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JP3671655B2 - 自動現像機 - Google Patents

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JP3671655B2
JP3671655B2 JP04707398A JP4707398A JP3671655B2 JP 3671655 B2 JP3671655 B2 JP 3671655B2 JP 04707398 A JP04707398 A JP 04707398A JP 4707398 A JP4707398 A JP 4707398A JP 3671655 B2 JP3671655 B2 JP 3671655B2
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俊一 加瀬
哲也 栗本
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Konica Minolta Inc
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料を処理する自動現像機に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料を処理する自動現像機として、従来から、ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、を有する自動現像機が、広く用いられている。
【0003】
しかし、このような自動現像機では、ハロゲン化銀写真感光材料に付着している処理液が渡りローラに付着するものである。そして、このような自動現像機で、長時間、運転停止すると、渡りローラに付着した処理液が変質したり、水分が蒸発したりして、渡りローラの表面に固形分が析出したり、変質分がタール状に付着したりなどし、その後に処理されたハロゲン化銀写真感光材料が、汚れた物になったり、傷ついたものになったりする問題がある。
【0004】
そこで、従来、このような自動現像機では、この渡りローラを有する渡りラックを前記処理槽や前記第二の処理部とは分離可能に設け、運転停止時や長時間処理しない時に、この自動現像機の管理者などが、この渡りラックを前記処理槽や前記第二の処理部から分離して、洗浄し、洗浄した渡りラックをセットするのが、一般的であった。
【0005】
また、特許第2692714号公報には、ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、現像液を貯留でき、貯留した現像液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する現像処理槽と、前記現像処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら定着処理する定着処理部と、前記現像処理槽に貯留された現像液に浸漬していない前記現像処理槽から前記定着処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、を有する自動現像機において、前記定着処理部への補充定着液を、前記渡りローラを介して供給することが、開示されている。
【0006】
しかし、単に、このようにすると、補充定着液を前記渡りローラを介して供給した直後は、渡りローラの表面に析出した固形分やタール状に付着した変質分が流され、渡りローラが洗浄されるが、前記渡りローラには、前記定着処理部の定着液ではなく、前記現像処理槽に貯留されていた現像液が付着しているので、定着処理部に貯留されている定着液に含まれる不純物が増える問題がある。また、現像処理液成分は流されても、補充定着液(定着液より濃厚である場合がある)が渡りローラに付着し、渡りローラに付着した定着液が変質したり、水分が蒸発したりして、渡りローラの表面に固形分が析出したり、変質分がタール状に付着したりなどし、その後に処理されたハロゲン化銀写真感光材料が、汚れた物になったり、傷ついたものになったりする問題が残る。
【0007】
また、特許第2670932号公報には、ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、漂白定着液を貯留でき、貯留した漂白定着液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を漂白定着処理する漂白定着処理槽と、前記漂白定着処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら水洗処理する水洗処理部と、前記漂白定着処理槽に貯留された漂白定着液に浸漬していない前記漂白定着処理槽から前記水洗処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、を有する自動現像機において、水洗処理槽に貯留されている水洗水を前記渡りローラに供給し、前記水洗処理槽に戻すことが、開示されている。
【0008】
