JP3654058B2 - Battery inspection device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定個数の電池群が複数直列に接続された組電池を有し、エンジンにより駆動される発電機により電池の充電状態を制御するハイブリッド車において、電池の微短絡などの異常を検出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンと電気モータとを組み合わせて動力源として用いるハイブリッド車両が普及しつつある。ハイブリッド車両では、例えば低速走行時や高負荷時などのエンジン効率が低い領域ではモータでエンジンを補助することにより駆動系全体でのエネルギー効率を高めている。モータの電源には、例えばニッケル水素(Ni-MH)電池などの2次電池が用いられる。2次電池への充電は、例えば減速・制動時などの回生発電などにより充電が行われ、商用電力からの充電作業を基本的に不要にしている。
【0003】
ハイブリッド車両では、2次電池が充電状態が高すぎる(100%に近い)と過充電を避けるために回生発電などによる発生電力を捨てなければならず、逆に充電状態が低すぎる(0%に近い)と発進時などに十分なモータ駆動を行うことができないので、このようなことを避けるために常に2次電池の充電状態を監視し、適正値から大きく外れないように制御している。この制御は、電池特性に応じて予めSOCの上限値と下限値を定め、SOCが例えばこれら上限値と下限値の中央値付近になるように充電・放電の指示を出すことにより実現している。
【0004】
ハイブリッド車両の2次電池は、300V近い高い電圧の出力を得るため、1.2V程度のセル(単電池)を多数直列接続した組電池として構成することが一般的である。例えば、従来のあるハイブリッド車両の組電池は、ニッケル水素電池のセルを5、6個を直列接続して1つのモジュール電池を構成し、このモジュール電池を2個直列接続して1つの電池ブロックを構成し、この電池ブロックを例えば18個直列接続した組電池として構成されている。
【0005】
ハイブリッド車両の電源電池の異常の一つに微短絡がある。微短絡とは、モジュール電池内の隣接するセル間にて、わずかな液漏れなどによって自己放電が生じ、この結果無放電状態でもセルの端子電圧が徐々に低下する現象である。微短絡が生じると、SOC制御において、セルの自己放電によるエネルギー損失の分だけ余計に充電を行うことになり、燃費向上というハイブリッド車両の大目的に反することになる。また、微短絡は、電池の過熱などの問題も引き起こす。また、微短絡以外でも、過放電などの繰り返しが起こると電解液喪失などの故障が生じてしまう。適切な運用のためには、このような微短絡等の故障を素早く検知して電池交換などの対策を講じる必要がある。
【0006】
電池に微短絡などの故障が起こると、一般に電池の端子電圧が異常に低下するので、原理的には個々のセルの端子電圧を監視することにより故障を検知することができる。しかしながら、ハイブリッド車両に搭載される組電池のセル数は200個を超えており、これらすべてのセルの端子電圧を監視するのは、回路規模が莫大なものになりコスト面からみて現実的ではない。そこで、従来は、直列接続された各電池ブロックごとにその端子電圧を検出し、それら各端子電圧を相互に比較することにより異常を検出していた。
【0007】
図5は、従来の組電池の電圧検出回路の一例であり、この例では、メインバッテリ100は、複数の電池ブロック110−1から110−nが直列接続されて構成されている。各電池ブロック110は、それぞれニッケル水素電池6セルを直列接続したモジュール電池を2モジュール直列接続して構成されている。各電池ブロック110−1から110−nの両極端子は、順番に電池ECU200の端子電圧検出器210−1から210−nの端子に接続される。端子電圧検出器210−i(iは整数)は、電池ブロック110−iの端子電圧を出力する。判定部220は、各端子電圧検出器210の出力を受け取り、その出力同士を比較して異常判定を行う。この従来回路では、各端子電圧検出器210の出力端子電圧のうちの最小値が、他のすべての端子電圧と1.2V以上の差となったときに異常と判定していた。この判定ルーチンは、基本的に車両が走行可能状態にある間一定時間ごとなどに定期的に実行していた。
【0008】
この異常判定のしきい値1.2Vは、各種の誤差を見込んで決められている。すなわち、電池ブロック110が正常な場合でも、電池や検出器などの誤差で端子電圧の検出値にある程度のばらつきが生じうるので、従来はそのような正常範囲内で考え得るばらつき(誤差)の上限を判定しきい値とし、電池ブロック110の端子電圧がそのしきい値を超えて初めて異常と判定していた。この誤差には、個々の電池ブロック110のばらつきによる誤差、各端子電圧検出器210の特性のばらつきによる誤差、などが含まれる。例えば、電池ブロック110は個々に特性が微妙に違うため、個々の電池ブロックが正常であっても充放電を繰り返すうちに各々の端子電圧はある程度ばらばらになる。従来、この電池ブロック自体の端子電圧の誤差として0.7Vを見込んでいた。これは、充電、放電の両方の場合を考慮した値である。また、検出器210にも製造誤差などにより特性にばらつきがでる。従来、この検出器誤差として、0.4Vを見込んでいた。これら電池ブロック誤差、検出器誤差に更に0.1Vの余裕を見込んで定めたのが、従来の1.2Vの異常判定しきい値であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
電池の端子電圧の検出値は、充放電状態(充電、放電のいずれであるか)、SOC(充電状態)、温度その他の環境状態などによって変わってくる。上述のしきい値1.2Vは、このような起こりうる様々な状態における誤差を考慮して定めた値であった。したがって、実際には微短絡などの故障が起こっていても、それが誤差範囲に埋もれる程度の範囲にある間はその故障が検出できず、その結果故障検出に遅れが出る可能性があった。また、別の見方をすれば、従来の微短絡等の異常判定は、様々な誤差を考慮に入れていたため精度があまりよくなかったと言える。
