JP3652423B2 - 車両におけるブレーキ制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両端に車輪がそれぞれ装着された前車軸および後車軸を含む複数の車軸と、各車輪にそれぞれ装着される車輪ブレーキと、各車輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度検出器と、車輪ブレーキを作動せしめるアクチュエータと、車輪速度検出器の検出値に基づいて走行路面の摩擦係数を判定する摩擦係数判定手段とを備える車両において、摩擦係数判定手段による摩擦係数判定に適合させたブレーキ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる車両は、たとえば特開平4−362453号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものの摩擦係数判定手段では、車両の走行時に車輪速度検出器の検出値に基づいて推定される車体速度にスリップ率を加味して基準値を定め、その基準値と、車輪速度検出器の検出値との比較により走行路面の摩擦係数を判定しているが、ブレーキ時には全ての車輪ブレーキで同時にブレーキ力を発生させるようにしているので、各車輪の挙動変化が比較的小さく、摩擦係数判定が容易であるとは言い難い。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、摩擦係数判定手段による摩擦係数判定をより容易とした車両におけるブレーキ制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、両端に車輪がそれぞれ装着された前車軸および後車軸を含む複数の車軸と、各車輪にそれぞれ装着される車輪ブレーキと、各車輪の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度検出器と、車輪ブレーキを作動せしめるアクチュエータと、車輪速度検出器の検出値に基づいて走行路面の摩擦係数を判定する摩擦係数判定手段とを備える車両において、各車輪にブレーキをかけるときに、その少なくとも初期の段階では各車軸のうち一部の車軸の車輪ブレーキでのみブレーキ力を発生するようにアクチュエータの作動を制御し、摩擦係数判定手段による摩擦係数判定を前記初期の段階で行なわしめることを特徴とする。
【0006】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記初期の段階では、各車軸のうち一部の車軸の車輪ブレーキで所望のブレーキ力の全てを発揮させ、初期の段階以降には、所望のブレーキ力を配分したブレーキ力を全ての車輪ブレーキで発揮させるように、アクチュエータの作動を制御することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1ないし図6は本発明の一実施例を示すものであり、図1は車両のブレーキ液圧系統図、図2はアクチュエータの縦断側面図、図3はフェイルセーフ用電磁切換弁の縦断面図、図4はコントローラの概略構成を示すブロック図、図5は摩擦係数に応じたスリップ率および前輪ブレーキ力の関係を示す図、図6はブレーキ制御手順を示すフローチャートである。
【0009】
先ず図1において、前輪駆動型の乗用車両の前車軸1F における両側の左前車輪WFLおよび右前車輪WFRには左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右前輪用車輪ブレーキBFRが装着され、後車軸1R における両側の左後輪WRLおよび右後輪WRRには左後輪用車輪ブレーキBRLおよび右後輪用車輪ブレーキBRRが装着される。而して該車両のブレーキ装置は、左ブレーキ圧系統LL 、右ブレーキ圧系統LR および一括ブレーキ圧系統LT を備えるものであり、左ブレーキ圧系統LL は、左前輪用アクチュエータAFLおよびタンデム型マスタシリンダMの第1出力ポート2が左前輪用車輪ブレーキBFLに切換可能に接続されて構成され、右ブレーキ圧系統LR は、右前輪用アクチュエータAFRおよびタンデム型マスタシリンダMの第2出力ポート3が右前輪用車輪ブレーキBFRに切換可能に接続されて構成され、一括ブレーキ圧系統LT は、後輪用アクチュエータAR が左、右後輪用車輪ブレーキBRL,BRRに接続されて構成される。
【0010】
