO2 とが窒素ガスと次のように反応し、活性種である窒素単原子が生成される。
【化10】
さらに、窒素単原子が、
【化11】
のように反応し、シリコン窒化膜が形成される。この場合においても、前記と同様の効果が得られる。
【0033】
なお、前記実施の形態においては、ワークがシリコンウエハ62である場合について説明したが、ワークは多結晶シリコンやアモルファスシリコン、ゲルマニウムなどの半導体であってもよく、さらにアルミニウムや銅、タンタルなどの各種金属、各種セラミックなどの絶縁体であってもよい。そして、前記実施形態においては、シリコンウエハ62に絶縁膜を形成する場合について説明したが、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの製作や磁性体薄膜などの各種デバイス薄膜の製作に適用することができる。また、前記実施形態においては、シリコンウエハ62を処理室60内に配置して成膜する場合について説明したが、シリコンウエハ62を処理室外の開放系に配置して成膜処理を行なってもよい。さらに、前記実施形態においては、ハロゲン系ガスがフッ素系ガスである場合について説明したが、ワークの材質によっては塩素系ガスや臭素系ガスなどの他のハロゲン系ガスを用いることができる。
【0034】
図3は、ガス混合部の他の実施形態を示したものである。この実施形態に係るガス混合部100は、攪拌手段が設けてある。すなわち、ガス混合部100は、混合室106の内部にモータ102によって回転駆動されるファン104が配設してあり、混合室106に流入したガスを攪拌できるようにしてある。このようになっているガス混合部100においては、反応性フッ素系ガスと原料ガス(窒素ガスまたは/および酸素ガス、オゾン)との混合をより迅速、充分に行なうことができ、原料ガスの活性種をさらに多くすることができる。
【0035】
図4は、他の実施形態の要部を示したものである。図4に示した成膜装置110は、ハロゲン供給管28のアルゴン供給管34との接続部112より下流側に、ブロアや圧縮機などの昇圧手段114が設けてあって、処理室60に供給する成膜用の処理ガスを昇圧できるようにしてある。また、処理室60に接続した排気管68には、圧力制御弁116が設けてあって、処理室60内の圧力を所定の値に保持できるようになっている。さらに、処理室60には、圧力センサ118が設けてあって、処理室60内の圧力を検出できるようにしてある。この圧力センサ118の出力信号は、昇圧手段114を駆動するモータ120を制御するコントローラ122に入力するようになっている。このコントローラ122は、圧力センサ118が出力する検出信号に基づいて、処理室60内の圧力が設定値となるようにモータ120を介して昇圧手段114を駆動する。
【0036】
このように構成した実施形態に係る成膜装置110は、処理室60の内部を大気圧より高い圧力にすることができ、処理室60に供給される成膜用処理ガスの活性種の量を多くすることが可能で、成膜速度をより高めることができる。
【0037】
【実施例】
図1に示した成膜装置10と同様の装置を用いて成膜実験を行なった。成膜実験に使用した処理室60は、アルミニウムによって円筒状に形成した容積が80mLである。そして、処理室60内に配置したワークは、一辺が20mmの単結晶シリコン(試料)を用いた。また、放電ユニット12は、図2に示した放電部80の長さLが40mm、放電部80の幅Dが70mmであって、上下の電極82、84の電極歯88、90の厚さtが1mm、高さhが3mmであって、図2(2)の紙面に直交した方向の長さが40mmである。さらに、ガス流路92、94は幅が3mm、高さが3mmの断面正方形である。また、絶縁板86は、アルミナ(Al2 O3 )によって形成してあり、厚さdが1mmである。そして、上部電極82と下部電極84との間に印加した電圧は、周波数が15〜20kHzであり、電圧値がp−p値で10kVである。
【0038】
処理室60は、試料を配置したのち、図5に示したように、室温から200℃まで内部を昇温した。昇温速度は35〜40℃/minである。そして、処理室60の内部が200℃に達した段階で、処理室内に乾燥した窒素ガスを10L/minの割合で10分間供給し、窒素ガスによる置換を行なった。その後、窒素ガスの供給を停止し、後述する成膜用の処理ガスを90分間供給し、試料の表面に酸化膜、酸窒化膜、窒化膜を成膜した。そして、90分間の成膜試験が終了した段階で、再び窒素ガスを10L/minの割合で処理室60に供給し、室温まで放冷しながら窒素ガスによる置換を10分間行なった。なお、放電ユニット12における放電と、処理室60における成膜処理は、いずれも大気圧状態で行なっている。そして、これらの条件は、下記の各実施例について適用した。
【0039】
《実施例1》
上記のようにして処理室60の内部を窒素ガスによる置換を行なったのち、放電ユニット12に100mL/minのCF4 を供給した。ただし、半分の50mL/minは、第1水バブリングユニット22に導入し、水分を含ませて放電ユニット12に供給した。また、酸素ガス供給源48から200mL/minの酸素ガスをオゾン発生器50に供給し、酸素ガスの一部をオゾンにしてハロゲン供給管28のガス混合部52に供給した。したがって、供給された酸素およびオゾンとF4 との比は、(O2 /O3 ):CF4 =2:1である。
【0040】