しかし、このようにすると、前記渡りローラには、前記漂白定着処理槽に貯留されていた漂白定着液が付着しているので、水洗処理部に貯留されている水洗水に含まれる不純物が増える問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、長時間、運転停止しても、その後に処理されたハロゲン化銀写真感光材料が、汚れた物になったり、傷ついたものになったりする問題の発生を抑制することを目的とする。
【0010】
また、特許第2692714号公報や特許第2670932号公報が開示する技術に対して、以下のようなことも考えた。即ち、ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、を有する自動現像機において、渡りローラに水を供給する部材を設け、この部材から供給された水で渡りローラを洗浄して、渡りローラを洗浄した水を廃液として廃液容器に入るようにすることで、渡りローラを自動的に洗浄することも考えた。だが、渡りローラを洗浄した水を廃液とするので、廃液量が増大する問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明を特定するための事項の全てにより達成される。以下、各請求項について説明する。但し引用項の説明と重複する事項は省略することがある。また、本発明の1つの要素が1つの部材からなっていてもよいし、複数の部材からなっていてもよいことは言うまでもなく、また、1又は複数の部材が本発明の複数の要素を兼ねていてもよいことは言うまでもない。
【0013】
〔請求項1〕 ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、
前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、
前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、
を有する自動現像機において、
前記渡りローラに洗浄水を供給する供給手段と、
運転を停止する時に、前記供給手段が前記渡りローラに洗浄水を供給するように制御する給水制御手段と、
前記運転を停止する時から予め設定された運転再開時間後に、少なくとも前記処理槽及び前記第二の処理部を制御して、運転を開始させる制御手段とを有し、
前記給水制御手段が、前記供給手段が、前記運転再開時間に応じた量の前記洗浄水を前記渡りローラへ供給するように制御し、
前記供給手段が前記渡りローラに供給した洗浄水を、前記処理槽へ供給することを特徴とする自動現像機。
【0014】
〔請求項2〕 前記給水制御手段が、前記運転を停止する時に、前記渡りローラに所定量の洗浄水を供給し、運転を開始する時に、前記供給手段が前記渡りローラに供給する洗浄水の量が、前記運転を停止する時から前記運転を開始するまでの時間に応じた量であるように、制御することを特徴とする請求項1に記載の自動現像機。
【0015】
〔請求項3〕 ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、
前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、
前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、
を有する自動現像機において、
前記渡りローラに洗浄水を供給する供給手段と、
運転を開始する時に、前記供給手段が前記渡りローラに洗浄水を供給するように制御する給水制御手段とを有し、
前記給水制御手段が、前記供給手段が、前記運転を停止する時から運転を開始する時までの時間に応じた量の前記洗浄水を、前記渡りローラに供給するように制御し、
前記供給手段が前記渡りローラに供給した洗浄水を、前記処理槽へ供給することを特徴とする自動現像機。
【0022】
〔用語などの説明〕
運転を停止する時とは、処理槽がハロゲン化銀写真感光材料を通常に処理できる状態から処理槽の電源が切られるまでの時(もちろん、処理槽がハロゲン化銀写真感光材料を通常に処理できる状態の時を含まない。)をいう。通常、このような時は、処理ラックがハロゲン化銀写真感光材料を搬送しない状態であり、また、処理槽に貯留されている処理液の温度調整が停止しており、また、処理槽に貯留されている処理液の循環も停止されているが、これらに限られない。
【0023】
運転を開始する時とは、処理槽の電源が入ってから、前記処理槽がハロゲン化銀写真感光材料を通常に処理できる状態になるまでの時(もちろん、処理槽がハロゲン化銀写真感光材料を通常に処理できる状態の時を含まない。)をいう。通常、このような時は、処理ラックがハロゲン化銀写真感光材料を搬送しない状態であり、また、処理槽に貯留されている処理液の温度調整が停止しており、また、処理槽に貯留されている処理液の循環も停止されているが、これらに限られない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に関する具体例の一例を実施形態として示すが、本発明はこれらに限定されない。また、実施形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
