JP3650432B2 - アクリル系シラップ組成物およびそれを用いた防水層または目地部形成用組成物 - Google Patents
アクリル系シラップ組成物およびそれを用いた防水層または目地部形成用組成物 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、防水材組成物として、あるいは、目地材として使用しうるシラップ用組成物に関し、さらに詳しくは、低温での速硬化が可能であって、低温の状態においても優れた引張強伸度をもち、耐候性および耐流動性に優れた防水層および目地部を形成しうるシラップ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、土木建築分野において防水材として使用されてきたものは、主としてシート防水材と塗膜防水材である。シート防水材としては、例えば、アスファルト系防水シート、未加硫合成ゴムシートがある。しかし、これらのシート防水材は耐候性が十分でなく、しかもその施工工程で不陸調整が必要であり、その施工性が悪いという難点があった。また、これら防水材のうち、アスファルト防水シートは荷重のかかる用途に適用した場合、防水層が流動してその防水性能が低下するという耐流動性の不足という難点があった。
【0003】
塗膜防水材としては、例えば、合成ゴム系溶剤型防水材、アスファルト・ゴム系加熱型防水材、エポキシ系防水材、ウレタン系防水材、アクリルゴム系防水材、アクリル系防水材などがある。合成ゴム系溶剤型防水材およびエポキシ系防水材より形成した防水層は耐候性が十分でないという難点があり、エポキシ系防水材より形成した防水層は下地への追従性が十分でないという難点があった。さらに、合成ゴム系溶剤型防水材およびアスファルト・ゴム系加熱型防水材はその施工性が十分でないという難点があった。エポキシ系防水材およびウレタン系防水材の中でも2液反応タイプの防水材は1回塗りで厚塗りの防水層の形成が可能ではあるが、その硬化に長時間を要し、とくに低温での硬化性が不十分であった。また、アクリルゴム系防水材、ウレタンゴム系防水材より形成した防水層は、耐候性、低温物性はよいが、車等の重荷重がかかると塗膜が破断してしまうという難点があった。従来用いられてきたアクリル系防水材は速硬化性、低温硬化性に優れ、この防水材より形成した防水層は耐重荷重性、耐摩耗性に優れているという特徴を有するが、低温での下地の変化に対する追従性が未だ不十分であるという難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
建築物の屋外用途である屋上駐車場に用いられる防水材や目地材、段差修正剤としては、従来開発されてきたアクリル系防水材の有する速硬化性、低温時の良好な硬化性と作業性を備え、かつ、この防水材より形成した防水層の有する良好な耐薬品性、耐重荷重性、耐摩耗性の物性を備えており、この防水材の難点とされる低温物性の低さが改良されているとともに、モルタル層として用いた場合にも、−10℃〜60℃の温度領域で十分な可撓性が有り、かつ、耐候性に優れた防水層を形成しうる弾性アクリル系防水材が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記組成よりなるシラップがその目的を達成しうることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨とするところは、メタクリル酸メチル(A)25〜70重量%、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下であるラジカル重合可能な二重結合を1分子中に1個もつモノマー(B)15〜40重量%、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有するポリオールと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応せしめて得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート(C)10〜50重量%、1分子中に2個以上のラジカル重合可能な二重結合を有するモノマー(D)0〜20重量%、融点が40〜80℃のパラフィンワックス(E)0.1〜5重量%、およびそれらの合計量100重量部に対して、第3級アミン0.1〜4重量部を含む重合触媒よりなるアクリル系シラップ組成物(但し、乾油性及び/又はそれらの脂肪酸系化合物を用いた空乾性付与型重合体を含まない)にある。
【0006】
本発明のシラップを構成する成分(A) のメタクリル酸メチルの含有量は25〜70重量%の範囲である。成分(A) の含量が70重量%を越える組成物より形成した塗膜は固くなる傾向があり、一方、成分(A) の含量が25重量%未満であるシラップは、その硬化性が悪くなりやすく、硬化塗膜中に未反応モノマーが残る傾向がある。より好ましい成分(A) の含量は本発明のシラップ組成物中30〜60重量%の範囲である。
【0007】
本発明のシラップ組成物を構成する成分(B) は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下であるラジカル重合可能な二重結合を1個もつモノマーであり、例えば、エチルアクリレート(ホモポリマーのTgは−22℃、以下同じ)、ブチルアクリレート(−56℃)、2-エチルヘキシルアクリレート(−68℃)、2-エチルヘキシルメタクリレート(−10℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)などを具体例として挙げることができる。これら成分(B) モノマーの本発明のシラップ組成物中の含有量は、15〜40重量%の範囲である。成分(B) の含量が40重量%を越えるシラップ組成物は、その硬化性が悪くなり、この組成物より得られる硬化層中に未反応モノマーが残りやすいので好ましくなく、一方、成分(B) 含量が15重量%未満であるシラップ組成物より形成した硬化膜は十分な可撓性を備えたものとすることができないので好ましくない。より好ましくは、17〜30重量%の範囲である。