【0010】
また、従来は、2個のモジュール電池を1電池ブロックとし、この1電池ブロックに対して1個の端子電圧検出器210を設けて端子電圧の異常を検出していたので、合計36個のモジュール電池(すなわち216セル)に対して18個の端子電圧検出器210が必要であった。電池ECU200のコストを下げるには、端子電圧検出器210やその付属回路の数を減らすことが一つの方法であるが、そのためには例えば1電池ブロックを3モジュールにするなど、ブロック当たりのモジュール数を増やすことになる。しかしながら、このように1ブロック当たりのモジュール数を単純に増やしただけでは、従来と同等の判定精度が確保できない。すなわち、例えば、2モジュール1ブロックにつき端子電圧検出器1個という従来構成を、3モジュール1ブロックにつき端子電圧検出器1個という構成に変えると、1セルが微短絡を起こしたときの電圧降下が電池ブロック全体の電圧降下に寄与する割合が2/3になるので、従来と同じ1ブロック当たり1.2Vの誤差を見込んでいたのでは、微短絡がその誤差に埋もれて検出できなくなる可能性がある。従来と同等の精度で微短絡等の異常を検出するには、検出系全体の誤差(ばらつき)を改善する必要がある。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ハイブリッド車両における微短絡などの組電池の一部に起因する異常の検出精度を高めることを目的とし、ひいてはそのために必要となる端子電圧検出器の数を減らして異常検出のための回路規模を小さくすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る電池検査装置は、ハイブリッド車両に搭載された組電池の異常を検出する電池検査装置であって、前記ハイブリッド車両が停車状態にあるか否かを判定する停車判定手段と、前記組電池に対して所定の充電電流での充電を指示する手段と、この所定充電電流での充電状態において、前記組電池を構成する各電池ブロックの端子電圧を検出し、この検出結果に基づき組電池の異常有無の判定を行う異常判定手段とを有し、前記異常判定手段は、前記停車判定手段で停車状態と判定された場合に、前記組電池を構成する各電池ブロックの端子電圧を検出し、この検出結果に基づき組電池の異常有無の判定を行うことを特徴とする。この構成において、所定の大きさの電流で充電している状態では、すべての電池ブロックに流れる内部電流の値が等しくなるため、各電池ブロックの端子電圧のばらつき(誤差)が小さくなり、異常検出の精度が向上する。
【0013】
またこの発明では、停車状態という電池の充放電が行われる可能性の低い環境で、各電池ブロックの端子電圧を調べ、微短絡等の異常判定を行うので、電池ブロックの端子電圧のばらつきが従来の判定の場合より小さくなり、判定誤差が改善される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る電圧検査装置の概略構成を示す図である。図において、メインバッテリ10は、ハイブリッド車両の駆動モータその他に電力を供給する主たる電池である。このメインバッテリ10は、m個の電池ブロック12−1〜12−mを直列に接続した組電池として構成される。各電池ブロック12は、3個のモジュール電池を直列接続して1つのパッケージに収容したものであり、それら各モジュール電池は1.2Vのニッケル水素電池セルを例えば6個直列接続して1パッケージとしたものである。図5に示した従来のメインバッテリ110との相違は、1つの電池ブロックを構成するモジュール数を3個に増やした点であり、これにより(メインバッテリ全体の端子電圧を変えなければ)電池ブロック12の数が従来構成の2/3になっている。
【0019】
電池ECU20は、メインバッテリ10のSOC(充電状態:ステート・オブ・チャージ)が適切な値になるように充放電等の制御を行うとともに、メインバッテリ10の温度や電圧などを監視し、異常を検出した場合には充放電の制限や停止、警報出力などの動作を行う。本実施形態では、電池ECU20のこれら諸機能のうち、微短絡等による電池ブロック12の電圧異常を検査する機能に注目しているので、図1及び以下の説明では、その機能を実現する構成に焦点を当てて説明する。
【0020】
電池ECU20には、電池ブロック12と同数のm個の端子電圧検出器22−1〜22−mが設けられる。各端子電圧検出器22−i(iは1〜mの整数)はオペアンプを含み、それぞれ電池ブロック10−iの両極端子の電圧の差分、すなわち当該電池ブロックの端子電圧に応じた信号を出力する。本実施形態では、電池ブロック数が従来構成の2/3になったのに応じ、端子電圧検出器22の数も従来の2/3に低減している。各端子電圧検出器22−iの出力信号(端子電圧)は、判定部24に入力される。
【0021】
判定部24は、入力されたm個の各電池ブロック12の端子電圧の信号をA/D変換し、これらを比較して、微短絡等で電圧が異常に低下した電池ブロック12がないかを検査する。
【0022】
不揮発性メモリ30は、各端子電圧検出器22のオフセット値を記憶している。オフセット値は、端子電圧検出器22の出力の正しい電圧値からのずれであり、端子電圧検出器22のオペアンプや周辺の抵抗などの製造誤差等に起因する。このオフセット値は、工場出荷時等の検査時に求めておく。すなわち、検査時に各端子電圧検出器22に一定の電圧を印加し、そのときに各検出器22の出力値と真値との誤差を求め、これをオフセット値として不揮発性メモリ30に記憶しておく。なお、不揮発性メモリ30は、電池ECU20専用のものであってもよいし、他のECU(ハイブリッドECUなど)と共用のものを用いてもよい。
【0023】
次に、本実施形態における微短絡等の電池異常の検出手順を説明する。なお、以下に説明する手順は、微短絡など一部のセルの異常に起因する電池の電圧低下を検出するためのものであり、電池ブロックの電極がグラウンド(GND)に短絡するなどという大短絡を検出するためのものではない。大短絡の場合、その電池ブロックの電圧がほぼ0Vになるので容易に検出することができ(微短絡の場合0Vまで下がることはない)、この大短絡の検査ルーチンは別途実行されており、ここでは触れない。
