JP3656718B2 - Belt fuser - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのできるプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベルトを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いて用紙等の記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上にトナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】
定着器は、通常、加熱される回転体と、これに圧接されている回転体とを有しており、これら両回転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるようになっている。
このような定着器においては、2つの回転体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れることから、2つの回転体とも駆動するということはなされておらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこれに従動させる構成が採用されている。
また、加熱される回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間を要することから、加熱される回転体を無端ベルト(定着ベルト)として、その初期的加熱時間を短縮したベルト定着器が知られている。
【0004】
図14はベルト定着器の第1例を示す図である(特開平9−138600号公報)。
このベルト定着器は、無端状の耐熱ベルト6と、このベルト6をその内側から支持するローラ7a,7bと、ベルト6を加熱するローラ8と、ベルト6の外周面に接する加圧ローラ9とを有しており、加圧ローラ9がモータMで矢印a方向に回転駆動され、ベルト6が加圧ローラ9に従動する。
トナー画像が形成された記録材は、ベルト6と加圧ローラ9との圧接部Nに矢印bで示すように供給され、圧接部Nを通ることでトナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
図15はベルト定着器の第2例を示す図である(特開平8−334997号公報)。
このベルト定着器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵した加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱溶融して記録材S上に定着させるようになっている。
加熱ローラ3には、定着ベルト1の側端部1bと当接することでベルト1の片寄りを規制する規制部としてのガイドリング3a,3aが設けられている。
また、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイル塗布ローラ5を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図14に示した従来のベルト定着器では、回転駆動される加圧ローラ9とこれに従動するベルト6との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材、例えば、合成樹脂製シートが供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の加圧ローラ9と記録材との間および/または記録材と従動側のベルト6との間でスリップが生じ、そのために加圧ローラ9とベルト6との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
同様に、図15に示した従来のベルト定着器では、定着ローラ2で駆動されるベルト1とこれに従動する加圧ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側のベルト1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
特に、図15に示したベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布されるので、上記スリップが助長される。また、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部Nの端部N’に徐々に侵入し、当該端部N’における定着ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させるので、上記スリップがより一層助長されることとなる。
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、安定した定着動作がなされるベルト定着器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のベルト定着器は、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体と、前記定着ベルトの側端部と当接して定着ベルトの片寄りを規制する規制部とを有し、これら定着ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器であって、
前記定着ベルトは、無端状のベルト基体と、このベルト基体の幅方向における中央部の表面に被覆された表層とを備えているとともに、当該定着ベルトの両端部に、その周方向に沿って、高グリップ部材が当該高グリップ部材の外側端部が前記ベルト基体の側端部よりも外方に突出するように,可撓性を有する接着層を介して固着されており、かつ、この高グリップ部材が前記規制部に当接することを特徴とする。
請求項2記載のベルト定着器は、請求項1記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、自由状態で前記定着ベルト端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されていることを特徴とする。
請求項3記載のベルト定着器は、請求項1記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材はテープ状であり、このテープ状の高グリップ部材が定着ベルトの両端部に巻き付けられて固着されていることを特徴とする。
請求項4記載のベルト定着器は、請求項1,2,または3記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、布で構成されていることを特徴とする。
請求項5記載のベルト定着器は、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、ベルト周方向に関する剛性に比べてベルト幅方向に関する剛性の方が大きく構成されていることを特徴とする。
請求項6記載のベルト定着器は、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材の外径が、前記表層の外径よりも大きく構成されていることを特徴とする。
請求項7記載のベルト定着器は、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているとともに、前記高グリップ部材が、オイル吸収性を有していることを特徴とする。
請求項8記載のベルト定着器は、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているとともに、前記高グリップ部材が、オイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されていることを特徴とする。
請求項9記載のベルト定着器は、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているとともに、前記高グリップ部材が、オイル吸収性を有する接着層を介してベルトの両端部に固着されていることを特徴とする。
【0007】
【作用効果】
請求項1記載のベルト定着器によれば、トナー画像が形成された記録材が、一方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルトとこの定着ベルトに圧接される回転体との圧接部の中央部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。また、定着ベルトの側端部が規制部に当接することで、定着ベルトの片寄りが規制される。
そして、前記定着ベルトの両端部には、その周方向に沿って高グリップ部材が固着されているので、この高グリップ部材によって、定着ベルトの両端部には、前記回転体に対する高グリップ部が形成されることとなる。
したがって、上記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の定着ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または定着ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の定着ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または定着ベルト)の従動性が向上し、定着ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
しかも、前記高グリップ部材が前記規制部に当接する構成となっているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルトの両端部に高グリップ部材が固着されていることで定着ベルトの両側端部が補強され、かつ、この高グリップ部材が前記規制部に当接する構成となっているので、定着ベルトの側端部が規制部に当接する構造であるにもかかわらず、定着ベルトの耐久性が向上する。
したがって、また、定着ベルトを薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。さらにまた、定着ベルトの熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
請求項2記載のベルト定着器によれば、請求項1記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、自由状態で前記定着ベルト端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているので、定着ベルトの端部に対して高グリップ部材が伸縮してフィットし、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができる。
また、例えばテープ状の高グリップ部材を定着ベルトの両端部に巻き付けて固着した場合には、その継ぎ目から高グリップ部材が剥がれやすくなるというおそれがあるが、この請求項2記載の構成によれば、そのようなおそれがなくなるとともに高グリップ部材は定着ベルト端部の補強材としての役割も果たすこととなるので、機械的信頼性が向上する。結果として、定着ベルトを一層薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性が一層向上し、定着強度ないし定着の均一性が一層向上することとなる。さらにまた、定着ベルトの熱容量が一層小さくなるので、より一層急速な加熱が可能となる。
請求項3記載のベルト定着器によれば、請求項1記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材はテープ状であり、このテープ状の高グリップ部材が定着ベルトの両端部に巻き付けられて固着されている構成となっているので、定着ベルトの両端部に、テープ状の高グリップ部材を巻き付けて固着するだけで高グリップ部を形成することができる。したがって、例えばベルトの端部にエンドレスベルト状の高グリップ部材を嵌め合わせて固着したり、ベルトの端部自体を、これが高グリップ部となるように加工したりする場合に比べて定着ベルトの製造が簡単になる。
請求項4記載のベルト定着器によれば、請求項1,2,または3記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は布で構成されているので、その高グリップ部材の表面は、布を形成する糸体(織られまたは編まれ等した糸体)によって細かな凹凸状となり、この凹凸が高グリップ部材の表面に略均一に広がった状態となる。
したがって、定着ベルトの両端部における駆動伝達で発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果としてスムーズな駆動伝達がなされることとなる。
また、前記凹凸は、糸体で形成されるので、その凸部は丸みをおびている。したがって、回転体における応力集中が軽減され、回転体の耐久性が向上することとなる。
さらに、高グリップ部材を、例えば凹凸を有するフィルムやゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断力に対する強度)にも優れたものとなる。すなわち、高グリップ部材が例えばフィルムやゴム部材等で構成されている場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材が布で構成されている場合には、端縁部の繊維にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が伝播するということがなく、1本の繊維破断にとどまることとなるので、強度的にも優れたものとなる。
また、定着ベルトの片寄りを、定着ベルトの側端部を規制部に当接させて規制する構成の場合には、定着ベルトの側端部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベルトの両端部に布で構成された高グリップ部材が設けられていると、高グリップ部材の破断が生じ難くなるとともに、定着ベルト全体への破断の伝播も生じ難くなる。
請求項5記載のベルト定着器によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、可撓性を有する接着層を介して固着されているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、この種の定着器においては、その作動時に定着ベルトが加熱されて高温(例えば150〜200°C程度)に達することとなるので、仮に、定着ベルトの端部に高グリップ部材を固着している接着層が可撓性を有していないとすると、定着ベルトと高グリップ部材との熱膨張差によってベルト端部が破損しやすくなったり、高グリップ部材がベルトから剥がれやすくなってしまうという問題が生ずるおそれがある。
