JP3533529B2 - 濾過法と装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は流体を濾過し、または泥
状物の脱水処理を大量、高能率で行うもので、空気、排
煙、上下水、産業排水、泥水、泥土、汚泥等の処理困難
なものの処理に適するだけでなく、産業の生産工程、環
境対策等に適用できる濾過または脱水法でありそれらの
予備処理にも使用できる。

【０００２】

【従来の技術】従来、道路側溝、ガソリンスタンド油
泥、下水道、湖沼、河川、港湾泥土、土地等からの大量
の水や泥土、ヘドロ等の濾過に適した簡便な方法がなく
従来化学工業や食品工業に使用されていた濾布、加工濾
紙、フィラメント・ワインディング型の高価な濾過装置
や脱水装置によるか、泥土処理ではセメントや石灰系の
脱水固化剤を使用して水分を減らしてから埋立て廃棄す
る等の方法しかなくコスト高なので実施し難い状況にあ
った。産業工程でも濾過、脱水はコスト高で、据付け場
所をとるものであった。フィルター・プレス型のものは
濾過面積を大きくして濾過能力を大きくすると重く、大
きくなるだけでなく、ケーキ排出工程に要する時間が長
くなり、コストは低下し難かった。また濾過材交換は手
数がかかるものであり、フィラメント・ワインディング
型の濾過素子は使い捨てでコスト高であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の方法で、濾過体
の目詰りの問題があり、しかも機構の複雑さのため高価
なものが多く動力消費も大で、特に環境対策用としては
実用上問題があり、大量処理用としては従来の濾過器に
よると濾過能力の割に装置が大型で据付け面積が大で、
高価なもので、しかも濾布交換が面倒で、コロイド性粒
子を含むものは濾過助剤を大量に使用し、その大量廃棄
ケーキまたは泥の処分が難しいものであった。本発明は
小型大能力でしかも比較的安価で融通性のある濾過法と
装置の提供を目的とする。また従来環境対策において、
高能力で脱水または分離効率を上げるために遠心脱水、
ベルトプレス、自動化されたフィルタープレス、スクリ
ュープレス等の使用がよいと考えられ目的に応じて使い
わけられていた。これらは、水分の分離効率がよいと考
えられていたためである。ところがこれらは動力消費が
大きいか、或は設備費が嵩むものであった。しかも、目
的により使用できる機器は限られ、単に大量の水の親水
性懸濁室を除去しようとするにも従来生産工程で使用さ
れていた高価な濾過機や大量の濾過助剤を使用すること
になり、特殊な場合を除きコストの点で実用的でないこ
とが多かった。

