JP3656001B2 - プリンタの給紙装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタの給紙装置に係わり、特に、厚さの異なる記録用紙を適正に自動給紙することができるプリンタの給紙装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリ等の出力装置として、熱転写プリンタ等のプリンタが用いられている。
このような従来のプリンタにおいては、複数枚の記録用紙を積層して収納する用紙圧接板を、給紙ローラに弾性付勢するためのコイルバネが前記用紙圧接板の下部に取り付けられている。
そして、給紙ローラに記録用紙を弾性付勢させた状態で、給紙ローラを回転駆動させることにより、最上位の記録用紙から１枚ずつ分離して給紙すると共に、この記録用紙を所定の記録位置に搬送するようになっている。
【０００３】
この場合に、前記記録用紙は、給紙ローラにより給紙された後に、紙送りローラに引き渡されるようになっており、この紙送りローラに引き渡された後は、給紙ローラの駆動を停止して、紙送りローラの駆動のみにより記録用紙の搬送を行うようになっている。
このような、従来の給紙手段においては、記録用紙の種類が異なるもの、例えば厚さの異なる記録用紙を重送等のない高精度の給紙を行おうとすると、記録用紙の厚さに対応して、記録用紙に加わる付勢力を換える必要があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の給紙手段においては、記録用紙の種類が異なる毎に、弾性付勢力が異なるコイルバネに交換することは難しくて、例えば厚さの厚い記録用紙に対応してコイルバネの付勢力を大ききすると、厚さが薄い記録用紙を給紙するときに、重送等が発生しやすくなる問題を有している。
また、厚さが薄い記録用紙に対応してコイルバネの付勢力を小さくすると、厚さが厚い記録用紙を給紙するときに、スリップ等が発生して厚さが厚い記録用紙を精度良く給紙することができなくなるという問題を有している。
本発明は、このような課題を解決して、記録用紙の種類に対応して記録用紙に加わる付勢力を切り換えて、適正な給紙を行うことができるプリンタの給紙装置を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第１の解決手段として本発明にプリンタの給紙装置は、複数枚の記録用紙を積層しこの記録用紙を記録ヘッド側に給紙可能な給紙ローラ側に圧接する用紙圧接板と、前記用紙圧接板を前記給紙ローラ側に弾性付勢する複数のコイルバネと、１個以上の前記コイルバネを伸縮可能とする上下動動作可能な押圧部材とを備え、前記給紙ローラの回転により前記記録用紙を１枚ずつ分離して記録ヘッド側に給紙可能とし、前記記録用紙の厚さ等の種類に対応して、前記押圧部材を上下動操作して前記用紙圧接板に弾性付勢する前記コイルバネの数を増減させることで前記コイルバネによる付勢力を可変し、前記給紙ローラへの前記記録用紙の圧接力を可変するようにしたプリンタの給紙装置であって、
前記コイルバネは外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネから成り、外径寸法の大きい前記第１コイルバネの内側に外形寸法の小さい前記第２コイルバネを位置させ、前記押圧部材には、前記第２コイルバネが挿通する孔を設け、前記押圧部材の前記孔の周辺に前記第１コイルバネを弾接させ、前記押圧部材の上下動操作により前記第１コイルバネを伸縮可能とすると共に、前記第２コイルバネを常に前記用紙圧接板に弾性付勢するような構成とした。
【０００６】