実施形態
本実施形態の装置は、ハロゲン化銀写真感光材料であるプリント用感光材料を現像処理する自動現像機300を内蔵するプリンタプロセッサである。以下、本実施形態のプリンタプロセッサの概略斜視図である図1、概略正面図である図2、概略上面図である図3、概略左側面図である図4、概略正面断面図である図5に基づいて、本実施形態のプリンタプロセッサの概略構成を説明する。
【0026】
本実施形態のプリンタプロセッサは、デジタル画像データの処理とプリンタプロセッサ全体の制御を行うホストコンピュータ100と、露光用デジタル画像データに基づいて、プリント用感光材料に露光する露光装置200と、露光装置200で露光されたプリント用感光材料を現像処理する自動現像機300と、自動現像機300で現像処理され得られたプリントをソートするソータ400と、を有する。
【0027】
また、ホストコンピュータ100には、フィルムスキャナ600と、モニタ190と、モニタ190の表示面上に設けられたタッチパネル180と、フラットベットスキャナ170と、キーボード120と、PCカード(PCMCIAで規格されたTYPE IIのICカード)リーダ140と、CD(コンパクトディスク)ドライブ150とが接続されている。
【0028】
また、露光装置200は、プリント用感光材料のロールを収容するマガジン210をセットするマガジン台204と、マガジン210からプリント用感光材料を送出し、所定の長さのシートに切断して、露光部250に送る送出部230と、ホストコンピュータ100から送られたデジタル画像データに基づいて、送出部230から送られたシート状のプリント用感光材料を露光する露光部250と、露光部250で露光されたプリント用感光材料に印字しながら、このプリント用感光材料を自動現像機300に送る搬送部290と、を有する。
【0029】
また、自動現像機300は、露光装置200で露光されたプリント用感光材料を一定の搬送速度で所定の搬送経路に沿って搬送しながら、現像処理するものである。そして、自動現像機300は、露光装置200から送られたプリント用感光材料を発色現像処理する発色現像処理槽310と、発色現像処理槽310で発色現像処理されたプリント用感光材料を漂白定着処理する漂白定着処理槽320と、漂白定着処理槽320で漂白定着処理されたプリント用感光材料を安定化処理する安定化処理部330と、安定化処理部330で安定化処理されたプリント用感光材料を乾燥処理する乾燥部340と、を有する。そして、乾燥部340で乾燥されたプリント用感光材料をソータ400に送る。
【0030】
なお、発色現像処理槽310は、プリント用感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、発色現像処理液を貯留でき、貯留した発色現像処理液で前記処理ラックで搬送されているプリント用感光材料を発色現像処理する処理槽である。
【0031】
また、漂白定着処理槽320は、プリント用感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、漂白定着処理液を貯留でき、貯留した漂白定着処理液で前記処理ラックで搬送されているプリント用感光材料を漂白定着処理する処理槽である。
【0032】
また、安定化処理部330は、プリント用感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、安定化処理液で前記処理ラックで搬送されているプリント用感光材料を安定化処理する処理部である。
【0033】
即ち、発色現像処理槽310が本発明の処理槽に相当するとすると、漂白定着処理槽320が本発明の第二の処理部に相当し、漂白定着処理槽320が本発明の処理槽に相当するとすると、安定化処理部330が本発明の第二の処理部に相当する。
【0034】
次に、露光装置200から送られたプリント用感光材料を発色現像処理槽310に送り、発色現像処理槽310で発色現像処理されたプリント用感光材料を漂白定着処理槽320に送り、漂白定着処理槽320で漂白定着処理されたプリント用感光材料を安定化処理部330に送るための渡りラック部350について、渡りラック部350及びその周辺の断面図である図6に基づいて、説明する。
【0035】
渡りラック部350に設けられた搬送ローラ351、352の対とガイド353、354とが、露光装置200から送られたプリント用感光材料を、発色現像処理槽310に送る。そして、発色現像処理槽310の処理ラックに設けられた搬送ローラ311、312の対が、送られたプリント用感光材料を発色現像処理槽310に貯留された発色現像処理液中に浸漬させるように搬送する。また、発色現像処理槽310の処理ラックに設けられた搬送ローラ311、313の対が、発色現像処理槽310に貯留された発色現像処理液中に浸漬したプリント用感光材料を、渡りラック部350に設けられた渡りローラ356、357の対に送る。
【0036】
