JP3664839B2 - 記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発色感度が優れ、かつ画像の保存性、特に耐油・耐可塑剤性が優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙又は数枚を同時に複写する帳票のための感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料としては、速やかに発色、未発色部分(以下「地肌」という)の白度が保持され、又発色した画像及び堅牢性の高いものが要望されている。更に近年に至ってはラベル等記録画像の信頼性の重視される分野で多量に使用されるようになり、包装等に使用される有機高分子材料に含有される可塑剤や油脂類等に対して高い保存安定性を示す記録材料が求められている。そのために、発色性染料、顕色剤、保存安定剤等種々の助剤の開発努力がなされているが、発色の感度、地肌並びに画像の保存性をバランス良く充分に満足できるものは未だ見出されていない。
【0003】
このうち、特に地肌及び画像の保存性について高い効果を示す材料として、国際公開WO93/06074、WO95/33714号にジフェニルスルホン誘導体が開示されているが、これらを用いた記録材料においては発色の感度が不足しており、この感度を改良して感度、保存性共に優れた記録材料を提供する技術が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記のような従来の記録材料が有する欠点を改善し、発色感度が高く、かつ地肌及び画像の保存性、特に耐油・耐可塑剤性が優れた記録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発色性染料を含有する記録材料において、下記一般式[I]のaが0であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上及び下記一般式[I]のaが1〜10であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上と、下記一般式[ II ]で表されるジフェニルスルホン誘導体の一種または二種以上とを含有することにより、発色感度が高く、かつ地肌及び画像の保存性、特に耐油・耐可塑剤性が優れた記録材料を提供するものである。
【化4】
(式中、X及びYは、各々相異なっていてもよく直鎖または分枝を有していてもよい炭素数1〜12の飽和、不飽和あるいはエーテル結合を有してもよい炭化水素基、または、
【化5】
(R7 はメチレン基又はエチレン基を表し、Tは水素原子、C1〜C4のアルキル基を表す。)を表す。R1〜R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、アルケニル基を示す。また、m,n,p,q,r,tは0〜4までの整数を表し、2以上のときはR1〜R6は、それぞれ異なっていてもよい。aは0〜10の整数を表す。)
【化6】
(式中G1〜G6は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アラルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキレン基、アルケニレン基を表す。)
【0006】
ここで一般式[I]においてXおよびYで表される基を具体的に示すと以下のものが挙げられる。
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基、メチレンエチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−4−メチル−テトラメチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、エチニレン基、2−ブチニレン基、1−ビニルエチレン基、エチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレン基、1,3−ジオキサン−5,5−ビスメチレン基、1,2−キシリル基、1,3−キシリル基、1,4−キシリル基、2−ヒドロキシトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ2−エチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−イソプロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−ブチルトリメチレン基などが挙げられる。
【0007】
R1 〜R6 のアルキル基又はアルケニル基は、C1 〜C6 のアルキル基またはC2 〜C4 のアルケニル基であり、具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などが挙げられる。また、ハロゲン原子とは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を表す。
特に一般式[I]のジフェニルスルホンの置換基としては、無置換あるいはR1 〜R6 のすべて同一、同位置にあるものが本化合物製造上有利である。
【化7】
(式中、X、R1 、m、aは前記と同じ)
【0008】
また一般式[II]においてG1〜G6は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アラルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキレン基、アルケニレン基を表す。
アルキル基の具体的な例としては、直鎖又は分枝したC1〜C20のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基を例示することができる。
アリール基としては、好ましくはフェニル基、ナフチル基を例示することができる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素を例示することができる。
アルコキシ基の具体的な例としては、直鎖又は分枝したC1〜C20のアルコキシ基、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基を例示することができる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などを例示できる。
アルキレン基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などを例示することができる。
アルケニレン基としては、プロパギル基、2−プロピニル基などを例示することができる。
置換アルキル基、置換アリール基の置換基としては、上記したアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アラルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキレン基、アルケニレン基を例示することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の記録材料においては、一般式[I]で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも一種と、一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体の少なくとも一種とを含んでいればよいが、その使用割合は一般式[I]で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物100重量部に対して、一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体を10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部使用する。
【0010】
また本発明の記録材料においては、一般式[I]のaが0であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上及び一般式[I]のaが1〜10であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上と、一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体の一種または二種以上とを含有することにより、感度と保存性が相乗的に向上する。この際一般式[I]で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物100重量部に対して、一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体は10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部使用する。
【0011】
さらに本発明の記録材料においては、一般式[I]のaが0であるジフェニルスルホン架橋型化合物100重量部に対して、一般式[I]のaが1〜10であるジフェニルスルホン架橋型化合物が0.05〜100重量部であり、これらジフェニルスルホン架橋型化合物100重量部に対して、一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体を10〜500重量部、好ましくは25〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部使用する。
【0012】
本発明で使用する一般式[I]のaが0である化合物は、特開平7−149713号、国際公開WO93/06074、WO95/33714号に記載の化合物であり、代表的には、
1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ヒドロキシプロパン
1,1−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕メタン
1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エタン
1,3−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕プロパン
1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ブタン
1,5−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ペンタン
1,6−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ヘキサン
α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−p−キシレン
α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−m−キシレン