また、上記課題を解決するための第２の解決手段として、前記押圧部材は、この押圧部材を上下動操作可能なレバーを有し、このレバーを自動、あるいは手動で操作して前記押圧部材を上下動させるような構成とした。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のプリンタの給紙装置の１実施の形態を図面を基づいて説明する。図１は本発明のプリンタの給紙装置の要部断面図であり、図２はその動作を説明する要部断面図であり、図３は本発明の給紙装置を用いたプリンタの概略図である。
【００１１】
まず、本発明のプリンタの給紙装置は、図１に示すように、斜め上方に傾斜した側板１ａで覆われた収納部１ｂと、図示水平状に設けられた用紙ガイド部１ｃとがプリンタ（図示せず）側のフレーム１に形成されている。前記側板１ａには後述する弾性部材であるコイルバネ４を保持するためのバネ保持部１ｄが突出形成されている。
前記用紙収納部１ｂには、平板状の用紙圧接板２が後端部の支持部２ａを回動中心として側板１ａと直交する方向に上下動自在に配設されている。この用紙圧接板２の上面には複数枚の記録用紙３が積層されて収納部１ｂに収納されるようになっている。
前記用紙圧接板２の下面側には、後述するコイルバネ４の第２コイルバネ４ｂを保持するためのバネ保持部２ｂが突出形成されている。
【００１２】
前記コイルバネ４は外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネ４ａ、４ｂから成り、外形寸法の大きい第１コイルバネ４ａの内側に外形寸法の小さい第２コイルバネ４ｂを位置させた状態で配設されている。
前記第１コイルバネ４ａは、下端部がフレーム１のバネ保持部１ｄに保持され、上端部が後述する押圧部材５に形成した孔５ｂの周辺に弾性付勢し、この押圧部材５を介して用紙圧接板２を、上方の後述する給紙ローラ７側に圧接可能になっている。
また、第２コイルバネ４ｂは、上端部が用紙圧接板２のバネ保持部２ｂに保持され、下端部がフレーム１のバネ保持部１ｄに保持されて、用紙圧接板２を常に上方の後述する給紙ローラ７側に弾性付勢するようになっている。
【００１３】
前記第１コイルバネ４ａが弾性付勢する押圧部材５は、金属板等から成り、一方側に第１コイルバネ４ａの上端部が弾接する押圧部５ａが平坦状に形成され、この押圧部５ａには第２コイルバネ４ｂが挿通するための孔５ｂが貫通形成されている。
また、押圧部材５の他方側には支持部５ｃが形成され、この支持部５ｃがフレーム１の側板１ｃに回動自在に支持され、一方側の押圧部５ａと他方側の支持部５ｃとを連結する傾斜状の連結部５ｄとにより押圧部材５が構成されている。
この押圧部材５は、支持部５ｃを支点として回動することによって、押圧部５ａが上下動可能になっており、前記第２コイルバネ４ｂを伸縮可能としている。
【００１４】
前記用紙圧接板２の先端部近傍の上面側には、フレーム１の幅方向に延在して、両端部がフレーム１の両側に支持されたローラ駆動軸６が配設されており、このローラ駆動軸６には、ゴム等から成る複数の給紙ローラ７がローラ駆動軸６の軸方向に所定間隔を有して取り付けられている。
このような給紙ローラ７には、コイルバネ４の付勢力で用紙圧接板２が常に圧接され、この給紙ローラ７と用紙圧接板２との間には、用紙圧接板２に積層された記録用紙３が狭持されるようになっている。
【００１５】
前記記録用紙３が狭持された状態で、給紙ローラ７を時計回り方向に回転させると、用紙圧接板２に積層されている最上位の記録用紙３から順番に１枚ずつ分離される。この１枚ずつ分離された最上位の記録用３が矢印Ａ方向に搬送されて、後述する記録ヘッド１１側に給紙されるようになっている。
また、フレーム１の所定位置には、押圧部材５を上下動操作可能なレバ８が回動自在に配設されている。このレバ８は、一端部に自動、あるいは手作業で回動操作可能な操作部８ａと、略中央部に回動支点８ｂと、他端部に押圧部材５の連結部５ｄに当接する動作部８ｃとから構成されている。
【００１６】