ただし、窒素ガス供給源38からハロゲン供給管28に窒素ガスの供給は行なわなかった。なお、オゾン発生器50によるオゾンの生成割合は、100%の酸素ガスである場合、2.3体積%であった。
【0041】
このような条件で生成した成膜用ガスを処理室60に供給し、試料の成膜処理を90分間行なったところ、試料の表面にシリコン酸化膜が形成された。そして、このシリコン酸化膜を分析したところ、ウエット洗浄に伴う水素やフッ素を含んだ自然形成膜が除去されていて、非常に高品質のシリコン酸化膜を形成することができた。
【0042】
《実施例2》
実施例1と同様に、酸素ガス供給源48から酸素ガスを、オゾン発生器50を介してハロゲン供給管28に設けた混合部52に200mL/min供給するとともに、安定ハロゲン供給部18からCF4 を放電ユニット12に50mL/min供給し、窒素ガス供給源38から窒素ガスをハロゲン供給管28に50mL/min供給した。したがって、各ガスの流量割合は、(O2 /O3 ):N2 :CF4 =4:1:1である。ただし、CF4 と窒素ガスとは、供給量の半分の25mL/minが水バブリングユニットを通さないドライなガスであり、残り半分の25mL/minが第1水バブリングユニット22または第2水バブリングユニット44に通して水分を含ませたウエットなガスである。
【0043】
上記のようにして生成した成膜用処理ガスを処理室60に供給して90分の成膜処理を行なったところ、単結晶シリコンからなる試料の表面にシリコン(Si)、酸素(O)、窒素(N)からなるシリコン酸窒化膜を形成することができた。この場合においても、洗浄の影響による自然形成膜が除去され、絶縁特性に優れた絶縁膜を得ることができた。
【0044】
《実施例3》
安定ハロゲン供給部18から放電ユニット12に安定なフッ素系ガスであるCF4 を供給し、放電によって反応性フッ素系ガスを生成した。放電ユニット12に供給したCF4 は、水分を含ませないドライなガスが50mL/min、第1水バブリングユニット22を通した水分を含ませたウエットなガスが50mL/minである。また、窒素ガス供給源38から200mL/minの第2水バブリングユニット44を通さないドライな窒素ガスをハロゲン供給管28に供給した。したがって、原料ガスである窒素ガスとCF4 との比は、N2:CF4=2:1である。
【0045】
このようなガスによって生成した成膜用ガスを処理室60に供給して成膜処理を90分間行なったところ、単結晶シリコンからなる試料の表面にシリコン(Si)と窒素(N)とからなるシリコン窒化膜が形成された。また、このようにして行なった成膜は、前記の実施例と同様に試料表面の自然形成膜が除去されており、成膜されたシリコン窒化膜が優れた絶縁性を示した。
【0046】
《実施例4》
図6は、成膜用処理ガスの種類と成膜速度との関係を示したものである。なお、使用した装置および温度条件、試料などは前記各実施例と同様であって、成膜用ガスだけが異なっている。
【0047】
図6の下部にArとして示したものは、酸素ガス供給源48からの酸素ガスを、オゾン発生器50を介してガス混合部に200mL/min供給し、アルゴンガス供給源56から100mL/minのアルゴンガスをハロゲン供給管28に供給し、これらの混合ガスを処理室60に導入して成膜処理を行なった結果である。ただし、安定ハロゲン供給部18からのCF4 の供給と、窒素ガス供給源38からの窒素ガスの供給とは行なっていない。この場合、90分の成膜処理を行なったが、測定の誤差の範囲であって成膜は行なわれなかった。
【0048】
図6にN2 として示したものは、酸素ガスおよびオゾンと窒素ガスとによる成膜処理の結果を示したものである。すなわち、窒素ガス供給源38から100mL/minの窒素ガスをハロゲン供給管に供給し、酸素ガス供給源48からオゾン発生器50を介して200mL/minの酸素ガスをハロゲン供給管28に供給し、ガス混合部52で混合したのち、処理室60に導入した。ただし、窒素ガスは、第2水バブリングユニット44を介してウエットの状態で供給した。この場合、90分の成膜処理を行なったが、ほとんど測定の誤差の範囲であって、約0.1オングストローム/分(min)の成膜速度が得られた。
【0049】
図6にCF4 (DRY)として示したものは、安定ハロゲン供給部18から放電ユニット12に乾燥したCF4 を100mL/min供給し、放電ユニット12における気体放電によりF2 などの反応性フッ素系ガスを生成するとともに、酸素ガス供給源48から200mL/minの酸素ガスを、オゾン発生器50を介してハロゲン供給管28に供給し、これらの混合ガスを成膜用ガスとして処理室60に供給し、90分間の成膜処理をしたときの結果である。この場合においても、図から明らかなように、ほぼ測定の誤差範囲内であって、約0.2オングストローム/分の成膜速度であった。
【0050】
図6にN2 +CF2 (H2 O)と記載したものは、放電ユニット12に、第1水バブリングユニット22を介したウエットなCF4 を50mL/min供給し、放電によって反応性フッ素系ガスを生成するとともに、窒素ガス供給源38から第2水バブリングユニット44を介したウエットな窒素ガスを50mL/minハロゲン供給管28に供給し、さらに酸素ガス供給源48から200mL/minの酸素ガスをオゾン発生器50に供給し、酸素ガスとオゾンとの混合ガスにしてガス混合部52に流入させ、これらの混合ガスによる成膜用ガスを処理室60に導入し、90分間の成膜処理を行なった結果を示したものである。この場合、シリコン酸窒化膜が形成され、成膜速度が大幅に上昇して約1.45オングストローム/分の成膜速度を得ることができた。ただし、希釈ガスであるアルゴンを供給していない。
