JP3501471B2 - カルシトニン類の安定化組成物および安定化法 - Google Patents
カルシトニン類の安定化組成物および安定化法Info
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Description
lcitonins)を有効成分とする凍結乾燥物であ
る安定化組成物およびカルシトニン類の安定化法に関す
る。
に関与するポリペプチドホルモンであり、高カルシウム
血症、骨ページェット病あるいは骨粗鬆症における疼痛
改善に用いられる医薬であり、天然型カルシトニンとそ
の類似体が知られている。これらのカルシトニン類を、
用時溶解型凍結乾燥製剤として製剤化するに当たり、マ
ンニトール等の糖類を賦形剤として配合する方法が一般
的に用いられている(特開平2ー111号公報)。
化する場合、等張化剤として塩化ナトリウム、緩衝剤と
して酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液および乳酸緩衝液、主
薬として5〜200単位のカルシトニン類を含有せしめ
る注射剤が知られ、さらに凍結乾燥製剤としてこれらの
液剤に乳糖、マンニトール、デキストラン、グリシンな
どの賦形剤を2〜3%溶解し、凍結乾燥してなる製剤が
知られている(特公平3ー75532号公報)。
用時溶解型凍結乾燥剤の賦形剤としては、マンニトール
がもっとも汎用されているが、マンニトールをカルシト
ニン類の用時溶解型凍結乾燥製剤の賦形剤として使用し
ても、その安定化効果については満足した結果は得られ
ない。また、例えば等張化の目的として一般的には0.
7〜0.9%程度の塩化ナトリウムの濃度のカルシトニ
ン類の注射剤を凍結乾燥したものは、塩化ナトリウムの
量が多すぎるためケーキの収縮などが起こり、目的とす
る凍乾製剤は得にくいもので、さらに賦形剤として2〜
3%の糖類やアミノ酸を添加しても同様の欠点を解決す
るには至らず、カルシトニン類を有効成分とする用時溶
解型の安定性良好な凍結乾燥組成物およびカルシトニン
類の安定化法が望まれていた。
べく、カルシトニン類を有効成分とする安全で安定な製
剤処方を得るため、種々研究を続けた結果、意外にも各
種糖類に、該糖類1重量部に対して1/100〜1/4
重量部の塩化ナトリウムを配合して凍結乾燥することに
より、糖類単独の場合より凍結乾燥製剤の安定性が著し
く向上することを見出した。この結果、カルシトニン類
の凍結乾燥製剤の安定化剤として糖類と塩化ナトリウム
を併用することにより、安全でしかも熱および保存安定
性に優れ、かつ外観的にも問題のないカルシトニン類の
凍結乾燥製剤、または凍結乾燥組成物を調製することが
可能となった。
効成分とし、糖類および塩化ナトリウムを含有し、糖類
1重量部に対して塩化ナトリウム1/100〜1/4重
量部を有する凍結乾燥物であるであることを特徴とする
凍結乾燥組成物、およびカルシトニン類を有効成分と
し、糖類および塩化ナトリウムを糖類1重量部に対して
塩化ナトリウム1/100〜1/4重量部を、水性媒体
に溶解した後凍結乾燥することを特徴とするカルシトニ
ン類の安定化法である。
ン類とは、少なくとも血清カルシウム低下作用を有する
ポリペプチド類であって、天然型カルシトニンまたはそ
の類似体が知られている。天然型カルシトニンの例とし
ては、ウナギカルシトニン、サケカルシトニン、ブタカ
ルシトニン、ヒトカルシトニン、ニワトリカルシトニン
等が挙げられ、内分泌細胞から分泌されてカルシウム調
節ホルモンとしての機能を果たしている。また類似体と
しては、天然型カルシトニンのS−S結合をアミノスベ
リン酸によってCH2-CH2 結合に置換した類似体、例
えばエルカトニン(〔Asu1.7 〕ウナギカルシトニ
ン)、〔Asu1.7 〕ニワトリカルシトニン、〔Asu
1.7 〕サケカルシトニンや〔Asu1.7 〕ヒトカルシト
ニンなどが知られている。
にて効果を奏するもので、例えばエルカトニンにおいて
は1回投与量としては6000単位/mgの活性を有す
るエルカトニンを10単位〜40単位程度を静脈投与す
ればよいものであって、これらのカルシトニン類におい
ては一般に適宜1単位〜5000単位の量を使用する量
として用いればよい。
以上の水溶性多糖類が挙げられ、例えばマンニトール、
グルコース、ソルビトール、イノシトール、キシリトー
ル、ガラクトース、フルクトース、シュクロース、マル
トース、ラクトース、トレハロース、デキストラン、サ
イクロデキストリン等水溶性糖類が挙げられる。これら
の糖類は、1種または2種以上を併用して用いても良
