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JP3526592B2 - 脱臭剤の製造方法 - Google Patents

脱臭剤の製造方法

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JP3526592B2 JP15357493A JP15357493A JP3526592B2 JP 3526592 B2 JP3526592 B2 JP 3526592B2 JP 15357493 A JP15357493 A JP 15357493A JP 15357493 A JP15357493 A JP 15357493A JP 3526592 B2 JP3526592 B2 JP 3526592B2
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鈴木  誠
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  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、気相中の酸性、塩基
性、中性ガスの脱臭性能に優れ尚且つ、長期間性能を維
持する脱臭剤と、その製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般的に、悪臭の除去には活性炭が広く
使われているが、脱臭原理として物理吸着を利用してい
るため長期間の性能維持には対応困難である。そのた
め、特開平1−189322号公報において、吸着材と
光触媒を組み合せる方法が提案されて、脱臭性能の長寿
命化がはかられているが、塩基性、酸性ガス等の低濃度
で刺激性のある物質を無臭化するには十分な脱臭レベル
に至っていない。 【0003】この方法の作用効果は活性炭中の臭気成分
を光触媒で分解し活性炭の長寿命化を行ない、或いは光
触媒自体が臭気成分を分解して総合的に脱臭効果を長期
保持することが狙いである。しかし通常の活性炭を使用
している限り中性臭気ガス脱臭が主体となり、本来臭気
源になり易い酸性、塩基性ガスの脱臭に関しては、満足
することは困難である。これは脱臭剤にとって致命的な
欠陥である。光触媒だけで、全てのガスを素早く分解す
れば良いのであるが、臭気成分によっては、分解速度の
遅いものもあり望まれる迅速脱臭には、活性炭の持つ微
細孔による吸着スピードにたよる必要があり、その意味
でも脱臭性能は基本的に活性炭の性能に依る所が大き
い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、酸性、塩基性ガスに対しても優れた脱臭性能を持
ち、従来の組み合せと比較して著しく優れた性能を発揮
する脱臭剤を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、酸性ガス吸着
性添着剤及び塩基性ガス吸着性添着剤を添着した活性炭
のような吸着剤の層の表面に光触媒を付加してなる脱臭
剤である。 【0006】前記酸性ガス吸着性添着剤としては、3−
アミノプロピルトリハイドロシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、ジメチルトリメチル−シ
リルアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピル−トリメトキシシランアニリン、トルイジン等の
アミノ基含有有機物を用いうる。 【0007】前記塩基性ガス吸着性添着剤としては、L
−酒石酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、グルコン
酸、リンゴ酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、
m−ヒドロキシ安息香酸、ピメリン酸、ピコリン酸、イ
タコン酸、アジピン酸、サリチル酸、グリセリン酸、没
食子酸等を用いうる。 【0008】前記酸性ガス吸着性添着剤及び塩基ガス吸
着性添着剤は、別々に活性炭のような吸着剤に添着し、
これら2種の添着剤を併用してもよいし、同じ活性炭の
ような吸着剤に添着して用いてもよい。更に酸性ガス吸
