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JP3508157B2 - 分裂酵母接合フェロモン前駆体遺伝子 - Google Patents

分裂酵母接合フェロモン前駆体遺伝子

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JP3508157B2
JP3508157B2 JP14006993A JP14006993A JP3508157B2 JP 3508157 B2 JP3508157 B2 JP 3508157B2 JP 14006993 A JP14006993 A JP 14006993A JP 14006993 A JP14006993 A JP 14006993A JP 3508157 B2 JP3508157 B2 JP 3508157B2
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Japan
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gene
fission yeast
pombe
ala
factor
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JP14006993A
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義幸 今井
正幸 山本
祐子 浜
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分裂酵母S.pombeの接合
に関与する接合フェロモン(P−ファクター)の前駆体
の構造遺伝子およびその発現制御遺伝子、接合フェロモ
ン遺伝子を組込んだ組換えプラスミド、ならびにその利
用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分裂酵母シゾサッカロミセス ポンベ
(Schizosaccharomyces pombe)は単細胞真核生物とし
て広く研究されている。通常の栄養条件では、1倍体と
して生育しているが、栄養飢餓の条件で接合および胞子
形成を行うようになる。接合を行う際には、2種類の接
合型(h+とh-)を示し、相互に接合を行うことで、接
合子を形成する。接合子は直ちに減数分裂および胞子形
成を行うが、接合が起こった後すぐに栄養豊富な培地に
移されると、2倍体として栄養増殖を開始することがで
きる。したがって、分裂酵母S.pombeは、1倍体および
2倍体として生育することが可能である。
【0003】接合の制御は分裂酵母S.pombeの分泌する
接合フェロモンによって制御されていることが知られて
いる。2種類の接合型のうち、h+細胞はP−ファクタ
ー、h-細胞はM−ファクターと呼ばれる接合フェロモ
ンを生産している。
【0004】出芽酵母サッカロミセス セレビシエ(Sa
ccharomyces cerevisiae)においても類似した機構が働
いており、フェロモンの同定が行われている。分裂酵母
S.pombeのP−ファクターはサッカロミセス セレビシ
エのα−ファクター、M−ファクターはa−ファクタ
ーに対応すると考えられる。M−ファクターについては
近年その分子的実体が明らかになった。M−ファクター
は9アミノ酸からなるペプチドであり、C末端がファル
ネシル化されていることが示されており、サッカロミセ
ス セレビシエのa−ファクターと近い構造を有する。
これに対して、P−ファクターについて実体はこれま
で明らかになっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまでサッカロミセ
ス セレビシエにおいては接合フェロモン(α−ファク
ターならびにa−ファクター)の分子的実体が明らかに
なっている(Cell(1982)30, 933-943,J.Kurjan and I.He
rskowitzなど) 。これに対して分裂酵母S.pombe接合フ
ェロモンについての研究は遅れていた。
【0006】h-細胞の作るM−ファクターについて
は、9アミノ酸からなるペプチドであることが近年明ら
かにされた(J.Davey、EMBO J.11,951-960(1992))のに対
して、h+細胞の分泌するP−ファクターについてはそ
の分子的実体が明らかになっていなかった。本発明は、
分裂酵母S.pombeの接合フェロモンの実体を明らかにし
ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は従来その実体が
不明であったP−ファクターの分子的実体を明らかにす
るとともに、P−ファクターを大量に入手することを可
能とした。また、分裂酵母S.pombeにおいて機能する分
泌シグナルペプチドを明らかにしたことより、分裂酵母
S.pombeに適したベクター系との組合わせにより有用な
蛋白質の分泌生産を可能とする。本発明の遺伝子および
ポリペプチドは分裂酵母の接合および胞子形成を制御す
るために重要な物質であり、応用面においても重要性が
高い。
【0008】本発明は、この分裂酵母S.pombeの接合フ
ェロモン・P−ファクター前駆体をコードする遺伝子D
Aおよびこの遺伝子がコードするアミノ酸配列を有す
るポリペプチドである。さらに本発明は、この遺伝子を
有する組換えプラスミド、およびそれにより形質転換さ
れた分裂酵母または大腸菌である。
【0009】本発明者は、次に示す方法で、分裂酵母S.