α,α′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−o−キシレン
2,2′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル
4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル
1,2−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕エチレン
1,4−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−2−ブテン
が挙げられる。
【0013】
また、本発明の化合物は結晶を析出させる際の条件、例えば溶媒の種類、析出温度などによって結晶形が異なったり、あるいは溶媒との付加体を形成する場合がある。これらは、その結晶の融点、赤外分光分析あるいはX線回折分析等で明らかにすることができ、本発明に属する。
次に本発明で使用する一般式[I]のaが1以上である化合物は、以下に例示することができる。
【0014】
【0015】
(1−6)4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシブチルオキシ}−4′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン
(1−7)4−{3−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシプロピルオキシ}−4′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン
(1−8)4,4′−ビス{5−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシペンチルオキシ}ジフェニルスルホン
(1−9)4,4′−ビス{5−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシヘキシルオキシ}ジフェニルスルホン
(1−10)4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}−4′−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン
【0016】
【0017】
【0018】
(1−21)2,2′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−ジエチルエーテル
(1−22)α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−p−キシレン
(1−23)α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−m−キシレン
(1−24)α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−o−キシレン
(1−25)2,4′−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン
【0019】
(1−26)2,4′−ビス{4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン
(1−27)4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン
(1−28)4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン
(1−29)4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
(1−30)4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
【0020】
(1−31)4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
(1−32)4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
(1−33)4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
(1−34)4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン
(1−35)4,4′−ビス{4(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン
(1−36)1,3−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−2−ヒドロキシプロパン
【0021】
本発明において一般式[I]のaが0である化合物と一般式[I]のaが1以上である化合物を組合わせて使用する場合、特に好ましい組合わせを示すと次の通りである。
【0022】
(2−1)2,2′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}ジエチルエーテルと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−2)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−p−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−3)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−m−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−4)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−o−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−5)2,2′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}ジエチルエーテルと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン及び2,2′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−ジエチルエーテルの組み合わせ
【0023】
(2−6)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−p−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン及びα,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−p−キシレンの組み合わせ
(2−7)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−m−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン及びα,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−m−キシレンの組み合わせ
(2−8)α,α′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−o−キシレンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン及びα,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−o−キシレンの組み合わせ
(2−9)1,4−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−トランス−2−ブテンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−10)1,2−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−エタンと4,4′−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−エチルオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
【0024】
(2−11)1,4−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−ブタンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−ブチルオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−12)1,6−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}ヘキサンと4,4′−ビス{6−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−ヘキシルオキシ}ジフェニルスルホンの組み合わせ
(2−13)1,3−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−2−ヒドロキシプロパンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホンとの組み合せ
(2−14)1,3−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−2−ヒドロキシプロパンと4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン及び、1,3−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−2−ヒドロキシプロパンとの組み合せ。
【0025】
本発明において一般式[II]で表されるジフェニルスルホン誘導体のうち次の化合物が特に好ましい。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0026】
本発明は発色性染料を使用する記録材料ならばどの様な用途にも使用でき、例えば感熱記録材料または感圧複写材料等に利用することができる。
本発明を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子および発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロールなどの水溶性結合剤の水溶液中に分散された懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0027】
発色性染料に対する一般式[I]及び[II]で表される化合物の使用割合は、発色性染料1重量部に対して、一般式[I]及び[II]で表される化合物の合計量が1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部である。
