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JP3646426B2 - Magnetization method of superconductor and superconducting magnet device - Google Patents

Magnetization method of superconductor and superconducting magnet device Download PDF

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JP3646426B2
JP3646426B2 JP24914596A JP24914596A JP3646426B2 JP 3646426 B2 JP3646426 B2 JP 3646426B2 JP 24914596 A JP24914596 A JP 24914596A JP 24914596 A JP24914596 A JP 24914596A JP 3646426 B2 JP3646426 B2 JP 3646426B2
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superconductor
magnetic field
refrigerant
temperature
cooling device
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佳孝 伊藤
徹雄 岡
陽介 柳
雅章 吉川
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Corp
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,バルク形状(塊状)の超電導体に高い磁場を捕捉させて磁石として用いる場合の,超電導体の着磁方法及び超電導磁石装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば,溶融法により作製されたRE−Ba−Cu−O系(REはY又は希土類元素)の高温超電導体は1T(テスラ)を越える大きな磁場を捕捉することができ,従来の永久磁石を凌ぐ性能の磁石となることが知られている。
この超電導体を簡便に着磁する方法としては,例えば特開平6−168823号公報(文献1),Japanease Jounal of AppliedPhysics Vol35(1996)p.p.2114−2125(文献2),特願平8−180058号(文献3)に記載されているごとく,パルス磁場を超電導体に印加する方法(パルス着磁法)が開示されている。
【0003】
即ち,上記文献1,2によれば,高温超電導体を液体窒素で77Kに冷却した後,高温超電導体の周囲に配置した着磁コイルにパルス電流を通電することにより超電導体に図8に示すごときパルス磁場Pを印加する。これにより,超電導体は,いわゆるピン止め力によって磁場を捕捉して強力な磁石となる。
このパルス着磁法によれば,従来の他の方法(FC法,ZFC法)に比べて非常に簡便に超電導体に着磁することができ,この方法を利用した超電導磁石装置はコンパクトにすることができる。
【0004】
また,文献2においては,超電導体に最大の磁場を捕捉させるためには,印加するパルス磁場の大きさに最適値(最適印加磁場)があることが報告されている。また,パルス着磁法における最適印加磁場は,磁場をかけずに冷却した後静磁場を印加する方法(ZFC法)における最適印加磁場より大きくなることが報告されている。
また,文献3には,液体窒素に代えて冷凍機を用いて超電導体を冷却する方法が示されている。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来のパルス着磁法において従来よりもさらに強力な磁石を得ようとする場合には,次のような問題点がある。この問題点を明らかにするために,超電導体が磁場を捕捉するメカニズムをあらためて簡単に説明する。
まず,超電導体は,超電導遷移温度TC 以下の温度において,臨界電流密度JC によって決定されるピン止め力により磁束を捕捉することができる。このピン止め力によって捕捉可能な磁束の密度(捕捉可能磁場)は,図9(a)に示すごとく,超電導体の幅方向において,端部を原点として一定の勾配Qを持って分布し,中心部分が最も高くなるという特性がある。
【0006】
また,上記ピン止め力を決定する臨界電流密度JC は,超電導体の材料固有の特性の一つであり,一般的に低温になるほど向上するものである。そのため,超電導体を低温化すれば,臨界電流密度JC によって決定されるピン止め力も向上し,上記の捕捉可能磁場の分布の勾配は急峻となり(Q→R),さらに中心部分の捕捉可能磁場が高くなる。
【0007】
次に,超電導体が実際に捕捉できる磁場は,超電導体内に侵入した磁束の密度(侵入磁場)を越えることはできない。従って,超電導体が実際に捕捉する磁場(捕捉磁場)を高めるためには超電導体の中心部分にできるかぎり高い磁場を侵入させる必要がある。
一方,パルス着磁法により超電導体内に侵入する侵入磁場Sの分布は,図9(b)に示すごとく,また文献1〜3にも示されているように,上記の捕捉可能磁場Rの分布とは逆形状の分布となり,超電導体の端部が最も高く,中心部分が最も低い分布形状となる。
【0008】
そのため,図10(a)に示すごとく,捕捉可能磁場Rの分布を越える十分な侵入磁場Sの分布を付与できた場合には,最大限の捕捉磁場Bが得られる。一方,図10(b)に示すごとく,超電導体に付与した侵入磁場Sの分布が超電導体の中心部分において捕捉可能磁場Rを越えない場合には,特に中心部分の捕捉磁場Bが低くなってしまう。
【0009】
以上のような特性を有する超電導体を従来よりも強力な磁石とするためには,超電導体の捕捉可能磁場を高めることと,これに対応する侵入磁場が得られる高いパルス磁場を印加することが必要である。
超電導体の捕捉可能磁場を高めるためには,超電導体の大径化,超電導体自体の組織制御による臨界電流密度JC の向上,超電導体の低温化による臨界電流密度JC の向上等の方法がある。
【0010】
一方,パルス着磁法において従来よりも高い磁場を印加するためには,着磁コイルの巻数を多くしたり,パルス電流を供給する電源を大型化したり,さらには,大きな電磁力に耐えうるように着磁コイル全体を頑丈な構造にする必要がある。このようなことは,パルス着磁法が他のZFC法等よりも簡便な装置で容易に超電導体を着磁できるという大きな特徴を損なってしまう。
【0011】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,捕捉可能磁場特性の優れた超電導体に,コンパクトな装置で高い磁場を捕捉させることができる,超電導体の着磁方法及び超電導磁石装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,超電導体の中心部分の温度T0 を超電導遷移温度TC 以下となすと共に,周辺部分の温度は上記中心部分の温度T0 よりも高い温度T3 となしておき,
上記超電導体にパルス磁場を印加し,
次いで上記超電導体全体の温度を上記T0 に近づけてパルス磁場を再び印加することを特徴とする超電導体の着磁方法にある。
【0013】
本発明において最も注目すべきことは,上記超電導体への最初のパルス磁場の印加の際には,超電導体の中心部分の温度T0 を超電導遷移温度TC 以下となすと共に,周辺部分の温度は上記中心部分の温度T0 よりも高い温度T3 となしておくことである。
【0014】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明においては,まず,上記超電導体の中心部分の温度T0 よりも周辺部分の温度T3 を高くした状態にする。この場合には,前述した臨界電流密度Jc 等の性質によって,あたかも超電導体の外径が小さくなったような状態となる。