【０００４】

【問題を解決するための手段】真空濾過は簡易である
が、ケーキ濾過では差圧を大きくとれず、加圧濾過に比
し能率が悪いものとされ、真空回転ドラム型は濾過面積
が小な難点があった。本発明は濾過面を竪または水平と
し、フイルタープレスに似ているが、薄い濾過材、濾過
板、濾過枠を重ね、軽量化により大面積、小型化、濾過
枠開閉の高速化、高頻度化、薄いケーキ厚みで濾過抵抗
を小にし、または非清澄濾過現象の利用による濾過速度
上昇、濾材閉塞物の振動、逆ブローによる除去促進、振
動をかけることにより真空濾過であっても、加圧濾過よ
り高能率、高脱液率を可能にしたものである。即ち、
（１）単位容積内に収容できる濾過面積を大きくするた
めに、濾過板を薄くすること（２）薄くすることにより
濾過速度をあげること、（３）ケーキ厚みを薄くするこ
とによるケーキ排出頻度の増加従って実質稼働時間の低
下は、本来操作機である伸縮アーム、例えばパンタグラ
フ型、マジックハンド型等を開閉装置として濾過板の開
閉速度を速くし、間隔保持のためヒンジを必要により併
用し、多数の比較的狭い間隔を保持することにより、ケ
ーキ剥離と排出を円滑にすること、（４）濾過板を薄く
するために濾過枠を薄くし、強度低下を濾過板または枠
材質選択（鋼、不銹鋼等）、形状は円乃至角で台型縁、
型鋼型、凹凸、殼構造等により補強し、ケーキを形成し
た時、その厚み０−２５ｍｍ好ましくは５−１５ｍｍｍ
ｍになるように濾過面が接近できる枠補強構造であっ
て、重ね合わせ可能で濾過面が接近でき、面の曲げ強度
を濾過枠の開閉操作に支障ない程度に小にすることによ
って薄くし、軽量化することができる。これにより滑り
または振動効果が改善され、逆に振動により開閉速度を
大きく、高頻度にできる。しかも泥土の側面枠からの供
給、ケーキの排出を妨げないように、枠自体も隘路障害
のない間隙通路を保持する。（５）隣合う１対の濾過面
の濾過操作の時間的位相をずらすこと（６）閉塞粒子除
去のための逆ブローを各濾過材または濾過室毎に順次ま
たは同時に行い再生すること、しかも濾過板、配管を比
較的細くし、切り替え弁の適当な配置により高頻度にお
ける時間と動力の損失を少なくする、（７）ケーキ濾過
機構を破壊する前項操作で濁度問題がある時、隣合う濾
過面又は組み分けした複数群の濾過面に流体を直列に流
し、非清澄濾過の重畳によって、実質的に清澄濾過と同
等の効果を得て低コストの大量処理を行うこと（８）非
清澄濾過、大量処理を高頻度開閉によるケーキまたは廃
泥排出によって処理し、必要により次に濾液を清澄濾過
し、濾過板の低頻度開閉操作で処理すること、（９）濾
布、ケーキ振動による粒子のブリッジ破壊による脱水促
進、ケーキ剥離、傾斜濾過面、小間隙からの排出促進、
濾過枠の浮動による開閉円滑化、（１０）ケーキ分割用
の濾布表面格子設置、（１１）振動または逆ブローによ
る濾過単位の外側低部に堆積したケーキの堆積圧による
濾過単位内部の流体通路の圧迫閉鎖を防止する構造、等
の中からの選択、または組合せにより従来濾過困難とさ
れていた液やコスト高で実施困難であった大量の水、泥
水、泥、油泥等の濾過を比較的低コストで行い。必要に
より新しい型の清澄濾過、あるいは泥状物の脱水処理を
可能にするものである。濾過板間隔を小にすることの効
果は例えばピッチを１０ｍｍにすることによって１ｍに
約１００枚の濾過板を収容することができ、濾過板１枚
につきその両面に濾布２枚はることができるので、計約
２００枚の濾過布を入れることができ、１ｍ×２ｍの濾
過布の場合には濾過面積は２００ｍ^２の大型濾過器に相
当する濾過面を持たせることができる。しかも小型で濾
過板が軽量であることに加えてパンタグラフ型、マジッ
クハンド型あるいはアーム等を組み合わせて各濾過枠を
個別または同時に開閉する装置を利用することにより開
閉サイクルを数秒に短縮し濾過能力を上げ、閉塞性の粒
子を含む液や泥の処理を可能にする。。これは従来型の
数分乃至十数分に比べ１０−１００倍の高速である。こ
れはケーキ厚みを薄くし濾過速度を５−１０倍に上げる
ことを考慮すると従来考えられなかった大幅な能力増で
ある。また濾過枠等の軽量化は、振動動力が質量減に比
