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JP3538439B2 - テトラフルオロフタル酸および/またはテトラフルオロフタル酸無水物の製造方法 - Google Patents

テトラフルオロフタル酸および/またはテトラフルオロフタル酸無水物の製造方法

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JP3538439B2
JP3538439B2 JP16815393A JP16815393A JP3538439B2 JP 3538439 B2 JP3538439 B2 JP 3538439B2 JP 16815393 A JP16815393 A JP 16815393A JP 16815393 A JP16815393 A JP 16815393A JP 3538439 B2 JP3538439 B2 JP 3538439B2
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tetrafluorophthalic
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carbon atoms
water
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クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
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    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation
    • C07C51/44Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation by distillation
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    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
    • C07D209/44Iso-indoles; Hydrogenated iso-indoles
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テトラフルオロフタル
酸および/またはテトラフルオロフタル酸無水物の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラフルオロフタル酸、同様にテトラ
フルオロフタル酸無水物──簡単な方法でテトラフルオ
ロフタル酸に変換され得る──は、抗菌剤の製造のため
の非常に重要な前駆物質である(ドイツ連邦共和国特許
出願公開第3318145号公報、ヨーロッパ特許出願
第0309789号明細書、ヨーロッパ特許出願第04
24850号明細書、ヨーロッパ特許出願第04248
51号明細書およびヨーロッパ特許出願第027127
5号明細書)。さらに、テトラフルオロフタル酸または
テトラフルオロフタル酸無水物は、ポリマーの製造に
(特開平2−29406号公報)、また、有利な特性を
有する液体触媒または感光性材料の製造の際にも(特開
平1−268662号公報およびJP11955(19
86))重要な役割を果す。
【0003】テトラフルオロフタル酸の製造のための種
々の方法が文献に開示されている。例えば、テトラフル
オロフタル酸は、テトラクロロフタロイルクロリドから
(G.G. Yakobsonら, Zh. Obshsh. Khim. 36 (1966), 13
9; ヨーロッパ特許出願第0140482号明細書およ
び英国特許出願第2146635号明細書)、テトラク
ロロアントラニル酸から(S. Hayashi ら, Bull. Chem.
Soc. Jap. 45 (1972),2909)、1,2,3,4−テトラ
フルオロベンゼンから(L.J. Belfら, Tetrahedron 23
(1967), 4719 およびZ. Naturforsch. 31B (1976), 166
7) 、テトラクロロフタル酸無水物から(ドイツ連邦共
和国特許出願公開第3810093号公報およびヨーロ
ッパ特許出願第0218111号明細書)またはテトラ
クロロフタロジニトリルから(英国特許出願第2134
900号明細書)、時には費用がかかりおよび/または
実施できるにしても工業的には困難であるいくつかの工
程を経て製造することができる。同じことが、1,2−
ジブロモテトラフルオロベンゼンからのテトラフルオロ
フタル酸の製造(C. Tamborski ら, J. Organometallic
Chem., 10 (1967), 385)およびP. Sartoriらにより記載
されたオクタフルオロナフタレンから出発する方法(Che
m. Ber. 101 (1968), 2004) にも当てはまる。N−炭素
置換されたテトラクロロフタルイミド(ヨーロッパ特許
出願第0259663号明細書)も同様に使用される。