【0015】
即ち,中心部分よりも温度が高い周辺部分は,臨界電流密度Jc が中心部分よりも低くなり,ピン止め力も小さくなる。ピン止め力が小さくなると,印加された磁場の侵入が容易となる(図2(a),図5(a))。
そのため,上記のごとき温度分布を有する超電導体にパルス磁場を印加すると,超電導体全体が上記温度T0 と均一な温度分布にある場合よりも(図2(b),図5(b)),中心部分に強い印加磁場が侵入する。そのため超電導体の中心部分には,従来よりも強い磁場が捕捉される(図2(a),図5(a))。
【0016】
ただしこの時点においては,ピン止め力の小さい周辺部分は,強い磁場が侵入しても捕捉磁場は小さい(図2(a),図5(a))。
次いで,中心部分に強い磁場を捕捉している超電導体の温度を,全体的に中心部分の温度T0 に近づける。これにより,上記超電導体周辺部分の臨界電流密度JC は向上し,そのピン止め力は中心部分と同等となる。そのため,この状態において再び超電導体にパルス磁場を印加すると,最初の捕捉磁場を維持したまま周辺部分にさらに強い磁場が捕捉される。
【0017】
それ故,本発明においは,捕捉可能磁場特性に優れた超電導体に対して最適印加磁場を付与できない場合においても,超電導体に高い磁場を捕捉させることができる。
【0018】
また,請求項2の発明のように,上記温度T3 は,T3 >TC の関係にあることが好ましい。この場合には,温度T3 になった周辺部分を常電導状態にすることができる。そのため,周辺部分には印加された磁場が最大限侵入し,中心部分に侵入する磁場をさらに大きくすることができる(図2(a))。
【0019】
また,請求項3の発明のように,上記温度T3 は,TC ≧T3 >T0 の関係にあってもよい。即ち,T3 は上記のごとくTC 以上であることが好ましいが,TC とT0 の温度差が大きい場合には,周辺部分の温度T3 をTC 以上にすることが困難な場合がある。しかしながらこの場合においても,少なくともT3 >T0 であれば,周辺部分のピン止め力の低下を図ることができ,中心部分への侵入磁場の増加による捕捉磁束密度の増加を図ることができる。
【0020】
次に,上記超電導体の着磁方法を利用した超電導磁石装置として次の装置がある。
即ち,請求項4の発明のように,断熱容器内に配設された超電導体と,該超電導体を冷却するための冷却装置と,上記超電導体にパルス磁場を印加するための着磁コイルと,上記超電導体を加熱するためのヒータとからなることを特徴とする超電導磁石装置がある。
【0021】
本発明の超電導磁石装置において最も注目すべきことは,上記超電導体を加熱するための上記ヒータを有することである。
このヒータとしては,マンガニン線等のヒータを用いることができる。
【0022】
また,上記断熱容器は,外部からの熱の侵入を極力防いで上記超電導体の温度の上昇を防止し,かつ超電導体の冷却を容易にするためのものである。具体的には,例えば,輻射シールド板を備えた真空断熱槽といった本格的な断熱対策を施したものがある。また,例えば,単にFRPや発泡スチロールといった熱伝導度の極めて低い材料を構成材料として用いた簡便なものもある。
【0023】
上記着磁コイルは,鋸波,矩形波,正弦波,コンデンサ放電波形等の種々の波形の単発又は複数の短時間電流(パルス電流)を通電することにより,パルス磁場を発生するものである。例えばコンデンサ放電を利用する場合には,着磁コイルの寸法,コイルの巻数,全回路の抵抗・インダクタンス・静電容量等を調整することによりパルス磁場の大きさやパルスの立ち上がり時間を制御することができる。
【0024】
また,着磁コイルの材質は,パルス通電時の発熱をヒータによる加熱と同じように利用する場合には適当な抵抗率を持った常電導体が,発熱を抑える場合には低抵抗の銅やアルミニウムもしくは超電導体が用いられる。
また,着磁コイルの配置は,上述した文献1,2に示されているごとく,上記断熱容器の中に超電導体と共に収納されていてもよいし,文献3に示されているごとく,上記断熱容器の外に配設してあってもよい。また,着磁コイルは,必ずしも上記超電導体の周囲にある必要はなく,超電導体の上面又は下面の少なくとも一部分に対向していればよい。
【0025】
上記冷却装置は,上記超電導体を直接冷却するものであって,後述するごとく,種々の構成をとることができる。
また,上記超電導体は,バルク形状(塊状)であり,その形状は,円柱状,角柱状等,種々の形状をとることができる。また,上記超電導体は,いわゆるピン止め点を有するものであって,例えば後述する高温超電導体を用いる。
【0026】
次に,本発明の超電導磁石装置の作用につき説明する。
本発明の装置において超電導体を着磁する際には,まず,上記冷却装置によって超電導体全体を中心部分の温度T0 にする。
次いで,上記ヒータによって超電導体の周囲を加熱する。これにより,一般的に熱伝導性がわるい超電導体は,その周辺部分のみが温度T3 に温度上昇し,中心部分はしばらくの間は上記T0 を維持することができる。
【0027】
そして,この状態において上記着磁コイルによって超電導体にパルス磁場を印加する。これにより,上記のごとく,超電導体の中心部分に強い磁場が捕捉されれる。
次いで,上記ヒータによる加熱を止め,上記冷却装置によって超電導体全体を温度T0 に近づける。そして,再び上記着磁コイルによって超電導体にパルス磁場を印加する。これにより,上記のごとく,超電導体の周辺部分の捕捉磁場が増加する。
【0028】
このように,本発明の超電導磁石装置によれば,上記の超電導体の着磁方法を確実かつ容易に実施することができる。
また,本発明の超電導磁石装置は,上記のごとく簡単な構成であるため非常にコンパクトにすることができる。それ故,本発明の超電導磁石装置は,種々の機器における磁石装置として有効に利用することができる。
【0029】
また,請求項5の発明のように,上記冷却装置は冷凍機であり,該冷凍機には上記超電導体を冷却するためのコールドヘッドを設けることができる。この場合には,超電導体の冷却を効率よく,かつ精度よく行うことができ,上記の超電導体の着磁方法の効果を十分に発揮させることができる。
【0030】
また,請求項6の発明のように,上記冷却装置は冷媒循環型の冷却装置であり,該冷却装置は,上記超電導体と冷媒とを収納した冷媒容器と,該冷媒容器に冷媒移送管を介して連結された冷媒冷却装置とよりなり,該冷媒冷却装置により冷却した冷媒を上記冷媒容器内との間に循環させるように構成することもできる。
【0031】
この場合には,冷媒の性質を利用して精度の高い温度制御を行うことができる。
また,上記冷媒としては,例えば,酸素,窒素,ネオン,水素,ヘリウム等の液体もしくは気体を用いる。
【0032】
また,請求項7の発明のように,上記冷却装置は冷媒貯留型の冷却装置であり,該冷却装置は,上記超電導体と冷媒とを収納した冷媒容器と,該冷媒容器内の上記冷媒の蒸気圧を調整するための排気装置とを有する構成をとることもできる。
この場合には,装置構成を簡単にすることができる。
【0033】
また,請求項8の発明のように,上記超電導体は,RE−Ba−Cu−O系(ここに,REはY,希土類元素,又はこれらの元素の組み合わせ)であることが好ましい。RE−Ba−Cu−O系の超電導体は,いわゆるピン止め点を無数に有し,かつ比較的高温において超電導状態となる。そのため,比較的高温域において用いる超電導磁石として非常に優れた性能を発揮させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる超電導体の着磁方法を利用した超電導磁石装置につき,図1〜図4を用いて説明する。