例して小になるので、より強力な振動を与えることがで
き、従って泥状物の供給のように間隔が狭くて操作が困
難な物を分配距離の小なことと相俟って多数の濾過面に
均一に分配ししかも、濾過中も振動を与えることによっ
て、ケーキを構成する粒子の最密充填効果で脱水困難な
ものをも容易に脱水しケーキ水分を減ずることができ
る。流動性の低下した泥状物または濾過ケーキの排出が
難しい濾過板ピッチの小な濾過装置からの濾過ケーキ等
の剥離排出を容易にし、しかもケーキの含液率を低下さ
せる。振動機構は装置全体または濾過枠、濾過板、或は
濾過布に振動機を機械的に結合することにより構成され
るが、接する液に振動を与えてもよいし、吸引あるいは
加圧の圧変動によってもよい。振動は断続であってもよ
く、必要時間、適した振動数、必要強度の振動を試験に
より選択して与えることができる。しかも濾布の清掃の
ための逆ブローに振動を併用でき、これによりケーキ等
の排出速度が大になり、実質稼働時間を増すので装置の
濾過能力は一層大になる。濾過効果を上げるために濾布
を多重に重ねることは従来行われてきた、しかし閉塞粒
子は逆洗しても再び他の濾布に捕捉され、多重に重ねた
場合フィラメント・ワインディング素子同様逆洗はでき
なかった。本発明では薄い各濾布または濾過層毎に、逆
洗時の排出流体を排出する構造とすることができるので
汚染粒子再捕捉の現象が無く、大量の流体の清澄濾過を
濾過材を再生しつつ低コストで操作することを可能にす
る。ブローされた流体の排出路は濾過枠の開放による
か、閉鎖したまま排出できる排出路を設けるかを目的に
より選択することができる濾布種類、厚み、濾過条件は
試験により求めることができる。また比較的高能率では
あるが濾材の内部閉塞等のため難かしかった非清澄濾過
を行うことができ、この種の濾過操作の多重化または濾
過材の直列使用により、フイラメント・ワインディング
濾過素子に代表される濾過機構に相当する清澄濾過操作
でも、比較的少量の濾過助剤の使用または不使用の条件
で、濾材を逆ブロー再生しつつ操作すること、その他に
よって従来の濾過装置に見られた濾過あるいは脱水困難
なものの処理あるいはコスト高の問題を解決するもので
ある。濾過枠間隔を小にすることおよびこれを利用して
多重濾過を行うために装置的に種々の問題が発生する。
（１）各濾過室に独立の吸引系を接続するために薄くし
かも流量を比較的多く流せる引出口が必要である。本発
明ではこの引出口にスリット型断面を使用すること、隣
合う濾過枠からの引出口の位置を変更することにより適
当な流動抵抗を与え、流量分配と大流量をとることがで
きる。（２）各濾過面に原液または泥状物を供給するた
めに濾過枠間に略等間隔の粒子が通過できる隙間を設け
る。（３）しかも濾過枠間隔を接近させるため重ねるこ
とができる。（４）濾過あるいは脱水の進行に伴いケー
キ厚みが変化し濾過速度等の濾過条件が変化するが、そ
の変化を測定して濾過能力、泥の処理能力、ケーキの脱
液率、瀘液の清澄度等から最適条件を試験あるいは演算
で求め、自動または手動で設定できる。真空濾過では濾
過圧を比較的狭い範囲に限定されているのでケーキ厚
み、従って濾過枠の間隔、ブロー間隔とブロー時間、ブ
ローと独立に定めることのできるケーキ剥離排出間隔等
が主な変数になり、それらを任意に設定できる。枠形状
は角乃至丸で楕円あるいは曲線の組合せにより内部にむ
けての真空吸引圧に耐え易い形状が選択できる。薄い金
属板は枠と濾過単位をプレス成型によることが容易であ
る利点があり、多数の濾過枠、濾過板等を量産すること
が可能になる。特に曲線をとりいれた形状が成型容易で
高強度になり適当である。この濾過装置は上に配置した
供給口から原液あるいは泥を供給できるが、比較的小型
軽量に製作できるので水槽に入れ、あるいは水路、池、
湖沼、港湾等に沈めて水中に濃縮排出して沈めるように
使用することが可能になる。この場合ケーキまたは濃縮
泥が排出できる余地を装置下に架台、吊り下げ等で作
り、排ケーキは他の手段、例えば浚渫、バケット、スク
リュー、ポンプ等で移動できる。移動したものをさらに
本発明により脱水処理するのが能率的である。

