JP3520840B2 - オーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法Info
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Description
適するオーステナイト系ステンレス鋼板とそれらを経済
的で安定的に製造する方法に関するものである。
オーステナイト系ステンレス鋼帯( 以下、本明細書では
オーステナイト系ステンレス鋼板と総称する) は、フェ
ライト系ステンレス鋼板に比べて光沢が鈍く、白く目に
映る。このため、建材や厨房機器など外観を重視する用
途ではステンレス鋼としての光沢感を出すために表面を
バフ研磨して使用に供するのが一般的である。
面に設けた回転研磨ロールに#400、#600、#700、#800な
どの所定の粗さの砥粒を添加して鋼板表面を研磨する方
法である。鋼板表面の性状が研磨性に強く影響し、鋼板
表面の凹凸が深い場合はこれによる影響を除くためバフ
研磨工程での通板速度の低下やパス回数の増加といった
対応がなされており、研磨工程に多大な時間と労力が必
要となり、著しく作業性が低下するという問題がある。
ブの深さが1.0 μm以下であるバフ研磨性に優れたステ
ンレス鋼板とその製造方法が示されている。ここに、
「ミクログルーブ」とは焼鈍による粒界酸化とそれに続
く酸洗での粒界侵食であり、主として熱延鋼板の焼鈍・
酸洗工程で深いミクログルーブが生成するものであり、
上記公報にはミクログルーブを低減させる製造方法とし
て、熱延鋼板の焼鈍を省略して酸洗のみを行ったのち冷
間圧延を行い、1050℃以上1170℃以下の最終焼鈍を行
い、さらに所定の酸液で酸洗する方法が示されている。
イト系ステンレス鋼片を熱間圧延後、650 ℃以下で巻き
取り、熱延鋼板の焼鈍を省略して、予熱後、20〜200g/l
の硝酸と15〜100g/lの弗酸の混合液、または硝酸20〜20
0g/l、塩酸20〜200g/lおよび塩化第二鉄30〜250g/lの混
合液である水溶液中で酸洗する方法が開示されている。
とで粒界酸化を防止し、また650 ℃以下の低温で巻き取
ることにより、粒界にCr炭化物が生成するために発生す
る鋭敏化を防止することを特徴とし、熱延鋼板の焼鈍・
酸洗で生成するミクログルーブがなく、研磨性に優れる
鋼板を製造するというものである。
明はいずれも熱延鋼板の焼鈍を省略して熱延鋼板の焼鈍
・酸洗で生成するミクログルーブを生成させないことで
研磨性を向上させるというものである。
化した鋼板をそれに続く酸洗を適当におこなうことで、
ミクログルーブが鋼板表面に残留しないようにする方法
についても次のような提案がすでに開示されている。
を機械的に予備脱スケール処理した後に、硝酸100 〜40
0 g/l および弗酸75〜400 g/l を含む酸洗液で脱スケー
ルし、冷間圧延後に酸化スケールを生成させない光輝焼
鈍 (BA) を行う製造方法が提案されている。
酸20〜100 g/l および弗酸100 〜300 g/l を含む酸洗液
で脱スケールする方法が提案されている。
の従来技術にあっては、研磨性に優れる鋼板を安定的、
かつ経済的に製造することはできない。
ミクログルーブを生成させないようにするには特公平2-
50810 号公報に示されるように熱延鋼板の焼鈍酸洗で生
成する粒界の侵食を防止する必要があり、特に、酸洗に
よる粒界腐食を防止するためには熱間圧延後に650 ℃以
下で巻取りをおこなわなければならないが、巻取り温度
を650 ℃以下に低めると、鋼板の幅方向および長手方向