【0051】
図6にCF4 (H2 O)として示したものは、放電ユニット12に、第1水バブリングユニット22を通過させたウエットなCF4 を100mL/min供給して反応性フッ素系ガスを生成するとともに、酸素ガス供給減48からの酸素ガス200mL/minを、オゾン発生器50を介して酸素ガスとおよびオゾンの混合ガスにし、ハロゲン供給管28に供給して得た成膜用ガスを処理室60に導入し、90分間の成膜処理を行なった結果である。なお、窒素ガスとアルゴンガスとは、成膜用ガスに添加していない。この場合、シリコンからなる試料の表面にシリコン酸化膜が形成された。また、シリコン酸化膜の成膜速度は、約1.6オングストローム/分であった。
【0052】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ワークと反応させてワークの表面に膜を形成する原料ガスに反応性ハロゲン系ガスを添加したことにより、原料ガスが反応性ハロゲンガスによって活性化されるとともに、ワークの表面に存在するウエット洗浄時の残存物である水素やフッ素と結合した膜が反応性ハロゲン系ガスによって除去されるため、これらの自然に形成された膜の除去と、原料ガスの反応による成膜とを同時に行なうことができ、品質の優れた膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜装置の説明図である。
【図2】実施の形態に係る放電ユニットの詳細説明図である。
【図3】他の実施形態に係るガス混合部の説明図である。
【図4】他の実施の形態に係る成膜装置の要部説明図である。
【図5】実施例における温度プロファイルの説明図である。
【図6】実施例における成膜用ガスと成膜速度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10、110………成膜装置、12………放電部(放電ユニット)、
18………ハロゲン系ガス供給部(安定ハロゲン供給部)、
22………水分供給手段(第1水バブリングユニット)、
36………原料ガス供給部、38………窒素ガス供給源、
44………第2水分供給手段(第2水バブリングユニット)、
48………酸素ガス供給源、50………オゾン発生器、
52、100………ガス混合部、60………処理室、
62………ワーク(シリコンウエハ)、66………加熱手段(加熱器)、
104………攪拌手段(ファン)、114………昇圧手段、
116………圧力制御弁、118………圧力センサ、
120………モータ、122………コントローラ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of forming a film on the surface of a workpiece by reacting the workpiece with a gas, and particularly suitable for forming an insulating film such as a silicon oxide film or a silicon nitride film on the surface of a silicon wafer or the like. The present invention relates to a membrane method and apparatus.
[0002]
[Prior art]
In the case of forming a semiconductor device using a silicon wafer, an insulating film such as a silicon oxide film or a silicon nitride film is used to separate the elements from each other and to insulate the elements from the wiring layer. When forming a silicon oxide film or a silicon nitride film, a silicon wafer is placed in an oxidizing atmosphere in which oxygen exists, or in a nitriding atmosphere such as nitrogen gas or ammonia,AtmosphereThere is a method in which silicon and oxygen or silicon and nitrogen are directly reacted while being held at a high temperature. Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-99463 discloses that silane gas, fluorine gas, oxygen gas and / or dinitrogen tetroxide gas are introduced into a vacuum chamber having a reduced pressure, and silicon is placed on the surface of a workpiece placed in the vacuum chamber. , Oxygen or / and a method of depositing an insulating film made of nitrogen, hydrogen, and fluorine.