フッ素化後、これらを、時には非選択的工程を経て(特
開平2−145538号公報)テトラフルオロフタル酸
の中間単離なしに、しかしその官能性誘導体の1つを単
離しながら反応させて、抗菌剤の合成のための重要な前
駆物質でもある、2,3,4,5−テトラフルオロ安息
香酸とすることができる。中間に単離される官能性誘導
体は、加水分解されてテトラフルオロフタル酸とするこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、テト
ラフルオロフタル酸の製造方法を開発するためこれまで
に極めて多くの試みがあった。しかしながら、先行技術
の方法は、入手するのが非常に困難である出発物質から
出発するか、または、実用化に非常に費用がかかるかの
いずれかであり、さらに、要求される反応の転化率およ
び選択率に関しても不十分であった。
【0005】それ故、一方では比較的に入手が容易であ
る出発物質から出発し、他方ではできるだけ最小の技術
的費用で実施可能で、しかも助剤の必要性および得られ
る廃棄物の量を低くする方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よるテトラフルオロフタル酸および/またはテトラフル
オロフタル酸無水物のある製造方法により達成できる。
当該方法は、式
【0007】
【化6】 〔式中Xは、場合によりフッ素および/または塩素およ
び/または炭素原子数1〜4のアルキル基により芳香核
上で一置換または多置換されている基
【0008】
【化7】 であるか、または基
【0009】
【化8】 (式中R1 およびR2 は同一または異なり、そして水素
原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルキル基中
1〜6個の炭素原子を有するアルキル−CO−基または
アリール基または、場合によりフッ素および/または塩
素および/または炭素原子数1〜4のアルキル基により
芳香核上で一置換または多置換されているアリール−C
O−基であるか、またはR1 およびR2 は一緒になって
【0010】
【化9】 (式中R3 は水素原子、塩素原子またはフッ素原子であ
る。)で表される基を形成する。)である。〕で表され
る化合物と、水とを反応させ、次いで未だ存在する水を
共沸蒸留により除去するかまたはテトラフルオロフタル
酸および/またはその酸無水物を、水不溶性溶剤または
溶剤混合物で抽出することを包含する。
【0011】上記式で表される化合物は、N’−置換さ
れたN−アミノテトラフルオロフタルイミドであり、そ
れは、例えば、比較的簡単な方法でテトラクロロフタル
酸無水物から出発して、硫酸中で硫酸ヒドラジンと反応
させ次いで塩素/フッ素交換することにより製造でき
る。
【0012】適当なN’−置換されたN−アミノテトラ
フルオロフタルイミドはN’−ジアルキルアミノテトラ
フルオロフタルイミド、N’−ジアシルアミノテトラフ
ルオロフタルミド、2,3,4,5−テトラフルオロビ
スフタルイミド、オクタフルオロビスフタルイミド、
N’−アシルアルキルアミノテトラフルオロフタルイミ
ドおよび置換されたN’−ベンジリデンアミノテトラフ
ルオロフタルミド、特にN’−ジメチルアミノテトラフ
ルオロフタルミド、2,3,4,5−テトラフルオロビ
スフタルイミド、オクタフルオロビスフタルイミド、
N’−メチルベンゾイルテトラフルオロフタルイミドお
よびN’−ベンジリデンアミノテトラフルオロビスフタ
ルイミド、そして好ましくはN’−ベンジリデンアミノ
テトラフルオロビスフタルイミド、N’−ジアセチルア
ミノテトラフルオロビスフタルイミドおよびオクタフル
オロビスフタルイミドである。
【0013】本発明による方法は、オクタフルオロビス
フタルイミドを用いて特に有利に行われ得る。1モルの
オクタフルオロビスフタルイミドの加水分解により2モ
ルのテトラフルオロフタル酸が生じ、それは、場合によ
りテトラフルオロフタル酸無水物に変換され得る。これ
は、反応を特に簡単にし、さらに副産物が加水分解から
生じることをも回避する。
【0014】当該反応は、高い費用をかけずに水を用い
て行うことができ、また、反応を触媒する助剤の添加を
省略できる。出発物質として使用される化合物に対し
て、すなわちN’−置換されたN−アミノテトラフルオ
ロフタルイミドに対して10〜10000重量%、特に
100〜1000重量%、好ましくは100〜600重
量%の水が、場合により不活性溶剤と共に、通常使用さ
れる。不活性溶剤を使用する場合、出発物質に対して1
00〜1000重量%の水を使用するのがよい。
【0015】水を少なくとも化学量論的必要量で、また
は有利には化学量論的過剰で使用するのがよい。本発明
による方法の別の利点は、通常の酸触媒、特に鉱酸の使
用を省略できることである。これは、フタルイミドは一
般に安定であり通常鉱酸の存在下でのみ加水分解される
ので、驚くべきことである(上と同様に、Houben-Weyl-
Mueller:Methoden der Organischen Chemie (有機化学
の方法), VII巻(1952), 432-433; 同書のE V巻
(1985), 257-263; およびT. Kojimoto, J. Tsuji, J.