図2において、左前輪用アクチュエータAFLは、先端側を閉塞端として有底筒状に形成されたシリンダ体4と、該シリンダ体4の後端に同軸に連結されるガイド筒5と、ガイド筒5に同軸に連結される支持筒6と、該支持筒6に同軸に連結される連結筒7と、エンコーダ8を有して前記連結筒7に同軸に連設されるモータ9FLと、前記シリンダ体4の閉塞端との間に圧力室10を形成してシリンダ体4内に摺動自在に嵌合されるピストン11と、軸線まわりの回転を阻止されてガイド筒5内に配置されるとともにピストン11の後端に同軸に連結される筒状のナット部材12と、ボールねじ13を介して前記ナット部材12に結合されるとともにモータ9FLの出力軸9aにオルダムジョイント14を介して連結される回転軸15とを備える。
【0011】
ガイド筒5の内面およびナット部材12の外面には軸線方向に延びる複数条の溝16,17が相互に対応して設けられており、相互に対応する溝16,17にボール18がそれぞれ嵌合されることにより、ナット部材12すなわちピストン11の軸線まわりの回転作動が阻止される。また回転軸15は、一対のボールベアリング19,20を介して支持筒6に回転自在に支承されるものであり、半径方向外方に張出して回転軸15に設けられる鍔21、ならびに回転軸15に嵌着される止め輪22が、両ボールベアリング19,20における各内輪の軸方向外端にそれぞれ係合することにより、回転軸15の軸線方向移動が阻止される。
【0012】
またシリンダ体4の上部には、圧力室10へのブレーキ液の補給ならびに圧力室10からのブレーキ液の戻りを可能としてリザーバ23が設けられる。さらにシリンダ体4には、圧力室10に通じる出力ポート24FLが設けられ、該出力ポート24FLが左ブレーキ圧系統LL に接続される。しかもシリンダ体4の閉塞端には、圧力室10の液圧、すなわち出力ポート24FLが左前輪用車輪ブレーキBFLに連通している状態では左前輪用車輪ブレーキBFLの制動圧を検出するための左前輪用圧力センサSFLが取付けられる。
【0013】
このような左前輪用アクチュエータAFLでは、モータ9FLの正逆回転作動に応じてボールねじ13によりピストン11が軸方向に往復作動せしめられ、それに応じた液圧が圧力室10で発生することになる。
【0014】
右前輪用アクチュエータAFRおよび後輪用アクチュエータAR は、基本的には上記左前輪用アクチュエータAFLと同一の構成を有するものであり、詳細な説明を省略するが、右前輪用アクチュエータAFRではモータ9FRの回転作動量に応じた液圧が出力ポート24FRから出力されるとともにその液圧が右前輪用圧力センサSFRで検出され、後輪用アクチュエータAR ではモータ9R の回転作動量に応じた液圧が出力ポート24R から出力されるとともにその液圧が後輪用圧力センサSR で検出される。
【0015】
再び図1において、タンデム型マスタシリンダMは、ブレーキペダル26の踏込み操作量に応じた液圧を第1および第2出力ポート2,3から出力する従来周知のものであり、このタンデム型マスタシリンダMには、ブレーキペダル26のペダルストロークを検出するストロークセンサSS と、ブレーキペダル26の踏力に対応する第1出力ポート2からの出力液圧を検出する圧力センサSM とが付設される。
【0016】
左ブレーキ圧系統LL にはフェイルセーフ用電磁切換弁27L が介設されており、この電磁切換弁27L は、ソレノイド36L の励磁時に左前輪用アクチュエータAFLの出力ポート24FLを左前輪用車輪ブレーキBFLに連通させるとともにマスタシリンダMの第1出力ポート2をアキュムレータACに連通させる状態と、ソレノイド36L の消磁時に左前輪用アクチュエータAFLの出力ポート24FLおよび左前輪用車輪ブレーキBFL間を遮断するとともにマスタシリンダMの第1出力ポート2を左前輪用車輪ブレーキBFLに連通させる状態とを切換可能である。
【0017】
図3において、フェイルセーフ用電磁切換弁27L は、左前輪用アクチュエータAFLの出力ポート24FLに通じる第1入力ポート28、マスタシリンダMの第1出力ポート2に通じる第2入力ポート29、左前輪用車輪ブレーキBFLに通じる第1出力ポート30、ならびにアキュムレータACに通じる第2出力ポート31を有するハウジング32と、同軸に連動、連結されてハウジング32内に摺動自在に連結される円盤状の第1および第2弁体33,34と、両弁体33,34を軸方向一方側に付勢するばね力を発揮すべく第2弁体34およびハウジング32間に介設される戻しばね35と、励磁時に戻しばね35のばね力に抗して両弁体33,34を軸方向他方側に吸引する電磁力を発揮すべくハウジング32に収納されるソレノイド36L とを備える。