本例の超電導磁石装置1は,図1に示すごとく,断熱容器2内に配設された超電導体10と,該超電導体10を冷却するための冷却装置としての冷凍機3と,超電導体10にパルス磁場を印加するための着磁コイル4と,超電導体10を加熱するためのヒータ5とからなる。
【0035】
超電導体10は半径aの円盤形状であって,その材質としてはRE−Ba−Cu−O系(ここに,REはY,希土類元素,又はこれらの元素の組み合わせ)を用いた。そして,図1に示すごとく,超電導体10の外周を囲むようにヒータ5を配設してある。ヒータ5には,マンガニン線を用いた。
【0036】
断熱容器2は,図1に示すごとく,FRPを用い,超電導体10と,後述する冷凍機3のコールドヘッド31とを収納している。断熱容器2内部は,外部からの熱の侵入をできる限り防ぐべく,真空状態にしてある。
着磁コイル4は,図1に示すごとく,超電導体10の周囲に位置するように,上記の断熱容器2の外部に配設してある。また,着磁コイル4は,コンデンサ放電を利用したパルス電源41に電気的に接続されている。
【0037】
本例における冷却装置は,図1に示すごとく,コンプレッサ32,コールドヘッド31を有する冷凍機3よりなる。コールドヘッド31は,熱を奪って冷却する部分であって,熱伝導性に優れた銅部材35を介して超電導体10に連結してある。
【0038】
次に,本例の超電導磁石装置1を用いて超電導体10を着磁する手順につき説明する。
超電導体10を着磁するに当たっては,まず,冷凍機3を作動させて超電導体10を全体的に超電導遷移温度TC 以下の温度T0 に冷却する。次いで,ヒータ5を作動させて超電導体10の周辺部分を超電導遷移温度TC よりも高い温度T3 まで加熱する。
【0039】
加熱直後の超電導体10内部の温度Tの分布を図2(a)上図に示す。同図は,横軸に超電導体10の半径方向の位置,縦軸に温度をとってある。同図より知られるごとく,本例の超電導体10は熱伝導率が低いため,周辺部分の温度がT3 になっても,中心部分の温度はしばらくの間T0 に保持された状態となる。
【0040】
次いで,この状態において,超電導体10に強さ6のパルス磁場(図8)を印加する。超電導体10内に侵入した侵入磁場S1 の分布を図2(a)下図に示す。同図は,横軸に超電導体10の半径方向の位置,縦軸に磁束密度をとってある。同図より知られるごとく,超電導体10内に侵入した侵入磁場S1 分布は,温度が超電導遷移温度TC 以上の周辺部分Eにおいては,印加した強さ6そのままの値になる。
そして,超電導遷移温度TC 以下になった部分から徐々に侵入磁場が小さくなる。この侵入磁場S1 分布は,全体が温度T0 の場合に同じ強さのパルス磁場を印加した場合に侵入する侵入磁場S2 (図2(b)下図)よりも大きい。
【0041】
また,この温度状態における超電導体10の捕捉可能磁場R1 の分布を図2(a)下図に示す。同図より知られるごとく,捕捉可能磁場R1 は,周辺部分Eはピン止め力がないため,あたかも外径が小さくなった様に分布する。そして,捕捉可能磁場R1 分布は侵入磁場S1 分布に含有されるため,捕捉される磁場B1 は,捕捉可能磁場R1 そのものの強さとなる。
【0042】
次いで,ヒータ5による超電導体10の加熱を止め,図2(b)上図に示すごとく,再び冷凍機3によって超電導体10を全体的に温度T0 に冷却する。
そして,この状態において再び着磁コイル4によって超電導体10にパルス磁場を印加する。超電導体10内に侵入した侵入磁場S2 の分布を図2(b)下図に示す。同図より知られるごとく,超電導体10内に侵入した侵入磁場S2 分布は,超電導体10の端部から中心に向かって減少する放物線状となる。この侵入磁場S2 分布は,先回(第1回目のパルス磁場印加時)の侵入磁場S1 分布(図2(a))よりも全体的に小さくなる。
【0043】
また,この温度状態における超電導体10の捕捉可能磁場R2 分布を図2(b)下図に示す。同図より知られるごとく,今回の捕捉可能磁場R2 は先回の捕捉磁場R1 よりも大きくなる。そして,捕捉磁場R2 分布の中心部分は,侵入磁場S2 分布を越えてしまう。そのため,今回の侵入磁場S2 によって捕捉された磁場B2 は,超電導体10の周辺部分においてのみ増加し,中心部分は先回の状態が維持される。
したがって,最終的に捕捉された磁場分布Bは,図3(a)に示すごとき形状となる。
【0044】
これに対し,従来の方法,即ち超電導体10の温度を全体的にT0 にした状態においてパルス磁場を1回印加した場合の捕捉磁場Bの分布を図4に示す。図4と図3(a)との比較より知られるように,本例において着磁された超電導体10は,その中心部分の捕捉磁場密度が大幅に増加し,さらに強力な磁石となることがわかる。
尚,本例により得られた捕捉磁場Bは,図3(b)に示すごとく,経時的に若干平準化される。
【0045】
実施形態例2
本例においては,図5(a)上図に示すごとく,上記の実施形態例1における第1回目のパルス磁場印加の際の超電導体の周辺部分の加熱温度T3 をTC 以下の温度にした。その他,超電導磁石装置,着磁手順等については実施形態例1と同様にした。
【0046】
本例における第1回目のパルス磁場印加の際の超電導体10内の温度分布Tのに対応する侵入磁場S1 ,捕捉可能磁場R1 ,捕捉磁場B1 を図5(a)下図に示す。同図より知られるごとく,本例における侵入磁場S1 は,実施形態例1の場合に比べて周辺部分が若干小さくなるため全体的に実施形態例1よりも小さくなる。しかしながら,この場合においても,超電導体10の温度が全体的にT0 の場合(図5(b))に比べると,依然大きな磁場が侵入する。
【0047】
そのため,図5(a)に示すごとく,第1回目のパルス磁場の印加によって,特に中央部分に強い捕捉磁場B1 が得られる。次いで,第2回目のパルス磁場の印加によって,実施形態例1と同様に,周辺部分の捕捉磁場B2 が増加する。
それ故,本例においても,全体として従来よりも大きな磁場を超電導体10に捕捉させることができる。その他,実施形態例1と同様の作用効果が得られる。
【0048】
実施形態例3
本例の超電導磁石装置104は,図6に示すごとく,超電導体10の冷却装置として,冷媒循環型の冷却装置7を用いた。この冷媒循環型の冷却装置7は,ヒータ5に囲まれた超電導体10及び着磁コイル4と冷媒9とを収納した冷媒容器71と,これに冷媒移送管72を介して連結された冷媒冷却装置73とよりなる。
【0049】
そして,冷媒冷却装置73により冷却した冷媒9を冷媒容器71内との間に循環させるように構成してある。また,冷媒容器71は,真空状態に減圧した真空層75を介して真空容器76に収納されている。これら,真空容器76,真空層75,冷媒容器71が断熱容器204を構成している。
【0050】
また,本例における冷媒9としては,液体窒素を用いている。そのため,超電導体10の温度を,液体窒素の沸点である77K以下に精度良く制御することができる。その他は,実施形態例1と同様の作用効果が得られる。
【0051】
実施形態例4
本例の超電導磁石装置105は,図7に示すごとく,超電導体10の冷却装置として,冷媒貯留型の冷却装置8を用いた。この冷媒貯留型の冷却装置8は,ヒータ5に囲まれた超電導体10及び着磁コイル4と冷媒9とを収納した冷媒容器81と,冷媒容器81内の冷媒9の蒸気圧を調整するための真空排気装置83とを有する。
【0052】
冷媒容器81と真空排気装置83との間は,排気間82により連結してあり,排気管82には,圧力計821を配設してある。
また,冷媒容器81は,真空状態に減圧した真空層85を介して真空容器86に収納されている。これら,真空容器86,真空層85,冷媒容器81が断熱容器205を構成している。
【0053】
本例の場合には,上記の真空排気装置83により冷媒容器内の蒸気を排気することにより,冷媒9の蒸発が促され,その蒸発熱によって冷媒9の温度を低下させることができる。したがって,冷媒9の温度制御,即ち超電導体10の温度制御を容易に行うことができる。