このような構成のプリンタの給紙装置の動作を図１、２に基づいて説明すると、給紙ローラ７と用紙圧接板２との間に狭持している複数枚の記録用紙３が、例えばハガキ等から成る厚さが厚い種類の記録用紙３の場合には、レバ８を操作せず、第１と第２のコイルバネ４ａ、４ｂが共に用紙圧接板２に弾性付勢する。
そのために、用紙圧接板２は、ハガキ等の厚さが厚い記録用紙３を大きな圧接力で給紙ローラ７に圧接する事ができる。
この状態で、給紙ローラ７を時計回り方向に回転させると、ハガキ等の厚さが厚い最上位に位置する記録用紙３から順番に、１枚ずつ分離して給紙することができる。
【００１７】
また、用紙圧接板２に積層されている記録用紙３の厚さ等の種類が、例えば薄いコピー用紙等だと、図２に示すように、レバ８を自動、あるいは手動で矢印Ｂ方向に操作すると、回動支点８ｂを支点としてレバ８が時計回り方向に回動し、動作部８ｃが押圧部材５の連結部５ｄを押圧する。
すると、押圧部材５の押圧部５ａが下方側に押し下げられ、図２に示すように、第１コイルバネ４ａを伸縮させて、第１コイルバネ４ａの用紙圧接板２への付勢力を解除して、用紙圧接板２に弾性付勢するコイルバネ４の数を減らすことができる。 即ち、本発明のプリンタの給紙装置は、記録用紙３の厚さ等の種類に対応して、用紙圧接板２に弾性付勢する複数のコイルバネ４の数を増減させて、給紙ローラ７への圧接力を可変するようにしたものである。
【００１８】
前記用紙圧接板２に弾性付勢していた第１コイルバネ４ａの付勢力を解除すると、用紙圧接板２は第２コイルバネ４ｂだけで給紙ローラ７に付勢されて、用紙圧接板２の給紙ローラ７への圧接力を可変する事ができる。
そして、用紙圧接板２に積層されている最上位に位置する厚さが薄い記録用紙３を順序よく１枚ずつ分離して給紙することができる。
即ち、本発明のプリンタの給紙装置は、少なくとも１個以上のコイルバネ４ａを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材５を有し、記録用紙３の厚さ等の種類に対応して、押圧部材５をレバ８で上下動操作して用紙圧接板２に弾性付勢するコイルバネ４の数を増減ささせるようにしたものである。
【００１９】
前述のような本発明のプリンタの給紙装置で給紙ローラ７の用紙搬送方向（矢印Ａ方向）の下流側に給紙された記録用紙３の経路を、図３のプリンタの概略図に基づいて説明すると、給紙ローラ７の用紙搬送方向の下流側近傍のフレーム１には、このフレーム１の幅方向に延在し両端部がフレーム１の両側に支持されたローラ駆動軸９ａを有する紙送りローラ９が配設されている。
この紙送りローラ９の上方には、紙送りローラ９の回転に従動回転される補助ローラ１０が回転自在に配設されている。
【００２０】
更に、フレーム１の紙送りローラ９の用紙搬送方向の下流側には、平板状を有し、フレーム１の幅方向に延在するプラテン１１が配設されており、プラテン１の上方には、図示しない駆動機構によりプラテン１１に沿って往復移動自在とされたキャリッジ１２が配設されている。
このキャリッジ１２の下端部には、複数の発熱素子（図示せず）が整列配列された記録ヘッドであるサーマルヘッド１３が、プラテン１１に対して接離自在に配設されている。また、キャリッジ１２には、内部に所望の色のインクリボンが巻回されたリボンカセット（図示せず）が着脱可能になっている。
そして、プラテン１１とサーマルヘッド１３との間に記録用紙３およびインクリボンが供給された状態で、サーマルヘッド１３をヘッドダウンさせてプラテン１１に対して圧接させ、このヘッドダウン状態において前記複数の発熱素子を適宜発熱させて、所望の画像を印刷できるようになっている。
【００２１】