着性と塩基性ガス吸着性とを併有する添着剤を用いるこ
ともできる。このような添着剤としては、酸化コバル
ト、酸化銅、酸化ニッケル、酸化鉄等の各種金属酸化物
を用いうる。 【0009】前記光触媒としてはチタニア、WO3 ,F
2 3 等を用いうる。 【0010】前記活性炭のような吸着剤としては活性炭
素繊維(以下「ACF」ということがある)、粉末活性
炭、粒状活性炭、ゼオライト、シリカゲル等を用いう
る。 【0011】本発明の脱臭剤の断面モデル図を図1に示
す。この図においてモデルの構成と製法を説明する。
先ず、酸・塩基性吸着性活性炭を組み合わせた吸着層と
光触媒を担持すべき層(以下「光触媒担持予定層」とい
う)とからなるベースシートを湿式成形にて作製する。 【0012】この場合、例えば塩基性ガス吸着性添着剤
を添着した活性炭素繊維と酸性ガス吸着性添着剤を添着
した活性炭素繊維とを用いる場合は、これらを適当な割
合で混合し、バインダー及び繊維を混合して、湿式抄紙
法によりペーパー状に成形してこれを吸着層とする。一
方繊維とバインダーのみからなる層を同じ抄紙法により
ペーパー状に成形してこれを光触媒担持予定層とし、こ
れを前記吸着層に貼り合わせる。次いで光触媒の微粒子
のスラリーを上記光触媒担持予定層にスプレーコート
し、昇温乾燥すればよい。 【0013】図1のモデルに示した構成は、モデル
の簡易タイプで、光触媒担持予定層を設けずに、直接吸
着層に光触媒をコーティングする構成である。このもの
は若干圧損が上昇(20%程度)するが、性能は、モデ
ルと同様であり、製造面で有利であるため用途に合わ
せて有効活用されるものである。 【0014】このものの製造上注意すべき点は、光触媒
表面は常に活性状態にしておく必要があるため、本製造
法とは異なり、光触媒コーティング後に官能基の添着処
理を施したのでは、光触媒表面が被覆されてしまうた
め、分解効果が著しく劣化してしまう。更に、光触媒を
コーティングしたときに、ベースシートがくずれないよ
うな構成にするために、適度なバインダーが必要である
し、又、コーティング液の水分によって吸着層の官能基
が容易に脱落しない様に予め乾燥により官能基をACF
細孔に固定化してあることが必要であるが、本発明品の
製造工程は、これらを満足する構成になっており、個々
の役割を十分に果たしているため、従来にない優れた性
能が実現するものである。 【0015】図1において、1は吸着層、2は塩基性ガ
ス吸着型活性炭素繊維、3は酸性ガス吸着型活性炭素繊
維、4は光触媒担持層、5は光触媒、6は繊維、7は紫
外線源である。 【0016】前記バインダーとしては、ビニロン、アク
リルエマルジョン、塩化ビニル、アクリルスチレン共重
合体、エーテルエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエス
テル系ウレタン、ウレタン系レジン、ポリビニルアルコ
ール、アクリル等の水溶性高分子を用いうる。 【0017】前記繊維としては、レーヨン繊維、ポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、パルプ、リン
ターパルプ、マニラ麻等を用いることができる。 【0018】本発明の脱臭剤は、対象臭気の成分、濃度
に応じて、光触媒の量や添着吸着剤の種類、量を調整で
き広範囲に使用場所、寿命を選択することが可能であ
る。 【0019】本発明の使用例を図2に示す。この図の
(a)において、11は光触媒層、12は吸着層であ
る。この図の(c)において、13は脱臭剤加工品、1
4は紫外線ランプ、15は臭気成分の流れ方向を示す矢
印、16はファン、17はケースである。 【0020】 【作用】本発明によれば、光触媒と、酸性ガス吸着性添
着剤を添着した吸着剤及び塩基性ガス吸着性添着剤を添
着した吸着剤との複合化により、大部分の臭気ガスは光
触媒で分解無臭化し、一部分の残留臭気を各吸着剤で吸
着することにより、長期間にわたり無臭レベルを維持す
ることができる。 【0021】 【実施例】 (実施例1)図1のモデルの吸着層を以下のようにし
て作った。酸性ガス適応型活性炭の添着剤には、3−ア
ミノプロピルトリハイドロシラン(以下、「AS」とい
う)を、担体には比表面積800〜1500m2 /gの
活性炭素繊維(ACF)を用い、ASを0.01〜0.