pombeの接合フェロモンP−ファクターの前駆体遺伝
子を見い出し、その構造を決定した。
【0010】(1)分裂酵母S.pombeにニトロソグアニ
ジンにより突然変異を誘発させ、接合不能型の変異株を
選択する。 (2)変異株の接合不能変異についての遺伝子解析を行
い、P−ファクターの生産に関与している遺伝子の同定
を行う。 (3)解析したそれぞれの接合不能変異株を分裂酵母S.
pombeの遺伝子ライブラリーにより形質転換し、機能を
相補する遺伝子を同定する。 (4)同定した遺伝子の配列を決定する。
【0011】(5)1倍体を用いて、同定した遺伝子の
破壊を行い、表現型を調べ、接合不能性を示すかを確認
、目的の遺伝子であることを検定する。 (6)同定した遺伝子を分裂酵母S.pombeでの発現に適
したベクター系に組み込み、遺伝子産物を酵母S.pombe
内で強制発現させ、その機能を検定する。 以上の方法により、P−ファクターをコードする遺伝子
を同定することができ、その構造が決定された。 (8)同定した遺伝子配列から予想されるアミノ酸配列
を持つポリペプチドを合成し、P−ファクターとしての
活性を示すかを直接的に確認する。
【0012】以上の方法によって、分裂酵母S.pombeの
接合フェロモンP−ファクター前駆体遺伝子を見い出
し、その構造が決定された。また、予想されるアミノ酸
配列より接合フェロモンP−ファクターポリペプチド
を合成した。
【0013】以下上記過程とそれによる本発明を実施例
により具体的に説明が、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0014】
【実施例】[実施例1] 接合型特異的接合不能変異株の単離
【0015】分裂酵母S.pombeのホモタリック株JY4
50およびJY476をYPD培地にて培養、集菌後ニ
トロソグアニジンを用いて最終濃度50、200および500μ
g/mlで突然変異を誘発した。
【0016】80,000コロニーのスクリーニングから72
5株の接合不能変異株が得られた。さらにh+型株また
はh-型株との交配により接合型特異性を調べた。得ら
れた「接合型特異的な接合不能変異株の表現型」のデー
タを表1にまとめた。
【0017】これらのうち、map2遺伝子変異株はP−フ
ァクターの分泌をせず、map2遺伝子はP−ファクターの
前駆体をコードしていると考えられた。
【0018】
【表1】
【0019】[実施例2] map2遺伝子の単離および構造解析
【0020】分裂酵母S.pombeのゲノムDNAライブラ
リーを以下のように作製した。分裂酵母S.pombeJY9
39より調製したゲノムDNAをSau3AIで部分分解し、
アガロースゲル電気泳動した。6.0-9.5kbおよび9.5-15k
bのDNA断片を回収しこれを、シャトルベクターpDB24
8をBamHIで消化しアルカリスファテースにて処理した
ものとライゲイション(Ligation)し、大腸菌を形質転
換した。その結果6.0-9.5kbDNAのものに対しては3
500クローン、9.5-15kbのものに対しては約1000クロー
ンの独立な形質転換体が得られた。
【0021】map2変異株のうち、map2-621変異株を上記
のように作製したライブラリーにて形質転換し、ヨウ素
蒸気でコロニーを染色、茶褐色に染色されたコロニー
中の菌体を顕微鏡観察し、接合型子嚢を形成しているも
のを選択した。接合型子嚢を形成した形質転換体より調
製したDNAを用いて、大腸菌HB101形質転換し、ア
ンピシリン耐性体を得た。このようにして、変異株の形
質を相補できる遺伝子を単離することが可能であった。
そこで、アンピシリン耐性株よりプラスミドDNAを調
製し、その構造を解析した。
【0022】得られたプラスミドについては、再度分裂
酵母変異株を形質転換し、変異を相補できるものについ
て解析を継続した。
【0023】得られたmap2遺伝子の遺伝子配列はシーク
エナーゼを用いたジデオキシ法によって決定した。DN
A断片をpUC118、pUC119、pBluescript-KS + またはpBlue
script-SK + にサブクローンしエキソヌクレアーゼおよび
S1ヌクレアーゼを用いて一方向性にDNAを削った。
ヘルパーファージを用いて一本鎖DNAを調製し鋳型D
NAとした。シークエナーゼを用いたジデオキシ法によ
って塩基配列を決定した。その結果を以下に示す。