これに対し、この請求項5記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの端部に高グリップ部材を固着している接着層が可撓性を有しているので、定着ベルトと高グリップ部材との熱膨張差が接着層によって吸収されることとなる。したがって、ベルト端部が破損したり、高グリップ部材がベルトから剥がれてしまうという不具合が生じ難くなり、結果として、定着器の耐久性がより一層向上することとなる。
請求項6記載のベルト定着器によれば、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材は、ベルト周方向に関する剛性に比べてベルト幅方向に関する剛性の方が大きく構成されているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、高グリップ部材は、そのベルト周方向に関する剛性が比較的小さいので、定着ベルトの端部に固着する際に高グリップ部材が伸縮してベルト端部にフィットしやすくなり、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することが可能になるとともに、ベルト幅方向に関する剛性が比較的大きいので、前記規制部に当接した際の座屈強度が向上し、結果として定着ベルトの片寄りを良好に規制することが可能となる。
請求項7記載のベルト定着器によれば、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトは、無端状のベルト基体と、このベルト基体の幅方向における中央部の表面に被覆された表層とを備えており、高グリップ部材の外径が、前記表層の外径よりも大きく構成されているので、定着ベルトと回転体との圧接部の両端部において、高グリップ部材がより強い圧接力で回転体に圧接されることとなる。したがって、定着ベルトと回転体とのグリップ力が向上し、上記スリップがより確実に防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。
請求項8記載のベルト定着器によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
前述したように、定着ベルトの表面に離型オイルが塗布される構成とすると、このオイルが定着ベルトと回転体との圧接部の端部に徐々に侵入して行くこととなるが、この請求項8記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が固着されているとともに、この高グリップ部材がオイル吸収性を有しているので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、高グリップ部材によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部材の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項8記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
請求項9記載のベルト定着器によれば、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
また、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が固着されているとともに、この高グリップ部材がオイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、高グリップ部材によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部材の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項9記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
しかも、前記高グリップ部材がベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、仮に高グリップ部材がオイルで飽和状態となったとしても、この高グリップ部材内に吸収されたオイルは、前記圧接部においては、その圧接力によってベルト周方向において当該圧接部以外の部位へと排除されることとなる。
したがって、仮に高グリップ部材がオイルで飽和状態となったとしても、圧接部においては、定着ベルト両端部の表面に存在するオイルの量が僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
請求項10記載のベルト定着器によれば、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
また、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が固着されているとともに、この高グリップ部材がオイル通過性を有しており、かつ前記接着層がオイル吸収性を有しているので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、高グリップ部材を経て前記接着層によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項10記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態を示す概略側面図、図2は主要部の概略斜視図である。
【0009】
この定着器100は、加熱される定着ベルト110と、この定着ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120とを有し、トナー画像(図示せず)が形成された記録材Sを、矢印S1で示すように定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に通して、トナー画像を加熱溶融し記録材S上に定着させるようになっている。
この実施の形態の定着器100は、前記圧接部Nにおいて定着ベルト110を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱手段としての加熱ローラ140とを有しており、定着ベルト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架されている。
図2に示すように、加熱ローラ140には、定着ベルト110の側端部(後述する高グリップ部材Gの側端部)G5と当接することでベルト110の片寄りを規制する規制部としてのガイドリング145,145が設けられている。
150はオイル塗布手段としてのオイル塗布ローラであり、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するようになっている。
【0010】
これら定着ベルト110および各ローラを回転させるための駆動ローラとしては、オイル塗布ローラ150以外のローラであればどのローラを用いることもできるが、この実施の形態では、加圧ローラ120を駆動ローラとして用いている。
すなわち、加圧ローラ120は、図示しない駆動手段によって図1の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、バックアップローラ130、定着ベルト110、加熱ローラ140、およびオイル塗布ローラ150が従動するようになっている。具体的には、加圧ローラ120に対して定着ベルト110およびバックアップローラ130が圧接されていることにより、定着ベルト110およびバックアップローラ130が加圧ローラ120に従動し、定着ベルト110が加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、加熱ローラ140が定着ベルト110に従動し、定着ベルト110に対してオイル塗布ローラ150が圧接されていることにより、オイル塗布ローラ150が定着ベルト110に従動するようになっている。
図1において、111はバックアップローラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面温度を検出するためのサーミスタである。このサーミスタ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設けられている。
【0011】
バックアップローラ130は、金属製の芯材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸131aで定着器100のフレームの側板101に対して回転可能に支持されている。加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されており、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置されている。この加熱ローラ140は、定着ベルト110の巻掛け部において定着ベルト110を急速に加熱することが可能である。この実施の形態の加熱ローラ140はテンションローラとして構成されており、図示しない適宜の付勢手段で定着ベルト110の張り方向に付勢されている。なお、図1において、143は加熱ローラ140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0012】
加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けられた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。
加圧ローラ120は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可能に支持されており、この定着器100が取り付けられる画像形成装置本体(図示せず)に設けられた図示しない駆動手段によって図1の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。なお、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に取り付けられており、弾性層122および前記バックアップローラ130の弾性層132の弾性力で、定着ベルト110を介してバックアップローラ130に圧接されている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側に凸状に形成される。図1において、124は加圧ローラ120の表面温度を検出するためのサーミスタである。
【0013】
フレーム101には、図示しない画像形成装置の転写部でトナー画像が形成(転写)された記録材Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部(ニップ部)Nの中央部N1に導く、ガイド102が設けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ローラ対103と、定着後の記録材Sを図示しない画像形成装置の排紙経路に導くガイド104とが設けられている。なお、上記各サーミスタは、図示しない画像形成装置の制御部に接続されており、各サーミスタからの検出温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141への通電量が制御されるようになっている。
【0014】
この実施の形態の主な特徴は定着ベルト110の構造にあるので、それについて説明する。
図3はバックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架された定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は正面図、(b)は概略断面図である。図4(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の端部の分解斜視図、(b)は端部の斜視図である。
図5(a)は定着ベルト110の部分省略断面図(図4(a)におけるVa−Va断面図に相当する図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図である。
【0015】
定着ベルト110は耐熱性のベルトであり、無端状のベルト基体112と、このベルト基体112の幅方向(図2において左右方向であり各ローラの軸線方向)における中央部112aの表面に被覆された表層113とを備えており、両端部112bには、その周方向に沿って高グリップ部材Gが、可撓性を有する接着層115を介して固着されている。
【0016】
ベルト基体112は、例えば導電性を有するポリイミドで構成する。
表層113は、ベルト基体112の幅方向における中央部112aに高離型材料(記録材およびトナーに対する剥離性に優れた材料であり、例えばシリコーンゴム)をコーティングすることによって形成してある。
【0017】
この実施の形態における高グリップ部材Gは、図5に示すような布で構成されている。ここでいう布には、横糸114aと縦糸114bとで織るまたは編んだもの(網状体を含む)の他、不織布も含まれる。
糸体(横糸および縦糸)114は、図5(b)に示すように単線(例えばいわゆるモノフィラメント)で構成してもよいし、図5(c)に示すように複数本の細線114cの集合体(例えばいわゆるマルチフィラメント)で構成してもよい。いずれにしても、糸体114の材料としては、アラミド、ポリイミド、ガラス繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることができる
図5(b)に示すように糸体114を単線で構成した布の場合でも、糸体114同士の隙間C1にオイルが保持され得るので、この布Gはオイル吸収性を有することとなるが、図5(c)に示すように糸体114を複数本の細線の集合体で構成すると、糸体114自体の内部にもオイルが吸収されることとなるので、オイル吸収性を高めるには糸体114を複数本の細線の集合体で構成することが望ましい。少なくとも横糸114a、縦糸114bのうちいずれか一方は、複数本の細線の集合体で構成することが望ましい。
また、前記隙間C1は、図5(b)において上下方向に開いているとともに、ベルト周方向(図5において紙面と直交する方向)においても連通しているので、この布Gはオイル通過性を有しているとともに、ベルト周方向へのオイル流動性を有している。
【0018】
この実施の形態では、高グリップ部材G(図4参照)を、自由状態で定着ベルト端部112bの外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルト状に構成し、この高グリップ部材Gを、図4(a)に示すように、その伸縮性を利用してベルト基体112の端部112bの外径よりも多少広げた状態で前記端部112bに接着層115(図4においては図示を省略してある)を介して図(b)に示すように装着し、高グリップ部材Gを、その収縮性および接着層116でベルト基体112の端部112bに固着してある。