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the method for forming an insulating film described in the above publication, a silane gas as a raw material gas, a fluorine gas as an oxidant, and an oxygen gas or / nitrous tetroxide gas are simultaneously introduced into a vacuum chamber by a triple gas introduction pipe. I am trying to supply. For this reason, each gas introduced into the vacuum chamber comes into contact with the workpiece without being sufficiently mixed, reacts with the workpiece before some of the gases are activated, and is unnecessary or undesirable for the deposition of the insulating film. A component is generated, and this component may be taken into the insulating film, which may deteriorate the film quality. Also, since each gas comes into contact with the workpiece in a state where it is not sufficiently mixed, a part of the gas is not activated, so the amount of active species is small compared to the amount of gas introduced into the vacuum chamber, and the film formation efficiency As a result, gas use efficiency decreases. Furthermore, the film forming method described in the above publication uses a high-pressure silane gas as a raw material gas while reacting in a vacuum state, which increases equipment costs and running costs, and increases the film forming costs.
[0004]
On the other hand, when an insulating film or the like is formed on a silicon wafer, the natural oxide film present on the surface of the silicon wafer is generally removed with a cleaning liquid mainly composed of hydrofluoric acid before the film forming process. However, in the process of drying the cleaned silicon wafer, a natural oxide film is formed again,In the cleaning solutionExisting hydrogen and fluorine remain on the surface of the silicon wafer. For this reason, even if an insulating film is deposited on the cleaned silicon wafer as described in the above publication, a natural oxide film, hydrogen, fluorine, etc. exist below the formed insulating film, Combined with hydrogen or fluorineInsulationA film with insufficient characteristics may be formed naturally, which may deteriorate the characteristics of the formed insulating film.