【0024】 ACTAGTCGGA GGGGAACGGG TATTTGTTTA TTCTCCTCTT TTTTGCGTGC TCCATCTCCT 60 TTGAAGCTCT ATTTTAGTTG CTTTGCAGTA TCTATATCTG CTACAAGTAG CCAGAGGCGT 120 TCTATGCCTT CAATCTGAAG TTCATTTTTT CATTCTATGG CGGTATGCTA TTGGTTGAGT 180 ACACACAAAG AACAATGGAT AGAGTTTTAT TGTTTACATT ATCAAAAAAC CTTTAACCAA 240 TAAAAAAAAT AGCCGCTACC AGAAAAAAGT CGCTTAAAAT TAATAAGTCT TTTGATTGGT 300 CGCTGTACAT AGAAGTTCAT TTTGGGTGGA CGACAAAAAA ATAAGCGAAT ATCTTCAACC 360 AATCAGGATA AACAGCGATA AAACGAAAAC GGGGAAGTCA TTAAAAAATG GCGGTTAATG 420 TCAACAATGA ACAGTTTGAA AGCATAGAAT TCCAGATTTG AATTGAGGGA AACGGAGCAC 480 TACAAAGATG TATAAATACA GGCATTCTGT CCCAGAAGAA AACCAGAATT CGTTCAAGTC 540 TTCTATTTTA CATATTCACT CTTTCTATTT CTTATTCTTC ACTCTACAAG AACTCGCGTT 600 GGGTGTGAAT TTACATCCCT CTTGTCAACA AACCTGCTCC GTTAGCTAAT TTTCTGTAAA 660 TTTGCTTCGA TCTTTCTTAT TCTAATCTTT TAATCCTTTT TCTTTTGGAA TTTTGCCTTT 720 TTAAACTCTC CCTTTTTTTG AATCAGTCAA CAAATTATAA TTTTCTTCTT TTATTTGCTA 780 GTTCATCGCT TAAACTATCT TTCTTTTTCT AACTTATCAA CGAAATTTTA TTTTTTTCAC 840 ATACATTATG AAGATCACCG CTGTCATTGC CCTTTTATTC TCACTTGCTG CTGCCTCACC 900 TATTCCAGTT GCCGATCCTG GTGTGGTTTC AGTTAGCAAG TCATATGCTG ATTTCCTTCG 960 TGTTTACCAA AGTTGGAACA CTTTTGCTAA TCCTGATAGA CCCAACTTGA AAAAGCGCGA 1020 ATTCGAAGCT GCTCCCGCAA AAACTTATGC TGATTTCCTT CGTGCTTATC AAAGTTGGAA 1080 CACTTTTGTT AATCCTGACA GACCCAATTT GAAAAAGCGT GAGTTTGAAG CTGCCCCAGA 1140 GAAGAGTTAT GCTGATTTCC TTCGTGCTTA CCATAGTTGG AACACTTTTG TTAATCCTGA 1200 CAGACCCAAC TTGAAAAAGC GCGAATTCGA AGCTGCTCCC GCAAAAACTT ATGCTGATTT 1260 CCTTCGTGCT TACCAAAGTT GGAACACTTT TGTTAATCCT GACAGACCCA ACTTGAAAAA 1320 GCGCACTGAA GAAGATGAAG AGAATGAGGA AGAGGATGAA GAATACTATC GCTTTCTTCA 1380 GTTTTATATC ATGACTGTCC CAGAGAATTC CACTATTACA GATGTCAATA TTACTGCCAA 1440 ATTTGAGAGC TAAACTCATT TTATCTTCAT ATTTTTTTTA TTTTCTAGTA TGTTAGCCCA 1500 CACATCTTTA CAAAGCCATG TGAAGCAATT TTTTAAATTA ATTGCTATTT TCGATCTATT 1560 ATTTTACCAT ACGATCTGTA TTCCTATTCG CAATAATATT TTTAATTTTC ATCTTAGTCT 1620 TCATATTGTA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA GAAAAAACGT ATAGTAGTTA 1680 CAATATTACT GAAATCTACA GTACT 1705
【0025】map2遺伝子産物のアミノ末端附近にはシグ
ナル配列と考えられる疎水性領域が存在し、アスパラギ
ン結合型糖鎖付加可能部位が2ヵ所存在した。また、3
4アミノ酸からなる4回の繰り返し構造が認められ、サ
ッカロミセス セレビシエのα−ファクター遺伝子の構
造と類似していた。map2に相補的な遺伝子が分裂酵母S.
