JP3536813B2 - 車両フロアパネル構造 - Google Patents
車両フロアパネル構造Info
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Description
両フロアパネル構造に関するものである。
方がクロスメンバ、リンフォース、ロッカ等といった骨
格部材により囲まれた膜状構造を構成している。そのた
め、かかるフロアパネルの骨格部材に囲まれた部分は、
振動の影響を受け易く、特定の振動周波数に対する固有
の共振点を持っている(以下、このような共振点の周波
数を「固有の共振周波数」という)。
動音や排気音、また走行中に路面から伝わる振動音等の
周波数が、フロアパネル固有の共振周波数に一致する
と、そのような振動音がフロアパネルの共振により倍増
され、車室内の乗員に不快感を与えることが知られてい
る。特にフロアパネル固有の共振周波数が低いほど、共
振による音圧レベルが増大することから、このようなフ
ロアパネルの共振が低周波領域における不快な音の原因
になっていることも解明されている。
アパネルにおいては、フロアパネルの剛性を高めること
によって、フロアパネル固有の共振周波数が上昇し、こ
れにより共振による音圧レベルを低下させ得ることが確
認されている。具体的には、フロアパネル固有の共振周
波数を高める構成として、例えばフロアパネル自体に車
両の前後方向あるいは車幅方向に複数のビードを入れる
構成や1または2以上の曲面を設けた曲面パネルを構成
するものが採用されている。
パネル自体に車両の前後方向あるいは車幅方向に複数の
ビードを入れる構成によると、ビードの延びる方向に対
してはフロアパネルの剛性を高めることはできても、ビ
ードの幅方向に対してはビードを形成するための曲げ部
分の存在により却って剛性を低くする結果を招いてい
る。
れたフロアパネルの剛性をその前後方向および車幅方向
の双方について総合的に評価すると、ビードのないもの
に比べてある程度は剛性を高めることはできても、フロ
アパネル固有の共振周波数を十分に高める程度(例えば
200Hz以上)の剛性を得ることは困難であることが
本願発明者らによる実験や計算機シュミレーション等に
より確認されている。
た構成による曲面パネルでは、曲面同士の境界におい
て、ビードの曲げ部分と同様の曲げ部分が存在するた
め、複数のビードを入れる構成によるものと同様、フロ
アパネル固有の共振周波数を十分に高める程度の剛性を
得ることは困難であると考えられる。
いわゆる1曲面パネルの構成は、以上の構成の中でフロ
アパネル固有の共振周波数を最も高めることができる
が、これによると、図8(A) に示すように、クロスメン
バ等の隣接する骨格部材103との結合のためにフロア
パネル101の曲面部102の周囲に平坦部106を設
けなければならず、この平坦部106の影響により共振
周波数を高めるのに限界があった。
ル101の曲面部102と骨格部材103とは、互いに
接する程度に隣接する位置関係が理想的な構成であると
考えられる。
で深さHの曲面部102をプレス成形することは、現実
的には生産技術上極めて困難である。このため、一般に
は図8(A) に示すような曲面部102と平坦部106と
を比較的大きなアールで連続させたフロアパネル101
が採用されている。
パネルによる構成では、フロアパネル101の曲面部1
02と平坦部106が大きなアールで連続しているた
め、平坦部106に結合される骨格部材103を曲面部
102に隣接させることはできず、曲面部102の周囲
に骨格部材103で拘束されない幅Lの自由平坦部10
6Aが存在する。そのため、この自由平坦部106Aに
よりフロアパネル固有の共振周波数が低下してしまうこ
とが、図9(B) に示すようなモデルケースにおける計算
機シュミレーションの結果から明らかになっている(図
9(A) 参照)。
106Aの幅Lが広くなるほど、フロアパネル固有の共
振周波数が低くなる傾向にあることがわかっている。よ
って1曲面パネルによりフロアパネル101を構成して
も、結局は、曲面部102の周囲に形成される自由平坦
部106Aによってフロアパネル固有の共振周波数が低
下するため、フロアパネルの共振による低周波領域の不
快な音を十分に抑制するには至ってない。