渡りラック部350に設けられた渡りローラ356、357の対とガイド355、362、363、364と渡りローラ358、359の対とが、発色現像処理槽310で発色現像処理されたプリント用感光材料を漂白定着処理槽320に送る。そして、漂白定着処理槽320の処理ラックに設けられた搬送ローラ321、322の対が、送られたプリント用感光材料を漂白定着処理槽320に貯留された漂白定着処理液中に浸漬させるように搬送する。また、漂白定着処理槽320の処理ラックに設けられた搬送ローラ321、323の対が、漂白定着処理槽320に貯留された発色現像処理液中に浸漬したプリント用感光材料を、渡りラック部350に設けられた渡りローラ366、367の対に送る。
【0037】
渡りラック部350に設けられた渡りローラ366、367の対とガイド365、368とが、漂白定着処理槽320で漂白定着処理されたプリント用感光材料を安定化処理部330に送る。そして、安定化処理部330の処理ラックに設けられた入口ガイド331と搬送ローラ332、333の対が、送られたプリント用感光材料を安定化処理部330内部に搬送する。
【0038】
また、渡りラック部350には、渡りローラ356、357の対に洗浄水を供給する供給ノズル360が設けられている。この供給ノズル360は、本発明の供給手段に相当する。また、液ガイド361により、渡りローラ356、357の対に供給された洗浄液の一部が渡りローラ358、359の対まで供給される。そして、供給ノズル360から供給された洗浄液は、液ガイド361により、発色現像処理槽310内に落下するようになっている。
【0039】
これにより、発色現像処理槽310に貯留されていた発色現像処理液が付着したり、付着した発色現像処理液が変質したり、水分が蒸発したりして、表面に固形分が析出したり、変質分がタール状に付着したりなどした渡りローラ356、357、358、359を洗浄した洗浄水が発色現像処理槽へ供給されるので、渡りローラ356、357、358、359を洗浄した水を廃液とせずに、かつ、あまり発色現像処理槽310の発色現像処理液の不純物とならず、漂白定着処理槽320や安定化処理部330などにある他の液の不純物をあまり増やさずに、渡りローラ356、357、358、359を自動的に洗浄することができる。
【0040】
また、供給ノズル360が渡りローラ356、357に洗浄水を供給し始めてから15秒間、渡りローラ356、357、358、359が回転する。これにより、渡りローラ356、357全体を簡単に良好に自動的に洗浄することができる。また、液ガイド361により、渡りローラ356、357の対に供給された洗浄液の一部が渡りローラ358、359の対まで供給され、渡りローラ356、357、358、359が回転するから、渡りローラ358、359全体も簡単に良好に自動的に洗浄することができる。
【0041】
また、渡りラック部350には、渡りローラ366、367の対に洗浄水を供給する供給ノズル370が設けられている。この供給ノズル370は、本発明の供給手段に相当する。そして、供給ノズル370から供給された洗浄液は、渡りローラ366、367の対から、漂白定着処理槽320内に落下するようになっている。
【0042】
これにより、漂白定着処理槽320に貯留されていた漂白定着処理液が付着したり、付着した漂白定着処理液が変質したり、水分が蒸発したりして、表面に固形分が析出したり、変質分がタール状に付着したりなどした渡りローラ366、367を洗浄した洗浄水が漂白定着処理槽320へ供給されるので、渡りローラ366、367を洗浄した水を廃液とせずに、かつ、あまり処理槽の処理液の不純物とならず、安定化処理部330などにある他の液の不純物をあまり増やさずに、渡りローラ366、367を自動的に洗浄することができる。
【0043】
また、供給ノズル370が渡りローラ366、367に洗浄水を供給し始めてから15秒間、渡りローラ366、367が回転する。これにより、渡りローラ366、367全体を簡単に良好に自動的に洗浄することができる。
【0044】
なお、供給ノズル360、370に供給する洗浄液は、洗浄液を収容する洗浄液容器390からベローズポンプのような定量ポンプ369、379で供給される。この定量ポンプ369、379は、本発明の給水制御部に相当するホストコンピュータ100により制御されている。供給ノズル360、370に供給する洗浄液の液量は、50ミリリットルが標準量で、キーボード120からの入力などにより、1ミリリットル以上200ミリリットル以下の1ミリリットル単位の所望の値に設定することができる。
【0045】
そして、ホストコンピュータ100は、運転を停止する時に、先ず、発色現像処理槽310及び漂白定着処理槽320に付設された図示しないヒータと循環ポンプを停止し、また、安定化処理部330に付設された図示しないヒータと供給ポンプを停止し、乾燥部340に設けられた図示しない熱風機を停止する。次に、ホストコンピュータ100は、発色現像処理槽310、漂白定着処理槽320、安定化処理部330及び乾燥部340に設けられた搬送ローラを停止する。
【0046】