1モル/Lの水溶液に調整し、その中に上記担体をAS
の重量に対して1〜10倍量加え、撹拌翼で撹拌しなが
ら、1時間含浸させて反応させた。次いで、真空吸引ろ
過を行ない、120℃で3時間、乾燥して酸性ガス吸着
型活性炭を得た。又、塩基性ガス吸着型活性炭の添着剤
には、L−酒石酸を、担体には、上記ACFを用い、L
−酒石酸を0.2モル/Lの水溶液に調整した後、上記
酸性ガス吸着型活性炭と同様の操作を行ない、塩基性ガ
ス吸着型活性炭を得た。 【0022】次に、両添着ACFを1対1の重量割合で
混合し、該素材に対して5wt%のバインダー及び15wt
%の合成繊維を混合し、湿式抄紙法によりペーパー状に
成形し、これを吸着層とした。この時に、合成繊維とバ
インダーのみから成る層を同じ抄紙法により、ペーパー
状に成形し、前記吸着層と貼り合せ、これを光触媒担持
予定層とした。前記湿式抄紙法は、前記原料を水中で混
合し、丸網、平網等で薄いシート状に成形し、その後、
ドラムドライヤーにより120℃,10分間乾燥するも
のである。又、用いたバインダーはビニロンとし、合成
繊維はレーヨンとした。 【0023】以上の製法で得た吸着層と光触媒担持予定
層から成るベースシートに担持する光触媒について、以
下に説明する。光触媒としては、チタニアを用いた。そ
の結晶子径は80〜200Å、粒子径は0.5μm〜
2.5μmであった。そして、該チタニアを5wt%濃度
のスラリーに調整して、上記ベースシートにスプレーに
てコーティングを行ない、その後100℃で2時間乾燥
した。 【0024】これにより、図1のモデルに示した構成
の本例の脱臭剤が得られた。尚、本例の脱臭剤仕様とし
ては、吸着層は120g/m2 、光触媒担持層は40g
/m 2 、チタニアの担持量は、60g/m2 、厚みは1
mmとした。又、圧損は風速30cm/sにおいて30mmH
2 Oであった。 【0025】以上、図1のモデルの製造工程を分かり
易く示したフローチャートを図3に示す。 【0026】この脱臭剤における前記吸着層の役割は、
添着剤ASのもつ、アミノ基(塩基性官能基)で酸性ガ
スを吸着し、添着剤L−酒石酸のもつカルボキシル基
(酸性官能基)で塩基性ガスを吸着する。又、上記製造
法で添着処理したものは、ACFの細孔はまだ十分に生
かされているため、中性ガスの吸着も何ら問題なく満足
するレベルが保持されている。 【0027】次に、本発明品の効果を示すために、単成
分ガスの除去率を測定した。測定にあたっては、まず初
期濃度(R)の単成分ガスを連続的に流した密室に、脱
臭剤(2.5×13.5cm)を25℃にて配置し、単成
分ガスを吸着・分解させる。この時、常時脱臭剤が紫外
線ランプ(20W)により光照射されている。そして、
脱臭剤通過後の単成分ガス残存濃度(Q)を、ガスクロ
マトグラフ(GC−9A、島津製作所)により測定す
る。単成分ガスの除去率(S)については以下の式より
算出する。 【0028】S(%)=100×(R−Q)/R 【0029】前記各種単成分ガスは、アセトアルデヒド
(CH3 CHO)、トルエン(C78 )、アンモニア
(NH3 )である。これらの初期濃度は、100ppm と
した。尚、アンモニア濃度の測定は検知管で、他ガスは
ガスクロマトグラフィーで行なった。 【0030】尚、比較のために未処理活性炭を使用した
脱臭剤についても、上記と同様にガス除去率を測定し
た。又、測定サンプルに用いた本発明品は、AS0.0
1モル/L,L−酒石酸0.05モル/Lの添着濃度
で、且つ比表面積1200m2 /gのACFを担体とし
た添着ACFを使用した。 【0031】この測定結果を図4に示す。図4より、酸
性ガスであるアセトアルデヒド、塩基性ガスであるアン
モニアの除去率において、本発明品は比較例より除去率
が優れていることが分かる。また、中性ガスであるトル
エンの除去率も何ら問題ないことも明らかに分かる。 【0032】以上の結果から分かる様に、中性ガス以外
のガス成分についても脱臭性能を向上させるには、使用
する活性炭を高性能なものにすることが重要な要因であ
ることが明白となった。 【0033】(実施例2)本例においては、実施例1で
用いたASの代わりに、次の各種アミノ基含有有機物を
各々用い、実施例1と同様にして脱臭剤を作製し、その
ガス除去率を測定した。いずれも実施例1と同様の効果
を得ることができた。 【0034】上記アミノ基含有有機物としては、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルトリ
メチル−シリルアミン及びN−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピル−トリメトキシシランを用いた。 【0035】(実施例3)本例においては、実施例1で