なされたものであり、その目的とするところは、フロア
パネルの共振による不快音を抑制し得る車両フロアパネ
ル構造を提供することにある。
め、本発明の車両フロアパネル構造では、下方へ凸状に
湾曲する曲面部(26)と、該曲面部(26)の周囲に一体に形
成され、車体の骨格部材(30,40,50)に結合される平坦部
(22)とを備える車両フロアパネル構造であって、前記曲
面部(26)と前記平坦部(22)とに段差を設けて該段差部 (2
4) と前記平坦部 (22) とを最小アールで連続させ、骨格部
材 (30,40,50) で拘束されない自由平坦部 (22A) の幅 ( L )
を小さくしたことを技術的特徴とする。
平坦部(22)を段差を設けて連続させ、骨格部材 (30,40,5
0) で拘束されない自由平坦部 (22A) の幅 ( L ) を小さくし
ている。これにより、骨格部材(30,40,50)で拘束されな
い自由平坦部(22A) の幅( L )を最小限にとどめることが
できる。また、前記この段差部(24)は、鉛直線( k )に対
する傾斜角度が45度以下であることが好ましい。この
傾斜角度が45度を超えると、段差部(24)と平坦部(22)
とを最小アールで連続させることが困難になる。
構造の実施形態を、図を参照して説明する。まず、本実
施形態に係る車両フロアパネル構造の構成を図1〜図5
に基づいて説明する。図2および図3に示すように、フ
ロアパネル20には、車幅方向にクロスメンバ30、ま
た車両前後方向にロッカインナ40およびフロアアンダ
リンフォース50がそれぞれスポット溶接により固定さ
れている。そして、図2に示すように、クロスメンバ3
0、ロッカインナ40およびフロアアンダリンフォース
50で囲まれる部分に所定の深さHで下方へ凸状に湾曲
する曲面部26が形成されている。なお、図2に示す曲
面部26は、その曲面形状を明確にするため、曲面形状
を二点鎖線により表現していることに留意されたい。
ル20に部分的に形成される曲面部26は、クロスメン
バ30、ロッカインナ40およびフロアアンダリンフォ
ース50に囲まれた膜状構造を構成し、固有の共振周波
数を有している。本実施形態による車両フロアパネル構
造では、このフロアパネル固有の共振周波数を高め、フ
ロアパネル20の共振による不快音を抑制することを目
的とする。
ル構造では、図1に示すような構成を採る。即ち、フロ
アパネル20は、その曲面部26をクロスメンバ30が
結合される平坦部22と段差を設けて連続させている。
そして、この段差部24は、鉛直線kに対して45度以
下の角度θを有するように設定されている。
的に連続させるのではなく、平坦部22と曲面部26と
の間に段差部24を介在させる。これにより、フロアパ
ネル20の平坦部22と段差部24間のアールRを可能
な限り小さく設定することができる。したがって、クロ
スメンバ30で拘束されない自由平坦部22Aの幅Lを
小さくすることができる。
傾斜角度θを15度程度に設定することにより、さらに
平坦部22と段差部24間のアールRを小さくすること
ができる。これにより、自由平坦部22Aの幅Lをさら
に小さくすることができる。
構成される。図4には、曲面部26を中心としたフロア
パネル20の平面図が示されており、この曲面部26の
周囲にクロスメンバ30、ロッカインナ40、フロアア
ンダリンフォース50が配置されている。そして、クロ
スメンバ30、ロッカインナ40およびフロアアンダリ
ンフォース50とフロアパネル20とは、互いにスポッ
ト溶接により固定されており、同図中に示されるX印の
溶接箇所が曲面部26の周囲を取り囲んでいる。
20とクロスメンバ30等との接合部分に両者を面接触
させ得る平坦部22を曲面部26の周囲に確保する必要
があるが、クロスメンバ30等で拘束されない自由平坦
部22Aを最小限に抑えるため、図1に基づいて説明し
たような構成を採っている。
0やフロアアンダリンフォース50が結合される平坦部
22と曲面部26との間に段差部24を介在させて構成
している。これにより、平坦部22と段差部24間のア
ールRを可能な限り小さく設定することができるので、
クロスメンバ30やフロアアンダリンフォース50で拘
束されない自由平坦部22Aの幅を小さくすることがで
きる。したがって、自由平坦部22Aによる剛性の低下