【0018】
第1および第2弁体33,34は連結軸37により同軸に連結される。また第1弁体33の外面には、ソレノイド36L の励磁時には図3の実線で示すように第1出力ポート30に連通するがソレノイド36L の消磁時には図3の破線で示すように第1出力ポート30とは遮断される環状溝38が第1入力ポート28に常時連通するようにして設けられる。さらに第1および第2弁体33,34間の間隔は、ソレノイド36L の励磁時には図3の実線で示すように第2入力ポート29および第1出力ポート30間を第1弁体33で遮断するとともに第2入力ポート29および第2出力ポート31間を連通し、ソレノイド36L の消磁時には図3の破線で示すように第1入力ポート29および第2出力ポート31間を第2弁体34で遮断するとともに第2入力ポート29および第1出力ポート30間を連通させるべく設定される。
【0019】
このフェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド36L は、車両に搭載されるエンジンの始動に応じて励磁されるものであり、通常時にはソレノイド36L が励磁状態にあって左前輪用アクチュエータAFLの出力液圧を左前輪用車輪ブレーキBFLに伝達可能であり、マスタシリンダMの出力圧はアキュムレータACで吸収されることになる。またソレノイド36L を消磁すると、フェイルセーフ用電磁切換弁27L は、マスタシリンダMの出力液圧を左前輪用車輪ブレーキBFLに伝達可能となる。したがって左前輪用アクチュエータAFLの故障時には、フェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド36L を消磁することにより、マスタシリンダMの出力液圧を左前輪用車輪ブレーキBFLに作用させて制動力を確保することが可能である。
【0020】
右ブレーキ圧系統LR には上記フェイルセーフ用電磁切換弁27L と基本的に同一の構成を有するフェイルセーフ用電磁切換弁27R が介設されており、この電磁切換弁27R は、ソレノイド36R の励磁時に右前輪用アクチュエータAFRの出力ポート24FRを右前輪用車輪ブレーキBFRに連通させるとともにマスタシリンダMの第2出力ポート3を前記電磁切換弁27FLと共通なアキュムレータACに連通させる状態と、ソレノイド36R の消磁時に右前輪用アクチュエータAFRの出力ポート24FRおよび右前輪用車輪ブレーキBFR間を遮断するとともにマスタシリンダMの第2出力ポート3を右前輪用車輪ブレーキBFRに連通させる状態とを切換可能である。
【0021】
一括ブレーキ圧系統LT には遮断弁40が介設される。この遮断弁40は、ソレノイド41,42の消磁時に後輪用アクチュエータAR の出力ポート24R から出力される液圧を左、右後輪用車輪ブレーキBRL,BRRに伝達し得る中立位置と、ソレノイド42を消磁状態としたままソレノイド41を励磁したときに前記出力ポート24R の出力液圧を左後輪用車輪ブレーキBRLには伝達可能であるが右後輪用車輪ブレーキBRRへの伝達を遮断する位置(図1の上位置)と、ソレノイド41を消磁状態としたままソレノイド42を励磁したときに前記出力ポート24R の出力液圧を右後輪用車輪ブレーキBRRには伝達可能であるが左後輪用車輪ブレーキBRLへの伝達を遮断する位置(図1の下位置)とを切換可能な3ポート3位置電磁切換制御弁である。
【0022】
図4において、左ブレーキ圧系統LL におけるフェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド36L 、右ブレーキ圧系統LR におけるフェイルセーフ用電磁切換弁27R のソレノイド36R 、一括ブレーキ圧系統LT における遮断弁40のソレノイド41,42、ならびに各アクチュエータAFL,AFR,AR のモータ9FL,9FR,9R は、コントローラ44によって制御されるものであり、該コントローラ44は、車体速度検出手段45と、摩擦係数判定手段46と、ブレーキ制御手段47と、故障診断手段48とを備える。
【0023】