く、またこれらの糖類に限定されるものではない。
対し、2重量以上が好ましく、更に好ましくは20〜2
0000重量添加すればよい。しかしながら本発明の目
的がカルシトニン類の安定化組成物であり、この組成物
は必ずしも静脈投与用製剤として使用されるものに限定
されるものではないことから、例えばバイアルまたはア
ンプル等の容器に溶液として調整したものを分注した後
凍結乾燥され、このとき使用される主薬たるカルシトニ
ンの量は、通常1単位〜5000単位であればよいもの
である。一方、本発明に使用される糖類は、凍結時の安
定化剤として用いられていることはもちろんであるが、
適宜増量剤として一定量添加されてもよい。
たるカルシトニンとの相対比ではなく、アンプルあるい
はバイアル1本当たりの量で規定する方が、より現実的
であろう。この場合の添加量は、0.5〜100mg程
度であり更に好ましくは1〜20mgである。いずれに
せよ添加される糖類の量が何ら限定されるものではない
ことが明白である。
は、糖類との相対比において規定されるものである。塩
化ナトリウムの添加量は、糖類に対し多いほどカルシト
ニン類が安定であるが、糖類に対する重量比が25%以
上になると、凍結乾燥後のケーキに収縮が見られ、安定
性も低下する傾向にあるので、通常は糖類1重量部に対
し、1/100重量部〜1/4重量部、好ましくは1/
20重量部〜1/5重量部使用すればよい。水性媒体と
しては、例えば注射用蒸留水や緩衝液が例示される。さ
らに上記の水性溶媒は毒性を示さない限り水溶性有機溶
媒、例えば少量のエタノール等を含んでいてもよい。
成物を製造するには、例えば上記の組成のカルシトニン
類、糖類および塩化ナトリウムに、必要に応じて適宜公
知のpH調製剤、安定化剤、増量剤、防腐剤等を混合
し、上記の水性媒体に溶解して無菌濾過し、常法に基づ
いて凍結乾燥すればよい。この凍結乾燥には、通常用い
られている条件下で、トレー凍結乾燥、スプレー凍結乾
燥、バイアル凍結乾燥などの公知の凍結乾燥法が採用で
きる。
細に説明するが、何らこれらによって限定されるもので
はない。
g(6000単位/mg)とシュクロース500mgお
よび塩化ナトリウム50mgをとり、無菌蒸留水50m
lを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイアルに
0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換後、打
栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(本発明品
1)。
わりに表1に示される糖類を使用し、また塩化ナトリウ
ムを表1の量を用いて同様に処理し、各凍結乾燥製剤
(本発明品2〜6)を得た。
gとシュクロース100mgおよび塩化ナトリウム10
mgをとり、無菌蒸留水10mlを加え溶解させた。次
にガラスバイアルに0.2mlずつ分注し、凍結乾燥を
行い窒素置換後、打栓、巻き締めし用時溶解型製剤を得
た。得られた製剤は、40℃で3ケ月後のカルシトニン
残存率が良好なものであった。
5mgとマルトース180mgおよび塩化ナトリウム9
mgをとり、無菌蒸留水9mlを加え溶解させた。次に
ガラスアンプルに0.1mlずつ分注し、凍結乾燥後熔
閉し、含量測定用標準品を得た。得られた製剤は、40
℃で3ケ月後のカルシトニン残存率が良好なものであっ
た。
gとトレハロース100mgおよび塩化ナトリウム10
mgをとり、無菌蒸留水10mlを加え溶解させた。次
にガラスバイアルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た。得
られた製剤は、40℃で3ケ月後のカルシトニン残存率
が良好なものであった。
1.5mgと塩化ナトリウム50mgをとり、無菌蒸留
水50mlを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイ
アルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(対
照品1)。
1.5mgとシュクロース500mgをとり、無菌蒸留
水50mlを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイ
アルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(対
照品2)。
1.5mgとマンニトール500mgをとり、無菌蒸留