【0024】
本実施形態の判定部24が実行する異常検査ルーチンは、2つのフェーズから構成される。第1のフェーズは、現在の環境・状態が微短絡等の電圧異常の判定に適したものであるかを判断するフェーズであり、第2のフェーズは各端子電圧検出器22で求められた各電池ブロック12の端子電圧の情報に基づき、いずれかの電池ブロック12で微短絡等が起こっているか否かを判断するフェーズである。本実施形態では、第1フェーズで現在の環境が判定に適したものであると確認された場合にのみ、第2フェーズでの判定処理を行う。
【0025】
図2は、異常検査ルーチンの第1フェーズの手順を示す図である。この第1フェーズでは、まずメインバッテリ10のSOCが20〜80(満充電の20〜80%の範囲)にあるか否かが判定される(S10)。SOCは、電池ECU20が常に検出・算出している。SOCの算出機構は従来より公知のものなので、ここでは説明を省略する。20≦SOC≦80の領域は、ニッケル水素電池の電圧が安定化する領域として知られている。
【0026】
図4は、環境温度摂氏25度の状態における、ニッケル水素電池の電池ブロック12の端子電圧のSOCに対する変化を示す図である。このグラフは、実験により求めたものである。各点に示した数値は端子電圧の値であり、括弧内の数値は従来における2モジュール1ブロック構成の場合の端子電圧である。この図に示すように、ニッケル水素電池では、充電状態SOCが20から80に変わったとしても電池ブロック12(3モジュール)の端子電圧は0.4V程度しか変化しない。なお、この図では省略しているが、SOCが20以下及び80以上の領域では、端子電圧は急激に減少(20以下)あるいは上昇(80以上)する。
【0027】
このようにS10では、現在のSOCが、電池の電圧が安定する(ほぼ一定となる)領域であるか否かを判定している。ニッケル水素電池の場合、この領域は20≦SOC≦80であったが、電池の種類が変わればそれに合わせてこの領域の範囲を変える必要がある。この判定で、SOCが電池電圧が安定する領域にある(判定結果Y)と判定されれば、各電池ブロック12同士の端子電圧の差はそれほど大きくないと考えられるので、微短絡等による電圧異常が見つけやすい環境と判断できる。
【0028】
逆にS10の判定結果が否定(N)の場合、SOCは、各電池ブロック12の端子電圧が急激に上昇または下降する領域にある。このような領域では、電池ブロック自体が正常でもその端子電圧同士の差は大きくなりがちなので、仮に微短絡等が起こっていたとしても、正常な範囲での電圧低下と区別しがたい。そこで、本実施形態では、そのような場合には異常判定を行わないようにするため、判定可否フラグを“0”にセットする(S19)。なお、判定可否フラグとは、端子電圧に基づく異常判定処理を有効化するか否かを示すフラグであり、判定部24が管理している。異常判定処理は、判定可否フラグの値が“1”のときに有効化され、“0”のときには無効化される。
【0029】
S10の判定が肯定(Y)の場合、次に判定部24は、現在ハイブリッド車両が停車状態であるか否かを判定する(S12)。ここでいう「停車状態」は、単に車両が停止しているだけでなく、更にメインバッテリ10の充放電が行われていないと判断できる状態のことである。「停止状態」の判定は、(1)車両が走行可能状態(READY ON)である、(2)パーキングブレーキがセットされている(PARKING ON)、(3)エンジン回転数がほぼ0である、の3条件により行う。これら3条件がすべて満たされたとき、「停止状態」であると判定する。条件(1)の走行可能状態とは、メインバッテリ10の電力の車両各部への供給・遮断を切り換えるSMR(システム・メイン・リレー)がON(接続状態)となっている状態である。したがって、条件(1)が満たされていれば、車両は、電力を各部に供給して様々な制御動作を行うことができる状態にある。条件(2)が満足されていれば、現在車両が停止しており、すぐには発進しないと判断できる。したがってこの場合、メインバッテリ10は基本的に放電していないものと想定できる。条件(3)が満足されれば、現在エンジンが停止していると判断でき、メインバッテリ10に対する充電が行われていないと想定できる。これら3つの条件が満たされれば、現在メインバッテリ10の充放電が行われておらず、しかもすぐには充放電が行われない(走行など充放電が始まる原因がない)と想定できる。このような状態では、メインバッテリ10の各電池の端子電圧が通常の走行時などよりも安定するので、端子電圧の誤差要因が低減される。また、後述するように本実施形態では、判定部24の指示でメインバッテリ10に一定電流での充電を行い、この状態で電池電圧の異常判定を行うようにしている(図3のS24、S26)が、このように(判定部24からの指示を除き)充放電の要因がない状態であれば、そのような一定電流での充電状態の実現が容易となるという利点もある。したがって、S12の判定結果が否定(N)の場合は判定可否フラグを“0”にセットし(S19)、肯定(Y)の場合は次のS14に進む。例えば、出勤時などに車両を始動した際や、長い信号待ちなどでパーキングブレーキをかけた場合に、このS12の判定結果が肯定(Y)となる。なお、このS12では、更にエアコンディショナーその他の動作状態を検査して、バッテリの放電のないことを確認するようにしてもよい。
【0030】
S14では、メインバッテリ10周辺の環境温度t0と各電池ブロック12個々の温度ti(iは1〜m)とを求め、「t0及び全tiが摂氏0度以上40度以下」という条件が満たされるかどうかを判定する。これら各種温度t0、tiは従来のバッテリ制御でも用いられていたデータであり、そのための温度センサは既に設けられているので、本実施形態のために新たに温度センサを設ける必要はない。この条件が満足されなければ(判定結果N)、バッテリ電圧が安定せず、個々の電池ブロック12の電圧が大幅にずれることもあり得るので、判定可否フラグを“0”にセットする(S19)。
【0031】