車体速度検出手段45は、左前輪WFL,右前輪WFR,左後輪WRL,右後輪WRRにそれぞれ装着されている車輪速度検出器43FL,43FR,43RL,43RRの検出値に基づいて車体速度を検出するものである。
【0024】
ブレーキ制御手段47は、車体速度検出手段45で得られた車体速度と、前方を走行している他の車両との間の動作パラメータとしての距離を検出するレーザーレーダ等の距離検出器50で得られた距離と、摩擦係数判定手段46による走行路面の摩擦係数判定結果とに基づき、各車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRを自動的に作動せしめるべきか否かを判断するとともに、その判断結果に応じて、各アクチュエータAFL,AFR,AR におけるモータ9FL,9FR,9R の作動を制御するものである。しかもブレーキ制御手段47は、ブレーキをかけるべきであると判断したときに、その初期の段階では、前、後車軸1F ,1R の一方たとえば前車軸1F の車輪ブレーキBFL,BFRで所望のブレーキ力の全てを発揮させ、前記初期の段階以降には、所望のブレーキ力を配分したブレーキ力を全ての車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRで発揮させるように、前記各モータ9FL,9FR,9R の作動を制御する。
【0025】
摩擦係数判定手段46は、各車輪速度検出器43FL,43FR,43RL,43RRの検出値に基づいて走行路面の摩擦係数を判定するものであるが、その摩擦係数判定は、ブレーキ制御手段47からの判定指令信号が入力されたときのみ行なわれるものであり、ブレーキ制御手段47は、前車軸1F の車輪ブレーキBFL,BFRで所望のブレーキ力の全てを発揮させるようにした前記初期の段階で判定指令信号を出力する。
【0026】
而して摩擦係数判定手段46における摩擦係数判定は、たとえばブレーキ状態に在る左、右前輪WFL,WFRと非ブレーキ状態に在る左、右後輪WRL,WRRとの車輪速度に基づくスリップ率の大きさにより判定される。すなわち図5で示すように、左、右前輪WFL,WFRのブレーキ力をFO としたときに、走行路面の摩擦係数が異なるとスリップ率も異なるものであり、左、右前輪WFL,WFRのブレーキ力とスリップ率とにより摩擦係数を判定することが可能となる。
【0027】
摩擦係数判定手段46による摩擦係数判定は、上記スリップ率の大きさ以外に、スリップ率の積分値あるいは変化率によって行われてもよく、また前、後の車輪速度差の大きさ、その積分値あるいは変化率によって行なわれてもよい。さらにブレーキ状態に在る車輪の減速度の大きさ、その積分値あるいは変化率によっても摩擦係数判定を行なうことができる。
【0028】
このようなブレーキ制御手段47および摩擦係数判定手段46による処理手順を纏めると、図6で示すようになる。すなわち第1ステップS1においては、たとえば前方の車両との衝突を避けるために必要な車両減速度GO が設定される。而してブレーキ時の初期の段階において、第2ステップS2では、その車両減速度GO に対応して定まるブレーキ力FO (図5参照)を左、右前輪用車輪ブレーキBFL,BFRで発揮せしめるようにアクチュエータAFL,AFRが作動せしめられ、また第3ステップS3において、摩擦係数判定手段46による摩擦係数判定が実行される。次いで前記初期の段階以降における第4ステップS4で、必要なブレーキ力FO を全ての車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRで分配するようにして、アクチュエータAFL,AFR,AR が作動せしめられることになる。
【0029】
再び図4において、故障診断手段48には、左ブレーキ圧系統LL の液圧を検出する左前輪用圧力センサSFLの検出値、右ブレーキ圧系統LR の液圧を検出する右前輪用圧力センサSFRの検出値、一括ブレーキ圧系統LT の液圧を検出する後輪用圧力センサSR の検出値、マスタシリンダMに付設されているストロークセンサSS および圧力センサSM の各検出値が入力されており、故障診断手段48は、前記ストロークセンサSS および圧力センサSM からの信号によりブレーキ操作が行なわれたと判断したときに各圧力センサSFL,SFR,SR の検出値によりブレーキ圧が得られているかどうかを判定して故障を判断する。