本発明の実施の形態では、コイルバネ４を外径寸法の異なる第１と第２の２つのコイルバネで説明したが、複数のコイルバネを外径寸法が同じもので形成し（図示せず）、この外径寸法が同じ複数のコイルバネを並べて用紙圧接板２に圧接させるようにし、このコイルバネの少なくとも１個以上のコイルバネを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材５を有するようにしたものでも良い。
また、本発明は、熱転写プリンタに限定されるものではなく、インクジェットプリンタ等のその他のプリンタに適用したものでもよい。
【００２２】
【発明の効果】
本発明のプリンタの給紙装置は、記録用紙の厚さ等の種類に対応して、弾性部材の付勢力を可変し、給紙ローラへの記録用紙の圧接力を可変するようにしたので、例えば記録用紙の厚さの種類が異なっても、重送等のない適正な給紙を行うことができる、高性能なプリンタの給紙装置を提供することができる。
【００２３】
また、弾性部材は複数のコイルバネから成り、記録用紙の種類に対応して、用紙圧接板に弾性付勢するコイルバネの数を増減させて、給紙ローラへの記録用紙の圧接力を可変するようにしたので、記録用紙の厚さ等の種類が異なっても、重送等のない適正な給紙を行うことができる。
【００２４】
また、少なくとも１個以上の前記コイルバネを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材を有し、記録用紙の種類に対応して、押圧部材を上下動操作して用紙圧接板に弾性付勢するコイルバネの数を増減させることができ、構造の簡単なプリンタの給紙装置を提供できる。
【００２５】
また、コイルバネは外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネから成り、外径寸法の大きい第１コイルバネの内側に外形寸法の小さい第２コイルバネを位置させ、押圧部材には、第２コイルバネが挿通する孔を設け、押圧部材の孔の周辺に第１コイルバネを弾接させ、押圧部材の上下動操作により第１コイルバネを伸縮可能とすると共に、第２コイルバネを常に用紙圧接板に弾性付勢するようにしたので、コイルバネを取り付けるためのスペースを小さくすることができ、小型のプリンタの給紙装置を提供できる。
【００２６】
また、押圧部材は、この押圧部材を上下動操作可能なレバーを有し、このレバーを自動、あるいは手動で操作して押圧部材を上下動させるようにしたので、操作性のよいプリンタの給紙装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のプリンタの給紙装置の要部断面図である。
【図２】本発明のプリンタの給紙装置の動作を説明する要部断面図である。
【図３】本発明に係わるプリンタを説明する概略図である。
【符号の説明】
１ フレーム
１ａ 収納部
１ｂ 用紙ガイド部
１ｃ 側板
１ｄ バネ保持部
２ 用紙圧接板
３ 記録用紙
４ コイルバネ
４ａ第１コイルバネ
４ｂ 第２コイルバネ
５ 押圧部材
５ａ 押圧部
５ｂ 孔
５ｃ 支持部
５ｄ 連結部
６ ローラ駆動軸
７ 給紙ローラ
８ レバー
８ａ 操作部
８ｂ 回動支点
８ｃ 動作作部
９ 給紙ローラ
１０ 圧接ローラ
１１ プラテン
１２ キャリッジ
１３ 記録ヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタの給紙装置に係わり、特に、厚さの異なる記録用紙を適正に自動給紙することができるプリンタの給紙装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ、ワードプロセッサ、ファクシミリ等の出力装置として、熱転写プリンタ等のプリンタが用いられている。
このような従来のプリンタにおいては、複数枚の記録用紙を積層して収納する用紙圧接板を、給紙ローラに弾性付勢するためのコイルバネが前記用紙圧接板の下部に取り付けられている。