その他は,実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,捕捉可能磁場特性に優れた超電導体に,コンパクトな装置で高い磁場を捕捉させることができる,超電導体の着磁方法及び超電導磁石装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の超電導磁石装置の構成を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,(a)第1回目のパルス磁場印加時,(b)第2回目のパルス磁場印加時,の超電導体の温度,侵入磁場,捕捉可能磁場,捕捉磁場の分布を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,(a)最終的に捕捉された磁場分布,(b)経時的に変化した捕捉磁場分布,を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,比較例の捕捉磁場密度を示す説明図。
【図5】実施形態例2における,(a)第1回目のパルス磁場印加時,(b)第2回目のパルス磁場印加時,の超電導体の温度,侵入磁場,捕捉可能磁場,捕捉磁場の分布を示す説明図。
【図6】実施形態例3の超電導磁石装置の構成を示す説明図。
【図7】実施形態例4の超電導磁石装置の構成を示す説明図。
【図8】従来例における,パルス磁場を示す説明図。
【図9】従来例における,(a)捕捉可能磁場分布,(b)侵入磁場分布,を示す説明図。
【図10】従来例における,(a)最適印加磁場を印加した場合,(b)最適印加磁場に満たない磁場を印加した場合,の捕捉磁場を示す説明図。
【符号の説明】
1,104,105...超電導磁石装置,
10...超電導体,
2,204,205...断熱容器,
3...冷凍機,
31...コールドヘッド,
4...着磁コイル,
5...ヒータ,
7...冷媒循環型の冷却装置,
8...冷媒貯溜型の冷却装置,
9...冷媒,
[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a superconductor magnetization method and a superconducting magnet device in the case of using a bulk-shaped (bulky) superconductor as a magnet by capturing a high magnetic field.
[0002]
[Prior art]
For example, a RE-Ba-Cu-O-based (RE is Y or rare earth element) high-temperature superconductor manufactured by a melting method can capture a large magnetic field exceeding 1 T (Tesla), surpassing conventional permanent magnets. It is known to be a performance magnet.
As a method for easily magnetizing the superconductor, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-168823 (Document 1), Japanase Journal of Applied Physics Vol 35 (1996) p. p. As described in 2114-2125 (Reference 2) and Japanese Patent Application No. 8-180058 (Reference 3), a method of applying a pulse magnetic field to a superconductor (pulse magnetization method) is disclosed.
[0003]
That is, according to the above documents 1 and 2, the high temperature superconductor is cooled to 77 K with liquid nitrogen, and then a pulse current is applied to the magnetizing coil arranged around the high temperature superconductor, whereby the superconductor is shown in FIG. A pulse magnetic field P is applied. As a result, the superconductor becomes a powerful magnet by capturing the magnetic field with a so-called pinning force.
According to this pulse magnetizing method, it is possible to magnetize a superconductor very easily compared with other conventional methods (FC method, ZFC method), and a superconducting magnet device using this method can be made compact. be able to.
[0004]
Further, in Document 2, it is reported that there is an optimum value (optimum applied magnetic field) for the magnitude of the pulse magnetic field to be applied in order to cause the superconductor to capture the maximum magnetic field. In addition, it has been reported that the optimum applied magnetic field in the pulse magnetization method is larger than the optimum applied magnetic field in the method of applying a static magnetic field after cooling without applying a magnetic field (ZFC method).
Reference 3 describes a method of cooling a superconductor using a refrigerator instead of liquid nitrogen.
[0005]
[Problems to be solved]
However, when trying to obtain a stronger magnet than the conventional pulse magnetizing method, there are the following problems. To clarify this problem, the mechanism by which the superconductor captures the magnetic field will be briefly explained again.