【０００５】

【実施例１】本発明を図について説明する。図１は本発
明による濾過装置の正面図で濾過枠２および濾布４を袋
状にして濾過板６を入れ両面に張った断面を示してい
る。各濾過枠単位は独立し、補強構造２および締め付け
ボルト４６でとめている。その位置は隣接濾過枠同志で
食違い配置をし、しかもボルト頭とナットに相当する位
置に隣の枠、あるいは押え金具に穴をあけているので、
接近して重ね合わせることができる。濾枠同志は両側面
を蛇腹２８、あるいは可撓性壁、弾性体シート、パッキ
ン等で閉じられ、底はパッキンまたは空気で膨張し、真
空で収縮する弾性管シール３３で閉じられている。枠上
下は吊り（または押え）金具２４、あるいは足２５で上
下動を規制されている。濾枠間の開閉の間隔は両端面は
機械的に並行面に保持し、滑車あるいはスライド３２の
付いた濾枠の姿勢保持用可動枠２７をモーターまたは空
圧、油圧シリンダー１４で軸３０を駆動して、移動する
ことによってマジック・ハンド型の開閉、間隔保持装置
４０を伸縮して開閉し、濾過枠の並行、および間隔が保
持され、開閉が速く、ケーキの形成、排出が容易かつ効
率的になる。原液または含液泥は分級を兼ね振動機２９
で振動をかける分配機１で供給され、上部から枠の隙間
通路を通って落下し、泥粒子は濾布に捕捉されケーキと
なり、液は濾布を透過し、濾過板３の内部に吸引され、
充填材または通路６を通って流下し、濾板枠３６に付け
た通路３９導管７から集合管８に空気と共に分離器９に
入り、空気は真空ポンプ１１によって吸引され、液はポ
ンプ１０によって排出される。ケーキが５−２０ｍｍ程
度形成した後、液供給を止め、弁４１を閉じ、移動枠２
７を移動してマジック・ハンド４０を作動して濾過枠を
開き、振動機１２をかけて濾過枠に振動を与えつつ、逆
ブロー用空気弁４２を開き、ケーキを下に落す。空気弁
および濾過枠を閉じた後、次の濾過サイクルにはいる。
マジック・ハンド４０は１端を固定枠１６に支点１８を
固定し、各枠の固定支点１８、開閉に従い動く支点１
９、アーム２０とからなる。アーム１２０、はテーブル
・リフター同様の駆動、並行維持機構で併用できる。１
２、１３は振動機で濾枠３１に１２の使用が好ましい。
５は緑付きの濾過板押え枠、２６は端面の濾過板であ
る。 図２は濾過枠３６の一部を切り欠いて形成した液
通路で、４４は連結導管で薄い角、楕円あるいは円断面
が適当である。３４は締め付け具である。図３は図２の
Ａ−Ａ断面で３８薄壁、３７は内挿物あるいはハニカム
構造である。図４は濾過板６下部の内部の流体流出のた
めの構造を示している。５１は竪方向の挿入物例えば簾
状、簀の子じょう挿入物あるいは溝を刻んだ板、波板
等、５０は横方向の挿入物等である。４４、４８は管で
４８を吸引に使用してもよい。図５は濾布を張った濾過
板、濾過枠の１枚の平面図（図１の濾過面に対しては右
側面図に相当する）図６は図１の濾過板を濾過枠に取り
付けた拡大図である。図７は濾過枠の強化部２の形状を
型鋼の断面形状とし、隣接枠と重ね、接近可能なもので
ある。図８は濾過板を枠５を２枚使用して挟みこんだ例
をしめしている。図９は締め付けボルトが枠縁の外側で
なされている例を示す。同様にして、マジック・ハンド
やスペーサーの支点１８の取付け金具を濾過枠に取り付
けることができる。但し、濾布交換を簡単にするために
止めボルトは枠２の１枚だけ強化して貫通して締め付け
してよい。袋状濾布は漏れ防止に有利である。