そして、給紙ローラに記録用紙を弾性付勢させた状態で、給紙ローラを回転駆動させることにより、最上位の記録用紙から１枚ずつ分離して給紙すると共に、この記録用紙を所定の記録位置に搬送するようになっている。
【０００３】
この場合に、前記記録用紙は、給紙ローラにより給紙された後に、紙送りローラに引き渡されるようになっており、この紙送りローラに引き渡された後は、給紙ローラの駆動を停止して、紙送りローラの駆動のみにより記録用紙の搬送を行うようになっている。
このような、従来の給紙手段においては、記録用紙の種類が異なるもの、例えば厚さの異なる記録用紙を重送等のない高精度の給紙を行おうとすると、記録用紙の厚さに対応して、記録用紙に加わる付勢力を換える必要があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の給紙手段においては、記録用紙の種類が異なる毎に、弾性付勢力が異なるコイルバネに交換することは難しくて、例えば厚さの厚い記録用紙に対応してコイルバネの付勢力を大ききすると、厚さが薄い記録用紙を給紙するときに、重送等が発生しやすくなる問題を有している。
また、厚さが薄い記録用紙に対応してコイルバネの付勢力を小さくすると、厚さが厚い記録用紙を給紙するときに、スリップ等が発生して厚さが厚い記録用紙を精度良く給紙することができなくなるという問題を有している。
本発明は、このような課題を解決して、記録用紙の種類に対応して記録用紙に加わる付勢力を切り換えて、適正な給紙を行うことができるプリンタの給紙装置を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第１の解決手段として本発明にプリンタの給紙装置は、複数枚の記録用紙を積層しこの記録用紙を記録ヘッド側に給紙可能な給紙ローラ側に圧接する用紙圧接板と、前記用紙圧接板を前記給紙ローラ側に弾性付勢する複数のコイルバネと、１個以上の前記コイルバネを伸縮可能とする上下動動作可能な押圧部材とを備え、前記給紙ローラの回転により前記記録用紙を１枚ずつ分離して記録ヘッド側に給紙可能とし、前記記録用紙の厚さ等の種類に対応して、前記押圧部材を上下動操作して前記用紙圧接板に弾性付勢する前記コイルバネの数を増減させることで前記コイルバネによる付勢力を可変し、前記給紙ローラへの前記記録用紙の圧接力を可変するようにしたプリンタの給紙装置であって、
前記コイルバネは外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネから成り、外径寸法の大きい前記第１コイルバネの内側に外形寸法の小さい前記第２コイルバネを位置させ、前記押圧部材には、前記第２コイルバネが挿通する孔を設け、前記押圧部材の前記孔の周辺に前記第１コイルバネを弾接させ、前記押圧部材の上下動操作により前記第１コイルバネを伸縮可能とすると共に、前記第２コイルバネを常に前記用紙圧接板に弾性付勢するような構成とした。
【０００６】
また、上記課題を解決するための第２の解決手段として、前記押圧部材は、この押圧部材を上下動操作可能なレバーを有し、このレバーを自動、あるいは手動で操作して前記押圧部材を上下動させるような構成とした。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のプリンタの給紙装置の１実施の形態を図面を基づいて説明する。図１は本発明のプリンタの給紙装置の要部断面図であり、図２はその動作を説明する要部断面図であり、図３は本発明の給紙装置を用いたプリンタの概略図である。
【００１１】
まず、本発明のプリンタの給紙装置は、図１に示すように、斜め上方に傾斜した側板１ａで覆われた収納部１ｂと、図示水平状に設けられた用紙ガイド部１ｃとがプリンタ（図示せず）側のフレーム１に形成されている。前記側板１ａには後述する弾性部材であるコイルバネ４を保持するためのバネ保持部１ｄが突出形成されている。