【0008】
本発明で用いる成分(C) のウレタンポリ(メタ)アクリレートのシラップ中の混合量は10〜50重量%の範囲で用いられる。成分(C) の含量が50重量%を越えるシラップ組成物はその粘度が高くなり、その塗工作業性が悪くなり、一方、成分(C) の含量が10重量%未満であるシラップ組成物からは、ゴム弾性を備えた硬化膜を形成することができない。より好ましくは、20〜40重量%の範囲である。
【0009】
成分(C) を作るに際して用いる1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートの具体例としては、例えば、トリエチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,2-ジイソシアナトプロパン、1,3-ジイソシアネ−トプロパン、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,1'−メチレンビス(4-イソシアネ−トシクロヘキサン)、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシル)イソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネ−トメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2-イソシアナトエチル−2,6-ジイソシアナトヘキサエノール等のポリイソシアネートモノマー、および、これらイソシアネ−ト類のダイマー類やトリマー類を挙げることができる。
【0010】
また、成分(C) を作るに際して用いる1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有するポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン等のアルコールやポリエーテルグリコール等が挙げられ、好ましいものとしては、ポリエーテルグリコールである。
【0011】
また、成分(C) を作るに際して用いる水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-クロロ−2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-クロロ−2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ブロモ−2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ブロモ−2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-クロロ−1-(ヒドロキシメチル)エチルアクリレート、2-クロロ−1-(ヒドロキシメチル)エチルメタクリレート、2-ブロモ−1-(ヒドロキシメチル)エチルアクリレート、2-ブロモ−1-(ヒドロキシメチル)エチルメタクリレート等を挙げることができ、中でも、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートが好ましい。
【0012】
成分(D) として用いる分子中に2個以上のラジカル重合可能な二重結合を有するモノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート等が挙げられ、これらは単独で、または2種類以上の併用で用いることができる。
【0013】
成分(D) は、本発明のシラップ組成物を架橋させて得た硬化物の耐久性、耐薬品性、耐汚れ性を向上させる目的で用いられるものである。成分(D) の添加量が多すぎるシラップ組成物は、その硬化時間が短くなりすぎるので、その適正な添加量は0〜20重量%まで、より好ましくは0〜10重量%までの範囲である。
【0014】
成分(E) として用いるパラフィンワックスの具体例としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスやステアリン酸、1,2-ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられるが、好ましくは、パラフィンワックスである。成分(E) は、本発明のシラップ組成物より形成した塗膜表面の空気遮断作用による硬化阻害作用の防止、および、得られる硬化物表面への光沢の付与、耐汚れ性の向上を目的として用いられる。夏と冬とではシラップの塗工時の温度条件が大きく異なるので、これらの目的を満足させるために融点の異なる2種以上のものを併用して用いるのがよい。成分(E) を多量に添加したシラップ組成物より形成した塗膜は、その外観を損なうので、その添加量は 0.1〜5重量%の範囲、より好ましくは 0.2〜2重量%の範囲である。
【0015】
本発明のシラップ組成物には、さらに硬化剤、硬化促進剤、およびその他必要な添加剤を添加し、コテ、ローラー、刷毛、またはその他の適切な道具、塗工機を用いて要防水部に塗工されるが、その塗工に際しての好ましい作業性を備えており、良好な塗膜表面を形成できる良好なセルフレベリング性を備えている。これらの性能を備えたシラップ組成物とするためには、その粘度は低いことが好ましいが、低すぎるとその塗工面が流失するので、本発明の組成物は適切な粘度範囲を有していることが必要であり、その範囲は好ましくは50〜1000cps である。
【0016】