【０００６】

【実施例２】図１０は１基の濾過装置で、濾布を直列２
回通過する流れの略図を示す。液または泥は単数または
複数の供給口５７から濾過器に入り濾布４を通過して濾
過体６内に入り、流下して管７を経て２段目の供給質７
７に入り更に濾過されて管８に出、真空吸引により排出
される。７９は５７または７７に供給される濾過助剤槽
で特に２段目の供給は少量ですみ、排ケーキの量を少な
くすることができる。

【０００７】

【実施例３】図１１は１枚に相当する濾過板を２室に区
分し、上部室６から室７１に吸引し、更に室６６を経て
管８から排出する２段濾過の系統略図である。上部室３
１からのケーキ排出は濾過装置の傾斜と振動機の利用に
よって円滑に行うことができる。６と６６の連絡路は濾
過板内部構造または外部配管で可能で前者が簡易であ
る。

【０００８】

【実施例４】図１２は濾過の開始時刻を対向する濾過面
で変える操作を示すフローシートで、Ｂ系に属する濾過
面の濾過終了時付近でＣ系に吸引を切替え、効率を上げ
た。

【０００９】

【実施例５】ＣＯＤ３００ｐｐｍの豚舎排水を真空濾過
した。単糸径０．１ｍｍ、布厚みが０．２５ｍｍの細い
ポリエステル単糸またはマルチ糸からなる薄布を濾布と
し、振動を併用しつつ１分間隔で空気で逆ブローしつつ
濾過した。この操作により濾過を継続できた。少量の石
炭または木質その他の有機質の炭化物を各繰返し毎に添
加し、または排水に混合して濾過した。添加物によって
間隔は２倍に延長でき、能力は４０％増加した。１回通
過濾過でＣＯＤは４０％除去され、２回通過で計５５％
除去できた。住居からの生活排水についても濾過により
４０−６０％のＣＯＤ除去率が得られた。濾布は合繊が
ケーキ剥離、粒子分離がよく適している。（対照例）逆
ブローしない時は閉塞のため濾過継続ができなかった。
Ｎｏ．７定量濾紙を使用して濾過しても上記廃液、排水
のＣＯＤ除去は少数回できたが、濾過助剤を使用しても
逆ブローしたときの単糸またはマルチ糸に比べて濾紙の
目閉塞による濾過速度の低下が速く、再生が不完全で寿
命が短いことがわかった。

【００１０】

【実施例６】実施例４に相当する操作を土木工事の現場
打ち杭に使うアース・ドリル工法から排出されるベント
ナイト排泥の処理に利用した。振動を利用し５０％含水
ケーキを同一条件で４３％のケーキ含水率まで下げるこ
とができた。同一含水率にするときには所要時間は１／
３になった。

【００１１】

【実施例７】図１２において側面板７７の内側の濾過板
６を加圧面とし図１のように動力１４で加圧しつつ振動
を加えるとさらに脱液効果を上げ所要時間を短縮でき
る。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明は濾過面を薄
く、軽量化することにより単位体積、単位据付け面積内
に多数の濾過面を軽量かつ密に配置するものであり、薄
い間隔の均等配分をマジック・ハンド型等支点高さを制
約する型の結節アーム型の操作兼スペーサーを使用し、
開閉速度を上げ、かつ従来コスト高で問題であったケー
キ排出時間を短縮し、固形分の多いスラリー液や泥状物
の脱液を可能にし、廃棄物、汚物の処理にも役立つもの
である。薄い濾過面から濾過された流体を取り出し、そ
れを通常の配管に連結すること、多数の薄い濾過面に形
成された薄いケーキを薄い隙間から速やかに排出するこ
とが必要で、このために振動を利用し、ブローの後また
は必要によりブローしつつ振動を与え、軽量、コンパク
ト化により加振が小動力で容易になること、ケーキを薄
くすることによる排出頻度増の時間損失を上述のように
して短縮し、しかも微粒子の場合振動濾過で濾過面と反
対側に液がとり残される傾向があるがこれは濾過開始の
時刻を隣合う面で、ずらせる等による諸問題の解決、等
の複合された問題解決の相乗効果利用を可能にしたもの
である。そして従来濾過困難であった圧縮閉塞性のコロ
イド粒子を含む液や有機性汚泥（例えば下水、畜産の糞
尿排水、浚渫汚泥、湖沼の青粉等の水質汚濁成分）等は
本発明による装置で頻繁な逆洗が可能になり処理できる
ことになった。多くの場合このようなコロイド性の有機
物を含む液は本発明による濾過によりＣＯＤ等汚染物を
微生物処理することなく容易に略半減することとができ
る。また非清澄濾過操作は濾過材料の速やかな損耗にな
るので廃棄物、排水の処理では実用上困難であったが、
細い原糸からなる薄い濾過布を本発明で１回または多数
回通過使用することにより可能にしたものである。この
ように従来困難とされていた物質の濾過や脱水処理を実
用的に可能にし特に環境問題の解決に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 濾過装置正面説明図（正面断面図）

