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JP3664455B2 - シリンダ錠 - Google Patents

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JP3664455B2
JP3664455B2 JP21421095A JP21421095A JP3664455B2 JP 3664455 B2 JP3664455 B2 JP 3664455B2 JP 21421095 A JP21421095 A JP 21421095A JP 21421095 A JP21421095 A JP 21421095A JP 3664455 B2 JP3664455 B2 JP 3664455B2
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正雄 和氣
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美和ロック株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ピンタンブラー錠、ディスクタンブラー錠及びレバータンブラー錠(ロータリーディスクタンブラー錠)を含むシリンダー錠に係り、特にピッキングによる不正解錠を不可能にした新規なシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシリンダ錠は、例えばディスクタンブラー錠を例に採ると、図5及び図6に示すように、外筒1と内筒2とを備え、内筒2にその軸線に沿って列設された複数のタンブラー3、3のそれぞれを、鍵孔4に挿入された鍵の対応する鍵溝底により半径方向に移動させ、その両端を外筒1と内筒2との摺接面(シアーライン)に揃えて、内筒2を回動可能にするものである。
【0003】
後にするこの発明の説明を容易にする為、その一般的な構成を図5を参照して更に説明すると、例えば、内筒2の外端(図5で左端)にはそれよりも大径のキーガイド5を装着すると共に、内筒2の内端を小径に絞ってストッパー板6に開口した図示しない孔に嵌合させ、E−リング等の止め輪7を嵌着する。
【0004】
尚、図5及び図6において、符号8は外筒1の内面に形成された係止溝を、符号9は図示しない錠箱の錠止機構と内筒2とを連結するテールピースをそれぞれ示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、シリンダ錠は、所謂ピッキングによる不正解錠が困難ではないことが一部の専門家の間では知られている。
【0006】
このピッキングは、細い工具を鍵孔4(図6参照)から内筒2中に差込み、各タンブラー3を動かしながら内筒2を僅かに解錠方向に回して、タンブラー3の先端隅部を係止溝8とシアーラインの交線である肩部10に乗せることによって行われる如くである。
【0007】
この発明は、上記したピッキングによる不正解錠を不可能にする新規なシリンダ錠を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、シリンダ錠の内筒を、少なくとも1個のタンブラーを有する外端内筒ユニットと、この外端内筒ユニットに隣接し、少なくとも1個のタンブラーを有する第二内筒ユニットを含む複数の内筒ユニットに分割し、外端内筒ユニットの内端面外周部に、内筒を解錠方向に回動したとき幅広部が先行する略三角形の切欠を形成し、この切欠部に転子の一端を収納して一方向クラッチを構成すると共に、第二内筒ユニットの外端面外周部の上記切欠部とほぼ整合する角度位置に、転子の他端を円周方向において挟持する一対の端縁を有する凹陥部を形成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例につき、図面を参照して説明する。尚、図1乃至図3に示す実施例は、この発明を図5及び図6に示す所謂ディスクタンブラー錠に適用したものである。
【0010】
図1及び図2において符号11は外端内筒ユニットを、符号12は第二内筒ユニットをそれぞれ示し、これら外端及び第二内筒ユニット11、12は、図5に示すディスクタンブラー錠の内筒2を、その中心軸線に垂直な分割面13により分割してなり、それぞれ少なくとも1個のタンブラー3を有している。