また、図4(b)および図5(a)に示すように、高グリップ部材Gは、その外側端部G5がベルト基体112の側端部112cよりも外方に突出するように固着されており、その外側端部G5が規制部としてのガイドリング145の内側面145aに当接するようになっている。
接着層115は、可撓性を有する接着剤(例えばシリコーン系接着剤)で構成する。
【0019】
この実施の形態による定着器100によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)トナー画像が形成された記録材Sが、一方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルト110とこの定着ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。また、定着ベルト110の側端部G5が規制部に当接することで、定着ベルトの片寄りが規制される。
そして、前記定着ベルト110の両端部には、その周方向に沿って高グリップ部材Gが設けられているので、この高グリップ部材Gによって、定着ベルト110の両端部には、加圧ローラ120に対する高グリップ部が形成されることとなる。
したがって、上記定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に、比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の定着ベルト110との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部(G)の作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側の定着ベルト110の従動性が向上し、定着ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材S上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
しかも、高グリップ部材Gが前記規制部145に当接する構成となっているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルト110の両端部に高グリップ部材Gが固着されていることで定着ベルト110の両側端部が補強され、かつ、この高グリップ部材Gが規制部145に当接する構成となっているので、定着ベルト110の側端部が規制部145に当接する構造であるにもかかわらず、定着ベルト110の耐久性が向上する。
したがって、また、定着ベルト110を薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルト110の追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。さらにまた、定着ベルト110の熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
【0020】
(b)高グリップ部材Gは、自由状態で定着ベルト110端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているので、定着ベルト110の端部112bに対して高グリップ部材Gが伸縮してフィットし、定着ベルト110の端部112bに対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができる。
また、例えばテープ状の高グリップ部材を定着ベルト110の両端部に巻き付けて固着した場合には、その継ぎ目(図6のL参照)から高グリップ部材が剥がれやすくなるというおそれがあるが、この実施の形態の構成によれば、そのようなおそれがなくなるとともに高グリップ部材Gが定着ベルト端部の補強材としての役割も果たすこととなるので、機械的信頼性が向上する。結果として、定着ベルト110を一層薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルト110の追従性が一層向上し、定着強度ないし定着の均一性が一層向上することとなる。さらにまた、定着ベルト110の熱容量が一層小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
(c)高グリップ部材Gが布で構成されているので、高グリップ部材Gの表面G4(図5(b)参照)は、布を形成する糸体(織られまたは編まれ等した糸体)114によって細かな凹凸状となり、この凹凸が高グリップ部材Gの表面に略均一に広がった状態となる。
したがって、定着ベルト110の両端部における駆動伝達で発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果としてスムーズな駆動伝達がなされることとなる。
また、前記凹凸は、糸体114で形成されるので、その凸部は丸みをおびている。したがって、加圧ローラ120における応力集中が軽減され、加圧ローラ120の耐久性が向上することとなる。
さらに、高グリップ部材Gを、例えば凹凸を有するフィルムやゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断力に対する強度)にも優れたものとなる。
すなわち、高グリップ部材Gが例えばフィルムやゴム部材等で構成されている場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材Gが布で構成されている場合には、端縁部G5の繊維(糸体)114にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が伝播するということがなく、1本の繊維破断にとどまることとなるので、強度的にも優れたものとなる。
また、この実施の形態のように、定着ベルト110の蛇行すなわち片寄りを、規制部145に定着ベルト110の端縁部G5を当接させて規制する場合には、定着ベルト110の端縁部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベルト110の両端部に布で構成された高グリップ部材Gが設けられていると、高グリップ部材Gの破断が生じ難くなるとともに、ベルト110全体への破断の伝播も生じ難くなる。
(d)高グリップ部材Gは、可撓性を有する接着層115を介して固着されているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、この種の定着器においては、その作動時に定着ベルト110が加熱されて高温(例えば150〜200°C程度)に達することとなるので、仮に、定着ベルト110の端部に高グリップ部材Gを固着している接着層115が可撓性を有していないとすると、定着ベルト110と高グリップ部材Gとの熱膨張差によって定着ベルト端部が破損しやすくなったり、高グリップ部材Gがベルトから剥がれやすくなってしまうという問題が生ずるおそれがある。
これに対し、この実施の形態のベルト定着器100によれば、定着ベルト110の端部に高グリップ部材Gを固着している接着層115が可撓性を有しているので、定着ベルト110と高グリップ部材Gとの熱膨張差が接着層115によって吸収されることとなる。したがって、ベルト端部が破損したり、高グリップ部材Gがベルトから剥がれてしまうという不具合が生じ難くなり、結果として、定着器100の耐久性がより一層向上することとなる。
(e)定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
前述したように、定着ベルト110の表面に離型オイルが塗布される構成とすると、このオイルが定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部の端部N2に徐々に侵入して行くこととなるが、このベルト定着器100によれば、定着ベルト110の両端部に、高グリップ部材Gが固着されているとともに、この高グリップ部材Gがオイル吸収性を有しているので、前記圧接部の端部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gによって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部材Gの表面G4に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、このベルト定着器100によれば、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
(f)高グリップ部材Gがオイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、この高グリップ部材G内に吸収されたオイルは、前記圧接部N2においては、その圧接力によってベルト周方向において当該圧接部N2以外の部位(図5の紙面と直交する方向)へと排除されることとなる。
したがって、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、圧接部N2においては、定着ベルト両端部の表面G4に存在するオイルの量が僅かなものとなり、結果として圧接部両端N2におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
【0021】
<第2の実施の形態>
図6,図7は本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態の要部を示す図で、図6(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の部分斜視図、(b)は高グリップ部材Gの展開正面図、図7(a)は図6におけるVIIa−VIIa断面図である。
この実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点は、図6(b)に示すようなテープ状の高グリップ部材Gを、図6(a)に示すようにベルト基体112の端部112bにその周方向に沿って、接着層116を介して巻き付けて接着層116で固着した点にあり、その他の点に変わりはない。
この実施の形態では、図6(a)および図7(a)に示すように、テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり合わないように巻き付けて固着してある。したがって、巻き付け始端部G1と終端部G2との間には、多少の隙間Lが形成されるが、この隙間Lは極力少なくする(少なくとも定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの周方向長さよりも短くする)ことが望ましい。
なお、図7(b)に示すように、巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり合うように巻き付けて固着してもかまわないが、このようにすると、巻き付け始端部G1と終端部G2との重畳部分G3が厚くなるため、この重畳部分G3が加圧ローラ120と圧接している時期とそれ以外の時期とで、従動側の定着ベルト110に速度変動が生じるおそれがあり、また、前記重畳部分G3が加圧ローラ120に圧接した際には、重畳部分G3と対向する部位において加圧ローラ120に応力が集中して加圧ローラ120の耐久性が低下してしまうおそれがあるので、望ましくはない。
この実施の形態によれば、上記第1の実施の形態により得られる(b)以外の作用効果が得られ、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルト110両端の高グリップ部を、定着ベルト110の両端部112bに、テープ状の高グリップ部材Gを巻き付けて固着するだけで構成することができるので、定着ベルトの製造(したがって定着器の製造)が簡単になる。
【0022】
<第3の実施の形態>
図8は本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の部分正面図、(b)はテープ状の高グリップ部材Gの展開図である。図8において、上記第2の実施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上記第2の実施の形態と異なる点は、テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが、相対向して傾斜している点にあり、その他の点に変わりはない。すなわち、この実施の形態におけるテープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1および終端部G2は加圧ローラ120の軸線方向と平行とはなっていないし、定着ベルト110の循環方向に関しても傾斜している。
この実施の形態によれば、上記第2の実施の形態により得られる作用効果に加え、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、仮に、テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが傾斜(例えばベルト110の幅方向ないし加圧ローラ120の軸線方向に対して傾斜)していないとすると、前記始端部G1と終端部G2との間に形成されている隙間L部分が加圧ローラ120と圧接している時期とそれ以外の時期とで、従動側の定着ベルト110に速度変動が生じるおそれがある。例えば、仮に上記第2の実施の形態にける前述した隙間Lが、定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの周方向長さよりも長くなっているとすると、上記速度変動が生じるおそれは大きくなる。
これに対し、この第3の実施の形態によれば、テープ状の高グリップ部材Gの巻き付け始端部G1と終端部G2とが、相対向して傾斜しているので、従動側の定着ベルト110に速度変動が生じ難くなる。
【0023】
<第4の実施の形態>
図9は本発明に係るベルト定着器の第4の実施の形態における定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は部分省略拡大正面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。図9において、上記第1〜第3の実施の形態と同一分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上記第1〜3の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gを、オイル吸収性を有する接着層(例えばシリコーン系接着剤層)116を介してベルトの両端部112bに固着した点にあり、その他の点に変わりはない。
この実施の形態によれば、前記圧接部Nの端部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gを経て前記接着層116によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面G4に存在するオイルの量は一層僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が良好に確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、より安定した定着動作がなされることとなる。