しかも左ブレーキ圧系統LL における左前輪用アクチュエータAFLが故障であると判断されたときには故障診断手段48によりフェイルセーフ用電磁切換弁27L のソレノイド36L が消磁され、右ブレーキ圧系統LR における右前輪用アクチュエータAFRが故障であると判断されたときには故障診断手段48によりフェイルセーフ用電磁切換弁27R のソレノイド36R が消磁される。これにより、左ブレーキ圧系統LL ではマスタシリンダMの第1出力ポート2および左前輪用車輪ブレーキBFL間が連通され、右ブレーキ圧系統LR ではマスタシリンダMの第2出力ポート3および右前輪用車輪ブレーキBFR間が連通されることになる。したがって両前輪用アクチュエータAFL,AFRが故障しても運転者の操作に応じて液圧を出力するマスタシリンダMにより液圧を確保することができる。
【0030】
さらに故障診断手段48は、左前輪用圧力センサSFLおよび右前輪用圧力センサSFRの検出値の差の積分値が予め定めた値を超えるのに応じて、遮断弁40における両ソレノイド41,42の消磁・励磁を切換える信号を出力するものであり、左前輪用圧力センサSFLの検出値が大であるときにはソレノイド41を消磁状態としたままソレノイド42を励磁し、右前輪用圧力センサSFRの検出値が大であるときにはソレノイド42を消磁状態としたままソレノイド41を励磁する。これにより、遮断弁40は、左ブレーキ圧系統LL の液圧が右ブレーキ圧系統LR の液圧よりも大きくなったときには一括ブレーキ圧系統LT における右後輪用車輪ブレーキBRRへの後輪用アクチュエータAR からの液圧伝達を保ちながら左後輪用車輪ブレーキBRLへの後輪用アクチュエータAR からの液圧伝達を遮断し、右ブレーキ圧系統LR の液圧が左ブレーキ圧系統LL の液圧よりも大きくなったときには一括ブレーキ圧系統LT における左後輪用車輪ブレーキBRLへの後輪用アクチュエータAR からの液圧伝達を保ちながら右後輪用車輪ブレーキBRRへの後輪用アクチュエータAR からの液圧伝達を遮断することになる。
【0031】
次にこの実施例の作用について説明すると、左前輪用車輪ブレーキBFLのブレーキ圧を制御するアクチュエータAFL、右前輪用車輪ブレーキBFRのブレーキ圧を制御するアクチュエータAFR、ならびに左、右後輪用車輪ブレーキBRL,BRRのブレーキ圧を制御するアクチュエータAR を作動せしめるにあたって、ブレーキ時の初期段階には、前車軸1F の車輪ブレーキBFL,BFRのみで必要なブレーキ力の全てを発揮するようにアクチュエータAFL,AFRが作動せしめられる。しかもこの初期の段階で摩擦係数判定手段46により各車輪速度検出器43FL〜43RRの検出値に基づく摩擦係数判定を行なうので、左、右前輪WFL,WFRにのみブレーキ力がかかることに伴って左、右前輪WFL,WFRの挙動変化が比較的大きくなった状態で、比較的容易に摩擦係数の判定を行なうことができる。
【0032】
しかも左、右前輪WFL,WFRにのみブレーキ力をかけることにより、従動輪である左、右後輪WRL,WRRを非ブレーキ状態として横力を確保し、車両の安定性を確保することができるだけでなく、左、右後輪WRL,WRRの車輪速度を摩擦係数判定の基準値として用いることが可能となる。
【0033】
またブレーキ時に前記初期の段階以降には、必要なブレーキ力を全ての車輪ブレーキBFL,BFR,BRL,BRRで分配するようにして、アクチュエータAFL,AFR,AR が作動せしめられ、これにより、前車軸1F の車輪WFL,WFRのグリップ力が限界になる前に左、右後輪用車輪ブレーキBRL,BRRでもブレーキ力を発揮せしめるようにし、ブレーキ時の車両減速度に変化が生じないようにすることができる。
【0034】
ところで、前輪駆動型の車両を対象にした上記実施例では、従動輪である左、右後輪WRL,WRRの車輪速度を摩擦係数判定の基準値としてそのまま用いるが、後輪駆動型の車両の場合には、左、右前輪WFL,WFRにのみブレーキをかけたときには、左、右後輪WRL,WRRの車輪速度を基準値として用いる場合には、左、右後輪WRL,WRRにエンジンからの影響が及ばないように変速機をニュートラル状態にしておく必要がある。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0036】