S14の判定結果が肯定(Y)の場合、過去10秒間のバッテリ環境温度t0の変化幅Δt0が3度以内であるかを判定する(S16)。この判定結果が否定(N)の場合、バッテリ環境温度の変化が激しいということであり、メインバッテリの端子電圧の安定性が保証できない(すなわち正常な電池ブロックでも端子電圧が大きく上昇または低下している可能性がある)ので、判定可否フラグを“0”にセットする(S19)。
【0032】
このようにして、S10〜S16の4つの条件判定がすべて(Y)となると、充放電が行われておらず各電池ブロック12の端子電圧が安定していると見なせ、各電池ブロック12の端子電圧のばらつき(誤差)が少ないと想定できる。本実施形態では、このような状態であると判定できたときに、判定可否フラグを“1”にセットする(S18)。なお、S10〜S14の判定の順序は任意であり、図示例はあくまで一例である。
【0033】
このようにして判定可否フラグのセットが終わると第1フェーズが終了し、次に第2フェーズに移る。ただし、本実施形態では、可否判定フラグが“1”の場合のみ次の第2フェーズの処理に移るものとし、フラグが“0”の場合は、S19で処理を中止する。この第1フェーズの処理は、車両の電源がON状態にある間、一定時間間隔ごとに定期的に行われる。
【0034】
次に、第2フェーズについて図3を参照して説明する。第2フェーズでは、まず判定部24は、不揮発性メモリ30から各端子電圧検出器22のオフセット値を読み出し(S20)、このオフセット値により各々対応する端子電圧検出器22の出力電圧値を補正する。この結果得られた補正値は、端子電圧検出器22の製造誤差等による静的な誤差成分がほとんど除去された値となっている。次に、S22で判定可否フラグが“1”であることを確認する。なお、この確認結果が否定(N)の場合は処理を終了する。
【0035】
判定可否フラグが“1”であることが確認されると、次に判定部24は、ハイブリッド車両のエンジン、モータ、発電機の制御を行うハイブリッドECU(図示省略)に対し、「充電電流(Ic)=−1C」での充電を指示する(S24)。ここで、1Cの充電電流は、充電状態が0のバッテリを均一電流で充電して1時間で満充電となる電流量であり、例えばバッテリ容量が6.5Ah(アンペア時間)である場合、1Cは6.5Aとなる。なお、「−1C」と負の値にしているのは、放電を正、充電を負の値で表現するためであり、上記充電指示は1Cの電流で充電するという意味である。ハイブリッドECUは、この充電指示に他の諸入力を勘案して、発電機に対して充電用の電力発生を指示する。この時点では、車両は「停車状態」なので、ハイブリッドECUには、S24での充電指示以外に充電の要因となる入力が与えられることはほとんどないと考えられる。したがって、大きな状況の変化がなければ、S24の指示により、ハイブリッドECUはエンジンを動作させて発電機を回し、メインバッテリ10に対し大きさ1Cの電流により充電を行うことになる。S26では、メインバッテリが実際に「Ic=−1C」で充電されているかどうかを判定する。この判定結果が否定(N)の場合はこの判定ルーチンを終了し、判定結果が肯定(Y)の場合のみ次に進む。
【0036】
本実施形態では、このようにメインバッテリ10を1Cという一定電流での充電状態とした上で、微短絡等の異常判定を行う。このように一定電流で充電している状態では、各電池ブロック12に対して同じ大きさの電流が流れ、各電池ブロック12の端子電圧が安定するからである。従来は、バッテリが充電、放電のいずれの状態にあるかにかかわらず、端子電圧に基づき異常判定を行っていたため、正常状態での端子電圧の誤差(ばらつき)を、(2モジュール1ブロックで)0.7Vと大きい値に想定しておく必要があったが、本実施形態では異常判定を一定電流で充電中に限ったため、正常状態での端子電圧のばらつきとして(3モジュール1ブロックの本構成でも)0.4Vを想定すればよい。このように本実施形態では、走行その他の充放電の要因のない「停車状態」で、強制的に一定電流で充電する状態を作ったことにより、各電池ブロックの端子電圧の想定誤差を大幅に縮小することができた。なお、1Cという充電電流量は、バッテリ充電の際の基準になる電流量であり、一般的にバッテリは1Cでの充電を考慮して開発されているものが多いため、1Cでの充電状態では端子電圧の安定性がよくなる。また、1Cはバッテリ出荷時の検査で用いる充電電流の値であり、この1C充電時に端子電圧が0.4Vのばらつきに入る電池ブロックのみを正常製品として出荷している。
【0037】
S26の判定結果が肯定(Y)の場合、次に判定部24は、この第2フェーズに入ってからの各電池ブロック12の端子電圧(オフセット補正後)の変化(上昇)幅がそれぞれ0.4V以内であるかどうかを判定する(S28)。これは、この時点でもSOCが20〜80の範囲にあるかを確認するためのステップである。図4の特性からすると、電圧上昇幅が0.4以下であれば、SOCが20〜80にあると推定できる。この判定の結果が肯定(Y)の場合のみ次のステップに進み、否定(N)の場合は第2フェーズのルーチンを終了する。
【0038】
S30では、この第2フェーズに入ってから、判定可否フラグが“1”、かつ「Ic=−1C」での充電状態、かつ各端子電圧の上昇幅が0.4V以下、という状態が10秒間続いたかどうかを判定する。その状態が10秒に達しない場合は、S22に戻る。そして、その状態の持続時間が10秒に達する(S30の判定結果がY)と、次に進む。ここでの10秒間は、「Ic=−1C」の充電を開始してから各電池ブロック12の電圧が許容可能な程度まで安定化するのに要する時間である。したがって、S30の判定結果が肯定(Y)となると、各電池ブロック12の端子電圧は安定化し、ばらつきの少ない状態となっている。本実施形態では、このような状態になって初めて各電池ブロック12の端子電圧同士の比較を行う。
【0039】
