JP3506739B2 - 合成樹脂製プーリ - Google Patents
合成樹脂製プーリInfo
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Description
を一体に設けた合成樹脂製プーリに関するものである。 【0002】 【従来の技術】オルタネータ等の自動車の補機を駆動す
るベルトの案内用プーリには転がり軸受付きの合成樹脂
製プーリが一般に使用されている。 【0003】この種の合成樹脂製プーリとして、図5に
示したものが従来から知られている。この合成樹脂製プ
ーリは、転がり軸受20と、その周りに一体成形された
合成樹脂部本体21とから成り、合成樹脂部本体21
は、転がり軸受20の外輪に固着された内径円筒部22
と、ベルト案内面を有する外径円筒部23と、内外円筒
部22、23間に設けられた円板部24およびその円板
部24に放射状に形成された複数のリブ25とを有して
いる。 【0004】合成樹脂部本体21は、ガラス繊維等の強
化繊維を15乃至40数%充填した強化ナイロン66、
610、612、あるいはポリフェニレンサルファイド
(PPS)とミネラルの複合材料等の材料で形成されて
いる。 【0005】上記合成樹脂製プーリは、リブ25間の各
間隔内の円板部24上にそれぞれゲート26が、リブ2
5と同数形成されている。ゲート26は、内外円筒部2
2、23の中間位置で、隣接するリブ25間の2等分位
置を通る放射線上に設けられている。したがって、各リ
ブ25に注目すると、リブ25の両側の2つのゲート2
6は、リブ25に対して対称位置に配置されている。 【0006】製造においては、図6および図7に示すよ
うな下型27と上型28とから成る金型が使用される。
転がり軸受20は、下型27と上型28との間に形成さ
れたキャビティの中央部にセットされ、その転がり軸受
20をインサート部品としてその周りのキャビティに溶
融樹脂が圧入充填される。 【0007】図6における29は内径円筒部22用のキ
ャビティ、30は外径円筒部23用のキャビティ、31
は円板部24用のキャビティを示し、円板部用キャビテ
ィ31にランナー32の先端に形成されたゲート孔33
が開口している。また、図7における34はリブ25用
のキャビティを示す。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の合成
樹脂製プーリにおいては、リブ25間の円板部24上に
ゲート孔33が配置されているため、ゲート孔33から
圧入充填された溶融樹脂は、図6の矢印で示すように、
円板部用キャビティ31の壁に衝突し、内外径方向に流
動する。溶融樹脂は、さらに、内径円筒部用キャビティ
29および外径円筒部用キャビティ30の壁に衝突して
円周方向に流動し、リブ用キャビティ34を充填する。 【0009】ここで、内径円筒部用キャビティ29およ
び外径円筒部用キャビティ30内における溶融樹脂の進
行速度は、図8に示すように各キャビティ29、30の
中央部35と両端部36とで差が生じ、速度勾配ができ
る。この速度勾配は溶融樹脂の温度、すなわち、収縮率
に影響し、中央部35は両端部36に対して大きく収縮
する。 【0010】このため、円板部24のリブ25間にゲー
ト26を設けた従来の合成樹脂製プーリでは、図9に示
すように、ゲート26の位置を通る断面OAとリブ25
の位置を通る断面OBとではひけの度合が異なり、同図
の2点鎖線で示すように、外径円筒部23が多角形にな
る問題があり、ベルトのバタツキを誘発するおそれがあ
った。 【0011】この発明は上記の問題点を解決し、合成樹
脂製プーリの内外円筒部の精度およびプーリ全体の強度
を向上させることを技術的課題としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、転がり軸受と、その周りに
一体成形された合成樹脂部本体とから成り、合成樹脂部
本体が、転がり軸受の外輪に固着する内径円筒部と、ベ
ルト案内面を有する外径円筒部と、内外円筒部間に設け
られた円板部およびその円板部に放射状に形成された複
数のリブとを有する合成樹脂製プーリにおいて、前記リ
ブを円板部と内径円筒部の隅部に形成された内リブと、
円板部と外径円筒部の隅部に形成された外リブとに分割
し、前記円板部には内リブと外リブとの間にゲートを設
けた構成としている。 【0013】 【作用】上記のように、内リブと外リブとの間にゲート
を設けたことにより、合成樹脂プーリの成形時、ゲート
から円板部に圧入充填された溶融樹脂は、内外円筒部用
キャビティを高速で、かつ円周方向に比較的低い速度勾
配で流動することになる。このため、各部における溶融
樹脂のひけの度合が略一定し、真円度等の形状の崩れを
抑えることができる。 【0014】 【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面の図1乃
至図4に基づいて説明する。 【0015】図1および図2に示すように、合成樹脂製
プーリは、転がり軸受1と、その周囲に成形された合成
樹脂部本体2とからなる。合成樹脂部本体2は、転がり
軸受1の外輪1aに固着する内径円筒部3と、ベルト案
内面を有する外径円筒部4と、内外両円筒部3、4間に
設けられた円板部5およびその円板部5の両面に放射状
に設けられた複数のリブ6とを有する。 【0016】合成樹脂部本体2の材質は、前述従来の合