たとえば、ブレーキ時の初期の段階で後車軸の車輪ブレーキでのみブレーキ力を発揮させるようにすることも可能である。また電子制御装置で制御される負圧倍力装置を有するマスタシリンダからドライバの意思とは無関係に液圧を発生させ、各車輪に個別に対応したアクチュエータでブレーキ圧を調整するようにしたものについても本発明を適用可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、各車輪にブレーキをかけるときに、その少なくとも初期の段階では各車軸のうち一部の車軸の車輪ブレーキでのみブレーキ力を発生するようにアクチュエータの作動を制御し、摩擦係数判定手段による摩擦係数判定を前記初期の段階で行なわしめるので、非ブレーキ状態に在る車軸側の車輪速度を摩擦係数判定の基準値として利用することを可能とするとともに非ブレーキ状態にある車輪で横力を確保しつつ、車輪挙動を比較的大きくして摩擦係数の判定を容易とすることができる。
【0038】
また請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記初期の段階では、各車軸のうち一部の車軸の車輪ブレーキで所望のブレーキ力の全てを発揮させ、初期の段階以降には、所望のブレーキ力を配分したブレーキ力を全ての車輪ブレーキで発揮させるように、アクチュエータの作動を制御するので、車輪のグリップ力が限界に達しないようにしつつ、車両減速度に変化が生じないようにして滑らかな減速を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のブレーキ液圧系統図である。
【図2】アクチュエータの縦断側面図である。
【図3】フェイルセーフ用電磁切換弁の縦断面図である。
【図4】コントローラの概略構成を示すブロック図である。
【図5】摩擦係数に応じたスリップ率および前輪ブレーキ力の関係を示す図である。
【図6】摩擦係数判定およびブレーキ制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1F ・・・前車軸
1R ・・・後車軸
43FL,43FR,43RL,43RR・・・車輪速度検出器
46・・・摩擦係数判定手段
AFL,AFR,AR ・・・アクチュエータ
BFL,BFR,BRL,BRR・・・車輪ブレーキ
WFL,WFR,WRL,WRR・・・車輪
Claims (2)
- 両端に車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)がそれぞれ装着された前車軸(1F )および後車軸(1R )を含む複数の車軸と、各車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)にそれぞれ装着される車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)と、各車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)の車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度検出器(43FL,43FR,43RL,43RR)と、車輪ブレーキを作動せしめるアクチュエータ(AFL,AFR,AR )と、車輪速度検出器(43FL,43FR,43RL,43RR)の検出値に基づいて走行路面の摩擦係数を判定する摩擦係数判定手段(46)とを備える車両において、各車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)にブレーキをかけるときに、その少なくとも初期の段階では各車軸(1F ,1R )のうち一部の車軸(1F )の車輪ブレーキ(BFL,BFR)でのみブレーキ力を発生するようにアクチュエータ(AFL,AFR,AR )の作動を制御し、摩擦係数判定手段(46)による摩擦係数判定を前記初期の段階で行なわしめることを特徴とする車両におけるブレーキ制御方法。
- 前記初期の段階では、各車軸(1F ,1R )のうち一部の車軸(1F )の車輪ブレーキ(BFL,BFR)で所望のブレーキ力の全てを発揮させ、初期の段階以降には、所望のブレーキ力を配分したブレーキ力を全ての車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)で発揮させるように、アクチュエータ(AFL,AFR,AR )の作動を制御することを特徴とする請求項1記載の車両におけるブレーキ制御方法。
Priority Applications (2)
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