水50mlを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイ
アルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(対
照品3)。
1.5mgとラクトース500mgをとり、無菌蒸留水
50mlを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイア
ルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(対
照品4)。
1.5mgとデキストラン500mgをとり、無菌蒸留
水50mlを加え溶解させた。無菌濾過後、ガラスバイ
アルに0.5mlずつ分注し、凍結乾燥を行い窒素置換
後、打栓、巻き締めし、用時溶解型乾燥製剤を得た(対
照品5)。
1.5mgとラクトース1250mg及び塩化ナトリウ
ム450mgをとり、無菌蒸留水50mlを加え溶解さ
せた。無菌濾過後、ガラスバイアルに0.5mlずつ分
注し、凍結乾燥を行い窒素置換後、打栓、巻き締めし、
用時溶解型乾燥製剤を得た(対照品6)。
および対照品1〜6の各々を40°Cに保存し、経時的
にサンプリングを行い、次の条件におる高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)を用いてエルカトニン含量を
測定した。 HPLC測定条件 カラム:YMC AM−302 ODS S−5 12
0 (YMC社製) 内径4.6×150mm 移動相:0.1%TFA:アセトニトリル(65:3
5) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV 220nm
残存率を、表2に示した。
C、3ヶ月後の安定性が低下し、また塩化ナトリウム単
独または塩化ナトリウムの添加量が多い試料では、凍結
乾燥においてケーキが収縮し好ましくなく、かつ、安定
性も低下した。一方塩化ナトリウム及び糖類を併用した
本発明品はいずれも40°C、3ヶ月後のカルシトニン
類の残存活性が85%以上の安定なものであって、併用
効果が認められた。上記の通り、糖類及び一定量の塩化
ナトリウムをカルシトニン類の安定化剤として用いるこ
とにより、安定で安全性の高いカルシトニン類凍結乾燥
製剤を得ることが可能となった。
Claims (7)
- 【請求項1】 エルカトニンを有効成分とし、糖類およ
び塩化ナトリウムを含有し、糖類1重量部に対して塩化
ナトリウム1/100〜1/4重量部であることを特徴
とする凍結乾燥組成物。 - 【請求項2】 糖類がマンニトール、グルコース、ソル
ビトール、イノシトール、キシリトール、ガラクトー
ス、フルクトース、シュクロース、マルトース、ラクト
ース、トレハロース、デキストラン、サイクロデキスト
リンからなる群より選ばれる1種または2種以上の糖類
である請求項1記載の凍結乾燥組成物。 - 【請求項3】 凍結乾燥組成物が凍結乾燥製剤であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の凍結乾燥組成
物。 - 【請求項4】 凍結乾燥組成物が注射剤であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の凍結乾燥組成
物。 - 【請求項5】 凍結乾燥組成物がケーキ状態であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の凍結乾燥
組成物。 - 【請求項6】 エルカトニンを有効成分とし、糖類1重
量部に対して塩化ナトリウム1/100〜1/4重量部
である糖類および塩化ナトリウムを水性媒体に溶解した
後、凍結乾燥することを特徴とするエルカトニン凍結乾
燥組成物の保存安定性における安定化方法。 - 【請求項7】 糖類がマンニトール、グルコース、ソル
ビトール、イノシトール、キシリトール、ガラクトー
ス、フルクトース、シュクロース、マルトース、ラクト
ース、トレハロース、デキストラン、サイクロデキスト
リンからなる群より選ばれる1種または2種以上の糖類
である請求項6記載の安定化方法。
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-
1992
- 1992-06-15 JP JP15459492A patent/JP3501471B2/ja not_active Expired - Lifetime
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