pombeに他にも存在するかを調べたが、見い出されなか
った。なお、上記DNA塩基配列の1番から847番ま
では、分裂酵母S.pombeの接合フェロモンの発現制御遺
子DNAである。
【0026】上記DNA塩基配列の848番から145
3番までは分裂酵母S.pombeの接合フェロモン・P−フ
ァクター前駆体をコードする遺伝子DNAであり、その
配列より接合フェロモン・P−ファクター前駆体のアミ
ノ酸配列は次の通りである。このポリペプチドはまた分
裂酵母S.pombeの接合フェロモンの分泌シグナルペプチ
ドであると考えられる。
【0027】 Met Lys Ile Thr Ala Val Ile Ala Leu Leu Phe Ser Leu Ala Ala Ala 16 Ser Pro Ile Pro Val Ala Asp Pro Gly Val Val Ser Val Ser Lys Ser 32 Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Val Tyr Gln Ser Trp Asn Thr Phe Ala Asn 48 Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu Phe Glu Ala Ala Pro Ala 64 Lys Thr Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr Gln Ser Trp Asn Thr Phe 80 Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu Phe Glu Ala Ala 96 Pro Glu Lys Ser Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr His Ser Trp Asn 112 Thr Phe Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu Phe Glu 128 Ala Ala Pro Ala Lys Thr Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr Gln Ser 144 Trp Asn Thr Phe Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Thr 160 Glu Glu Asp Glu Glu Asn Glu Glu Glu Asp Glu Glu Tyr Tyr Arg Phe 176 Leu Gln Phe Tyr Ile Met Thr Val Pro Glu Asn Ser Thr Ile Thr Asp 192 Val Asn Ile Thr Ala Lys Phe Glu Ser 201
【0028】図1と図2にmap2遺伝子産物の構造上の特
徴を示す。図1にmap2遺伝子産物に見られる繰り返し構
造を示す。map2遺伝子産物に4回現れる34アミノ酸
の繰り返し構造がある。図2にmap2遺伝子産物の疎水性
領域と親水性領域を示す。Kiteらの方法(J.Mol.Biol.1
57,105-132(1982))により、疎水性の領域が+で表され
ている。ウインドウ(window) は6アミノ酸とした。
【0029】[実施例3] map2遺伝子の破壊
【0030】クローン化したmap2遺伝子のオープンリー
ディングフレームから0.45kbの断片を除去し、さらに分
裂酵母S.pombeのura4遺伝子を挿入した断片を作製
直鎖状にした後、分裂酵母S.pombeを形質転換した。得
られた遺伝子破壊株はオリジナルな分裂酵母S.pombe
同じ表現型を示した。また、遺伝子破壊株とオリジナル
な株を交配し、500以上の子孫細胞の表現型を調べたと
ころ、いずれの場合も、すべて接合不能であった。遺伝
子の置換が正確に行われているどうかはゲノムDNAの
サザン分析によって確認した。以上の結果から、クロー
ン化された遺伝子は実際にmap2遺伝子であることが証明
された。
【0031】[実施例4] map2遺伝子の強制発現
【0032】map2遺伝子のオープンリーディングフレー
ムを含む0.8kbのDraI断片をベクターpART1のSmaI切断部
位に挿入した。ベクターのadhプロモーターと同一方向
にmap2遺伝子が挿入されたプラスミドpADMP2を選択し
た。
【0033】map1変異株またはmat1-Pc変異をホモに持
つ2倍体株は胞子形成不能であるが、P−ファクターを
与えると胞子形成が可能である。そこで、上記プラスミ
ドをmap1/map1に導入した。その結果、map2遺伝子の強
制発現が起こり、map1/map1変異株の胞子形成頻度が顕
著に増大した。その結果を表2に示す。表2は「map2遺
伝子の強制発現によるmap1変異株の胞子形成能の回復」
を示すデータである。これらの結果は、pADMP2を含む
酵母S.pombe株はP−ファクターを大量発現した結
果、胞子形成が可能になったものと考えられた。
【0034】
【表2】
【0035】[実施例5] 接合フェロモンP−ファクターポリペプチドの合成