の冷却が不均一になるため形状性が悪化し、巻取り時に
鋼板同士が擦れることでかき疵が発生する。
ままでは硬く、熱延鋼板へ焼鈍をおこなった鋼板に比べ
冷間圧延性が著しく劣るという問題がある。一方、特公
平3-60920 号公報および特開平11-131271 号公報に示さ
れるような、酸洗により鋼板表面に生成したミクログル
ーブを除去する方法は、濃度の高い酸液中に長時間浸漬
しなければならず、Feイオンの増加や弗酸、硝酸濃度の
経時変化、Feイオンとフッ素イオンが結合してフッ化鉄
の生成、溶解に関与するフッ素イオンが減少するなどの
不安定要因があり、ミクログルーブを安定して溶解させ
ることが困難になる。
なるため歩留まりロスが大きく、酸液のコストアップや
酸洗に関連した廃棄物の処理などのコストアップも発生
し、経済性に問題があった。
・酸洗後に残留する深いミクログルーブは熱延鋼板の焼
鈍・酸洗で発生すると考えられてきたが、熱延鋼板の酸
洗後に研削を充分に行い熱延鋼板のミクログルーブを完
全に除去しても、最終の焼鈍・酸洗で深いミクログルー
ブが生成する場合があり、従来のような熱延鋼板の焼鈍
・酸洗方法を工夫するだけでは研磨性に優れる鋼板また
は鋼帯を安定的、経済的に製造することは困難であっ
た。
のバフ研磨性を詳細に調査したところ、ミクログルーブ
深さを1.0 μm以下にしても研磨性が劣っていたり、逆
に1.0 μm以上の深さのミクログルーブがあってもバフ
研磨性が優れる場合があることがわかった。
たオーステナイト系ステンレス鋼板と、それを安定し
て、かつ経済的に製造できる効果的な方法を提供するこ
とである。
題を解決すべく、種々検討の結果、研磨前の鋼板の表面
性状、特に表面凹凸部の形状−面積率、つまり欠陥面積
率がバフ研磨性に大きく影響することを知見し、本発明
を完成した。
板とその製造条件を規定したものでその要旨は以下の通
りである。 (1) 最大表面粗さRmaxが2μm以下、かつ下記式(1) で
示す平均平坦面積率AFp において最大山高さから0.5 μ
m 深さにおけるAFp(0.5 μm)≧80%、また切断レベルP
(%) =20%、30%における平坦部面積率AFp(P(%))がAF
p(30)/AFp(20) ≧1.05であることを特徴とするオーステ
ナイト系ステンレス鋼板 AFp = (ΣXi/L)×100 ・・・(1) ただし、 L:鋼板表面の粗さ曲線からの抽出長さ P(%) :粗さ曲線からの抽出長さの最大山頂−最大谷深
さを100%とした場合の最大山頂からの深さレベル Xi:粗さ曲線からの抽出長さLにおいて、切断レベルP
(%) に出現する平坦部の長さ (2) 質量%で、C:0.02 〜0.08%を含有するオーステナ
イト系ステンレス鋼の熱間圧延において、含有するC量
に応じて熱間圧延の巻き取り温度を下記(2) 、(3) 式の
範囲に規定し、該熱間圧延の後に、熱延鋼板の焼鈍を10
00℃以下で行い、それに続く酸洗により厚さ2μm以上
溶削して、得られた焼鈍酸洗済みの熱延鋼板に総圧下率
50%以上で冷間圧延を行い、得られた冷延鋼板にさらに
焼鈍、酸洗を行うことを特徴とする上記の本発明にかか
るオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
酸:50〜200g/lの混合水溶液中で行うことを特徴とする
上記(2) 記載のオーステナイト系ステンレス鋼板の製造
方法。
を、900 ℃以上1100℃以下の温度で行うことを特徴とす
る上記(1) または(3) 記載のオーステナイト系ステンレ