First, the superconductor can capture the magnetic flux by the pinning force determined by the critical current density J C at a temperature equal to or lower than the superconducting transition temperature T C. The density of magnetic flux that can be captured by this pinning force (capable magnetic field) is distributed with a constant gradient Q from the end in the width direction of the superconductor as shown in FIG. There is a characteristic that the part becomes the highest.
[0006]
The critical current density J C that determines the pinning force is one of the characteristics inherent to the material of the superconductor, and generally increases as the temperature decreases. Therefore, if the temperature of the superconductor is lowered, the pinning force determined by the critical current density J C is also improved, the gradient of the above-mentioned trappable magnetic field distribution becomes steep (Q → R), and the trappable magnetic field in the central portion is further increased. Becomes higher.
[0007]
Next, the magnetic field that the superconductor can actually capture cannot exceed the density of the magnetic flux that has penetrated into the superconductor (intrusion magnetic field). Therefore, in order to increase the magnetic field actually captured by the superconductor (captured magnetic field), it is necessary to inject as high a magnetic field as possible into the central portion of the superconductor.
On the other hand, the distribution of the penetrating magnetic field S entering the superconductor by the pulse magnetization method is as shown in FIG. The distribution of the shape is opposite to that of the superconductor, and the end of the superconductor is the highest and the center is the lowest.
[0008]
For this reason, as shown in FIG. 10A, when a sufficient distribution of the penetrating magnetic field S exceeding the distribution of the trappable magnetic field R can be provided, the maximum trapping magnetic field B is obtained. On the other hand, as shown in FIG. 10B, when the distribution of the penetration magnetic field S applied to the superconductor does not exceed the trappable magnetic field R in the central portion of the superconductor, the trapped magnetic field B in the central portion is particularly low. End up.
[0009]
In order to make a superconductor having the above characteristics a stronger magnet than before, it is necessary to increase the magnetic field that can be captured by the superconductor and to apply a high pulse magnetic field that can provide the corresponding intrusion magnetic field. is necessary.
In order to increase the trappable magnetic field of the superconductor, methods such as increasing the diameter of the superconductor, improving the critical current density J C by controlling the structure of the superconductor itself, and improving the critical current density J C by lowering the temperature of the superconductor, etc. There is.
[0010]
On the other hand, in order to apply a higher magnetic field than in the past in the pulse magnetization method, the number of turns of the magnetizing coil is increased, the power supply for supplying the pulse current is increased, and further, it can withstand a large electromagnetic force In addition, it is necessary to make the entire magnetized coil sturdy. This deteriorates the great feature that the superconductor can be easily magnetized by a simpler device than the other ZFC methods.
[0011]
The present invention has been made in view of such conventional problems, and a superconductor having excellent trappable magnetic field characteristics can capture a high magnetic field with a compact device, and a superconductor magnetizing method and a superconducting magnet. The device is to be provided.
[0012]
[Means for solving problems]
In the invention of claim 1, the temperature T 0 of the central portion of the superconductor is set to be equal to or lower than the superconducting transition temperature T C, and the temperature of the peripheral portion is set to a temperature T 3 higher than the temperature T 0 of the central portion.
Applying a pulsed magnetic field to the superconductor,
Next, the superconductor magnetizing method is characterized in that the pulsed magnetic field is applied again by bringing the temperature of the entire superconductor close to T 0 .
[0013]
What is most noticeable in the present invention is that when the first pulse magnetic field is applied to the superconductor, the temperature T 0 of the central portion of the superconductor is set to be equal to or lower than the superconducting transition temperature T C and the temperature of the peripheral portion is set. Is a temperature T 3 higher than the temperature T 0 of the central portion.
[0014]
Next, the operation of the present invention will be described.
In the present invention, first, the temperature T 3 at the peripheral portion is set higher than the temperature T 0 at the central portion of the superconductor. In this case, the outer diameter of the superconductor is reduced as a result of the properties such as the critical current density Jc described above.
[0015]
That is, in the peripheral portion where the temperature is higher than that of the central portion, the critical current density Jc is lower than that of the central portion, and the pinning force is also reduced. When the pinning force is reduced, the applied magnetic field can be easily penetrated (FIGS. 2A and 5A).
Therefore, when a pulse magnetic field is applied to a superconductor having a temperature distribution as described above, the entire superconductor has a uniform temperature distribution with the temperature T 0 (FIGS. 2B and 5B), A strong applied magnetic field penetrates into the central part. For this reason, a stronger magnetic field than in the prior art is captured in the central portion of the superconductor (FIGS. 2A and 5A).
[0016]
However, at this time, the trapped magnetic field is small in the peripheral portion where the pinning force is small even if a strong magnetic field penetrates (FIGS. 2A and 5A).
Next, the temperature of the superconductor capturing a strong magnetic field in the central portion is brought close to the temperature T 0 of the central portion as a whole. As a result, the critical current density J C around the superconductor is improved, and its pinning force is equal to that of the central portion. Therefore, when a pulse magnetic field is applied to the superconductor again in this state, a stronger magnetic field is captured in the peripheral portion while maintaining the initial captured magnetic field.
[0017]
Therefore, in the present invention, even when the optimum applied magnetic field cannot be applied to a superconductor excellent in trappable magnetic field characteristics, the superconductor can capture a high magnetic field.
[0018]
Further, as in the invention of claim 2, the temperature T 3 is preferably in a relationship of T 3 > T C. In this case, the peripheral portion at the temperature T 3 can be brought into a normal conducting state. Therefore, the applied magnetic field penetrates to the peripheral part to the maximum, and the magnetic field penetrating the central part can be further increased (FIG. 2 (a)).
[0019]
Further, as in the third aspect of the invention, the temperature T 3 may have a relationship of T C ≧ T 3 > T 0 . That is, T 3 is preferably equal to or higher than T C as described above. However, when the temperature difference between T C and T 0 is large, it may be difficult to increase the temperature T 3 of the peripheral portion to T C or higher. is there. However, even in this case, if at least T 3 > T 0 , the pinning force in the peripheral portion can be reduced, and the trapped magnetic flux density can be increased due to the increase in the magnetic field entering the central portion.
[0020]
Next, there is the following apparatus as a superconducting magnet apparatus using the superconductor magnetization method.
That is, as in the invention of claim 4, a superconductor disposed in a heat insulating container, a cooling device for cooling the superconductor, a magnetizing coil for applying a pulse magnetic field to the superconductor, There is a superconducting magnet device comprising a heater for heating the superconductor.
[0021]
What should be noted most in the superconducting magnet apparatus of the present invention is that it has the heater for heating the superconductor.