なお、この実施の形態によっても、第1の実施の形態による作用効果と同様の作用効果が得られ、また、高グリップ部材Gをテープ状とした場合には、上記第2,第3の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
<第5の実施の形態>
図10(a)(b)は本発明に係るベルト定着器の第5の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。同図において、上記第4の実施の形態と同一分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上記第4の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gを、ベルト面と直交する方向(図(b)において上下方向)、横方向(図(a)において左右方向)、および縦方向(図(a)において上下方向)に伸びる微細な空隙C2を有する合成樹脂製の耐熱シートで構成した点にあり、その他の点に変わりはない。
このような合成樹脂製の耐熱シートも、表面に凹凸があって、高グリップ部材Gを構成するとともに、上記微細空隙C2の作用によって、オイル吸収性、ベルト周方向へのオイル流動性、およびオイル通過性を有している。
したがって、この実施の形態によっても、第1の実施の形態による(c)以外の作用効果が得られる。また、高グリップ部材Gをテープ状とした場合には、上記第2,第3の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
さらに、前記圧接部Nの端部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gを経て接着層116によって吸収されることとなるので、定着ベルト両端部の表面G4に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が良好に確保され、スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、より安定した定着動作がなされることとなる。
【0025】
<第6の実施の形態>
図10(c)(d)は本発明に係るベルト定着器の第6の実施の形態の要部を示す図で、(c)は定着ベルト110部分平面図、(d)は図(c)におけるd−d断面図である。同図において、上記第5の実施の形態と同一分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上記第5の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gを、多数の貫通孔C4を有する合成樹脂製の耐熱シートで構成した点にあり、その他の点に変わりはない。
このような合成樹脂製の耐熱シートも、表面に凹凸があって、高グリップ部材Gを構成するとともに、上記微細空隙C4の作用によって、オイル吸収性およびオイル通過性を有している。
したがって、この実施の形態によっても、第1の実施の形態による(c)(f)の作用効果効果を除いて上記第5の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0026】
<第7の実施の形態>
図11は本発明に係るベルト定着器の第7の実施の形態における定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は図(b)におけるc−c断面図である。同図において、上記第1〜第4の実施の形態と同一分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上記第1〜第4の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gが、ベルト周方向(図(a)において上下方向)に関する剛性に比べてベルト幅方向(図(a)において左右方向)に関する剛性の方が大きく構成されている点にあり、その他の点に変わりはない。
この実施の形態では、高グリップ部材Gを布で構成し、その布の横糸114aを単線(例えばいわゆるモノフィラメント)で構成し、縦糸114bを複数本の細線114cの集合体(例えばいわゆるマルチフィラメント)で構成することで、ベルト周方向に関する剛性に比べてベルト幅方向に関する剛性の方が大きくなるように構成してある。
この実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られ、高グリップ部材Gをテープ状とした場合には、上記第2,第3の実施の形態と同様な作用効果が得られ、接着層をオイル吸収性のある接着層116とした場合には、上記第4の実施の形態特有の作用効果も得られる。
さらに、この実施の形態によれば、高グリップ部材Gは、ベルト周方向に関する剛性に比べてベルト幅方向に関する剛性の方が大きく構成されているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、高グリップ部材Gは、そのベルト周方向に関する剛性が比較的小さいので、定着ベルト110の端部に固着する際に高グリップ部材Gが伸縮してベルト端部にフィットしやすくなり、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することが可能になるとともに、ベルト幅方向に関する剛性が比較的大きいので、規制部145に当接した際の座屈強度が向上し、結果として定着ベルト110の片寄りを良好に規制することが可能となる。
【0027】
<第8の実施の形態>
図12は本発明に係るベルト定着器の第8の実施の形態における要部を示す図で、定着ニップ部(圧接部)Nの端部の断面図である。同図において、上記第1〜第7の実施の形態と同一分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。この実施の形態が上記第1〜第7の実施の形態と異なる点は、高グリップ部材Gの外径D2が、前記表層113の外径D1よりも大きく構成されている点にあり、その他の点に変わりはない。
この実施の形態では、高グリップ部材Gの厚さt2を表層113の厚さt1よりも厚く構成することで、高グリップ部材Gの外径D2が表層113の外径D1よりも大きくなるように構成してある。
なお、高グリップ部材Gの内側縁部G6は面取りしてあり、加圧ローラ120への応力集中を低減させてある。
この実施の形態によれば、上記各実施の形態により得られる作用効果に加え、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、高グリップ部材Gの外径D2が、表層113の外径D1よりも大きく構成されているので、定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの両端部N2において、高グリップ部材Gがより強い圧接力で加圧ローラ120に圧接されることとなる。したがって、定着ベルト110と加圧ローラ120とのグリップ力が向上し、上記スリップがより確実に防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として一層安定した定着動作がなされることとなる。
【0028】
【実施例】
さらなる具体例について説明する。
(定着ベルト110に関し)
構造はシームレスベルトとし、ベルト基体112は導電性を有するポリイミドからなる無端ベルト状シートで構成する。ベルト基体112の厚さは150μm程度とする。
ベルト基体112の幅は、392mm程度とし、その中央部にのみシリコーンゴムをt1=200μm程度の厚さでコーティングして表層113を形成し、両端部に幅27mm程度の露出部112bを形成する。この露出部112bに高グリップ部材Gを固着する。高グリップ部材Gの厚さt2は300μm程度とする。
ベルト基体112の内径はφ60mm程度とする。
【0029】
(加圧ローラ120に関し)
構造は両端部に中空軸部125(図2参照)を有する鉄(SUM24)製の外径φ32mm程度、内径φ22程度のパイプ部121の外周面に弾性層122としてシリコーンゴムを、さらにその外周面に表面層122aとしてフッ素樹脂を被覆した構造とする。
弾性層122のゴム硬度はJIS−A20°程度とし、層厚は1.5mm程度とする。
表面層122aは、フッ素ラテックス塗料を塗布した後、熱硬化させたフッ素ラテックス被膜とする。層厚は60μm程度とする。
中空部に設けるハロゲンランプ123の発熱量は100Vで230W程度とする。
加圧ローラ120の外径は35.2mm程度とする。
軸部124を含むローラ幅(軸線方向長さ)は444.3mm程度とする。
バックアップローラ130に対する押圧荷重は軸部125,125にかけ、片側60Kg(両端総荷重120Kg)程度とする。尚、バックアップローラ130及び加圧ローラ120はフレーム101に定位置固定(軸間距離一定)され、特別の押圧手段は設けない。押圧荷重は、両ローラ120,130の外径の和よりも軸間距離が短くなるようにフレーム101に両ローラ120,130が固定されることにより、両ローラが互いに食い込むことにより生じる。ローラへの荷重作用位置はフレームへの固定位置であり、軸124の軸受であるベアリング(図示せず)の位置となる。
定着ベルト110との圧接部Nの周方向長さは11mm程度とする。
【0030】
(バックアップローラ130に関し)
構造は両端部にφ10程度の軸部131aを有するφ26程度の中実の鉄(SUM24)製ローラの外周面に弾性層132としてシリコーンゴムを、さらにその外周面に表面層132aとしてPFA(4弗化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)を被覆したものとする。
バックアップローラ130の外径は38.5mm程度とし、軸部131aを除くローラ幅は398mm程度とする。
弾性層132の層厚は6.25mm程度とする。ゴム硬度はJIS−A10゜程度とする。
表面層132aは熱収縮性PFA樹脂チューブを用いる。被覆後の層厚は110μm程度とする。
【0031】
(加熱ローラ140に関し)
構造は両端部にφ20程度の軸部144を有する、外径φ28程度、肉厚3mm程度のパイプ状アルミニウム製ローラとする。
軸部144を除くローラ幅は393mm程度とする。
ローラ中空部に配置される発熱手段141はハロゲンランプとする。その発熱量は100Vで695W程度とする。
【0032】
(オイル塗布ローラ150に関し)
構造はφ10mm程度の鉄(SUM24)製シャフト151上に、オイル含浸層152aとオイル供給層152bとからなるオイル保持層152、および表面層153を順に積層した構造とする。
オイル塗布ローラ150の外径は36mm程度、軸端部を含まないローラ幅は337〜392mm程度、望ましくは高グリップ部にかからず通紙範囲をカバーする範囲とする。具体的には337mm程度とする。
オイル含浸層152aは、スポンジで構成し、厚さは11mm程度とする。
オイル供給層152bはフェルトで構成し、層厚は2mm程度とする。
表面層153は、多孔質PTFE(4弗化エチレン重合体)樹脂で構成し、層厚は120μm程度とする。
離型剤の材質はジメチルシリコーンオイルとする。粘度(20°Cでの)は、100センチストークス程度とし、含浸させる総量は140g程度とする。
定着ベルト110への当接荷重(押圧荷重)は総荷重0.5以上2Kg以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは1Kg程度とする。
オイル塗布ローラ150と定着ベルト110との当接幅(ベルト移動方向に関する長さ)は3mm程度とする。
【0033】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
(1)図13(a)に示すように、オイル塗布手段150は、その長さをベルト110の幅よりも長く構成してもよいし、図13(b)に示すように、ベルトの表層113の幅よりも若干短くして画像形成領域にのみオイルを塗布するように構成してもよい。図13(a)に示すように、オイル塗布手段150の長さをベルト110の幅よりも長く構成すると、定着ベルト110に生じるストレスを軽減することができ、図13(b)に示すように、ベルトの表層113の幅よりも若干短くして画像形成領域にのみオイルを塗布するように構成すると、定着ニップ部Nの端部N2にオイルが侵入しにくくなる。
(2)請求項1〜6に記載の発明に関しては、オイル塗布手段は設けなくてもかまわない。
【0034】
【発明の効果】
請求項1〜9記載のいずれのベルト定着器によっても、安定した定着動作がなされることとなる。しかも、定着ベルトの耐久性が向上するとともに、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。また、定着ベルトの熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。さらに,定着ベルトの耐久性が向上する。
さらに、
請求項2記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができる。また、定着ベルトの機械的信頼性が向上し、定着ベルトを薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性がさらに向上し、定着強度ないし定着の均一性がさらに向上することとなる。また、定着ベルトの熱容量が小さくなるので、より一層急速な加熱が可能となる。
請求項3記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの製造が簡単になる。
請求項4記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの両端部における駆動伝達で発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、スムーズな駆動伝達がなされることとなる。また、回転体における応力集中が軽減され、回転体の耐久性が向上する。さらに、定着ベルトが強度的にも優れたものとなる。
請求項5記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの片寄りを一層良好に規制することが可能となる。
請求項6記載のベルト定着器によれば、より一層安定した定着動作がなされることとなる。
請求項7記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
請求項8記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、より安定した定着動作を得ることが可能となる。