を抑制することができるため、フロアパネル固有の共振
周波数を上昇させることができ、フロアパネル20の共
振による不快音を抑制することができる。
ネル構造について行った計算機シュミレーションの結果
を図6および図7に基づいて説明する。図6には、フロ
アパネルの振動周波数に対するイナータンスの特性図が
示されている。同図中、実線および破線は、従来のビー
ドによりフロアパネルの剛性を高めたもの、また一点鎖
線は本実施形態の車両フロアパネル構造により剛性を高
めたものである。
構造によるものは200Hzよりも低い周波数にピーク
(共振)点があるのに対し、本実施形態に係るものは、
200Hzよりも高い周波数にピーク(共振)点がある
ことがわかる。また、ピーク点のレベルも、本実施形態
に係るものの方が従来のものよりも低いことが同図から
わかる。したがって、本実施形態による車両フロアパネ
ル構造によると、フロアパネル固有の共振周波数を上昇
させることができ、しかもその共振による音圧レベルを
低減させ得る効果のあることを本特性図から確認でき
る。
の振動周波数に対する音圧感度の特性図が示されてい
る。同図中、実線は、従来のビードによりフロアパネル
の剛性を高めたもの、また点線は本実施形態の車両フロ
アパネル構造により剛性を高めたものである。
下においては、本実施形態に係るものの方が従来のもの
よりも音圧レベルの低いことが同図からわかる。また、
本実施形態に係るもののは、その音圧レベルのピーク点
が300Hzを超えていることも同図からわかる。した
がって、本実施形態による車両フロアパネル構造による
と、200Hz以下の周波数における音圧レベルを低減
することができるとともに、音圧レベルのピーク点を3
00Hz以上に上昇させ得る効果のあることを確認でき
る。
両フロアパネル構造によると、フロアパネル20は、そ
の曲面部26をクロスメンバ30等が結合される平坦部
22と段差を設けて連続させ、かつ、この段差部24
は、鉛直線kに対して45度以下の角度θを有するよう
に構成される。これにより、平坦部22と段差部24間
のアールRを小さくすることができるので、クロスメン
バ30等で拘束されない自由平坦部22Aの幅Lを最小
限にとどめることができる。したがって、自由平坦部2
2Aによる剛性の低下を抑制することができるため、フ
ロアパネル20の固有の共振周波数を上昇させることが
できる。よってフロアパネル20の共振による不快音を
抑制し得る効果がある。
を最小アールRで連続させ、骨格部材 (30,40,50) で拘束
されない自由平坦部 (22A) の幅 ( L ) を小さくしているの
で、骨格部材(30,40,50)で拘束されない自由平坦部(22
A) の幅( L )を最小限にとどめることができる。これに
より、かかる自由平坦部(22A) による剛性の低下を抑制
することができるため、フロアパネル固有の共振周波数
を上昇させることができる。したがって、フロアパネル
の共振による不快音を抑制し得る効果がある。
造の概要を示す説明図である。
した車両のフロアパネルの構成を示す斜視図である。
を示す平面図である。
(B) は図4の5B−5B線断面図である。
る。
説明図、図8(B) は理想的な車両フロアパネル構造を示
す説明図である。
して行った計算機シュミレーションの結果を示す特性図
で、図9(B) はそのモデルケースを示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下方へ凸状に湾曲する曲面部(26)と、該
曲面部(26)の周囲に一体に形成され、車体の骨格部材(3
0,40,50)に結合される平坦部(22)とを備える車両フロア
パネル構造であって、前記曲面部(26)と前記平坦部(22)
とに段差を設けて該段差部 (24) と前記平坦部 (22) とを最
小アールで連続させ、骨格部材 (30,40,50) で拘束されな
い自由平坦部 (22A) の幅 ( L ) を小さくしたことを特徴と
する車両フロアパネル構造。 - 【請求項2】 前記段差部(24)は、鉛直線( k )に対する
傾斜角度が45度以下であることを特徴とする請求項1
記載の車両フロアパネル構造。
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