Org. Chem. 48 (1983), 1685)。
【0016】この普通でない驚くべき性質の理由の1 つ
は、反応が多分自己触媒的に進行することによるものと
思われる。微量のテトラフルオロフタル酸でさえ、極め
て低い温度であってもフタルイミドの加水分解をさらに
触媒するのに充分であることが考えられる。
【0017】テトラフルオロフタル酸を加水分解の開始
時に添加して反応を促進することができる。テトラフル
オロフタル酸を用いて反応を促進しようとする場合、出
発物質として使用される化合物に対して0.1〜2.5
重量%のテトラフルオロフタル酸が使用される。しかし
ながら、この添加は絶対に必要とは限らない。これに関
連して、テトラフルオロフタル酸の使用を省略すること
もできる。
【0018】それにもかかわらず、加水分解触媒として
鉱酸を使用することも可能である。しかしながら、それ
により、反応の間の副反応によって生じるフッ化水素に
よって引き起こされる腐食がさらに激しくなる。
【0019】本発明による反応のさらに別の特徴は、加
水分解が比較的低い温度で進行しはじめることである。
当該反応は、通常20〜140℃、特に40〜110
℃、好ましくは60〜100℃で行われる。当該反応
は、より低い温度で、しかし、反応速度が低下するの
で、対応して長い反応時間で行うことができる。他方、
当該反応は、場合により、より高い温度でも行われ得る
が、増大した量の開裂生成物および腐食生成物が予期さ
れねばならない。
【0020】出発物質として使用される上記式で表され
る化合物は、水および場合により有機溶剤と共に当該反
応において使用される。結果として生じる水性混合物は
通常反応の開始時に2〜8、特に4〜7、好ましくは6
〜6.9のpHを有する。pHは、反応の間変化し得、
そして、一般にテトラフルオロフタル酸の形成および、
場合により、フッ化水素の分裂が原因となってより低い
値にもなり得る。
【0021】反応を少量の極性非プロトン性溶剤、例え
ば、塩素/フッ素交換反応から得られるN’−置換され
たN−アミノテトラフルオロフタルイミド粗生成物中に
含まれるようなものの存在下に行うこともできる。これ
らの添加は、可溶化剤としてのそれらの特性のためによ
り速い反応速度を達成できることもある。
【0022】使用可能な極性非プロトン性溶剤は、スル
ホラン(テトラメチレンスルホン)、テトラメチレンス
ルホキシド、N,N−ジ−エチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルスル
ホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、テ
トラ−n−ブチル尿素および1,3−ジメチルイミダゾ
リジン−2−オンまたはそれらの混合物である。本発明
による反応混合物は、これらの溶剤を、場合により、
約.5%〜約10%、好ましくは約1%〜約2%の量で
含む。
【0023】当該反応は、バッチのサイズおよび選択さ
れた反応条件に応じて、一般に約4〜約24時間で終了
する。約8〜約12時間の反応時間でしばしば充分であ
り、この時間の後、不溶性残留分を濾去する。清澄化助
剤、例えば活性炭またはシリケートを添加することが必
要であり得、それは、使用される出発材料、および/ま
たはフッ化物捕捉剤、例えばカルシウム塩、二酸化ケイ
素および/または二酸化ケイ素を含む物質、例えばケイ
酸の約10重量%までの量で使用される。使用され得る
カルシウム塩は、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシ
ウムおよび炭酸カルシウムである。二酸化ケイ素は、Ae
rosil(登録商標) 、ケイ酸または石英として使用され得
る。これらの添加剤は、出発物質として使用される上記
式で表される化合物に対して約1モル%までの量で使用
される。
【0024】反応混合物の仕上げ処理のために、形成さ
れたヒドラジン塩を、場合により──もしオクタフルオ
ロビスフタルイミドが使用されるならば──最初にpH
2〜3でかつ一般に約50℃以下の温度で、元素の窒素
に変換する。これは、酸化剤、例えば塩素漂白液、亜硝
酸ナトリウムまたは亜硝酸カリウムあるいは過酸化水素
の添加により行われる。反応を促進するために、加水分
解の間に酸化剤をゆっくりと配量することによってヒド
ラジン塩を分解することが適当であることもある。しか
しながら、加水分解が終わった後に酸化剤を添加するこ
ともできる。
【0025】その後、水を共沸蒸留するかまたは水溶液
を有機溶剤で抽出する。水を蒸留により除去するため
に、水の共沸蒸留に適当な溶剤、例えばトルエン、キシ