本発明の記録材料の中には、発色性染料並びに、一般式[I]及び[II]で表される化合物以外に公知の顕色剤、画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ含有させることができる。
【0028】
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に、発色層の上部および/または下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤などを含有することができる。さらに、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0029】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料または黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0030】
これらの染料のうち、フルオラン系のものを例示すれば、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0031】
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アラリノフルオラン、
3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、
3,6−ドメトキシフルオラン
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
【0032】
また、近赤外吸収染料としては、
3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3′−フタリド〕等が挙げられる。
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリドなども挙げられる。
【0033】
前記の顕色剤としては、ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サリチル酸亜鉛、ビス{4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸}亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類、4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリドなどを挙げることができる。
【0034】
前記の画像安定剤としては、4−ベンジルオキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスルホン類、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0035】
増感剤としては例えば、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン等を挙げることができる。好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテルなどのエーテル類、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニルなどの芳香族炭化水素類を挙げることができる。
【0036】
填料としては、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメントなどが使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。さらに炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また、上記その他の填料を混合して使用することも可能である。
【0037】
分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0038】
酸化防止剤としては2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン等を挙げることができる。
【0039】
減感剤としては脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
粘着防止剤としてはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を例示することができる。
【0040】
光安定剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヘキサデシル−5′−メチルフェニル)ヘンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2.−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1′−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールとメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0041】
蛍光染料としては、以下のものが例示できる。
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4−〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕−4′−〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
【0042】
4,4′−ビス〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
【0043】
本発明の化合物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作製された両シートを組合せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
【0044】
その際使用する顕色剤または本発明化合物と混合して使用する顕色剤としては従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、スイアリン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸、これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩、p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤、これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は必ずしもこれだけに限定されるものではない。なお、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1
[A液]
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
[B液]
4,4′−〔オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニレンスルホニル)〕
ジフェノール等を含む重合物 10部
=組成=
【表1】
ポリビニルアルコール10%水溶液 25部
炭酸カルシウム 15部
水 60部
[C液]
4−クロロ−4′−メチルジフェニルスルホン 20部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
【0046】
上記組成物からなる混合物を平均粒径が2μm以下となるようサンドミルを用いて分散して、[A液][B液][C液]を調製した。次に[A液][B液][C液]を重量比で1:6:2になるように混合撹拌して感熱液を調製し、乾燥付着量が4〜5g/m2 になるように塗布乾燥した後、キャレンダー掛けして本発明の感熱記録紙を得た。
【0047】
実施例2
実施例1の[C液]の4−クロロ−4′−メチルジフェニルスルホンの代わりに4,4′−ジメトキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0048】
実施例3
実施例1の[C液]の4−クロロ−4′−メチルジフェニルスルホンの代わりに4,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録材料を作成した。
【0049】
比較例1
実施例1の[C液]を除いた以外は、実施例1と同様にして比較用の感熱記録材料を得た。
【0050】
比較例2
実施例1の[C液]の4−クロロ−4′−メチルジフェニルスルホンの代わりに、シュウ酸ジp−メチルベンジルエステルを用いた以外は、実施例1と同様に比較用の感熱記録材料を得た。
【0051】
以上のようにして得た各感熱記録材料について、動的発色感度・耐可塑剤性に関する試験を行った。それらの結果を表2に示す。なお、試験は次のようにして行った。
(1)動的発色感度
松下電器部品(株)製の薄膜ヘッドを有する感熱印字実験装置にて、ヘッド電力0.45W/ドット、1ライン記録時間4msec/l、走査線密度8×7.7ドット/mm条件下でパルス幅0.2〜1.2msで印刷して、その印字濃度をマクベス濃度計RD−914で測定し、0.8msでの濃度を動的発色感度として代用させた。
(2)耐可塑剤性
200℃の熱ブロックで圧力2kg/cm2 、1秒の条件で印字し、それぞれの印字サンプルの印字部に信越ポリマー製塩ビラップ(ポリマラップ300)を3枚重ねて乗せ、荷重5kgをかけ、40℃環境下で15時間保存後の印字濃度をマクベス濃度計RD−914で測定した。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明の記録材料は発色感度が高く、かつ画像の保存性、特に耐油、耐可塑剤性が優れている。
Claims (3)
- 発色性染料を含有する記録材料において、下記一般式[I]のaが0であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上及び下記一般式[I]のaが1〜10であるジフェニルスルホン架橋型化合物の一種または二種以上と、下記一般式[ II ]で表されるジフェニルスルホン誘導体の一種または二種以上とを含有することを特徴とする感熱記録材料。
- ジフェニルスルホン誘導体として、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
- ジフェニルスルホン誘導体として、4,4′−ジアリルオキシジフェニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
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