ス鋼板の製造方法。
製造方法は、熱間圧延から最終の焼鈍・酸洗の各工程に
おける製造条件を適正に規定することにより、バフ研磨
後に残留する凹部の面積を目視では検知できないレベル
にまで低減することでバフ研磨性に優れるステンレス鋼
板を得るものである。
明者らは、研磨前のNo.2B の鋼板表面の平均表面粗さR
a、最大粗さRmax、ある一定高さ以上の凹凸数を示すPPI
や凹凸の平均間隔を示すPλa などの表面粗さの指標
と研磨性の関係を調査したが、従来の条件で製造した場
合、ばらつきが大きい。この原因はバフ研磨の良否は研
磨後に残留する凹部の深さや凹凸数のみでなくその大き
さと面積が強く影響するためである。
ル麻や綿を組み合わせた回転式研磨装置に砥粒を添加す
る方法や予め砥粒が添加されているスコッチバフ等で研
磨すると0.2 μm以上の研削がなされる。
組み合わせなどの研磨条件設定の他に、研磨装置の回転
数、通板速度、通板回数によりその研削量が異なるため
一律に研削量を規定することは困難であるが、下地研磨
をおこなわずに# 400 から#800 のバフ研磨を行う場合
は2μm超研削することは大幅な工程増となる。
2μm以下に規定する。好ましくは1.5 μm以下であ
る。このようにして用意された鋼板にバフ研磨による研
削を行うが、全く研磨をおこなわないと、結晶粒内の微
細ピットと冷間圧延やスキンパスのロール目の残留が強
いため鋼板表面の凹部の面積を正確に算出することがで
きない。ロール目や一般的なバフ研磨では影響しない微
細ピットを除去しバフ研磨性を評価するためには0.2 μ
m以上研削する必要がある。
ず凹部が除去されてしまい、研磨性の良否が判定できな
くなる。そこでこのようにバフ研磨を行ったサンプル表
面を目視観察し、光沢度と表面に残留する微小な点状や
線状の欠陥の関係を整理したところ、それら欠陥の大き
さや分布状態によって目視での見え方が異なり、微細な
欠陥が数多く残留している場合は光沢度が低く、比較的
大きな欠陥がまばらに残留する場合には鏡面光沢度は比
較的高いが、白点が斑状に残留するような不均一模様と
なり、目視の光沢感を著しく低下させることが分かっ
た。
板表面の粗さ判定を行い、その粗さ曲線の形態と研磨性
について詳細に調査した結果、粗さ曲線の平均線に平行
に切断した面に現れる平坦部の面積と研磨後の鏡面光沢
に強い相関があることを見い出した。
要領の概略を図1に示す。図1は粗さ曲線からのAFp 算
出の要領を示すもので、粗さ曲線をまず求め、その平均
線Xを決定する。最高山高さと最大谷深さを距離を100
%として、任意の深さレベルPで切断したときの凸部の
合計切断長さ (ΣXi =X1 +X2 +・・・・Xn ) を
単位長さ (L) に対する割合で求め、これをもってAFp
とするのである。なお、レベルPは、凸部の頂部からの
深さ (μm ) で規定する場合と、全体の深さに対する割
合 (%) で規定する場合とがある。
るには、切断レベル0.5 μm における平坦部の面積率AF
p を80%以上確保する必要がある。切断レベルが小さい
20%切断レベルと30%切断レベルでの平坦部の面積率の
比が高いほど、鋼板は少ない研磨量で高い光沢が得られ
る。
はAFp(30)/AFp(20) を1.05以上にすればよいことが分か
った。本発明のバフ研磨性に優れるステンレス鋼板を得
るためには表面に残留するある一定面積以上の点状、線
状の凹部を低減しなければならない。
説明する。まず、鋼中C量と製造条件を規定した理由を
説明する。C量を0.02%以上に規定するのは、C量を0.