【0011】
上記外端内筒ユニットの内端面、即ち、図1における右端面の外周部には、転子を噛み込む形式の一方向クラッチが設けられている。
【0012】
即ち、図示のように、内筒の一方(図2で右方)の側面の一部が、内筒の長さ方向の一定寸法円筒の儘残されて肉厚部が形成されており、この肉厚部に、図2に示すように、内筒の中心軸線に垂直な平面への投影形状が略三角形の切欠14が形成されている。
【0013】
この切欠14の内筒の中心軸線に垂直な平面への投影形状は、外端及び第二内筒ユニット11、12が解錠方向に回動したとき、その投影形状の幅広部が先行するように設定されている。尚、図示のシリンダ錠は、解錠時内筒を図2において時計方向に回動させるものとする。
【0014】
図示の実施例では、上記切欠14の投影形状は、内筒の半径の先端部と、弦の半分及び円弧の一部よりなるように設定されているが、この切欠14の形状は、内筒、少なくとも外端内筒ユニット、が解錠方向に回動するとき、幅広部が先行するように設定されていれば良く、必ずしも図示の形状に限定されるものではない。
【0015】
上記切欠14内には、例えば短円柱状のローラ等の転子15の一端部(図1において左端部)が収納されている。
【0016】
一方、第二内筒ユニット12の外端面(図1において左端面)の外周部の、上記切欠14とほぼ整合する角度位置には、図1に示すように、切欠14と対峙するようにして、凹陥部16が形成されている(図3参照)。
【0017】
この凹陥部16は、上記切欠14と同様に、第二内筒ユニット12の外端付近の一方の側面に形成された肉厚部を、内筒の中心軸線に垂直な平面への投影形状が例えば扇面状になるように切り欠いて形成されている。
【0018】
上記のように構成された凹陥部16内には、図1及び図3に示すように、上記転子15の他端部(図1で右端部)が収納され、その結果転子15の他端部は凹陥部16を形成する端縁により円周方向において挟持され、第二内筒ユニット12の回動時、これと一体的に移動する。
【0019】
上記のように構成されたこの発明によるシリンダ錠は、図示しない合鍵を鍵孔4に差し込んで通常の施解錠操作の場合には、外端内筒ユニット11及び第二内筒ユニット12はこの合鍵により相互に一体的に連結されているから、合鍵の施解錠操作により通常に作動する。
【0020】
尚、ここで合鍵とは、所謂スペアーキーのことをいうのではなく、当該錠前を解錠すべくシャンクに正規の鍵溝を刻設した鍵をいうものとする。
【0021】
さて、ピッキングによりこのシリンダ錠を不正解錠すべく、ピッキングの手法に従い、外端内筒ユニット11の最外端のタンブラーを細い工具により操作し、外端内筒ユニット11を解錠方向に回したとする。
【0022】
すると、外端内筒ユニット11のみが回動力を受け、第二内筒ユニット12はその角度位置に留まる結果、一方向クラッチが転子15を噛み込んで外端内筒ユニット11と外筒1とを一体的に結合する。
【0023】
換言すれば、凹陥部16に他端を挟持された転子15の一端(図2参照)が、切欠14の垂直な端縁と外筒の内周面との間に挟み込まれ、外筒1と外端内筒ユニット11との相対回動が阻止される。
【0024】
したがって、外端内筒ユニット11を少し廻してその最外端のタンブラーの先端を前記外筒内周面の肩部10(図6参照)に乗せるというピッキングの最初の工程が不可能であり、勿論外側から2番目以降のタンブラーを肩部10に乗せることができないので、結局この発明によるシリンダ錠をピッキングによって不正解錠することはできない。
【0025】
一方、合鍵による通常の施解錠操作時には、合鍵によって外端及び第二内筒ユニット11、12が合鍵を介して一体に結合され、転子15と外端内筒ユニットの切欠14との間に相対移動が生じないので、上記切欠14による転子の噛み込みが生じないのは前記したとおりである。
【0026】
尚、本発明を実施するにあたっては図示の実施例に限定されることなく、種々に変形して実施することができる。
【0027】
