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JP3501194B2 - 溶射方法 - Google Patents

溶射方法

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JP3501194B2
JP3501194B2 JP09052396A JP9052396A JP3501194B2 JP 3501194 B2 JP3501194 B2 JP 3501194B2 JP 09052396 A JP09052396 A JP 09052396A JP 9052396 A JP9052396 A JP 9052396A JP 3501194 B2 JP3501194 B2 JP 3501194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,基材の表面に金属,セラミック
等の溶射材料を溶射する方法に関する。
【0002】
【従来技術】例えば,耐摩耗性等に優れた材料を得るた
めに,基材表面に対して金属,セラミック等よりなる耐
摩耗性等に優れた溶射材料により溶射皮膜を形成し,基
材表面を改質する方法がある。この場合,溶射皮膜は,
通常100〜500μmの厚みに形成される。
【0003】従来,基材に対して溶射処理を行う方法と
しては,溶射ガンを用いて,溶融状態の粒子状溶射材料
(溶射粒子)を基材表面上に噴射し,該基材表面上に積
層した溶射材料を凝固させることにより溶射皮膜を形成
する方法が知られている。この方法において上記100
〜500μmの厚みの皮膜を得るためには,通常複数回
溶射処理を行うことにより皮膜厚みを確保する。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の溶
射方法においては,次の問題がある。即ち,上記従来の
溶射方法により得られた溶射皮膜は,例えば早期に亀裂
或いは剥離を引き起こし,十分な表面改質効果を発揮し
得ない場合がある。これは次の原因によると考えられ
る。
【0005】即ち,基材上に溶射された溶射材料は,基
材への放熱等により急激に冷却され,凝固する。このと
き溶射材料は,凝固収縮を引き起こす。そのため,形成
された溶射皮膜内部には,上記凝固収縮による応力によ
って,引っ張り方向の残留応力が生じる。それ故,溶射
皮膜自体の強度等の特性が低下すると共に,溶射皮膜と
基材との密着力が低下すると考えられる。
【0006】さらには,大気雰囲気中において複数回の
溶射により溶射皮膜を層状に積み重ねる場合には,各層
の皮膜表面が皮膜形成の過程で酸化する。そのため,各
層間に酸化物を挟み込んだ状態で溶射皮膜が形成され
る。それ故,積層され形成された溶射皮膜内部の密着性
等に問題が生じ,溶射皮膜自体の強度等の特性が一層低
下すると考えられる。
【0007】このような問題に対し,溶射皮膜と基材と
の密着力を向上する方法として,溶射処理を行う前に,
予め基材に対して小さなブラスト粒子を高速で衝突させ
るブラスト処理を行ない,これにより,溶射前の基材表
面の表面粗さを粗くして基材表面を活性化する方法が知
られている。
【0008】しかしながら,この方法によれば,基材と
溶射皮膜との密着力が若干向上するものの,上記と同様
に溶射皮膜内に引っ張り残留応力が生じる。また,皮膜
内部に酸化物層が存在することにより溶射皮膜自体の強
度等の特性が低くなる。そのため,結果的に耐摩耗性等
の表面改質効果が少ないという問題がある。
【0009】また,溶射皮膜の特性を向上させる方法と
して,減圧雰囲気中において溶射を行う方法がある。し
かし,この方法の場合には,減圧雰囲気を形成するため
にコストが増加し,生産性も低下するという問題があ
る。そのため,実生産に適用するメリットは低い。
【0010】また,別の方法としては,例えば特開平6
−136504号公報に示されるごとく,溶射ガンと同
期して溶射直前に溶射面を順次ブラスト処理する方法が
ある。この方法においては,基材表面を活性化すること
ができると共に,基材表面への跳ね返り溶射粒子の付着