すなわち、まずm個の電池ブロック12の各端子電圧(オフセット補正後)のうちの最小値Vminを求める(S32)。そして、その最小値Vminを他の(m−1)個の各電池ブロックの端子電圧(オフセット補正後)と比較し、電圧異常条件を満足しているか否かを調べる(S34)。電圧異常条件とは、(m−1)個の各端子電圧とVminとの差がすべて所定のしきい値以上となっているという条件であり、本実施形態ではこの条件が満たされた場合に、微短絡等による電圧異常が起こっていると判定する。なお、2以上の電池ブロック12で同時に微短絡等の電圧異常が生じる確率は極めて低いと考えられるので、S34の条件で異常の起こった電池ブロック12を検出できる。したがって、S34の判定結果が肯定(Y)の場合は、微短絡等の電圧異常の判定が確定(S36)され、この判定に応じて充放電の停止や警報出力などの必要な処置がとられる。S34の判定結果が否定(N)の場合は、微短絡等の異常は発生していないものと判定され、この判定ルーチンを終了する。
【0040】
本実施形態では、バッテリの端子電圧が安定する環境条件のよいとき(判定可否フラグ“1”かつ1Cで充電中のとき)にのみ異常判定処理(第2フェーズ)を行うので、各電池ブロック12自体の端子電圧のばらつきが小さい。また、各端子電圧検出器22の検出結果を予め記憶しておいたオフセット値で補正しているので、検出器22間の静的な誤差はほとんど無視できる。また、直列接続された全電池ブロック12に同一電流(1C)で充電している状態なので、充電中に生じる動的な誤差は全電池ブロック12でほぼ同じとみなすことができ(同じ条件で充電中なので温度変化もほぼ同じとみなすことができ、それによる回路抵抗やオペアンプ特性の変化の方向性、大きさも同じとみなせる)、S34でのブロック間の端子電圧の差分を求めた際にその動的な誤差はほとんど無視できる程度となる。したがって、正常状態での端子電圧検出値について想定すべき誤差(ばらつき)が小さくなるため、3モジュールで1つの電池ブロック12を構成したとしても、従来(2モジュール1ブロック)よりかえって電池ブロック12の端子電圧検出値のばらつきが小さくなり、S34の判定に用いるしきい値も従来より小さくすることができる。例えば、従来のしきい値である1.2Vに対して、本実施形態では同等の精度を確保すべくしきい値を0.8V(=1.2V×2/3)としたとしても、微短絡等の異常を検出することができる。なぜなら、本実施形態では前述のごとく電池ブロック12の端子電圧のばらつきは0.4Vであり、個々の検出器22に起因する検出時のばらつきは実質上無視できるので、更に0.1Vの余裕をみたとしても、正常状態で想定すべき端子電圧検出値のばらつきは0.5V程度であり、0.8Vのしきい値を超えるような電圧降下が起こった場合は確実に異常と判定できる。
【0041】
したがって、本実施形態では、メインバッテリ10全体の電圧を変えずに3モジュールを1電池ブロックとして端子電圧検出器22の数を従来の2/3に減らしても、従来と同等の精度で、微短絡等に起因する電池ブロックの電圧降下を検出することができる。したがって、本実施形態によれば、電池ECU20の回路規模を縮小してコストの低減を図ることができる。また、バッテリ10と電池ECU20との間のワイヤハーネスや部品点数を減らすことができるので、全体的な故障率の低下を図ることもできる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、各電池ブロックの端子電圧が安定する(すなわち、ばらつきが小さい)、環境条件のよいときにのみ異常判定処理(第2フェーズ)を行うので、判定の基礎となる端子電圧検出値の精度が高くなり、異常判定の判定精度が向上する。また、本実施形態では、各端子電圧検出器の初期誤差(オフセット値)を予め求めておき、これにより実際の端子電圧検出値を補正するので、端子電圧検出値の精度は更に向上し、判定精度の更なる向上が図れる。また、このように端子電圧検出値の精度が高くなる結果、異常判定のしきい値自体を従来より小さくでき、微短絡等の電池異常を早期に発見することができる。そして、これらの結果、端子電圧検出器の数を減らしても従来と同等の判定精度が確保でき、電池ECU及びその周辺回路のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電池異常判定機構の概略構成を示す図である。
【図2】 実施形態の処理ルーチンの第1フェーズの手順を示す図である。
【図3】 実施形態の処理ルーチンの第2フェーズの手順を示す図である。
【図4】 ニッケル水素電池の電池ブロックのSOC−端子電圧特性を示す図である。
【図5】 従来の電池異常判定機構の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 メインバッテリ、12−1〜12−m 電池ブロック、20 電池ECU、22−1〜22−m 端子電圧検出器、24 判定部、30 不揮発性メモリ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention has an assembled battery in which a predetermined number of battery groups are connected in series, and detects abnormalities such as a battery short-circuit in a hybrid vehicle that controls the state of charge of a battery by a generator driven by an engine. It is related with the apparatus for doing.
[0002]
[Prior art]