レン、クロロトルエン、ジクロロベンゼン、クロロホル
ム、塩化メチレンまたは炭素原子数5〜10の脂肪族炭
化水素、例えばヘキサンまたはシクロヘキサンが使用さ
れ、そして未だ存在する水が共沸蒸留により除去され
る。選択された方法パラメータに応じて、ここで得られ
るのは通常はテトラフルオロフタル酸ではなくテトラフ
ルオロフタル酸無水物である。
【0026】テトラフルオロフタル酸の抽出に使用され
る有機溶剤は、アルキル基中1〜10個の炭素原子を有
するジアルキルエーテル、アルキル基中に1〜10個の
炭素原子を有するアルキルアセタート、3−メトキシブ
チルアセタートまたは適当な極性を有する別の溶剤であ
り得る。場合により不活性有機溶剤の存在下に、アルキ
ル基あたり4〜20個の炭素原子を有するトリアルキル
アミン、好ましくはアルキル基あたり6〜14個の炭素
原子を有するトリアルキルアミン、またはそれらの混合
物を用いて、これを抽出するのが特に有利であることが
多く、その際、これらのアミンは水性母液に不溶性であ
る。文献から知られるように(ドイツ特許362765
3号明細書)、これらのアミンは、微量の酸性化合物、
例えばフェノールを用いずに、希水溶液から抽出するた
めに適当である。アミンは、本発明によれば、抽出され
るテトラフルオロフタル酸の量に対して約100モル%
〜約1000モル%、好ましくは150モル%〜約30
0モル%の量で使用される。Hoechst AGかの製品である
Hostarexブランドの使用、特にブランドA324および
A327の使用──それはこのようなアミンの混合物で
ある──が好ましい。別のアミン、特にヘテロ環式塩
基、例えばルチジン、コリジンまたはキノリンが同様に
使用され得る。
【0027】実際上抽出され得るテトラフルオロフタル
酸の量は、上記式で表される化合物(N’−置換された
N−アミノテトラフルオロフタルイミド)の使用量によ
って好適に推定される。この単離の変法をより良好に行
なうため、アミンは一般に不活性有機溶剤、例えばトル
エン、キシレン、塩素化脂肪族および芳香族炭化水素、
例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン、クロロベンゼンおよびクロロトルエンおよびジ
クロロベンゼンまたは類似の化合物で希釈されるが、希
釈剤を用いずに当該反応を行うこともできる。不活性溶
剤は一般に、使用されたアミンに対して20〜1000
重量%、特に100〜300重量%の量で使用される。
【0028】この方法は、相の分離後に有機相を約80
℃〜約180℃、好ましくは約120℃〜約150℃の
温度に加熱することができ、その際、2,3,4,5−
テトラフルオロ安息香酸が脱炭酸によって形成されると
いう利点を有する。同一の効果が、上述したようにテト
ラフルオロフタル酸を抽出し、そしてそれを粗生成物と
して単離し、次いでそれを第三アミン中で脱炭酸するこ
とによっても達成され得る(特開平1−25737号公
報および特開昭63−295529号公報)。この変法
は、本発明による好ましいアミン混合物が安価でありそ
して容易に再利用され得るという利点を有している。
【0029】反応生成物の仕上げ処理の間、または方法
の技術的な問題を回避するために、反応混合物を、有機
酸または無機酸、例えばトリフルオロメタンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロプロパンスルホ
ン酸、リン酸、硝酸、硫酸または塩酸の添加により酸性
にする必要があることがあり、その際、1〜1.5のp
H値がこの目的に充分であるので、これらの酸の少量で
すでに充分である。溶剤全ての除去後に残る溶融物を減
圧下に分別し、その間、ベンズアルデヒドのような使用
されたどんな助剤も、部分的に回収され得る。テトラフ
ルオロフタル酸は、ヨーロッパ特許第253663号明
細書の実施例3から知られるように、水または希鉱酸か
ら攪拌することにより抽出することによって通過するテ
トラフルオロフタル酸無水物から非常に容易に得ること
ができる。逆に、別のハロフタル酸、例えばテトラクロ
ロフタル酸およびその無水物の場合と同様に(T.G. Delb
ridge, American Chemical Journal 41 (1909), 393)
、テトラフルオロフタル酸は、約90℃の温度で既に
水を失い無水物に変換される。
【0030】個々の反応工程は、必要に応じて、大気
圧、減圧または高められた圧力の下で行われ得るが大気
圧下での実施が通常好ましい。
【0031】
【実施例】次の実施例は、本発明による方法を限定しな