という問題を解決することができ,溶射皮膜の特性を若
干改善することができる。しかしながら,根本的に上記
引っ張り残留応力の問題は解消されない。
【0011】さらに別の方法としては,例えば特開昭5
4−16341号公報に示されるごとく,不活性ガス雰
囲気中において溶射と同時にショットピーニング処理を
行う方法が提案されている。この方法によれば,形成さ
れつつある溶射皮膜に対して熱間加工処理が施され,上
記引っ張り残留応力の低減にある程度効果があり,溶射
皮膜の特性を若干改善することができる。しかしなが
ら,この場合には,溶射粒子が溶融状態で基材に衝突す
るのと同時にピーニング粒子も衝突するため,ピーニン
グ粒子が溶射皮膜内へ侵入し易いという問題があり,こ
れによる皮膜特性の低下を避けられない。
【0012】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,溶射皮膜と基材との密着力及び溶射皮膜
自体の特性に優れ,十分な表面改質効果を発揮し得る,
溶射方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,複数回の溶射に
より溶射皮膜を層状に積み重ねる溶射方法であって,
材の表面に溶射粒子を溶射して上記溶射皮膜を形成し,
次いで,該溶射皮膜の表面をブラスト粒子によりブラス
ト処理し,その後,該ブラスト処理を施した上記溶射皮
膜の表面に,上記溶射と上記ブラスト処理を複数回繰り
返し行い,かつ,上記ブラスト処理は,上記溶射皮膜の
温度が上記溶射粒子の最終凝固温度(摂氏)の25〜9
9%の範囲内にある間に行うことを特徴とする溶射方法
にある。
【0014】本発明において最も注目すべきことは,上
記溶射皮膜を形成した後,該溶射皮膜の表面に対して,
上記ブラスト処理を行うことである。上記溶射処理は,
従来と同様に溶射ガンを用いて溶射粒子を基材表面に噴
射する方法により行う。また,上記溶射粒子としては,
例えばFe−Cr−C合金,Al−Si合金,Ni系合
金,Cu系合金,Mo,あるいはこれらとセラミック粉
末(Cr2 3,Al2 3 など)との複合材等種々の
材料の粒子を用いる。
【0015】上記ブラスト処理は,微小なブラスト粒子
を高速で基材表面に衝突させる処理であり,ブラストガ
ンを用いて行うことができる。そして,上記ブラスト処
理は,少なくとも,溶射粒子が凝固して皮膜が形成され
た後に行う。さらには,後述するごとく,溶射粒子の種
類に応じて,各溶射皮膜が一定の温度範囲内にある間に
ブラスト処理を行うことが好ましい。
【0016】次に,本発明における作用につき説明す
る。本発明においては,上記のごとく,溶射処理により
溶射皮膜を形成した後,該溶射皮膜に対して上記ブラス
ト処理を行う。そのため,溶射皮膜には,上記ブラスト
粒子の衝突によって皮膜厚さ方向に応力が加えられ,皮
膜面に平行な方向に塑性変形が与えられる。
【0017】この塑性変形は,凝固収縮によって溶射皮
膜内部に生じていた引っ張り残留応力を緩和又は消滅さ
せることができる。即ち,上記溶射皮膜形成後のブラス
ト処理は,溶射皮膜内の残留応力を任意に制御すること
ができ,これにより,溶射皮膜と基材との密着力及び溶
射皮膜自体の特性を,ブラスト処理前に比べて格段に向
上させる。
【0018】また,複数回の溶射処理を行って所定厚み
の溶射皮膜を形成する場合には,各回における溶射処理
により形成された皮膜の表面が,各回毎に順次ブラスト
処理される。そのため,溶射後の溶射皮膜表面は,酸化
物等が除去されて常に活性な状態となり,その上面に溶
射された皮膜との間に,多量の酸化物が介在することが
ない。それ故,溶射皮膜自体の強度等の特性はより一層
改善される。したがって,溶射皮膜と基材との密着力及
び溶射皮膜自体の特性に優れ,十分な表面改質効果を発
揮し得る,溶射処理を施すことができる。
【0019】なお,上記溶射処理の前後にブラスト処理
を行うこともできる。この場合には,上記の溶射前表面
の活性化効果がさらに向上し,これにより溶射被膜特性
等が一層向上する。
【0020】 次に,上記ブラスト処理は,上記溶射皮