そして、渡りラック部350の渡りローラ356、357、358、359、366、367が回転している状態のまま、ホストコンピュータ100は、定量ポンプ369、379を駆動させて、供給ノズル360、370から渡りローラ356、357、358、359、366、367に洗浄水を供給する。そして、供給ノズル360、370が渡りローラ366、367に洗浄水を供給し始めてから15秒後、渡りローラ356、357、358、359、366、367を停止する。また、ホストコンピュータ100は、定量ポンプ369、379が所定量の洗浄水を供給し終わると、定量ポンプ369、379を停止する。そして、ホストコンピュータ100は、自動現像機300の電源を切る。
【0047】
これにより、運転を停止する時に、供給ノズル360、370が渡りローラ356、357、358、359、366、367に洗浄水を供給するので、処理液が付着した渡りローラ356、357、358、359、366、367を自動的に洗浄でき、渡りローラ356、357、358、359、366、367に付着した処理液が変質したり、水分が蒸発したりして、渡りローラ356、357、358、359、366、367の表面に固形分が析出したり、変質分がタール状に付着したりなどすることを抑制でき、長時間、運転停止しても、その後に処理されたプリント用感光材料が、汚れた物になったり、傷ついたものになったりする問題の発生を抑制できる。
【0048】
また、ホストコンピュータ100は、運転を開始する時に、先ず、自動現像機300の電源を入れる。そして、ホストコンピュータ100は、渡りラック部350の渡りローラ356、357、358、359、366、367の回転を開始させる。そして、渡りローラ356、357、358、359、366、367が回転している状態で、ホストコンピュータ100は、定量ポンプ369、379を駆動させて、供給ノズル360、370から渡りローラ356、357、358、359、366、367に洗浄水を供給する。そして、ホストコンピュータ100は、定量ポンプ369、379が所定量の洗浄水を供給し終わると、定量ポンプ369、379を停止する。
【0049】
そして、ホストコンピュータ100は、発色現像処理槽310及び漂白定着処理槽320に付設された図示しないヒータと循環ポンプを稼働させ、また、安定化処理部330に付設された図示しないヒータと供給ポンプを稼働させ、乾燥部340に設けられた図示しない熱風機を稼働させる。次に、ホストコンピュータ100は、発色現像処理槽310、漂白定着処理槽320、安定化処理部330及び乾燥部340に設けられた搬送ローラを稼働させる。
【0050】
そして、ホストコンピュータ100は、運転を開始する時に、供給ノズル360、370が渡りローラ356、357、358、359、366、367に供給する洗浄水の量が、運転を停止する時から運転を開始するまでの時間に応じた量であるように、制御する。
【0051】
即ち、ホストコンピュータ100は、以下の演算を行い、以下のように定量ポンプ369、379を制御する。第一に、運転を停止する時から運転を開始するまでの時間から、発色現像処理槽310からの蒸発量と、漂白定着処理槽320からの蒸発量を推測する。第二に、推測された発色現像処理槽310からの蒸発量から運転を停止する時に供給した洗浄水の量を引いて、発色現像処理槽310への蒸発補正量を算出し、また、推測された漂白定着処理槽320からの蒸発量から運転を停止する時に供給した洗浄水の量を引いて、漂白定着処理槽320への蒸発補正量を算出する。第三に、算出した発色現像処理槽310への蒸発補正量が正の数であれば、即ち、0を越えていたら、定量ポンプ369を駆動し、算出した発色現像処理槽310への蒸発補正量の洗浄水を、対応する供給ノズル360に供給し、また、算出した漂白定着処理槽320への蒸発補正量が正の数であれば、即ち、0を越えていたら、定量ポンプ379を駆動し、算出した漂白定着処理槽320への蒸発補正量の洗浄水を、対応する供給ノズル370に供給する。
【0052】
これにより、運転を開始する時に、発色現像処理槽310及び漂白定着処理槽320へ供給される水の量が、運転を停止する時から運転を開始するまでの時間に応じた量であるように、制御するから、予め、運転を停止する時から運転を開始するまでの時間を決める必要がなく、運転を停止する時から運転を開始する時までの時間に処理槽から蒸発すると推測される水分を補充することができる。
【0053】
変形形態1
ホストコンピュータ100は、実施形態のように、供給ノズル360、370から渡りローラ356、357、358、359、366、367に洗浄水を供給するように制御する代わりに、以下のように、制御してもよい。
【0054】
予め、運転を停止する前に、運転を停止する時から運転を再び開始するまでの運転再開時間を、キーボード120からの入力などによって、設定する。そして、ホストコンピュータ100が、この運転再開時間から、発色現像処理槽310からの蒸発量と、漂白定着処理槽320からの蒸発量を推測する。そして、ホストコンピュータ100が、この運転再開時間に応じて推測した発色現像処理槽310からの蒸発量の洗浄水を、供給ノズル360が渡りローラ356、357へ供給するように、定量ポンプ369を制御する。また、ホストコンピュータ100が、この運転再開時間に応じて推測した漂白定着処理槽320からの蒸発量の洗浄水を、供給ノズル370が渡りローラ366、367へ供給するように、定量ポンプ379を制御する。