い目的で説明するものである。
【0032】実施例1 粗オクタフルオロビスフタルイミド106.3g(純度
約82%)を、水300g中に懸濁させ、そしてこの溶
液に活性炭3gおよび塩化カルシウム3gを添加する。
懸濁液を95℃で16時間攪拌する。冷却後、得られる
懸濁液中に含まれる固形物をろ過により除去し、そして
塩素漂白液を過剰な塩素が溶液中に検出されるに至るま
で濾液に添加する。得られる母液を、塩酸を添加するこ
とによってpH1にする。水性相をメチルt−ブチルエ
ーテル(MTBE)で抽出し、有機相をMgSO4 で乾
燥し、ろ過しそして溶剤を除去すると、80.4g(3
38ミリモル、理論量の85%)のテトラフルオロフタ
ル酸が得られそして、20%濃度の塩酸から結晶化する
と、75.0g(315ミリモル、理論量の79%)の
テトラフルオロフタル酸(融点155〜157℃)が得
られる。
【0033】実施例2 粗オクタフルオロビスフタルイミド(塩素/フッ素交換
反応からの)500g(純粋含有物340g、約50g
のN,N−ジメチルアセトアミド)を水2000g中に
懸濁させ、そしてこの溶液に活性炭30gおよびケイ酸
50gを添加する。懸濁液を100℃で8時間攪拌す
る。冷却後、得られる懸濁液中に含まれる固形物をろ過
により除去し、濾液をトリフルオロ酢酸の添加によりp
H1にする。水性相をジ−n−ブチルエーテルで抽出
し、有機相をMgSO4 で乾燥し、ろ過しそして溶剤を
除去すると、321.9g(1.35モル、理論量の8
5%)のテトラフルオロフタル酸が得られ、そして20
%濃度の塩酸から結晶化すると、300g(1.26モ
ル、理論量の79%)のテトラフルオロフタル酸(融点
155〜157℃)が得られる。
【0034】実施例3 粗N’−ジメチルアミノ−N−アミノテトラフルオロフ
タルイミド(X=ジメチアルアミノ)100g(純粋含
有物71g、約10gのN−メチルピロリドン)を水6
00gに懸濁させ、そしてこの溶液に活性炭8gおよび
硫酸カルシウム5gを添加する。懸濁液を85℃で20
時間攪拌する。冷却後、得られる懸濁液中に含まれる固
形物をろ過により除去し、そして濾液を、リン酸の添加
によりpH1.5に合わせる。水性相を Butoxyl (登録
商標)(3−メトキシブチルアセタート)で抽出し、M
gSO4 で乾燥し、ろ過しそして溶剤を除去すると、1
10.8g(466ミリモル、理論量の86%)のテト
ラフルオロフタル酸が得られる、そして20%濃度の塩
酸から結晶化すると、95.9g(403ミリモル、理
論量の75%)のテトラフルオロフタル酸(融点154
〜157℃)が得られる。
【0035】実施例4 粗N’−ベンジリデンアミノテトラフルオロフタルイミ
ド(X=ベンジリデンアミノ)50g(純粋含有物33
g、約8gのスルホラン)を水600gに懸濁させ、そ
してこの溶液にパーライト4gおよびAerosil 2gを添
加する。懸濁液を100℃で16時間攪拌する。冷却
後、懸濁液に含まれる固形物を除去しそして濾液に硫酸
を添加してpH1にする。水性相を酢酸エチルを用いて
抽出し、MgSO4 で乾燥し、ろ過しそして濾液中に含
まれる溶剤およびベンズアルデヒドを除去すると、35
g(148ミリモル、理論量の72%)のテトラフルオ
ロフタル酸(高性能液体クロマトグラフィー(HPL
C)により測定した純度)が得られる。
【0036】実施例5 粗オクタフルオロビスフタルイミド(ガスクロマトグラ
フィー(GC)を用いて測定した純度:75%、約8g
の残余含有量のN,N−ジメチルアセトアミド)100
gをキシレン500g中に水10gと共に懸濁させ、加
熱時に生じる溶液を100℃で72時間攪拌する。混合
物を熱い状態でろ過し、濾液を攪拌しながら0℃で5時
間保つ。沈澱した黄色のテトラフルオロフタル酸無水物
をろ過により単離する。乾燥すると、59.8g(27
0ミリモル、79%(粗製))のテトラフルオロフタル
酸無水物が得られ、その際母液は未だ少量の生成物(1
〜3%)を含みその後のバッチのために再度使用され
る。
【0037】実施例6 オクタフルオロビスフタルイミド109.0g(250
ミリモル)(酢酸エチルから結晶化、融点302.8
℃、示差熱量測定法(SDC)により測定した)を水4
00gに懸濁させ、そしてこの溶液に活性炭2gおよび
塩化カルシウム5gを添加する。懸濁液を90℃で18
時間攪拌する。冷却後、得られる懸濁液中に含まれる固
形物をろ過により除去する。水性相をジイソプロピルエ
ーテルを用いて抽出し、MgSO4 で乾燥し、ろ過し溶
剤を除去すると、108.3g(460ミリモル、91