膜の温度が上記溶射粒子の最終凝固温度(摂氏)の25
〜99%の範囲内にある間に行う。なお,溶射により,
溶射粒子が完全溶融している状態から温度が低下して固
液共存状態となる。この固液共存状態の下限温度が最終
凝固温度である。例を上げて説明すると,Fe−Cr−
C合金を溶射粒子として用いる場合には,その最終凝固
温度は1440℃であるため,その25%の360℃か
ら99%の1426℃の範囲内にある間に上記ブラスト
処理を行う。
【0021】ここで,上記温度範囲は,溶射皮膜が塑性
変形しやすく,また塑性変形後に再結晶がおこる温度の
近傍の領域を意味する。上記温度範囲よりも高い温度
(上記最終凝固温度の99%を超える温度)においてブ
ラスト処理した場合には,固液共存状態であるため,ブ
ラスト処理による圧縮応力が付与されないという問題が
ある。
【0022】一方,上記温度範囲よりも低い温度(上記
最終凝固温度の25%未満の温度)においてブラスト処
理した場合には,皮膜の塑性変形が困難になり,また皮
膜の割れや破壊が発生する恐れが生じるという問題があ
る。
【0023】 また,上記ブラスト粒子の平均粒径は,
20〜500μmの範囲内にあることが好ましい。上記
平均粒径が20μm未満の場合には,溶射皮膜に対して
効果的な応力を付加することができず,引っ張り残留応
力の緩和が十分にできないという問題があり,好ましく
は30μm以上が良い。一方平均粒径が500μmを超
える場合には,溶射皮膜に与える応力が局所的になりす
ぎ,引っ張り残留応力の除去が均一に行えないという問
題があり,好ましくは300μm以下が良い。
【0024】
【発明の実施の形態】 実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる溶射方法につき,図1〜図
6を用いて説明する。本例においては,図4に示すごと
く,アルミ合金試片(JIS6061合金,縦200m
m,横60mm,厚み10mm)を基材9として用い,
その表面にFe−Cr−C合金よりなる溶射皮膜8を形
成した。
【0025】まず,溶射装置1について,図2を用いて
説明する。溶射装置1は,図2に示すごとく,溶射ガン
10と,その前後に配設した2つのブラストガン21,
22とよりなり,これらは一体的に左右方向に往復動可
能に設けられている。そして,ブラストガン21,22
は,その往路又は復路において,作動又は停止の切り換
えが可能なように構成してある。
【0026】また,溶射ガン10とブラストガン21,
22との配設間隔は,図2に示すごとく,各ガン先端の
開口部中心間の距離L1 ,L2 が,それぞれ40mmと
なるように構成してある。また各ガン10,21,22
の先端と基材9との距離L3は,全て100mmとなる
ように構成してある。また溶射ガン10の噴射角度R1
は,基材9に対して鉛直方向90°に設定してあり,一
方ブラストガン21,22の噴射角度R2 は,それぞれ
溶射ガン10から遠ざかる方向に基材9に対して85°
の角度に設定してある。
【0027】次に,溶射条件等につき以下に示す。 プラズマ出力;30kVA(電流1000A,電圧30
V), プラズマ用ガス;Ar(アルゴン)(36リットル/
分), 溶射粒子;Fe−Cr−C合金(Cr50〜60%,C
2〜5%,残Fe), 溶射粒子供給量;30g/分, 溶射距離;100mm,
【0028】次に,ブラスト条件等につき以下に示す。 ブラスト粒子;球状アルミナ, ブラスト粒子平均粒径;100〜200μm(平均粒径
(50μm)), ブラスト噴射角度;85°, 噴出圧力;5kgf/cm2 , ブラスト粒子平均速度;70m/秒,
【0029】次に,溶射装置1を用いて上記条件によ
り,実際に溶射皮膜を形成する手順について説明する。
まず,溶射装置1の使用方法としては,図1(a)に示
すごとく,例えば同図の右方向に向かって溶射処理を進
行させる場合には,先頭のブラストガン21は停止状態
とし,溶射粒子109を噴射する溶射ガン10の後ろ側
のブラストガン22のみを作動させてブラスト粒子29
を噴射する。
【0030】また図1(b)に示すごとく,上記と逆の