Hybrid vehicles using a combination of an engine and an electric motor as a power source are becoming widespread. In a hybrid vehicle, the energy efficiency of the entire drive system is increased by assisting the engine with a motor in a region where the engine efficiency is low, for example, when the vehicle is traveling at a low speed or during a high load. A secondary battery such as a nickel metal hydride (Ni-MH) battery is used as a power source for the motor. Charging of the secondary battery is performed, for example, by regenerative power generation such as during deceleration and braking, and charging work from commercial power is basically unnecessary.
[0003]
In hybrid vehicles, if the rechargeable battery is too charged (close to 100%), the power generated by regenerative power generation must be discarded to avoid overcharging, and conversely the charged condition is too low (to 0%). However, in order to avoid such a situation, the state of charge of the secondary battery is always monitored and controlled so as not to deviate significantly from the appropriate value. This control is realized by predetermining the upper limit value and the lower limit value of the SOC in accordance with the battery characteristics, and instructing the charging / discharging so that the SOC is, for example, near the median value of the upper limit value and the lower limit value. .
[0004]
In general, a secondary battery of a hybrid vehicle is configured as an assembled battery in which a number of cells (single batteries) of about 1.2 V are connected in series in order to obtain a high voltage output near 300 V. For example, in a conventional hybrid vehicle assembled battery, 5 or 6 nickel hydride battery cells are connected in series to form one module battery, and two module batteries are connected in series to form one battery block. The battery block is configured as an assembled battery in which, for example, 18 battery blocks are connected in series.
[0005]
One of the abnormalities of the power battery of a hybrid vehicle is a slight short circuit. The micro short circuit is a phenomenon in which self-discharge occurs between adjacent cells in the module battery due to slight liquid leakage, and as a result, the terminal voltage of the cell gradually decreases even in a non-discharged state. If a slight short circuit occurs, in SOC control, extra charging is performed by the amount of energy loss due to the self-discharge of the cell, which is contrary to the major purpose of the hybrid vehicle of improving fuel consumption. In addition, the short circuit causes problems such as overheating of the battery. In addition to failures such as a short circuit, failure such as loss of electrolyte will occur if repeated overdischarge occurs. For proper operation, it is necessary to quickly detect such a short-circuit failure and take measures such as battery replacement.