%)のテトラフルオロフタル酸が得られる(全収量、粗
製、86%)。
【0038】実施例7 粗オクタフルオロビスフタルイミド(純度86%、17
2g、394ミリモル)200gを水1200gに懸濁
させ、そして活性炭50gおよびケイ酸50gを添加す
る。懸濁液を95℃で10時間攪拌する。反応の開始2
時間後、亜硝酸ナトリウム63.3g(920ミリモ
ル)の水200g中の溶液を5時間にわたって滴加す
る。冷却後、茶色の懸濁液が得られ、それを、硫酸を用
いてpH1にする。固形物成分をろ過により除去し、ろ
過ケーキを水各100mlで2回洗浄する。400gの
キシレンを水性相に加え、次いで200gのHostarex A
324を攪拌しながら流し入れる。混合物を0.5時間激
しく攪拌し、テトラフルオロフタル酸を含む有機相を分
離しそして水性相を捨てる。有機相を沸点で4時間加熱
し、その際ガスの激しい発生が生じる。茶色の溶液を、
希水酸化カリウム溶液を用いて2回攪拌することによっ
て抽出し、有機相は抽出のために再利用することができ
る。アルカリ性溶液を硫酸(96%濃度)を用いてpH
1に合わせそしてMTBEで抽出する。乾燥し溶剤を除
去すると、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸1
07.4g(553ミリモル、理論量の70%)が得ら
れる。
【0039】実施例8 顆粒状の活性炭5g、パーライト10gおよび石英15
gを水250g中で粗オクタフルオロビスフタルイミド
(純度60%)150gに添加する。この混合物を10
0℃で8時間攪拌し、冷却後、36%濃度の塩酸でpH
2に合わせる。次いで塩素漂白液(13%)を、ヨウ素
デンプン試料が過剰の酸化剤を示すまで、攪拌しながら
液体の表面下に配量する(ガスの発生)。固形物を30
℃でろ過し、ろ過ケーキを水50gで2回洗浄する。母
液をpH1.5に合わせ、そして200gの1,2−ジ
クロロベンゼン/150gのHostarex A 327で抽出す
る。さらに実施例7に記載したように処理する。このよ
うにして、水に再溶解した後、52.1g(268ミリ
モル、理論量の65%)の2,3,4,5−テトラフル
オロ安息香酸(融点85.6〜87.5℃)が無色の固
体として得られる。
【0040】実施例9 粗テトラフルオロフタル酸350gを、水分離器を用い
てキシレン800gと共に、水がさらに通過しなくなる
まで(5時間)加熱する。得られる懸濁液を冷却し、沈
澱した酸無水物をろ過する。テトラフルオロフタル酸無
水物301gが得られ、その際、未だ約5gのテトラフ
ルオロフタル酸無水物を含む母液が、その後の脱水のた
めに使用される。テトラフルオロフタル酸無水物を次い
で分別により精製すると、それは、無色の液体として通
過し(1mbar/95℃〜105℃の下で)そして融
点93〜94℃の無色の、結晶性塊として凝固する。9
9%より高い純度(GC,HPLC)のテトラフルオロ
フタル酸無水物255g(1.16モル)がこの方法で
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 63/72 C07C 63/72 // C07D 209/48 C07D 307/89 Z 307/89 209/48 Z (56)参考文献 特開 昭63−258442(JP,A) 特開 平7−165665(JP,A) 欧州特許出願公開259663(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/06 C07C 51/083 C07C 51/38 C07C 51/54 C07C 63/16 C07C 63/20 C07C 63/70 C07C 63/72 C07D 209/48 C07D 307/89 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中Xは、場合によりフッ素および/または塩素およ
    び/または炭素原子数1〜4のアルキル基により芳香核
    上で一置換または多置換されている基 【化2】 であるか、または基 【化3】 (式中R1 およびR2 は同一または異なり、そして水素
    原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルキル基中
    1〜6個の炭素原子を有するアルキル−CO−基または
    アリール基または、場合によりフッ素および/または塩
    素および/または炭素原子数1〜4のアルキル基により
    芳香核上で一置換または多置換されているアリール−C
    O−基であるか、またはR1 およびR2 は一緒になって