前記用紙収納部１ｂには、平板状の用紙圧接板２が後端部の支持部２ａを回動中心として側板１ａと直交する方向に上下動自在に配設されている。この用紙圧接板２の上面には複数枚の記録用紙３が積層されて収納部１ｂに収納されるようになっている。
前記用紙圧接板２の下面側には、後述するコイルバネ４の第２コイルバネ４ｂを保持するためのバネ保持部２ｂが突出形成されている。
【００１２】
前記コイルバネ４は外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネ４ａ、４ｂから成り、外形寸法の大きい第１コイルバネ４ａの内側に外形寸法の小さい第２コイルバネ４ｂを位置させた状態で配設されている。
前記第１コイルバネ４ａは、下端部がフレーム１のバネ保持部１ｄに保持され、上端部が後述する押圧部材５に形成した孔５ｂの周辺に弾性付勢し、この押圧部材５を介して用紙圧接板２を、上方の後述する給紙ローラ７側に圧接可能になっている。
また、第２コイルバネ４ｂは、上端部が用紙圧接板２のバネ保持部２ｂに保持され、下端部がフレーム１のバネ保持部１ｄに保持されて、用紙圧接板２を常に上方の後述する給紙ローラ７側に弾性付勢するようになっている。
【００１３】
前記第１コイルバネ４ａが弾性付勢する押圧部材５は、金属板等から成り、一方側に第１コイルバネ４ａの上端部が弾接する押圧部５ａが平坦状に形成され、この押圧部５ａには第２コイルバネ４ｂが挿通するための孔５ｂが貫通形成されている。
また、押圧部材５の他方側には支持部５ｃが形成され、この支持部５ｃがフレーム１の側板１ｃに回動自在に支持され、一方側の押圧部５ａと他方側の支持部５ｃとを連結する傾斜状の連結部５ｄとにより押圧部材５が構成されている。
この押圧部材５は、支持部５ｃを支点として回動することによって、押圧部５ａが上下動可能になっており、前記第２コイルバネ４ｂを伸縮可能としている。
【００１４】
前記用紙圧接板２の先端部近傍の上面側には、フレーム１の幅方向に延在して、両端部がフレーム１の両側に支持されたローラ駆動軸６が配設されており、このローラ駆動軸６には、ゴム等から成る複数の給紙ローラ７がローラ駆動軸６の軸方向に所定間隔を有して取り付けられている。
このような給紙ローラ７には、コイルバネ４の付勢力で用紙圧接板２が常に圧接され、この給紙ローラ７と用紙圧接板２との間には、用紙圧接板２に積層された記録用紙３が狭持されるようになっている。
【００１５】
前記記録用紙３が狭持された状態で、給紙ローラ７を時計回り方向に回転させると、用紙圧接板２に積層されている最上位の記録用紙３から順番に１枚ずつ分離される。この１枚ずつ分離された最上位の記録用３が矢印Ａ方向に搬送されて、後述する記録ヘッド１１側に給紙されるようになっている。
また、フレーム１の所定位置には、押圧部材５を上下動操作可能なレバ８が回動自在に配設されている。このレバ８は、一端部に自動、あるいは手作業で回動操作可能な操作部８ａと、略中央部に回動支点８ｂと、他端部に押圧部材５の連結部５ｄに当接する動作部８ｃとから構成されている。
【００１６】
このような構成のプリンタの給紙装置の動作を図１、２に基づいて説明すると、給紙ローラ７と用紙圧接板２との間に狭持している複数枚の記録用紙３が、例えばハガキ等から成る厚さが厚い種類の記録用紙３の場合には、レバ８を操作せず、第１と第２のコイルバネ４ａ、４ｂが共に用紙圧接板２に弾性付勢する。
そのために、用紙圧接板２は、ハガキ等の厚さが厚い記録用紙３を大きな圧接力で給紙ローラ７に圧接する事ができる。
この状態で、給紙ローラ７を時計回り方向に回転させると、ハガキ等の厚さが厚い最上位に位置する記録用紙３から順番に、１枚ずつ分離して給紙することができる。
【００１７】