請求項9記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態を示す概略側面図。
【図2】主要部の概略斜視図。
【図3】バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架された定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は正面図、(b)は概略断面図である。
【図4】(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の端部の分解斜視図、(b)は端部の斜視図である。
【図5】(a)は定着ベルト110の部分省略断面図(図4(a)におけるVa−Va断面図に相当する図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図である。
【図6】本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の部分斜視図、(b)は高グリップ部材Gの展開正面図である。
【図7】同上実施の形態の要部を示す図で、(a)は図6におけるVIIa−VIIa断面図、(b)は巻き付け始端部G1と終端部G2とが重なり合った状態の断面図。
【図8】本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110の部分正面図、(b)は高グリップ部材Gの展開図である。
【図9】本発明に係るベルト定着器の第4の実施の形態における定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は部分省略拡大正面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。
【図10】(a)(b)は本発明に係るベルト定着器の第5の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。(c)(d)は本発明に係るベルト定着器の第6の実施の形態の要部を示す図で、(c)は定着ベルト110部分平面図、(d)は図(c)におけるd−d断面図である。
【図11】本発明に係るベルト定着器の第7の実施の形態における定着ベルト110の端部を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は図(b)におけるc−c断面図である。
【図12】本発明に係るベルト定着器の第8の実施の形態における要部を示す図で、定着ニップ部(圧接部)Nの端部の断面図である。
【図13】(a)(b)はそれぞれ変形例の説明図(要部をオイル塗布ローラ150側から見た正面図)である。
【図14】従来技術の説明図。
【図15】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材
100 定着器
110 定着ベルト
112 ベルト基体
112a ベルト基体の幅方向における中央部
112b ベルト基体の端部
113 表層
D1 表層113の外径
G 高グリップ部材
D2 高グリップ部材Gの外径
115,116 接着層
120 加圧ローラ(回転体)
145 ガイドリング(規制部)
150 オイルローラ(オイル塗布手段)
N 圧接部
N1 圧接部の中央部
N2 圧接部の端部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fixing device used in an image forming apparatus such as a printer, a facsimile machine, and a copying machine capable of forming a toner image on a recording material such as paper using an electrophotographic technique, more specifically, a fixing belt to be heated. The present invention relates to the belt fixing device used.
[0002]
[Prior art]
In general, an image forming apparatus that forms a toner image on a recording material such as paper using electrophotographic technology is a rotationally driven photoreceptor, and exposure that exposes the photoreceptor to form an electrostatic latent image on the surface. Means, developing means for developing the electrostatic latent image into a toner image, transfer means for transferring the toner image onto a recording material, and heating while passing the recording material onto which the toner image has been transferred by the transfer means And a fixing device for fixing the toner image on the recording material.
[0003]
The fixing device usually has a rotating body to be heated and a rotating body that is pressed against the rotating body. The two rotating bodies heat the recording material passing therethrough while sandwiching it, and the toner on the recording material An image is melted and fixed on a recording material.
In such a fixing device, if there is a difference in peripheral speed between the two rotating members, the toner image on the recording material passing through the pinching portion (pressure contact portion) is rubbed and the image is disturbed. It is not said that the rotating body is driven, and a configuration is adopted in which only one rotating body is driven and the other rotating body is driven.
In addition, if the rotating body to be heated is a roller, it takes a long time for the initial heating, so the heated rotating body is used as an endless belt (fixing belt), and the belt fixing in which the initial heating time is shortened. The vessel is known.
[0004]
FIG. 14 is a view showing a first example of a belt fixing device (Japanese Patent Laid-Open No. 9-138600).
This belt fixing device includes an endless heat-
The recording material on which the toner image has been formed is supplied to the pressure contact portion N between the
FIG. 15 is a view showing a second example of a belt fixing device (Japanese Patent Laid-Open No. 8-334997).
In this belt fixing device, a
The
In addition, this fixing device uses a silicone oil or the like as a release agent on the surface of the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional belt fixing device shown in FIG. 14, a relatively slippery recording material, for example, a synthetic resin sheet, is supplied to the pressure contact portion N between the
Similarly, in the conventional belt fixing device shown in FIG. 15, a relatively slippery recording material is supplied to the pressure contact portion N between the
In particular, in the belt fixing device shown in FIG. 15, the release oil is applied to the surface of the
An object of the present invention is to provide a belt fixing device that solves the above-described problems and can perform a stable fixing operation.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a belt fixing device according to
The fixing belt includes an endless belt base and a surface layer coated on the surface of the central portion in the width direction of the belt base.High grip members are attached to both ends of the fixing belt along the circumferential direction.Flexibility so that the outer end of the high grip member protrudes outward from the side end of the belt base.Fixed through adhesive layerTheAnd the high grip member is in contact with the restricting portion.
3. The belt fixing device according to
The belt fixing device according to
According to a fourth aspect of the present invention, in the belt fixing device according to the first, second, or third aspect, the high grip member is made of a cloth..
ContractClaim5The belt fixing device according to claim 1.4In the belt fixing device according to any one of the above, the high grip member is configured to have greater rigidity in the belt width direction than in the belt circumferential direction.
Claim6The belt fixing device according to claim 1.5In the belt fixing device according to any one of the above,High schoolThe outer diameter of the grip member is configured to be larger than the outer diameter of the surface layer.
Claim7The belt fixing device according to claim 1.6In the belt fixing device according to any one of the above, oil application means for applying release oil to the surface of the fixing belt is provided, and the high grip member has oil absorbability. It is characterized by that.
Claim8The belt fixing device according to claim 1.7In the belt fixing device according to any one of the above, oil application means for applying release oil to the surface of the fixing belt is provided, and the high grip member is provided with oil absorption and belt circumferential direction. It is characterized by being comprised with the material which has the oil fluidity of this.