[0006]
When a failure such as a short circuit occurs in a battery, the terminal voltage of the battery generally decreases abnormally. Therefore, in principle, the failure can be detected by monitoring the terminal voltage of each cell. However, the number of cells of the assembled battery mounted on the hybrid vehicle exceeds 200, and monitoring the terminal voltages of all these cells is enormous and the circuit scale is enormous, which is not realistic from the viewpoint of cost. . Therefore, conventionally, the terminal voltage is detected for each battery block connected in series, and the abnormality is detected by comparing the terminal voltages with each other.
[0007]
FIG. 5 shows an example of a voltage detection circuit for a conventional assembled battery. In this example, the
[0008]
The abnormality determination threshold value 1.2V is determined in consideration of various errors. That is, even when the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The detected value of the terminal voltage of the battery varies depending on the charge / discharge state (whether charge or discharge), SOC (charge state), temperature, or other environmental state. The above-mentioned threshold value 1.2 V is a value determined in consideration of such errors in various states that can occur. Therefore, even if a fault such as a micro short circuit actually occurs, the fault cannot be detected as long as it is within a range that is buried in the error range, and as a result, there is a possibility that the fault detection is delayed. From another point of view, it can be said that the conventional abnormality determination such as a fine short circuit has not been very accurate because various errors are taken into consideration.
[0010]
Conventionally, two module batteries are used as one battery block, and one
[0011]
The present invention has been made to solve the above-described problem, and has an object to increase the accuracy of detecting an abnormality caused by a part of an assembled battery such as a micro short circuit in a hybrid vehicle, and thus a terminal required for that purpose. The purpose is to reduce the number of voltage detectors and reduce the circuit scale for detecting anomalies.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a battery inspection apparatus according to the present invention is a battery inspection apparatus that detects an abnormality of a battery pack mounted on a hybrid vehicle, Stop determination means for determining whether or not the hybrid vehicle is in a stopped state; Means for instructing the assembled battery to be charged with a predetermined charging current, and in the state of charge with the predetermined charging current, the terminal voltage of each battery block constituting the assembled battery is detected, and based on the detection result An abnormality determination means for determining whether there is an abnormality in the assembled battery The abnormality determining means detects the terminal voltage of each battery block constituting the assembled battery when the stop determining means determines that the vehicle is in a stopped state, and determines whether there is an abnormality in the assembled battery based on the detection result. Characterized by doing To do. In this configuration, when charging with a current of a predetermined magnitude, the value of the internal current flowing through all the battery blocks is equal, so the variation (error) in the terminal voltage of each battery block is reduced, and an abnormality is detected. Improves accuracy.
[0013]
Ma Octopus of invention Then, in the environment where there is a low possibility of charging / discharging of the battery in a stationary state, the terminal voltage of each battery block is examined, and an abnormality determination such as a micro short circuit is performed. It becomes smaller than the case and the determination error is improved.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention (hereinafter referred to as embodiments) will be described with reference to the drawings.
[0018]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a voltage inspection apparatus according to the present invention. In the figure, a
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
Next, a procedure for detecting a battery abnormality such as a micro short circuit in the present embodiment will be described. The procedure described below is for detecting a battery voltage drop caused by an abnormality of some cells, such as a slight short circuit, and a large short circuit in which the electrode of the battery block is shorted to the ground (GND). It is not for detecting. In the case of a large short-circuit, the voltage of the battery block becomes almost 0V, so it can be easily detected (in the case of a fine short-circuit, it does not drop to 0V). I won't touch it.
[0024]
The abnormality inspection routine executed by the
[0025]
FIG. 2 is a diagram showing a procedure of the first phase of the abnormality inspection routine. In the first phase, it is first determined whether or not the SOC of the
[0026]
FIG. 4 is a diagram showing a change of the terminal voltage of the
[0027]
As described above, in S10, it is determined whether or not the current SOC is a region where the battery voltage is stable (almost constant). In the case of a nickel metal hydride battery, this region is 20 ≦ SOC ≦ 80. However, if the type of the battery changes, the range of this region needs to be changed accordingly. If it is determined in this determination that the SOC is in a region where the battery voltage is stable (determination result Y), it is considered that the terminal voltage difference between the battery blocks 12 is not so large. It can be judged that the environment is easy to find.
[0028]
Conversely, when the determination result of S10 is negative (N), the SOC is in a region where the terminal voltage of each
[0029]
If the determination in S10 is affirmative (Y), the
[0030]
In S14, the environmental temperature t0 around the
[0031]
If the determination result in S14 is affirmative (Y), it is determined whether the change width Δt0 of the battery environmental temperature t0 for the past 10 seconds is within 3 degrees (S16). If this determination result is negative (N), it means that the battery environmental temperature changes drastically, and the stability of the terminal voltage of the main battery cannot be guaranteed (that is, the terminal voltage increases or decreases greatly even in a normal battery block). Therefore, the determination availability flag is set to “0” (S19).