[0005]
The present invention has been made in order to eliminate the above-mentioned drawbacks of the prior art, and an object of the present invention is to allow film formation while removing undesired films formed naturally.
Another object of the present invention is to increase the amount of active species of the raw material gas to be reacted with the workpiece.
Furthermore, an object of the present invention is to form a film having excellent characteristics.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a film forming method according to the present invention is a method of forming a film on the surface of a workpiece by reacting a workpiece with an active species of a source gas.Stable halogen system containing moisture at atmospheric pressureA gas is activated to generate a reactive halogen-based gas, and the source gas is added to the generated reactive halogen-based gas.Added and mixed to generate active species of the source gas, containing the active speciesA mixed gas is brought into contact with the workpiece.
[0007]
In the present invention configured as described above, when a reactive halogen-based gas such as fluorine gas or hydrogen fluoride gas is added to the raw material gas, the reactive halogen gas reacts with the raw material gas, and the raw material gas is decomposed and activated. The reactive halogen gas reacts with the naturally formed film (naturally formed film) combined with hydrogen, fluorine, etc. remaining on the surface of the work after cleaning, and removes the naturally formed film. To do. For this reason, the film formation by the active species of the source gas and the removal of the naturally formed film proceed at the same time, and the film formed on the surface of the workpiece does not have an undesired naturally formed film below it, and thus has excellent characteristics. Can be.
[0008]
When the active species of the raw material gas is brought into contact with the workpiece, a mixed gas of the raw material gas and the reactive halogen-based gas is generated before being brought into contact with the workpiece, and this mixed gas is preferably brought into contact with the workpiece. When a mixed gas of a source gas and a reactive halogen gas is generated and then brought into contact with the workpiece, the gas is sufficiently mixed before contacting the workpiece and the amount of active species in the source gas increases, resulting in a film formation rate. Can be increased. Further, when the workpiece is heated and brought into contact with the active species of the source gas, the reaction between the workpiece and the active species is promoted, and the film formation rate can be increased.
[0009]
And CF4Or C2F6When a reactive halogen-based gas is generated by gas discharge of a stable (non-reactive) halogen-based gas as described above, handling is easy and safety can be improved. Gas discharge uses a stable halogen-based gas.At atmospheric pressureIt is good to hold it. in this wayAt atmospheric pressureGenerating reactive halogen gases by discharge (so-called atmospheric pressure discharge) eliminates the need for expensive vacuum chambers and vacuum pumps, which reduces equipment costs and eliminates the need for a vacuum, saving energy. Since it can be done, the environmental load can be reduced and the running cost can be reduced. In addition, a stable halogen-based gas may contain moisture. When a stable halogen-based gas is discharged in a moisture-containing state, the stable halogen-based gas reacts with water to cause F or F2, HF, COF2The reactive halogen gas can be efficiently generated.
[0010]
When the workpiece is silicon such as a silicon wafer, if the source gas is oxygen or ozone, or a mixture of both, oxygen and ozone are decomposed by the reactive halogen-based gas, and the active oxygen atoms react with silicon. In addition, a high-quality silicon oxide film having excellent insulating properties can be formed on the surface of silicon. In addition, unlike thermal oxidation of silicon and the like, film formation can be performed at a relatively low temperature, so that the film formation energy can be reduced and the cost can be reduced.