【0036】アミノ酸配列[Thr Tyr Ala Asp Phe Leu
Arg Ala Tyr Gln Ser Trp Asn ThrPhe Val Asn Pro Asp
Arg Pro Asn Leu ]で表されるポリペプチドをMerrifi
eldの固相合成法により自動合成した。ついで、合成ペ
プチド粗分画を高速液体クロマトグラフィーにて下記条
件で精製した。 カラム;ウォーターズC18カラム(マイクロボンダスフ
ェアC18カラム) 溶出液A;0.1%TFAを含む水、溶出液B;0.1%TFAを含む
アセトニトリル カラムに粗ペプチド画分をチャージ後、溶出液Bの濃度
を60%になるまで直線濃度勾配をかけ、ペプチドを溶
出した。一部を分析用カラムで解析したところ、95%
以上の純度を示した。
【0037】
【発明の効果】従来その実体が不明であったP−ファク
ターの分子的実体を明らかにするとともに、P−ファク
ターを大量に入手することが可能となった。また、分裂
酵母S.pombeにおいて機能する分泌シグナルペプチドを
明らかにしたことより、分裂酵母S.pombeに適したベク
ター系との組合わせにより有用な蛋白質の分泌生産
なった。
【0038】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:1705 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源: 生物名:シゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharo
myces pombe) 株名:JY939 配列 ACTAGTCGGA GGGGAACGGG TATTTGTTTA TTCTCCTCTT TTTTGCGTGC TCCATCTCCT 60 TTGAAGCTCT ATTTTAGTTG CTTTGCAGTA TCTATATCTG CTACAAGTAG CCAGAGGCGT 120 TCTATGCCTT CAATCTGAAG TTCATTTTTT CATTCTATGG CGGTATGCTA TTGGTTGAGT 180 ACACACAAAG AACAATGGAT AGAGTTTTAT TGTTTACATT ATCAAAAAAC CTTTAACCAA 240 TAAAAAAAAT AGCCGCTACC AGAAAAAAGT CGCTTAAAAT TAATAAGTCT TTTGATTGGT 300 CGCTGTACAT AGAAGTTCAT TTTGGGTGGA CGACAAAAAA ATAAGCGAAT ATCTTCAACC 360 AATCAGGATA AACAGCGATA AAACGAAAAC GGGGAAGTCA TTAAAAAATG GCGGTTAATG 420 TCAACAATGA ACAGTTTGAA AGCATAGAAT TCCAGATTTG AATTGAGGGA AACGGAGCAC 480 TACAAAGATG TATAAATACA GGCATTCTGT CCCAGAAGAA AACCAGAATT CGTTCAAGTC 540 TTCTATTTTA CATATTCACT CTTTCTATTT CTTATTCTTC ACTCTACAAG AACTCGCGTT 600 GGGTGTGAAT TTACATCCCT CTTGTCAACA AACCTGCTCC GTTAGCTAAT TTTCTGTAAA 660 TTTGCTTCGA TCTTTCTTAT TCTAATCTTT TAATCCTTTT TCTTTTGGAA TTTTGCCTTT 720 TTAAACTCTC CCTTTTTTTG AATCAGTCAA CAAATTATAA TTTTCTTCTT TTATTTGCTA 780 GTTCATCGCT TAAACTATCT TTCTTTTTCT AACTTATCAA CGAAATTTTA TTTTTTTCAC 840 ATACATT ATG AAG ATC ACC GCT GTC ATT GCC CTT TTA TTC TCA CTT GCT 889 Met Lys Ile Thr Ala Val Ile Ala Leu Leu Phe Ser Leu Ala 10 GCT GCC TCA CCT ATT CCA GTT GCC GAT CCT GGT GTG GTT TCA GTT AGC 937 Ala Ala Ser Pro Ile Pro Val Ala Asp Pro Gly Val Val Ser Val Ser 20 30 AAG TCA TAT GCT GAT TTC CTT CGT GTT TAC CAA AGT TGG AAC ACT TTT 985 Lys Ser Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Val Tyr Gln Ser Trp Asn Thr Phe 40 GCT AAT CCT GAT AGA CCC AAC TTG AAA AAG CGC GAA TTC GAA GCT GCT 1033 Ala Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu Phe Glu Ala Ala 