[0032]
In this way, when all four condition determinations of S10 to S16 are (Y), it can be regarded that charging / discharging is not performed and the terminal voltage of each
[0033]
When the determination flag is set in this manner, the first phase is completed, and then the second phase is started. However, in the present embodiment, the process proceeds to the next second phase process only when the availability determination flag is “1”, and when the flag is “0”, the process is stopped in S19. The first phase process is periodically performed at regular time intervals while the vehicle is powered on.
[0034]
Next, the second phase will be described with reference to FIG. In the second phase, the
[0035]
When it is confirmed that the determination availability flag is “1”, the
[0036]
In the present embodiment, after determining that the
[0037]
If the determination result in S26 is affirmative (Y), then the
[0038]
In S30, after entering the second phase, a state in which the determination availability flag is “1” and the charging state is “Ic = −1C”, and the increase width of each terminal voltage is 0.4 V or less is 10 seconds. Determine if it has continued. If the state does not reach 10 seconds, the process returns to S22. Then, when the duration of the state reaches 10 seconds (the determination result in S30 is Y), the process proceeds to the next. Here, 10 seconds is the time required for the voltage of each
[0039]
That is, first, the minimum value Vmin among the terminal voltages (after offset correction) of the m battery blocks 12 is obtained (S32). Then, the minimum value Vmin is compared with the terminal voltage (after offset correction) of each of the other (m−1) battery blocks to check whether or not the voltage abnormality condition is satisfied (S34). The abnormal voltage condition is a condition that all the differences between the (m−1) terminal voltages and Vmin are equal to or greater than a predetermined threshold value. In this embodiment, when this condition is satisfied. It is determined that a voltage abnormality has occurred due to a slight short circuit or the like. In addition, since it is considered that the probability that voltage abnormality such as a micro short-circuit occurs simultaneously in two or more battery blocks 12 is extremely low, the
[0040]
In the present embodiment, the abnormality determination process (second phase) is performed only when the environmental conditions under which the terminal voltage of the battery is stable are good (when the determination is possible flag “1” and charging is performed at 1C). The terminal voltage variation is small. Further, since the detection results of the
[0041]
Therefore, in this embodiment, even if the number of
[0042]
As described above, according to the present embodiment, the abnormality determination process (second phase) is performed only when the terminal voltage of each battery block is stable (that is, variation is small) and the environmental conditions are good. The accuracy of the terminal voltage detection value that is the basis of the above is increased, and the determination accuracy of the abnormality determination is improved. Further, in this embodiment, the initial error (offset value) of each terminal voltage detector is obtained in advance, and the actual terminal voltage detection value is corrected thereby, so that the accuracy of the terminal voltage detection value is further improved and the determination is made. The accuracy can be further improved. Further, as a result of the increased accuracy of the terminal voltage detection value in this way, the abnormality determination threshold value itself can be made smaller than before, and a battery abnormality such as a micro short circuit can be detected early. As a result, even if the number of terminal voltage detectors is reduced, it is possible to ensure the same determination accuracy as in the conventional case, and to reduce the cost of the battery ECU and its peripheral circuits.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a schematic configuration of a battery abnormality determination mechanism according to an embodiment.
FIG. 2 is a diagram illustrating a procedure of a first phase of a processing routine of the embodiment.
FIG. 3 is a diagram illustrating a procedure of a second phase of the processing routine of the embodiment.
FIG. 4 is a diagram showing SOC-terminal voltage characteristics of a battery block of a nickel metal hydride battery.
FIG. 5 is a diagram showing a configuration of a conventional battery abnormality determination mechanism.
[Explanation of symbols]
10 main battery, 12-1 to 12-m battery block, 20 battery ECU, 22-1 to 22-m terminal voltage detector, 24 determination unit, 30 nonvolatile memory.
Claims (1)
前記ハイブリッド車両が停車状態にあるか否かを判定する停車判定手段と、
前記組電池に対して所定の充電電流での充電を指示する手段と、
この所定充電電流での充電状態において、前記組電池を構成する各電池ブロックの端子電圧を検出し、この検出結果に基づき組電池の異常有無の判定を行う異常判定手段と、
を有し、前記異常判定手段は、前記停車判定手段で停車状態と判定された場合に、前記組電池を構成する各電池ブロックの端子電圧を検出し、この検出結果に基づき組電池の異常有無の判定を行うことを特徴とする電池検査装置。A battery inspection device for detecting an abnormality of an assembled battery mounted on a hybrid vehicle,
Stop determination means for determining whether or not the hybrid vehicle is in a stopped state;
Means for instructing the assembled battery to be charged at a predetermined charging current;
In the state of charge at this predetermined charging current, an abnormality determination means for detecting a terminal voltage of each battery block constituting the assembled battery and determining whether or not the assembled battery is abnormal based on the detection result;
Have a, the abnormality determining unit, when it is determined that the stopped state by the vehicle stop determining means detects a terminal voltage of each battery block that constitutes the battery pack, the abnormal presence or absence of basis assembled battery on the detection result The battery inspection apparatus characterized by performing determination of .
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