左方向に向かって溶射処理を進行させる場合には,その
進行方向の先頭となったブラストガン22を停止状態と
し,後ろ側のブラストガン21のみを作動させてブラス
ト粒子29によりブラスト処理する。これにより,溶射
装置1を往復移動させて溶射皮膜8を形成する場合に,
常に,溶射皮膜8形成後にブラスト処理を行うことがで
きる。
【0031】次に,図3を用いて,ブラスト処理のタイ
ミングについて説明する。図3は横軸に時間,縦軸に温
度を取り,溶射皮膜の冷却曲線Cを示している。即ち,
図3に示すごとく,上記ブラスト処理は,溶射皮膜の温
度がFe−Cr−C合金の最終凝固温度T0 (1440
℃)に対して25%の温度T2 (360℃)〜99%の
温度T1 (1426℃)の再結晶温度範囲内Sにおいて
ブラスト処理を行う。
【0032】具体的には,図3に示すごとく,予め測定
した溶射皮膜の冷却曲線Cにより,溶射したとき
(A0 )から一定の時間経過した後,時間A1 〜A2
範囲(B)において溶射皮膜の温度がその再結晶温度範
囲内Sにあることが分かっている。そのため,溶射ガン
10とブラストガン21,22とを上記一定間隔で一体
的に一定の速度で移行させることにより,ブラスト処理
の最適タイミングを確保することができる。本例におけ
る溶射装置1の移行速度は,600mm/秒としてあ
る。なお,溶射皮膜温度を測定するための二色温度計等
を溶射装置1に配設し,その測定温度に基づいて,ブラ
スト処理タイミングを制御する方法をとることもでき
る。
【0033】以上の条件により,図4に示すごとく,溶
射及びブラスト処理を基材9に対して約20〜30往復
行い,0.4mm厚みの溶射皮膜8を形成した。次に,
得られた溶射皮膜8の特性等を調べるため,溶射皮膜8
内の残留応力,溶射皮膜8と基材9との密着強度,溶射
皮膜8の皮膜強度を測定した。
【0034】残留応力は,図4に示すごとく,基材9の
ほぼ中央部分D1 について,溶射皮膜の最表面からX線
回折法を用いて測定した。また,上記密着強度及び皮膜
強度は,図5に示すごとく,上記残留応力測定部
(D1 )付近を縦に1mmの厚さに切り出して試験片8
8として用い,溶射皮膜8と基材9との界面部D2 ,及
び溶射皮膜厚みの1/2の部分D3 について,それぞれ
剪断試験を行い,得られたそれぞれの剪断強度をもって
評価した。
【0035】溶射皮膜8の残留応力,基材9と溶射皮膜
8との密着力,溶射皮膜8の皮膜強度を,後述する比較
例1,2の結果と共に表1に示す。
【0036】比較例1 本比較例においては,実施形態例1における溶射装置1
及び基材9を用い,ブラストガン21,22の作動状態
を実施形態例1と逆にした。即ち,図6(a)に示すご
とく,同図の右方向に溶射処理を進行させる場合には,
先頭のブラストガン21を作動させ,一方溶射ガン10
の後ろ側のブラストガン22は停止状態とする。
【0037】また,図6(b)に示すごとく,上記と反
対方向に溶射処理を進める場合には,その先頭となった
ブラストガン22は作動状態,一方後ろ側のブラストガ
ン21は停止状態とする。これにより,往復して溶射処
理を行う場合に,常に,溶射処理直前にのみブラスト処
理するようにした。その他は,実施形態例1と同様とし
た。
【0038】本例において得られた溶射皮膜について
も,実施形態例1と同様に,残留応力,基材と溶射皮膜
との密着力,溶射皮膜の皮膜強度について測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0039】比較例2 本比較例においては,図7に示すごとく,実施形態例1
における溶射装置1及び基材9を用い,ブラストガン2
1,22を常時停止状態にして,ブラスト処理を一切行
わずに溶射処理をした。その他は,実施形態例1と同様
にした。本例において得られた溶射皮膜についても,実
施形態例1と同様に,残留応力,基材と溶射皮膜との密
着力,溶射皮膜の皮膜強度について測定した。その結果
を表1に示す。
【0040】表1より知られるごとく,溶射処理直後に
ブラスト処理を実施した実施形態例1は,溶射皮膜内の
引っ張り方向の残留応力が消滅してわずかな圧縮応力が