また、用紙圧接板２に積層されている記録用紙３の厚さ等の種類が、例えば薄いコピー用紙等だと、図２に示すように、レバ８を自動、あるいは手動で矢印Ｂ方向に操作すると、回動支点８ｂを支点としてレバ８が時計回り方向に回動し、動作部８ｃが押圧部材５の連結部５ｄを押圧する。
すると、押圧部材５の押圧部５ａが下方側に押し下げられ、図２に示すように、第１コイルバネ４ａを伸縮させて、第１コイルバネ４ａの用紙圧接板２への付勢力を解除して、用紙圧接板２に弾性付勢するコイルバネ４の数を減らすことができる。 即ち、本発明のプリンタの給紙装置は、記録用紙３の厚さ等の種類に対応して、用紙圧接板２に弾性付勢する複数のコイルバネ４の数を増減させて、給紙ローラ７への圧接力を可変するようにしたものである。
【００１８】
前記用紙圧接板２に弾性付勢していた第１コイルバネ４ａの付勢力を解除すると、用紙圧接板２は第２コイルバネ４ｂだけで給紙ローラ７に付勢されて、用紙圧接板２の給紙ローラ７への圧接力を可変する事ができる。
そして、用紙圧接板２に積層されている最上位に位置する厚さが薄い記録用紙３を順序よく１枚ずつ分離して給紙することができる。
即ち、本発明のプリンタの給紙装置は、少なくとも１個以上のコイルバネ４ａを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材５を有し、記録用紙３の厚さ等の種類に対応して、押圧部材５をレバ８で上下動操作して用紙圧接板２に弾性付勢するコイルバネ４の数を増減ささせるようにしたものである。
【００１９】
前述のような本発明のプリンタの給紙装置で給紙ローラ７の用紙搬送方向（矢印Ａ方向）の下流側に給紙された記録用紙３の経路を、図３のプリンタの概略図に基づいて説明すると、給紙ローラ７の用紙搬送方向の下流側近傍のフレーム１には、このフレーム１の幅方向に延在し両端部がフレーム１の両側に支持されたローラ駆動軸９ａを有する紙送りローラ９が配設されている。
この紙送りローラ９の上方には、紙送りローラ９の回転に従動回転される補助ローラ１０が回転自在に配設されている。
【００２０】
更に、フレーム１の紙送りローラ９の用紙搬送方向の下流側には、平板状を有し、フレーム１の幅方向に延在するプラテン１１が配設されており、プラテン１の上方には、図示しない駆動機構によりプラテン１１に沿って往復移動自在とされたキャリッジ１２が配設されている。
このキャリッジ１２の下端部には、複数の発熱素子（図示せず）が整列配列された記録ヘッドであるサーマルヘッド１３が、プラテン１１に対して接離自在に配設されている。また、キャリッジ１２には、内部に所望の色のインクリボンが巻回されたリボンカセット（図示せず）が着脱可能になっている。
そして、プラテン１１とサーマルヘッド１３との間に記録用紙３およびインクリボンが供給された状態で、サーマルヘッド１３をヘッドダウンさせてプラテン１１に対して圧接させ、このヘッドダウン状態において前記複数の発熱素子を適宜発熱させて、所望の画像を印刷できるようになっている。
【００２１】
本発明の実施の形態では、コイルバネ４を外径寸法の異なる第１と第２の２つのコイルバネで説明したが、複数のコイルバネを外径寸法が同じもので形成し（図示せず）、この外径寸法が同じ複数のコイルバネを並べて用紙圧接板２に圧接させるようにし、このコイルバネの少なくとも１個以上のコイルバネを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材５を有するようにしたものでも良い。
また、本発明は、熱転写プリンタに限定されるものではなく、インクジェットプリンタ等のその他のプリンタに適用したものでもよい。
【００２２】
【発明の効果】
本発明のプリンタの給紙装置は、記録用紙の厚さ等の種類に対応して、弾性部材の付勢力を可変し、給紙ローラへの記録用紙の圧接力を可変するようにしたので、例えば記録用紙の厚さの種類が異なっても、重送等のない適正な給紙を行うことができる、高性能なプリンタの給紙装置を提供することができる。