Claim9The belt fixing device according to claim 1.8In the belt fixing device according to any one of the above, oil application means for applying release oil to the surface of the fixing belt is provided, and the high grip member includes an adhesive layer having oil absorbability. The belt is fixed to both ends of the belt.
[0007]
[Function and effect]
According to the belt fixing device of
And since the high grip member is fixed to the both end portions of the fixing belt along the circumferential direction thereof, the high grip portion for the rotating body is formed at both end portions of the fixing belt by the high grip member. Will be.
Therefore, a relatively slippery recording material is supplied to the central portion of the pressure contact portion between the fixing belt and the rotating body, and the drive side fixing belt (or the rotating body) and the recording material are interposed by the slippery recording material. Even if a slip is likely to occur between the recording medium and / or between the recording material and the driven-side rotator (or fixing belt), the high-grip portion acts on the driving-side fixing belt (or rotator). The followability of the driven rotating body (or fixing belt) is improved, and the fixing belt and the rotating body rotate at substantially the same peripheral speed. For this reason, the slip is prevented (at least significantly less likely to occur), and as a result, a stable fixing operation is performed. Therefore, the toner image on the recording material is hardly rubbed, and image distortion hardly occurs.
In addition, since the high grip member is in contact with the restricting portion, the following effects can be obtained.
That is, since the high grip members are fixed to both ends of the fixing belt, both end portions of the fixing belt are reinforced, and the high grip member is in contact with the restricting portion. The durability of the fixing belt is improved regardless of the structure in which the side end portion is in contact with the regulating portion.
Therefore, since the fixing belt can be made thin, the followability of the fixing belt to the unevenness according to the amount of toner forming the image is improved, and the fixing strength or the uniformity of fixing is improved. Will be improved. Furthermore, since the heat capacity of the fixing belt is reduced, more rapid heating is possible.
According to a belt fixing device according to
Further, for example, when a tape-like high grip member is wound around and fixed to both ends of the fixing belt, the high grip member may be easily peeled off from the joint, but according to the configuration of
According to a third aspect of the belt fixing device of the present invention, in the belt fixing device according to the first aspect, the high grip member is tape-shaped, and the tape-shaped high grip member is wound around and fixed to both ends of the fixing belt. Thus, the high grip portion can be formed simply by winding and fixing a tape-like high grip member around both ends of the fixing belt. Therefore, for example, compared to the case where an endless belt-like high grip member is fitted and fixed to the end of the belt, or the end of the belt itself is processed so that it becomes a high grip, the manufacture of the fixing belt is performed. Becomes easier.
According to the belt fixing device of the fourth aspect, in the belt fixing device of the first, second, or third aspect, since the high grip member is made of cloth, the surface of the high grip member is made of cloth. The thread body to be formed (thread body woven or knitted) has fine irregularities, and the irregularities are spread almost uniformly on the surface of the high grip member.
Therefore, vibrations and speed fluctuations generated by drive transmission at both ends of the fixing belt are extremely reduced, and as a result, smooth drive transmission is performed.
Moreover, since the said unevenness | corrugation is formed with a thread body, the convex part is rounded. Therefore, the stress concentration in the rotating body is reduced, and the durability of the rotating body is improved.
Furthermore, compared with the case where a high grip member is comprised, for example with the film and rubber | gum member which have an unevenness | corrugation, it becomes the thing excellent also in intensity | strength (especially strength with respect to a shear force). That is, when the high grip member is made of, for example, a film or a rubber member, when a shearing force is applied to the end edge, first, a crack enters the end edge, and then this rapidly propagates and expands. If the high grip member is made of cloth, even if the fiber at the edge part cracks and breaks, the break does not propagate and one fiber breaks. Therefore, the strength is excellent.
In addition, in the case of a configuration in which the fixing belt is regulated by causing the side end portion of the fixing belt to contact the regulating portion, the shearing force acting on the side end portion of the fixing belt becomes large, but the fixing is performed. If high grip members made of cloth are provided at both ends of the belt, the high grip member is less likely to break and propagation of the break to the entire fixing belt is less likely to occur.
According to a belt fixing device of a fifth aspect, in the belt fixing device according to any one of the first to fourth aspects, the high grip member is fixed through an adhesive layer having flexibility. Therefore, the following effects can be obtained.
That is, in this type of fixing device, since the fixing belt is heated and reaches a high temperature (for example, about 150 to 200 ° C.) during operation, a high grip member is temporarily fixed to the end of the fixing belt. If the adhesive layer is not flexible, the end of the belt is likely to be damaged due to the difference in thermal expansion between the fixing belt and the high grip member, or the high grip member is easily peeled off from the belt. Problems may arise.
On the other hand, according to the belt fixing device of
According to a belt fixing device according to
In other words, since the high grip member has a relatively small rigidity in the belt circumferential direction, the high grip member expands and contracts easily when it is fixed to the end of the fixing belt, so that the end of the fixing belt can be easily fitted. As a result, it is possible to form a high grip portion that is in good condition along the belt, and since the rigidity in the belt width direction is relatively large, the buckling strength when contacting the restriction portion is improved. As a result, the deviation of the fixing belt can be well regulated.
According to a belt fixing device of a seventh aspect, in the belt fixing device according to any one of the first to sixth aspects, the fixing belt includes an endless belt base and a width direction of the belt base. A surface layer coated on the surface of the central portion, and the outer diameter of the high grip member is larger than the outer diameter of the surface layer, so at both ends of the pressure contact portion between the fixing belt and the rotating body The high grip member is pressed against the rotating body with a stronger pressing force. Therefore, the grip force between the fixing belt and the rotating body is improved, and the slip is more reliably prevented (at least significantly less likely to occur), and as a result, a more stable fixing operation is performed.
According to a belt fixing device according to
As described above, when the release oil is applied to the surface of the fixing belt, this oil gradually enters the end of the pressure contact portion between the fixing belt and the rotating body. According to the belt fixing device of
Therefore, the amount of oil present on the surface of both ends of the fixing belt, that is, the surface of the high grip member is small, and as a result, grip force is secured at both ends of the press contact portion, and the slip is prevented (at least hardly generated). Thus, a stable fixing operation is performed.
That is, according to the belt fixing device of the eighth aspect, it is possible to obtain a stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
According to a ninth aspect of the belt fixing device, in the belt fixing device according to any one of the first to eighth aspects, an oil application means for applying release oil to the surface of the fixing belt is provided. Therefore, the offset phenomenon is less likely to occur.
In addition, a high grip member is fixed to both ends of the fixing belt, and the high grip member is made of a material having oil absorbability and oil fluidity in the belt circumferential direction. The oil that has entered the end is absorbed by the high grip member.
Therefore, the amount of oil present on the surface of both ends of the fixing belt, that is, the surface of the high grip member is small, and as a result, grip force is secured at both ends of the press contact portion, and the slip is prevented (at least hardly generated). Thus, a stable fixing operation is performed.
That is, according to the belt fixing device of the ninth aspect, it is possible to obtain a stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
In addition, since the high grip member is made of a material having oil fluidity in the belt circumferential direction, even if the high grip member is saturated with oil, the oil absorbed in the high grip member In the pressure contact portion, the pressure contact force eliminates the portion other than the pressure contact portion in the belt circumferential direction.
Therefore, even if the high grip member is saturated with oil, the amount of oil present on the surface of both ends of the fixing belt is small at the pressure contact portion, and as a result, the grip force at both ends of the pressure contact portion is ensured. Thus, the above-described slip is prevented (at least significantly less likely to occur), and a stable fixing operation is performed.
According to a belt fixing device of claim 10, in the belt fixing device according to any one of
In addition, a high grip member is fixed to both ends of the fixing belt, the high grip member has oil permeability, and the adhesive layer has oil absorbability. The oil that has entered the end of the part is absorbed by the adhesive layer through the high grip member.
Accordingly, the amount of oil present on the surfaces of both ends of the fixing belt is small, and as a result, grip force at both ends of the press contact portion is ensured, and the above-described slip is prevented (at least significantly less likely to occur) and stable fixing is achieved. Operation will be made.
That is, according to the belt fixing device of the tenth aspect, it is possible to obtain a stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
<First Embodiment>
FIG. 1 is a schematic side view showing a first embodiment of a belt fixing device according to the present invention, and FIG. 2 is a schematic perspective view of a main part.