02%未満に規定すると、そのために精錬の脱炭にかかわ
る製鋼コストの増大を招き、経済性が低下するためであ
る。また、C量が0.08%超になると、耐食性や加工性の
劣化など製品特性の低下を招く、そこでC量は0.02%以
上、0.08%以下にする。
に記述する。製品板に残留する凹部の原因は主として以
下の4つが考えられる。 (1) 熱延鋼板表面に生成した酸化スケール厚さの不均一
により発生する凹凸 (2) Cr炭化物の粒界析出の近傍が酸洗時に侵食されるた
めに発生する粒界腐食 (3) 熱延鋼板の焼鈍による粒界酸化とそれに続く酸洗に
よる侵食 (4) 冷間圧延後の最終焼鈍による粒界酸化とそれに続く
酸洗による侵食 鋼中C量に応じて熱延鋼板の巻き取り条件を規定する理
由は、上記(2) の粒界腐食の抑制と(3) の熱延板焼鈍と
酸洗による侵食を抑制するためである。
炭化物量と析出サイズが変化することから、巻取り温度
が高いと、Cr炭化物の体積が大きく低温、短時間では固
溶化しない。
ないようにして、熱延鋼板の焼鈍を低温で実施すること
により粒界酸化とそれに続く酸洗での酸侵食を抑制する
のである。
界へのCr炭化物の析出は少なく、また体積も小さいため
熱延板焼鈍の温度を低くすることが可能になる。すなわ
ち、C量が0.04%より少ない鋼やC量が0.04%より多い
鋼をさらに低い巻取り温度で巻き取った場合はCr炭化物
の粒界析出がさらに少なくなり、粒界腐食を軽減するこ
とが可能となる。0.02%≦C≦0.04%では、巻取り温度
が800 ℃以下では粒界腐食の発生が非常に軽微になる。
しかし、巻取り温度が600 ℃未満になるとかき疵の発生
が著しく増加する。そこで巻取り温度は600 ℃以上800
℃以下にする。
温度Tcを600 〜700 ℃に制御することでC量が0.04%以
下の鋼と同等の粒界腐食抑制が可能となる。この条件下
で製造された熱延鋼板はCr炭化物の連続的な粒界析出は
ないため熱延鋼板の焼鈍を行わずに酸洗しても粒界腐食
は軽微で、表面性状への影響は小さい。
一になる場合があり、それに続く冷間圧延の作業性を低
下させる場合がある。熱延鋼板の焼鈍はこのような形状
を矯正する上で必要である。熱延鋼板の形状矯正は熱延
鋼板の焼鈍中の鋼板に加えられる張力で達成されるもの
であり、高温度で行うのが望ましい。しかし、熱延鋼板
の焼鈍による酸化を抑制する観点からは温度を低くする
必要がある。特に表層部の粒界酸化を抑制する観点から
は、熱延鋼板の焼鈍温度の上限を1000℃にする。
正を行うことが重要であり、温度が低く強度が高い場合
は張力を大きくすれば良いので特に下限は規定しない
が、望ましくは200 ℃以上である。
除去を行うとともに、熱延鋼板の焼鈍で生成するスケー
ル直下のCr分率の低い層 (以下Cr欠乏層) を除去するこ
とを主目的とするが、脱スケールのみではスケール凹
凸、脱スケール前処理のショットブラスト等の凹凸を充
分平滑化できないことから表面を一部溶解させる必要が
ある。
ールの成長が少なく、また熱延鋼板に対する焼鈍温度が
低いため焼鈍に際して生成する酸化スケール直下のCr欠
乏層が浅い。
00℃超の温度で熱延鋼板焼鈍を行う場合に比べ酸洗溶解
量が少なくても高い表面品質と耐食性が確保できる。表
面品質を確保するため2μm以上溶解させるが、歩留ま
りロスと生産性低下抑制の観点から望ましくは2μmか
ら5μmである。
一般的に用いられている硫酸、弗酸および硝酸とそれら
の混合水溶液でよい。それらの酸の濃度については特に
限定されず、例えば、一般的に用いられている硝酸:10
0 〜200g/l、弗酸:10〜50g/l の混合水溶液中でおこな
うことが可能であるが、比較的母材のCr分率に近い鋼板
組成の溶解速度を早め、生産性を向上させるために硝酸
を100g/l以下にして、弗酸濃度を50〜200g/lに高めても
よい。
延鋼板の焼鈍・酸洗による粒界酸化と、酸侵食による浅
い粒界侵食溝 (ミクログルーブ) とが見られることがあ