残る,非常に良好な内部状態となっていることがわか
る。さらに,密着強度,皮膜強度についても,非常に良
好な性能を示した。
【0041】一方,比較例2は大きな引っ張り応力が残
存しており,密着強度,皮膜強度についても最も悪かっ
た。比較例1については,いずれも比較例2よりは若干
改善されており上記溶射前ブラスト処理の効果が現れて
いるものの,実施形態例1に比べると改善効果が非常に
低いことがわかる。
【0042】以上より,溶射皮膜形成後,その表面に対
してブラスト処理を行うことは,ブラスト処理を溶射直
前に行う場合,又はブラスト処理を行わない場合に比
べ,溶射皮膜と基材との密着力及び溶射皮膜自体の特性
の向上に大きな効果があることがわかる。
【0043】
【表1】
【0044】実施形態例2 本例においては,実施形態例1における溶射装置1の2
つのブラストガン21,22を両方とも常時作動させ,
溶射処理の前後においてブラスト処理を行った。その他
は,実施形態例1と同様である。
【0045】本例においては,基材と溶射皮膜との密着
力及び溶射皮膜の特性が,実施形態例1に比べてさらに
若干向上した。これは,実施形態例1の溶射後のブラス
ト処理による効果に対して,上記比較例1の溶射直前ブ
ラスト処理による効果が上乗せされたことによるものと
考えられる。
【0046】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,溶射皮
膜と基材との密着力及び溶射皮膜自体の特性に優れ,十
分な表面改質効果を発揮し得る,溶射方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)往路,(b)復
路における処理状態を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,溶射装置の構成を示す
説明図。
【図3】実施形態例1における,溶射皮膜の冷却曲線お
よび最適ブラスト処理タイミングの領域を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,基材表面に溶射皮膜を
形成した状態を示す説明図。
【図5】実施形態例1における,溶射皮膜特性評価用の
試験片を示す説明図。
【図6】比較例1における,(a)往路,(b)復路に
おける処理状態を示す説明図。
【図7】比較例2における,処理状態を示す説明図。
【符号の説明】
1...溶射装置, 10...溶射ガン, 109...溶射粒子, 21,22...ブラストガン, 29...ブラスト粒子, 8...溶射皮膜, 9...基材,
フロントページの続き (72)発明者 森 広行 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−6238(JP,A) 特開 平4−346626(JP,A) 特開 平6−136504(JP,A) 特開 昭54−16341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/12 C23C 4/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数回の溶射により溶射皮膜を層状に積
    み重ねる溶射方法であって, 基材の表面に溶射粒子を溶射して上記溶射皮膜を形成
    し,次いで,該溶射皮膜の表面をブラスト粒子によりブ
    ラスト処理し, その後,該ブラスト処理を施した上記溶射皮膜の表面
    に,上記溶射と上記ブラスト処理を複数回繰り返し行
    い, かつ,上記ブラスト処理は,上記溶射皮膜の温度が上記
    溶射粒子の最終凝固温度(摂氏)の25〜99%の範囲
    内にある間に行う ことを特徴とする溶射方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ブラスト粒子の
    平均粒径は,20〜500μmの範囲内にあることを特
    徴とする溶射方法。
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