本発明のシラップ組成物は、硬化剤と促進剤の組合せによりなる公知のレドックス系触媒を用いて−30〜60℃の温度範囲で2時間以内に硬化させることができる。レドックス系触媒としては、種々のものを用いることができるが、促進剤として第3級アミンを、硬化剤として有機過酸化物の組合せを用いるのが有利である。第3級アミンとしては、窒素原子に直接少なくとも1個の芳香族残基が結合しているものが好ましく、とくに、N,N'−ジメチルアニリン、N,N'−ジメチル−p-トルイジン、N,N'−ジ(ヒドロキシエチル)−p-トルイジン、N,N'−ジ(ヒドロキシプロピル)−p-トルイジン等の1種または2種以上の組合せが好ましい。有機過酸化物の好ましい例としては、過酸化ベンゾイルが挙げられる。過酸化ベンゾイルは取り扱い上の危険を避けるために、不活性の液体または固体で濃度50%程度に希釈されたペースト状または粉末状のものを用いることが望ましい。
【0017】
とくにこのシラップを防水材として使用する場合には、塗工した樹脂液層が硬化に至る前に塗膜表面がそのセルフレベリング性により平滑に整えられる時間(樹脂液がその塗工作業中に十分な流動性を保っていることを要求される時間であり、この時間を可使時間と呼ぶ)的余裕が無ければならない。樹脂液の可使時間ならびに硬化時間があまりに短すぎると、その塗工作業性も不十分になり、良好な性能を備えた塗膜を形成できなくなる。一般には、目的に応じた防水層形成作業に応じて樹脂液が備えるべき可使時間が決められ、十分な可使時間を備えるとともに、できるだけ短い時間内に硬化するようにする。
【0018】
本発明のシラップ組成物の配合物の好ましい可使時間は5〜30分、および、好ましい硬化時間は10〜90分であり、このような特性を備えた組成物を得るためには、配合物の温度あるいは塗工時の気温に応じて硬化剤量および/または促進剤量を調節するのが好ましい。有機過酸化物(濃度50%溶液)の使用量は本発明のシラップ組成物100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜5重量部の範囲である。また、第3級アミンの使用量はシラップ組成物100重量部に対し、0.1〜4重量部の範囲で使用し、好ましくは0.3〜4重量部の範囲である。
【0019】
本発明のシラップ組成物とレドックス系触媒を構成する硬化剤と促進剤の両成分とを混合すると、該シラップ組成物を構成する成分(A) 、成分(B) 、成分(C) 、成分(D) 間の重合反応が速やかに開始され、該組成物の硬化が進行する。また、本発明の組成物と硬化剤との混合によっても常温においてゆっくりと硬化が進行する。従って、硬化剤はシラップ組成物の塗工の直前にシラップ組成物に混合されることが好ましい。一方、促進剤は本発明のシラップ組成物の硬化を進行させないので、促進剤を本発明のシラップ組成物にあらかじめ混合して貯蔵することができる。この方法はシラップの塗工に際しての作業を単純化するので好ましい。
【0020】
本発明のシラップ組成物を用いた防水材組成物には、必要に応じて得られる硬化物の伸度の増大と硬化時の収縮の低減を図るため可塑剤を配合するのがよい。この可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等のアジピン酸エステル類、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼライン酸エステル類などの2塩基性脂肪酸エステル類、塩素化パラフィン等のパラフィン類が挙げられる。これらの可塑剤のシラップ組成物への配合割合は前述した成分(A)〜成分(D)の合計量100重量部に対し、30重量部以下なる割合とするのが好ましい。この可塑剤の配合割合が30重量部を越えたシラップ組成物は、その硬化性が低下し、硬化物の上面にその滲出を招き望ましくない。
【0021】
また、本発明のシラップ組成物には、下地に対する接着性の向上や接着強度の耐久性を向上させる目的で、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N-β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を添加することができる。
【0022】
また、本発明のシラップ組成物の硬化性を向上させる目的で、トリブチルフォスファイト、トリ(2-エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリステアリルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリフェニルフォスファイトなどのフォスファイト類を、また、シラップ組成物より形成した塗膜の表面外観を整える目的で、各種の消泡剤やレベリング剤を、さらに、本発明のシラップ組成物の貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,4-ジメチル−6-t-ブチルフェノールのような重合抑制剤を本発明のシラップ組成物中に添加することができる。
【0023】
本発明のシラップ組成物は、防水材や目地材として用いたとき、その塗工作業性が良好であり、適切な可使時間ならびに硬化時間を備えており、該シラップ組成物より形成した塗膜のレベリング特性は極めて良好であり、耐薬品性良好にして、耐重荷重性、耐摩耗性、基材追随性を備えた防水層を形成することができる。また、本発明のシラップ組成物は−30℃〜60℃での低温時、および、高温時のいずれにおいても良好な硬化性を備えた組成物であり、その施工特性は極めて良好である。また、本発明のシラップ組成物を防水材や目地材として用いる場合、必要に応じて炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硅砂等の骨材を 300重量%以下の比率で配合することができる。
【0024】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
[合成例1]