成樹脂部本体と同様であるため、説明を省略する。 【0017】前記リブ6は、内径円筒部3と円板部5の
隅部に形成された内リブ6aと、外径円筒部4と円板部
5の隅部に設けられた外リブ6bとに分割され、その内
リブ6aと外リブ6bとの間にゲート7が設けられてい
る。 【0018】ここで、円板部5の厚みa、内リブ6aお
よび外リブ6bの厚みbは、外径円筒部4の厚みcの1
/2以下とされている。また、内リブ6a内端の中心間
の周方向長さLは外径円筒部4の厚みcの4倍以上とさ
れている。 【0019】図3および図4は、合成樹脂製プーリの成
形用金型を示し、図3は図2のOY断面における断面図
を示し、図4は図2のOX断面における断面図を示す。 【0020】成形用金型は下型8と上型9とから成る。
転がり軸受1は、下型8と上型9との間のキャビティ中
央部にセットされ、その転がり軸受1をインサート部品
としてその周りのキャビティに溶融樹脂が圧入充填され
る。 【0021】ここで、10は内径円筒部3用のキャビテ
ィ、11は外径円筒部4用のキャビティ、12は円板部
5用のキャビティ、13はリブ6a、6b用のキャビテ
ィをそれぞれ示し、円板部用キャビティ12には径方向
で対向するリブ用キャビティ13間にゲート孔14が開
口している。15はランナーを示す。 【0022】転がり軸受1のセット状態において、ゲー
ト孔14に溶融樹脂を圧入充填すると、この溶融樹脂
は、円板部用キャビティ12の壁に衝突して径方向に拡
がり、リブ用キャビティ13を通り、内径円筒部用キャ
ビティ10および外径円筒部用キャビティ11の壁に衝
突した溶融樹脂と合流する。 【0023】リブ用キャビティ13内を流動する溶融樹
脂の速度はゲート孔14から近いため、高速であり、内
径円筒部用キャビティ10および外径円筒部用キャビテ
ィ11内を円周方向に流動する溶融樹脂の抵抗とはなら
ない。したがって、内径円筒部用キャビティ10および
外径円筒部用キャビティ11内を円周方向に流動する溶
融樹脂の速度勾配は低く、溶融樹脂の収縮率は円周方向
において略一定する。 【0024】実施例では、円板部5の厚みaおよびリブ
6a、6bの厚みbを外径円筒部4の厚みcの1/2以
下としているため、交差部の体積増大によるひけを極力
抑えることができる。 【0025】さらに、内リブ6a内端の中心間の距離L
を外径円筒部4の厚みCの4倍以上にしているため、内
リブ6aおよび外リブ6bの高さを低くした効果ととも
に溶融樹脂が流れる際の抵抗とはならない。したがっ
て、溶融樹脂の流れが一定することになり、その結果、
溶融樹脂の収縮率が略一定となり、精度がより安定する
と共に、強度の均一化を図ることができる。 【0026】 【発明の効果】以上のように、この発明に係る合成樹脂
製プーリにおいては、放射状のリブを内リブと外リブと
に分割し、その内リブと外リブ間にゲートを設けたの
で、ゲートから流入した溶融樹脂は内外円筒部用キャビ
ティにおいてスムーズに拡がり、溶融樹脂が内外円筒部
用キャビティ内を円周方向に流れる際の速度勾配を低く
抑えることができる。このため、溶融樹脂の冷却による
収縮率が均一化し、内外両円筒部の精度を向上させるこ
とができる。 【0027】また、溶融樹脂の流れに抵抗がないので速
度が安定すると共に、溶融樹脂の合流が安定し、合成樹
脂製プーリの各部の強度の均一化を図ることができる。
す斜視図 【図2】同上の正面図 【図3】同上のプーリの成形用金型を示す断面図 【図4】同上プーリの成形用金型を示す断面図 【図5】従来の合成樹脂製のプーリの一部分を示す斜視
図 【図6】同上プーリの成形用金型を示す断面図 【図7】同上プーリの成形用金型を示す断面図 【図8】従来技術の溶融樹脂の流れの速度勾配を示す説
明図 【図9】図5の正面図 【符号の説明】 1 転がり軸受 2 合成樹脂部本体 3 内径円筒部 4 外径円筒部 5 円板部 6 リブ 6a 内リブ 6b 外リブ 7 ゲート
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 転がり軸受と、その周りに一体成形され
た合成樹脂部本体とから成り、合成樹脂部本体が、転が
り軸受の外輪に固着する内径円筒部と、ベルト案内面を
有する外径円筒部と、内外円筒部間に設けられた円板部
およびその円板部に放射状に形成された複数のリブとを
有する合成樹脂製プーリにおいて、前記リブを円板部と
内径円筒部の隅部に形成された内リブと、円板部と外径
円筒部の隅部に形成された外リブとに分割し、前記円板
部には内リブと外リブとの間にゲートを設けたことを特
徴とする合成樹脂製プーリ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP24117793A JP3506739B2 (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 合成樹脂製プーリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24117793A JP3506739B2 (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 合成樹脂製プーリ |
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ID=17070390
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