【図２】 濾過板または濾過枠から真空吸引への接続縦
断面図、立体説明図

【図３】 図２のＡ−Ａ断面図操作の説明図

【図４】 図２または図３に相当する引き出し口の接続
関係の例を示す平面断面説明図

【図５】 濾過単位板説明図図

【図６】 図１の濾過単位板の濾過枠取り付け断面図

【図７】 濾過枠に濾過板を取り付けた断面図

【図８】 濾過枠で濾過板を挟み込む断面図

【図９】 枠縁の締め付けボルト位置の図

【図１０】濾布を直列２回通過する流れ略図

【図１１】濾過板を２室に区分した２段濾過系統略図

【図１２】濾過開始時刻を対向濾過面で変えるフローシ
ート

【図１３】図４の側面視に相当する断面説明図

【図１４】濾過面小傾斜水平型濾過装置の断面説明図

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B01D 25/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数枚の濾布を重ねて構成する濾過装置
   で、薄い濾過室を周辺部で支持する薄い濾過枠又は濾過
   枠の強化枠２を設け、濾過枠又は濾過枠の強化枠２であ
   る原液供給枠と吸引枠で濾布を挟み、原液供給枠で形成
   した原液供給室と、濾布を隔てた吸引室を形成し吸引室
   を形成する対面する２枚の濾布間に流路確保用スペーサ
   ーを挟んで形成した吸引室、とを交互に設け、濾布に粒
   子を捕集し、濾過された流体を吸引室ごとに集合管系に
   排出する濾過装置において、薄い濾過室の原液供給室又
   は吸引室に浮動或いは振動できる薄い可撓性又は柔軟性
   板状体或いは多孔体を、仕切り用膜又は挿入板として挿
   入し、流体を分割して順方向の真空吸引で濾過し、次い
   で逆方向の真空吸引で濾布とともに仕切り用膜又は挿入
   板を原液供給室から吸引し、吸引室に滞留している薄い
   液膜又は気相を吸引して濾過布表面の濾滓を剥離し、各
   濾過室で連続又は回分濾過する濾過法。
2. 【請求項２】薄い濾過枠を重畳した真空濾過装置におい
   て、原液供給室と吸引室を１組以上交互に設けて各原液
   供給室の両側面が対向する１対となる濾過面とし、１対
   となる濾過面の吸引室からの吸引の場合に、一方の吸引
   室からの吸引時には、他方の吸引室は吸引停止又は逆洗
   となるように位相を各１対の濾過面について逆転して、
   濾滓を介して濾布の逆側に形成された液膜又は液に富む
   層を対向する逆側の濾過面から吸引する濾過法。
3. 【請求項３】薄い濾過枠の対を重畳しブロー機構を有し
   てもよい真空濾過装置において、原液供給室と吸引室を
   １組以上設け、原液供給室の両側面が対向する１対とな
   る濾過面の吸引の場合に、一方の吸引室からの吸引の場
   合には、他方の吸引室は吸引停止又は逆洗となるように
   位相を各一対となる濾過面について逆転する切り替え機
   構と原液供給室である濾過室の開閉機構又はブロー機構
   とを設けた濾過装置。