例えば、一方向クラッチの転子を図示の実施例ではローラとしたが、これはボールでも良いことは勿論である。この場合、切欠14及び凹陥部16の深さ(内筒軸線方向の寸法)をそれぞれボールの半径より若干大きくなるように設定すれば、一方向クラッチが作動するまでの遊びが少なくなる。
【0028】
また、通常のシリンダ錠は、例えば図4に示すレバータンブラー錠のように、内筒を棒状の素材から切出して構成せず、複数の仕切板17を筒状のリテーナー18により結合して鍵孔4の長さ方向に積層し、各仕切板17と隣接する他の仕切板17との間のスリットに、外形略C字形のレバータンブラーの一端を回動自在に支承して内筒2を構成することがある。
【0029】
このような場合には、外端内筒ユニット11の内端の仕切板、及び第二内筒ユニットの外端の仕切板の板厚を大きくして、これらにそれぞれ切欠及び凹陥部を形成すればよい(図示せず)。
【0030】
ちなみに、レバータンブラー錠は、合鍵の鍵溝によりタンブラー3を動かして、その自由外端縁に形成された解錠切欠19を、内筒2の母線に沿って延在するロッキングバー21の内端縁に整合させ、内筒の回動時、外筒1の内周面の母線に沿って形成された断面V字形の溝に係合するロッキングバー21を楔作用により内筒の半径方向に変位させて、内筒を回動可能にするものであり、この発明はこのレバータンブラー錠にも適用可能である。
【0031】
この場合、ロッキングバー21は、各内筒ユニット間において分断してもよいし、全体として一体のものとしてもよい。
【0032】
後者の場合には、ロッキングバー21は全内筒ユニットに係合するので、ピッキング時、ロッキングバー21の内端部が他の内筒ユニットに押えられていて動かないので、ピッキングが益々困難になる。
【0033】
また、この発明を所謂ピンシリンダー錠に適用できることは言うまでもない。
【0034】
尚、図1乃至図3において、図5及び図6と等符号を付した部分は、相互に均等な部分を示す。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、シリンダ錠の内筒を外端内筒ユニットと、これに隣接する第二内筒ユニットとを含む複数の内筒ユニットに分割し、外端内筒ユニットに解錠方向への回動時これを外筒に連結する一方向クラッチを組込んだので、外端内筒ユニットのピッキング時、そのピッキングに必要な外端内筒ユニットの回動を一方向クラッチの作動による外端内筒ユニットと外筒との連結により阻止し、ピッキングによる不正解錠を完全に防止することができる。
【0036】
一方、上記一方向クラッチを構成する転子を第二内筒ユニットの外端に形成した凹陥部に係合させるようにしたので、合鍵による正規の施解錠操作時には外端内筒ユニット及び第二内筒ユニットは合鍵を介して一体的に回動して一方向クラッチは作動せず、したがって、通常の施解錠操作には何等支障は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるシリンダ錠の線図的縦断側面図。
【図2】図1のII−II線による線図的横断面図。
【図3】図1のIII−III線による線図的横断面図。
【図4】従来のレバータンブラー錠の一例を示す横断正面図。
【図5】従来のディスクタンブラー錠の一例を示す線図的縦断側面図。
【図6】その線図的横断面図。
【符号の説明】
1 外筒
2 内筒
3 タンブラー
4 鍵孔
5 キーガイド
6 ストッパー板
7 止め輪
8 係止溝
9 テールピース
10 肩部
11 外端内筒ユニット
12 第二内筒ユニット
13 分割面
14 切欠
15 転子
16 凹陥部

Claims (1)

  1. シリンダ錠の内筒を、少なくとも1個のタンブラーを有する外端内筒ユニットと、この外端内筒ユニットに隣接し、少なくとも1個のタンブラーを有する第二内筒ユニットを含む複数の内筒ユニットに分割し、外端内筒ユニットの内端面外周部に、内筒を解錠方向に回動したとき幅広部が先行する略三角形の切欠を形成し、この切欠部に転子の一端を収納して一方向クラッチを構成すると共に、第二内筒ユニットの外端面外周部の上記切欠部とほぼ整合する角度位置に、転子の他端を円周方向において挟持する一対の端縁を有する凹陥部を形成したことを特徴とするシリンダ錠。
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