2リットルの四つ口フラスコにトリレンジイソシアネート 174g、触媒としてジブチルチンジラウレート 0.3g、溶媒としてメチルメタクリレート(以下MMAという) 380g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン0.64gを仕込み、内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 1,014のポリテトラメチレングリコール 650gと1,4-ブタンジオール14.4gの混合液を2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量よりやや過剰の2-ヒドロキシアクリレート(以下2-HEAという)48.8gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコの内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。総イソシアネート基の反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの71%MMA溶液を得た。このポリウレタンポリアクリレートの重量平均分子量は16,000であった。
【0026】
[合成例2]
2リットルの四つ口フラスコに平均分子量 414のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート 552.8g、触媒としてジブチルチンジラウレート 0.592g、溶媒としてMMA 355.4g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン 1.185gを仕込み、内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 2,000のポリプロピレングリコール 800gと1,4-ブタンジオール 9.0gの混合液を2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量より過剰の2-HEA 365.8gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコの内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。総イソシアネート基の反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの70%MMA溶液を得た。
【0027】
[合成例3]
2リットルの四つ口フラスコに平均分子量 414のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート 552.8g、触媒としてジブチルチンジラウレート 0.735g、溶媒としてMMA 441.1g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン 1.470gを仕込み、フラスコの内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 3,000のポリプロピレングリコール 1,200gと1,4-ブタンジオール 9.0gの混合液を2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量より過剰の2-HEA 365.8gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコ内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。イソシアネートの反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの70%MMA溶液を得た。
【0028】
[合成例4]
2リットルの四つ口フラスコに平均分子量 174のトリレンジイソシアネート 163.7g、触媒としてジブチルチンジラウレート0.59g、溶媒としてMMA 355.4g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン 1.185gを仕込み、内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 1,000のポリプロピレングリコール 600gと1,4-ブタンジオール13.5gの混合液を2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量より過剰の2-HEA 365.8gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコ内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。総イソシアネート基の反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの70%MMA溶液を得た。
【0029】
[合成例5]
2リットルの四つ口フラスコに平均分子量 174のトリレンジイソシアネート 163.7g、触媒としてジブチルチンジラウレート 0.5g、溶媒としてMMA 355.4g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン1.02gを仕込み、内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 2,000のポリプロピレングリコール 1,200gと1,4-ブタンジオール13.5gの混合液をMMA 305gで希釈したものを2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量より過剰の2-HEA46.3gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコ内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。総イソシアネート基の反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの70%MMA溶液を得た。