50 60 CCC GCA AAA ACT TAT GCT GAT TTC CTT CGT GCT TAT CAA AGT TGG AAC 1081 Pro Ala Lys Thr Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr Gln Ser Trp Asn 70 ACT TTT GTT AAT CCT GAC AGA CCC AAT TTG AAA AAG CGT GAG TTT GAA 1129 Thr Phe Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu Phe Glu 80 90 GCT GCC CCA GAG AAG AGT TAT GCT GAT TTC CTT CGT GCT TAC CAT AGT 1177 Ala Ala Pro Glu Lys Ser Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr His Ser 100 110 TGG AAC ACT TTT GTT AAT CCT GAC AGA CCC AAC TTG AAA AAG CGC GAA 1225 Trp Asn Thr Phe Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys Arg Glu 120 TTC GAA GCT GCT CCC GCA AAA ACT TAT GCT GAT TTC CTT CGT GCT TAC 1273 Phe Glu Ala Ala Pro Ala Lys Thr Tyr Ala Asp Phe Leu Arg Ala Tyr 130 140 CAA AGT TGG AAC ACT TTT GTT AAT CCT GAC AGA CCC AAC TTG AAA AAG 1321 Gln Ser Trp Asn Thr Phe Val Asn Pro Asp Arg Pro Asn Leu Lys Lys 150 CGC ACT GAA GAA GAT GAA GAG AAT GAG GAA GAG GAT GAA GAA TAC TAT 1369 Arg Thr Glu Glu Asp Glu Glu Asn Glu Glu Glu Asp Glu Glu Tyr Tyr 160 170 CGC TTT CTT CAG TTT TAT ATC ATG ACT GTC CCA GAG AAT TCC ACT ATT 1417 Arg Phe Leu Gln Phe Tyr Ile Met Thr Val Pro Glu Asn Ser Thr Ile 180 190 ACA GAT GTC AAT ATT ACT GCC AAA TTT GAG AGC TAAACTCATT TTATCTTC 1468 Thr Asp Val Asn Ile Thr Ala Lys Phe Glu Ser 200 ATATTTTTTT TATTTTCTAG TATGTTAGCC CACACATCTT TACAAAGCCA TGTGAAGCAA 1528 TTTTTTAAAT TAATTGCTAT TTTCGATCTA TTATTTTACC ATACGATCTG TATTCCTATT 1588 CGCAATAATA TTTTTAATTT TCATCTTAGT CTTCATATTG TAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 1648 AAAAAAAAAA AAGAAAAAAC GTATAGTAGT TACAATATTA CTGAAATCTA CAGTACT 1705
【図面の簡単な説明】
【図1】map2遺伝子産物に見られる繰り返し構造を示す
【図2】map2遺伝子産物の疎水性領域と親水性領域を示
すグラフ
フロントページの続き (56)参考文献 The EMBO Journal, 1991年,Vol.10, No.12,p. 3743−3751 Curr. Genet.,1991年, Vol.20,p.79−85 Curr. Genet.,1989年, Vol.15,p.403−405 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq PubMed

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記DNA塩基配列で表される、分裂酵母
    S.pombeの接合フェロモン・P−ファクター前駆体をコ
    ードする遺伝子DNA。
  2. 【請求項2】下記アミノ酸配列で表されるポリペプチド
    からなる、分裂酵母S.pombeの接合フェロモン・P−フ
    ァクター前駆体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の遺伝子DNAが導入され
    た組換えプラスミド。
  4. 【請求項4】請求項に記載の組換えプラスミドにより
    形質転換された分裂酵母または大腸菌。
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