用いたL−酒石酸の代わりに、コハク酸、マレイン酸、
クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、フマル酸、グルタミ
ン酸、グルタル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、ピメリン
酸、ピコリン酸、イタコン酸、アジピン酸、サリチル
酸、グリセリン酸及び没食子酸をそれぞれ用い、実施例
1と同様にして脱臭剤を作製し、同様の評価を行なっ
た。その結果、いずれも実施例1と同様の効果を得るこ
とができた。 【0036】(実施例4)本例においては、実施例1で
用いた光触媒チタニアの代わりに、それぞれWO 3 及び
Fe2 3 を用い実施例1と同様にして脱臭剤を作製
し、同様の評価を行なった。その結果、いずれも実施例
1と同様の効果を得ることができた。 【0037】(実施例5)本例においては、実施例1で
用いたASの代わりに、それぞれ芳香族アミンであるア
ニリン及びトルイジンを用い実施例1と同様にして脱臭
剤を作製し、同様の評価を行なった。その結果、いずれ
も実施例1と同様の効果を得ることができた。 【0038】(実施例6)本例においては、実施例1で
用いたASとL−酒石酸の代わりに、各種金属酸化物の
微粒子をそれぞれ担持したACFを用い、実施例1と同
様にして脱臭剤を作製し、そのガス除去率を測定した。
その結果、いずれも実施例1と同様の効果を得ることが
できた。 【0039】上記金属酸化物は、酸化コバルト、酸化
銅、酸化ニッケル及び酸化鉄である。担持方法は、該金
属の硝酸塩又は酸化物の化合物をもちいて水溶液を調整
し、その中にACFを含浸させ、その後、脱水、乾燥し
て300℃で2時間焼成し、ACFの細孔内に金属酸化
物の微粒子を担持させるものである。 【0040】(実施例7)本例においては、担体のAC
Fの代わりに、それぞれ粉末活性炭、粒状活性炭、ゼオ
ライト及びシリカゲルを用いて脱臭剤を作製した。その
他は、実施例1と同様である。本例においても、いずれ
も実施例1と同様の効果を得ることができた。 【0041】(実施例8)本例においては、実施例1で
用いたバインダー又は合成繊維の代わりに、次の各種の
原料をそれぞれ用い、実施例1と同様にして脱臭剤を作
製し、そのガス除去率を測定した。その結果、いずれも
実施例1と同様の効果を得ることができた。 【0042】上記バインダーとしては、それぞれアクリ
ルエマルジョン、塩化ビニル、アクリルスチレン共重合
体、エーテル−エステル系ポリウレタン樹脂、ポリエス
テル系ウレタン、ウレタン系レジン、ポリビニルアルコ
ール及びアクリルの水溶性高分子を用いた。 【0043】又、上記合成繊維の代替品として、それぞ
れポリエステル、ナイロン、パルプ、リンターパルプ及
びマニラ麻を用いた。 【0044】 【発明の効果】本発明によれば、中性ガスのみならず酸
性ガス及び塩基ガスも長期にわたり脱臭できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明脱臭剤の断面のモデル図。 【図2】本発明脱臭剤の使用例を示す図。 【図3】実施例1における脱臭剤製造工程のフローチャ
ート。 【図4】実施例1における単成分ガス除去率。 【符号の説明】 1…吸着層 2…塩基性ガス吸着性添着剤添着活性炭素繊維 3…酸性ガス吸着性添着剤添着活性炭素繊維 4…光触媒担持層 5…光触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 35/02 (72)発明者 岡本 ▲邦▼夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 児玉 好正 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−189322(JP,A) 特開 平3−296434(JP,A) 特開 平5−23588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/00 - 53/96 JSTPlus(JOIS) CAplus(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 酸性ガス吸着性添着剤を予め固定した活
    性炭素及び塩基性ガス吸着性添着剤を予め固定した活性
    炭素を含む吸着層を形成した後、その吸着層の表面に光
    触媒層を形成することを特徴とする脱臭剤の製造方法
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