[0011]
In addition, when the workpiece is silicon such as a silicon wafer and the source gas is nitrogen, the nitrogen gas is decomposed by the reactive halogen-based gas, and the nitrogen atoms as the active species react with the silicon to insulate the silicon surface. A high-quality silicon nitride film having excellent properties can be formed. Also in this case, the silicon nitride film can be formed without holding the workpiece at a high temperature as in thermal nitridation, and energy can be reduced. When the workpiece is silicon and the source gas is a mixed gas of oxygen or / and ozone and nitrogen, these gases are decomposed by the reactive halogen-based gas, and active oxygen atoms and nitrogen atoms become silicon and silicon. A so-called silicon oxynitride film composed of silicon, oxygen and nitrogen can be formed by reaction. Since this silicon oxynitride film also has no naturally formed film below it, it can be a film having excellent insulating properties, and energy required for film formation can be reduced. Nitrogen may be added with moisture. When moisture is added to nitrogen, the moisture reacts with the reactive halogen-based gas to generate active oxygen, so that a so-called silicon oxynitride film can be formed.
[0012]
A mixed gas obtained by adding a reactive halogen-based gas to the source gas can be pressurized and brought into contact with the workpiece. When the pressure-increased gas is brought into contact with the workpiece in this way, the amount of active species that come into contact with the workpiece per unit time can be increased, and the film formation rate can be improved.
[0013]
A film forming apparatus according to the present invention for carrying out the above film forming method,Contains moisture at atmospheric pressureA discharge part that generates a reactive halogen-based gas by discharge through a stable halogen-based gas, and the reactive halogen-based gas generated by the discharge part and the source gasMix to produce active species of the source gasA gas mixing unit and a work are arranged and supplied from the gas mixing unit.Mixed gas containing the active speciesAnd a processing chamber for contacting the workpiece with the workpiece.
[0014]
The processing chamber can be provided with a heating means for heating the workpiece in order to increase the reaction rate between the workpiece and the active species. In addition, when the gas mixing part is provided with a stirring means, the source gas and the reactive halogen-based gas can be mixed efficiently, the generation efficiency of active species is improved, the amount thereof is increased, and the film formation rate is increased. be able to. Then, a moisture supply means for adding moisture to the stable halogen-based gas is provided between the halogen-based gas supply unit for supplying a stable halogen-based gas to the discharge unit and the discharge unit. When the system gas is supplied to the discharge part, the generation efficiency of the reactive halogen-based gas can be improved.
[0015]
When the second moisture supply means for adding moisture to the source gas is provided between the source gas supply unit that supplies the source gas and the gas mixing unit, for example, when the source gas does not contain oxygen such as nitrogen, Thus, a film having nitrogen and oxygen can be formed on the workpiece. In addition, a pressure increasing means is provided between the gas mixing section and the processing chamber.Provided,When the pressure of the mixed gas is increased and brought into contact with the workpiece, the amount of active species in contact with the workpiece increases, and the film formation rate can be increased.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Preferred embodiments of a film forming method and apparatus according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is an explanatory diagram of a film forming apparatus according to an embodiment of the present invention. In FIG. 1, a
[0017]
One end of
[0018]
The first
[0019]
A
[0020]
The source
[0021]
The other end of the
[0022]
As shown in FIG. 2 (1), the
[0023]
Film formation on the
<Formation of silicon oxide film>
After the
[0024]
When a silicon oxide film is formed on the surface of the
[0025]
CF supplied to the
[Chemical 1]
The following reaction occurs.