【００２３】
また、弾性部材は複数のコイルバネから成り、記録用紙の種類に対応して、用紙圧接板に弾性付勢するコイルバネの数を増減させて、給紙ローラへの記録用紙の圧接力を可変するようにしたので、記録用紙の厚さ等の種類が異なっても、重送等のない適正な給紙を行うことができる。
【００２４】
また、少なくとも１個以上の前記コイルバネを伸縮可能とする上下動操作可能な押圧部材を有し、記録用紙の種類に対応して、押圧部材を上下動操作して用紙圧接板に弾性付勢するコイルバネの数を増減させることができ、構造の簡単なプリンタの給紙装置を提供できる。
【００２５】
また、コイルバネは外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネから成り、外径寸法の大きい第１コイルバネの内側に外形寸法の小さい第２コイルバネを位置させ、押圧部材には、第２コイルバネが挿通する孔を設け、押圧部材の孔の周辺に第１コイルバネを弾接させ、押圧部材の上下動操作により第１コイルバネを伸縮可能とすると共に、第２コイルバネを常に用紙圧接板に弾性付勢するようにしたので、コイルバネを取り付けるためのスペースを小さくすることができ、小型のプリンタの給紙装置を提供できる。
【００２６】
また、押圧部材は、この押圧部材を上下動操作可能なレバーを有し、このレバーを自動、あるいは手動で操作して押圧部材を上下動させるようにしたので、操作性のよいプリンタの給紙装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のプリンタの給紙装置の要部断面図である。
【図２】本発明のプリンタの給紙装置の動作を説明する要部断面図である。
【図３】本発明に係わるプリンタを説明する概略図である。
【符号の説明】
１ フレーム
１ａ 収納部
１ｂ 用紙ガイド部
１ｃ 側板
１ｄ バネ保持部
２ 用紙圧接板
３ 記録用紙
４ コイルバネ
４ａ第１コイルバネ
４ｂ 第２コイルバネ
５ 押圧部材
５ａ 押圧部
５ｂ 孔
５ｃ 支持部
５ｄ 連結部
６ ローラ駆動軸
７ 給紙ローラ
８ レバー
８ａ 操作部
８ｂ 回動支点
８ｃ 動作作部
９ 給紙ローラ
１０ 圧接ローラ
１１ プラテン
１２ キャリッジ
１３ 記録ヘッド
Claims (2)
- 複数枚の記録用紙を積層しこの記録用紙を記録ヘッド側に給紙可能な給紙ローラ側に圧接する用紙圧接板と、前記用紙圧接板を前記給紙ローラ側に弾性付勢する複数のコイルバネと、１個以上の前記コイルバネを伸縮可能とする上下動動作可能な押圧部材とを備え、前記給紙ローラの回転により前記記録用紙を１枚ずつ分離して記録ヘッド側に給紙可能とし、前記記録用紙の厚さ等の種類に対応して、前記押圧部材を上下動操作して前記用紙圧接板に弾性付勢する前記コイルバネの数を増減させることで前記コイルバネによる付勢力を可変し、前記給紙ローラへの前記記録用紙の圧接力を可変するようにしたプリンタの給紙装置であって、
前記コイルバネは外径寸法の異なる第１と第２のコイルバネから成り、外径寸法の大きい前記第１コイルバネの内側に外形寸法の小さい前記第２コイルバネを位置させ、前記押圧部材には、前記第２コイルバネが挿通する孔を設け、前記押圧部材の前記孔の周辺に前記第１コイルバネを弾接させ、前記押圧部材の上下動操作により前記第１コイルバネを伸縮可能とすると共に、前記第２コイルバネを常に前記用紙圧接板に弾性付勢するようにしたことを特徴とするプリンタの給紙装置。 - 前記押圧部材は、この押圧部材を上下動操作可能なレバーを有し、このレバーを自動、あるいは手動で操作して前記押圧部材を上下動させるようにしたことを特徴とする請求項１記載のプリンタの給紙装置。
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