る。また、熱延鋼板表面にある酸化スケールはその厚さ
が不均一であるため、それによる凹凸の平滑化を図るた
めに、また酸化スケールを破砕し酸洗効率を向上させる
ために、酸洗前処理として、ショットブラストやアルミ
ナブラストを行ってもよい。
ョットブラストやアルミナブラストによる表面の凹凸を
平滑化するためには、総圧下率50%以上とする。最終の
焼鈍・酸洗でも熱延鋼板の焼鈍・酸洗と同じ発生機構に
より深い粒界侵食溝が発生するが、しかし、冷間圧延さ
れた鋼板表面には熱延鋼板でみられたCr炭化物によるCr
分率の低下やスラブ加熱で生成したCr欠乏層がなく平滑
なため、最終焼鈍により均一でCr分率の高い緻密で保護
性の高い酸化スケールで覆われる。
酸洗を行うが、これについては次に再び冷間圧延を行う
ことから特にその処理条件を制限しない。したがって、
この保護性の高い酸化スケールの保護効果により熱延鋼
板の焼鈍よりも高温で熱処理をおこなっても粒界侵食溝
は浅くなる。しかし、最終焼鈍温度を1100℃より高くす
ると酸化スケールを通り抜け母材金属原子と反応する酸
素原子が多くなり、特に原子の拡散速度の速い粒界での
酸化が深くなる。このため酸洗後の粒界侵食溝が深くな
り、バフ研磨性が低下する。また900 ℃未満では再結晶
に長時間を要し製造性が低下する。
以下に規定する。最終焼鈍で生成する酸化スケール直下
のCr欠乏層は表層に生成する緻密で保護性の高い酸化ス
ケールのためごく浅い深さしかなく、軽度の酸洗で容易
に除去できる。このため最終焼鈍に続く酸洗では生成し
た酸化スケールを除去できればよく、その方法について
は特に規定しない。
の鋼板を高温のアルカリ溶融塩に浸漬した後に10%〜20
%のNa2SO4やNaCl水溶液中で電解酸洗をおこなう方法
(以下中性塩電解酸洗) や、1%〜5%の弗酸と5%〜2
0%の硝酸の混合水溶液 (以下弗硝酸) に浸漬する方
法、あるいはアルカリ溶融塩浸漬をおこなわずに中性塩
電解、混酸浸漬と5〜20%の硝酸中での電解酸洗を組み
合わせるなど、いずれであってもよい。
げる。次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに
具体的に説明する。
ズのSUS304 2B 鋼板を採取し、板厚×100 mm幅×100 mm
長さに切断したサンプルの平均平坦面積率を測定したの
ち、同一サンプルのバフ研磨を行った。
交互に重ねた研磨装置を用いて、研磨剤:酸化クロムと
油脂の混合物、回転数:1200rpm 、通板速度:10mpm 、
研磨回数:1往復で行った。
面が理想的に全面が均一に研磨されたと仮定して下記式
により算出した。[研磨前重量(g) −研磨後重量(g)]/
{(100mm×100mm)×7.75(g/cm3) }×106研磨前重量と
研磨後重量の差は0.037 g から0.052 g の間であり、研
磨により除去された深さは0.48μmから0.67μmであっ
た。
いて次の要領で特性評価を行った。 <研磨性評価法>表面粗さ測定はSUS 304 2B鋼板表面の
圧延方向に測定した。
定に準じてL=12.5mm長さの測定を行い、得られた曲線
よりAFp(0.5 μm)、AFp(20%)、AFp(30%)をそれぞれ算出
した。
価した。 鏡面光沢度測定:JIS Z8741 に規定される60度鏡面光沢
度。鋼板の圧延長手方向に平行な方向に光源を反射させ
た。
の鋼板は研磨後の目視光沢感が高く、鏡面光沢度も高い
値が得られる。
ブの表層部より50mm厚さ×200 mm幅×250 mm長さのスラ
ブ片を採取し、このスラブ片を試験室ミルで熱間圧延し
て3.0 mm厚さの熱延鋼板を製造した。
ため熱間圧延終了直後の鋼板を800℃、750 ℃、700
℃、650 ℃、600 ℃、550 ℃にあらかじめ加熱しておい
た炉に投入して冷却速度50℃/hr で400 ℃以下まで徐冷
後、取り出し空冷した。