[0026]
The reactive fluorine-based gas generated in the
[Chemical 2]
[Chemical 3]
[0027]
Oxygen atoms (O), which are active species generated in this way, are supplied to the
[Formula 4]
As a result of this reaction, silicon is oxidized and a silicon oxide film (SiO 2) is formed on the surface of the silicon wafer 62.2Film). At this time, the HF that has flowed into the
[0028]
That is, HF exists on the surface of the silicon wafer 62 [SiX, SiY, Si (OH)ZAnd a film made of
[Chemical formula 5]
The undesired spontaneously formed film existing on the surface of the
[0029]
Moreover, in the embodiment, before supplying the reactive fluorine-based gas that is a reactive halogen-based gas and the source gases such as oxygen and ozone to the
[0030]
<< Formation of silicon oxynitride film >>
Similar to the formation of the silicon oxide film, the cleaned
[0031]
The reactive fluorine-based gas generated in the
[Chemical 6]
[Chemical 7]
Furthermore, the F generated in this way2Nitrogen gas with moisture,
[Chemical 8]
In this way, active NO is generated. This NO flows into the
[Chemical 9]
Thus, the silicon oxynitride film is formed by reacting with silicon. At this time, the HF supplied to the
[0032]
<< Formation of silicon nitride film >>
In the same manner as described above, the
[Chemical Formula 10]
In addition, nitrogen single atom
Embedded image
Thus, a silicon nitride film is formed. In this case, the same effect as described above can be obtained.
[0033]
In the above embodiment, the case where the workpiece is the
[0034]
FIG. 3 shows another embodiment of the gas mixing section. The
[0035]
FIG. 4 shows a main part of another embodiment. The
[0036]
The
[0037]
【Example】
Film formation experiments were performed using an apparatus similar to the
[0038]
After the sample was placed in the
[0039]
Example 1
After the inside of the
[0040]
However, nitrogen gas was not supplied from the nitrogen
[0041]
When the film forming gas generated under such conditions was supplied to the
[0042]
Example 2
Similarly to Example 1, 200 mL / min of oxygen gas is supplied from the oxygen
[0043]
When the film forming process gas generated as described above is supplied to the
[0044]
Example 3
CF which is a stable fluorine-based gas from the stable
[0045]
A film forming gas generated by such a gas is supplied to the
[0046]
Example 4
FIG. 6 shows the relationship between the type of deposition gas and the deposition rate. The apparatus used, the temperature conditions, the sample, and the like are the same as those in each of the above embodiments, and only the film forming gas is different.
[0047]
In the lower part of FIG. 6, oxygen gas from the oxygen
[0048]
N in FIG.2As shown, the results of the film formation process using oxygen gas, ozone, and nitrogen gas are shown. That is, 100 mL / min of nitrogen gas is supplied from the nitrogen
[0049]
Figure 6 shows CFFour(DRY) indicates that CF dried from the stable
[0050]
N in FIG.2+ CF2(H2O) indicates that the
[0051]
Figure 6 shows CFFour(H2O) shows a wet CF obtained by passing the first
[0052]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the reactive gas is activated by the reactive halogen gas by adding the reactive halogen gas to the raw material gas that reacts with the workpiece to form a film on the surface of the workpiece. At the same time, since the film bonded with hydrogen and fluorine, which is a residue from the wet cleaning on the surface of the workpiece, is removed by the reactive halogen-based gas, the removal of these naturally formed films and the raw materials Film formation by gas reaction can be performed at the same time, and a film with excellent quality can be formed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a film forming apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a detailed explanatory diagram of a discharge unit according to the embodiment.
FIG. 3 is an explanatory diagram of a gas mixing unit according to another embodiment.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a main part of a film forming apparatus according to another embodiment.
FIG. 5 is an explanatory diagram of a temperature profile in an example.
FIG. 6 is a diagram showing a relationship between a film forming gas and a film forming speed in Examples.
[Explanation of symbols]
10, 110 ......... deposition apparatus, 12 ... ... discharge part (discharge unit),
18 ... Halogen gas supply unit (stable halogen supply unit),
22 ..... water supply means (first water bubbling unit),
36 ......... Raw material gas supply section, 38 ... ... Nitrogen gas supply source,
44 ......... Second moisture supply means (second water bubbling unit),
48 ......... Oxygen gas supply source, 50 ......... Ozone generator,
52, 100 ... Gas mixing section, 60 ... Processing chamber,
62 ... Work (silicon wafer), 66 Heating means (heater),
104 ......... Stirring means (fan), 114 ......... Pressure increasing means,
116...
120... Motor, 122.
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