【0055】
そして、ホストコンピュータ100は、内蔵するタイマーによって、運転を停止する時から運転再開時間後に、運転を開始させる制御をする。即ち、ホストコンピュータ100は、本発明の制御手段に相当する。但し、この運転を開始する時には、定量ポンプ369、379は稼働しない。
【0056】
変形形態2
また、ホストコンピュータ100は、実施形態のように、供給ノズル360、370から渡りローラ356、357、358、359、366、367に洗浄水を供給するように制御する代わりに、以下のように、制御してもよい。
【0057】
即ち、運転を停止する時に、定量ポンプ369、379は稼働しない。その代わりに、ホストコンピュータ100は、運転を開始する時に、運転を停止する時から運転を再び開始するまでの運転再開時間から推測される発色現像処理槽310からの蒸発量の洗浄水を供給ノズル360が渡りローラ356、357へ供給するように、定量ポンプ369を制御し、また、運転を停止する時から運転を再び開始するまでの運転再開時間から推測される漂白定着処理槽320からの蒸発量の洗浄水を供給ノズル370が渡りローラ366、367へ供給するように、定量ポンプ379を制御する。
【0058】
これにより、予め、運転を停止する時から運転を開始するまでの時間を決める必要がない。
【0059】
本願発明により、長時間、運転停止しても、その後に処理されたハロゲン化銀写真感光材料が、汚れた物になったり、傷ついたものになったりする問題の発生を抑制するように、渡りローラを自動的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のプリンタプロセッサの概略斜視図。
【図2】実施形態のプリンタプロセッサの概略正面図。
【図3】実施形態のプリンタプロセッサの概略上面図。
【図4】実施形態のプリンタプロセッサの概略左側面図。
【図5】実施形態のプリンタプロセッサの概略正面断面図。
【図6】実施形態の自動現像機の渡りラック部及びその周辺の断面図。
【符号の説明】
100 ホストコンピュータ
200 露光装置
300 自動現像機
310 発色現像処理槽
320 漂白定着処理槽
330 安定化処理部
340 乾燥部
350 渡りラック部
356,357,358,359,366,367 渡りローラ
360,370 供給ノズル
361 液ガイド
400 ソータ
600 スキャナ

Claims (3)

  1. ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、
    前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、
    前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、
    を有する自動現像機において、
    前記渡りローラに洗浄水を供給する供給手段と、
    運転を停止する時に、前記供給手段が前記渡りローラに洗浄水を供給するように制御する給水制御手段と、
    前記運転を停止する時から予め設定された運転再開時間後に、少なくとも前記処理槽及び前記第二の処理部を制御して、運転を開始させる制御手段とを有し、
    前記給水制御手段が、前記供給手段が、前記運転再開時間に応じた量の前記洗浄水を前記渡りローラへ供給するように制御し、
    前記供給手段が前記渡りローラに供給した洗浄水を、前記処理槽へ供給することを特徴とする自動現像機。
  2. 前記給水制御手段が、前記運転を停止する時に、前記渡りローラに所定量の洗浄水を供給し、運転を開始する時に、前記供給手段が前記渡りローラに供給する洗浄水の量が、前記運転を停止する時から前記運転を開始するまでの時間に応じた量であるように、制御することを特徴とする請求項1に記載の自動現像機。
  3. ハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための処理ラックを内蔵し、処理液を貯留でき、貯留した処理液で前記処理ラックで搬送されているハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理槽と、
    前記処理槽で処理されたハロゲン化銀写真感光材料を搬送しながら処理する第二の処理部と、
    前記処理槽に貯留された処理液に浸漬していない前記処理槽から前記第二の処理部へとハロゲン化銀写真感光材料を搬送するための渡りローラと、
    を有する自動現像機において、
    前記渡りローラに洗浄水を供給する供給手段と、
    運転を開始する時に、前記供給手段が前記渡りローラに洗浄水を供給するように制御する給水制御手段とを有し、
    前記給水制御手段が、前記供給手段が、前記運転を停止する時から運転を開始する時までの時間に応じた量の前記洗浄水を、前記渡りローラに供給するように制御し、
    前記供給手段が前記渡りローラに供給した洗浄水を、前記処理槽へ供給することを特徴とする自動現像機。
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