mm長さに切断し、表1に示す条件で熱延鋼板の焼鈍およ
び酸洗を行い冷延母材とした。なお、酸洗条件1〜4を
表2に示す。
パスでおこない、各パス後の鋼板より板厚×幅×50mm長
さのサンプルを切り出し、実施例1と同一の方法で各種
の特性評価を行った。
は3.0mm →2.4mm →2.1mm →1.8mm→1.5mm →1.4mm →
1.3mm →1.2mm →1.1mm →1.0mm であった。冷延圧下率
による影響を調整するため、一部は総圧下率を40%、50
%になったところで中止した。最終厚さと冷間圧延の圧
下率の関係を表3に示す。
冷間圧延の総圧下率が50%未満ではホット肌の影響があ
り、合格レベルに達する研磨後の光沢が得られない。
C量が0.04%以下、熱延鋼板巻取り温度を800 ℃以下と
し、熱延鋼板の焼鈍温度を1000℃以下、酸洗溶削量を2
μm以上としさらに最終焼鈍温度を1050℃にすることで
合格レベルの研磨後の光沢を得ることができる。最終焼
鈍温度1120℃では最終焼鈍での酸化が激しくなり、研磨
後の光沢が低くなる。
取り温度が750 ℃以上では充分な研磨性を確保すること
ができず、熱延鋼板の巻取り温度を600 〜700 ℃にする
ことで研磨後の光沢に優れた鋼板を得ることができる。
めた酸洗条件2、3、4で行うことで、短時間で多くの
溶削量を得ることができ、より優れた研磨性を得ること
ができる。
に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板および鋼帯を
経済的かつ安定的に製造することが可能となり、その実
用上の意義は大きいことが分かる。
Claims (4)
- 【請求項1】 最大表面粗さRmaxが2μm以下、かつ下
記式(1) で示す平均平坦面積率AFp において最大山高さ
から0.5 μm 深さにおけるAFp(0.5 μm)≧80%、また切
断レベルP(%) =20%、30%における平坦部面積率AFp
(P(%))がAFp(30)/AFp(20) ≧1.05であることを特徴と
するオーステナイト系ステンレス鋼板。 AFp= (ΣXi/L) ×100 ・・・(1) ただし、 L:鋼板表面の粗さ曲線からの抽出長さ P(%):粗さ曲線からの抽出長さの最大山頂−最大谷深さ
を100%とした場合の最大山頂からの深さレベル Xi:粗さ曲線からの抽出長さLにおいて、切断レベルP
(%) に出現する平坦部の長さ - 【請求項2】 質量%で、C:0.02 〜0.08%を含有する
オーステナイト系ステンレス鋼の熱間圧延において、含
有するC量に応じて熱間圧延の巻き取り温度を下記(2)
、(3) 式の範囲に規定し、該熱間圧延の後に、熱延鋼
板の焼鈍を1000℃以下で行い、それに続く酸洗により厚
さ2μm以上溶削して、得られた焼鈍酸洗済みの熱延鋼
板に総圧下率50%以上で冷間圧延を行い、得られた冷延
鋼板にさらに焼鈍、酸洗を行うことを特徴とする請求項
1記載のオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。( i ) 0.02%≦C≦0.04%のとき 巻き取り温度(Tc):600 ℃≦Tc≦800 ℃・・・(2) (ii) 0.04%<C≦0.08%のとき 巻き取り温度(Tc):600 ℃≦Tc≦700 ℃・・・(3) - 【請求項3】 熱延鋼板に行う前記酸洗を硝酸:20〜10
0g/l、ふっ酸:50〜200g/lの混合水溶液中で行うことを
特徴とする請求項2記載のオーステナイト系ステンレス
鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 冷延鋼板に行う前記焼鈍の最終焼鈍を、
900 ℃以上1100℃以下の温度で行うことを特徴とする請
求項2または3記載のオーステナイト系ステンレス鋼板
の製造方法。
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