    式 【化4】 (式中R3 は水素原子、塩素原子またはフッ素原子であ
    る。)で表される基を形成する。)である。〕で表され
    る化合物と、水とを反応させ、次いで未だ存在する水を
    共沸蒸留により除去するかまたはテトラフルオロフタル
    酸および/またはその酸無水物を、水不溶性溶剤または
    溶剤混合物で抽出することを特徴とする、テトラフルオ
    ロフタル酸および/またはテトラフルオロフタル酸無水
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 式 【化5】 で表されるオクタフルオロビスフタルイミドが上記化合
    物として使用される、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 出発物質として使用される化合物に対し
    て10〜10000重量%の水が、場合により不活性溶
    剤と共に使用される、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応が鉱酸を添加せずに行われる、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応の開始時にテトラフルオロフタル酸
    が添加される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 出発物質として使用される化合物に対し
    て0.1〜2.5重量%のテトラフルオロフタル酸が添
    加される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 反応が、20〜140℃で行われる、請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 水性混合物が、反応の開始時に、2〜8
    のpHを有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 反応が、カルシウム塩、二酸化ケイ素、
    または二酸化ケイ素を含む物質の存在下に行われる、請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 活性炭またはシリケートがろ過助剤と
    して使用される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 テトラフルオロフタル酸および/また
    はその酸無水物が、アルキル基あたり1〜10個の炭素
    原子を有するジアルキルエーテル、アルキル基中に1〜
    10個の炭素原子を有するアルキルアセタート、3−メ
    トキシブチルアセタート、アルキル基あたり4〜20個
    の炭素原子を有するトリアルキルアミンまたはこれらの
    アミンの混合物を用いて抽出され、この際、前記アミン
    またはアミン混合物は場合により不活性有機溶剤の存在
    下に使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 水の共沸蒸留に適した溶剤が添加さ
    れ、そして未だ存在する水が共沸蒸留により除去され
    る、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 形成されたヒドラジン塩が、酸化剤を
    用いて窒素に酸化される、請求項1〜12のいずれか1
    項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 酸化剤が、反応の間または反応が終わ
    った後に添加される、請求項1〜13のいずれか1項に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 未だ存在する水の共沸除去の後、混合
    物が熱い状態でろ過されそしてテトラフルオロフタル酸
    無水物が冷却された母液からろ過される、請求項1〜1
    4のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 2,3,4,5−テトラフルオロ安息
    香酸の製造方法であって、請求項1〜15のいずれかに
    記載の方法に次いで、粗製状態で抽出されたテトラフル
    オロフタル酸を抽出剤中で脱炭酸して2,3,4,5−
    テトラフルオロ安息香酸とする方法。
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