As this heater, a heater such as a manganin wire can be used.
[0022]
Further, the heat insulating container is for preventing heat from entering from the outside as much as possible, preventing the temperature of the superconductor from rising, and facilitating cooling of the superconductor. Specifically, for example, there are those with full-scale heat insulation measures such as a vacuum heat insulation tank equipped with a radiation shield plate. Further, for example, there is a simple one using a material with extremely low thermal conductivity such as FRP or polystyrene foam as a constituent material.
[0023]
The magnetizing coil generates a pulse magnetic field by energizing a single or a plurality of short-time currents (pulse currents) having various waveforms such as a sawtooth wave, a rectangular wave, a sine wave, and a capacitor discharge waveform. For example, when using capacitor discharge, the size of the pulse magnetic field and the rise time of the pulse can be controlled by adjusting the dimensions of the magnetized coil, the number of turns of the coil, the resistance, inductance, capacitance, etc. of the entire circuit. it can.
[0024]
In addition, the magnet coil is made of a normal conductor with an appropriate resistivity when the heat generated during pulse energization is used in the same way as the heating by a heater. Aluminum or superconductor is used.
Further, the arrangement of the magnetizing coils may be accommodated together with the superconductor in the heat insulating container as shown in the above-mentioned documents 1 and 2, or as shown in the document 3, You may arrange | position outside a container. Further, the magnetizing coil does not necessarily have to be around the superconductor, and may be opposed to at least a part of the upper surface or the lower surface of the superconductor.
[0025]
The cooling device directly cools the superconductor and can have various configurations as will be described later.
Further, the superconductor has a bulk shape (bulk shape), and the shape thereof can take various shapes such as a columnar shape and a prismatic shape. The superconductor has a so-called pinning point, and for example, a high-temperature superconductor described later is used.
[0026]
Next, the operation of the superconducting magnet device of the present invention will be described.
When magnetizing a superconductor in the apparatus of the present invention, first, the entire superconductor is brought to the temperature T 0 of the central portion by the cooling device.
Next, the periphery of the superconductor is heated by the heater. As a result, in general, a superconductor with poor thermal conductivity has its peripheral portion only heated to the temperature T 3 , and the central portion can maintain T 0 for a while.
[0027]
In this state, a pulse magnetic field is applied to the superconductor by the magnetizing coil. As a result, as described above, a strong magnetic field is captured in the central portion of the superconductor.
Next, heating by the heater is stopped, and the entire superconductor is brought close to the temperature T 0 by the cooling device. Then, a pulse magnetic field is applied to the superconductor again by the magnetizing coil. As a result, the trapped magnetic field around the superconductor increases as described above.
[0028]
As described above, according to the superconducting magnet apparatus of the present invention, the above-described superconductor magnetization method can be reliably and easily performed.
Moreover, since the superconducting magnet device of the present invention has a simple configuration as described above, it can be made very compact. Therefore, the superconducting magnet device of the present invention can be effectively used as a magnet device in various devices.
[0029]
According to a fifth aspect of the present invention, the cooling device is a refrigerator, and the refrigerator can be provided with a cold head for cooling the superconductor. In this case, the superconductor can be cooled efficiently and accurately, and the effect of the above-described superconductor magnetization method can be sufficiently exhibited.
[0030]
According to a sixth aspect of the present invention, the cooling device is a refrigerant circulation type cooling device, and the cooling device includes a refrigerant container containing the superconductor and the refrigerant, and a refrigerant transfer pipe in the refrigerant container. It is also possible to configure such that the refrigerant cooled by the refrigerant cooling device is circulated between the refrigerant container and the refrigerant container.
[0031]
In this case, highly accurate temperature control can be performed using the property of the refrigerant.
Moreover, as said refrigerant | coolant, liquid or gas, such as oxygen, nitrogen, neon, hydrogen, helium, is used, for example.
[0032]
According to a seventh aspect of the present invention, the cooling device is a refrigerant storage type cooling device, and the cooling device includes a refrigerant container containing the superconductor and the refrigerant, and the refrigerant in the refrigerant container. A configuration having an exhaust device for adjusting the vapor pressure can also be adopted.
In this case, the device configuration can be simplified.
[0033]
Further, as in the invention of claim 8, it is preferable that the superconductor is an RE-Ba-Cu-O system (where RE is Y, a rare earth element, or a combination of these elements). RE-Ba-Cu-O-based superconductors have numerous so-called pinning points and are in a superconducting state at a relatively high temperature. For this reason, it is possible to exhibit extremely excellent performance as a superconducting magnet used in a relatively high temperature range.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiment 1
A superconducting magnet apparatus using a superconductor magnetizing method according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
As shown in FIG. 1, the superconducting magnet device 1 of this example includes a superconductor 10 disposed in a heat insulating container 2, a refrigerator 3 as a cooling device for cooling the superconductor 10, and a superconductor 10. It comprises a magnetizing coil 4 for applying a pulsed magnetic field and a heater 5 for heating the superconductor 10.
[0035]
The superconductor 10 has a disk shape with a radius a, and the material thereof is RE-Ba-Cu-O (where RE is Y, rare earth element, or a combination of these elements). As shown in FIG. 1, the heater 5 is disposed so as to surround the outer periphery of the superconductor 10. Manganin wire was used for the heater 5.
[0036]
As shown in FIG. 1, the heat insulating container 2 uses FRP and stores a superconductor 10 and a cold head 31 of the refrigerator 3 described later. The inside of the heat insulating container 2 is in a vacuum state in order to prevent heat from entering from the outside as much as possible.
As shown in FIG. 1, the magnetizing coil 4 is disposed outside the heat insulating container 2 so as to be positioned around the superconductor 10. Further, the magnetizing coil 4 is electrically connected to a pulse power source 41 using capacitor discharge.
[0037]
The cooling device in this example includes a refrigerator 3 having a compressor 32 and a cold head 31, as shown in FIG. The cold head 31 is a portion that takes heat and cools it, and is connected to the superconductor 10 via a copper member 35 having excellent thermal conductivity.
[0038]
Next, a procedure for magnetizing the superconductor 10 using the superconducting magnet device 1 of this example will be described.
In magnetizing the superconductor 10, first, the refrigerator 3 is operated to cool the superconductor 10 to a temperature T 0 that is not higher than the superconducting transition temperature T C as a whole. Next, the heater 5 is operated to heat the peripheral portion of the superconductor 10 to a temperature T 3 higher than the superconducting transition temperature T C.