[0009]
The fixing
The fixing
As shown in FIG. 2, the
An
[0010]
As the driving roller for rotating the fixing
That is, the
In FIG. 1,
[0011]
The
[0012]
The
The
[0013]
On the
[0014]
The main feature of this embodiment is the structure of the fixing
3A and 3B are diagrams showing an end portion of the fixing
5A is a partially omitted cross-sectional view of the fixing belt 110 (a view corresponding to the Va-Va cross-sectional view in FIG. 4A), and FIGS. 5B and 5C are partially enlarged views of FIG. .
[0015]
The fixing
[0016]
The
The
[0017]
The high grip member G in this embodiment is made of a cloth as shown in FIG. The cloth here includes a nonwoven fabric as well as a woven or knitted fabric (including a net-like body) of
The thread body (weft and warp thread) 114 may be composed of a single wire (for example, a so-called monofilament) as shown in FIG. 5B, or an assembly of a plurality of
Even in the case where the
Further, since the gap C1 is open in the vertical direction in FIG. 5B and communicates also in the belt circumferential direction (direction orthogonal to the paper surface in FIG. 5), the cloth G has oil permeability. And fluidity in the circumferential direction of the belt.
[0018]
In this embodiment, the high grip member G (see FIG. 4) is configured in an endless belt shape having a stretchability having an inner diameter smaller than the outer diameter of the fixing
Also, as shown in FIGS. 4B and 5A, the high grip member G is fixed so that the outer end G5 protrudes outward from the
The
[0019]
According to the
(A) A pressure contact portion between a
Further, since the high grip members G are provided at both ends of the fixing
Accordingly, the relatively slippery recording material S is supplied to the central portion N1 of the pressure contact portion N between the fixing
In addition, since the high grip member G is in contact with the restricting
That is, the high grip members G are fixed to both ends of the fixing
Therefore, since the fixing
[0020]
(B) Since the high grip member G is composed of an endless belt having a stretchability having an inner diameter smaller than the outer diameter of the end portion of the fixing
Further, for example, when a tape-like high grip member is wound around and fixed to both ends of the fixing
(C) Since the high grip member G is made of cloth, the surface G4 (see FIG. 5B) of the high grip member G is a thread body (woven or knitted thread body) forming the cloth. By 114, it becomes a fine unevenness | corrugation shape, and this unevenness | corrugation will be in the state spread on the surface of the high grip member G substantially uniformly.
Therefore, vibrations and speed fluctuations generated by drive transmission at both ends of the fixing
Moreover, since the said unevenness | corrugation is formed with the
Furthermore, compared with the case where the high grip member G is formed of, for example, a film having unevenness or a rubber member, the strength (particularly strength against shearing force) is excellent.
That is, when the high grip member G is made of, for example, a film or a rubber member, when a shearing force is applied to the end edge portion, first, a crack enters the end edge portion, and then this rapidly propagates and expands. If the high grip member G is made of cloth, even if the fiber (thread body) 114 of the edge G5 cracks and breaks, the break propagates. In this case, only one fiber breaks, and the strength is excellent.
Further, as in this embodiment, when the meandering, that is, the deviation of the fixing
(D) Since the high grip member G is fixed through the
That is, in this type of fixing device, since the fixing
On the other hand, according to the
(E) Since the oil applying means for applying the release oil is provided on the surface of the fixing
As described above, when the release oil is applied to the surface of the fixing
Therefore, the amount of oil present on the surfaces of both ends of the fixing belt, that is, the surface G4 of the high grip member G is small, and as a result, the grip force at both ends of the press contact portion is secured and the slip is prevented (at least significantly). Therefore, a stable fixing operation is performed.
That is, according to the
(F) Since the high grip member G is made of a material having oil absorbability and oil fluidity in the belt circumferential direction, even if the high grip member G is saturated with oil, the high grip member G The oil absorbed in G is removed from the pressure contact portion N2 to a portion other than the pressure contact portion N2 in the belt circumferential direction (direction perpendicular to the paper surface of FIG. 5) by the pressure contact force.
Therefore, even if the high grip member G is saturated with oil, the amount of oil present on the surface G4 at both ends of the fixing belt is small at the press contact portion N2, and as a result, at the press contact portion both ends N2. A gripping force is ensured and the slip is prevented (at least significantly less likely to occur), and a stable fixing operation is performed.
[0021]
<Second Embodiment>
FIGS. 6 and 7 are views showing the main part of the second embodiment of the belt fixing device according to the present invention, and FIG. 6A shows the fixing belt 110 (between the
This embodiment is different from the first embodiment in that a tape-like high grip member G as shown in FIG. 6B is used as an end portion of the
In this embodiment, as shown in FIGS. 6A and 7A, the winding start end G1 and the end end G2 of the tape-like high grip member G are wound and fixed so as not to overlap each other. is there. Accordingly, a slight gap L is formed between the winding start end portion G1 and the end end portion G2, but this gap L is reduced as much as possible (at least around the pressure contact portion N between the fixing
Note that, as shown in FIG. 7B, the winding start end G1 and the terminal end G2 may be wound and fixed so as to overlap each other, but in this way, the winding start end G1 and the terminal end G2 Since the overlapping portion G3 becomes thick, there is a possibility that speed fluctuation may occur in the fixing
According to this embodiment, the effects other than (b) obtained by the first embodiment can be obtained, and further the following effects can be obtained.
That is, the high grip portions at both ends of the fixing
[0022]
<Third Embodiment>
FIGS. 8A and 8B are views showing a main part of a belt fixing device according to a third embodiment of the present invention. FIG. 8A is a partial front view of the fixing
This embodiment is different from the second embodiment in that the winding start end G1 and the end end G2 of the tape-like high grip member G are inclined to face each other. The point remains the same. That is, the winding start end portion G1 and the end end portion G2 of the tape-like high grip member G in this embodiment are not parallel to the axial direction of the
According to this embodiment, in addition to the operational effects obtained by the second embodiment, the following operational effects can be obtained.
That is, if the winding start end G1 and the end end G2 of the tape-shaped high grip member G are not inclined (for example, inclined with respect to the width direction of the
On the other hand, according to the third embodiment, the winding start end G1 and the end end G2 of the tape-shaped high grip member G are inclined to face each other, so that the driven fixing
[0023]
<Fourth embodiment>
9A and 9B are views showing an end portion of the fixing
This embodiment is different from the first to third embodiments in that the high grip member G is attached to both
According to this embodiment, the oil that has entered the end portion N2 of the pressure contact portion N is absorbed by the
Accordingly, the amount of oil present on the surface G4 at both ends of the fixing belt is further reduced. As a result, a grip force at both ends of the press contact portion is ensured, and the slip is prevented (at least significantly less likely to occur). Thus, a more stable fixing operation is performed.
In this embodiment, the same effects as those of the first embodiment can be obtained, and when the high grip member G is formed in a tape shape, the second and third embodiments described above are obtained. The same effect as that of the embodiment can be obtained.
[0024]
<Fifth embodiment>
FIGS. 10A and 10B are views showing the main part of a fifth embodiment of the belt fixing device according to the present invention. FIG. 10A is a partial plan view of the fixing
This embodiment differs from the fourth embodiment in that the high grip member G is arranged in a direction perpendicular to the belt surface (vertical direction in FIG. (B)) and lateral direction (horizontal direction in FIG. (A)). , And a heat-resistant sheet made of a synthetic resin having fine voids C2 extending in the vertical direction (vertical direction in FIG. 1A), and other points remain unchanged.
Such a heat-resistant sheet made of a synthetic resin also has an uneven surface, constitutes a high grip member G, and has oil absorbability, oil fluidity in the belt circumferential direction, and oil by the action of the fine gap C2. It has passability.
Therefore, also according to this embodiment, operational effects other than (c) according to the first embodiment can be obtained. Further, when the high grip member G is in the form of a tape, the same effects as those in the second and third embodiments can be obtained.
Further, since the oil that has entered the end portion N2 of the press contact portion N is absorbed by the
[0025]
<Sixth Embodiment>
FIGS. 10C and 10D are views showing the main part of the sixth embodiment of the belt fixing device according to the present invention, FIG. 10C is a partial plan view of the fixing
This embodiment is different from the fifth embodiment in that the high grip member G is composed of a heat-resistant sheet made of a synthetic resin having a large number of through holes C4, and other points are not changed. .