【0030】
[合成例6]
2リットルの四つ口フラスコに平均分子量 174のトリレンジイソシアネート 163.7g、触媒としてジブチルチンジラウレート0.72g、溶媒としてMMA 434g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチル−4-ヒドロキシトルエン1.45gを仕込み、内温を60℃まで昇温した。次いで、フラスコに平均分子量 3,000のポリプロピレングリコール 1,800gと1,4-ブタンジオール13.5gの混合液をMMA 434gで希釈したものを2時間かけて等速で滴下した。滴下終了後、1時間反応させて両末端に未反応イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを得た。次いで、未反応イソシアネート基と反応する等量より過剰の2-HEA46.3gを30分かけて等速で滴下した。滴下終了後、フラスコ内温を70℃まで昇温し2時間反応させた。総イソシアネート基の反応率が98%以上になったことを化学分析により確認し、ポリウレタンポリアクリレートの70%MMA溶液を得た。
【0031】
【実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例7】
[合成例1]〜[合成例6]で製造したウレタンポリ(メタ)アクリレートおよび表1〜表4に示した成分を表1に示すごとく配合し、20℃で測定した粘度が表1〜表4に示したごとき特性のシラップ組成物を得た。これらのシラップ組成物に表1〜表4に示した触媒を加えることにより、樹脂組成物を得、その硬化性および硬化時間を測定した結果を表1〜表4に示した。これらの樹脂組成物よりJIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)に準拠して、ダンベル形状3号形の試験片を作成し、20℃および−10℃雰囲気下での弾性率、破断伸度および引張強度を測定した結果を表1〜表4に示した。表1〜表4の結果より、これら実施例に示した樹脂組成物は、防水材、目地材として用いた場合、優れた特性を有するものであることを確かめた。
【0032】
実施例1〜実施例9に示した樹脂組成物を防水材として用い、プライマーを塗布したコンクリート舗道板上に、気温20℃で塗工し、防水層を形成した。その塗工性、レベリング性は良好であり、防水膜は30〜60分で硬化した。これらの防水層の防水性は良好であり、下地に対する追随性も良好であり、車輛が乗った際の耐重荷重性にも優れた防水層が形成されたことを確かめた。
【0033】
なお、表1〜表4に示した特性値は次のごとくして測定した。
[破断伸度]
JIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)の3.引張試験に規定されているダンベル形状3号形を試験片として、JIS A 6021(屋根用塗膜防水材)に準拠して、引張速度 200mm/min (アクリルゴム糸)にて引張試験を行った。
[引張強度]
JIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)の3.引張試験に規定されているダンベル形状3号形を試験片として、JIS A 6021(屋根用塗膜防水材)に準拠して、引張速度 200mm/min (アクリルゴム糸)にて引張試験を行った。
[弾性率]
JIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)の3.引張試験に規定されているダンベル形状3号形を試験片として、JIS A 6021(屋根用塗膜防水材)に準拠して、引張速度 200mm/min (アクリルゴム糸)にて引張試験を行った。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0035】
【発明の効果】
本発明のシラップ組成物は低温および高温時の塗工性に優れ、適切な可使時間と硬化時間を有するものであり、優れた破断特性、破断伸度、弾性率等を備えた防水材や目地材を提供することができる。
Claims (3)
- メタクリル酸メチル(A)25〜70重量%、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下であるラジカル重合可能な二重結合を1分子中に1個もつモノマー(B)15〜40重量%、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有するポリオールと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応せしめて得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート(C)10〜50重量%、1分子中に2個以上のラジカル重合可能な二重結合を有するモノマー(D)0〜20重量%、融点が40〜80℃のパラフィンワックス(E)0.1〜5重量%、およびそれらの合計量100重量部に対して、第3級アミン0.1〜4重量部を含む重合触媒よりなるアクリル系シラップ組成物(但し、乾油性及び/又はそれらの脂肪酸系化合物を用いた空乾性付与型重合体を含まない)。
- 請求項1記載のアクリル系シラップ組成物よりなる防水層または目地部形成用組成物。
- 請求項1記載の成分(A)〜(D)の合計量100重量部に対して、可塑剤を30重量部以下配合した組成物よりなる防水層または目地部形成用組成物。
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