[0039]
The distribution of the temperature T inside the superconductor 10 immediately after heating is shown in the upper part of FIG. In the figure, the horizontal axis represents the radial position of the superconductor 10 and the vertical axis represents temperature. As can be seen from the figure, since the superconductor 10 of this example has low thermal conductivity, even if the temperature of the peripheral portion becomes T 3 , the temperature of the central portion remains at T 0 for a while. .
[0040]
Next, in this state, a pulse magnetic field having a strength of 6 (FIG. 8) is applied to the superconductor 10. The distribution of the intrusion magnetic field S 1 entering the superconductor 10 is shown in the lower part of FIG. In the figure, the horizontal axis represents the radial position of the superconductor 10 and the vertical axis represents the magnetic flux density. As can be seen from the figure, the intrusion magnetic field S 1 distribution that has entered the superconductor 10 has the applied intensity 6 as it is in the peripheral portion E where the temperature is equal to or higher than the superconducting transition temperature T C.
Then, the invasion magnetic field gradually decreases from the portion where the temperature is lower than the superconducting transition temperature T C. This intrusion magnetic field S 1 distribution is larger than the intrusion magnetic field S 2 (the lower diagram in FIG. 2B) that intrudes when a pulse magnetic field having the same strength is applied when the temperature is T 0 as a whole.
[0041]
The distribution of the trappable magnetic field R 1 of the superconductor 10 in this temperature state is shown in the lower diagram of FIG. As can be seen from the figure, the trappable magnetic field R 1 is distributed as if the outer diameter is small because the peripheral portion E has no pinning force. Since the trappable magnetic field R 1 distribution is included in the intrusion magnetic field S 1 distribution, the trapped magnetic field B 1 is the strength of the trappable magnetic field R 1 itself.
[0042]
Next, the heating of the superconductor 10 by the heater 5 is stopped, and the superconductor 10 is cooled to the temperature T 0 by the refrigerator 3 again as shown in the upper diagram of FIG.
In this state, a pulse magnetic field is again applied to the superconductor 10 by the magnetizing coil 4. The distribution of the intrusion magnetic field S 2 that has entered the superconductor 10 is shown in the lower diagram of FIG. As can be seen from the figure, the intrusion magnetic field S 2 distribution that has entered the superconductor 10 has a parabolic shape that decreases from the end of the superconductor 10 toward the center. This penetration magnetic field S 2 distribution is generally smaller than the previous penetration magnetic field S 1 distribution (when the first pulse magnetic field is applied) (FIG. 2A).
[0043]
Further, the trappable magnetic field R 2 distribution of the superconductor 10 in this temperature state is shown in the lower diagram of FIG. As can be seen from the drawing, the current captureable magnetic field R 2 is larger than the previous capture magnetic field R 1 . Then, the central portion of the trapped magnetic field R 2 distribution exceeds the penetration magnetic field S 2 distribution. Therefore, the magnetic field B 2 captured by the current penetration magnetic field S 2 increases only in the peripheral portion of the superconductor 10, and the central portion maintains the previous state.
Therefore, the finally captured magnetic field distribution B has a shape as shown in FIG.
[0044]
On the other hand, FIG. 4 shows the distribution of the trapped magnetic field B when the pulse magnetic field is applied once in the conventional method, that is, when the temperature of the superconductor 10 is totally T 0 . As can be seen from the comparison between FIG. 4 and FIG. 3A, the superconductor 10 magnetized in this example has a significantly increased trapped magnetic field density at its central portion, and can become a more powerful magnet. Understand.
Note that the trapping magnetic field B obtained in this example is slightly leveled over time as shown in FIG.
[0045]
Embodiment 2
In the present embodiment, as shown in FIGS. 5 (a) shown above, the heating temperature T 3 of the peripheral portion of the superconductor during the first-time pulse magnetic field applied in the embodiment 1 described above in T C below the temperature did. In addition, the superconducting magnet device, the magnetization procedure, and the like were the same as in the first embodiment.
[0046]
FIG. 5A shows a penetrating magnetic field S 1 , a trappable magnetic field R 1 , and a trapping magnetic field B 1 corresponding to the temperature distribution T in the superconductor 10 when the first pulse magnetic field is applied in this example. As can be seen from the figure, the penetration magnetic field S 1 in this example is smaller than that in the first embodiment because the peripheral portion is slightly smaller than that in the first embodiment, and therefore the entire portion is smaller. However, even in this case, a large magnetic field still invades as compared with the case where the temperature of the superconductor 10 is entirely T 0 (FIG. 5B).
[0047]
Therefore, as shown in FIG. 5 (a), by application of the first pulse magnetic field, a strong trapped magnetic field B 1 is obtained in particular the central portion. Next, by the second application of the pulse magnetic field, the captured magnetic field B 2 in the peripheral portion is increased as in the first embodiment.
Therefore, also in this example, the superconductor 10 can capture a magnetic field larger than the conventional one as a whole. In addition, the same effects as those of the first embodiment can be obtained.
[0048]
Embodiment 3
As shown in FIG. 6, the superconducting magnet device 104 of this example uses a refrigerant circulation type cooling device 7 as a cooling device for the superconductor 10. The refrigerant circulation type cooling device 7 includes a refrigerant container 71 containing a superconductor 10 and a magnetizing coil 4 surrounded by a heater 5 and a refrigerant 9, and refrigerant cooling connected to the refrigerant container 71 via a refrigerant transfer pipe 72. Device 73.
[0049]
The refrigerant 9 cooled by the refrigerant cooling device 73 is circulated between the refrigerant container 71 and the inside of the refrigerant container 71. The refrigerant container 71 is housed in the vacuum container 76 through a vacuum layer 75 whose pressure is reduced to a vacuum state. The vacuum container 76, the vacuum layer 75, and the refrigerant container 71 constitute a heat insulating container 204.
[0050]
Further, liquid nitrogen is used as the refrigerant 9 in this example. Therefore, the temperature of the superconductor 10 can be accurately controlled to 77 K or less, which is the boiling point of liquid nitrogen. In other respects, the same effects as those of the first embodiment can be obtained.
[0051]
Embodiment 4
As shown in FIG. 7, the superconducting magnet device 105 of this example uses a refrigerant storage type cooling device 8 as a cooling device for the superconductor 10. This refrigerant storage type cooling device 8 adjusts the vapor pressure of the refrigerant 9 in the refrigerant container 81, the refrigerant container 81 containing the superconductor 10 and the magnetizing coil 4 surrounded by the heater 5, and the refrigerant 9. Vacuum evacuation device 83.