Such a heat-resistant sheet made of synthetic resin also has irregularities on the surface, constitutes a high grip member G, and has oil absorbability and oil passage properties by the action of the fine gap C4.
Therefore, according to this embodiment, the same operational effects as those of the fifth embodiment can be obtained except for the operational effects (c) and (f) according to the first embodiment.
[0026]
<Seventh embodiment>
FIGS. 11A and 11B are views showing an end portion of the fixing
This embodiment differs from the first to fourth embodiments in that the high grip member G has a belt width direction (figure (a) compared to rigidity in the belt circumferential direction (vertical direction in figure (a)). ) In that the rigidity in the horizontal direction is larger, and the other points remain unchanged.
In this embodiment, the high grip member G is made of cloth, the
Also according to this embodiment, the same effects as those of the first embodiment can be obtained. When the high grip member G is formed in a tape shape, the same effects as those of the second and third embodiments are obtained. In the case where the adhesive layer is the oil-absorbing
Furthermore, according to this embodiment, the high grip member G is configured so that the rigidity in the belt width direction is larger than the rigidity in the belt circumferential direction, and thus the following operational effects are obtained.
That is, since the high grip member G has a relatively small rigidity in the belt circumferential direction, the high grip member G easily expands and contracts when being fixed to the end portion of the fixing
[0027]
<Eighth Embodiment>
FIG. 12 is a view showing a main part of an eighth embodiment of the belt fixing device according to the present invention, and is a sectional view of an end portion of a fixing nip portion (pressure contact portion) N. In the figure, the same or corresponding parts as those in the first to seventh embodiments are denoted by the same reference numerals. This embodiment differs from the first to seventh embodiments in that the outer diameter D2 of the high grip member G is configured to be larger than the outer diameter D1 of the
In this embodiment, by configuring the thickness t2 of the high grip member G to be greater than the thickness t1 of the
The inner edge G6 of the high grip member G is chamfered to reduce stress concentration on the
According to this embodiment, in addition to the functions and effects obtained by the above embodiments, the following functions and effects can be obtained.
That is, since the outer diameter D2 of the high grip member G is configured to be larger than the outer diameter D1 of the
[0028]
【Example】
Further specific examples will be described.
(Regarding fixing belt 110)
The structure is a seamless belt, and the
The width of the
The inner diameter of the
[0029]
(Regarding the pressure roller 120)
The structure is made of iron (SUM24) having a hollow shaft portion 125 (see FIG. 2) at both ends, and an outer peripheral surface of a
The
The surface layer 122a is a fluorine latex film that is thermally cured after applying a fluorine latex paint. The layer thickness is about 60 μm.
The heat generation amount of the
The outer diameter of the
The width of the roller including the shaft portion 124 (length in the axial direction) is about 444.3 mm.
The pressing load on the
The circumferential length of the press contact portion N with the fixing
[0030]
(For backup roller 130)
The structure is made of a solid iron (SUM24) roller of about φ26 having a
The outer diameter of the
The layer thickness of the
The
[0031]
(Regarding heating roller 140)
The structure is a pipe-shaped aluminum roller having a
The roller width excluding the
The heat generating means 141 arranged in the roller hollow portion is a halogen lamp. The calorific value is about 695 W at 100V.
[0032]
(Regarding oil application roller 150)
The structure is such that an
The
The oil impregnated layer 152a is made of sponge and has a thickness of about 11 mm.
The
The
The release agent is made of dimethyl silicone oil. The viscosity (at 20 ° C.) is about 100 centistokes, and the total amount to be impregnated is about 140 g.
The contact load (pressing load) to the fixing
The contact width (length in the belt moving direction) between the
[0033]
Although the embodiments and examples of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments or examples, and can be appropriately modified within the scope of the gist of the present invention.
For example,
(1)As shown in FIG. 13 (a), the oil applying means 150 may have a length longer than the width of the
(2)
[0034]
【The invention's effect】
further,
According to the belt fixing device of the second aspect, it is possible to form the high grip portion that is well along the end portion of the fixing belt. In addition, since the mechanical reliability of the fixing belt is improved and the fixing belt can be made thin, the followability of the fixing belt to the unevenness according to the amount of toner forming the image is further improved. As a result, the fixing strength or fixing uniformity is further improved. In addition, since the heat capacity of the fixing belt is reduced, more rapid heating is possible.
According to the belt fixing device of the third aspect, the manufacture of the fixing belt is simplified.
According to the belt fixing device of the fourth aspect, vibrations and speed fluctuations generated by drive transmission at both ends of the fixing belt are extremely reduced, and smooth drive transmission is performed. Further, the stress concentration in the rotating body is reduced, and the durability of the rotating body is improved. Further, the fixing belt is excellent in strength.
Claim5According to the described belt fixing device, it is possible to better regulate the deviation of the fixing belt.
Claim6According to the described belt fixing device, a more stable fixing operation is performed.
Claim7According to the described belt fixing device, it is possible to obtain a stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
Claim8According to the described belt fixing device, it is possible to obtain a more stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
Claim9According to the described belt fixing device, it is possible to obtain a stable fixing operation even though the release oil is applied to the surface of the fixing belt.
[0035]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic side view showing a first embodiment of a belt fixing device according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic perspective view of a main part.
3A and 3B are diagrams showing an end portion of a fixing
4A is an exploded perspective view of an end portion of the fixing belt 110 (the fixing
5A is a partially omitted sectional view of the fixing belt 110 (corresponding to a Va-Va sectional view in FIG. 4A), and FIGS. 5B and 5C are partially enlarged views of FIG. It is.
FIG. 6 is a diagram showing a main part of a second embodiment of a belt fixing device according to the present invention, wherein (a) is a fixing belt 110 (before being stretched between a
7A is a cross-sectional view taken along the line VIIa-VIIa in FIG. 6 and FIG. 7B is a cross-sectional view illustrating a state in which a winding start end G1 and a termination end G2 overlap each other.
FIGS. 8A and 8B are diagrams showing a main part of a belt fixing device according to a third embodiment of the present invention, FIG. 8A is a partial front view of a fixing
FIGS. 9A and 9B are diagrams showing an end portion of a fixing
FIGS. 10A and 10B are views showing a main part of a fifth embodiment of a belt fixing device according to the present invention, FIG. 10A is a partial plan view of a fixing
FIGS. 11A and 11B are diagrams illustrating an end portion of a fixing
FIG. 12 is a view showing a main part in an eighth embodiment of a belt fixing device according to the present invention, and is a cross-sectional view of an end portion of a fixing nip portion (pressure contact portion) N;
FIGS. 13A and 13B are explanatory views of modified examples (a front view of a main part viewed from the
FIG. 14 is an explanatory diagram of a conventional technique.
FIG. 15 is an explanatory diagram of the prior art.
[Explanation of symbols]
S Recording material
100 Fixing device
110 Fixing belt
112 Belt base
112a Central portion in the width direction of the belt base
112b End of belt base
113 Surface
D1 Outer diameter of
G High grip material
D2 Outer diameter of high grip member G
115,116 adhesive layer
120 Pressure roller (rotating body)
145 Guide ring (Regulator)
150 Oil roller (oil application means)
N pressure weld
N1 Central part of pressure weld
N2 end of pressure weld
Claims (9)
前記定着ベルトは、無端状のベルト基体と、このベルト基体の幅方向における中央部の表面に被覆された表層とを備えているとともに、当該定着ベルトの両端部に、その周方向に沿って、高グリップ部材が当該高グリップ部材の外側端部が前記ベルト基体の側端部よりも外方に突出するように,可撓性を有する接着層を介して固着されており、かつ、この高グリップ部材が前記規制部に当接することを特徴とするベルト定着器。A fixing belt to be heated; a rotating body that is pressed against the fixing belt; and a regulating portion that abuts a side end portion of the fixing belt and regulates a deviation of the fixing belt. The fixing belt and the rotating body One of them is driven, the other is driven, and the recording material on which the toner image is formed is passed through the central portion of the pressure contact portion between the fixing belt and the rotating body, and the toner image is heated and melted on the recording material. A fixing device for fixing,
The fixing belt includes an endless belt base and a surface layer coated on the surface of the central portion in the width direction of the belt base, and at both ends of the fixing belt along the circumferential direction. as the high grip member is the outer end of the high grip member projecting outward from the side edge portion of the belt substrate, it is fixed via an adhesive layer having flexibility, and this high grip A belt fixing device in which a member abuts on the restricting portion.
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