[0052]
The refrigerant container 81 and the vacuum exhaust device 83 are connected to each other by an exhaust 82, and a pressure gauge 821 is disposed in the exhaust pipe 82.
Further, the refrigerant container 81 is accommodated in the vacuum container 86 through the vacuum layer 85 decompressed to a vacuum state. These vacuum container 86, vacuum layer 85, and refrigerant container 81 constitute a heat insulating container 205.
[0053]
In the case of this example, the vapor in the refrigerant container is exhausted by the vacuum evacuation device 83, whereby the evaporation of the refrigerant 9 is promoted, and the temperature of the refrigerant 9 can be lowered by the heat of evaporation. Therefore, the temperature control of the refrigerant 9, that is, the temperature control of the superconductor 10 can be easily performed.
In other respects, the same effects as those of the first embodiment can be obtained.
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a superconductor magnetization method and a superconducting magnet device that can cause a superconductor excellent in trappable magnetic field characteristics to capture a high magnetic field with a compact device. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a configuration of a superconducting magnet device according to a first embodiment.
FIGS. 2A and 2B show the superconductor temperature, intrusion magnetic field, trappable magnetic field, and trapped magnetic field when (a) the first pulse magnetic field is applied and (b) the second pulse magnetic field is applied. Explanatory drawing which shows distribution.
FIGS. 3A and 3B are explanatory views showing (a) a finally captured magnetic field distribution and (b) a captured magnetic field distribution that has changed over time in Embodiment 1. FIG.
4 is an explanatory diagram showing a captured magnetic field density of a comparative example in Embodiment 1. FIG.
FIG. 5 shows the superconductor temperature, intrusion magnetic field, trappable magnetic field, and trapped magnetic field when (a) the first pulse magnetic field is applied and (b) the second pulse magnetic field is applied. Explanatory drawing which shows distribution.
6 is an explanatory diagram showing a configuration of a superconducting magnet device according to Embodiment 3. FIG.
7 is an explanatory diagram showing a configuration of a superconducting magnet device according to Embodiment 4. FIG.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a pulse magnetic field in a conventional example.
FIG. 9 is an explanatory diagram showing (a) a trappable magnetic field distribution and (b) an intrusion magnetic field distribution in a conventional example.
FIGS. 10A and 10B are explanatory diagrams showing a captured magnetic field when (a) an optimum applied magnetic field is applied and (b) a magnetic field less than the optimum applied magnetic field is applied in a conventional example.
[Explanation of symbols]
1,104,105. . . Superconducting magnet device,
10. . . Superconductor,
2,204,205. . . Insulated container,
3. . . refrigerator,
31. . . Cold head,
4). . . Magnetized coil,
5. . . heater,
7). . . Refrigerant circulation type cooling device,
8). . . Refrigerant storage type cooling device,
9. . . Refrigerant,

Claims (8)

超電導体の中心部分の温度T0 を超電導遷移温度TC 以下となすと共に,周辺部分の温度は上記中心部分の温度T0 よりも高い温度T3 となしておき,
上記超電導体にパルス磁場を印加し,
次いで上記超電導体全体の温度を上記T0 に近づけてパルス磁場を再び印加することを特徴とする超電導体の着磁方法。
The temperature T 0 of the central portion of the superconductor is set to be equal to or lower than the superconducting transition temperature T C, and the temperature of the peripheral portion is set to a temperature T 3 higher than the temperature T 0 of the central portion.
Applying a pulsed magnetic field to the superconductor,
Next, the method of magnetizing the superconductor, wherein the temperature of the entire superconductor is brought close to T 0 and a pulse magnetic field is applied again.
請求項1において,上記温度T3 は,T3 >TC の関係にあることを特徴とす超電導体の着磁方法。According to claim 1, said temperature T 3 is, T 3> magnetizing method features and to superconductor relation that T C. 請求項1において,上記温度T3 は,TC ≧T3 >T0 の関係にあることを特徴とする超電導体の着磁方法。According to claim 1, said temperature T 3 is magnetizing method of the superconductor, characterized in that a relation of T C ≧ T 3> T 0 . 断熱容器内に配設された超電導体と,該超電導体を冷却するための冷却装置と,上記超電導体にパルス磁場を印加するための着磁コイルと,上記超電導体を加熱するためのヒータとからなることを特徴とする超電導磁石装置。A superconductor disposed in a heat insulating container, a cooling device for cooling the superconductor, a magnetizing coil for applying a pulsed magnetic field to the superconductor, and a heater for heating the superconductor; A superconducting magnet device comprising: 請求項4において,上記冷却装置は冷凍機であり,該冷凍機には上記超電導体を冷却するためのコールドヘッドを設けていることを特徴とする超電導磁石装置。5. The superconducting magnet device according to claim 4, wherein the cooling device is a refrigerator, and the refrigerator is provided with a cold head for cooling the superconductor. 請求項4において,上記冷却装置は冷媒循環型の冷却装置であり,該冷却装置は,上記超電導体と冷媒とを収納した冷媒容器と,該冷媒容器に冷媒移送管を介して連結された冷媒冷却装置とよりなり,該冷媒冷却装置により冷却した冷媒を上記冷媒容器内との間に循環させるように構成してあることを特徴とする超電導磁石装置。5. The cooling device according to claim 4, wherein the cooling device is a refrigerant circulation type cooling device, and the cooling device includes a refrigerant container storing the superconductor and the refrigerant, and a refrigerant connected to the refrigerant container via a refrigerant transfer pipe. A superconducting magnet device comprising a cooling device and configured to circulate a refrigerant cooled by the refrigerant cooling device between the inside of the refrigerant container. 請求項4において,上記冷却装置は冷媒貯留型の冷却装置であり,該冷却装置は,上記超電導体と冷媒とを収納した冷媒容器と,該冷媒容器内の上記冷媒の蒸気圧を調整するための排気装置とを有することを特徴とする超電導磁石装置。5. The cooling device according to claim 4, wherein the cooling device is a refrigerant storage type cooling device, and the cooling device adjusts the vapor pressure of the refrigerant in the refrigerant container, the refrigerant container storing the superconductor and the refrigerant. And a superconducting magnet device. 請求項4〜7のいずれか1項において,上記超電導体は,RE−Ba−Cu−O系(ここに,REはY,希土類元素,又はこれらの元素の組み合わせ)であることを特徴とする超電導磁石装置。The superconductor according to any one of claims 4 to 7, wherein the superconductor is a RE-Ba-Cu-O system (where RE is Y, a rare earth element, or a combination of these elements). Superconducting magnet device.
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